JP2021106295A - 熱電変換材料及び熱電変換デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】導電性を高くすることができ、かつゼーベック係数を高くすることができる、熱電変換材料を提供する。【解決手段】本発明に係る熱電変換材料1は、カーボンナノチューブを含み、ラマン分光測定によるG/D比が25以上であり、電気伝導率が500S/cm以上であり、ゼーベック係数が50μV/K以上である。【選択図】図1
Description
本発明は、カーボンナノチューブを含む熱電変換材料に関する。また、本発明は、上記熱電変換材料を用いた熱電変換デバイスに関する。
近年、エネルギー問題への取り組みが活発化しており、熱エネルギーの回収技術への期待が高まっている。熱は、体温、太陽熱、エンジン及び工業排熱など様々な場面から回収することができ、最も一般的なエネルギー源である。また、エネルギー効率の高い低炭素社会を実現するために、熱エネルギーの回収技術の必要性は増大している。
熱エネルギーの回収技術としては、ゼーベック効果(又はペルチェ効果)に基づく熱電変換デバイスが、温度差発電、熱センサ及び冷却などの様々な場面で既に活用されている。熱電変換デバイスは、例えば、p型半導体とn型半導体との組み合わせである熱電対を多数直列に接続したモジュール構造を有する。このような熱電変換デバイスは、可動部がないことから騒音及び振動が無く、スケール効果が無く、小さな温度差でも発電でき、様々な機器及び環境に組み込めるという多くの利点を有する。
上記のような熱電変換デバイスの一例が、下記の特許文献1に開示されている。特許文献1に記載の熱電変換デバイスは、応力緩和層と、フレキシブル基材と、熱電変換素子とをこの積層順で備える。上記熱電変換素子は、第1の電極と、有機材料を含む熱電変換層と、第2の電極とをこの積層順で有する。上記応力緩和層は、上記フレキシブル基材の反りを調整する。上記熱電変換層では、例えば、上記有機材料として、導電性高分子と導電性ナノ材料(特に、CNT)とを組み合わせて用いてもよい。
また、特許文献1には、熱電変換材料の製造工程において、熱電変換材料の組成物を分散媒に加え、組成物が分散媒に分散された分散液を得ることが記載されている。
熱電変換材料の組成物の分散液において、組成物が均一に分散されているほど、得られる熱電変換材料の導電性は高くなる傾向があると思われる。しかしながら、本発明者らの検討の結果、導電性を高めるために組成物の分散性を高めると、ゼーベック係数が大きく低下することがあることが見出された。このように、従来の熱電変換材料では、高い導電性と、高いゼーベック係数とを両立することは困難である。
本発明の目的は、導電性を高くし、かつゼーベック係数も高くすることができる熱電変換材料を提供することである。また、本発明は、上記熱電変換材料を用いた熱電変換デバイスを提供することも目的とする。
本発明の広い局面によれば、カーボンナノチューブを含み、ラマン分光測定によるG/D比が25以上であり、電気伝導率が500S/cm以上であり、ゼーベック係数が50μV/K以上である熱電変換材料が提供される。
本発明に係る熱電変換材料は、シート状の熱電変換材料であることが好ましい。
本発明に係る熱電変換材料のある特定の局面では、前記カーボンナノチューブの含有量が70重量%以上である。
本発明の広い局面によれば、上述した熱電変換材料と、前記熱電変換材料の表面上に配置された第1の電極と、前記第1の電極と離れた位置において、前記熱電変換材料の表面上に配置された第2の電極とを備える、熱電変換デバイスが提供される。
本発明に係る熱電変換材料は、カーボンナノチューブを含み、ラマン分光測定によるG/D比が25以上であり、電気伝導率が500S/cm以上であり、ゼーベック係数が50μV/K以上であるため、導電性を高くすることができ、かつゼーベック係数を高くすることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る熱電変換材料は、カーボンナノチューブを含む。本発明に係る熱電変換材料のラマン分光測定によるG/D比は25以上である。本発明におけるラマン分光測定は、波長532nmの光を用いたラマン分光測定である。
本発明に係る熱電変換材料の電気伝導率は500S/cm以上である。本発明に係る熱電変換材料のゼーベック係数は50μV/K以上である。
熱電変換材料の組成物の分散液において、組成物が均一に分散されているほど、得られる熱電変換材料の導電性は高くなる傾向があると思われる。しかしながら、本発明者らの検討の結果、導電性を高めるために組成物の分散性を高めると、ゼーベック係数が大きく低下することがあることが見出された。このように、従来の熱電変換材料では、高い導電性と、高いゼーベック係数とを両立することは困難である。
そこで、本発明者らは、熱電変換材料のG/D比が高い場合には、ゼーベック係数の低下が抑制され、かつ熱電変換材料の導電性が高くなることを見出した。
本発明では、熱電変換材料のG/D比が25以上であるため、導電性を高くし、かつゼーベック係数も高くすることができる。
上記熱電変換材料の導電性をより一層高め、かつゼーベック係数をより一層高める観点からは、G/D比は、より好ましくは30以上であり、更に好ましくは40以上である。
上記熱電変換材料は、シート状であることが好ましい。このシート状の熱電変換材料は、折り曲げられて用いられてもよい。上記熱電変換材料は不織布状であってもよい。
上記熱電変換材料の導電性を効果的に高める観点からは、上記カーボンナノチューブの含有量は好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上、更に好ましくは90重量%以上であり、好ましくは100重量%以下である。
上記熱電変換材料の熱起電力を高める観点からは、上記カーボンナノチューブはシングルウォールカーボンナノチューブ(SWCNT)であることが好ましい。
本発明に係る熱電変換デバイスは、上記熱電変換材料と、上記熱電変換材料の表面上に配置された第1の電極と、上記第1の電極と離れた位置において、上記熱電変換材料の表面上に配置された第2の電極とを備える。
本発明に係る熱電変換デバイスでは、上記の構成が備えられているので、導電性を高くし、かつゼーベック係数も高くすることができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る熱電変換デバイスの断面図である。
なお、実施形態において参照する図面は、模式的に記載されており、図面に描画された物体の寸法の比率などは、現実の物体の寸法の比率などとは異なる場合がある。具体的な物体の寸法の比率などは、以下の説明を参酌して判断されるべきである。
図1に示す熱電変換デバイス10は、シート状の熱電変換材料1と、熱電変換材料1の厚み方向の一方側に配置されている第1の電極2aと、熱電変換材料1の厚み方向の一方側とは反対の他方側に配置されている第2の電極2bとを備える。第2の電極2bは、第1の電極2aと離れている。
1つの第1の電極2aと、1つの熱電変換材料1と、1つの第2の電極2bとで、1つの熱電変換素子が構成されている。
第1の電極2aの熱電変換材料1側とは反対側には、第1の基板3aが設けられている。第2の電極2bの熱電変換材料1側とは反対側には、第2の基板3bが設けられている。第1,第2の基板3a,3bの材料は、ポリイミドなどの樹脂材料や、適宜のセラミック材料などである。
なお、熱電変換デバイスでは、複数の熱電変換材料が積層されて用いられてもよい。熱電変換デバイスは、複数の熱電変換素子を備えていてもよい。
図1に示す熱電変換デバイス10では、熱電変換材料1の厚み方向の一方側に、第1の電極2aが配置されており、熱電変換材料1の厚み方向の上記一方側とは反対の他方側に、第2の電極2bが配置されている。なお、第1の電極2a及び第2の電極2bの配置は、上記の配置に限定されず、適宜変更することができる。
以下、本発明について、具体的な実施例に基づいて、さらに詳細に説明する。
(実施例1)
熱電変換材料の作製:
o−ジクロロベンゼン100mL中に、SWCNT25mgを入れ、マグネチックスターラーを用いて撹拌を行った。その後、高圧式ホモジナイザーを用いて、圧力40MPaにて分散処理を行い、SWCNT分散液を得た。得られたSWCNT分散液を、孔径0.2μmのメンブレンフィルタを用いて減圧ろ過し、SWCNT堆積物を得た。得られたSWCNT堆積物を乾燥させることにより、シート状の熱電変換材料を得た。
熱電変換材料の作製:
o−ジクロロベンゼン100mL中に、SWCNT25mgを入れ、マグネチックスターラーを用いて撹拌を行った。その後、高圧式ホモジナイザーを用いて、圧力40MPaにて分散処理を行い、SWCNT分散液を得た。得られたSWCNT分散液を、孔径0.2μmのメンブレンフィルタを用いて減圧ろ過し、SWCNT堆積物を得た。得られたSWCNT堆積物を乾燥させることにより、シート状の熱電変換材料を得た。
上記の方法により、複数の熱電変換材料を得た。なお、上記分散処理を繰り返して行う回数(繰り返し処理回数)を3回〜10回の範囲において異ならせて、各熱電変換材料を作製した。
G/D比の測定:
波長532nmのレーザー光を用いて、熱電変換材料のラマン分光測定を行い、ラマンスペクトルにおけるベンゼン環に起因するGバンドにおけるピーク面積を求めた。ラマンスペクトルにおけるベンゼン環の欠陥などに起因するDバンドにおけるピーク面積を求めた。なお、Gバンドは1350cm−1付近に位置するバンドであり、Dバンドは1589cm−1付近に位置するバンドである。Gバンドにおけるピーク面積とDバンドにおけるピーク面積との比から、G/D比を求めた。
波長532nmのレーザー光を用いて、熱電変換材料のラマン分光測定を行い、ラマンスペクトルにおけるベンゼン環に起因するGバンドにおけるピーク面積を求めた。ラマンスペクトルにおけるベンゼン環の欠陥などに起因するDバンドにおけるピーク面積を求めた。なお、Gバンドは1350cm−1付近に位置するバンドであり、Dバンドは1589cm−1付近に位置するバンドである。Gバンドにおけるピーク面積とDバンドにおけるピーク面積との比から、G/D比を求めた。
上記の方法により、G/D比が25以上、45以下である複数の熱電変換材料を作製した。
(実施例2)
熱電変換材料の作製:
o−ジクロロベンゼン100mL中に、SWCNT25mgを入れ、マグネチックスターラーを用いて撹拌を行った。その後、新東工業社製遠心ディスクミキサーにより分散処理を行い、SWCNT分散液を得た。得られたSWCNT分散液を、孔径0.2μmのメンブレンフィルタを用いて減圧ろ過し、SWCNT堆積物を得た。得られたSWCNT堆積物を乾燥させることにより、シート状の熱電変換材料を得た。
熱電変換材料の作製:
o−ジクロロベンゼン100mL中に、SWCNT25mgを入れ、マグネチックスターラーを用いて撹拌を行った。その後、新東工業社製遠心ディスクミキサーにより分散処理を行い、SWCNT分散液を得た。得られたSWCNT分散液を、孔径0.2μmのメンブレンフィルタを用いて減圧ろ過し、SWCNT堆積物を得た。得られたSWCNT堆積物を乾燥させることにより、シート状の熱電変換材料を得た。
上記の方法により、複数の熱電変換材料を得た。なお、上記分散処理を繰り返して行う回数(繰り返し処理回数)を1回〜5回の範囲において異ならせて、各熱電変換材料を作製した。
G/D比の測定:
波長532nmのレーザー光を用いて、熱電変換材料のラマン分光測定を行い、ラマンスペクトルにおけるベンゼン環に起因するGバンドにおけるピーク面積を求めた。ラマンスペクトルにおけるベンゼン環の欠陥などに起因するDバンドにおけるピーク面積を求めた。なお、Gバンドは1350cm−1付近に位置するバンドであり、Dバンドは1589cm−1付近に位置するバンドである。Gバンドにおけるピーク面積とDバンドにおけるピーク面積との比から、G/D比を求めた。
波長532nmのレーザー光を用いて、熱電変換材料のラマン分光測定を行い、ラマンスペクトルにおけるベンゼン環に起因するGバンドにおけるピーク面積を求めた。ラマンスペクトルにおけるベンゼン環の欠陥などに起因するDバンドにおけるピーク面積を求めた。なお、Gバンドは1350cm−1付近に位置するバンドであり、Dバンドは1589cm−1付近に位置するバンドである。Gバンドにおけるピーク面積とDバンドにおけるピーク面積との比から、G/D比を求めた。
上記の方法により、G/D比が26以上、48以下である複数の熱電変換材料を作製した。
(比較例1)
SWCNT分散液を得る工程における分散処理の繰り返し処理回数を20回〜50回の範囲において異ならせたこと以外は、実施例1と同様にして複数の熱電変換材料を作製した。比較例1においては、G/D比が25未満である複数の熱電変換材料を作製した。
SWCNT分散液を得る工程における分散処理の繰り返し処理回数を20回〜50回の範囲において異ならせたこと以外は、実施例1と同様にして複数の熱電変換材料を作製した。比較例1においては、G/D比が25未満である複数の熱電変換材料を作製した。
(比較例2)
SWCNT分散液を得る工程における分散処理の繰り返し処理回数を7回〜9回の範囲において異ならせたこと以外は、実施例2と同様にして複数の熱電変換材料を作製した。比較例2においては、G/D比が25未満である複数の熱電変換材料を作製した。
SWCNT分散液を得る工程における分散処理の繰り返し処理回数を7回〜9回の範囲において異ならせたこと以外は、実施例2と同様にして複数の熱電変換材料を作製した。比較例2においては、G/D比が25未満である複数の熱電変換材料を作製した。
実施例1,2及び比較例1,2の熱電変換材料の導電率、ゼーベック係数及びパワーファクターを測定した。
図2は、実施例1及び比較例1の熱電変換材料の導電率を示す図である。図3は、実施例1及び比較例1の熱電変換材料のゼーベック係数を示す図である。図4は、実施例1及び比較例1の熱電変換材料のパワーファクターを示す図である。図2〜図4では、円形のプロットは実施例1の結果を示し、三角形のプロットは比較例1の結果を示す。
図5は、実施例2及び比較例2の熱電変換材料の導電率を示す図である。図6は、実施例2及び比較例2の熱電変換材料のゼーベック係数を示す図である。図7は、実施例2及び比較例2の熱電変換材料のパワーファクターを示す図である。図5〜図7では、四角形のプロットは実施例2の結果を示し、×形のプロットは比較例2の結果を示す。
図2及び図3に示すように、実施例1では、比較例1よりも導電性を高めることができ、かつゼーベック係数も高めることができている。図5及び図6に示すように、実施例2では、比較例2よりも導電性を高めることができ、かつゼーベック係数も高めることができている。図4に示すように、実施例1のパワーファクターは、150μW/mK2以上であり、比較例1のパワーファクターよりも高い。図7に示すように、実施例2のパワーファクターは、150μW/mK2以上であり、比較例2のパワーファクターよりも高い。
1…熱電変換材料
2a,2b…第1,第2の電極
3a,3b…第1,第2の基板
10…熱電変換デバイス
2a,2b…第1,第2の電極
3a,3b…第1,第2の基板
10…熱電変換デバイス
Claims (4)
- カーボンナノチューブを含み、
ラマン分光測定によるG/D比が25以上であり、
電気伝導率が500S/cm以上であり、
ゼーベック係数が50μV/K以上である、熱電変換材料。 - シート状の熱電変換材料である、請求項1に記載の熱電変換材料。
- 前記カーボンナノチューブの含有量が70重量%以上である、請求項1又は2に記載の熱電変換材料。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱電変換材料と、
前記熱電変換材料の表面上に配置された第1の電極と、
前記第1の電極と離れた位置において、前記熱電変換材料の表面上に配置された第2の電極とを備える、熱電変換デバイス。
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| WO2014126211A1 (ja) * | 2013-02-15 | 2014-08-21 | 国立大学法人奈良先端科学技術大学院大学 | n型熱電変換材料および熱電変換素子、ならびにn型熱電変換材料の製造方法 |
| WO2014157259A1 (ja) * | 2013-03-28 | 2014-10-02 | 富士フイルム株式会社 | 熱電変換素子の製造方法および熱電変換層用分散物の製造方法 |
Non-Patent Citations (5)
| Title |
|---|
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