JP2021110905A - 露光装置、および物品の製造方法 - Google Patents

露光装置、および物品の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2021110905A
JP2021110905A JP2020004671A JP2020004671A JP2021110905A JP 2021110905 A JP2021110905 A JP 2021110905A JP 2020004671 A JP2020004671 A JP 2020004671A JP 2020004671 A JP2020004671 A JP 2020004671A JP 2021110905 A JP2021110905 A JP 2021110905A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
optical system
projection optical
light receiving
exposure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2020004671A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021110905A5 (ja
JP7453790B2 (ja
Inventor
充 井上
Mitsuru Inoue
充 井上
敦史 伊藤
Atsushi Ito
敦史 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2020004671A priority Critical patent/JP7453790B2/ja
Priority to TW109141705A priority patent/TWI836164B/zh
Priority to KR1020200181556A priority patent/KR20210092130A/ko
Priority to CN202110037169.4A priority patent/CN113126448A/zh
Publication of JP2021110905A publication Critical patent/JP2021110905A/ja
Publication of JP2021110905A5 publication Critical patent/JP2021110905A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7453790B2 publication Critical patent/JP7453790B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/20Exposure; Apparatus therefor
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/708Construction of apparatus, e.g. environment aspects, hygiene aspects or materials
    • G03F7/7085Detection arrangement, e.g. detectors of apparatus alignment possibly mounted on wafers, exposure dose, photo-cleaning flux, stray light, thermal load
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70483Information management; Active and passive control; Testing; Wafer monitoring, e.g. pattern monitoring
    • G03F7/7055Exposure light control in all parts of the microlithographic apparatus, e.g. pulse length control or light interruption

Abstract

【課題】投影光学系の光学特性を精度よく計測するために有利な技術を提供する。【解決手段】基板Wを露光する露光装置100は、露光光ELにより原版Mのパターン像を前記基板に投影する投影光学系と、前記露光光が経由する前記投影光学系の光学素子を経由して前記投影光学系から射出された計測光MLを用いて、前記投影光学系の光学特性を計測する計測部50と、前記計測部での計測結果に基づいて、前記基板上での前記露光光の照射位置を補正する制御部60と、を含み、前記計測部は、前記計測光を受光する受光素子52aを含み、前記受光素子は、前記投影光学系に取り付けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、露光装置、および物品の製造方法に関する。
半導体デバイスや液晶ディスプレイなどの製造工程の1つであるリソグラフィ工程では、投影光学系を介して原版のパターン像を基板上に投影することで基板を露光する露光装置が使用される。露光装置では、例えば半導体デバイス等の微細化に伴い、原版のパターンを基板上に精度よく転写することが求められているが、基板の露光中における投影光学系の光学特性の変化が転写精度を低下させる1つの要因となりうる。投影光学系の光学特性の変化は、例えば、投影光学系に含まれる光学素子の振動、投影光学系内の温度変化や圧力変化などによって引き起こされうる。特許文献1には、原版の近傍に計測マークを配置し、投影光学系による計測マークの投影像を受光部で受光することで得られる当該投影像の位置に基づいて、投影光学系の光学特性(結像性能)を補正する構成が開示されている。
特開2017−72678号公報
特許文献1に記載された構成では、計測マークは、露光装置の本体に固定された部材に設けられており、計測マークの投影像を受光する受光部は、計測マークと同一の構造体(露光装置の本体)に固定されている。つまり、投影光学系と受光部とが離間して設けられている。しかしながら、このような構成では、投影光学系と受光部との相対位置が変動することがあるため、受光部による計測マークの投影像の受光結果に基づいて、投影光学系の光学特性を精度よく計測することが困難になりうる。
そこで、本発明は、投影光学系の光学特性を精度よく計測するために有利な技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一側面としての露光装置は、基板を露光する露光装置であって、露光光により原版のパターン像を前記基板に投影する投影光学系と、前記露光光が経由する前記投影光学系の光学素子を経由して前記投影光学系から射出された計測光を用いて、前記投影光学系の光学特性を計測する計測部と、前記計測部での計測結果に基づいて、前記基板上での前記露光光の照射位置を補正する制御部と、を含み、前記計測部は、前記計測光を受光する受光素子を含み、前記受光素子は、前記投影光学系に取り付けられている、ことを特徴とする。
本発明の更なる目的又はその他の側面は、以下、添付図面を参照して説明される好ましい実施形態によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、例えば、投影光学系の光学特性を精度よく計測するために有利な技術を提供することができる。
第1実施形態の露光装置の構成を示す概略図 投影光学系を上方(原版ステージ側)から見た図 受光素子の受光面を示す図 第3実施形態の露光装置の構成を示す概略図 第4実施形態の露光装置の構成を示す概略図 露光処理を示すフローチャート
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
<第1実施形態>
本発明に係る第1実施形態の露光装置100について説明する。露光装置100は、半導体デバイスや液晶ディスプレイなどの製造に用いられるリソグラフィ装置である。本実施形態の露光装置100は、ステッパ方式またはスキャン方式により原版(マスク、レチクル)のパターン像を基板上に投影することで基板を露光し、原版のパターンを基板に転写する投影露光装置である。以下では、露光装置100として、スリット光により基板を走査露光するスキャン方式の露光装置を例示して説明する。
[露光装置の構成]
図1は、第1実施形態の露光装置100の構成を示す概略図である。本実施形態の露光装置100は、照明光学系10と、原版Mを保持して移動可能な原版ステージ20と、投影光学系30と、基板Wを保持して移動可能な基板ステージ40と、計測部50と、制御部60とを含みうる。制御部60は、例えばCPUやメモリなどを有するコンピュータによって構成され、基板Wの露光処理(露光装置100の各部)を制御する。原版Mは、基板W上に転写すべき微細なパターン(例えば回路パターン)がクロムなどの遮光材料で形成されたガラス製の原版である。また、基板Wとしては、半導体ウェハやガラスプレートなどが用いられうる。
照明光学系10は、原版上で所望の照度分布が得られるように、光源(不図示)からの光を例えばY軸方向に長い円弧状の光に整形し、整形した光(スリット光)で原版Mをほぼ均一な照度で照明する。光源としては水銀ランプ等が用いられうる。原版Mおよび基板Wは、原版ステージ20および基板ステージ40によってそれぞれ保持されており、投影光学系30を介して光学的にほぼ共役な位置(投影光学系30の物体面および像面の位置)に配置される。投影光学系30は、所定の投影倍率を有し、マスク1のパターン像を複数のミラーで反射させて基板2に投影する。そして、マスクステージ20および基板ステージ40を、投影光学系30の物体面と平行な方向(例えばX軸方向)に、投影光学系30の投影倍率に応じた速度比で相対的に同期走査する。これにより、基板Wの走査露光を行い、原版Mに形成されたパターンを基板W(具体的には、基板上のレジスト(感光剤))に転写することができる。
投影光学系30は、例えば、図1に示すように、台形ミラー31と、凹面ミラー32と、凸面ミラー33とを含むように構成されうる。照明光学系10から射出されて原版Mを通過したパターン光EL(以下では「露光光EL」と呼ぶことがある)は、台形ミラー31の上面により光路を折り曲げられ、凹面ミラー32の反射面の上部に入射する。凹面ミラー32の反射面の上部で反射した露光光ELは、凸面ミラー33の反射面で反射し、凹面ミラー32の反射面の下部に入射する。凹面ミラー32の反射面の下部で反射した露光光ELは、台形ミラー31の下面により光路を折り曲げられ、基板Wに入射する。このように構成された投影光学系30では、凸面ミラー33の反射面が光学的な瞳となる。また、投影光学系30は、原版Mと基板Wの光軸方向(Z方向)の位置変動による倍率誤差を生じないように、原版M側と基板W側、つまり物体面側、像面側共にテレセントリック光学系となっている。
また、投影光学系30には、各光学素子を駆動するためのアクチュエータが設けられうる。具体的には、台形ミラー31を駆動するためのアクチュエータ34と、凹面ミラー32を駆動するためのアクチュエータ35と、凸面ミラー33を駆動するためのアクチュエータ36とが設けられうる。各アクチュエータ34〜36は、各光学素子の変動(振動)を低減するために用いられうる。
ここで、アクチュエータ35は、凹面ミラー32に対して少なくとも3箇所に配置されることが好ましい。アクチュエータ35としては、例えば電磁アクチュエータなど、固定部と可動部とが非接触で構成されたアクチュエータを用いることができ、この場合、凹面ミラー32の支持部の干渉による凹面ミラー32への変形を回避することができる。また、この場合、熱源であるコイルを凹面ミラー32の支持部側に、非熱源である磁石を凹面ミラー32に取り付けることが望ましい。電磁アクチュエータとしては、電磁石の吸引力を用いたものを適用してもよいし、ボイスコイル型のリニアモータを適用してもよい。ボイスコイル型のリニアモータを用いる場合、駆動方向以外の他成分の力が小さくなるため、より適している。台形ミラー31に設けられるアクチュエータ34、および凸面ミラー33に設けられるアクチュエータ35についても同様であり、電磁アクチュエータを用いたり光学素子から熱源を離して配置したりすることが好ましい。また、アクチュエータ34〜36としては、駆動方向以外をかわし機構で支持する手段を用いれば、圧電型やねじ送り機構を用いることも可能である。
このような露光装置100では、一般に、設置床からの外乱振動を減衰させる除振装置(不図示)が設けられうるが、当該除振装置で外乱振動を消失させることは困難である。そのため、基板Wの走査露光中において、露光装置100の各部(特に投影光学系30)に外乱振動が伝達することがある。また、基板Wの走査露光中では、原版ステージ20および基板ステージ40が移動するため、その移動により生じた振動が投影光学系30に伝達することもある。これらの場合、投影光学系30に含まれる各光学素子(例えば台形ミラー31、凹面ミラー32、凸面ミラー33)が振動し、露光光ELの位置変動(振動、像ずれ)が生じうる。その結果、原版Mのパターン像を基板上に精度よく投影すること、即ち、原版Mのパターンを基板上に精度よく転写することが困難になりうる。そこで、本実施形態の露光装置100は、投影光学系30の光学特性を計測する計測部50を有し、計測部50での計測結果に基づいて基板上での露光光ELの照射位置を補正する。
計測部50は、平行光(コリメート光)としての計測光MLを投影光学系内に投光し、露光光ELが経由する投影光学系内の光学素子を経由した計測光MLに基づいて、投影光学系30の光学特性、即ち、投影光学系30の内部状態を計測する。具体的には、計測部50は、計測光ML(光ビーム)を投影光学系30内に投光する投光部51と、投影光学系30を通過して射出された計測光MLを受光する受光部52とを有する。投影光学系30内において、計測光MLは、露光光ELと同様に、台形ミラー31の上面、凹面ミラー32の反射面の上部、凸面ミラー33、凹面ミラー32の反射面の下部、台形ミラー31の下面の順番で反射されて、投影光学系30から射出される。
投光部51は、例えば、光源51aとミラー51bとを含みうる。光源51aは、気体レーザや半導体レーザ、LED等の発光素子とコリメータレンズとを有し、計測光MLを平行光(コリメート光)として射出する。ミラー51bは、光源51aから射出された計測光MLの光路を折り曲げて、計測光MLを投影光学系30内に導く。投光部51(光源51a、ミラー51b)は、原版ステージ20(原版M)と投影光学系30との間において投影光学系30に取り付けられている。また、投光部51は、原版Mと投影光学系30との間に配置されたミラー51bにより、計測光MLが投影光学系30の光軸に平行となるように構成されている。このようにミラー51bを原版Mの下方側に配置することにより、計測光MLを常に投影光学系30内に入射させることが可能となる。
受光部52は、例えば、受光素子52aとミラー52bとを含みうる。ミラー52bは、投影光学系30内を通過して投影光学系30から射出された計測光MLの光路を基板Wの前で折り曲げて、計測光MLを受光素子52aに導く。受光素子52aは、計測光MLを受光し、計測光MLの受光位置に応じた信号値を出力する。本実施形態の場合、受光素子52aは、計測光MLを受光する受光面53を有し、当該受光面53における計測光MLの受光位置に応じた信号値を出力する。受光素子52aの具体的な構成については後述する。受光部52(受光素子52a、ミラー52b)は、基板ステージ40(基板W)と投影光学系30との間において投影光学系30に取り付けられている。本実施形態の場合、投影光学系30は両側テレセントリック光学系であり、計測光MLは投影光学系30の光軸に平行に入射されるため、投影光学系30の基板W側においても計測光MLが光軸に平行に射出される。また、計測光MLとして平行光が用いられるため、受光素子52a(受光面53)を配置する位置に関して、投影光学系30の結像位置を考慮する必要がない。したがって、本実施形態の受光素子52a(受光面53)は、投影光学系30の結像位置とは異なる位置に配置されてもよい。
ここで、投光部51の光源51aとして半導体レーザまたはLEDを用いる場合には、計測光MLを高速に点滅させることが可能となるため、特定の周波数を有する計測光MLを射出することができる。この場合、受光部52の受光素子52aからの信号の出力周波数を、光源51aから射出される計測光MLの周波数と同期させることで、ノイズ成分を低減することができる。即ち、特定の周波数成分に着目した受光素子52aの信号値を得ることができる。
上記のように構成された計測部50は、露光光ELに対して複数設けられうる。図2は、投影光学系30を上方(原版ステージ20側)から見た図であり、露光光ELの断面(照明領域11)と計測部50の投光部51(光源51a、ミラー51b)とが図示されている。複数の計測部50は、露光光ELの周囲における複数個所において、複数の計測光MLがそれぞれ投影光学系30内に投光されるように配置されうる。図2に示す例では、4つの計測部50が設けられており、当該4つの計測部50は、露光光EL(照明領域11)の周囲において、露光光ELの光軸(Z軸方向)を横切り且つ走査方向(X方向)に平行な直線を軸とした線対称に配置されている。このように複数の計測部50を設けることで、投影光学系30内における計測光MLの位置変動(光軸ずれ)だけでなく、投影光学系30の倍率成分も計測することができる。
なお、計測光MLの位置変動とは、投影光学系30を通過することにより、計測光MLの光軸が、基準位置から並進方向(XY方向)および回転方向(Z軸周りの回転方向)へ変動する(ずれる)ことをいう。また、基準位置とは、投影光学系30への入射位置に応じて投影光学系30から射出されるべき計測光MLの光軸位置のことでありうる。
次に、受光部52の受光素子52aを用いた投影光学系30の光学特性の計測方法について説明する。受光素子52aとしては、例えばフォトダイオードなどの光強度センサ(光電変換センサ)が用いられうる。本実施形態の場合、受光素子52aは、受光面53における複数の部分領域の各々において光強度を検出することができるように構成された複数のフォトダイオードを含みうる。以下では、受光素子52aに4個のフォトダイオード(4分割フォトダイオードとも呼ばれる)を用いた例を説明する。
図3は、本実施形態の受光素子52aの受光面53を示す図である。本実施形態の場合、受光面53は、図1に示すようにYZ面であるが、図3では、説明を分かり易くするため、受光部52のミラー52bを用いずに受光面53をXY面とした場合について説明する。また、図3に示す例では、受光素子52aは4分割フォトダイオードによって構成され、受光面53は、光強度を個別に検出可能な4つの部分領域53a〜53dを有する。即ち、受光素子52aとしての4分割フォトダイオードは、部分領域53a〜53dの各々に入射した光の光量に応じた信号値(例えば電流値)を個別に出力するように構成されている。また、4分割フォトダイオードから個別に出力された信号値(電流値)は電流電圧変換器に接続されて電圧値に変換されうる。
例えば、図3のように、計測光MLが受光面53の中央位置(4分割フォトダイオードの中央位置)に入射した場合を考える。この場合、4分割フォトダイオード部からそれぞれ4つの電圧値A、B、C、Dが得られる。この電圧値A、B、C、Dは、計測光ELの光量、フォトダイオード感度、電流電圧変換器ゲインなどに依存する。さらに、これらの電圧値は、計測光ELの位置変動によって変化し、その変化量は、計測光ELの径、形状(光量分布)に依存する。例えば、計測光ELの入射位置(受光位置)が、図3の状態から右方向(+X方向)に変動すると、受光面53の部分領域53b〜53cでは受光量が増加し、受光面53の部分領域53a、53dでは受光量が減少する。つまり、電圧値B、Cは増加し、電圧値A、Dは減少することとなる。一方、計測光ELの入射位置(受光位置)が、図3の状態から上方向(+Y方向)に移動すると、受光面53の部分領域53c〜53dでは受光量が増加し、受光面53の部分領域53a〜53bでは受光量が減少する。つまり、電圧値C、Dは増加し、電圧値A、Bは減少することとなる。
したがって、制御部60は、4分割フォトダイオードから得られた電圧値A〜Dに基づいて、受光面53の中央位置を基準としたときの計測光MLの受光位置ずれを求めることができる。受光面53における計測光MLの受光位置ずれは、投影光学系30での計測光MLの光軸ずれ(X,Y)に比例しており、以下の式(1)〜(2)によって演算されうる。なお、上記の演算は、本実施形態では制御部60によって行われうるが、計測部50にCPUなどの処理部が設けられている場合には当該処理部で行われてもよい。
X=kx{−(A−C)+(B−D)} ・・・(1)
Y=ky{−(A−C)−(B−D)} ・・・(2)
式(1)の係数kxは、受光面53における計測光MLの受光位置ずれ(X方向)を投影光学系30での計測光MLの光軸ずれ(X方向)に変換するための変換係数(比例係数)である。同様に、式(2)の係数kyは、受光面53における計測光MLの受光位置ずれ(Y方向)を投影光学系30での計測光MLの光軸ずれ(Y方向)に変換するための変換係数(比例係数)である。係数kxおよび係数kyは、例えば事前の実験やシミュレーションなどによって求められうる。一例として、投影光学系30への計測光MLの入射位置を変更して、投影光学系30での計測光MLの光軸をずらしながら、受光面53での計測光MLの受光位置ずれの変化を逐次計測することにより、係数kxおよび係数kyを得ることができる。
また、計測光MLの径が、4分割フォトダイオードの受光面53より大きい場合や、4分割フォトダイオードの継ぎ目領域(光強度を検出できない領域)の幅を無視できない程度に小さい場合などでは、電圧値A〜Dの正規化を行ってもよい。具体的には、受光面53における計測光MLの受光位置ずれによって複数の部分領域53a〜53dでの受光量の総和が変動する場合には、以下の式(3)〜(4)に示すように、当該受光量の総和で正規化することで、主に直線性の改善を図ることができる。なお、式(3)〜(4)の係数kx’および係数ky’は、受光面53における計測光MLの受光位置ずれを投影光学系30での計測光MLの光軸ずれに変換するための変換係数(比例係数)である。
X=kx’{−(A−C)+(B−D)}/(A+B+C+D) ・・・(3)
Y=ky’{−(A−C)−(B−D)}/(A+B+C+D) ・・・(4)
ここで、計測光MLは、投影光学系30内において露光光ELが経由した複数の光学素子を経由している。そのため、受光面53における計測光MLの受光位置ずれから演算される投影光学系30での計測光MLの光軸ずれを、基板上での露光光ELの位置変動(像ずれ)に対応させることができる。つまり、制御部60は、上記の演算を行うことにより、受光素子52a(受光面53)における計測光MLの受光位置に基づいて、投影光学系30での露光光ELの位置変動を推定することができる。そして、推定された露光光ELの位置変動に応じて、基板上での露光光ELの照射位置を補正することができる。本実施形態の場合、基板上での露光光ELの照射位置の補正を、基板Wの走査露光と並行して行うことができる。
このように、本実施形態の露光装置100では、平行光である計測光MLを用いることにより、受光素子52aとして複数のフォトダイオード(例えば4分割フォトダイオード)を適用することができる。つまり、本実施形態の構成では、特許文献1に記載されたようにCMOSセンサ等の光検出素子および受光光学系から構成された画像センサを用いてマークの投影像を検出する従来の構成に比べ、簡素な構成で投影光学系30の光学特性を計測することができる。また、本実施形態の構成では、投影光学系30の光学特性の計測にマークの投影像を用いないため、投影光学系30の結像位置を考慮せずに、受光素子52aの受光面53を任意に配置することができる。即ち、投影光学系30の結像位置とは異なる位置に受光面53を配置することができる。そのため、装置コストや装置の設計自由度の点で有利になる。また、本実施形態の構成では、フォトダイオードを用いており、マークの投影像の位置を演算する従来の構成と比べて演算規模が小さいため、投影光学系30の光学特性の計測周期を短くすることができる。つまり、従来の構成では、投影光学系30の光学特性を離散的に計測しているのに対し、本実施形態の構成では、投影光学系30の光学特性を連続的に計測することができる。
[露光光の照射位置の補正]
投影光学系30の光学特性の変化、即ち、投影光学系30での露光光ELの位置変動は、例えば、投影光学系30の光学素子の振動、投影光学系30内の雰囲気ゆらぎ(空気ゆらぎ)によって引き起こされうる。露光光ELの位置変動が投影光学系30の光学素子(台形ミラー31、凹面ミラー32、凸面ミラー33)に起因する場合、制御部60は、アクチュエータ34〜36で光学素子を駆動することにより、基板上での露光光ELの照射位置の補正を行う。一方、露光光ELの位置変動が投影光学系30内の雰囲気ゆらぎに起因する場合、制御部60は、投影光学系30内の温度および/または圧力を調整することにより、基板上での露光光ELの照射位置の補正を行う。本実施形態の場合、図1に示すように、投影光学系30内の温度および/または圧力を調整するための調整部71が設けられうる。
計測部50での計測結果に基づいて、基板上での露光光ELの照射位置の補正を行う方法の一例について説明する。上述したように、投影光学系30での露光光ELの位置変動は、投影光学系30の光学素子の振動、および/または投影光学系30内の雰囲気ゆらぎによって引き起こされうる。例えば、投影光学系30を構成する複数の光学素子(例えば台形ミラー31、凹面ミラー32、凸面ミラー33)では重さが互いに異なるため、固有振動数(振動周波数)も互いに異なる。したがって、受光素子52aにおける計測光MLの受光位置の変動(振動)の周波数成分を調べれば、計測光MLの受光位置の変動、即ち、露光光ELの位置変動に影響を与えている光学素子を特定することができる。
本実施形態の場合、制御部60は、高速フーリエ変換などを用いて、受光素子52aにおける計測光MLの受光位置の変動(振動)の周波数分析を行う(即ち、複数の周波数成分に分解する)。そして、周波数分析の結果、例えば凹面ミラー32の固有振動数に対応する周波数成分が得られた場合には、制御部60は、アクチュエータ35に指令を与え、凹面ミラー32の振動を減衰(ダンピング)させる。一例として、制御部60は、受光素子52a(受光面53)の中心位置を基準としたときの計測光MLの受光位置ずれの方向および大きさに対し、座標変換、ゲイン調整およびフィルタリングなどを行うことでアクチュエータ35の指令値を求める。このように求めた指令値をアクチュエータ35に与えることで、凹面ミラー32の振動を低減することができる。同様に、台形ミラー31および/または凸面ミラー33の固有振動数に対応する周波数成分が得られた場合には、制御部60は、アクチュエータ34、36に指令値を与え、台形ミラー31および/または凸面ミラー33の振動を減衰させる。
また、周波数分析の結果、投影光学系30の各光学素子の固有振動数より低い周波数成分が得られた場合、投影光学系30内の雰囲気ゆらぎ(温度、圧力)に起因する屈折率変動の影響が考えられる。この場合、制御部60は、調整部71により投影光学系30内の温度および/または圧力を調整することにより、計測光MLの受光位置の変動、即ち、露光光ELの位置変動を低減することができる。例えば、制御部60は、投影光学系30内の雰囲気の制御パラメータを変更する指令値を調整部71に与えることで、露光光ELの位置変動を低減し、基板上での露光光ELの照射位置の補正を行うことができる。
図2に示すように複数の計測部50を設ける構成では、露光光ELの位置変動を部分的に検出することができる。この場合は、露光光ELの位置変動を起こしている部分において、選択的に露光光ELの照射位置の補正を行うことができる。また、図2に示す構成では、並進方向、回転方向だけでなく、投影光学系の倍率成分も計測することができるため、各アクチュエータ34〜36および調整部71を制御して、投影光学系30の倍率成分を補正することもできる。
ここで、上記のように受光素子52aでの検出結果に基づいて投影光学系30の各光学素子の振動を低減する制御ループは位置フィードバックである。そのため、各光学素子の振動の制御性および安定性を更に向上させるために、加速度フィードバックを更に加えてもよい。例えば、投影光学系30の各光学素子に加速度センサを設け、加速度センサで検出された光学素子の加速度に基づいて当該光学素子の振動を低減する加速度フィードバックを更に加えてもよい。図1に示す例では、投影光学系30における複数の光学素子(台形ミラー31、凹面ミラー32、凸面ミラー33)に対して加速度センサ37a〜37cがそれぞれ設けられている。
[露光光の変動の推定]
次に、計測部50における受光素子52aの設置位置について説明する。投影光学系30から基板Wまでの露光光ELの光路長と、投影光学系30から受光素子52a(受光面53)までの計測光MLの光路長とが略同一である場合は、計測光MLの変動(振動)と露光光ELの変動(振動)とを略同一と考えてもよい。この場合には、制御部60は、受光素子52aで得られた計測光MLの変動(振動)と略同一の露光光ELの変動(振動)が発生しているとみなして、アクチュエータ34−36を制御することができる。しかしながら、投影光学系30と基板W(基板ステージ40)との間の領域には露光のためのさまざまな構成物が配置されており、受光素子52aを所望の場所に配置することが困難である場合がある。
このように投影光学系30からの光路長を露光光ELと計測光MLとで略同一に配置できない場合には、受光素子52aで得られる計測光MLの変動量(受光位置ずれ量)から、露光光ELの変動量(基板上での照射位置のずれ量)を推定することが好ましい。例えば、投影光学系30の各光学素子が振動することによって露光光ELと計測光MLとが同じ角度だけ曲げられた場合を想定する。この場合、曲げられた計測光MLが受光素子52aに到達するまでの光路長と、曲げられた露光光が基板Wに到達するまでの光路長との差に起因して、受光素子52a上(受光面53上)での計測光MLの変動量と基板上での露光光ELの変動量とが異なりうる。しかし、これらの光路長は既知とすることができるので、それらの光路長比を換算係数として用いて、受光素子52a上での計測光MLの変動量を、基板上での露光光ELの変動量に換算することができる。
ここで、投影光学系30における複数の光学素子(台形ミラー31、凹面ミラー32、凸面ミラー33)は、一般に、露光光ELの光路長における互いに異なる箇所に配置されている。つまり、基板Wまでの露光光ELの光路長が、複数の光学素子で互いに異なりうる。そのため、複数の光学素子で共通に設定された換算係数を用いて、受光素子52a上での計測光MLの変動量を基板上での露光光ELの変動量に単純に換算してしまうと、実際の基板上での露光光ELの変動量に誤差が生じることがある。したがって、光学素子ごとに換算係数を設定することが好ましい。
本実施形態の場合、各光学素子について受光素子52aまでの光路量および基板Wまでの光路長は既知であるため、それらの光路長比に基づいて、換算係数が光学素子ごと(固有周波数ごと)に設定されている。制御部60は、高速フーリエ変換などを用いて、受光素子52aで得られた計測光MLの変動量の時間軸データを周波数軸データに変換して周波数分析を行い、その分析結果から得られる周波数成分に基づいて、計測光MLの振動に起因する光学素子を特定する。上述したように、投影光学系30における複数の光学素子は、互いに異なる固有振動数(振動周波数)を有するため、周波数分析の結果で得られる周波数成分から、どの光学素子の振動に起因して計測光MLが振動しているかを特定することができる。したがって、制御部60は、特定した光学素子に紐づけられて設定された換算係数を選択して、受光素子52a上での計測光MLの変動量を基板上での露光光ELの変動量に換算することができる。これにより、実際の基板上での露光光ELの変動量に生じる誤差を低減することができる。
また、投影光学系30の各光学素子において、露光光ELと計測光MLとで反射または透過する場所が異なる場合、または、基板上のレジストを感光させないために露光光ELと計測光MLとで波長が異なる場合がある。この場合、各光学素子の振動による影響度が露光光ELと計測光MLとで異なりうるため、受光素子52a上での計測光MLの変動量を基板上での露光光ELの変動量に換算する際に誤差が生じることがある。したがって、露光光ELと計測光MLとにおける各光学素子の振動の影響度の差(以下では「影響差」と呼ぶことがある)を、実験やシミュレーションなどにより求め、当該差が低減されるように換算係数を補正するとよい。例えば、事前に設定された換算係数を用いて、受光素子52a上での計測光MLの変動量を基板上での露光光ELの変動量に換算し、得られた露光光ELの変動量に基づいて、基板上での露光光ELの照射位置を補正しながら基板Wの走査露光を行う。その走査露光で基板上に実際に形成されたパターンに像ずれや露光むら等の誤差(例えば下地パターンとの重ね合わせ誤差)が生じている場合、当該誤差が、露光光ELと計測光MLとの影響度差に相当しうる。したがって、当該誤差が低減されるように換算係数を補正することができる。
受光素子52a上での計測光MLの変動量は、上述したように、投影光学系30内の雰囲気ゆらぎ(空気ゆらぎ)によって生じることがある。計測光MLと露光光ELとは同じ投影光学系30内の空間を経由するため、計測光MLは、露光光ELと略同一の雰囲気ゆらぎにより影響を受けることとなる。したがって、受光素子52a上での計測光MLの変動量に基づいて、投影光学系30内の雰囲気ゆらぎに起因する基板上での露光光ELの変動量を推定することができる。
例えば、受光素子52a上での計測光MLの変動量の周波数分析の結果において、上述した投影光学系30の光学素子の固有振動数以外の周波数の少なくとも一部は、投影光学系30内の雰囲気ゆらぎによる影響分と見なすことができる。制御部60は、この雰囲気ゆらぎによる露光光ELの変動量を、調整部71で投影光学系30内の温度および/または圧力を調整することで補正してもよいし、アクチュエータ34〜36により投影光学系30の各光学素子を駆動することで補正してもよい。なお、本実施形態の計測部50は、走査露光中における投影光学系30内の雰囲気ゆらぎによる露光光ELへの影響度をモニタリングするセンサとしても利用できる。そのため、当該雰囲気ゆらぎを低減するためのハードウエアおよび装置駆動ソフトウエアの開発に活用してもよい。
[計測精度の向上手法]
計測部50において計測光MLの変動量の計測精度を向上させて、基板上における露光光ELの照射位置の補正をより高精度に行うためには、受光素子52aにおける計測光MLの検出分解能を高めるとよい。以下に、当該検出分解能を高めるための幾つかの方法について説明する。
第1の方法としては、ノイズをできるだけ低減することがある。受光素子52aから出力される信号値には、計測光MLによる本来の信号値に加えて、計測光ML以外の外乱光によるノイズ成分、電流電圧変換器などで発生する電気的ノイズ成分などが含まれる。そのため、これらのノイズ成分をできるだけ低減すれば、S/N比を向上させて検出分解能を向上させることができる。外乱光を低減する方法としては、受光素子52aの周辺を遮光したり、波長フィルタを用いて計測光ML以外の外乱光を遮断したりする方法がある。また、電気的ノイズ成分を低減する方法としては、使用する電流電圧変換器をできるだけ低雑音にしたり、受光素子52aの周辺を周辺電磁場からシールドしたりする方法がある。また、電流電圧変換器の雑音とゲインとは、互いに相関し合うため、両者の兼ね合いをみて設定するとよい。
第2の方法としては、受光素子52aに入射する計測光MLの径をできるだけ小さくすることがある。計測光MLの径が小さいほど、光量分布がシャープな形状となるため、同じ計測光MLの変動量でも、4分割フォトダイオード(各部分領域53a〜53d)から得られる信号値を大きく変化させることができる。これは感度が高まることを意味し、S/N比のシグナル側が高まるため、より小さな位置変動を検出することができるようになる。
第3の方法としては、受光素子52a(4分割フォトダイオード)から出力される電圧値A〜Dが電流電圧変換器の最大出力に近くなるように、計測光MLの光強度(光量)を調整する方法がある。これも、計測光MLの位置変動による受光素子52aの電圧変動(シグナル)を大きくする効果があるため、受光素子52aの感度を高めることができる。例えば、光源51aから出力される計測光MLの光強度(光量)を必要光強度よりも大きめに設定し、光源51aと受光素子52aとの間に配置されたNDフィルタの透光率を変更することで、計測光MLの光強度を調整することができる。
第4の方法としては、高分解能の計測系を用いて計測することで、微小電圧を計測可能にする方法がある。もしくは、作動増幅器を用いて、上記式(1)〜(4)における(A−C)および(B−D)の信号を増幅することで、受光素子52aから出力される電圧値A、B、C、Dに含まれる微小電圧成分を計測可能にして、分解能向上を図ることもできる。
ただし、一般的に作動増幅器の出力は限られるので、差動成分(A−C)、(B−D)の絶対値ができるだけ小さくなるように、且つ、各電圧値A、B、C、Dのそれぞれの平均電圧が同様になるように設定するとよい。例えば、最大出力が10[V]の差動増幅器を用いた場合、電圧値Aの平均値が8[V]、電圧値Cの平均値が7[V]の場合では、差動増幅器の増幅倍率は最大10倍しか得られない。一方、電圧値Aの平均値が8.0[V]、電圧値Cの平均値が7.9[V]の場合では、作動増幅器の増幅倍率を最大100倍にすることができるため、より微小な電圧成分をも増幅して検出することが可能となる。
上述の各電圧値A、B、C、Dのそれぞれの平均電圧レベルを同様に調整可能とするために、計測光MLの光強度分布を光軸に対して対称にすることが好ましい。また、計測光MLと受光素子52aとの相対位置を調整する機構を備えた方が好ましい。受光素子52aにおいては、その固定部の熱変形などにより、投影光学系30に対する位置が変動することがありうる。よって、受光する計測光MLの光軸に直交する面方向(直交2方向)において、投影光学系30に対する受光素子52aの位置および/または姿勢を調整するための調整機構を露光装置100に設けるとよい。
また、計測部50では、投光部51の光源51aにおいて、計測光MLの出射方向や出射位置に変動が生じることがある。また、受光素子52aと同様に、光源51aにおいても、その固定部の熱変形などにより計測光MLの出射方向や出射位置に変動が生じることがある。このように、光源51aにおいて計測光MLの出射方向や出射位置に変動が生じると、投影光学系30に所望の入射角度および入射位置で計測光MLを入射させることが困難になりうる。その結果、受光素子52a上での計測光MLの変動量から換算される基板上での露光光ELの変動量に、計測部50自体に起因する誤差が生じうる。よって、光源51aから出射される計測光MLの位置および/または傾きを変更するように、投影光学系30に対する光源51aの位置および/または姿勢を調整するための調整機構を露光装置100に設けるとよい。
なお、光源51aおよび/または受光素子52aの位置・姿勢の調整中は、計測光MLの変動量を計測することができない状態である。そのため、基板Wの走査露光中では、光源51aおよび/または受光素子52aの位置・姿勢の調整を行わず、例えば、原版Mや基板Wの交換処理中や、原版Mと基板Wとのアライメント処理中など、走査露光以外の処理中に行うことが好ましい。
ここで、本実施形態では、投影光学系30を反射光学系として説明したが、屈折光学系、反射屈折光学系としてもよい。また、図2に示す照明領域11(露光光ELの断面)の形状は、適用する光学系により異なりうるが、照明領域11の周辺(外周)にミラー51bを配置することで、照明領域11の近傍に光源51aを配置するのと同様の効果が得られる。また、本実施形態では、受光素子52aとして4分割フォトダイオードを用いたが、分割タイプでないフォトダイオードを複数用いて、プリズムやビームスプリッタで光学的に分割してもよい。さらに、本実施形態では、複数の計測部50(受光素子52a)を配置する例を説明したが、1つの計測部50(受光素子52a)のみを配置し、並進方向における計測光MLの変動量のみを計測してもよい。
<第2実施形態>
本発明に係る第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態を基本的に引き継ぐものであるため、第1実施形態と異なる点について以下に説明する。第1実施形態では、アクチュエータ34〜36で投影光学系30の各光学素子を駆動することにより、および/または、調整部71で投影光学系30内の雰囲気(温度、圧力)を調整することにより、基板上での露光光ELの照射位置の補正を行った。本実施形態では、原版Mと基板Wとの相対位置を変更することにより、基板上での露光光ELの照射位置の補正を行う例を説明する。
本実施形態の場合、制御部60は、受光素子52a上での計測光MLの変動量から、基板上での露光光ELの変動量を推定する。具体的には、事前に設定された換算係数を用いて、受光素子52a上での計測光MLの変動量を、基板上での露光光ELの変動量に換算する。そして、制御部60は、推定された露光光ELの変動量が補正されるように、基板ステージ40を駆動して基板Wの位置を制御(調整)する。
例えば、受光素子52aから出力された信号値を平均化、または回転成分を抽出して照明領域11を移動平均しながら、座標変換、ゲイン調整およびフィルタリングなどを行うことで、露光光ELの変動量を補正するための指令値を求める。そして、求めた指令値を、基板Wを走査するための指令値に足し合わせて基板ステージ40に供給する。このように、基板ステージ40の駆動により露光光ELの変動量を補正する場合、投影光学系30の光学素子を駆動するためのアクチュエータ34〜36を備えなくてもよいため、装置構成の簡素化を図ることができる。また、本実施形態では、露光光ELの変動量を補正するための指令値を基板ステージ40に供給する構成を説明したが、原版ステージ20に供給する構成であってもよい。また、露光光ELの変動量の補正を、基板ステージ40と原版ステージ20との駆動で相対的に行ってもよい。さらに、投影光学系30を駆動する駆動機構が設けられている場合には、露光光ELの変動量の補正を、投影光学系30の駆動によって行ってもよい。
<第3実施形態>
本発明に係る第3実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態および/または第2実施形態を基本的に引き継ぐものであるため、それらの実施形態と異なる点について以下に説明する。
計測部50では、投光部51(光源51a)において、計測光MLの出射方向や出射位置に変動が生じることがある。このように、投光部51において計測光MLの出射方向や出射位置に変動(即ち、目標出射方向/位置からのずれ)が生じると、投影光学系30に所望の入射角度および入射位置で計測光MLを入射させることが困難になる。その結果、受光素子52a上での計測光MLの変動量から換算される基板上での露光光ELの変動量に、計測部50自体に起因する誤差が生じうる。この誤差は、露光光ELには発生していない計測だまされ成分である。そのため、当該誤差が生じている受光素子52aの受光結果に基づいて基板上での露光光ELの変動量を推定し、その露光光ELの変動量に基づいて基板上への露光光ELの照射位置を補正すると、コントラスト低下や像ずれという結像性能の低下が生じうる。
そこで、本実施形態の計測部50は、投光部51(光源51a)から出射される光束の出射角度および出射位置の少なくとも一方(以下では「出射角度等」と呼ぶことがある)を検出する検出部54を有する。つまり、検出部54は、投影光学系30へ入射する計測光MLの入射角度および入射位置の少なくとも一方(以下では「入射角度等」と呼ぶことがある)を、計測部50に起因する計測光MLのオフセット位置変動量として検出するように構成されうる。また、本実施形態の場合、制御部60は、検出部54で検出されたオフセット位置変動量に基づいて、受光素子52a上での計測光MLの変動量を補正し、それにより得られた値に基づいて、基板上での露光光ELの変動量を推定することができる。
図4は、第3実施形態の露光装置300の構成を示す概略図である。本実施形態の露光装置300は、第1実施形態の露光装置100と比べ、計測部50に検出部54が設けられている点で異なる。それ以外の構成については、第1実施形態の露光装置100と同様であるため説明を省略する。
検出部54は、投影光学系30の外部に設けられ、例えば、ビームスプリッタ54a(第2分岐部)と、受光素子54b(第2受光素子)と、受光素子54c(第3受光素子)と、ミラー54dとを含みうる。検出部54の各構成部品(ビームスプリッタ54a、受光素子54b、54c、ミラー54d)は、投影光学系30と相対的に固定されており、好ましくは投影光学系30に取り付けられている。また、本実施形態の計測部50の構成では、投光部51のミラー51bの代わりにビームスプリッタ55(分岐部)が設けられている。
投光部51の光源51aから射出された光束はビームスプリッタ55で2つの光束に分岐される。ビームスプリッタ55で分岐された2つの光束のうち一方の光束は、計測光MLとして投影光学系30内に導光され、他方の光束は、計測光MLの入射角度等を検出するための検出光DLとして検出部54(ビームスプリッタ54a)に導光される。検出部54に導光された検出光DLは、ビームスプリッタ54aで2つの光束に分岐され、一方の光束(第1検出光DL1)はミラー54dを介して受光素子54bに導光され、他方の光束(第2検出光DL2)は受光素子54cに導光される。ここで、受光素子54b、54cは、例えば、受光部52の受光素子52aと同様の構成であり、4分割フォトダイオードによって構成されうる。したがって、受光素子54b、54cの各々において受光面での検出光DLの変動量を求める方法は、受光部52の受光素子52aにおいて受光面53での計測光MLの変動量を求める方法(第1実施形態で説明した内容)と同様である。
受光素子54bで受光される第1検出光DL1の光路長と、受光素子54cで受光される第2検出光DL2の光路長とは、既知で且つ互いに異なる長さに設定される。このように第1検出光DL1と第2検出光DL2とで光路長を互いに異ならせると、受光素子54bの受光面での第1検出光DLの変動量と、受光素子54cの受光面での第2検出光DLの変動量とが互いに異なる。そのため、制御部60は、受光素子54bで得られる第1検出光DLの変動量と、受光素子54dで得られる第2検出光DLの変動量との差に基づいて、投光部51(光源51a)から出射される光束の出射角度等を検出することができる。また、投光部51(光源51a)、ビームスプリッタ55および投影光学系30の位置関係が既知であるため、当該出射角度等に基づいて、投影光学系30への計測光MLの入射角度等をオフセット位置変動量として求めることができる。
一方、投影光学系30を通過した計測光MLは、受光部52の受光素子52a(受光面53)で受光される。受光素子52aで得られる計測光MLの変動量は、投影光学系30の各光学素子の振動に起因する成分、投影光学系30内の雰囲気ゆらぎに起因する成分、および投影光学系30への計測光MLの入射角度等の誤差など計測部50自体に起因する成分を含みうる。本実施形態の場合、制御部60は、受光素子52a上での計測光MLの変動量から、検出部54で検出されたオフセット位置変動量を除去し、それにより得られた値に基づいて、基板上での露光光ELの変動量を推定する。このように、計測部50自体に起因するオフセット位置変動量を除去して得られた値に基づいて、基板上での露光光ELの変動量を推定することで、基板上での露光光ELの照射位置の補正を精度よく行うことができる。
<第4実施形態>
本発明に係る第4実施形態について説明する。本実施形態では、オフセット位置変動量を検出する検出部54を計測部50に設けた第3実施形態の変形例について説明する。本実施形態は、第3実施形態を基本的に引き継ぐものであるため、第3実施形態と異なる点について以下に説明する。
図5は、第4実施形態の露光装置400の構成を示す概略図である。本実施形態の露光装置400は、第3実施形態の露光装置300と比べ、計測部50(検出部54)から受光素子54cが削除されている。即ち、本実施形態の検出部54は、受光素子54b(第2受光素子)によって構成されている。
投光部51の光源51aから射出された光束はビームスプリッタ55で2つの光束に分岐される。ビームスプリッタ55で分岐された2つの光束のうち一方の光束は、計測光MLとして投影光学系30内に導光され、他方の光束は、計測光MLの入射角度等を検出するための検出光DLとして受光素子54bに導光される。ここで、本実施形態の計測部50は、受光素子54bで受光される検出光DLの光路長が、受光部52の受光素子52aで受光される計測光MLの光路長と略同一になるように構成されている。例えば、検出光DLは、計測光MLの光路長と略同一になるように、複数のミラーによって引き回されて受光素子54bで受光される。
具体的には、計測光MLの光路と検出光DLの光路とが略同一になるように、検出部54を構成する。計測光MLの光路長は、投影光学系30における複数の光学素子を経由するため、検出光DLの光路を装置内で一直線に結ぶことは現実的ではない。そのため、折り曲げミラーやレトロリフレクタ―等の光学素子を用いて、限られたスペースの中で光路長を稼ぐことが望ましい。また、これらの光路長を拡大するための光学素子は、投影光学系30に相対的に固定されているとよく、好ましくは投影光学系30に取り付けられるとよい。これにより、投影光学系30単体で計測光ずれを計測することができるため、露光装置の組み立て前に、投影光学系ユニット単体としてのユニット検査などに用いることができる。
このような構成では、投影光学系30において各光学素子の振動や雰囲気ゆらぎが生じていないと仮定した場合、受光素子52a上での計測光MLの変動量と受光素子54b上での検出光DLの変動量とが同じになりうる。つまり、受光素子52aで得られた計測光MLの変動量と、受光素子54bで得られた検出光DLの変動量との差が、投影光学系30における各光学素子の振動や雰囲気ゆらぎに起因する成分となる。したがって、制御部60は、受光素子52a上での計測光MLの変動量から、受光素子54上での検出光DLの変動量を除去し、それにより得られた値に基づいて、基板上での露光光ELの変動量を推定することができる。
ここで、光路長が略同一とは、計測光MLまたは検出光DLの変動(例えば傾き変動)が生じても、それによって生じる受光素子上での受光位置の変動量が略同一と見なすことができる程度の範囲を意味する。これは、アプリケーションによって異なり、目的である位置変動の計測精度(分解能)や、光源51aからの光束の射出角度等の変動量によってその範囲は変わりうる。例えば、光源51aおよびその固定系による計測光MLの傾き変動が10μrad程度ある場合であって、光路長誤差による計測誤差を10nm以下に設定したい場合は、その光路長誤差は1mm程度に抑える必要がある。この場合、略同一な光路長とは、その光路長差が1mm以下相当となる。一方、光路長誤差による計測誤差が1μm程度と大きな量が許容される場合には、その光路長誤差は100mm程度で良い。この場合、略同一な光路長とは、その光路長差が100mm以下で良く、先の例に比べて大きな光路長差でも略同一とみなすことができる。
<第5実施形態>
本発明に係る第5実施形態について説明する。本実施形態では、第1〜第4実施形態で説明した露光装置で行われる露光処理について説明する。図6は、露光処理を示すフローチャートである。図6に示すフローチャートの各工程は、制御部60によって制御されうる。
S1では、制御部60は、不図示の基板搬送機構を用いて、基板Wを基板ステージ40上に搬入し、基板ステージ40に基板Wを保持させる。S2では、制御部60は、グローバルアライメント処理を行う。例えば、制御部60は、アライメントスコープ(不図示)を用いて、基板Wにおける複数のショット領域のうちサンプルショット領域に形成されたアライメントマークの位置を計測し、その計測結果を統計処理することにより複数のショット領域の配列情報を得る。
S3では、制御部60は、複数のショット領域の各々について走査露光を順次行い、各ショット領域(具体的には、その上の感光材(レジスト))に原版Mのパターンを潜像パターンとして転写する。S3における各ショット領域の走査露光では、上述した第1〜第4実施形態で説明したように、計測部50により投影光学系30の光学特性を計測し、その計測結果に基づいて、基板上への露光光ELの照射位置の補正が行われる。即ち、各ショット領域の走査露光において、計測部50での計測結果に基づいた露光光ELの照射位置の補正がリアルタイムで行われうる。
S4では、制御部60は、不図示の基板搬送機構を用いて、基板ステージ40から基板Wを搬出する。S5では、制御部60は、走査露光を行うべき次の基板があるか否かを判断する。次の基板がある場合にはS1に戻り、当該次の基板に対して走査露光を行う。一方、次の基板がない場合には終了する。
<物品の製造方法の実施形態>
本発明の実施形態にかかる物品の製造方法は、例えば、半導体デバイス等のマイクロデバイスや微細構造を有する素子等の物品を製造するのに好適である。本実施形態の物品の製造方法は、基板に塗布された感光剤に上記の露光装置を用いて潜像パターンを形成する工程(基板を露光する工程)と、かかる工程で潜像パターンが形成された基板を現像(加工)する工程とを含む。更に、かかる製造方法は、他の周知の工程(酸化、成膜、蒸着、ドーピング、平坦化、エッチング、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージング等)を含む。本実施形態の物品の製造方法は、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
10:照明光学系、20:原版ステージ、30:投影光学系、40:基板ステージ、50:計測部、51:投光部、52:受光部、53:受光面、54:検出部、60:制御部、100:露光装置

Claims (17)

  1. 基板を露光する露光装置であって、
    露光光により原版のパターン像を前記基板に投影する投影光学系と、
    前記露光光が経由する前記投影光学系の光学素子を経由して前記投影光学系から射出された計測光を用いて、前記投影光学系の光学特性を計測する計測部と、
    前記計測部での計測結果に基づいて、前記基板上での前記露光光の照射位置を補正する制御部と、
    を含み、
    前記計測部は、前記計測光を受光する受光素子を含み、
    前記受光素子は、前記投影光学系に取り付けられている、ことを特徴とする露光装置。
  2. 前記受光素子は、前記計測光を受光する受光面を有し、
    前記受光面は、前記投影光学系の結像位置とは異なる位置に配置されている、ことを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
  3. 前記計測部は、前記投影光学系内に前記計測光を投光する投光部を更に含み、
    前記投光部は、前記投影光学系に取り付けられている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の露光装置。
  4. 前記投光部は、前記計測光を前記投影光学系の光軸に平行に投光する、ことを特徴とする請求項3に記載の露光装置。
  5. 前記投光部は、前記原版と前記投影光学系との間に配置されている、ことを特徴とする請求項3又は4に記載の露光装置。
  6. 前記投影光学系は、両側テレセントリック光学系で構成されている、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の露光装置。
  7. 前記受光素子は、フォトダイオードを含む、ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の露光装置。
  8. 前記制御部は、前記投影光学系における光学素子の駆動、前記投影光学系内の雰囲気の調整、前記原版と前記基板との相対位置の変更のうち少なくとも1つにより、前記基板上での前記露光光の照射位置を補正する、ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の露光装置。
  9. 前記投影光学系は、複数の光学素子を含み、
    前記制御部は、前記受光素子上での前記計測光の位置変動の周波数成分に基づいて、前記複数の光学素子の中から、前記露光光の位置変動に影響を与えている光学素子を特定し、特定した光学素子を駆動することにより前記基板上での前記露光光の照射位置を補正する、ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の露光装置。
  10. 前記制御部は、前記受光素子上での前記計測光の位置変動の周波数成分に基づいて、前記投影光学系内の雰囲気ゆらぎが前記露光光の位置変動に影響を与えていると特定した場合、前記投影光学系内の雰囲気を調整することにより前記基板上での前記露光光の照射位置を補正する、ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の露光装置。
  11. 前記制御部は、前記受光素子上での前記計測光の受光位置に基づいて、前記投影光学系内での前記露光光の位置変動を推定し、推定した前記露光光の位置変動に応じて前記基板上での前記露光光の照射位置を補正する、ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の露光装置。
  12. 前記計測部は、前記投影光学系内への前記計測光の入射角度および入射位置の少なくとも一方を検出する検出部を更に有し、
    前記制御部は、前記検出部での検出結果に更に基づいて、前記投影光学系内での前記露光光の位置変動を推定する、ことを特徴とする請求項11に記載の露光装置。
  13. 前記検出部は、前記投影光学系内に投光される前の前記計測光から一部の光を検出光として分岐する分岐部と、前記投影光学系を介さずに前記検出光を受光する第2受光素子とを有し、前記第2受光素子上での前記検出光の受光位置に基づいて、前記投影光学系内への前記計測光の入射位置および入射角度の少なくとも一方を検出する、ことを特徴とする請求項12に記載の露光装置。
  14. 前記第2受光素子は、前記検出光の光路長と前記計測光の光路長とが同じになるように配置され、
    前記制御部は、前記受光素子上での前記計測光の位置変動と前記第2受光素子上での前記検出光の位置変動との差に基づいて、前記投影光学系内での前記露光光の位置変動を推定する、ことを特徴とする請求項13に記載の露光装置。
  15. 前記検出部は、前記検出光を第1検出光と第2検出光とに分岐する第2分岐部と、前記投影光学系を介さずに前記第2検出光を受光する第3受光素子とを更に含み、
    前記第2受光素子は、前記第1検出光を受光し、
    前記制御部は、前記第2受光素子上での前記第1検出光の位置変動と前記第3受光素子上での前記第2検出光の位置変動との差に基づいて、前記受光素子上での前記計測光の位置変動を補正し、それにより得られた値に基づいて前記投影光学系内での前記露光光の位置変動を推定する、ことを特徴とする請求項13に記載の露光装置。
  16. 前記第2受光素子で受光される前記第1検出光の光路長と、前記第3受光素子で受光させる前記第2検出光の光路長とは互いに異なる、ことを特徴とする請求項15に記載の露光装置。
  17. 請求項1乃至16のいずれか1項に記載の露光装置を用いて基板を露光する工程と、
    前記工程で露光を行われた前記基板を現像する工程と、を含み、
    現像された前記基板から物品を製造することを特徴とする物品の製造方法。
JP2020004671A 2020-01-15 2020-01-15 露光装置、および物品の製造方法 Active JP7453790B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020004671A JP7453790B2 (ja) 2020-01-15 2020-01-15 露光装置、および物品の製造方法
TW109141705A TWI836164B (zh) 2020-01-15 2020-11-27 曝光裝置及物品的製造方法
KR1020200181556A KR20210092130A (ko) 2020-01-15 2020-12-23 노광 장치, 및 물품의 제조 방법
CN202110037169.4A CN113126448A (zh) 2020-01-15 2021-01-12 曝光装置和物品的制造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020004671A JP7453790B2 (ja) 2020-01-15 2020-01-15 露光装置、および物品の製造方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2021110905A true JP2021110905A (ja) 2021-08-02
JP2021110905A5 JP2021110905A5 (ja) 2023-01-17
JP7453790B2 JP7453790B2 (ja) 2024-03-21

Family

ID=76772241

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020004671A Active JP7453790B2 (ja) 2020-01-15 2020-01-15 露光装置、および物品の製造方法

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP7453790B2 (ja)
KR (1) KR20210092130A (ja)
CN (1) CN113126448A (ja)

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0757991A (ja) * 1993-08-12 1995-03-03 Nikon Corp 走査型投影露光装置
JPH10289864A (ja) * 1997-04-11 1998-10-27 Nikon Corp 投影露光装置
JP2001235308A (ja) * 2000-02-22 2001-08-31 Nec Corp アライメント変動測定装置
JP2005294608A (ja) * 2004-04-01 2005-10-20 Nikon Corp 放電光源ユニット、照明光学装置、露光装置および露光方法
JP2006179930A (ja) * 2004-12-23 2006-07-06 Asml Netherlands Bv リソグラフィ装置及びデバイス製造方法
US20060146304A1 (en) * 2004-12-13 2006-07-06 Carl Zeiss Smt Ag Method of manufacturing a miniaturized device
JP2009105378A (ja) * 2007-08-17 2009-05-14 Asml Holding Nv テレセントリック性のリアルタイム測定
JP2011510494A (ja) * 2008-01-16 2011-03-31 カール・ツァイス・エスエムティー・ゲーエムベーハー 測定手段を有するマイクロリソグラフィのための投影露光装置
JP2014135368A (ja) * 2013-01-09 2014-07-24 Canon Inc 露光装置、計測方法及びデバイスの製造方法
JP2017072678A (ja) * 2015-10-06 2017-04-13 キヤノン株式会社 露光装置、露光方法、及び物品の製造方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017172678A (ja) * 2016-03-23 2017-09-28 Ntn株式会社 極低温環境用転がり軸受

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0757991A (ja) * 1993-08-12 1995-03-03 Nikon Corp 走査型投影露光装置
JPH10289864A (ja) * 1997-04-11 1998-10-27 Nikon Corp 投影露光装置
JP2001235308A (ja) * 2000-02-22 2001-08-31 Nec Corp アライメント変動測定装置
JP2005294608A (ja) * 2004-04-01 2005-10-20 Nikon Corp 放電光源ユニット、照明光学装置、露光装置および露光方法
US20060146304A1 (en) * 2004-12-13 2006-07-06 Carl Zeiss Smt Ag Method of manufacturing a miniaturized device
JP2006179930A (ja) * 2004-12-23 2006-07-06 Asml Netherlands Bv リソグラフィ装置及びデバイス製造方法
JP2009105378A (ja) * 2007-08-17 2009-05-14 Asml Holding Nv テレセントリック性のリアルタイム測定
JP2011510494A (ja) * 2008-01-16 2011-03-31 カール・ツァイス・エスエムティー・ゲーエムベーハー 測定手段を有するマイクロリソグラフィのための投影露光装置
JP2014135368A (ja) * 2013-01-09 2014-07-24 Canon Inc 露光装置、計測方法及びデバイスの製造方法
JP2017072678A (ja) * 2015-10-06 2017-04-13 キヤノン株式会社 露光装置、露光方法、及び物品の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN113126448A (zh) 2021-07-16
JP7453790B2 (ja) 2024-03-21
KR20210092130A (ko) 2021-07-23
TW202129431A (zh) 2021-08-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101914536B1 (ko) 리소그래피 장치
JP4683232B2 (ja) 像面計測方法、露光方法及びデバイス製造方法、並びに露光装置
US5841520A (en) Exposure apparatus and method that use mark patterns to determine image formation characteristics of the apparatus prior to exposure
JP5619624B2 (ja) 測定手段を有するマイクロリソグラフィのための投影露光装置
US6819414B1 (en) Aberration measuring apparatus, aberration measuring method, projection exposure apparatus having the same measuring apparatus, device manufacturing method using the same measuring method, and exposure method
US20020149755A1 (en) Scanning exposure apparatus
JP5457767B2 (ja) 露光装置およびデバイス製造方法
US6509956B2 (en) Projection exposure method, manufacturing method for device using same, and projection exposure apparatus
JP2785146B2 (ja) 自動焦点調整制御装置
JP3308063B2 (ja) 投影露光方法及び装置
JP5516740B2 (ja) 移動体駆動方法、移動体装置、露光方法及び露光装置、並びにデバイス製造方法
JP5447388B2 (ja) 誤差補償付きオートフォーカスシステム
US20030090661A1 (en) Focusing method, position-measuring method, exposure method, method for producing device, and exposure apparatus
US6744512B2 (en) Position measuring apparatus and exposure apparatus
JP2002190438A (ja) 露光装置
US6400456B1 (en) Plane positioning apparatus
JP7453790B2 (ja) 露光装置、および物品の製造方法
JP3303280B2 (ja) 位置検出装置、露光装置、及び露光方法
JP2011238788A (ja) 位置計測装置及び方法、露光装置並びにデバイス製造方法
TWI836164B (zh) 曝光裝置及物品的製造方法
JPH0786136A (ja) 面位置設定装置
JP2004128149A (ja) 収差計測方法、露光方法及び露光装置
JP2006147989A (ja) 計測装置、及び露光装置
JP4120361B2 (ja) 計測装置、ステージ装置、及び計測方法
JP2003059817A (ja) 露光方法及び露光装置並びにマイクロデバイス製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20210103

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210113

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221223

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221223

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20231002

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231010

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231129

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240209

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240308

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7453790

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151