JP2004241690A - スタック型セル及びその製造方法 - Google Patents

スタック型セル及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004241690A
JP2004241690A JP2003030838A JP2003030838A JP2004241690A JP 2004241690 A JP2004241690 A JP 2004241690A JP 2003030838 A JP2003030838 A JP 2003030838A JP 2003030838 A JP2003030838 A JP 2003030838A JP 2004241690 A JP2004241690 A JP 2004241690A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
plug
lower electrode
oxygen
insulating film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003030838A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasushi Igarashi
泰史 五十嵐
Takashi Mitarai
俊 御手洗
Tsutomu Nagahama
勉 長浜
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oki Electric Industry Co Ltd
Sony Corp
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oki Electric Industry Co Ltd, Sony Corp filed Critical Oki Electric Industry Co Ltd
Priority to JP2003030838A priority Critical patent/JP2004241690A/ja
Publication of JP2004241690A publication Critical patent/JP2004241690A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Semiconductor Memories (AREA)

Abstract

【課題】半導体メモリ装置の高集積化、微細化に適した構成を有するスタック型セルであって、該セルの製造工程におけるプラグの酸化を防止する構成を有するスタック型セル、及び該セルの製造方法の提供。
【解決手段】スタック型セル100は、絶縁膜12と、該絶縁膜12を貫通して設けられたプラグ114と、絶縁膜12の上側に設けられ、かつプラグ114と電気的に結合された下部電極18と、該下部電極18と絶縁膜12との間に、下部電極18の下地膜として設けられた、対プラグ酸素進入防止膜102と、下部電極18上に、順に積層された誘電体膜120及び上部電極22とを含む。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、スタック型セルと該セルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
DRAM(Dynamic Random Access Memory)やFeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)は、キャパシタに蓄えられる電荷を利用するメモリセルから構成される。このメモリセルの代表的な構成として、スタック型セルが知られている。スタック型セルは、特に、FeRAMの高集積化と、微細化を実現する構成として、注目されている。
【0003】
図6には、従来よりよく知られているスタック型セル10の構成の一例を示してある。図6は、スタック型セル10の断面図である。図6中、一部の構成について断面を表すハッチングを省略して示してある。
【0004】
このスタック型セル10は、適当な下地上に、SiOを用いて構成される層間絶縁膜12と、この絶縁膜12を貫通して設けられたプラグ14とを有している。例えば、プラグ14はタングステン(W)を用いて構成される。また、層間絶縁膜12の上側に、下部電極18が形成され、この下部電極18はプラグ14と電気的に接続されている。さらに、下部電極18上には、高誘電体膜及び強誘電体膜のいずれかを用いて構成された誘電体膜20、及び、例えばPt(白金)を用いて構成された上部電極22が順に積層されている。
【0005】
スタック型セル10において、誘電体膜20を形成する際、該誘電体膜20の熱処理は、酸素雰囲気下、高温で行われる。例えば、一般に、誘電体膜20を、SBT(SrBiTa)等の強誘電体膜を用いて構成した場合、前述した熱処理は、酸素雰囲気下、600〜800℃にて行われる。この熱処理の際、上述した、スタック型セル10の構成によれば、誘電体膜20から下部電極18を経て酸素が拡散して、プラグ14に達する。このとき、タングステン(W)等によって構成されたプラグ14は、酸化されるので、導電性を失ってしまう。
【0006】
そこで、一般に、イリジウム(Ir)を用いて構成した下部電極18をプラグ14上に配置し、この下部電極18でプラグ14に達する酸素の拡散を妨げることによって、誘電体膜20の形成の際のプラグ14の酸化を防止する。下記の非特許文献1には、Pt(白金)と二酸化イリジウム(IrO)とイリジウム(Ir)との積層膜を下部電極18とする構成が開示されている。
【0007】
また、誘電体膜20の形成の際、この誘電体膜20の加工端は、プロセス損傷を受けやすい。そして、各セル毎に誘電体膜20を加工してDRAM等を製造した場合、該RAMを微細化、高集積化する際には、当該RAMにおける、誘電体膜20のプロセス損傷の影響は無視できなくなる。そこで、図6に示すスタック型セル10では、下部電極18を形成する際、該電極18を加工する。その後、層間絶縁膜12上に下部電極埋め込み層16を、下部電極18の上部を除き、下部電極18が、下部電極埋め込み層16中に埋め込まれるように形成する。その後、下部電極18上に、誘電体膜20と上部電極22を順に形成し、これら誘電体膜20及び上部電極22を加工する。尚、下部電極埋め込み層16は、通常、層間絶縁膜12を構成する材質と同様、SiOによって構成される。
【0008】
この場合、各セルに、加工した下部電極18を島状に形成し、さらに誘電体膜20及び上部電極22を各セルにまたがって配線状に形成することができる。よって、この構成のスタック型セル10を含む半導体メモリ装置では、各セル毎に誘電体膜20を加工する場合と比較して、当該メモリ装置全体として前述したプロセス損傷の影響は少なくなる。すなわち、上述したスタック型セル10の構成は、半導体メモリ装置の微細化、高集積化に適した構造ということができる。
【0009】
また、上述したスタック型セル10の構成によれば、上部電極22をプレート線として使用することも可能であり、別工程で、上部電極22にプレート線を配線する必要が無い。従って、上述した構成のスタック型セル10によって、半導体メモリ装置を構成すれば、該メモリ装置の製造工程を簡略化することができる。
【0010】
【非特許文献1】
”Stacked Pt/SrBiTa2−xNb/Pt/IrO/Ir Capacitor on Poly Plug”,S.Y.Kweon,S.K.Choi,W.S.Yang,S.J.Yeom,and J.S.Roh,J.J.A.P.,vol.41,pp.66−69,2002
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述したように、各セルに、加工した下部電極18を島状に形成し、さらに誘電体膜20及び上部電極22を各セルにまたがって配線状に形成する場合、加工した下部電極18の周辺から酸素が拡散しやすい。この際、酸素の拡散経路は、図6中、矢印Xで示すように、下部電極18と、該電極18の周辺膜、すなわち下部電極18と接する下部電極埋め込み層16及び層間絶縁膜12との界面に形成される。そして、図6中、矢印Xで示すような拡散経路を経て拡散した酸素は、プラグ14に達する。この際、図6に示すように、プラグ14において、下部電極18との接触部分30が、酸素により酸化されやすい場所となる。そして、接触部分30が酸化されることにより、プラグ14は、下部電極18との導電性を失ってしまう。
【0012】
また、イリジウム(Ir)を用いて構成された下部電極18は、前述した、該電極18の周辺膜との密着性が悪く、下部電極18と該電極18の周辺膜との界面では膜剥がれが生じやすい。膜剥がれが生じると、図6中の矢印Xで示すような拡散経路が拡大され、さらに、接触部分30の酸化を促進させる事態が生じる。
【0013】
この発明は、以上のような問題点に鑑み成されたものであり、従って、この発明の目的は、半導体メモリ装置の高集積化と、微細化に適した構成を有するスタック型セルであって、このセルの製造工程におけるプラグの酸化を防止する構成を有するスタック型セル及びその製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するため、第1発明のスタック型セルは、絶縁膜と、該絶縁膜を貫通して設けられたプラグと、絶縁膜の上側に設けられ、かつプラグと電気的に結合された下部電極とを具えている。そして、第1発明のスタック型セルにおいて、下部電極と絶縁膜との間には、下部電極の下地膜として形成された、対プラグ酸素進入防止膜が設けられている。また、第1発明のスタック型セルが有する下部電極上には、誘電体膜及び上部電極が順に積層されている。
【0015】
既に説明したように、スタック型セルに誘電体膜を形成する際、誘電体膜の熱処理は、酸素雰囲気下で、かつ高温で行われる。この際、プラグにおいて、拡散した酸素によって酸化される場所は、主に、下部電極との接触部分である。第1発明によれば、対プラグ酸素進入防止膜は、上述した誘電体膜の熱処理を含む、当該セルの製造工程において、周辺膜との密着性と、非容易酸化性及び非容易酸素拡散性に優れる材質によって構成される。下部電極の下地膜として、下部電極と絶縁膜との間に設けられた対プラグ酸素進入防止膜は、周辺膜、すなわち下部電極及び絶縁膜との密着性に優れる。よって、対プラグ酸素進入防止膜を、下部電極の下地膜とすることによって、既に説明した下部電極の膜剥がれを防止することができる。また、対プラグ酸素進入防止膜と下部電極との界面は密着するため、既に説明した下部電極からプラグへの拡散経路を経る、酸素の拡散を抑制することができる。また、対プラグ酸素進入防止膜を構成する材質は、上述した誘電体膜の熱処理において、容易に酸化されず、さらに当該材質における酸素の拡散は抑制される。
【0016】
従って、第1発明のスタック型セルによれば、誘電体膜形成の際、下部電極からプラグへの拡散経路を経る、酸素の拡散を抑制することによって、下部電極とプラグとの接触部分の酸化を防止することができる。また、下部電極の下地膜である対プラグ酸素進入防止膜は、下部電極との密着性に優れる材質によって構成されるため、下部電極の膜剥がれを防止することができる。よって、既に説明した、下部電極の膜剥がれによって促進されるプラグの酸化をも防止することができる。
【0017】
また、第2発明のスタック型セルの製造方法によれば、上述した構成を有する第1発明のスタック型セルを製造するにあたり、下部電極と絶縁膜との間に、下部電極の下地膜として、対プラグ酸素進入防止膜を形成した後、誘電体膜を形成する。
【0018】
上述したように、第1発明のスタック型セルでは、対プラグ酸素進入防止膜は、下部電極の膜剥がれを防止し、下部電極からプラグへの拡散経路を経る、酸素の拡散を抑制する。よって、第2発明によれば、誘電体膜形成の際、対プラグ酸素進入防止膜によりプラグへの酸素の拡散は抑制されるため、プラグの酸化を防止することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して、この出願に係わる発明による実施の形態について説明する。尚、以下の説明に用いる各図は、この発明を理解できる程度に概略的に示してあるに過ぎず、従って、この発明が図示例のみに限定されるものでないことは理解されたい。また、説明に用いる各図において、同様な構成成分については、同一の符号を付して示し、重複する説明を省略することもある。また、説明に用いる各図において、一部の構成要素について、断面を示すハッチングを省略することもある。
【0020】
[第1の実施の形態]
1.この実施の形態のスタック型セル
第1発明の第1の実施の形態について説明する。図1は、この実施の形態のスタック型セル100の構成を示す断面図である。図1中、一部の構成について断面を表すハッチングを省略して示してある。
【0021】
図1に示すスタック型セル100は、誘電体膜として強誘電体膜を用いた強誘電体キャパシタの構成を有する。また、スタック型セル100は、既に図6を参照して説明したスタック型セル10と同様の構成を有する。従って、図1において、図6に示すスタック型セル10と同様の構成である構成要素については、図6と同一の符号を付して示し、重複する説明は記載を省略する。
【0022】
スタック型セル100には、適当な下地(図示せず)上に設けられた層間絶縁膜としての絶縁膜12と、下部電極18との間に、下部電極18の下地膜として、対プラグ酸素進入防止膜102が設けられている。この実施の形態によれば、層間絶縁膜12、及び層間絶縁膜12上に予め形成された対プラグ酸素進入防止膜102を貫通してプラグ114が設けられている。そして、図1に示すように、下部電極18はプラグ114上に配置され、該プラグ114と直接電気的に接続されている。
【0023】
また、図1に示すスタック型セル100の構成によれば、強誘電体膜120は、下部電極18及び下部電極埋め込み層16上に、未加工の状態で設けられている。従って、図1に示す構成のスタック型セル100を含む半導体メモリ装置では、既に説明したような、強誘電体膜120のプロセス損傷の影響を抑制することができる。
【0024】
また、スタック型セル100を含む集積回路によって構成される半導体メモリ装置では、プラグ114は、別の回路に接続されるのが好ましい。例えば、スタック型セル100によってFeRAMのメモリセルを構成した場合、プラグ114は選択トランジスタのドレインに接続されるのが好適である。
【0025】
ここで、層間絶縁膜12及び下部電極埋め込み層16はSiOによって構成され、下部電極18はイリジウム(Ir)単層によって構成され、上部電極22は白金(Pt)によって構成されるとする。また、プラグ114はタングステン(W)によって構成され、強誘電体膜120はSBTによって構成されるとする。さらに、対プラグ酸素進入防止膜102は、アルミナ(Al)で構成されるとする。
【0026】
尚、スタック型セル100の各構成要素を構成する材質は、前述した材質に限られない。例えば、下部電極埋め込み層16を構成する材質は、絶縁体で、かつスタック型セル100の製造工程において安定である材質であれば、SiOに限定されない。
【0027】
また、下部電極18の構成として、イリジウム(Ir)単層の他、イリジウム(Ir)と二酸化イリジウム(IrO)との積層(IrO/Ir)、Pt(白金)と二酸化イリジウム(IrO)とイリジウム(Ir)との積層(Pt/IrO/Ir)、イリジウム(Ir)を含む合金の単層、及びイリジウム(Ir)とイリジウム(Ir)を含む合金との積層から、一種の構成を選択するのが望ましい。
【0028】
また、上部電極22の構成として、好ましくは、イリジウム(Ir)単層、イリジウム(Ir)と二酸化イリジウム(IrO)との積層(IrO/Ir)等より、一種の構成を選択する。また、プラグ114は、ポリシリコン(poly−Si)、窒化チタン(TiN)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、タングステン(W)とチタン(Ti)との合金(W−Ti)、窒化タンタル(TaN)、TiSiN、TaSiN等のように、導電性があり、誘電体膜120の形成の際、安定である材質によって構成されるのが好ましい。さらに、誘電体膜120は、PZT(PbZr1−xTiO3)、BIT(BiTi12)、及びBi1−xLaTi12から選択される一種を用いて構成される強誘電体膜、及び、Ta及びBa1−xSrTiOのいずれかを用いて構成される高誘電体膜のいずれかによって構成されるのが望ましい。
【0029】
次に、対プラグ酸素進入防止膜102を構成する材質について説明する。図1に示すスタック型セル100の構成を、このセル100の上面からみた平面図(図示せず)を想定した場合、対プラグ酸素進入防止膜102は、プラグ114の周囲に、当該セル100と、当該セル100と隣接するセルとにまたがって形成されている。従って、スタック型セル100の下部電極18と、隣接するセルの下部電極とがショートしないように、対プラグ酸素進入防止膜102は、絶縁体で構成されるのが望ましい。
【0030】
また、対プラグ酸素進入防止膜102は、スタック型セル100の製造工程において、周辺膜との密着性と、非容易酸化性及び非容易酸素拡散性に優れる材質によって構成される。この実施の形態では、非容易酸素拡散性を有する材質として、酸素の拡散が遅い材質を用いて対プラグ酸素進入防止膜102を構成するのが好ましい。
【0031】
上述したような特性を有する、対プラグ酸素進入防止膜102を構成する材質として、好ましくは、Alのほか、Ta、TiO、SiON、SiN、HfO、及びZrOより選択される一種を用いて構成される材質がある。これらの材質の特性について、図7(A)及び(B)を参照して説明する。図7(A)には、Al、Ta、TiO、SiON、及びSiNのそれぞれに関する密着性の評価をまとめた表を示し、図7(B)には、Al、Ta、TiO、HfO、ZrO及びSiO、それぞれの標準生成自由エネルギーをまとめた表を示す。
【0032】
図7(A)の表には、Al、Ta、TiO、SiON、及びSiNより選択された一種の化合物により構成される材質を用いた積層膜について、テープピールテストを行って、前述した化合物のそれぞれについて密着性の評価を行った結果を示してある。前述した積層膜は、SiOの絶縁膜とイリジウム(Ir)単層との間に、Al、Ta、TiO、SiON、及びSiNより選択された一種の化合物を用いて構成される膜が形成されている。そして、前述した膜を、Alで構成した場合、Taで構成した場合、TiOで構成した場合、SiONで構成した場合、及びSiNで構成した場合のそれぞれの場合について、積層膜にテープを貼り、及びそのテープをはがすことによって生じる膜の剥離について調べ、前述した膜と、SiOの絶縁膜及びイリジウム(Ir)単層との密着性について評価を行った。
【0033】
同表において、前述した密着性の評価については、テープピールテストの結果、剥離が認められなかった積層膜を丸(○)とし、わずかに剥離が認められた積層膜を三角(△)として、それぞれ示してある。尚、実際の評価の際は、テープピールテストの結果、剥離した積層膜について、前述した評価をバツ(×)としたが、バツ(×)とした積層膜については、図7(A)の表に示していない。すなわち、図7(A)の表では、テープピールテストの結果が、三角とした積層膜、丸とした積層膜の順に、Al、Ta、TiO、SiON、及びSiNより選択された一種の化合物を用いた材質より構成される膜と、SiOの絶縁膜及びイリジウム(Ir)単層との密着性が優れることを表す。
【0034】
図7(A)の表を参照すれば、Al、SiN、及びTaから選択される一種の化合物によって構成される材質を用いる積層膜は、密着性の評価が丸(○)であり、また、SiON及びTiOのうち、いずれかの化合物によって構成される材質を用いて構成される積層膜は、密着性の評価が三角(△)である。
【0035】
図1に示す構成を参照すれば、対プラグ酸素進入防止膜102の周辺膜は、対プラグ酸素進入防止膜102に接する、下部電極18とプラグ114と下部電極埋め込み層16と層間絶縁膜12である。そして、前述した、対プラグ酸素進入防止膜102の周辺膜のうち、下部電極18はイリジウム(Ir)単層を用いて構成され、さらに、下部電極埋め込み層16及び層間絶縁膜12はSiOによって構成される。従って、図7(A)の表より、強誘電体膜120に対する熱処理の際、Al、SiN、及びTaから選択される一種を、対プラグ酸素進入防止膜102を構成する材質とすれば、この防止膜102と、この防止膜102の周辺膜、すなわち下部電極18、層間絶縁膜12及び下部電極埋め込み層16とを密着させることができると推定される。また、SiON及びTiOのうち、いずれかを用いて対プラグ酸素進入防止膜102を構成する材質とした場合も、強誘電体膜120に対し熱処理の際、対プラグ酸素進入防止膜102と、この防止膜102の周辺膜とを密着させることができると推定される。
【0036】
尚、この実施の形態において、上述した対プラグ酸素進入防止膜102と、この防止膜102の周辺膜との密着性とは、対プラグ酸素進入防止膜102と、この防止膜102の周辺膜との界面の密度が高い状態を意味する。対プラグ酸素進入防止膜102と、この防止膜102の周辺膜との界面の密度が高い状態では、対プラグ酸素進入防止膜102、及びこの防止膜102の周辺膜を構成するそれぞれの構成元素は、前述した界面において、化学的に結合(共有結合、イオン結合、金属結合などを含む)する。
【0037】
次に、図7(B)の表に示される、Al、Ta、TiO、HfO、ZrO及びSiO、それぞれの標準生成自由エネルギーを参照して、これらの化合物より選択される一種の化合物を用いた材質により、対プラグ酸素進入防止膜102を構成した場合について説明する。
【0038】
Al、Ta、TiO、HfO、ZrO及びSiOのそれぞれの化合物は、その構成上、酸化されにくい化合物であることが推測される。
【0039】
また、絶縁膜を構成する材質として用いられるSiOは、既に広く知られている化合物である。図7(B)を参照すれば、SiOの標準生成自由エネルギーは−817(kJ/mol)と極めて小さい値となっている。よって、SiOのSi−O結合は極めて安定であることが分かる。さらに、SiOのSi−O結合が安定であることから、SiOの結晶中を酸素が拡散することが困難であることが推測される。従って、SiOを用いて構成される材質は、非容易酸化性及び非容易酸素拡散性の材質であると考えられる。
【0040】
一方、図7(B)を参照すれば、Al、TiO、Ta、HfO、及びZrOの標準生成自由エネルギーは、それぞれ、SiOの標準生成自由エネルギーと比較して極めて低い値となっている。具体的に、Alの標準生成自由エネルギーは−1571(kJ/mol)であり、TiOの標準生成自由エネルギーは−855(kJ/mol)であり、Taの標準生成自由エネルギーは−943(kJ/mol)であり、HfOの標準生成自由エネルギーは−1048(kJ/mol)であり、ZrOの標準生成自由エネルギーは−1048(kJ/mol)である。従って、Al、TiO、Ta、HfO、及びZrOについて、それぞれの化合物における酸素の拡散をSiOと同様に考えた場合、やはり、これらの化合物は非容易酸素拡散性を有することが推測される。
【0041】
すなわち、Al、TiO、Ta、HfO、及びZrOより選択された一種の化合物を用いて構成される材質は、非容易酸化性及び非容易酸素拡散性の材質であると推測される。従って、Al、TiO、Ta、HfO、及びZrOより選択された一種の化合物を用いた材質を、対プラグ酸素進入防止膜102を構成する材質とした場合、該防止膜102は非容易酸化性及び非容易酸素拡散性を有することが推測される。
【0042】
特に、Alを用いた材質を、対プラグ酸素進入防止膜102を構成する材質とした場合、該防止膜102は、上述した当該防止膜102の周辺膜との密着性に優れ、かつ非容易酸化性及び非容易酸素拡散性に優れると推測される。また、Alは、900℃以下の温度では、非晶質の状態であることが知られている。酸素拡散防止膜としては、該防止膜中に結晶粒界がない非晶質であることが好ましい。従って、Alを用いて形成された対プラグ酸素進入防止膜102は、酸素拡散防止膜として、非常に効果的に用いることができるといえる。
【0043】
ここで、既に説明したように、スタック型セル100の製造工程において、SBTを用いて強誘電体膜120を形成する工程では、強誘電体膜120の熱処理を、酸素雰囲気下で、かつ600〜800℃の高温で行う。この際、図6を参照して説明した拡散経路から拡散した酸素によって、プラグ114の、下部電極18との接触部分が酸化される。
【0044】
この実施の形態によれば、上述したように、対プラグ酸素進入防止膜102は、周辺膜との密着性に優れる。よって、図1に示すスタック型セル100では、対プラグ酸素進入防止膜102を下部電極18の下地膜とすることによって、下部電極18の膜剥がれを防止することができる。さらに、対プラグ酸素進入防止膜102は、下部電極埋め込み層16及び層間絶縁膜12との密着性にも優れるため、当該防止膜102の膜剥がれも防止することができる。
【0045】
そして、強誘電体膜120の形成の際、対プラグ酸素進入防止膜102は非容易酸素拡散性及び非容易酸化性を有し、かつ当該防止膜102と下部電極18との界面は密着するため、下部電極18からプラグ114への拡散経路における酸素の拡散を抑制することができる。
【0046】
従って、この実施の形態によれば、強誘電体膜120形成の際、下部電極18からプラグ114への拡散経路における酸素の拡散を抑制することによって、下部電極18とプラグ114との接触部分の酸化を防止することができる。また、下部電極18の下地膜である対プラグ酸素進入防止膜102は、下部電極18の膜剥がれを防止することができるため、該電極18の膜剥がれによって促進されるプラグ114の酸化をも防止することができる。
【0047】
2.この実施の形態のスタック型セルの製造方法
次に、第2発明の第1の実施の形態について説明する。第2発明は、図1を参照して既に説明した構成を有する、スタック型セル100の製造方法である。このスタック型セル100の製造方法については、図2(A)〜(D)及び図3(A)〜(D)を参照して説明する。図2(A)〜(D)及び図3(A)〜(D)は、スタック型セル100の製造方法に供する製造工程図である。いずれの図も、図1に示した断面に対応する位置での断面の切り口で示してある。
【0048】
また、以下の説明において、特定の材料及び条件を用いることがあるが、これら材料及び条件は好適例の一つに過ぎず、従って、何らこれらに限定されない。さらに、図2(A)〜(D)及び図3(A)〜(D)を参照して説明する各工程における、スタック型セル100の各構成要素の膜厚及びプラグ114の直径は、単なる一例であって、これらの構成は当業者が適宜決め得る設計事項である。
【0049】
まず、原料ガスとしてAl(CH 及びHOを用い、300℃で、公知のプラズマCVD法(Plasma assisted chemical vapor deposition :P−CVD)を行って、SiOを用いて適当な下地(図示せず)上に構成されている層間絶縁膜12上に、対プラグ酸素進入防止膜102であるAlを、厚さ100nmで形成する(図2(A))。この際、Alは、層間絶縁膜12上に対プラグ酸素進入防止膜102として、アモルファスもしくは非晶質の状態で形成される。
【0050】
その後、層間絶縁膜12上に形成された対プラグ酸素進入防止膜102を、窒素(N)雰囲気下で、かつ700℃で熱処理を30分間行う。この熱処理は、プラズマCVD法により形成された対プラグ酸素進入防止膜102を緻密化させるために行われる。ここで、前述した熱処理は、好ましくは、強誘電体膜120を形成する工程で行われる熱処理の温度と同じ温度か、この温度よりも若干高温にて行う。この理由として、強誘電体膜120に対する熱処理の際、対プラグ酸素進入防止膜102の塑性変形による、当該防止膜102の膜剥がれを防ぐことが挙げられる。このため、強誘電体膜120に対する熱処理温度と同様の温度の熱処理を、対プラグ酸素進入防止膜102に対して行い、この防止膜102を充分に緻密化させておく。
【0051】
ここで、対プラグ酸素進入防止膜102の熱処理を行った後、この防止膜102を構成するAlは、非晶質の状態であるのが好ましい。既に図1を参照して説明したように、Alは900℃以下の温度では、非晶質の状態を維持することができる。従って、対プラグ酸素進入防止膜102の熱処理を、上述した900℃以下の温度条件で行えば、非晶質の状態で、Alを緻密化させることができる。
【0052】
尚、対プラグ酸素進入防止膜102の膜厚は、プラグを形成する工程で、タングステンの除去を行った際に、層間絶縁膜12の表面に当該防止膜102が残る程度の厚さであるのが好ましい。また、プラグを形成する工程で、上述した熱処理によって緻密化された対プラグ酸素進入防止膜102は、層間絶縁膜12の表面に残存させることができる。
【0053】
次に、プラグを形成する工程について説明する。層間絶縁膜12上に、上述した熱処理が行われた対プラグ酸素進入防止膜102が形成されている状態で、公知のホトリソグラフィ技術及び公知のドライエッチング法により、層間絶縁膜12及び対プラグ酸素進入防止膜102を貫通して、直径が0.25μmのプラグ孔13を開ける(図2(B))。
【0054】
その後、原料ガスとしてWFを用い、450℃で、公知のCVD法(chemical vapor deposition )により、プラグ孔13を充分に埋めるように、タングステン(W)を形成する(図2(C))。この際、図2(C)に示すように、タングステン(W)は、プラグ孔13を埋めるとともに、対プラグ酸素進入防止膜102上にも積層されて形成される。よって、対プラグ酸素進入防止膜102上に積層されたタングステン(W)を、公知のCMP法(chemical mechanical polishing)か、公知のドライエッチング法のいずれかの方法によりエッチバックし、除去する(図2(D))。前述した手順によってタングステン(W)を除去した後、図2(D)に示すように、層間絶縁膜12上に、対プラグ酸素進入防止膜102が積層された状態で、この防止膜102及び層間絶縁膜12を貫通して、タングステン(W)を用いて構成されるプラグ114が形成される。
【0055】
次に、公知のスパッタ方法により、対プラグ酸素進入防止膜102上にイリジウム(Ir)を、膜厚200nmになるように成膜した後、この成膜されたイリジウム(Ir)を、公知のホトリソグラフィ技術及び公知のドライエッチング法により加工して、下部電極18を形成する(図3(A))。
【0056】
次に、プラズマの密度を高めて行われる、公知のプラズマCVD法(HDP(High Density Plasma)−CVD)により、SiOを、下部電極18を埋め込むように形成する。この際、プラズマCVD法は、SiHとOを原料ガスとし、400℃で行われるのが好ましい。
【0057】
その後、下部電極18の上部を露出させるため、この電極18上に形成されたSiOを、公知のCMP法によりエッチバックし、除去することによって、下部電極埋め込み層16を形成する(図3(B))。この際、公知のCMP法と公知のドライエッチング法を併用することによって、エッチバックを行っても良い。公知のCMP法により、前述したエッチバックを行った場合、CMP装置が下部電極18材料によって汚染される事態が生じることもある。しかし、公知のCMP法と公知のドライエッチング法を併用した場合、下部電極18を構成する材料によって、CMP装置を汚染することなく、上述したエッチバックを行うことができる。尚、上述したエッチバックが行われた後、図3(B)に示すように、下部電極18は、該電極18の上部を除き、下部電極埋め込み層16中に埋め込まれた状態となる。
【0058】
その後、SBTを用いて構成される強誘電体膜120を、公知のスピン塗布法により、露出した下部電極18の上部、及び下部電極埋め込み層16上に、膜厚150nmで形成する(図3(C))。この際、SBTを結晶化させるため、酸素雰囲気下、700℃で1時間、熱処理を行う。
【0059】
次に、公知のスパッタ法により、強誘電体膜120上に、白金(Pt)によって構成される上部電極22を膜厚100nmで成膜し、その後、該上部電極22を公知のドライエッチング法により加工する。
【0060】
最後に、強誘電体膜120におけるプロセス損傷除去のため、強誘電体膜120に対して、酸素雰囲気下、650℃で1時間、熱処理を行い、スタック型セル100を形成する(図3(D))。
【0061】
図3(C)及び(D)を参照して説明した工程では、強誘電体膜120に対する熱処理の際、既に説明したように、プラグ114の、下部電極18との接触部分が酸化されやすい。しかし、図3(C)及び(D)に示す、下部電極18の下地膜である対プラグ酸素進入防止膜102は、下部電極18の膜剥がれを防止し、下部電極18からプラグ114への拡散経路における酸素の拡散を抑制する。従って、上述した強誘電体膜120の熱処理における、プラグ114の酸化を防止することができる。
【0062】
尚、図2(A)〜(D)及び図3(A)〜(D)を参照して説明した工程で行われる熱処理は、酸素雰囲気下及び窒素雰囲気下のいずれかで行われるのが好ましい。酸素を構成元素として含む材料に対して熱処理を行う場合は、該材料を安定な組成とするため、酸素雰囲気下で熱処理を行うのが最適である。
【0063】
[第2の実施の形態]
1.この実施の形態のスタック型セル
第1発明の第2の実施の形態について説明する。図4は、この実施の形態のスタック型セル200の構成を示す断面図である。図4中、一部の構成について断面を表すハッチングを省略して示してある。
【0064】
図4に示すスタック型セル200は、既に図1を参照して説明したスタック型セル100と同様の構成を有する。従って、図4において、図1に示すスタック型セル100と同様の構成である構成要素については、図1と同一の符号を付して示し、重複する説明は記載を省略する。
【0065】
尚、この実施の形態のスタック型セル200が有するプラグ14の構成は、図6に示すスタック型セル10と同様の構成を有する。そして、図1を参照して説明したプラグ114の構成と同様、スタック型セル200のプラグ14は、当該セル200を含む集積回路において、別の回路に接続される構成であるのが望ましい。
【0066】
スタック型セル200には、第1の実施の形態と同様、層間絶縁膜12と、下部電極18との間に、下部電極18の下地膜として、対プラグ酸素進入防止膜202が形成されている。この実施の形態では、対プラグ酸素進入防止膜202が、下部電極埋め込み層16に、プラグ14上に配置されるように形成されているのが好ましい。好ましくは、対プラグ酸素進入防止膜202は、下部電極18とともに加工され、該電極18と同一のパターンで形成される。従って、図4に示すように、下部電極18は、対プラグ酸素進入防止膜202を介して、プラグ14と電気的に接続されている。よって、この実施の形態では、対プラグ酸素進入防止膜202は、導体で構成されているのが望ましい。また、該防止膜202の表面は、図4に示す構成によれば、下部電極18との界面を除いて、下部電極埋め込み層16中に埋め込まれている。
【0067】
ここで、図4に示すスタック型セル200において、プラグ14は、図1に示すプラグ114と同様の材料によって構成されているのが好ましい。また、この実施の形態の対プラグ酸素進入防止膜202は、導体であるほか、第1の実施の形態と同様、スタック型セル200の製造工程において、周辺膜との密着性と、非容易酸化性及び非容易酸素拡散性に優れる材質によって構成される。
【0068】
上述したような特性を有する、対プラグ酸素進入防止膜202を構成する材質として、好ましくは、TiAlN、CrTiN、TaCr、TaSiN、及びTiSiNより選択される一種の化合物を用いて構成される材質がある。これらの材質は、対プラグ酸素進入防止膜202の周辺膜、すなわち、層間絶縁膜12及び下部電極埋め込み層16と下部電極18のそれぞれを構成する材質との密着性に優れ、さらに、酸素と反応して表面に酸化膜を形成するため、非容易酸化性及び非容易酸素拡散性にも優れる。
【0069】
ここで、図1に示すスタック型セル100の構成例と同様、図4のスタック型セル200は、下部電極18をイリジウム(Ir)単層で構成し、層間絶縁膜12及び下部電極埋め込み層16をSiOによって構成するとする。そして、化合物TiAlNを用いた材質によって対プラグ酸素進入防止膜202を構成する場合について、以下に説明する。
【0070】
TiAlNについて、第1の実施の形態において、図7(A)の表を参照して説明した手順と同様の手順によりテープピールテストを行い、この化合物の密着性を評価した。テープピールテストに関して、第1の実施の形態で行った説明と重複する説明は省略するが、このテストは、SiOの絶縁膜とイリジウム(Ir)単層との間に、TiAlNを用いて構成される膜が形成された積層膜を用いて行われた。その結果、前述した構成の積層膜では膜剥がれは認められなかった。従って、TiAlNを用いて対プラグ酸素進入防止膜202を構成する場合、対プラグ酸素進入防止膜202は、強誘電体膜120の熱処理の際、周辺膜、すなわち、層間絶縁膜12、下部電極埋め込み層16及び下部電極18との密着性に優れることが推定される。
【0071】
さらに、文献2(”Anti−oxidation properties of TiAlN film prepared by plasma−assisted chemical vapor deposition and roles of Al”,Chung Wan Kim,Kwang Ho Kim,ThinSolid Films,vol.307,pp.113−119,1997)には、700℃以下の温度では、TiAlN膜は、表面にAlの酸化膜を形成し、このTiAlN膜への酸素の進入を防ぐため、非容易酸化性及び非容易酸素拡散性を有することが開示されている。
【0072】
従って、スタック型セル200において、TiAlNを用いて対プラグ酸素進入防止膜202を構成する場合、第1の実施の形態と同様の作用及び効果が得られる。また、この実施の形態によれば、対プラグ酸素進入防止膜202を、上述したTiAlNと同様の作用を有する化合物、すなわちCrTiN、TaCr、TaSiN、及びTiSiNより選択される一種の化合物を用いて構成した場合も、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0073】
さらに、図6を参照して説明した酸素の拡散経路を考慮すれば、図1に示す第1の実施の形態の構成では、下部電極18からプラグ114への酸素の拡散経路を長くすることによって、プラグ114の酸化を防止することができる。従って、図1に示すスタック型セル100では、前述した、酸素の拡散経路となる下部電極18からプラグ114への距離をある程度長くすることを考慮して、強誘電体キャパシタのサイズを決定する。
【0074】
一方、この実施の形態によれば、図6を参照して説明した酸素の拡散経路に、対プラグ酸素進入防止膜202が形成される。従って、前述した拡散経路を拡散する酸素は、文献2に開示されているように、対プラグ酸素進入防止膜202の構成元素と反応するため、前述した拡散経路には酸化膜が形成される。その結果、前述した拡散経路を経る酸素の拡散が抑制される。従って、図4に示すスタック型セル200では、対プラグ酸素進入防止膜202を下部電極18と同一のパターンで形成し、酸素の拡散経路となる下部電極18からプラグ114への距離を考慮することなく強誘電体キャパシタのサイズを決定することができる。その結果、図4に示すスタック型セル200によって半導体メモリ装置を構成した場合、この装置を微細化し、かつ高集積化することができる。
【0075】
2.この実施の形態のスタック型セルの製造方法
次に、第2発明の第2の実施の形態について説明する。第2発明の第2の実施の形態は、1の項で説明した構成を有する、図4に示すスタック型セル200の製造方法である。このスタック型セル200の製造方法については、図5(A)〜(E)を参照して説明する。図5(A)〜(E)は、スタック型セル200の製造方法に供する製造工程図である。いずれの図も、図4に示す断面の位置に対応する位置での断面を示す図である。
【0076】
また、以下の説明において、特定の材料及び条件を用いることがあるが、これら材料及び条件は好適例の一つに過ぎず、従って、何らこれらに限定されない。さらに、図5(A)〜(E)を参照して説明する各工程で記載する、スタック型セル200の各構成要素の膜厚及びプラグ14の直径は、単なる一例であって、これらの構成は当業者が適宜決め得る設計事項である。
【0077】
まず、SiOを用いて適当な下地(図示せず)上に構成されている層間絶縁膜12に、タングステン(W)を用いて構成されるプラグ14を形成する。プラグ14の形成方法は、図2(B)〜(D)を参照して説明した各工程と同様の手順によって行われるのが好ましい。
【0078】
すなわち、図2(B)を参照して説明した工程と同様の手順により、層間絶縁膜12を貫通させて、直径が0.25μmのプラグ孔13を開ける(図5(A))。その後、図2(C)を参照して説明した工程と同様の手順によって、プラグ孔13を充分に埋めるように、タングステン(W)を形成する(図5(B))。この際、図2(C)に示す状態と同様の状態で、層間絶縁膜12上に積層されたタングステン(W)を、図2(D)を参照して説明した工程と同様の手順により、除去する(図5(C))。前述した手順によってタングステン(W)を除去した後、図5(C)に示すように、層間絶縁膜12を貫通して、タングステン(W)を用いて構成されるプラグ14が形成される。
【0079】
次に、TiAlNによって構成される対プラグ酸素進入防止膜202を、層間絶縁膜12、及び該絶縁膜12に形成されたプラグ14上に、形成する。対プラグ酸素進入防止膜202は、TiAlの合金ターゲット(Alが、重量百分率で10〜20%)を用いるとともに、ArとNの混合ガスを用いて、公知の反応性スパッタにより、膜厚30nmで形成する。
【0080】
尚、対プラグ酸素進入防止膜202を成膜後、該防止膜202に対し、図2(A)を参照して説明した工程と同様の手順によって、熱処理を行っても良い。この熱処理を行う理由は、第1の実施の形態の2の項で説明した理由と同様である。よって、重複する説明は記載を省略する。
【0081】
その後、対プラグ酸素進入防止膜202上に、下部電極18としてイリジウム(Ir)を膜厚200nmになるように成膜する(図5(D))。下部電極18の成膜は、図3(A)を参照して説明した工程と、同様の手順によって行われるのが好ましい。その後、図3(A)を参照して説明した工程と同様の手順によって、下部電極18を加工する。この際、下部電極18下に形成された対プラグ酸素進入防止膜202も加工される(図5(E))。
【0082】
その後、好ましくは、下部電極埋め込み層16、強誘電体膜120、及び上部電極22を、図3(B)〜(D)を参照して説明した工程と同様の手順によって形成する。よって、図3(B)〜(D)を参照して説明した工程と同様の手順については、該手順に供する製造工程図について、図5中、図示を省略するとともに、重複する記載は省略する。
【0083】
従って、この実施の形態のスタック型セル200の製造方法によれば、対プラグ酸素進入防止膜202を形成した後、強誘電体膜120を形成し、強誘電体膜120に対する熱処理を行うため、第1の実施の形態のスタック型セル100の製造方法と同様の作用及び効果が得られる。
【0084】
ここで、第1の実施の形態では、図2(B)〜(D)を参照して説明した工程の手順によれば、層間絶縁膜12上に対プラグ酸素進入防止膜102が形成された状態でエッチングを行い、プラグ孔13を形成した後、この孔13を埋めることによってプラグ114を形成する。従って、対プラグ酸素進入防止膜102を構成する材質によっては、前述したエッチングが困難な場合もある。一方、この実施の形態では、図5(A)〜(C)を参照して説明したように、層間絶縁膜12にエッチングによってプラグ孔13を形成し、この孔13を埋めることによってプラグ14を形成するため、上述したような問題点を考慮することなく、スタック型セル200を製造することができる。すなわち、第1の実施の形態と比較し、この実施の形態によれば、スタック型セル200を容易に形成することができる。
【0085】
【発明の効果】
第1発明のスタック型セルによれば、誘電体膜形成の際、下部電極からプラグへの拡散経路における酸素の拡散を抑制することによって、下部電極とプラグとの接触部分の酸化を防止することができる。また、下部電極の下地膜である対プラグ酸素進入防止膜は、下部電極との密着性に優れる材質によって構成されるため、下部電極の膜剥がれを防止することができる。よって、下部電極の膜剥がれによって促進されるプラグの酸化をも防止することができる。
【0086】
また、第2発明のスタック型セルの製造方法によれば、下部電極の下地膜として、対プラグ酸素進入防止膜を形成した後、誘電体膜を形成する。よって、第2発明によれば、誘電体膜形成の際、対プラグ酸素進入防止膜によりプラグへの酸素の拡散は抑制されるため、プラグの酸化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態のスタック型セルの構成例を説明するための図である。
【図2】(A)〜(D)は、この発明の第1の実施の形態のスタック型セルの製造方法に供する製造工程図である。
【図3】(A)〜(D)は、図2(D)の製造工程図に続く、この発明の第1の実施の形態のスタック型セルの製造方法に供する製造工程図である。
【図4】この発明の第2の実施の形態のスタック型セルの構成例を説明するための図である。
【図5】(A)〜(E)は、この発明の第2の実施の形態のスタック型セルの製造方法に供する製造工程図である。
【図6】従来技術におけるスタック型セルの構成例を説明するための図である。
【図7】この発明の第1の実施の形態について、(A)は、対プラグ酸素進入防止膜の密着性の評価について示す表であり、(B)は、対プラグ酸素進入防止膜を構成する化合物の標準生成自由エネルギーの値を示す表である。
【符号の説明】
10、100、200:スタック型セル
12:層間絶縁膜
13:プラグ孔
14、114:プラグ
16:下部電極埋め込み層
18:下部電極
20:誘電体膜
22:上部電極
30:接触部分
102、202対プラグ酸素進入防止膜
120:強誘電体膜(誘電体膜)

Claims (12)

  1. 絶縁膜と、該絶縁膜を貫通して設けられたプラグと、
    前記絶縁膜の上側に設けられ、かつ前記プラグと電気的に結合された下部電極と、
    該下部電極と前記絶縁膜との間に、前記下部電極の下地膜として設けられた、対プラグ酸素進入防止膜と、
    前記下部電極上に、順に積層された誘電体膜及び上部電極と
    を含むことを特徴とするスタック型セル。
  2. 請求項1に記載のスタック型セルにおいて、
    前記絶縁膜上には、下部電極埋め込み層が形成されており、
    前記下部電極は、該電極の上部を除き、前記下部電極埋め込み層中に埋め込まれるように形成されていること
    を特徴とするスタック型セル。
  3. 請求項1もしくは2に記載のスタック型セルにおいて、
    前記プラグは、前記絶縁膜、及び該絶縁膜上に予め形成された、絶縁体の前記対プラグ酸素進入防止膜に設けられていること
    を特徴とするスタック型セル。
  4. 請求項2に記載のスタック型セルにおいて、
    導体の前記対プラグ酸素進入防止膜が、前記下部電極埋め込み層に、前記プラグ上に配置されるように、形成されていること
    を特徴とするスタック型セル。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のスタック型セルにおいて、
    前記誘電体膜は、高誘電体膜及び強誘電体膜のいずれかを用いて構成されていること
    を特徴とするスタック型セル。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のスタック型セルにおいて、
    前記下部電極は、イリジウム(Ir)を用いるかもしくはイリジウム(Ir)を含む合金を用いて、構成されていることを特徴とするスタック型セル。
  7. 絶縁膜と、該絶縁膜を貫通して設けられたプラグと、
    前記絶縁膜の上側に設けられ、かつ前記プラグと電気的に結合された下部電極と、
    前記下部電極上に、順に積層された誘電体膜及び上部電極と
    を含むスタック型セルを製造するにあたり、
    該下部電極と前記絶縁膜との間に、前記下部電極の下地膜として、対プラグ酸素進入防止膜を形成した後、
    前記誘電体膜を形成すること
    を特徴とするスタック型セルの製造方法。
  8. 請求項7に記載のスタック型セルの製造方法において、
    前記絶縁膜上に、前記対プラグ酸素進入防止膜を形成した後、
    該防止膜上に前記下部電極を形成するとともに、該下部電極の加工を行い、
    前記絶縁膜上に、下部電極埋め込み層を、前記下部電極の上部を除き、当該下部電極が前記下部電極埋め込み層中に埋め込まれるように、形成し、
    その後、前記誘電体膜を形成すること
    を特徴とするスタック型セルの製造方法。
  9. 請求項7もしくは8に記載のスタック型セルの製造方法において、
    前記対プラグ酸素進入防止膜として絶縁体を用いるとともに、
    前記プラグを、前記対プラグ酸素進入防止膜を形成した後、該防止膜及び前記絶縁膜を貫通するように、形成すること
    を特徴とするスタック型セルの製造方法。
  10. 請求項8に記載のスタック型セルの製造方法において、
    前記対プラグ酸素進入防止膜として導体を用いるとともに、
    該防止膜及び前記下部電極を形成した後、該防止膜及び下部電極の加工を行い、その後、前記下部電極埋め込み層を形成すること
    を特徴とするスタック型セルの製造方法。
  11. 請求項7〜10のいずれか一項に記載のスタック型セルの製造方法において、
    前記誘電体膜を、
    高誘電体膜及び強誘電体膜のいずれかを用いて構成すること
    を特徴とするスタック型セルの製造方法。
  12. 請求項7〜11のいずれか一項に記載のスタック型セルの製造方法において、
    前記下部電極を、イリジウム(Ir)を用いるかもしくはイリジウム(Ir)を含む合金を用いて、構成することを特徴とするスタック型セルの製造方法。
JP2003030838A 2003-02-07 2003-02-07 スタック型セル及びその製造方法 Pending JP2004241690A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003030838A JP2004241690A (ja) 2003-02-07 2003-02-07 スタック型セル及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003030838A JP2004241690A (ja) 2003-02-07 2003-02-07 スタック型セル及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004241690A true JP2004241690A (ja) 2004-08-26

Family

ID=32957615

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003030838A Pending JP2004241690A (ja) 2003-02-07 2003-02-07 スタック型セル及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004241690A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9349849B2 (en) 2012-03-28 2016-05-24 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Semiconductor device and electronic device including the semiconductor device
CN115039251A (zh) * 2020-02-26 2022-09-09 Fdk株式会社 固态电池的制造方法和固态电池

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9349849B2 (en) 2012-03-28 2016-05-24 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Semiconductor device and electronic device including the semiconductor device
US10249766B2 (en) 2012-03-28 2019-04-02 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Semiconductor device including a transistor, a wiring and a barrier film
CN115039251A (zh) * 2020-02-26 2022-09-09 Fdk株式会社 固态电池的制造方法和固态电池
CN115039251B (zh) * 2020-02-26 2024-02-06 Fdk株式会社 固态电池的制造方法和固态电池

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TW508798B (en) Semiconductor integrated circuit device and its manufacturing method
KR100449949B1 (ko) 강유전체 메모리 소자의 캐패시터 제조방법
EP1289017A2 (en) Semiconductor memory device and method for manufacturing the same
JP2006270095A (ja) 強誘電体構造物、これの製造方法、これを含む半導体装置及びそれの製造方法
KR20060083839A (ko) 반도체 장치와 그 제조 방법
WO2007063573A1 (ja) 半導体装置とその製造方法
JP2007165350A (ja) 半導体装置の製造方法
JP2002151657A (ja) 誘電体素子およびその製造方法
US7294876B2 (en) FeRAM device and method for manufacturing the same
US7244979B2 (en) Semiconductor memory device and method for manufacturing the same
JP2003068993A (ja) 半導体装置およびその製造方法
JP2003086771A (ja) 容量素子、半導体記憶装置及びその製造方法
WO2002056382A1 (fr) Dispositif semiconducteur et procede de fabrication dudit dispositif
US20040089891A1 (en) Semiconductor device including electrode or the like having opening closed and method of manufacturing the same
US6734061B2 (en) Semiconductor memory device having a plug contacted to a capacitor electrode and method for fabricating the capacitor
JP3496576B2 (ja) 半導体装置
KR100668881B1 (ko) 커패시터 및 그 제조방법
JP2007005409A (ja) 誘電体メモリ及びその製造方法
JP4812949B2 (ja) キャパシタの製造方法
WO2005117119A1 (ja) 半導体装置及びその製造方法
JP2009212299A (ja) 半導体装置及びその製造方法
JP2004134692A (ja) 半導体メモリ装置およびその製造方法
JP3906215B2 (ja) 半導体装置
JP2004281956A (ja) 半導体装置及びその製造方法
JP2004241690A (ja) スタック型セル及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051124

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080611

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080617

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20081014