JP2021117182A - 脱進調速機、時計用ムーブメントおよび時計 - Google Patents

脱進調速機、時計用ムーブメントおよび時計 Download PDF

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Abstract

【課題】持続時間に優れた脱進調速機、時計用ムーブメントおよび時計を提供する。
【解決手段】脱進調速機13は、ひげぜんまいと、ひげぜんまいの伸縮に伴って第1軸線O1を中心として互いに逆向きの第1回転方向M1および第2回転方向M2に往復回転するてんぷ40と、第2軸線O2回りに回動するアンクル70、およびアンクル70に係脱可能ながんぎ車60を有する脱進機14と、脱進機14からてんぷ40にトルクを伝達する振り座45と、を備える。脱進機14は、てんぷ40の1周期において2回の衝撃によっててんぷ40にトルクを付与する。脱進機14からてんぷ40に付与されるトルクからひげぜんまいのトルクを引いた差分をてんぷトルク収支と定義した場合、振り座45は、脱進機14の各衝撃の衝撃終了時におけるてんぷトルク収支が均等になるように形成されている。
【選択図】図8

Description

本発明は、脱進調速機、時計用ムーブメントおよび時計に関するものである。
一般的に機械式時計は、てんぷの規則正しい往復回転を利用して一定の振動で輪列を制御するとともに、往復回転するための動力をてんぷに伝達する脱進機を備えている。この種の脱進機は、従来から改良等が繰り返し行われながら進化しており、現在では様々なタイプのものが提案されている。
機械式時計の主流を占めている脱進機として、クラブトゥース・レバー脱進機(スイスレバー脱進機)が広く知られている。
この脱進機は、主にがんぎ車と、てんぷに設けられた振り座と、てんぷの往復回転に基づいて回動可能とされ、がんぎ車の歯部に対して係脱可能な入爪石および出爪石を有するアンクルと、備えている。入爪石および出爪石は、アンクルの回動に伴ってがんぎ車の歯部に対して交互に係脱可能とされている。
クラブトゥース・レバー脱進機によれば、アンクルの回動に伴って入爪石および出爪石ががんぎ車の歯部に対して交互に係脱するので、がんぎ車の回転を制御することが可能とされるとともに、がんぎ車に伝わったトルクをがんぎ車の歯部と入爪石との接触時の衝撃、およびがんぎ車の歯部と出爪石との接触時の衝撃によりアンクルを介しててんぷに間接的に伝えて、てんぷに動力を補充することが可能とされている。
しかしながらクラブトゥース・レバー脱進機は、がんぎ車側からアンクルを介しててんぷ側に伝えるトルクの伝達効率(脱進機効率)が低いことが一般的に知られており、改善の余地がある。
そこでトルク伝達効率を向上させるために、例えばがんぎ車の歯部と入爪石との接触時におけるがんぎ車の回転作動角と、がんぎ車の歯部と出爪石との接触時におけるがんぎ車の回転作動角と、を不均一にしたクラブトゥース・レバー脱進機が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
この場合には、入爪石からアンクルを介しててんぷに伝えるトルクの伝達量と、出爪石からアンクルを介しててんぷに伝えるトルクの伝達量と、の供給バランスを最適なバランスとなるように変化させることができ、トルク伝達効率を改善することが可能とされている。
また別の例としては、例えば第1がんぎ歯車および第2がんぎ歯車が同軸上に重なった二層構造のがんぎ車を具備し、入爪石と第1がんぎ歯車の歯部とを接触させるとともに、出爪石と第2がんぎ歯車の歯部とを接触させるクラブトゥース・レバー脱進機が知られている(例えば、下記特許文献2、3参照)。
この場合には、入爪石および第1がんぎ歯車と、出爪石および第2がんぎ歯車と、の組み合わせをそれぞれ別個に設計できるので、上述した場合と同様に、第1がんぎ歯車の歯部と入爪石との接触時におけるがんぎ車の回転作動角と、第2がんぎ歯車の歯部と出爪石との接触時におけるがんぎ車の回転作動角と、を不均一にすることができ、トルク伝達効率を改善することが可能とされている。
さらに別の例として、例えば厚さ方向にずれて形成された第1がんぎ歯および第2がんぎ歯を有するがんぎ車を具備し、入爪石と第1がんぎ歯とを接触させるとともに、出爪石と第2がんぎ歯とを接触させるクラブトゥース・レバー脱進機が知られている(例えば、下記特許文献4参照)。
この場合には、第1がんぎ歯および第2がんぎ歯をそれぞれ別個に設計できるので、上述した場合と同様に、第1がんぎ歯と入爪石との接触時におけるがんぎ車の回転作動角と、第2がんぎ歯と出爪石との接触時におけるがんぎ車の回転作動角と、を不均一にすることができ、トルク伝達効率を改善することが可能とされている。
しかしながら、上述した各種のクラブトゥース・レバー脱進機は、いずれもがんぎ車からアンクルを介しててんぷにトルクを伝える、いわゆる間接衝撃型の脱進機であるので、トルク伝達効率が十分ではなく、依然として改善の余地がある。
そこで、クラブトゥース・レバー脱進機よりも高いトルク伝達効率を有する脱進機として、アンクルを介した間接的なトルク伝達と、アンクルを介さない直接的なトルク伝達とを交互に行いながら、がんぎ車に伝わったトルクをてんぷに伝える、いわゆる半間接−半直接衝撃型の脱進機が知られている(例えば、下記特許文献5,6参照)。
半間接−半直接衝撃型の脱進機は、第1衝撃爪石が設けられたアンクルと、てんぷに固定された第2衝撃爪石と、を備えている。第1衝撃爪石および第2衝撃爪石は、アンクルの回動に伴ってがんぎ歯車に対して交互に接触可能とされている。このように構成された脱進機によれば、アンクルの回動に伴って第1衝撃爪石ががんぎ歯車に接触するので、がんぎ車に伝わったトルクをがんぎ歯車と第1衝撃爪石との接触時の衝撃によりアンクルを介しててんぷに間接的に伝えることができ、てんぷに動力を補充することができる。さらに、てんぷの回転に伴って第2衝撃爪石ががんぎ歯車の歯先に接触するので、がんぎ車に伝わったトルクをがんぎ歯車と第2衝撃爪石との接触時の衝撃によりてんぷに直接的に伝えることができ、てんぷに動力を補充することができる。したがって、半間接−半直接衝撃型の脱進機は、クラブトゥース・レバー脱進機よりもトルク伝達効率(脱進機効率)が良い脱進機とされている。
スイス国特許発明第570644号明細書 特許第4894051号公報 欧州特許出願公開第1914605号明細書 特開2018−48958号公報 欧州特許出願公開第0018796号明細書 特許第6558761号公報
ところで、従来の脱進機においては、衝撃の違いによって脱進機からてんぷに伝達されるトルクが不均等となっている。このため、動力源のぜんまいが緩み、がんぎ車に伝わったトルクが低下すると、いずれかの衝撃の衝撃終了時に他の衝撃の衝撃終了時よりも早く、脱進機からてんぷに付与されるトルクがてんぷに作用するひげぜんまいのトルクを下回る。衝撃終了時に脱進機からてんぷに付与されるトルクがてんぷに作用するひげぜんまいのトルクを下回ると、衝撃終了に至れずに脱進機の動作が停止する。このため、従来の脱進機においては、動力源の動力低下に伴う早期の脱進機の動作停止を抑制し、脱進機の動作の持続時間延長を図るという点で改善の余地がある。
そこで本発明は、持続時間に優れた脱進調速機、時計用ムーブメントおよび時計を提供するものである。
本発明の脱進調速機は、ひげぜんまいと、前記ひげぜんまいの伸縮に伴って第1軸線を中心として互いに逆向きの第1回転方向および第2回転方向に往復回転するてんぷと、第2軸線回りに回動するアンクル、および前記アンクルに係脱可能ながんぎ車を有する脱進機と、前記脱進機から前記てんぷにトルクを伝達するトルク伝達部材と、を備え、前記脱進機は、前記てんぷの1周期において少なくとも2回の衝撃によって前記てんぷにトルクを付与し、前記脱進機から前記てんぷに付与されるトルクから前記ひげぜんまいのトルクを引いた差分をてんぷトルク収支と定義した場合、前記トルク伝達部材は、前記脱進機の各衝撃の衝撃終了時におけるてんぷトルク収支が均等になるように形成されている。
本発明によれば、動力源からがんぎ車に伝わるトルクの低下に伴って脱進機からてんぷに付与されるトルクが小さくなっても、脱進機のいずれかの衝撃において他の衝撃よりも早く衝撃終了時のトルクが不足することを抑制できる。よって、脱進機のいずれかの衝撃において他の衝撃よりも早く衝撃終了に至れない状態となることを抑制できる。したがって、脱進調速機の持続時間を向上させることができる。
上記の脱進調速機において、前記トルク伝達部材は、前記てんぷと一体回転してもよい。
本発明によれば、トルク伝達部材からてんぷへのトルクの伝達経路上に歯車同士の噛み合い等が含まれる構成と比較して、脱進機からてんぷへのトルクを効率よく伝達することができる。
上記の脱進調速機において、前記がんぎ車は、前記てんぷが前記第1回転方向に回転したときに前記トルク伝達部材に接触して前記てんぷにトルクを付与するとともに、前記てんぷが前記第2回転方向に回転したときに前記アンクルに接触して前記てんぷにトルクを付与してもよい。
本発明によれば、脱進機をいわゆる半間接−半直接衝撃型に構成できるので、脱進機がいわゆる間接衝撃型に構成される場合と比較して、優れたトルク伝達効率を有する脱進調速機とすることができる。
上記の脱進調速機において、前記がんぎ車は、前記てんぷが前記第1回転方向に回転したとき、および前記第2回転方向に回転したときに前記アンクルに接触して前記てんぷにトルクを付与してもよい。
本発明によれば、がんぎ車からてんぷにアンクルを介してのみトルクを伝えるクラブトゥース・レバー脱進機等のいわゆる間接衝撃型の脱進機を備えた脱進調速機において、持続時間を向上させることができる。
上記の脱進調速機において、前記トルク伝達部材は、前記アンクルに係脱可能な振り石を備え、前記第1軸線の軸方向から見た場合、前記振り石の中心は、前記てんぷに前記ひげぜんまいのトルクが作用していない静止状態で、前記第1軸線および前記第2軸線を通る仮想直線に対して前記第1軸線回りにずれた位置に配置されていてもよい。
第1軸線の軸方向から見た場合、静止状態で振り石の中心が第1軸線および第2軸線を通る仮想直線上に配置されている構成では、てんぷの回転方向の違い(衝撃の違い)により、衝撃終了時のてんぷトルク収支に差が生じる。本発明によれば、脱進機の各衝撃の衝撃終了時におけるてんぷトルク収支が均等になるようにトルク伝達部材を配置することが可能となる。したがって、上述した作用効果を奏することができる。
上記の脱進調速機において、前記軸方向から見た場合、前記振り石の前記中心は、前記静止状態で前記仮想直線に対して、前記第1軸線回りに0°より大きく15°以下ずれた位置に配置されていてもよい。
ここで、てんぷが静止状態にある場合のトルク伝達部材の位置を静止位置と定義する。本発明によれば、がんぎ車の停止解除の後、衝撃中にトルク伝達部材が静止位置を通過するように脱進調速機を形成できる。これにより、動力源からがんぎ車に伝わるトルクが低下した場合にがんぎ車は衝撃中の位置で停止するので、がんぎ車に伝わるトルクを増加させた際の再起動性を確保することができる。
上記の脱進調速機において、前記トルク伝達部材の前記第1軸線回りの位置を調整する調整手段を備えていてもよい。
本発明によれば、脱進機の各衝撃の衝撃終了時におけるてんぷトルク収支が均等になるようにトルク伝達部材を配置できるので、上述した作用効果を奏することができる。
上記の脱進調速機において、前記トルク伝達部材は、前記てんぷに対して固定的に配置され、前記調整手段は、前記てんぷを回転可能に支持する支持部材と、前記ひげぜんまいの外周部に固定されたひげ持と、前記支持部材のうち前記第1軸線を中心として延びる周面に装着され、前記ひげ持を支持するひげ持受と、を有していてもよい。
本発明によれば、ひげ持受を支持部材に組み付ける際、支持部材に対する第1軸線回りの位置を調整することで、支持部材に対するてんぷおよびトルク伝達部材の第1軸線回りの位置を調整できる。
上記の脱進調速機において、前記トルク伝達部材は、前記てんぷに対して固定的に配置され、前記調整手段は、前記てんぷの軸部と、前記軸部に装着され、前記ひげぜんまいの内端部に固定されたひげ玉と、を有していてもよい。
本発明によれば、ひげ玉をてんぷの軸部に組み付ける際、軸部に対する第1軸線回りの位置を調整することで、支持部材に対するてんぷおよびトルク伝達部材の第1軸線回りの位置を調整できる。
上記の脱進調速機において、前記てんぷは、軸部を備え、前記トルク伝達部材は、前記てんぷの軸部に装着された装着部を有し、前記調整手段は、前記てんぷの前記軸部と、前記装着部と、を有していてもよい。
本発明によれば、トルク伝達部材の装着部をてんぷの軸部に組み付ける際、軸部に対する第1軸線回りの位置を調整することで、てんぷに対するトルク伝達部材の第1軸線回りの位置、すなわち支持部材に対するトルク伝達部材の第1軸線回りの位置を調整できる。
本発明の時計用ムーブメントは、上記の脱進調速機を備える。
本発明の時計は、上記の時計用ムーブメントを備える。
本発明によれば、持続時間に優れた脱進調速機を有するので、持続時間の長い時計用ムーブメントおよび時計を提供できる。
本発明によれば、持続時間に優れた脱進調速機、時計用ムーブメントおよび時計を提供することができる。
実施形態に係る時計を示す平面図である。 実施形態に係るムーブメントを表側から見た平面図である。 実施形態に係る脱進調速機を表側から見た斜視図である。 実施形態に係る調速機を表側から見た平面図である。 図4のV−V線における断面図である。 実施形態に係るてんぷおよび振り座を表側から見た斜視図である。 実施形態に係る脱進調速機を裏側から見た斜視図である。 実施形態に係る脱進機および振り座を表側から見た平面図である。 実施形態に係る脱進調速機の動作を説明する平面図である。 実施形態に係る脱進調速機の動作を説明する平面図である。 実施形態に係る脱進調速機の動作を説明する平面図である。 実施形態に係る脱進調速機の動作を説明する平面図である。 実施形態に係る脱進調速機の動作を説明する平面図である。 実施形態に係る脱進調速機の動作を説明する平面図である。 実施形態に係る脱進調速機の動作を説明する平面図である。 実施形態に係る脱進調速機の動作を説明する平面図である。 実施形態に係る脱進調速機の動作を説明する平面図である。 実施形態に係る脱進調速機の動作を説明する平面図である。 実施形態に係る脱進調速機の動作を説明する平面図である。 実施形態に係る脱進調速機の動作を説明する平面図である。 脱進機の各衝撃の衝撃終了時におけるてんぷトルク収支を示すグラフである。 実施形態に係る脱進調速機において、直接衝撃時にてんぷに作用するトルクを示すグラフである。 実施形態に係る脱進調速機において、間接衝撃時にてんぷに作用するトルクを示すグラフである。 比較形態に係る脱進調速機において、直接衝撃時にてんぷに作用するトルクを示すグラフである。 比較形態に係る脱進調速機において、間接衝撃時にてんぷに作用するトルクを示すグラフである。 実施形態の変形例に係る脱進調速機において、直接衝撃時にてんぷに作用するトルクを示すグラフである。 実施形態の変形例に係る脱進調速機において、間接衝撃時にてんぷに作用するトルクを示すグラフである。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。なお、本実施形態では、時計の一例として機械式時計を例に挙げて説明する。
一般に、時計の駆動部分を含む機械体を「ムーブメント」と称する。このムーブメントに文字板、針を取り付けて、時計ケースの中に入れて完成品にした状態を時計の「コンプリート」と称する。時計の基板を構成する地板の両側のうち、時計ケースのガラスのある方の側(すなわち、文字板のある方の側)をムーブメントの「裏側」と称する。また、地板の両側のうち、時計ケースのケース裏蓋のある方の側(すなわち、文字板と反対の側)をムーブメントの「表側」と称する。なお、本実施形態では、文字板からケース裏蓋に向かう方向を上方、その反対側を下方と定義して説明する。
図1は、実施形態に係る時計を示す平面図である。
図1に示すように、本実施形態の時計1のコンプリートは、図示しないケース裏蓋およびガラス2からなる時計ケース内に、ムーブメント(時計用ムーブメント)10と、少なくとも時に関する情報を示す目盛りを有する文字板3と、時針5、分針6および秒針7を含む指針と、を備えている。
図2は、実施形態に係るムーブメントを表側から見た平面図である。なお図2では、図面を見易くするためにムーブメント10を構成する部品の一部の図示を省略している。
図2に示すように、ムーブメント10は基板を構成する地板11を有している。ムーブメント10は、地板11の表側に、表輪列12と、脱進調速機13と、を備えている。
表輪列12は、主に香箱車20、遊び歯車21、二番車22、三番車23、四番車24およびがんぎ中間車25を備えている。香箱車20は、地板11と図示しない香箱受との間に軸支されており、内部に図示しないぜんまい(動力源)が収容されている。ぜんまいは、図1に示すりゅうず26に連結された巻真27の回転によって巻き上げられる。
遊び歯車21、二番車22、三番車23、四番車24およびがんぎ中間車25は、地板11と図示しない輪列受との間に軸支されている。これら遊び歯車21、二番車22、三番車23、四番車24およびがんぎ中間車25は、巻き上げられたぜんまいの弾性復元力によって香箱車20が回転すると、この回転に基づいて回転する。
すなわち、遊び歯車21は香箱車20と噛み合っており、香箱車20の回転に基づいて回転する。二番車22は、遊び歯車21と噛み合っており、遊び歯車21の回転に基づいて回転する。三番車23は、二番車22と噛み合っており、二番車22の回転に基づいて回転する。四番車24は、三番車23と噛み合っており、三番車23の回転に基づいて回転する。四番車24には、図1に示す秒針7が取り付けられており、四番車24の回転に基づいて秒針7が「秒」を表示する。秒針7は、脱進調速機13によって調速された回転速度で1分間に1回転する。
四番車24が回転すると、この回転に基づいて図示しない分車が回転する。分車には、図1に示す分針6が取り付けられており、分車の回転によって分針6が「分」を表示する。分針6は、脱進調速機13によって調速された回転速度で1時間に1回転する。
分車が回転すると、この回転に基づいて図示しない日の裏車が回転し、さらに日の裏車の回転に基づいて図示しない筒車が回転する。筒車には、図1に示す時針5が取り付けられており、筒車の回転によって時針5が「時」を表示する。時針5は、脱進調速機13によって調速された回転速度で12時間に1回転する。
がんぎ中間車25は、四番車24と噛み合っており、四番車24の回転に基づいて回転する。がんぎ中間車25は、後述するがんぎ車60のがんぎかな61(図3参照)と噛み合っている。
図3は、実施形態に係る脱進調速機を表側から見た斜視図である。なお図3では、図面を見易くするために後述するてん輪42を仮想線で示すとともに、てん輪42の一部の図示を省略している。
図2および図3に示すように、脱進調速機13は、表輪列12の回転を制御する脱進機14と、脱進機14を調速する調速機15と、脱進機14から調速機15のてんぷ40にトルクを伝達する振り座45(トルク伝達部材)と、を備える。
図4は、実施形態に係る調速機を表側から見た平面図である。図5は、図4のV−V線における断面図である。
図4および図5に示すように、調速機15は、ひげぜんまい30と、ひげぜんまい30の外端部を保持するひげ持受ユニット33と、ひげぜんまい30の伸縮に伴って第1軸線O1を中心として往復回転するてんぷ40と、地板11(図2参照)に固定され、てんぷ40を回転可能に支持するてんぷ受16(支持部材)と、を備えている。ひげぜんまい30は、渦巻き状に巻回され、内端部にひげ玉31が固定され、かつ外端部30aにひげ持34が固定されている。なお、ひげ持34は、ひげぜんまい30の外周部に固定されていればよい。
ひげ持受ユニット33は、ひげ持34と、ひげ持34を支持するひげ持受35と、を備えている。ひげ持受35は、地板11に対して固定的に配置されている。具体的には、ひげ持受35は、てんぷ受16に支持されている。ひげ持受35は、てんぷ受16のうち第1軸線O1を中心として延びる軸部の外周面16aに、円環状のひげ持受座36を介して装着されている。なお、ひげ持受35は、ひげ持受座36を介さずに、てんぷ受16における第1軸線O1を中心として延びる外周面または内周面に装着されていてもよい。ひげ持受35は、ひげ持34を保持するひげ持アーム37を有している。ひげ持アーム37には、上下に貫通するスリット37aが形成されている。スリット37a内には、円筒状のひげ持押さえ38が嵌合されている。
ひげ持34は、ひげ持押さえ38の内側に挿入され、ひげ持ねじ39によって抜け止めされた状態でひげ持押さえ38に安定に保持されている。ひげ持34は、ひげぜんまい30の外端部を、例えば接着や加締め等によって保持している。これにより、ひげぜんまい30の外端部は、てんぷ受16および地板11に対して固定的に配置されている。
てんぷ40は、てん真41(軸部)およびてん輪42を備える。てんぷ40は、地板11とてんぷ受16との間に軸支されている。てんぷ40は、ひげぜんまい30を動力源として、香箱車20の出力トルクに応じた定常振幅(振り角)で第1軸線O1回りに往復回転(正逆回転)する。
具体的には、図4に示すようにてんぷ40は、第1軸線O1を中心として互いに逆向きの第1回転方向M1および第2回転方向M2に往復回転する。本実施形態では、ムーブメント10の表側から見た平面視で、第1軸線O1を中心としててんぷ40が時計回りに回転する方向を第1回転方向M1といい、反時計回りに回転する方向を第2回転方向M2という。
図5に示すように、てん真41は、軸方向の両端において地板11およびてんぷ受16に軸支されている。てん真41には、ひげ玉31が装着されている。これにより、ひげぜんまい30の内端部は、てんぷ40に対して固定的に配置されている。ひげ玉31は、てん真41のうち第1軸線O1を中心として延びる外周面41aに装着されている。また、てん真41には、てん輪42が固定されている。てん輪42は、ひげ玉31の下方でてん真41に外嵌されている。なお、てん輪42の形状は、図示の例に限定されるものではなく、自由に変更して構わない。
図3に示すように、てん真41のうちてん輪42の外嵌部よりも下方には、小つば43が形成されている。小つば43は、振り座45よりも回転軌跡が小径になるように円柱状に形成されている。小つば43のうち後述する振り石50に対して径方向に対応した部分には、径方向の内側に曲面状に凹むツキガタ43aが形成されている(図6を併せて参照)。ツキガタ43aは、後述するアンクルハコ81(図8参照)と振り石50とが係合しているときに、後述する剣先82が小つば43と接触することを防止する逃げ部として機能している。また、小つば43の外周面のうちツキガタ43aを除く部分は、剣先82が摺接可能とされている。
図6は、実施形態に係るてんぷおよび振り座を表側から見た斜視図である。なお図6では、図面を見易くするためにてん輪42を仮想線で示している。
図6に示すように、振り座45は、てんぷ40と同軸で一体回転可能に設けられている。振り座45は、てん真41に固定された振り座体46(装着部)と、振り座体46に固定された振り石50および接触爪石55と、を備える。
振り座体46は、てん真41に装着されている。振り座体46は、てん真41の小つば43の下方に隣接している。振り座体46は、がんぎ車60に対応した高さに配置されている。振り座体46は、例えば金属材料や単結晶シリコン等の結晶方位を有する材料等により形成されている。振り座体46の製造方法としては、例えば電鋳加工、フォトリソグラフィ技術のような光学的な手法を取り入れたLIGAプロセス、DRIE、金属粉末射出成形(MIM)等が挙げられる。ただし、この場合に限定されるものではなく、その他の方法で振り座体46を形成しても構わない。
振り座体46には、上下に貫通する貫通孔47と、径方向に沿って延びるとともに径方向の外側に開口するようにU字状に形成されたスリット48と、が形成されている。貫通孔47は、第1軸線O1の軸方向から見て、径方向の外側に平面を有し、かつ径方向の内側に円弧上に膨らんだ半円形状に形成されている。
振り石50は、貫通孔47に圧入されている。振り石50は、貫通孔47の形状に対応して、径方向の外側に平坦面51を有し、かつ径方向の内側に弧状面52を有する平面視半円形状に形成されている。振り石50は、ルビー等の人工宝石から形成されている。振り石50は、振り座体46よりも上方に向けて延びるように形成されている。これにより、振り石50は、がんぎ車60よりも上方に配置された後述するアンクル70に対して接触可能とされている(図3参照)。なお、振り石50は、てんぷ40と同期して第1軸線O1回りに往復回転し、その途中で後述するアンクルハコ81(図8参照)に対して離脱可能に係合する。
接触爪石55は、振り座体46のスリット48内に挿入され、例えば接着剤等により固定されている。接触爪石55は、振り石50と同様に例えばルビー等の人工宝石によって形成されている。接触爪石55は、第1軸線O1を中心とする径方向に沿って延びた矩形板状に形成されている。接触爪石55の先端部は、振り座体46の外周縁よりも径方向の外側に突出している。接触爪石55は、がんぎ車60の後述するがんぎ歯63(図3参照)に対して接触可能とされ、がんぎ車60に伝わったトルクをてんぷ40に伝えるための爪石とされている。
図3および図6に示すように、接触爪石55の先端部のうち第2回転方向M2側を向いた側面は、径方向に沿って平坦に形成され、がんぎ歯63における作用面63aが接触(衝突)可能な接触面56とされている。さらに、接触爪石55の先端部には、第1回転方向M1側を向いた傾斜面57が形成されている。なお、接触爪石55は、振り座体46よりも上方に突出しないようにスリット48内に固定されている。これにより、接触爪石55と後述するアンクル70とが互いに接触することが防止されている。
接触爪石55は、てんぷ40の回転によって後述するがんぎ歯車64の回転軌跡R(図8参照)に対する進入と退避とを繰り返す。これにより、がんぎ歯車64におけるがんぎ歯63の作用面63aを、接触爪石55の接触面56に対して接触(衝突)させることが可能とされている。がんぎ歯63の作用面63aが接触爪石55の接触面56に対して接触することで、がんぎ車60から接触爪石55にトルクが伝達される。
図7は、実施形態に係る脱進調速機を裏側から見た斜視図である。
図3および図7に示すように、脱進機14は、香箱車20のぜんまいから表輪列12を介して伝達されるトルクによって回転するがんぎ車60と、てんぷ40の回転に基づいて回動してがんぎ車60を回転および停止させるアンクル70と、を備えている。以下、アンクル70の回転軸線を第2軸線O2と称し、がんぎ車60の回転軸線を第3軸線O3と称する。
がんぎ車60は、がんぎ中間車25(図2参照)と噛み合うがんぎかな61が形成されたがんぎ軸部62と、がんぎ軸部62に例えば圧入等によって一体的に固定され、複数のがんぎ歯63を有するがんぎ歯車64と、を備えている。なお本実施形態では、がんぎ歯63の歯数を8歯、がんぎかな61の歯数を10歯とした場合に例に挙げて説明している。ただし、この場合に限定されるものではなく、がんぎ歯63およびがんぎかな61の歯数は、適宜変更して構わない。
さらに本実施形態では、がんぎ車60が、がんぎかな61を介してがんぎ中間車25側から伝達されたトルクによって第3軸線O3を中心として表側から見て反時計回りに回転する場合を例に挙げて説明する。なお、第3軸線O3を中心として反時計回りに回転する方向を反時計方向M3、その反対方向を時計方向M4という。さらに、がんぎ車60の回転に伴ってがんぎ歯63の歯先が描く回転軌跡Rを、単にがんぎ歯車64の回転軌跡Rという(図8参照)。
がんぎ車60は、がんぎ軸部62における軸方向の両端において、地板11(図2参照)および図示しない輪列受に軸支されている。
がんぎ歯車64は、例えば振り座体46と同様に金属材料や単結晶シリコン等の結晶方位を有する材料等により形成されている。がんぎ歯車64の製造方法としては、電鋳加工、フォトリソグラフィ技術のような光学的な手法を取り入れたLIGAプロセス、DRIE、金属粉末射出成形(MIM)等が挙げられる。ただし、この場合に限定されるものではなく、その他の製造方法によりがんぎ歯車64を形成しても構わない。
がんぎ歯車64は、中央部分に挿通孔65aが形成され、該挿通孔65aを通じてがんぎ軸部62が圧入等によって組み合わされる円環状のハブ部65と、ハブ部65から径方向の外側に向かって延びるとともに、周方向に等間隔をあけて配置された8本のスポーク部66と、を備え、これらハブ部65およびスポーク部66が一体に形成されることで構成されている。
スポーク部66は、径方向の外側に向かうにしたがって先細りとなるように形成されているとともに、その先端部分は反時計方向M3に向けて僅かに屈曲するように形成されている。スポーク部66の先端部分は、がんぎ歯63として機能する。これにより、本実施形態のがんぎ車60は、8歯のがんぎ歯63を有している。がんぎ歯63のうち、反時計方向M3を向いた側面は、接触爪石55に対して接触するとともに、後述する入爪石72および出爪石73に対して係合する作用面63aとされている。
上述のように構成されたがんぎ車60は、てんぷ40が第1回転方向M1に回転したときに、がんぎ中間車25側から伝達されたトルクをてんぷ40に対して直接的に伝えるとともに、てんぷ40が第2回転方向M2に回転したときに、四番車24側から伝達されたトルクを、アンクル70を介しててんぷ40に対して間接的に伝える役割を担っている。
アンクル70は、がんぎ車60の回転を制御、すなわちがんぎ車60の回転の開始、および回転の停止を制御する。アンクル70は、がんぎ歯63に対して係脱可能とされた入爪石72および出爪石73を有している。またアンクル70は、回動軸であるアンクル真75と、2本のアンクルビーム76A,76Bおよび位置決めアーム77を有するアンクル体78と、を備えている。
アンクル真75は、第2軸線O2と同軸に配置されている。アンクル真75は、軸方向の両端において地板11および図示しないアンクル受に軸支されている。
アンクル体78は、例えば圧入等によりアンクル真75に固定されている。アンクル体78は、例えば電鋳加工やMEMS技術によって板状に形成され、がんぎ車60および振り座体46よりも上方に配置されている。アンクル体78における2本のアンクルビーム76A,76Bの接続部分79には、アンクル真75を固定するための挿通孔が形成されている。アンクル体78は、この挿通孔内にアンクル真75が圧入等によって嵌め込まれることでアンクル真75と一体に固定されている。
図8は、実施形態に係る脱進機および振り座を表側から見た平面図である。なお図8では、図面を見易くするために剣先82を仮想線で示している。
図8に示すように、一方のアンクルビーム76Aは、アンクル真75が固定された接続部分79から、がんぎ車60の回転方向とは反対の時計方向M4側に向けて、すなわち振り座45側に向けて延びるように形成されている。他方のアンクルビーム76Bは、アンクル真75が固定された接続部分79から、がんぎ車60の回転方向である反時計方向M3側に向けて延びるように形成されている。アーム77は、アンクル真75が固定された接続部分79から、がんぎ車60から離れる方向に向けて延びるように形成されている。
一方のアンクルビーム76Aの先端部には、第2軸線O2の周方向に並んで配置された一対のクワガタ80が設けられている。クワガタ80の内側は、てん真41の小つば43側に向けて開口するとともに、てんぷ40の往復回転に伴って移動する振り石50が係脱可能に収容されるアンクルハコ81とされている。
さらに一方のアンクルビーム76Aの先端部には、剣先82が取り付けられている。剣先82は、一方のアンクルビーム76Aの先端部に対して上方から例えば圧入等によって嵌め込まれることで、アンクルビーム76Aに固定されている。ただし、この場合に限定されるものではなく、例えば一方のアンクルビーム76Aの先端部に接着剤やカシメ等を利用して剣先82を固定しても構わない。
剣先82は、平面視で一対のクワガタ80間に位置(すなわちアンクルハコ81の内側に位置)するとともに、クワガタ80よりもてん真41の小つば43側に僅かに突出するように延びている。なお、剣先82は、振り石50よりも上方に位置し、かつてん真41の小つば43と同等の高さに位置するように固定されている。なお、剣先82の先端部は、振り石50がアンクルハコ81から離脱している状態において、小つば43の外周面のうちツキガタ43aを除いた部分に対して若干の隙間をあけて径方向に対向し、かつ振り石50がアンクルハコ81に係合している状態において、ツキガタ43a内に収容される。
なお、振り石50がアンクルハコ81から離脱しているときに、剣先82の先端部が小つば43の外周面に対して若干の隙間をあけて径方向に対向しているので、例えばてんぷ40の自由振動中に外乱が入力され、その外乱の影響によってアンクル70の停止が解除されようとしても、剣先82の先端部を小つば43の外周面に対して真っ先に接触させることができる。これにより、外乱によるアンクル70の変位を抑制でき、アンクル70の停止が解除されてしまうことを防止することができる。
さらに、一方のアンクルビーム76Aには、剣先82よりもアンクル真75側に位置する部分に、入爪石72を固定するための石取付孔83が形成されている。石取付孔83は、アンクルビーム76Aを上下に貫通するように形成されている。入爪石72は、がんぎ歯車64におけるがんぎ歯63の作用面63aに対して係脱可能とされ、がんぎ車60の停止およびその解除を行うための爪石とされている。
入爪石72は、振り石50と同様にルビー等の人工宝石により形成され、石取付孔83内に例えば圧入による固定、または接着剤等により接着固定されている。入爪石72は、アンクルビーム76Aよりも下方に向けて延びる四角柱状に形成され、がんぎ車60と同等の高さに達するように固定されている。入爪石72のうち、がんぎ車60の回転方向とは反対の時計方向M4側を向いた側面は、がんぎ歯車64におけるがんぎ歯63の作用面63aが係合する係合面72aとされている。
他方のアンクルビーム76Bの先端部には、出爪石73を固定するためのスリット85が形成されている。スリット85は、アンクルビーム76Bを上下に貫通するとともに、がんぎ車60側に向けて開口するように形成されている。出爪石73は、がんぎ歯車64におけるがんぎ歯63の作用面63aに対して係脱可能とされ、がんぎ車60の停止およびその解除を行うための爪石であるとともに、がんぎ車60に伝わったトルクを、アンクル70を介しててんぷ40に伝えるための爪石とされている。
出爪石73は、振り石50と同様にルビー等の人工宝石により形成され、スリット85内に例えば圧入による固定、または接着剤等により接着固定されている。出爪石73は、スリット85に沿って延びた矩形板状に形成され、アンクルビーム76Bよりもがんぎ車60側に向かって突出するように固定されている。さらに出爪石73は、アンクルビーム76Bよりも下方に向けて延びるように形成され、がんぎ車60と同等の高さに達するように固定されている。
出爪石73の先端部には、係合面73aおよび摺動面73bががんぎ車60の回転方向とは反対の時計方向M4を向くように形成されている。係合面73aは、スリット85に沿うように平坦に形成され、がんぎ歯車64におけるがんぎ歯63の作用面63aが係合可能とされている。摺動面73bは、係合面73aよりもがんぎ車60側に位置しているとともに、スリット85側からがんぎ車60側に向かうにしたがって、がんぎ車60の回転方向である反時計方向M3側に向けて延びるように形成された傾斜面とされ、がんぎ歯63が摺動可能とされている。
具体的には、がんぎ車60におけるがんぎ歯63は、係合面73aに対する係合が解除された後に、摺動面73b上を摺動するように構成されている。がんぎ歯63の作用面63aが摺動面73b上を摺動することで、がんぎ車60から出爪石73側にトルクが伝えられる。
上述のように構成されたアンクル70は、先に述べたようにてんぷ40の回転に基づいて第2軸線O2回りを回動する。具体的には、アンクル70は、てんぷ40の往復回転に伴って移動する振り石50によって、てんぷ40の回転方向とは反対の方向に向けて第2軸線O2回りに回動する。このとき、入爪石72および出爪石73は、アンクル70の回動によってがんぎ歯車64の回転軌跡Rに対する進入と退避とを交互に繰り返す。これにより、がんぎ歯車64におけるがんぎ歯63の作用面63aを、入爪石72の係合面72a、または出爪石73の係合面73aに対して係合させることが可能となる。特に、入爪石72および出爪石73は、第2軸線O2を挟んで配置されているので、がんぎ歯63と入爪石72とが係合しているときに、出爪石73ががんぎ歯63から離脱し、がんぎ歯63と出爪石73とが係合しているときに、入爪石72ががんぎ歯63から離脱する。
より具体的には、てんぷ40が第1回転方向M1に回転したときに、がんぎ歯63と入爪石72との係合が解除され、かつがんぎ歯63と接触爪石55とが接触した後に、がんぎ歯63と出爪石73とが係合する。また、てんぷ40が第2回転方向M2に回転したときに、がんぎ歯63と出爪石73との係合が解除され、かつがんぎ歯63が出爪石73の摺動面73b上を摺動しながら相対移動した後に、がんぎ歯63と入爪石72とが係合する。この点は、後に詳細に説明する。
さらに脱進機14は、入爪石72および出爪石73ががんぎ車60のがんぎ歯車64と係合したときに、アンクル70を位置決めするドテピン90を備えている。ドテピン90は、一方のアンクルビーム76Aを挟んでがんぎ車60とは反対側に配置されている。ドテピン90は、平面視で一方のアンクルビーム76Aとアーム77との間で、一方のアンクルビーム76Aおよびアーム77に対して間隔をあけて配置されている。ドテピン90は、例えば地板11から上方に向けて突出するように固定され、アンクル体78と同等の高さに位置している。
このようにドテピン90が配置されているので、一方のアンクルビーム76Aおよびアーム77は、ドテピン90に対して接触可能とされている。これにより、アンクル70の回動を規制して位置決めすることが可能となる。
上述のように構成された脱進調速機13において、第1軸線O1の軸方向から見た場合、振り石50の中心Cは、てんぷ40にひげぜんまい30のトルクが作用していない静止状態で、第1軸線O1および第2軸線O2を通る仮想直線Lに対して第1軸線O1回りに所定角度θずれた位置に配置されている。具体的には、第1軸線O1の軸方向から見た場合、振り石50の中心Cは、仮想直線Lに対して第2回転方向M2に所定角度θずれた位置に配置されている。所定角度θは、0°より大きく、15°以下である。これにより、振り座45は、脱進機14の各衝撃の衝撃終了時におけるてんぷトルク収支が均等になるように形成されている。この点については、後に詳細に説明する。なお、第1軸線O1の軸方向から見た場合の振り石50の中心Cは、第1軸線O1回りの周方向における振り石50の両端部間の中央である。
図5に戻り、脱進調速機13は、振り座45の第1軸線O1回りの位置を調整する複数の調整手段101,102,103を備える。第1の調整手段101は、てんぷ受16と、ひげ持34と、ひげ持受35と、を備える。第1の調整手段101は、ひげ持受35をてんぷ受16に組み付ける際、てんぷ受16に対する第1軸線O1回りの位置を調整することで、てんぷ受16に対するひげぜんまい30、てんぷ40および振り座45の位置を調整できる。第2の調整手段102は、てん真41と、ひげ玉31と、を備える。第2の調整手段102は、ひげ玉31をてん真41に組み付ける際、てん真41に対する第1軸線O1回りの位置を調整することで、てんぷ受16に対するてんぷ40および振り座45の位置を調整できる。第3の調整手段103は、てん真41と、振り座体46と、を備える。第3の調整手段は、振り座体46をてん真41に組み付ける際、てん真41に対する第1軸線O1回りの位置を調整することで、てんぷ40に対する振り座45の位置を調整できる。これら複数の調整手段101,102,103のうち少なくともいずれか1つの調整手段により、第1軸線O1の軸方向から見た場合の振り石50の中心Cの位置が調整される。
次に、上述のように構成された脱進調速機13の動作について図9から図20を参照して説明する。図9から図20は、実施形態に係る脱進調速機の動作を説明する平面図である。
なお、以下の説明における動作開始状態では、図9に示すように、がんぎ歯63の作用面63aが入爪石72の係合面72aに係合しているとともに、アンクル70のアーム77がドテピン90に対して接触してアンクル70が位置決めされている。これにより、がんぎ車60は回転が停止している。さらに、てんぷ40の自由振動によって振り石50が第1回転方向M1に移動し、アンクルハコ81の内側に進入している。なお、接触爪石55は、がんぎ歯車64の回転軌跡Rから退避している。
このような動作開始状態から、てんぷ40の往復回転に伴う脱進調速機13の動作について、順を追って説明する。
図9に示す状態から、てんぷ40がひげぜんまい30に蓄えられた弾性エネルギーによって第1回転方向M1にさらに回転すると、振り石50がアンクルハコ81の内面のうち、振り石50よりも該振り石50の進行方向に位置するクワガタ80側の内面に接触して係合するとともに、アンクルハコ81を第1回転方向M1に押圧する。これにより、振り石50を介して、ひげぜんまい30のトルクがアンクル70に伝わる。なお、アンクルハコ81と振り石50との係合時、ツキガタ43aが形成されているために、小つば43と剣先82とは互いに接触することがない。従って、ひげぜんまい30のトルクをアンクル70に効率よく伝えることができる。
これにより、図10に示すように、アンクル70が第2軸線O2を中心として表側から見て反時計回りに回動して、アンクル70のアーム77がドテピン90から離間する。また、アンクル70が回動することで、入爪石72ががんぎ歯車64から離脱する方向(がんぎ歯車64の回転軌跡Rから退避する方向)に移動する。そして、入爪石72ががんぎ歯車64の回転軌跡Rから僅かに外れた位置まで移動することで、入爪石72をがんぎ歯63から離脱させて、がんぎ歯63との係合を解除することができる。これにより、がんぎ車60の停止の解除を行うことができる。
なお、がんぎ歯63と入爪石72との係合を解除する際、入爪石72には引き角がついているので、がんぎ車60は本来の回転方向である反時計方向M3ではなく、その反対の時計方向M4に瞬間的に後退する。がんぎ車60は、この瞬間的な後退を経た後に、表輪列12を介して伝えられたトルクによって反時計方向M3に回転を再開する。このように、がんぎ車60を瞬間的に後退させることで、表輪列12の噛み合いをより確実にすることができ、安定かつ高い信頼性で表輪列12を作動させることができる。
そして、図11に示すように、がんぎ車60が反時計方向M3に向けて回転を再開すると、てんぷ40の第1回転方向M1への回転に伴ってがんぎ歯車64の回転軌跡R内に進入してきた接触爪石55の接触面56に対してがんぎ歯63の作用面63aが接触(衝突)する。接触爪石55とがんぎ歯63との接触時の衝撃により、がんぎ車60に伝わったトルクを、振り座45を介しててんぷ40に直接的に伝えることができるとともに、振り石50に追従するようにアンクル70を引き続き回動させることができる。このように、がんぎ車60に伝わったトルクをてんぷ40に対して直接的に伝えることで、てんぷ40にトルクを補充することができる。なお、接触爪石55の接触面56に対してがんぎ歯63の作用面63aが接触する際には、振り座45はてんぷ40が静止状態にある場合の静止位置(図8参照)よりも第2回転方向M2に位置している。
上述のようにがんぎ歯63が接触爪石55に接触すると、がんぎ歯63は接触面56上を滑りながら反時計方向M3に回転するとともに、接触爪石55はてんぷ40の回転に伴って徐々にがんぎ歯車64から離脱する方向(がんぎ歯車64の回転軌跡Rから退避する方向)に移動する。また、図12に示すように、てんぷ40の回転によって接触爪石55ががんぎ歯車64から離脱する方向に移動している際、出爪石73がアンクル70の反時計回りへの回動によってがんぎ歯車64の回転軌跡Rに進入しはじめる。
そして、接触爪石55ががんぎ歯車64の回転軌跡Rから外れた位置まで移動すると、図13に示すように、接触爪石55ががんぎ歯63から離脱し、がんぎ歯車64の回転軌跡Rに進入していた出爪石73の係合面73aに対してがんぎ歯63の作用面63aが接触する。これにより、がんぎ歯車64は回転が停止した状態となる(第1停止)。なお、接触爪石55ががんぎ歯63から離脱する際には、振り座45は静止位置よりも第1回転方向M1に位置している。
なお、接触当初の段階では、アンクル70の一方のアンクルビーム76Aはアンクル70の反時計回りの回動に伴ってドテピン90に向かって移動しているが、ドテピン90に対して非接触とされている。そのため、がんぎ歯63と出爪石73とが接触したまま、アンクル70は僅かに回動する。そして、一方のアンクルビーム76Aがドテピン90に接触すると、アンクル70はそれ以上の回動が規制されて位置決めされる。そのため、がんぎ歯63と出爪石73とが係合した状態となる。これにより、アンクル70は停止し、がんぎ車60は回転が停止した状態となる(第2停止)。この段階で、振り石50への直接的なトルク伝達動作が終了する。
その後、図14に示すように、振り石50はアンクルハコ81内から離脱し、てんぷ40の第1回転方向M1への回転に伴ってアンクル70から離間する。これ以降、てんぷ40は慣性によって第1回転方向M1に回転し続けるとともに、その回転エネルギーがひげぜんまい30に弾性エネルギーとして蓄えられていく。そして、回転エネルギーが全てひげぜんまい30に蓄えられると、てんぷ40は第1回転方向M1への回転を止めて、一瞬静止した後に、ひげぜんまい30に蓄えられた弾性エネルギーによって反対の第2回転方向M2に向けて回転を開始する。
これにより、振り石50は、てんぷ40の第2回転方向M2への回転に伴ってアンクル70に向けて再び接近するように移動を開始する。
そして、図15に示すように、振り石50がアンクル70のアンクルハコ81内に進入すると、振り石50はアンクルハコ81の内面のうち、振り石50よりも該振り石50の進行方向側に位置するクワガタ80側の内面に接触して係合するとともに、アンクルハコ81を第2回転方向M2に向けて押圧する。これにより、振り石50を介してひげぜんまい30のトルクがアンクル70に伝わる。
これにより、図16に示すように、アンクル70が表側から見て第2軸線O2を中心として時計回りに回動して、一方のアンクルビーム76Aがドテピン90から離間する。また、アンクル70が回動することで、出爪石73ががんぎ歯車64から離脱する方向(がんぎ歯車64の回転軌跡Rから退避する方向)に移動する。そして、図17に示すように、出爪石73の係合面73aががんぎ歯車64の回転軌跡Rから僅かに外れた位置まで移動することで、係合面73aとがんぎ歯63との係合を解除することができる。これにより、がんぎ車60の停止の解除を行うことができる。
なお、入爪石72と同様に、出爪石73には引き角がついているので、がんぎ車60は反時計方向M4に瞬間的に後退した後に、表輪列12を介して伝えられたトルクによって時計方向M3に回転を再開する。そして、がんぎ車60が反時計方向M3に向けて回転を再開すると、図18に示すように、がんぎ車60は、がんぎ歯63が出爪石73の摺動面73b上を摺動しながら相対移動し、反時計方向M3に回転する。出爪石73とがんぎ歯63との摺動時の衝撃により、がんぎ車60に伝わったトルクを、出爪石73を介してアンクル70に伝えることができ、アンクルハコ81の内面のうち、振り石50よりも該振り石50の進行方向とは反対側に位置するクワガタ80側の内面が振り石50に接触して係合する。なお、出爪石73の係合面73aに対してがんぎ歯63が接触する際には、振り座45は静止位置よりも第1回転方向M1に位置している。また、出爪石73ががんぎ歯63から離脱する際には、振り座45は静止位置よりも第2回転方向M2に位置している。
従って、がんぎ車60に伝わったトルクを、アンクル70を介しててんぷ40に間接的に伝えることができるとともに、振り石50に追従するようにアンクル70を引き続き回動させることができる。このように、がんぎ車60に伝わったトルクを、てんぷ40に対して間接的に伝えることで、てんぷ40にトルクを補充することができる。
その後、アンクル70の回動によって出爪石73ががんぎ歯車64の回転軌跡Rから外れた位置まで移動すると、図19に示すように、がんぎ歯車64の回転軌跡Rに進入した入爪石72の係合面72aに対してがんぎ歯63の作用面63aが接触する。これにより、がんぎ歯車64は回転が停止した状態となる(第1停止)。
なお、接触当初の段階では、アンクル70のアーム77はアンクル70の時計回りの回動に伴ってドテピン90に向かって移動しているが、ドテピン90に対して非接触とされている。そのため、がんぎ歯63と入爪石72とが接触したまま、アンクル70は僅かに回動する。そして、図20に示すように、アンクル70のアーム77がドテピン90に接触すると、アンクル70はそれ以上の回動が規制されて位置決めされる。そのため、がんぎ歯63と入爪石72とが係合した状態となる。これにより、アンクル70は停止し、がんぎ車60は回転が停止した状態となる(第2停止)。この段階で、振り石50への間接的なトルク伝達動作が終了する。
その後、振り石50はアンクルハコ81内から離脱し、てんぷ40の第2回転方向M2への回転に伴ってアンクル70から離間する。これ以降、てんぷ40は慣性によって第2回転方向M2に回転し続けるとともに、その回転エネルギーがひげぜんまい30に弾性エネルギーとして蓄えられていく。そして、回転エネルギーが全てひげぜんまい30に蓄えられると、てんぷ40は第2回転方向M2への回転を止めて、一瞬静止した後に、ひげぜんまい30に蓄えられた弾性エネルギーによって反対の第1回転方向M1に向けて回転を開始する。
これ以降、てんぷ40の往復回転に伴って、脱進調速機13は上述した動作を繰り返す。従って、脱進機14は、てんぷ40の1周期において、がんぎ歯車64が振り座45の接触爪石55に接触する際の直接衝撃と、がんぎ歯車64がアンクル70の出爪石73に接触する際の間接衝撃と、の2回の衝撃によっててんぷ40にトルクを付与する。つまり、脱進調速機13は、てんぷ40が1往復する間に、てんぷ40と同軸で回動する振り座45を介した直接的なトルク伝達と、てんぷ40とは異なる軸線回りに回動するアンクル70を介した間接的なトルク伝達と、を交互に行いながら(切り換えながら)、てんぷ40に動力を補充することができるとともに、てんぷ40に対応した一定に振動でがんぎ車60の回転を制御することができる。つまり、直接衝撃および間接衝撃を併用した、半間接−半直接衝撃型の脱進機14として動作させることができ、間接衝撃型である従来のクラブトゥース・レバー脱進機に比べて、トルク伝達効率を高めることができる。
ここで、脱進機14からてんぷ40に付与されるトルクから、ひげぜんまい30からてんぷ40に付与されるトルクを引いた差分をてんぷトルク収支と定義する。
図21は、脱進機の各衝撃の衝撃終了時におけるてんぷトルク収支を示すグラフである。図21において横軸は、第1軸線O1回りの周方向の所定位置を基準とした場合の振り座45の静止位置であり、前記所定位置に対する第1回転方向M1を正としている。図21において縦軸は衝撃終了時におけるてんぷトルク収支である。なお、図21において実線は直接衝撃の衝撃終了時におけるてんぷトルク収支を示し、破線は間接衝撃の衝撃終了時におけるてんぷトルク収支を示している。また、図21に示すてんぷトルク収支は、香箱車20のトルクを一定とした場合のものである。
図21に示すように、直接衝撃の衝撃終了時におけるてんぷトルク収支は、振り石50の静止位置が第1回転方向M1に位置するほど大きくなっている。すなわち、振り石50の静止位置が第2回転方向M2に位置するほど、香箱車20のトルクが小さくなった場合にてんぷトルク収支が0以下になりやすい。よって、直接衝撃が衝撃終了に至れず、脱進調速機13の動作が停止しやすい。一方で、間接衝撃の衝撃終了時におけるてんぷトルク収支は、振り石50の静止位置が第1回転方向M1に位置するほど小さくなっている。すなわち、振り石50の静止位置が第1回転方向M1に位置するほど、香箱車20のトルクが小さくなった場合にてんぷトルク収支が0以下になりやすい。よって、間接衝撃が衝撃終了に至れず、脱進調速機13の動作が停止しやすい。例えば、第1軸線O1の軸方向から見た場合、振り石50の中心Cが静止状態で仮想直線L上に位置する構成では、間接衝撃が直接衝撃よりも早く衝撃終了に至れない状態となる。
本実施形態では、第1軸線O1の軸方向から見た場合、静止位置にある振り座45の振り石50の中心Cが上述した仮想直線Lに対して第1軸線O1回りに所定角度θずれた位置に配置されるように、振り座45の静止位置を設定している。これにより、振り座45は、脱進機14の各衝撃の衝撃終了時におけるてんぷトルク収支が均等になるように形成(配置)されている。
図22は、実施形態に係る脱進調速機において、直接衝撃時にてんぷに作用するトルクを示すグラフである。図23は、実施形態に係る脱進調速機において、間接衝撃時にてんぷに作用するトルクを示すグラフである。各図において、横軸はてんぷ40にひげぜんまい30のトルクが作用していない状態を0とし、かつてんぷ40の回転方向を正とした場合のてんぷ40の回転角度である。また、各図において縦軸は、てんぷ40に付与されるトルクである。なお、各図において、実線は香箱車20に収容されたぜんまいが十分に巻き上げられた第1状態で脱進機14からてんぷ40に付与されるトルクを示し、破線は香箱車20に収容されたぜんまいが前記第1状態から巻き解けた状態で脱進機14からてんぷ40に付与されるトルクを示し、一点鎖線はひげぜんまい30からてんぷ40に付与されるトルクを示している。
図22および図23に示すように、香箱車20のぜんまいが十分に巻き上げられた第1状態で、脱進機14の各衝撃の衝撃終了時におけるてんぷトルク収支は均等になっている。これにより、香箱車20のぜんまいが巻き解けて脱進機14からてんぷ40に付与されるトルクが小さくなっても、直接衝撃および間接衝撃のいずれか一方において他方よりも早く衝撃終了時のトルクが不足することを抑制できる。
ここで比較形態として、第1軸線O1の軸方向から見た場合、静止位置にある振り座45の振り石50の中心Cが上述した仮想直線L上に配置されるように振り座45の静止位置が設定された場合を説明する。図24は、図22に対応する比較形態のグラフである。図25は、図23に対応する比較形態のグラフである。
図24および図25に示すように、香箱車20のぜんまいが十分に巻き上げられた第1状態では、脱進機14の間接衝撃の衝撃終了時におけるてんぷトルク収支が直接衝撃の衝撃終了時におけるてんぷトルク収支よりも小さくなっている。これにより、脱進機14からてんぷ40に付与されるトルクが小さくなった場合に、間接衝撃において直接衝撃よりも早く衝撃終了時のてんぷトルク収支が0となり、間接衝撃が直接衝撃よりも早く衝撃終了に至れない状態となる。
よって、本実施形態によれば、直接衝撃および間接衝撃の一方が他方よりも早く衝撃終了に至れない状態となることを抑制できる。したがって、脱進調速機13の持続時間を向上させることができる。
振り座45は、てんぷ40と一体回転する。このため、振り座からてんぷへのトルクの伝達経路上に歯車同士の噛み合い等が含まれる構成と比較して、脱進機14からてんぷ40へのトルクを効率よく伝達することができる。
がんぎ車60は、てんぷ40が第1回転方向M1に回転したときに振り座45に接触しててんぷ40にトルクを伝達するとともに、てんぷ40が第2回転方向M2に回転したときにアンクル70に接触しててんぷ40にトルクを伝達する。この構成によれば、脱進機14をいわゆる半間接−半直接衝撃型に構成できるので、脱進機がクラブトゥース・レバー脱進機等のいわゆる間接衝撃型に構成される場合と比較して、優れたトルク伝達効率を有する脱進機14とすることができる。
ここで、第1軸線O1の軸方向から見た場合、てんぷ40にひげぜんまい30のトルクが作用していない静止状態で、振り座45の振り石50の中心Cが第1軸線O1および第2軸線O2を通る仮想直線L上に配置されている構成では、てんぷ40の回転方向の違い(衝撃の違い)により、衝撃終了時のてんぷトルク収支に差が生じる。本実施形態では、第1軸線O1の軸方向から見た場合、振り石50の中心Cは静止状態で仮想直線Lに対して第1軸線O1回りにずれた位置に配置されている。この構成によれば、脱進機14の各衝撃の衝撃終了時におけるてんぷトルク収支が均等になるように振り座45を配置することが可能となる。したがって、上述した作用効果を奏することができる。
さらに、第1軸線O1の軸方向から見た場合、振り石50の中心Cは静止状態で仮想直線Lに対して第3軸線O3側に、第1軸線O1回りに0°より大きく15°以下ずれた位置に配置されている。この構成によれば、がんぎ車60の停止解除の後、衝撃中に振り座45が静止位置を通過するように脱進調速機13を形成できる。これにより、香箱車20のぜんまいが巻き解けてがんぎ車60に伝わるトルクが低下した場合にがんぎ車60は衝撃中の位置で停止するので、ぜんまいを巻き上げてがんぎ車60に伝わるトルクを増加させた際の再起動性を確保することができる。
脱進調速機13は、振り座45の第1軸線O1回りの位置を調整する調整手段101,102,103を備える。この構成によれば、脱進機14の各衝撃の衝撃終了時におけるてんぷトルク収支が均等になるように振り座45を配置できるので、上述した作用効果を奏することができる。
なお、上記実施形態では、ぜんまいが十分に巻き上げられた第1状態で脱進機14の各衝撃の衝撃終了時におけるてんぷトルク収支は均等になっている。しかし、脱進機14の各衝撃の衝撃終了時におけるてんぷトルク収支は、直接衝撃および間接衝撃の少なくともいずれか一方で0となる状態(脱進機14が停止する状態)よりもぜんまいが巻き上げられたいずれかの状態で均等になっていればよい。
図26は、図22に対応する実施形態の変形例のグラフである。図27は、図23に対応する実施形態の変形例のグラフである。
図26および図27に示すように、本変形例では、香箱車20のぜんまいが十分に巻き上げられた第1状態から巻き解けた状態で、脱進機14の各衝撃の衝撃終了時におけるてんぷトルク収支は均等になっている。これにより、香箱車20のぜんまいがさらに巻き解けた際に、直接衝撃および間接衝撃の両方においててんぷトルク収支が0となる。よって、直接衝撃および間接衝撃のいずれか一方において他方よりも早く衝撃終了時のトルクが不足することをより確実に抑制できる。
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上記実施形態では、脱進機14がいわゆる半間接−半直接衝撃型に構成された場合を説明したが、脱進調速機の構成はこれに限定されない。すなわち、脱進機は、てんぷが第1回転方向に回転したとき、および第2回転方向に回転したときのそれぞれで、がんぎ歯車がアンクルの爪石に接触する際の間接衝撃によっててんぷにトルクを付与する、いわゆるクラブトゥース・レバー脱進機であってもよい。この場合であっても、振り座の振り石を上記実施形態と同様に配置することで、上述した作用効果を奏することができる。
また、上記実施形態では、がんぎ車60が単層構造とされていたが、がんぎ車は二層構造とされていてもよい。
また、上記実施形態では、脱進機14は1つのアンクル70を備えているが、脱進機は複数のアンクルで構成されたアンクルユニットを備えていてもよい。そして、脱進機はてんぷの1周期において3回以上の衝撃によっててんぷにトルクを付与するように構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、脱進調速機13が振り座45の第1軸線O1回りの位置を調整する調整手段を複数備えているが、調整手段101,102,103は少なくともいずれか1つ設けられていればよい。また、振り座45の第1軸線O1回りの位置を調整する調整手段は、ひげぜんまい30と、ひげぜんまい30との固定位置を調整可能なひげ持と、を有していてもよい。すなわち、てんぷ受16および地板11に対して固定的に配置されたひげ持と、ひげぜんまい30の外周部と、の固定位置を調整することにより、てんぷ受16に対するひげぜんまい30、てんぷ40および振り座45の位置を調整できる。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
1…時計 10…ムーブメント(時計用ムーブメント) 13…脱進調速機 14…脱進機 16…てんぷ受(支持部材) 16a…外周面(周面) 30…ひげぜんまい 31…ひげ玉 34…ひげ持 35…ひげ持受 40…てんぷ 41…てん真(軸部) 45…振り座(トルク伝達部材) 46…振り座体(装着部) 50…振り石 60…がんぎ車 70…アンクル 101,102,103…調整手段 C…振り石の中心 L…仮想直線 M1…第1回転方向 M2…第2回転方向 O1…第1軸線 O2…第2軸線
本発明の脱進調速機は、ひげぜんまいと、前記ひげぜんまいの伸縮に伴って第1軸線を中心として互いに逆向きの第1回転方向および第2回転方向に往復回転するてんぷと、第2軸線回りに回動するアンクル、および前記アンクルに係脱可能ながんぎ車を有する脱進機と、前記脱進機から前記てんぷにトルクを伝達するトルク伝達部材と、を備え、前記脱進機は、前記てんぷの1周期において少なくとも2回の衝撃によって前記てんぷにトルクを付与し、前記脱進機から前記てんぷに付与されるトルクから前記ひげぜんまいのトルクを引いた差分をてんぷトルク収支と定義した場合、前記トルク伝達部材は、ぜんまいが巻き解けて前記脱進機が停止する状態に至るまでのいずれかの時点で前記脱進機の各衝撃の衝撃終了時におけるてんぷトルク収支が均等になるように形成されている。

Claims (12)

  1. ひげぜんまいと、
    前記ひげぜんまいの伸縮に伴って第1軸線を中心として互いに逆向きの第1回転方向および第2回転方向に往復回転するてんぷと、
    第2軸線回りに回動するアンクル、および前記アンクルに係脱可能ながんぎ車を有する脱進機と、
    前記脱進機から前記てんぷにトルクを伝達するトルク伝達部材と、
    を備え、
    前記脱進機は、前記てんぷの1周期において少なくとも2回の衝撃によって前記てんぷにトルクを付与し、
    前記脱進機から前記てんぷに付与されるトルクから前記ひげぜんまいのトルクを引いた差分をてんぷトルク収支と定義した場合、
    前記トルク伝達部材は、前記脱進機の各衝撃の衝撃終了時におけるてんぷトルク収支が均等になるように形成されている、
    脱進調速機。
  2. 前記トルク伝達部材は、前記てんぷと一体回転する、
    請求項1に記載の脱進調速機。
  3. 前記がんぎ車は、前記てんぷが前記第1回転方向に回転したときに前記トルク伝達部材に接触して前記てんぷにトルクを付与するとともに、前記てんぷが前記第2回転方向に回転したときに前記アンクルに接触して前記てんぷにトルクを付与する、
    請求項1または請求項2に記載の脱進調速機。
  4. 前記がんぎ車は、前記てんぷが前記第1回転方向に回転したとき、および前記第2回転方向に回転したときに前記アンクルに接触して前記てんぷにトルクを付与する、
    請求項1または請求項2に記載の脱進調速機。
  5. 前記トルク伝達部材は、前記アンクルに係脱可能な振り石を備え、
    前記第1軸線の軸方向から見た場合、前記振り石の中心は、前記てんぷに前記ひげぜんまいのトルクが作用していない静止状態で、前記第1軸線および前記第2軸線を通る仮想直線に対して前記第1軸線回りにずれた位置に配置されている、
    請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の脱進調速機。
  6. 前記軸方向から見た場合、前記振り石の前記中心は、前記静止状態で前記仮想直線に対して、前記第1軸線回りに0°より大きく15°以下ずれた位置に配置されている、
    請求項5に記載の脱進調速機。
  7. 前記トルク伝達部材の前記第1軸線回りの位置を調整する調整手段を備える、
    請求項5または請求項6に記載の脱進調速機。
  8. 前記トルク伝達部材は、前記てんぷに対して固定的に配置され、
    前記調整手段は、
    前記てんぷを回転可能に支持する支持部材と、
    前記ひげぜんまいの外周部に固定されたひげ持と、
    前記支持部材のうち前記第1軸線を中心として延びる周面に装着され、前記ひげ持を支持するひげ持受と、
    を有する、
    請求項7に記載の脱進調速機。
  9. 前記トルク伝達部材は、前記てんぷに対して固定的に配置され、
    前記調整手段は、
    前記てんぷの軸部と、
    前記軸部に装着され、前記ひげぜんまいの内端部に固定されたひげ玉と、
    を有する、
    請求項7または請求項8に記載の脱進調速機。
  10. 前記てんぷは、軸部を備え、
    前記トルク伝達部材は、前記てんぷの軸部に装着された装着部を有し、
    前記調整手段は、
    前記てんぷの前記軸部と、
    前記装着部と、
    を有する、
    請求項7から請求項9のいずれか1項に記載の脱進調速機。
  11. 請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の脱進調速機を備えた時計用ムーブメント。
  12. 請求項11に記載の時計用ムーブメントを備えた時計。
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