JP2020122670A - ゼネバ機構、カレンダ機構、時計用ムーブメント及び時計 - Google Patents
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第1駆動手段は、第1ピニオンにおける1つの歯部を回転駆動するフィンガを有している。阻止手段は、フィンガと同軸に固定され、第2ピニオンにおける2つの歯部が摺接する円形フランジを有している。第2駆動手段は、円形フランジの周縁部に形成された縁部を有し、該縁部を利用して第2ピニオンにおける歯部を駆動する。
このように、二重動作によって伝動組立体を回転駆動させることができ、日車を1日分だけ回転させることが可能とされている。
この場合、第2ピニオンに追従して第1ピニオンも回転してしまうため、日車の回転量も同様に増大するおそれがあった。従って、結果的に日車に表示された日文字が文字板に形成された窓孔からずれてしまう可能性があった。
そして回し中間車のさらなる回転が進むと、送り歯に噛合していた歯部が回転軌跡の外側に退避するように移動するので、送り歯と歯部との噛合が解除される。これにより、回し車及び表示車への動力の伝達を遮断することができ、回し車及び表示車の回転を停止させることができる。その後、回し中間車が1周して送り歯が再び歯部に噛合するまで、回し車及び表示車を停止させることができる。その結果、連続回転する回し中間車を利用して、表示車を所定の周期で間欠的に回転させることができる。
従って、例えばジャンパ等の規制部品を用いることなく、表示車の回転位置をより確実に位置決めすることが可能である。さらに、例えば外部からの衝撃等によって表示車が意図せずに僅かに回転し、それによって回し車が僅かに回転したとしても、突起部を利用して回し車を待機位置に復帰するように、より確実に修正を行えるので、表示車の回転ずれを適切に修正することができる。
(7)本発明に係る時計は、上記時計用ムーブメントを備えていることを特徴とする。
以下、本発明に係る第1実施形態について図面を参照して説明する。
なお本実施形態では、時計の一例として機械式の腕時計を例に挙げて説明する。
なお本実施形態では、ケース裏蓋側から文字板に向かう方向を上側、その反対側を下側として説明する。
文字板4には、後述する日車20に表示された日文字21を明示させる日窓(窓孔)9が開口している。これにより、時刻に加え、日付を確認することが可能とされている。
カレンダ機構15は、日車(本発明に係る表示車)20と、日車20を所定の周期で間欠的に回転させるゼネバ機構25と、を備えている。ゼネバ機構25は、第1軸線O1回りに回転可能に配置された日回し車(本発明に係る回し車)30と、第2軸線O2回りに回転可能に配置された日回し中間車(本発明に係る回し中間車)40と、筒車13と日回し中間車40とを連結する日回し輪列60と、を備えている。
ただし、日車20の回転方向は上述した場合に限定されるものではなく、例えば日車20が反時計方向に回転することで、日送りを行うように構成しても構わない。
ただし、内歯22の数は62歯に限定されるものではなく、適宜変更して構わない。さらに、内歯22の数に対応して、日付1日分における日車20の回転量を適宜変更して構わない。
日回し歯車32の外周縁には、日車20の内歯22に対して噛合可能な複数の日回し歯部(本発明に係る歯部)33が全周に亘って形成されている。図示の例では、日回し歯部33の数は6歯とされている。ただし、日回し歯部33の数は6歯に限定されるものではなく、適宜変更して構わない。
なお、第2軸線O2方向から見て、該第2軸線O2に対して交差する方向を径方向といい、第2軸線O2回りを周回する方向を周方向という。
厚肉部45bには、車軸41が固定される軸孔45cが第2軸線O2と同軸に形成されている。
プレート体46は、中間歯車45よりも外形が大きく形成されていると共に、日回し車30と同じ高さ位置となるように配置されている。なお、中間歯車45は、日回し車30における日回し歯部33に対して非接触とされている。
さらにプレート体46には、第1送り歯43よりも時計方向に配置された第2送り歯50と、第1送り歯43よりも反時計方向に配置された第3送り歯51と、が一体に形成されている。これにより、第1送り歯43、第2送り歯50及び第3送り歯51は、第2送り歯50と第3送り歯51との間に第1送り歯43が位置するように、周方向に間隔をあけて並んで配置されている。
突起部44は、プレート体46の外周面のうち第1送り歯43、第2送り歯50及び第3送り歯51を除いた部分から、径方向の外側に向かって突出するように形成されている。本実施形態では、突起部44は周方向に間隔をあけて複数形成されている。具体的には、突起部44は周方向に一定の間隔をあけて5つ形成されている。
ただし、突起部44の数は、この場合に限定されるものではなく、適宜変更して構わない。
突出端面44aは、第2軸線O2を中心として周方向に僅かに延びた湾曲面とされている。なお、日回し中間車40の回転に伴って突出端面44aが第2軸線O2を中心として移動する軌跡を回転軌跡M(図2参照)という。
第2誘導面44cは、突出端面44aよりも時計方向側に配置され、突出端面44aとプレート体46の外周面とを接続している。第2誘導面44cは、突出端面44aから時計方向に向かうにしたがって、プレート体46の外周面に向かって延びるように傾斜した傾斜面とされている。
なお、第1誘導面44bの傾斜角度と第2誘導面44cの傾斜角度とは同等とされている。
また、図2に示すように、日回し歯部33が例えば日車20における内歯22と内歯22との中間位置に位置する等して、内歯22に対する噛み合いが外れている場合には、残りの日回し歯部33は回転軌跡Mの外側に退避した状態となる。このように、日回し歯部33が回転軌跡Mの外側に退避しているときの日回し車30の位置を、待機位置P1という。
第2送り歯50は、図6に示すように、第1送り歯43が日回し歯部33から外れた後、次の日回し歯部33に対して噛合し、日回し車30に対して回転力を伝達することが可能とされている。
なお、第2送り歯50の頂面50aは、第1送り歯43側から時計方向にむけて周方向に沿って延びた後、プレート体46の外周面に向けて延びるように傾斜している。
第3送り歯51の頂面51aは、第1送り歯43側から反時計方向にむけて周方向に沿って延びた後、プレート体46の外周面に向けて延びるように傾斜している。
日回し輪列60は、筒車13の回転に基づいて第3軸線O3回りに回転する第1時中間車61と、第1時中間車61の回転に基づいて第4軸線O4回りに回転する第2時中間車65と、を備えている。これら第1時中間車61及び第2時中間車65は、地板10と裏物押さえとの間に配置されていると共に、地板10及び裏物押さえによって回転可能に軸支されている。
第2時中間車65は、第1時中間かな63に噛合すると共に、日回し中間車40の中間歯車45に噛合する第2時中間歯車66を有している。これにより、第2時中間車65は、第1時中間車61の回転に基づいて時計方向に第4軸線O4回りを回転可能とされていると共に、日回し中間車40を反時計方向に回転させることが可能とされている。
なお、第1時中間車61及び第2時中間車65で日回し輪列60を構成したが、この場合に限定されるものではなく、例えば中間車の数を増減しても構わない。
次に、上述のように構成された時計1の作用について説明する。
本実施形態の時計1によれば、ぜんまいからの動力、及び脱進機、調速機によって表輪列が規則正しく駆動されることで、二番車及び三番車が回転し、四番車が1分間に1回転する。これにより秒針8を1分間に1回転させることができる。同時に分車が1時間に1回転し、筒車13が例えば12時間に1回転するので、これによって分針7を1時間に1回転させ、時針6を12時間に1回転させることができる。
なお、これ以降、日回し歯部33は第2送り歯50における頂面50a上を相対移動するので、第2送り歯50は日回し中間車40の回転に伴って、日回し歯部33に対してすれ違うように反時計方向に移動させることが可能となる。
その結果、連続回転する日回し中間車40を利用して、日車20を所定の周期で間欠的に回転させることができる。具体的には、日車20を内歯22の2歯分だけ時計方向に回転させることができ、1日分の日送りを行うことができる。
このような状態において、日回し中間車40が反時計方向に回転すると、図8に示すように、回転軌跡M内に進入した日回し歯部33に対して突起部44が接触すると共に、日回し中間車40のさらなる回転に伴って、第1誘導面44bから突出端面44a上に突起部44を乗り上げるように誘導することができる。これにより、突起部44を利用して日回し歯部33を進入方向とは逆向きに後退させて、回転軌跡Mの外側に退避するように日回し車30を反時計方向に僅かに回転させることができる。
さらに、日送りを行っていないときに、例えば外部からの衝撃等によって日車20が意図せずに僅かに回転し、それによって日回し車30が僅かに回転したとしても、突起部44を利用して日回し車30を待機位置P1に復帰するように修正を行えるので、日車20の回転ずれについても修正を行うことができる。従って、日車20の回転ずれを抑制しながら間欠的に回転させることができる。
次に、本発明に係る第2実施形態について図面を参照して説明する。なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
図9に示すように、本実施形態の時計1は、径方向に弾性変形可能な突起プレート(本発明に係る突起部)71を有する日回し中間車(本発明に係る回し中間車)70を備えている。なお、図9(図13でも同様)では、図面を見易くするために、後述する押さえプレート100の図示を省略している。
具体的には、突起プレート71は、周方向に沿って延びる帯板状のプレート本体80と、プレート本体80における周方向の中央部から径方向の内側に向かって延びた連結片81と、連結片81から時計方向及び反時計方向に向けてそれぞれ延びた一対の弾性アーム82と、を備えている。
なお、規制壁91のうちの2つは、第2送り歯50及び第3送り歯51にそれぞれ一体に形成されている。
なお、プレート本体80における外周端面(本発明に係る突出端)80aが第2軸線O2を中心として移動する軌跡が、回転軌跡Mとなる。
押さえプレート100は、収容凹部72の形状に対応して平面視円弧状に形成されていると共に、連結ピン90が組み合わされる第1嵌合孔101、及び規制壁91が組み合わされる第2嵌合孔102が形成されている。
押さえプレート100は、第1嵌合孔101内に連結ピン90を嵌合させ、且つ第2嵌合孔102内に規制壁91を嵌合させながら、突起プレート71を上方から覆った状態でプレート本体80に組み合わされている。
上述のように構成された本実施形態の時計1であっても、第1実施形態と同様の作用効果を奏功することができる。
しかも、突起プレート71は、周方向に沿って延びるように形成されているうえ、周方向に間隔をあけて複数配置されているので、日送り時間以外の時間で、日回し車30の位置修正を適宜行って、待機位置P1に位置決めすることが可能である。従って、日車20の回転ずれをより速やかに修正することができる。
O2…第2軸線
M…回転軌跡
1…時計
3…ムーブメント(時計用ムーブメント)
20…日車(表示車)
21…日文字
25…ゼネバ機構
30…日回し車(回し車)
33…日回し歯部(歯部)
40、70…日回し中間車(回し中間車)
42…歯車本体
43…第1送り歯(送り歯)
44…突起部
44a…突出端面(突起部の突出端)
71…突起プレート(突起部)
80a…外周端面(突起部の突出端)
Claims (7)
- 情報を表示する表示車を所定の周期で間欠的に回転させるゼネバ機構であって、
前記表示車に対して噛合可能な複数の歯部を有し、第1軸線回りの回転によって前記表示車を回転させる回し車と、
伝達される動力によって第2軸線回りに連続回転すると共に、前記回し車を間欠的に回転させる回し中間車と、を備え、
前記回し中間車は、
前記第2軸線回りに回転する歯車本体と、
前記歯車本体から、前記第2軸線に対して交差する径方向に突出するように設けられた突起部と、
前記歯車本体から、前記径方向に沿って前記突起部における突出端の回転軌跡よりも外側に突出するように形成され、前記歯車本体の回転に伴って前記歯部の1つに噛合し、該歯部を前記回転軌跡内に進入するように移動させる送り歯と、を備え、
前記突起部は、前記回転軌跡内に前記歯部が進入したときに、該歯部を前記回転軌跡の外側に退避させることを特徴とするゼネバ機構。 - 請求項1に記載のゼネバ機構において、
前記回し車は、前記歯部が前記回転軌跡に対する進入と退避とを繰り返すように、前記第1軸線回りに回転可能とされていると共に、前記歯部の1つが前記回転軌跡内に進入したときに、残りの前記歯部の1つが前記表示車に対して噛合可能とされ、
前記突起部は、前記送り歯と前記歯部との噛合の解除時において前記回転軌跡内に前記歯部が進入したときに、該歯部を進入方向とは逆向きに後退させて前記回転軌跡の外側に退避するように、前記回し車を回転させる、ゼネバ機構。 - 請求項1又は2に記載のゼネバ機構において、
前記突起部は、前記第2軸線回りを周回する周方向に、2箇所以上形成されている、ゼネバ機構。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載のゼネバ機構において、
前記突起部は、前記第2軸線回りを周回する周方向に沿って延びるように形成されると共に前記径方向に弾性変形可能とされ、弾性復元力により前記歯部を前記回転軌跡の外側に向けて押し出す、ゼネバ機構。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載のゼネバ機構と、
前記表示車と、を備え、
前記表示車は、前記情報として日文字を表示する日車とされていることを特徴とするカレンダ機構。 - 請求項5に記載のカレンダ機構を備えていることを特徴する時計用ムーブメント。
- 請求項6に記載の時計用ムーブメントを備えていることを特徴する時計。
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