<第1の実施形態>
第1の実施形態について、図1ないし図19を用いて説明する。まず、図1ないし図4を用いて本実施形態における画像形成装置1の概略構成を説明する。画像形成装置1は、例えば、コピー機能、スキャン機能、及びプリント機能など各種機能を備える一般的な複合機である。
本実施形態の画像形成装置1は、ユーザやサービスマンなどの操作者が持っている携帯端末6により二次元バーコードを読み取ったり、携帯端末6と画像形成装置1との間でNFC通信を行うことで、操作者の認証を含む画像形成装置の使用を許可することを可能としている。例えば、画像形成装置1が操作者を認証することで、操作者が画像形成装置1を使用可能となる。また、認証を受けた操作者は、画像形成装置1に自身特有の設定を行うことができる。具体的には、印刷(画像形成)する際の用紙サイズ設定やカラー/モノクロの設定、印字濃度(画像濃度)の設定などの印刷条件(画像形成条件)を画像形成装置1に登録することができる。これにより、操作者を認証した画像形成装置1は、認証した操作者特有の印刷条件等の設定を自動的に呼び出すことができる。すなわち、操作者は、「認証」により画像形成装置1を使用可能となることに加え、過去に自身が設定した印刷条件について再度設定することなく画像形成装置1の使用が可能となる。
ここで、二次元バーコードには、画像形成装置1を使用しようとしているユーザの情報が既に画像形成装置1内に記憶されている情報と一致するものであるかどうかを照合する機能と、単にユーザに画像形成装置1の使用を許可する機能と、の主に2種類がある。前者は例えばオフィス等の環境において使用される機能である。オフィス等の環境下においては画像形成装置を使用するユーザは社員などの一定の者に限られる。そのため、事前にその画像形成装置の使用を許可する者をリスト化し、それらの者のみに使用を許可するように画像形成装置に設定することができる。後者は例えばコンビニエンスストアや図書館などの公共施設において使用される機能である。このような環境下においては画像形成装置を使用する者は不特定である。したがって、上述したユーザの照合のような使われ方がなされることは少ない。詳しくは後述するが、このようなケースでは無線LAN接続するために二次元バーコードが読み取られることが多い。すなわち、ユーザは、画像データをWi−Fi等の無線LANを介して画像形成装置に送るにあたり、無線LAN接続のためのSSIDやPASSWORDを取得する必要があるため、二次元バーコードを読み取る。
また、本実施形態の画像形成装置1は、二次元バーコードを読み取ったり、NFC通信を行うことで、携帯端末6と画像形成装置1とを無線LAN接続できるようにしている。これにより、例えば、携帯端末6内の画像データなどの大容量の通信を無線LANに引き継ぎ、この画像データに基づく画像を画像形成装置1により出力できる。以下、具体的に説明する。
図1及び図2に示すように、画像形成装置1は、記録材に画像形成を行う画像形成部としての画像形成ユニット11(図3)を内部に有する装置本体1a、装置本体1aの前面に設けられた操作パネル2、人感センサ15などを備える。記録材としては、用紙、プラスチックフィルム、布などのシートが挙げられる。操作パネル2は、ユーザなどの操作者による操作指示を入力するものである。
本実施形態に係る画像形成装置1は、図3に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のトナーを中間転写ベルトに転写した後、記録材に画像を転写して画像を形成する中間タンデム方式の画像形成装置である。なお、以下の説明において、上記各色のトナーを使用する部材には添え字としてY、M、C、Kを付する。但し、各部材の構成や動作は使用するトナーの色が異なることを除いて実質的に同じであるため、同じ構成については、代表してイエローのトナー像を形成する構成について説明し、他の色の構成については説明を省略する。
図2は、画像形成装置1の斜視概略図である。図3は、画像形成装置1の概略構成断面図である。図2及び図3に示す様に、画像形成装置1は、記録材Sに画像を形成する画像形成ユニット11を備える。画像形成ユニット11は、感光ドラム301Y、301M、301C、301K、帯電ローラ302Y、302M、302C、302K、現像装置303Y、303M、303C、303Kを備える。また、一次転写ローラ305Y、305M、305C、305K、レーザスキャナユニット398、中間転写ベルト306、二次転写ローラ316、二次転写対向ローラ312などを備える。
また、画像形成装置1は、原稿の画像を読み取る画像読取ユニット10を備える。画像読取ユニット10は、リーダ10aとADF10bから構成される。リーダ10aは、ガラス板で形成された不図示の載置台に載置された原稿の画像を光学的に読み取って画像データに変換する。ADF10bは、原稿トレイ10b1に積載された原稿を自動的に搬送して画像を読み取る。ADF10bは、回動自在に支持されており、ADF10bを回動させて上方に開放することでリーダ10aの載置台にアクセス可能となる。
また、画像形成装置1の前面側には、画像形成に関する設定や画像読取に関する設定が可能な操作パネル2が設けられている。操作パネル2は、情報を表示させると共にタッチ操作により情報の入力や装置への指令などが可能な操作表示部20aと、数値等を入力するためのキー20bと、外装カバー20cを有する。操作表示部20aは、詳しくは後述するように、ソフトウェアキーを表示してそれに触れる(タッチ操作する)ことで、情報の入力や装置への指令が可能である。手動入力部としてのキー20bは、物理的に押下することで情報の入力や装置への指令が可能なハードウェアキー(物理キー)である。なお、キー20bは、省略しても良い。
操作者は、操作表示部20a又はキー20bを操作することで、数値などの情報の入力や装置への指令を行うことができる。そして、画像形成に係る記録材Sのサイズや画像形成枚数の設定等の画像形成に関する設定や、原稿サイズの設定等の画像の読み取りに関する設定を行うことができる。
次に、画像形成装置1による画像形成動作について説明する。画像を形成する際は、まず、図4及び図5に示す制御部3のCPU7に画像形成ジョブ信号が入力される。これにより給送ローラ311、搬送ローラ385が回転し、カセット310に積載収納された記録材Sがレジストローラ386に送り出される。次に、記録材Sは、レジストローラ386によって所定のタイミングで二次転写ローラ316と二次転写対向ローラ312に張架された中間転写ベルト306から形成される二次転写部に送り込まれる。
一方、画像形成ユニット11においては、まず、帯電ローラ302Yにより感光ドラム301Y表面が帯電させられる。その後、画像読取ユニット10に読み取られた原稿の画像の画像信号、或いは、パーソナルコンピュータなどの外部機器から送られた画像信号等に応じてレーザスキャナユニット398が感光ドラム301Y表面にレーザ光を照射する。これにより、感光ドラム301Y表面に静電潜像が形成される。その後、現像装置303Yにより感光ドラム301Yの表面に形成された静電潜像にイエローのトナーを付着させ、感光ドラム301Y表面にイエローのトナー像を形成する。感光ドラム301Y表面に形成されたトナー像は、一次転写ローラ305Yに一次転写バイアスが印加されることで、中間転写ベルト306に一次転写される。
同様のプロセスにより、感光ドラム301M、301C、301Kにも、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像が形成される。そして一次転写ローラ305M、305C、305Kに一次転写バイアスが印加されることで、これらのトナー像が中間転写ベルト306上のイエローのトナー像に対して重畳的に転写される。これにより中間転写ベルト306の表面に画像信号に応じたフルカラーのトナー像が形成される。
その後、中間転写ベルト306が駆動ローラ317から駆動力を伝達されて周回移動することで、フルカラーのトナー像が二次転写部に送られる。そして二次転写部において二次転写ローラ316に二次転写バイアスが印加されることで、中間転写ベルト306上のフルカラーのトナー像が記録材Sに転写される。
次に、トナー像が転写された記録材Sは、定着装置315において加熱、加圧処理が施され、これにより記録材S上のトナー像が記録材Sに定着される。その後、トナー像が定着された記録材Sは、排出ローラ313によって排出部307に排出される。
図4に示すように、操作パネル2内には、操作者が所持する携帯端末(外部機器)6と、近距離無線通信としてのNFC通信を行うためのNFCタグ部4が設けられている。NFCタグ部4は、詳しくは後述するように、電波の送受信を行うアンテナと、NFC通信の制御を行うICチップから構成されており、操作者が有するスマートフォンなどの携帯端末との間で近距離無線通信であるNFC通信を行う。NFC(:Near Field Communication)とは、13.56MHzの電磁波を利用した非接触無線通信規格である。この規格は、特にISO/IEC 18092、ISO/IEC 21481等に代表される通信距離がおよそ10cm以下の短距離の無線通信規格であり、代表的なものとしてFeliCa(登録商標)やMifare(登録商標)がある。ここでは、Bluetooth(登録商標)に関しても近距離無線通信の一種とする。本実施の形態においては、近距離無線通信の一例としてNFC通信を行う形態について説明する。
また、画像形成装置1には、装置に接近する操作者を検知する人感センサ15が設けられている。人感センサ15は、例えば、装置本体1aの前面に配置され、画像形成装置1の前に人が存在する場合には、それを検知する。なお、人感センサ15は、操作パネル2に設けても良い。例えば、操作パネル2の外装カバー20cに形成されたスリットの内側に人感センサ15を配置し、スリットを介して超音波を送信し、その反射波を受信することで操作者を検知するようにしても良い。なお、人感センサ15の詳細な構成については後述する。
また、画像形成装置1は、携帯端末6と無線LAN通信(無線通信)を行うための無線LAN通信部5を備えている。LANはLocal Area Networkの略である。NFCタグ部4及び無線LAN通信部5は、インターフェイスを介してこの画像形成装置1の動作を制御する制御部3と接続されている。
携帯端末6は、スマートフォンやタブレット型コンピュータなどの携帯型の機器、或いは、ICカードなどで、NFC通信機能を有するものである。本実施形態では、携帯端末6は、スマートフォンやタブレット型コンピュータなどの携帯型の機器で、二次元バーコードを読み取り可能なカメラを有するものとする。また、携帯端末6は、NFC通信及び無線LAN通信の機能を有するものとする。但し、NFC通信の機能は有さなくても良い。操作者は、携帯端末6を使用して画像形成装置1と無線通信を行い、画像形成装置1を使用して各種処理を実行させる。ここで、無線LAN通信の範囲はNFC通信の範囲よりも広い。また、無線LAN通信における単位時間当たりで通信可能なデータ容量は、NFC通信における単位時間当たりで通信可能なデータ容量よりも多い。そのため、無線LAN通信時の通信速度はNFC通信時の通信速度よりも速い。言い換えれば、NFC通信は、無線LAN通信よりも通信速度が遅い。Wi−Fi通信が無線LAN通信の一例にあたる。
[制御部]
次に、画像形成装置1のシステム構成について、図5を用いて説明する。図5に示す様に、画像形成装置1は、CPU7と、CPU7が演算に用いるデータが一時的に格納されるRAM(メモリ)8と、各種のプログラムが格納されているROM(記憶装置)13を備える。また、画像形成装置1の制御に関するソフトウェアや各種設定、保存された文書が格納されるHDD104を備える。
また、画像形成装置1は、LANを介して外部機器とデータの送受信を行うネットワークインターフェイス106と、無線LAN通信を介して外部機器とデータの送受信を行う無線LAN通信部(無線LANインターフェイス)5を備える。また、操作パネル2からの入力データや操作パネル2に表示させる画像データを中継する操作部インターフェイス105を備える。
また、画像形成装置1は、CPU7から指示を受けて特定のデバイスへの電力の供給、供給停止を切り替える電源制御部170を備える。電源制御部170は、商用電源から電源の供給を受けて各デバイスで使用される電力に変換して電力を供給可能な電源装置160を制御する。電源制御部170の構成の詳細については後述する。上述した各デバイスや、NFCタグ部4、人感センサ15は、システムバス114を介して相互に接続されている。
また、画像形成装置1は、画像処理を行う画像処理部150を備える。画像処理部150は、RIP110、デバイスインターフェイス111、プリンタ画像処理部112、スキャナ画像処理部113から構成されており、これらは画像バス115を介して相互に接続されている。また、画像バス115とシステムバス114は、イメージバスインターフェイス109を介して接続されており、イメージバスインターフェイス109により画像バス115とシステムバス114との中継やデータ構造の変換が行われる。
RIP110は、ラスタイメージプロセッサであり、ページ記述言語(PDL)コードやディスプレイリストをビットマップイメージに変換する。スキャナ画像処理部113は、画像読取ユニット10で読み取られた画像データに対して補正や解像度変換などの画像処理を行う。プリンタ画像処理部112は、画像形成ユニット11で形成される画像の画像データに対して補正や解像度変換などの画像処理を行う。
画像読取ユニット10は、スキャナバス116、デバイスインターフェイス111を介して画像バス115と接続されている。画像形成ユニット11は、プリントバス117、デバイスインターフェイス111を介して画像バス115と接続されている。デバイスインターフェイス111は、画像読取ユニット10から受信された画像データを画像バス115に送信するタイミングや、画像バス115から画像形成ユニット11へ画像データを送信するタイミングを調整する。
[電源制御部]
次に、電源制御部170の詳細な構成について、図6を用いて説明する。図6に示すように、電源制御部170は、CPU7から指示を受けてスイッチ171〜177のON、OFFを切り替えることで、電源装置160から各デバイスへの電力の供給、供給停止を制御する。具体的には、電源制御部170は、操作パネル2、ネットワークインターフェイス106、無線LAN通信部5、画像処理部150、画像読取ユニット10、画像形成ユニット11、人感センサ15への電力の供給・供給停止を制御する。これにより、画像形成装置1は、主電源が投入されている状態において、携帯端末6との無線LAN通信を待機している第1モードとしてのスタンバイ状態と、スタンバイ状態よりも消費電力が少ない第2モードとしてのスリープモードとを実行可能である。以下、具体的に説明する。
画像形成装置1が一定の時間使用されない場合、又は、操作者が操作パネル2を操作してスリープモードへの移行を選択した場合、画像形成装置1は省電力を目的としてスリープモードに入る。スリープモードでは、電源制御部170は、スイッチ172、173、177をONにし、スイッチ171、174、175、176をOFFにする。これにより操作パネル2、画像処理部150、画像形成ユニット11、画像読取ユニット10の駆動が停止される。
画像形成装置1がスリープモードの状態において、ネットワークインターフェイス106を介して画像形成ジョブが指定された場合、電源制御部170はCPU7から指示を受けてスイッチ174、176をONに切り替える。無線LAN通信部5を介して画像形成ジョブが指定された場合も同様である。これにより画像形成ジョブの実行時に使用される画像処理部150、画像形成ユニット11に電力が供給され、スリープモードからスタンバイ状態に復帰する。
また、画像形成装置1がスリープモードの状態において、ネットワークインターフェイス106を介して画像読取ジョブが指定された場合、電源制御部170はCPU7から指示を受けてスイッチ174、175をONに切り替える。無線LAN通信部5を介して画像読取ジョブが指定された場合も同様である。これにより画像読取ジョブの実行時に使用される画像処理部150、画像読取ユニット10に電力が供給され、スリープモードからスタンバイ状態に復帰する。
このようにスリープモードの状態において、ネットワークインターフェイス106や無線LAN通信部5からジョブが指定された場合、CPU7はジョブの実行時に使用されるデバイスにのみ電力を供給するように制御する。これにより画像形成装置1のジョブの実行時の消費電力が抑制される。
また、画像形成装置1がスリープモードの状態において、画像形成装置1に接近した操作者が人感センサ15により検知された場合、電源制御部170はCPU7から指示を受けてスイッチ171、174、175、176をONに切り替える。これにより、スリープモードからスタンバイ状態に復帰する。このように人感センサ15によって操作者が検知された場合に全てのスイッチ171〜177をONにするのは、人感センサ15で検知された操作者が指定するジョブが不明であるため、全てのデバイスをスタンバイ状態にして利便性を高めるためである。
更に、画像形成装置1がスリープモードの状態であって、携帯端末6との無線LAN通信が許可されていない場合、操作者が人感センサ15により検知されるなどしてスタンバイ状態になると、CPU7は携帯端末6との無線LAN通信を待機する。
即ち、スタンバイ状態とは、携帯端末6との無線LAN通信を待機している状態である。更に言えば、携帯端末6から画像データの受信を待機している状態でもある。また、スタンバイ状態は、例えば、画像形成装置1の各部への電力供給がなされて、操作者の操作にしたがって画像形成や画像読取をすぐに行える状態であっても良い。即ち、スタンバイ状態は、画像形成や画像読取を待機している状態であっても良い。一方、スリープモードとは、例えば、操作パネル2などの各部への電力供給を停止することでスタンバイ状態よりも消費電力を少なくした省電力の状態である。本実施形態では、スリープモードにおいて、操作パネル2の表示部2a(図7)が消灯しているが、少なくとも人感センサ15への電力供給が行われていれば良い。
また、例えば、操作パネル2にスリープモードを解除できるボタンを設け、このボタンを操作することでスリープモードを解除するようにしても良いし、キー20b(図2)の何れかのボタンを操作することでスリープモードを解除するようにしても良い。或いは、操作表示部20a(図2)をタッチすることでスリープモードを解除するようにしても良い。これらの場合、スリープモードであっても、キー20b又は操作入力部2b、操作パネルマイコン2d(図7)に電力を供給し、少なくとも表示部2a(図7)には電力を供給しない。
[画像形成装置のハードウェア構成]
次に、制御部3、操作パネル2、人感センサ15の詳細な関係について、図7を用いて説明する。図7は、画像形成装置1のハードウェア構成の一部を示すブロック図である。画像形成装置1は、操作パネル2、原稿を読み取って画像データを生成する画像読取ユニット10、画像データに基づき画像形成処理を実行する画像形成ユニット11、二次元バーコード生成部12、各種情報を記憶する記憶装置(ROM)13などを備える。また、画像形成装置1は、操作パネル2内に配置されて前述したNFC通信を行う通信部としてのNFCタグ部4、無線LAN通信部5を備える。これらの各部は制御部3とインターフェイスを介して接続されている。
制御部3は、CPU7、メモリ(RAM)8、タイマ9を備えており、各部の動作を制御するものである。CPU7は、記憶装置13に記憶されているプログラム14を読み出して実行する。プログラム14は、制御部3を後述する各種処理を行うために機能させるプログラムである。メモリ8は、CPU7がプログラムを実行することに伴う一時的なデータなどを記憶するためのものである。タイマ9は、制御部3が各種処理を行う際に計時を行うためのものである。また、制御部3は、後述するように、NFC通信に基づいて携帯端末との無線LAN通信を許可する許可部としても機能する。
操作パネル2は、前述したように操作者による操作を行うための操作表示部20a、キー20b(図2)、操作音発生部2c、操作パネルマイコン2d、NFCタグ部4を備えている。操作表示部20aは、表示部2a、操作部及び手動入力部としての操作入力部2bを有する。表示部2aは、例えば液晶パネルなどで構成され、各種情報を表示可能である。表示部2aは、例えば、画像データを制御部3から図示しない画像データ用の転送ラインを通じて受信することで、液晶パネル上に画像を映すことが可能である。
操作入力部2bは、表示部2a上に配置されたタッチパネルなどであり、タッチ操作により情報を入力可能である。なお、操作パネル2に、装置の状態を表示するLEDも配置するよう構成しても良い。LEDはLight Emitting Diodeの略である。
本実施形態では、操作入力部2bは、表示部2aに表示したソフトウェアキーを表示し、タッチ操作により情報を入力可能なタッチパネルとする。操作音発生部2cは、操作に伴う各種の操作音を発生するためのものである。操作パネルマイコン2dは、これらを制御し、制御部3と通信する。
NFCタグ部4は、外部機器(本実施形態では携帯端末6)とNFC通信規格に基づきNFC通信を行い、携帯端末6と制御部3との間で行われるデータ入出力を行うものである。本実施形態のNFCタグ部4は、RFID(Radio Frequency Identification)用ICで構成されておりNFCタグとして動作する。
人感センサ15は、画像形成装置1の周囲の所定の領域内に人がいることを検知可能である。本実施形態の人感センサ15は、画像形成装置1の前面にいる人や物体を検知するセンサであり、検知信号を操作パネルマイコン2dに送る。制御部3は、例えば、画像形成装置1がスリープモードにある場合に人感センサ15が人を検知すると、画像形成装置1の状態をスリープモードからスタンバイ状態に移行させ、後述する読取画像を表示部2aに表示させる。
無線LAN通信部5は、無線LAN規格に基づき外部機器(本実施形態では携帯端末6)と無線LAN通信の処理を行い、携帯端末6と制御部3との間で行われるデータ入出力を行う。具体的には、無線LAN通信部5は、無線LAN通信手順にしたがって、データパケットの送信、受信の処理を行う。なお、本実施形態例の無線LAN通信部5は、無線LANダイレクトモードに対応している。
無線LANダイレクトモードでは、無線LAN通信部5が無線LANアクセスポイント(ソフトアクセスポイント)として動作することにより、外部の無線LANアクセスポイントを介さずに携帯端末6などの外部機器と無線LAN通信を行うことができる。
二次元バーコード生成部12は、設定されたデータを読取画像としての二次元バーコード(QRコード:登録商標)にエンコードして、二次元バーコードの画像を生成するものである。生成された二次元バーコードの画像は、操作パネル2の表示部2aに表示するようにして、ユーザが携帯端末6を使用してこの二次元バーコード画像を読み取ることができる。なお、読取画像は、携帯端末6のカメラ38(図10)で読み取り可能な画像であって、画像形成装置1との無線LAN通信を許可するための情報を含む画像である。また、読取画像は、画像形成装置1がユーザを認証するための情報を含む認証用画像であっても良い。本実施形態では、読取画像を二次元バーコードとしているが、このような画像であれば二次元バーコードに限らない。
[NFCタグ部のハードウェア構成]
次に、図8を用いて、画像形成装置1におけるNFCタグ部4のハードウェア構成について説明する。NFCタグ部4は、NFCタグ制御部21、メモリ22、RF制御部23、RFインターフェイス部24、RFフィールド検知部25、ループアンテナ26などを備える。
NFCタグ制御部21は、NFCタグ部4の各部の制御を行い、制御部3に対して、インターフェイスを介してデータの入出力を行う。NFCタグ制御部21は、タグ読み取り割り込み発生部21aを有する。
タグ読み取り割り込み発生部21aは、携帯端末6とのNFC通信により、携帯端末6からNFCタグデータの読み取りが行われたり、書き込みが行われると、割り込み信号を発生する。なお、タグ読み取り割り込み発生部21aの割り込み信号は、制御部3に出力される。
メモリ22は、NFCタグデータとして、制御部3若しくは携帯端末6から書き込まれたデータを蓄積するものであり、不揮発メモリにより構成されているものとする。また、メモリ22に書き込まれたデータは、制御部3で読み出すことが可能である。
RF制御部23は、外部機器(本実施形態では、携帯端末6)とNFC通信を行う際に、RF通信のための電磁波の変調、復調処理を行うものである。RFはRadio Frequencyの略である。
RFインターフェイス部24は、外部機器(本実施形態では、携帯端末6)とNFC通信を行う際に、電磁波の輻射を受けることにより電磁結合を行い、電磁波の受信、送信の処理を行うものである。
RFフィールド検知部25は、外部機器とのNFC通信において、RFインターフェイス部24が電磁波の輻射を受けている間、電磁場(RFフィールド)を検知するものである。具体的には、RFフィールド検知部25は、電磁波の電力(エネルギー)を検出するものであるとする。なお、RFフィールド検知部25の検知信号は、制御部3に出力される。
ループアンテナ26は、外部機器とNFC通信を行うためのアンテナであり、本実施形態では、携帯端末6から電磁波の輻射を受け、電磁結合を行い、電磁波による通信を行うためにループコイル状に形成されている。
本実施形態では、NFCタグ部4は、携帯端末6から電磁波の輻射を受けることにより電磁結合を行い、この電磁結合により発生する起電力による電力供給を受けて動作するものである。なお、メモリ22、RF制御部23、RFインターフェイス部24は、NFCタグ制御部21から制御されるものとする。
[操作パネル]
次に、図9を用いて操作パネル2の操作表示部20aについて、より詳しく説明する。本実施形態では、操作表示部20aは、NFCアンテナを搭載しており、最下層から、表示部2a、タッチパネルである操作入力部2b、NFCアンテナであるループアンテナ26の順に重畳して配置されている。最外部には、不図示の保護ガラスが配置されていても良い。
即ち、操作表示部20aは、下位層には液晶等の表示部2aが配置される。表示部2aと操作パネルマイコン2d(図7)は、不図示のFlexible Flat Cable(以下FFCと略す)などにて接続されている。表示部2aの上方には、タッチパネルなどの操作入力部2bが配置される。なお、操作パネル2において、上方とは、操作者がタッチ操作する側である。
操作入力部2bは、抵抗式や静電容量式のタッチパネルでもよく、また、光学式の構造でも構わないが、本実施形態では4線式の抵抗式のタッチパネルとする。操作入力部2bのタッチパネルは、4辺に電極が配置されており、各々の電極がFlexible Printed Circuit(以下FPCと略す)などの接続子を介して操作パネルマイコン2dに接続されている。
操作入力部2bの上方には、NFCのアンテナパターンであるループアンテナ26が配置されている。操作入力部2b及びループアンテナ26は透明もしくは半透明なフィルムであり、表示部2aに表示される画像がループアンテナ26の上方から目視可能としている。
本実施形態では、ループアンテナ26を1つのアンテナパターンとしているが、複数のアンテナパターンにより構成しても良い。ループアンテナ26もFPC等の接続子を介して、RFインターフェイス部24に接続されている。
ループアンテナ26は、携帯端末6との通信において操作入力部2bの上に配置することが最も感度が良い。このため、本実施形態では、ループアンテナ26を操作入力部2bの上を覆うように配置している。なお、ループアンテナ26の位置は、これに限らず、例えば、表示部2aと操作入力部2bとの間であっても良い。また、ループアンテナ26と操作入力部2bとは一体に構成しても良い。
本実施形態では、このようにNFC通信を行うためのアンテナであるループアンテナ26を操作パネル2内で、且つ、表示部2aの上方に表示部2aと重畳するように配置している。このため、詳しくは後述するが、操作パネル2上の表示範囲内の所定位置に操作者が携帯端末6をかざすように誘導するような画面を表示部2aに表示することができる。そして、操作者は、携帯端末6を操作パネル2の上にかざすことでNFC通信ができる。
[携帯端末のハードウェア構成]
次に、図10を用いて、携帯端末6のハードウェア構成について説明する。携帯端末6は、制御部31、操作パネル34、記憶装置35、NFC R/W部36、無線LAN通信部37、カメラ38、二次元バーコード解析部39などを備える。制御部31は、携帯端末6を制御するものであり、CPU32、メモリ33から構成される。CPU32は、記憶装置35に記憶されている各種プログラムを読み出して実行する。メモリ33は、CPU32がプログラムを実行することに伴う一時的なデータなどを記憶するものである。
操作パネル34は、操作者による操作指示を入力する構成を備えている。即ち、操作パネル34は、液晶パネルにより構成され各種情報を表示する表示部34aと、その表示部34a上のタッチパネルなどの操作入力部34bで構成される。また、操作に伴う各種の操作音を発生するための操作音発生部34cをあわせて備えている。記憶装置35は、前述した各種プログラムなどを記憶するものである。
NFC R/W部36は、外部機器(本実施形態では画像形成装置1)とNFC通信規格に基づきNFC通信を行い、画像形成装置1と制御部3との間で行われるデータ入出力を行うものである。本実施形態のNFC R/W部36は、NFCのリーダ/ライタとして動作する。即ち、NFC通信によるデータの読み込み及び書き込みを行う。
無線LAN通信部37は、無線LAN規格に基づいて外部機器(本実施形態では画像形成装置1)との通信処理を行い、画像形成装置1と制御部31の間で行われるデータ入出力処理を行う。本実施形態の無線LAN通信部37は、無線LAN規格に基づき無線LAN通信の処理を行うものであり、具体的には無線LAN通信手順にしたがって、データパケットの送信、受信の処理を行う。
カメラ38は、撮像用のカメラである。二次元バーコード解析部39は、読み取った二次元バーコードを解析して二次元バーコードのデータを取得するものである。また、図示していないが、携帯端末6は、バッテリや電源制御部など携帯端末として必要な電源供給の構成を備えている。
[NFC R/W部のハードウェア構成]
次に、図11を用いて、携帯端末6におけるNFC R/W部36のハードウェア構成について説明する。NFC R/W部36は、NFC R/W制御部41、RF制御部42、RFインターフェイス部43、ループアンテナ44などを備える。
NFC R/W制御部41は、NFC R/W部36の各部の制御を行い、制御部31に対して、インターフェイスを介してデータの入出力を行う。RF制御部42は、外部機器とNFC通信を行う際に、RF通信のための電磁波の変調、復調処理を行うものである。RFインターフェイス部43は、外部機器とNFC通信を行う際に、電磁波を輻射して電磁結合を行い、電磁波の受信、送信の処理を行うものである。
ループアンテナ44は、外部機器とNFC通信を行うためのアンテナであり、本実施形態では、画像形成装置1に対して電磁波を輻射して、電磁結合を行い、電磁波による通信を行うためにループコイル状に形成されている。なお、RF制御部42、RFインターフェイス部43は、NFC R/W制御部41により制御されるものとする。
[NFC通信]
次に、図12を用いて、携帯端末6のNFC R/W部36が、画像形成装置1のNFCタグ部4と電磁結合を行い、NFC通信によりNFCタグ部4のNFCタグデータを読み取る動作について説明を行う。なお、詳細なNFC通信の通信プロトコルについてはNFC通信規格に従うものとして、以下には、電磁結合による通信の動作の概要を述べる。
まず、NFC R/W部36は、NFCタグ部4のNFCタグデータの読み取りを行うためのポーリング動作を行う。そして、操作者は、携帯端末6を保持して、携帯端末6のNFC R/W部36を画像形成装置1のNFCタグ部4に近接させる。即ち、携帯端末6を操作パネル2の所定位置に近接又は当接させる。
NFC R/W制御部41は、RF制御部42を制御して、NFCタグを読み取るためのコマンドデータを送信すべく、NFC通信規格に基づき電磁波を変調する。この変調波はRFインターフェイス部43にもたらされる。NFC R/W制御部41は、RFインターフェイス部43を制御して、もたらされた変調波を送信する。
送信された変調波はRFインターフェイス部43からループアンテナ44にもたらされ、電磁波として輻射される。この輻射された電磁波によりNFC R/W部36とNFCタグ部4の近傍にはRFフィールドが生成され、NFC R/W部36とNFCタグ部4は電磁結合する。
NFCタグ部4においては、ループアンテナ26が電磁波の輻射を受けることにより、電磁波が受信される。受信された電磁波は、RFインターフェイス部24にもたらされ、RFインターフェイス部24は電磁結合による起電力を発生する。この起電力によりNFCタグ部4は電力を得て動作する。同時に、RFインターフェイス部24で受信された電磁波は、RF制御部23にもたらされる。
NFCタグ制御部21は、RF制御部23を制御して、RF制御部23にもたらされた変調された電磁波を復調して復調データを得る。NFCタグ制御部21は、復調データを得て、これがNFCタグデータを読み取るためのコマンドデータであることを検知する。
そこで、NFCタグ制御部21は、メモリ22にNFCタグデータとして書き込まれているデータを読み出し、コマンドデータに対するレスポンスデータとしてRF制御部23に転送する。NFCタグ制御部21は、RF制御部23を制御して、NFCタグデータであるレスポンスデータを送信すべく、NFC通信規格に基づき電磁波を変調し、この変調波はRFインターフェイス部24にもたらされる。
NFCタグ制御部21は、RFインターフェイス部24を制御して、もたらされた変調波を送信する。送信された変調波はRFインターフェイス部24からループアンテナ26にもたらされ、電磁波として輻射される。この時点で、NFCタグ制御部21は、NFCタグデータを読み取るためのコマンドデータの受信に対応して、NFCタグデータをレスポンスデータとして送信完了したものとして、タグ読み取り割り込み発生部21aにより割り込み信号を発生させる。
一方、NFC R/W制御部41においては、ループアンテナ44が、NFCタグ制御部21から輻射されたレスポンスデータに基づき変調された電磁波を受信する。受信された電磁波は、RFインターフェイス部43を介して、RF制御部42にもたらされる。
NFC R/W制御部41は、RF制御部42を制御して、RF制御部42にもたらされた変調された電磁波を復調して復調データを得る。そして、NFC R/W制御部41は、NFCタグ部4のNFCタグデータの読み取りが完了したことを制御部31に通知する。同時に、NFC R/W制御部41は、読み取ったNFCタグデータを制御部31に転送する。
携帯端末6においては、NFC R/W部36のNFC R/W制御部41からNFCタグデータの読み取りが完了した通知を受けると、制御部31は、操作パネル34の操作音発生部34cにより、操作完了音を発生させる。
これにより、操作者は、携帯端末6のNFC R/W部36により、画像形成装置1のNFCタグ部4のNFCタグデータの読み取りが完了したことを知ることができる。
なお、画像形成装置1のNFCタグ部4が携帯端末6のNFC R/W部36のデータを取得する場合も、データを出力する側とデータを読み取る側が逆になるのみであり、通信方法は同様である。
ここで、操作者の認証(個人認証、ログイン)や操作者に画像形成装置の使用許可を行うための設定情報である、例えば、IDやPASSWORDなどの情報は、携帯端末6の記憶装置35に記憶されている。携帯端末6のNFC R/W部36は、画像形成装置1のNFCタグ部4からの読み取りに対して、記憶装置35から読み取った上述の設定情報をNFCタグデータとして出力する。これにより、画像形成装置1は、個人認証や使用許可に必要な設定情報を取得することができ、携帯端末6を所持している操作者を認証したり、操作者に使用を許可する。なお、画像形成装置1は、操作者を認証することによっても、操作者に対して装置の使用を許可する。ここで言う装置の使用許可には、記録材への画像形成、原稿の読取装置の使用許可、更には、無線LAN通信の許可などが含まれる。
なお、無線LANダイレクトモードを行うための設定情報である、例えば、SSID、PASSKEY、IPアドレスなどの設定情報は、画像形成装置1の記憶装置13に記憶されている。画像形成装置1のNFCタグ部4のメモリ22には、記憶装置13から読み取ったSSID、PASSKEY、IPアドレスなどの設定情報が書き込まれている。画像形成装置1のNFCタグ部4は、携帯端末6のNFC R/W部36からの読み取りに対して、メモリ22から読み取った上述の設定情報をNFCタグデータとして出力する。これにより、携帯端末6は、無線LAN接続に必要な上記設定情報を取得することができ、画像形成装置1は、携帯端末6を所持している操作者を認証して、この携帯端末6と無線LANの接続を行ったり、単に操作者に無線LAN通信の接続の許可を行う。
このように本実施形態の場合、NFC通信に対応した携帯端末6を操作者が画像形成装置1側のNFCタグ部4にかざすことによって、画像形成装置1や携帯端末6が個人認証や無線LAN接続のための接続情報を取得する。そして、画像形成装置1が個人認証や無線LAN接続の設定を自動的に行う。
[人感センサ]
次に、図13及び図14を用いて、人感センサ15について説明する。図13は、人感センサ15の構成を示すブロック図である。図13に示す様に、人感センサ15は、送信部181、受信部183、超音波送受素子182から構成される。超音波送受素子182は、電気信号を超音波に変換して送信し、又は、超音波を受信して電気信号に変換する。
送信部181は、操作パネルマイコン2dから超音波送信を制御するデジタル信号を受信し、超音波送受素子182により超音波送信を行うためのアナログ信号に変換する。超音波送受素子182が送信部181から超音波送信の電気信号を受けると、超音波送受素子182は発振して超音波を送信する。超音波送受素子182から送信された超音波の送信波184は、人体などの物体に当たると反射する。この超音波の反射波185を超音波送受素子182が受信してアナログ電気信号として受信部183に入力する。
受信部183は、受信した超音波のアナログ電気信号をデジタル信号化し、システムバス114を介して操作パネルマイコン2dに入力する。操作パネルマイコン2dは、送信部181に超音波送信を制御する信号を送信してから受信部183により超音波の反射波185の受信信号を受けるまでの時間を計測する。そして、この時間の動的な変化から、反射波185を生じさせている物体の接近や遠ざかる動きを検知する。なお、人感センサ15との信号のやり取りを行う対象である操作パネルマイコン2dは、制御部3のCPU7であっても良い。
図14は、人感センサ15の検知範囲(所定の領域)Bと操作者70の位置関係を示す。本実施形態では、人感センサ15は、上述のように超音波式のセンサである。人感センサ15の検知範囲Bは、人感センサ15の検知面から扇型状に画像形成装置1の前方に拡がっている。
操作者70が、画像形成装置1の方向に歩いて近づき、図14のように人感センサ15の検知範囲Bに入ると、人感センサ15の検知信号が変化する。操作パネルマイコン2d(図7)は、人感センサ15の検知信号の変化にしたがって、物体の検知アルゴリズムに沿って物体の検出を行う。
本実施形態の超音波式のセンサでは画像形成装置の周囲に置かれた机や柱などの動かないものからの反射される信号も受けてしまうため、検知アルゴリズムによって、近づいてくる操作者70を判別するようにしている。また、検知アルゴリズムによって、画像形成装置1の前を横切るだけの人と、実際に画像形成装置1を使用する人との判別なども行っている。
操作パネルマイコン2dは、検知アルゴリズムにしたがって操作者70を検知した場合、制御部3へ検知信号を送る。制御部3のCPU7は、検知信号にしたがって、画像形成装置1の電源状態をスリープ状態からスタンバイ状態へ変化させたり、スタンバイ状態からスリープ状態に移行しないように保持させるなどの動作の制御を行う。即ち、画像形成装置1がスリープ状態で人感センサ15が人を検知すると、CPU7は、画像形成装置1の状態をスリープ状態からスタンバイ状態へ移行させる。そして、人感センサ15が人を検知している間は、画像形成装置1の状態をスリープ状態に移行させない。
なお、人感センサ15が人を検知しなくなると、自動的にスリープ状態に移行するようにしても良い。また、スタンバイ状態において人感センサ15が人を検知していても、一定時間、画像形成装置への操作がない場合には、スリープ状態に移行するようにしても良い。
[二次元バーコードによる操作者の認証]
次に、操作者が携帯端末6により、画像形成装置1に表示される二次元バーコードを読み取り、画像形成装置1からデータ情報を取得する動作について概要を説明する。本実施形態の画像形成装置1は、前述のNFCタグの読み取りによる無線LANダイレクト接続へのハンドオーバの代替手段として、二次元バーコードの読み取りによる無線LANダイレクト接続へのハンドオーバにも対応している。
従来は、画像形成装置の表示部に二次元バーコードを表示させるため、操作者は画像形成装置の操作パネルの操作入力部を複数回操作する構成が多かった。このように操作パネルを複数回操作すると、画像形成装置は、二次元バーコード生成部を用いて、設定データを二次元バーコードにエンコードして、二次元バーコード画像を生成する。
例えば、従来は、操作者が操作パネルでトップメニュー画面から「モバイル」→「QR表示」のように順番に複数の操作を行う。すると、画像形成装置への無線LANダイレクト接続や通信を行うために必要な設定情報であるSSID、PASSKEY、IPアドレス情報を二次元バーコード画像として生成し、操作パネルの表示部に表示する。一方、操作者は、携帯端末に備えられたカメラにより、二次元バーコード画像を読み取る。読み取った二次元バーコード画像は、二次元バーコード解析部により解析されることにより元の設定データとして復元される。携帯端末は、このように画像形成装置に表示された二次元バーコード画像を読み取り、設定情報を取得することで、無線LANダイレクト接続へのハンドオーバが可能になる。
本実施形態では、操作者の操作性向上を図るべく、操作パネルを複数回操作しなくても二次元バーコードを表示するようにしている。これ以外の無線LANダイレクト接続へのハンドオーバに関する説明は、本実施形態でも従来と同様である。
[無線LAN接続に関する制御]
次に、図15及び図16を用いて、本実施形態に係る無線LAN接続に関する制御について説明する。以下の説明では、操作者をユーザとする。なお、操作者は、ユーザに限らず、画像形成装置1のメンテナンスを行うサービスマンなども含む。
まず、画像形成装置1がスリープモードであるとする。そして、例えば、人感センサ15が人を検知すると、スリープモードからスタンバイ状態に復帰する(S101)。すると、CPU7は、操作パネル2の表示部2aの画面に、読取画像としての二次元バーコードを表示させる(S102)。
この状態のとき、携帯端末6と画像形成装置1とは無線LAN接続がなされていない状態である。例えば携帯端末6のアプリなどで指定した画像データを画像形成装置1に送り画像形成装置1でプリントアウトする場合があるが、スタンバイ状態において画像データは画像形成装置1には送られていない。この場合は、携帯端末6のカメラで二次元バーコードを読み取り、その後Wi−Fi等による無線LAN接続が確立されたことに応じて、画像データが携帯端末6から画像形成装置1に送られる。すなわち、スタンバイ状態は、主電源が投入された状態ではあるが画像データについては携帯端末6から受信していない状態である。
なお、二次元バーコードを表示するタイミングの別例として、画像形成装置1の起動時がある。即ち、画像形成装置1の主電源がONされることで画像形成装置1が起動した場合、操作パネル2に、例えば、最初にその装置の製造者のロゴマークなどの初期画面を表示した後に、ユーザが何も操作することなく二次元バーコードを表示するようにしても良い。この場合、人感センサ15が人を検知していなくても二次元バーコードを表示するようにしても良いし、人感センサ15が人を検知していた時に二次元バーコードを表示するようにしても良い。また、画像形成装置1の電源投入直後の最初の画面に、例えば、ロゴマークと共に二次元バーコードを表示するようにしても良いし、二次元バーコードのみを表示するようにしても良い。
何れにしても、本実施形態では、CPU7は、ユーザが操作しなくてもスタンバイ状態のトップメニューにて操作パネル2の表示部2aに二次元バーコードを表示する。具体的には、図16に示すような二次元バーコード(QRコード:登録商標)1001を操作パネル2の表示部2aに表示する。図16には、二次元バーコード1001に加えて、ユーザに二次元バーコードを読み取る旨の情報1002も表示している。なお、図16に示すような画面に、二次元バーコード1001に加えて、手動により画像形成装置1がユーザを認証するための情報を入力する画面(手動ログイン画面)に移行するボタン(ソフトウェアキー)を表示しても良い。
次に、CPU7は、ユーザが二次元バーコード起因の無線LAN接続要求があったか否かを判断する(S103)。即ち、ユーザが二次元バーコード1001を携帯端末6のカメラ38(図10)で読み取ることで携帯端末6から画像形成装置1に無線LAN接続の要求がされているか否かを判断する。CPU7は、画像形成装置1に対する無線LAN接続要求があったと判断すると(S103のYES)、二次元バーコード起因の無線LAN接続処理を行う(S104)。二次元バーコード起因の無線LAN接続処理については後述する。
そして、二次元バーコードの読み取りにより取得した無線LAN通信の設定情報であるSSID、PASSKEY、IPアドレス情報に問題なければ、無線LAN接続が完了し、CPU7が一連の動作を終了する(S107)。
一方、S103において、CPU7は、画像形成装置1に対する無線LAN接続要求がなかったと判断すると(S103のNO)、NFC読み取りの割り込みが発生したかを判断する(S105)。例えば、ユーザが操作パネル2を操作することで、NFC通信用のターゲットマークを表示部2aに表示し、このターゲットマークに携帯端末6をかざしてNFC通信が行われたか否かを判断する。ターゲットマークは、画像形成装置1と携帯端末6との間でNFC通信を行うために、携帯端末6をかざす所定位置を示すマークである。なお、表示部2a以外にターゲットマークがある場合には、その位置に携帯端末6をかざしてNFC通信が行われたか否かを判断する。
CPU7は、画像形成装置1に対するNFC読み取りの割り込みがあったと判断すると(S105のYES)、NFC起因の無線LAN接続処理を行う(S106)。NFC起因の無線LAN接続処理については後述する。NFCの通信により取得した無線LAN通信の設定情報であるSSID、PASSKEY、IPアドレス情報に問題なければ、無線LAN接続が完了、CPU7が一連の動作を終了する(S107)。
S105において、画像形成装置1に対するNFC読み取りの割り込みがなかったと判断した場合(S105のNO)、S102に戻る。なお、本実施形態では、二次元バーコード又はNFC起因の無線LAN接続が完了するまで、或いは、ユーザが手動で他の画面(例えば手動ログイン画面)に移行するまでは、操作パネル2に二次元バーコード1001を表示し続ける。但し、スタンバイ状態で何も操作されずに所定時間経過してスリープモードに移行した場合には、表示部2aの画面が消え、二次元バーコードが表示されなくなる。
[NFC起因の無線LAN接続]
次に、図17を用いて、NFC起因の無線LAN接続について説明する。ユーザは、NFC通信により携帯端末6と画像形成装置1を無線LAN接続しようとした場合、携帯端末6のNFC読み取りを行うべく、NFC接続の操作を行う(S201)。例えば、携帯端末6がスマートフォンである場合、NFC接続用のアプリを開く。すると、携帯端末6のCPU32(図10)は、操作パネル34の表示部34aに、例えば、図18(a)に示すNFCによる操作画面表示を行う(S202)。
図18(a)では、表示部34aに、NFC通信を行うために、携帯端末6をかざす所定位置を示すターゲットマーク1101、及び、ターゲットマーク1101に携帯端末6をかざす様子を示す画像を表示している。また、表示部34aには、ユーザが携帯端末6をNFCタグがある位置であるターゲットマーク1101に近接(タッチ)するように指示する旨のメッセージ1102も表示している。なお、ユーザが携帯端末6のNFC接続の操作を行う事は必須では無く、このような表示を行わないように構成しても良い。例えば、ユーザが画像形成装置1のNFCタグ部4(図7)の場所を知っている場合、このような表示がなくてもNFC通信を行う事ができる。
次に、携帯端末6のCPU32は、ユーザが携帯端末6を画像形成装置1のターゲットマークに近接(タッチ)させる事で、NFC R/W部36(図10)により、画像形成装置1のNFCタグ部4の読み取りを行う(S203)。前述したように、NFC R/W部36により、画像形成装置1のNFCタグ部4と電磁結合してNFC通信を行うことで、CPU32は、NFCタグ部4のNFCタグデータの読み取りを行う。
次に、携帯端末6のCPU32は、NFCタグ読み取りが完了したかどうか判断する(S204)。即ち、CPU32は、NFC R/W部36による、画像形成装置1のNFCタグ部4とのNFC通信規格に基づくNFC通信が完了しているかどうかを判断する。NFC通信が完了したと判断した場合(S204のYES)は、CPU32は、操作パネル34の操作音発生部34c(図10)により、NFC通信が完了したことを示す、完了音を発生させる(S205)。
一方、S204で、NFC通信が完了していない判断した場合(S204のNO)は、S203に戻り、NFCタグ読み取り動作を繰り返す。なお、所定回数、NFCタグ読み取り動作を繰り返してもNFC通信が完了ない場合には、動作を中止し、携帯端末6の操作パネル34の表示部34aにNFC通信ができなかった旨の表示を行うようにしても良い。
次に、携帯端末6のCPU32は、S204により読み取りを行ったNFCタグデータを無線LANダイレクト接続、通信を行うために必要な設定情報として取得する(S206)。前述したように、画像形成装置1のNFCタグ部4のメモリ22(図8)には、予め、無線LANダイレクト接続、通信を行うために必要な設定情報である、SSID、PASSKEY、IPアドレス情報がNFCタグデータとして書き込まれているものとする。したがって、CPU32は、このNFCタグデータを読み取ったことにより、無線LANダイレクト接続、通信を行うために必要な設定情報である、SSID、PASSKEY、IPアドレス情報を取得したことになる。
次に、携帯端末6のCPU32は、画像形成装置1へ無線LAN接続を行う(S207)。これにより、CPU32は、一連の動作を終了する(S208)。
[二次元バーコード起因の無線LAN接続]
次に、図19を用いて、二次元バーコード起因の無線LAN接続について説明する。ユーザは、二次元バーコードを読み取って携帯端末6と画像形成装置1を無線LAN接続しようとした場合、二次元バーコードの読み取りの操作を行う(S301)。例えば、携帯端末6がスマートフォンである場合、二次元バーコード読み取り用のアプリを開く。すると、携帯端末6のCPU32(図10)は、操作パネル34の表示部34aに、例えば、図18(b)に示す二次元バーコード(QRコード:登録商標)による操作画面表示を行う(S302)。
図18(b)では、表示部34aに、ユーザが携帯端末6のカメラ38(図10)で二次元バーコードを読み取る際に、二次元バーコード画像を撮影するための撮影エリア1103を表示している。また、表示部34aには、ユーザが携帯端末6により画像形成装置1に表示される二次元バーコードを読み取るように指示するメッセージ1104も表示している。
次に、携帯端末6のCPU32は、カメラ38により画像形成装置1の表示部2aに表示される二次元バーコード1001(図16)を読み取る(S303)。即ち、CPU32は、ユーザがカメラ38により撮影エリア1103内に二次元バーコード1001を収めることで、この二次元バーコードを検知し、これを撮影する。その後、CPU32は、二次元バーコード解析部39(図10)により、撮影した二次元バーコード画像を解析して、二次元バーコードデータを得る。
次に、携帯端末6のCPU32は、二次元バーコード読み取りが完了し、データが得られたかどうかを判断する(S304)。二次元バーコードデータが得られたと判断した場合(S304のYES)は、CPU32は、操作パネル34の操作音発生部34c(図10)により、二次元バーコード読み取りが完了したことを示す、完了音を発生させる(S305)。
一方、S304で、二次元バーコードデータが得られていない判断した場合(S304のNO)は、S303に戻り、二次元バーコード読み取り動作を繰り返す。なお、所定回数、二次元バーコード読み取り動作を繰り返しても二次元バーコードの読み取りが完了しない場合には、動作を中止し、携帯端末6の操作パネル34の表示部34aに二次元バーコード読み取りができなかった旨の表示を行うようにしても良い。
次に、携帯端末6のCPU32は、S303により読み取りを行った二次元バーコードデータを無線LANダイレクト接続、通信を行うために必要な設定情報として取得する(S306)。CPU32は、この二次元バーコードを読み取ったことにより、無線LANダイレクト接続、通信を行うために必要な設定情報であるSSID、PASSKEY、IPアドレス情報を取得したことになる。
次に、携帯端末6のCPU32は、画像形成装置1へ無線LAN接続を行う(S307)。これにより、CPU32は、一連の動作を終了する(S308)。
上述したように、本実施形態の場合、画像形成装置1においてトップメニューでユーザの操作なしに読取画像としての二次元バーコードを表示している。このため、二次元バーコードを使用して無線LAN通信の許可や操作者の認証を行う場合の操作者の操作性を向上させられる。言い換えれば、ユーザが、例えば、トップメニュー画面から「モバイル」→「QR表示」のように順番に複数の操作を行う事が不要となる。この結果、操作者が二次元バーコードの読み取りにより画像形成装置1へ接続したい場合に、二次元バーコードを表示させる操作の手間を省くことができる。
なお、上述の説明では、NFCタグデータ及び二次元バーコードデータは、無線LANダイレクト通信を行うための設定情報とし、これを用いて無線LANダイレクト通信にハンドオーバするものとした。但し、本実施形態では、NFCタグデータ及び二次元バーコードデータを他の情報に置き換えて伝達するように構成しても良い。例えば、NFCタグデータ及び二次元バーコードデータ、上述したように個人認証を行うための設定情報(例えば、IDやPASSWORD)とし、これを用いて個人認証のみを行うようにしても良い。
また、二次元バーコードを表示するタイミングは、スリープモードで人感センサ15が人を検知した場合に限らない。例えば、スタンバイ状態において、一度、人感センサ15が人を検知しなくなってからスリープモードに移行しない程度の時間経過して、再度、人感センサ15が人を検知した場合にも二次元バーコードを表示するようにしても良い。このような場合の一例として、認証されて画像形成装置1を使用していた前の操作者が画像形成装置1の前からいなくなり、画像形成装置1がスタンバイ状態のままで別の操作者が画像形成装置1の前に来た場合が考えられる。
<第2の実施形態>
第2の実施形態について、図1ないし図14、図17ないし図19を参照しつつ、図20及び図21を用いて説明する。上述の第1の実施形態では、画像形成装置1の操作パネル2の表示部2aの異なる画面に、二次元バーコードとNFC通信用のターゲットマークとを表示した。これに対して本実施形態では、表示部2aに二次元バーコードとNFC通信用のターゲットマークとを同時に表示するようにしている。その他の構成及び作用は、第1の実施形態と同様であるため、同じ構成については同一の符号を用いて説明し、図示及び説明を省略する。
本実施形態の画像形成装置1のCPU7の動作シーケンスを、図20を用いて説明する。図20は第1の実施形態の図15に示したフローチャートとほぼ同じである。即ち、S402以外は同じである。図15では、人感センサ15が人を検知したりして画像形成装置1がスリープモードからスタンバイ状態に復帰すると、CPU7は、表示部2aの画面に二次元バーコードを表示していた。これに対して、図20では、表示部2aに、二次元バーコード及びNFC通信用のターゲットマークを同時に表示している。
具体的には、S401において、画像形成装置1がスリープモードからスタンバイ状態に復帰すると、CPU7は、表示部2aの画面に、NFC通信用のターゲットマークを読取画像としての二次元バーコードと同時に表示させる(S402)。NFC通信用のターゲットマークは、携帯端末6と画像形成装置1との間で近距離無線通信(NFC)を行うべく携帯端末6をかざす位置を示す画像である。
なお、二次元バーコード及びターゲットマークを表示するタイミングの別例として、画像形成装置1の起動時がある。即ち、画像形成装置1の主電源がONされることで画像形成装置1が起動した場合、操作パネル2にロゴマークなどの初期画面を表示した後に、ユーザが何も操作することなく二次元バーコード及びターゲットマークを表示するようにしても良い。この場合、人感センサ15が人を検知していなくても二次元バーコード及びターゲットマークを表示するようにしても良いし、人感センサ15が人を検知していた時に二次元バーコード及びターゲットマークを表示するようにしても良い。また、画像形成装置1の電源投入直後の最初の画面に、例えば、ロゴマークと共に二次元バーコード及びターゲットマークを表示するようにしても良いし、二次元バーコード及びターゲットマークのみを表示するようにしても良い。
何れにしても、ユーザが操作しなくても画像形成装置1のCPU7は、スタンバイ状態のトップメニューにて表示部2aに、図21に示すように、二次元バーコード1001、及び、NFC通信用のターゲットマーク1003を同時に表示する。図21には、二次元バーコード1001及びターゲットマーク1003に加えて、ユーザに二次元バーコードを読み取るかNFCタッチ操作するか促す旨の情報1004も表示している。なお、図21に示すような画面に、手動により画像形成装置1がユーザを認証するための情報を入力する画面(手動ログイン画面)に移行するボタン(ソフトウェアキー)を表示しても良い。S403以降は、図15のS103以降と同じである。
このような本実施形態の場合も、二次元バーコードを使用して無線LAN通信の許可や操作者の認証を行う場合の操作者の操作性を向上させられる。また、画像形成装置1においてトップメニューでユーザの操作なしにNFC通信用のターゲットマークを表示するため、ターゲットマークを探す手間を減らすことができる。更には、二次元バーコードとNFC通信用のターゲットマークを同時に表示するため、ユーザが何れかを選択し易い。
<第3の実施形態>
第3の実施形態について、図1ないし図14、図17ないし図19を参照しつつ、図22及び図23(a)、(b)を用いて説明する。上述の第1の実施形態では、スリープモードからスタンバイ状態に復帰したときの画面に二次元バーコードを表示した。これに対して本実施形態では、スタンバイ状態に復帰したときの初期画面に対して操作者(以下、ユーザという)がスワイプ操作などの1つの操作をすることで、認証用画面としての二次元バーコードを表示するようにしている。その他の構成及び作用は、第1の実施形態と同様であるため、同じ構成については同一の符号を用いて説明し、図示及び説明を省略する。
まず、本実施形態では、操作パネル2は、タッチ操作に加えて、スワイプ操作が可能である。また、フリックなどの操作も可能としても良い。ここで、操作パネル2に指を接触させる「タッチ」、タッチ操作をした後そのまま操作パネル2から指を離さずに操作パネル2上で指を移動させる操作を「ドラッグ」、タッチ操作をした後に指を操作パネル2から離す操作を「リリース」と定義する。また、タッチ操作後、一定の速度でドラッグ操作を継続し、リリース操作をする操作を「スワイプ」、「スワイプ」よりも短い時間のドラッグ、即ちタッチ操作後、さっと弾くように指を動かす操作を「フリック」と定義する。「スワイプ」は、「フリック」に比べて指を操作パネル2に接触させた状態で動かす範囲が広いという特徴もある。なお、画面をスクロールさせる操作は、スワイプに含まれる。
本実施形態の画像形成装置1のCPU7の動作シーケンスを、図22を用いて説明する。まず、画像形成装置1がスリープモードであるとする。そして、例えば、人感センサ15が人を検知すると、スリープモードからスタンバイ状態に復帰する(S501)。すると、CPU7は、操作パネル2の表示部2aの画面にトップメニュー(初期画面)を表示させる(S502)。
S502では、CPU7は、スタンバイ状態のトップメニューとして、例えば、ユーザIDやパスワードなどを手動で入力する手動ログイン画面を表示部2aに表示する。なお、トップメニューは、「コピー」「スキャン」などの操作アイコン(ソフトウェアキー)を表示した画面であっても良い。この画面において、ユーザがコピーなどのボタンにタッチすると、画像形成装置1は指示された動作を行う。
次に、画像形成装置1のCPU7は、スワイプ操作による画面遷移指示があったか否かを判断する(S503)。この点について、図23(a)、(b)を用いて説明する。まず、図23(a)は、画像形成装置1がスリープモードからスタンバイ状態に復帰した際に操作パネル2の表示部2aに表示される手動ログイン画面(認証画面)の一例である。図23(a)の手動ログイン画面には、ログインに必要なIDの手動入力ボックス201およびパスワードの手動入力ボックス202が表示される。ユーザがそれぞれのボックスをタッチすることで入力先を選択し、キー20b(図2)により情報を入力して手動ログインを行う。なお、ユーザが手動入力ボックスをタッチした場合に、操作パネル2にアルファベットや数字などの文字を入力可能なソフトウェアキーを表示するようにしても良い。この場合、ユーザはタッチ操作することでそれぞれのボックスに情報を入力して手動でログインを行う。
ユーザは、図23(a)の画面において手動でログインする以外に、この画面をスワイプすることで、図23(b)の画面を表示することができる。即ち、図23(a)の状態から指を画面上における右から左へ向けてスワイプすると、図23(b)に示すように、二次元バーコード1001を読み取るための画面が現れる。即ち、CPU7は、ユーザが手動ログイン画面を1回スワイプするだけで二次元バーコード1001を表示させる。
なお、初期画面を表示するタイミングの別例として、画像形成装置1の起動時がある。即ち、画像形成装置1の主電源がONされることで画像形成装置1が起動した場合、操作パネル2に初期画面を表示する。このときの初期画面は、ロゴマークなどであっても良い。そして、ロゴマークが表示された画面を1回スワイプすることで二次元バーコードを表示させる。
S503において、CPU7は、操作パネル2に対してスワイプによる画面遷移指示があったと判断すると(S503のYES)、図23(b)に示したように、操作パネル2の画面に二次元バーコード1001を表示させる(S504)。なお、この画面には、ユーザに二次元バーコードを読み取る旨の情報1002も表示している。また、本実施形態では、この画面において逆方向にスワイプすることで、手動ログイン画面に戻るようにしている。但し、この画面に、手動により画像形成装置1がユーザを認証するための情報を入力する画面(手動ログイン画面)に戻るボタン(ソフトウェアキー)を表示しても良い。S503において、CPU7は、スワイプによる画面遷移指示がなかったと判断した場合(S503のNO)、S502に戻る。
次に、CPU7は、ユーザが二次元バーコード起因の無線LAN接続要求があったか否かを判断する(S505)。S505は、図15のS103と同じである。CPU7は、画像形成装置1に対する無線LAN接続要求があったと判断すると(S505のYES)、二次元バーコード起因の無線LAN接続処理を行う(S506)。そして、二次元バーコードの読み取りにより取得した無線LAN通信の設定情報であるSSID、PASSKEY、IPアドレス情報に問題なければ、無線LAN接続が完了し、CPU7が一連の動作を終了する(S510)。
一方、S505において、CPU7は、画像形成装置1に対する無線LAN接続要求がなかったと判断すると(S505のNO)、NFC読み取りの割り込みが発生したかを判断する(S507)。S507は、図15のS105と同じである。CPU7は、画像形成装置1に対するNFC読み取りの割り込みがあったと判断すると(S507のYES)、NFC起因の無線LAN接続処理を行う(S508)。NFCの通信により取得した無線LAN通信の設定情報であるSSID、PASSKEY、IPアドレス情報に問題なければ、無線LAN接続が完了、CPU7が一連の動作を終了する(S510)。
S507において、CPU7は、画像形成装置1に対するNFC読み取りの割り込みがなかったと判断した場合(S507のNO)、スワイプ操作による画面遷移指示があったか否かを判断する(S509)。CPU7は、スワイプによる画面遷移指示があったと判断すると(S509のYES)、S502に戻り、操作パネル2にトップメニューを表示する。
一方、S509において、CPU7は、スワイプによる画面遷移指示がなかったと判断すると(S509のNO)、S504に戻る。なお、本実施形態では、二次元バーコード又はNFC起因の無線LAN接続が完了するまで、或いは、手動ログイン画面に戻るまでは、操作パネル2に二次元バーコード1001を表示し続ける。但し、スタンバイ状態で何も操作されずに所定時間経過してスリープモードに移行した場合には、表示部2aの画面が消え、二次元バーコードが表示されなくなる。
上述したように、本実施形態では、画像形成装置1においてトップメニューでユーザが1つの操作(本実施形態ではスワイプ操作)を行うだけで二次元バーコードを表示する。このため、二次元バーコードを使用したいユーザの手間を減らすことができる。
即ち、本実施形態では、スリープモードからスタンバイ状態に復帰したことに応じて表示される手動ログイン画面において、ユーザは1度のスワイプ操作をするだけで二次元バーコードが表示される画面に切り替えることが可能である。このため、ユーザは、携帯端末6で二次元バーコードを読み取ることで無線LAN通信の許可や認証を行い場合に、手動ログイン画面から何度も操作パネル2をタッチする必要はなく、1度だけ画面をスワイプするだけで操作パネル2に二次元バーコード画面を表示させることができる。
なお、上述の説明では、スリープモードからスタンバイ状態に復帰したときに表示される初期画面に対してスワイプ操作を一度行うことで二次元バーコードを表示した。但し、初期画面に対して、タッチ、フリックなどの操作を一度行うことで二次元バーコードを表示するようにしても良い。即ち、二次元バーコードを表示すべく、初期画面に対して操作者が行う1つの操作は、スワイプ操作に限らず、タッチ、フリックなどの操作であっても良い。タッチやフリックなどの操作を行う場合、初期画面に二次元バーコードを表示する旨のボタンを表示して、このボタンをタッチ又はフリックするようにしても良い。また、スワイプ操作を行う場合に、初期画面にスワイプにより二次元バーコードを表示する旨を表示しても良いし、更にはスワイプする方向を表示するようにしても良い。
また、本実施形態では、初期画面に対して1つの操作を行うことで二次元バーコードを表示したが、第2の実施形態と同様に、二次元バーコードとNFC通信用のターゲットマークを同時に表示しても良い。
<他の実施形態>
上述の各実施形態では、携帯端末6とNFC通信を行うためのNFCタグ部4のループアンテナ26を操作パネル2内に配置した構成について説明した。但し、ループアンテナ26は、操作パネル2外にあっても良い。例えば、操作パネル2に隣接した位置に設けても良い。この場合、携帯端末6を画像形成装置1の所定位置にかざす旨を示す画面において、ループアンテナ26が配置されている位置を、携帯端末6をかざす所定位置として表示する。
また、上述の各実施形態では、人感センサ15が人を検知すると、画像形成装置1をスリープモードからスタンバイ状態としていたが、人感センサ15を省略しても良い。この場合、例えば、操作パネル2にスリープモードを解除できるボタンを設け、このボタンを操作することでスリープモードを解除するようにしても良いし、キー20bの何れかのボタンを操作することでスリープモードを解除するようにしても良い。或いは、操作表示部20aをタッチすることでスリープモードを解除するようにしても良い。