JP2021075091A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】内圧変化に伴うタイヤの変形を抑制し、ビード部近傍における局所的な変形を抑制して転がり抵抗の低減を可能にした空気入りタイヤを提供する。【解決手段】正規内圧の10%を付与した際のカーカスラインを、曲率半径が異なる複数の円弧を連結して全体としてタイヤ幅方向外側に向かって凸となるように湾曲した曲線Sとタイヤ幅方向内側に向かって凸となるように湾曲した曲線Tとで構成し、曲線S上の点Piにおける曲率半径Riと、隣接点Pi+1における曲率半径Ri+1とが|Ri+1−Ri|/|(Ri+1+Ri)/2|≦0.25の関係を満たし、曲線Sと曲線Tとの連結点Qにおいて傾きθSと傾きθTとが|θS−θT|≦8°の関係を満たし、カーカス層4の最大外径位置の径方向高さHαと、タイヤ最大幅位置の径方向高さHβとの比Hβ/HαがHβ/Hα≧0.58の関係を満たすようにする。【選択図】図3

Description

本発明は、主としてトラック・バス用タイヤとして好適な空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、内圧変化に伴うタイヤの変形を抑制し、ビード部近傍における局所的な変形を抑制して転がり抵抗の低減を可能にした空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤ(特に、トラック・バス用タイヤ)のカーカスライン形状は、タイヤをリム組みし、正規内圧の10%の内圧を充填したときにおける形状が、主としてタイヤ平衡形状理論から求められた形状(平衡カーカスライン)に近似したものであることが好ましいとされている(例えば、特許文献1を参照)。平衡カーカスラインとは、タイヤに正規内圧を充填したとき、カーカス層の張力が、その内圧とカーカス層がベルト層と重なる区域に発生する反力以外には実質的に何らの力を受けない場合に、これらの力と釣り合って形成されるカーカス層の自然平衡形状のことである。正規内圧の10%の内圧を充填したときにおける形状が平衡カーカスラインに近似していると、内圧変化に伴ってタイヤに余計な変形が発生することを抑制できるので、転がり抵抗の低減にも効果が見込まれる。
しかしながら、ビード部近傍においては、ビードフィラー等のタイヤ構成部材が配置されるため、前述の平衡カーカスラインを維持しにくいという問題がある。カーカスライン形状が、平衡カーカスラインから逸脱した形状であると、内圧変化に伴うタイヤの変形を抑制することができず、例えば、ビード部近傍(特に、カーカスライン形状が平衡カーカスラインから外れる部分)で局所的な変形が増大してしまい、転がり抵抗が悪化する虞がある。
特許第2614461号公報
本発明の目的は、内圧変化に伴うタイヤの変形を抑制し、ビード部近傍における局所的な変形を抑制して転がり抵抗の低減を可能にした空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備え、前記一対のビード部間に装架された少なくとも1層のカーカス層と、前記トレッド部における前記カーカス層の外周側に配置された複数層のベルト層を有する空気入りタイヤにおいて、タイヤ子午線断面において、正規内圧の10%を付与した際に前記トレッド部を除く領域で前記カーカス層が形成するカーカスラインが、前記トレッド部側に位置する曲線Sと前記ビード部側に位置する曲線Tとで構成され、前記曲線Sは、曲率半径が異なる複数の円弧を連結して構成されて全体としてタイヤ幅方向外側に向かって凸となるように湾曲しており、前記曲線Tはタイヤ幅方向内側に向かって凸となるように湾曲しており、前記曲線S上の任意の点Pi における前記曲線Sの曲率半径Ri と、前記点Pi から前記ビード部側に前記カーカスラインに沿って5mm離間した隣接点Pi+1 における前記曲線Sの曲率半径Ri+1 とが、|Ri+1 −Ri |/|(Ri+1 +Ri )/2|≦0.25の関係を満たし、前記曲線Sと前記曲線Tとが連結する点Qにおいて、点Qから前記トレッド部側に前記曲線Sに沿って5mm離間した隣接点PS と前記点Qとを結んだ線分の傾きθS と、点Qから前記ビード部側に前記曲線Tに沿って5mm離間した隣接点PT と前記点Qとを結んだ線分の傾きθT との差の絶対値|θS −θT |が、|θS −θT |≦8°の関係を満たし、前記曲線Tのタイヤ径方向内側端から前記カーカス層の最大外径位置までの径方向高さHαと、前記曲線Tのタイヤ径方向内側端からタイヤ最大幅位置までの径方向高さHβとの比Hβ/HαがHβ/Hα≧0.58の関係を満たすことを特徴とする。
本発明においては、上述の構造を有することで、カーカスラインの大半の部分を、実質的にタイヤ平衡形状理論から求められた形状(平衡カーカスライン)にすることができ、内圧変化があっても変形を抑制することができ、ビード部近傍における局所的な変形を抑制して転がり抵抗を低減することができる。具体的には、上述の|Ri+1 −Ri |/|(Ri+1 +Ri )/2|≦0.25の関係を満たすことで、点Pi の位置でカーカスライン(曲線S)を構成する円弧と隣接点Pi+1 の位置でカーカスライン(曲線S)を構成する円弧とで曲率半径の差が微細になり、曲線Sが全体として平衡カーカスラインに近似した滑らかな曲線となる。また、上述のHβ/Hα≧0.58の関係を満たすことで、タイヤ最大幅位置がタイヤ径方向外側に寄る傾向になり、タイヤ幅方向内側に向かって凸となるように湾曲した曲線Tと滑らかに接続しやすくなり、平衡カーカスラインを達成しやすくなる。また、これによりバットレス部の厚みを抑制することもできるので、転がり抵抗を低減する効果も得ることができる。更に、上述の|θS −θT |≦8°の関係を満たすことで、タイヤ幅方向外側に向かって凸となるように湾曲した曲線Sとタイヤ幅方向内側に向かって凸となるように湾曲した曲線Tとは滑らかに接続することになる。このような各部の湾曲形状や連結形状によって構成されたカーカスラインの全体的な形状は、ベルト層やビードフィラーやビードコアに接しない部分(曲線S)において平衡カーカスラインに近似しながら、タイヤ幅方向内側に向かって凸となるように湾曲した曲線Tと滑らかに接続するため、内圧変化があっても変形を抑制することができ、転がり抵抗を低減することができる。
本発明においては、ベルト端部を通るカーカスラインの法線とカーカスラインとの交点を点Aとし、タイヤ最大幅位置におけるカーカスライン上の点を点βとしたとき、点Aと点βを結ぶ線分の長さLと、点Aから点βまでのカーカスラインに沿った長さKとが(K/L)3 <1.25の関係を満たすことが好ましい。このような構造にすることで、主溝近傍における接地長を抑制することができ、粘弾性特性に起因する接地圧分布のピーク位置が偏心することを抑制でき、転がり抵抗の更なる低減を図ることができる。
本発明においては、曲線Sと曲線Tとが連結する点Qにおける曲線Sの曲率半径RQ と、ベルト端部を通るカーカスラインの法線とカーカスラインとの交点Aにおける曲線Sの曲率半径RA との比RQ /RA が、RQ /RA ≧2.3の関係を満たすことが好ましい。このような関係に設定することで、点Qにおける曲線Sの曲率半径RQ が交点Aにおける曲線Sの曲率半径RA に対して十分に大きくなり、カーカスライン(曲線S)の形状が良好になり、ビード部近傍における局所的な変形を抑制して転がり抵抗を低減するには有利になる。
本発明においては、曲線Tのペリフェリ長さUが、U≦30mmの関係を満たすことが好ましい。これにより、カーカスラインのうち、タイヤ幅方向内側に向かって凸となるように湾曲した曲線Tで構成される部分を少なくすることができるので、ビード部近傍における局所的な変形を抑制して転がり抵抗を低減するには有利になる。
本発明においては、ビード部に子午線断面形状が六角形であるビードコアを備え、ビードコアの6つの頂点のうち最内径側の頂点を第一頂点とし、残りの頂点を第一頂点から反時計回りに第二乃至第六頂点とし、第一頂点と第二頂点とがなす辺に含まれるビードワイヤの周回部分の本数をN12、第二頂点と第三頂点とがなす辺に含まれるビードワイヤの周回部分の本数をN23、第三頂点と第四頂点とがなす辺に含まれるビードワイヤの周回部分の本数をN34、第四頂点と第五頂点とがなす辺に含まれるビードワイヤの周回部分の本数をN45、第五頂点と第六頂点とがなす辺に含まれるビードワイヤの周回部分の本数をN56、第六頂点と第一頂点とがなす辺に含まれるビードワイヤの周回部分の本数をN61としたとき、これら本数が4≦(N12−N45)+(N34−N61)+(N56−N23)≦10の関係を満たすことが好ましい。これにより、ビードコアの形状によってビード等の浮き上がり変形を抑制することも可能になり、ビード部近傍における局所的な変形を抑制して、ビード部における発熱を抑制することができるので、転がり抵抗を低減するには有利になる。
本発明において、「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えば、JATMAであれば標準リム、TRAであれば“Design Rim”、或いはETRTOであれば“Measuring Rim”とする。「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表“TIRE ROAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“INFLATION PRESSURE”であるが、タイヤが乗用車用である場合には180kPaとする。「正規荷重」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば表“TIRE ROAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“LOAD CAPACITY”であるが、タイヤが乗用車用である場合には前記荷重の88%に相当する荷重とする。
本発明の実施形態からなる空気入りタイヤの子午線断面図である。 本発明の実施例からなる空気入りタイヤのビードコアを拡大して示す子午線断面図である。 本発明の実施形態からなる空気入りタイヤのカーカスラインの形状を模式的に示す説明図である。 図3の点Qの近傍を拡大して示す説明図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、本発明の空気入りタイヤは、トレッド部1と、このトレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2と、サイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3とを備えている。図1において、符号CLはタイヤ赤道を示す。尚、図1は子午線断面図であるため描写されないが、トレッド部1、サイドウォール部2、ビード部3は、それぞれタイヤ周方向に延在して環状を成しており、これにより空気入りタイヤのトロイダル状の基本構造が構成される。以下、図1を用いた説明は基本的に図示の子午線断面形状に基づくが、各タイヤ構成部材はいずれもタイヤ周方向に延在して環状を成すものである。
左右一対のビード部3間にはカーカス層4が装架されている。このカーカス層4は、タイヤ径方向に延びる複数本の補強コードを含み、各ビード部3に配置されたビードコア5の廻りに車両内側から外側に折り返されている。また、ビードコア5の外周上にはビードフィラー6が配置され、このビードフィラー6がカーカス層4の本体部と折り返し部とにより挟み込まれている。
ビードコア5の断面形状は特に限定されないが、図1,2に示すように、タイヤ径方向外側に辺を備えた多角形状(例えば、図示の六角形状)であるとよい。詳述すると、ビードコア5は、図2に拡大して示すように、タイヤ周方向に巻回された少なくとも1本のビードワイヤ5Aからなり、ビードワイヤ5Aの複数の周回部分がタイヤ幅方向に並ぶ少なくとも1つの列とタイヤ径方向に重なる複数の層を形成しているとよい。そして、子午線断面において、ビードワイヤ5Aの複数の周回部分の共通接線(図中の破線)がタイヤ径方向外側に辺を備えた多角形状(例えば、図示の六角形状)を形成しているとよい。このような形状を有していれば、ビードコア5の構造は、単一のビードワイヤ5Aを連続的に巻回した所謂一本巻き構造であっても、複数本のビードワイヤ5Aを引き揃えた状態で巻回した所謂層巻き構造であってもよい。
トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には複数層(図1では4層)のベルト層7が埋設されている。各ベルト層7は所定の方向に配向された複数本の補強コード(スチールコード)を含む。複数のベルト層7の中には交差ベルト対が必ず含まれる。交差ベルト対とは、タイヤ周方向に対する補強コードの傾斜角度が10°〜40°の範囲に設定され、且つ、層間で補強コードの傾斜方向が逆転することで補強コードどうしが互いに交差するように構成された少なくとも2層のベルト層の組み合わせである。交差ベルト対の他には、タイヤ周方向に対する補強コードの傾斜角度が40°〜70°の範囲に設定された高角度ベルト層や、最外層に配置されて他のベルト層の85%以下の幅を有する保護ベルト層や、タイヤ周方向に対する補強コードの角度が0°〜5°の範囲に設定された周方向補強層などを任意で設けることもできる。例えば、図1では、最外層に1層の保護ベルト層が配置され、且つ、最内層に1層の高角度ベルト層が配置されており、他の2層が交差ベルト対である。以降の説明において「ベルト端部」とは、交差ベルト対の中で最も幅が狭いベルト層7のタイヤ幅方向外側の端部を指す。更に、ベルト層7の外周側にはベルト補強層(不図示)を設けることもできる。ベルト補強層は、例えばタイヤ周方向に配向する有機繊維コードで構成することができる。ベルト補強層8において、有機繊維コードはタイヤ周方向に対する角度が例えば0°〜5°に設定されている。
本発明は、カーカス層4が形成するカーカスラインの形状に関するものであるので、前述の構成部材からなる一般的な空気入りタイヤに適用することができ、その基本構造は上述のものに限定されない。尚、本発明において、カーカスラインとは、タイヤ子午線断面において、カーカス層4の外表面(タイヤ外周側の表面)が形成する輪郭線である。複数のカーカス層4が設けられる場合は、最内層側のカーカス層の外表面が形成する輪郭線をカーカスラインとする。
本発明においては、正規内圧の10%を付与した際にトレッド部1を除く領域でカーカス層4が形成するカーカスラインが、図3に示すように、トレッド部1側に位置する曲線Sと、ビード部3側に位置する曲線Tとで構成され、これら曲線Sと曲線Tとは点Qにおいて接続している。図3では、カーカス層4の一部と2層のベルト層7とビードコア5を抽出している。図3のカーカス層4は、ビードコア5の外側に折り返された部分は省略している。トレッド部1を除く領域とは、厳密には、ベルト端部(前述の交差ベルト対の中で最も幅が狭いベルト層7のタイヤ幅方向外側の端部)を通るカーカスラインの法線(図中の破線)とカーカスラインとの交点Aと、ビードコア5のタイヤ径方向外側の辺の延長線(図中の破線)とカーカスラインとの交点(コア離反点B)との間の領域である。つまり、曲線Sとは、正規内圧の10%を付与した際にカーカス層4が形成するカーカスラインにおける交点Aから点Qまでの部分であり、曲線Tとは、正規内圧の10%を付与した際にカーカス層4が形成するカーカスラインにおける交点Qからコア離反点Bまでの部分である。
上述のように定義された曲線Sは、曲率半径が異なる複数の円弧を接続して構成されており、全体としてタイヤ幅方向外側に向かって凸となるように湾曲している。上述のように定義された曲線Tは、全体としてタイヤ幅方向内側に向かって凸となるように湾曲しており、曲線Sと同様に、曲率半径が異なる複数の円弧を連結して構成してもよい。曲線Sと曲線Tとは湾曲する向き(凸となる向き)が逆であるため、点Qは、曲線Sと曲線Tとの間で湾曲する向きが逆転する点であるということもできる。
本発明では、曲線Sについて、曲線S上の任意の点Pi における曲線Sの曲率半径をRi とする。また、この点Pi からビード部3側にカーカスラインに沿って(5×n)mm離間した点をPi+n とし、このPi+n における曲線Sの曲率半径をRi+n とする(nは1以上の整数である)。言い換えると、曲線S上の任意の点Pi を基準として点Q側(ビード部3側)に向かってカーカスラインに沿って5mm間隔で点を打ったとき、点Pi からn番目(nは1以上の整数)の点をPi+n とし、その点Pi+n における曲線Sの曲率半径をRi+n とする。例えばn=2の場合、つまり、点Pi から点Q側(ビード部3側)にカーカスラインに沿って5×2=10mm離間した点(点Pi から5mm間隔の点の2番目の点)は点Pi+2 であり、この点Pi+2 における曲線Sの曲率半径はRi+2 である。
本発明では、特に、n=1の場合の点Pi+n を隣接点Pi+1 と呼ぶ。この隣接点Pi+1 とは、点Pi から前記ビード部3側に前記カーカスラインに沿って5mm(5×1mm)離間した点(点Pi から5mm間隔の点の1番目の点)であり、この隣接点Pi+1 における曲線Sの曲率半径はRi+1 である。このとき、本発明では、任意の点Pi における曲率半径Ri と隣接点Pi+1 における曲率半径Ri+1 とが|Ri+1 −Ri |/|(Ri+1 +Ri )/2|≦0.25の関係を満たしている。このように曲率半径を設定することで、曲線Sにおいては、カーカスラインを構成する複数の円弧の曲率が実質的に連続的に滑らかに変化し、実質的に平衡カーカスラインを構築することができる。そのため、内圧変化に伴う変形を抑制して、特にビード部3の近傍における局所的な変形を抑制することができるので、転がり抵抗を低減することができる。このとき、曲率半径Ri と曲率半径Ri+1 とが|Ri+1 −Ri |/|(Ri+1 +Ri )/2|>0.25の関係であると、点Pi の位置で曲線Sを構成する円弧と隣接点Pi+1 の位置で曲線Sを構成する円弧とが滑らかに接続せず、平衡カーカスラインからの乖離が大きくなり、内圧変化に伴う変形を抑制する効果が十分に見込めなくなる。
上述のように、曲線Sと曲線Tとは点Qを介して連結している。このとき、図4に拡大して示すように、点Qから点A側(トレッド部1側)に曲線Sに沿って5mm離間した点をPS とし、この点PS と点Qとを結んだ線分の傾き(タイヤ幅方向に対する角度)をθS とする。同様に、点Qから点B側(ビード部3側)に曲線Tに沿って5mm離間した点をPT とし、この点PT と点Qとを結んだ線分の傾き(タイヤ幅方向に対する角度)をθT とする。このとき、傾きθS ,θT の差の絶対値|θS −θT |は、|θS −θT |≦8°、好ましくは|θS −θT |≦5°の関係を満たすとよい。このように点Q近傍の構造を規定することで、凸となる方向が逆になる曲線Sと曲線Tとが滑らかに接続することになる。即ち、曲線Sが平衡カーカスラインを形成していてもタイヤ幅方向内側に凸となる曲線Tと滑らかに接続することが可能になる。その結果、ビード部3の近傍における局所的な変形を抑制して、ビード部3における発熱を抑制することができるので、転がり抵抗を低減することができる。このとき、傾きθS ,θT の差の絶対値|θS −θT |が8°を超えると、曲線Sと曲線Tとが滑らかに接続せず、非連続になるため、点Q近傍において局所的に大きな変形が生じやすくなり、転がり抵抗を低減する効果が見込めなくなる。
更に、曲線Tのタイヤ径方向内側端(即ち、コア離反点B)の位置を基準として、このコア離反点Bの位置からカーカス層4の最大外径位置までのタイヤ径方向に沿った距離を径方向高さHαとし、コア離反点Bの位置からタイヤ最大幅位置までのタイヤ径方向に沿った距離を径方向高さHβとすると、本発明では、これら径方向高さの比Hβ/HαがHβ/Hα≧0.58の関係を満たしている。このような関係を満たすことで、タイヤ最大幅位置がタイヤ径方向外側に寄る傾向になり、タイヤ幅方向内側に向かって凸となるように湾曲した曲線Tと滑らかに接続しやすくなり、平衡カーカスラインを達成しやすくなる。また、タイヤ最大幅位置がタイヤ径方向外側に寄ることで、ベルト層7の端部近傍からタイヤ最大幅位置にかけてのカーカス層4の湾曲形状が良好になり、それによってバットレス部の厚みを抑制することもできるので、転がり抵抗を効果的に低減することができる。このとき、比Hβ/HαがHβ/Hα<0.58の関係であると、タイヤ最大幅位置がタイヤ径方向内側に寄る傾向になり、曲線Sと曲線Tとを滑らかに接続することが難しくなり、良好なカーカスラインが得られず、転がり抵抗を低減する効果が十分に見込めなくなる。また、バットレス部の厚みを抑制することもできなくなるため、この点からも、転がり抵抗を十分に低減することができなくなる。
本発明では、上述の条件(|Ri+1 −Ri |/|(Ri+1 +Ri )/2|≦0.25、|θS −θT |≦8°、Hβ/Hα≧0.58)を組み合わせてカーカスラインを構成しているので、これらの協働によって得られる各部の湾曲形状や連結形状に基づいて、ベルト層7やビードフィラー6やビードコア5に接しない部分(曲線S)において平衡カーカスラインに近似しながら、タイヤ幅方向内側に向かって凸となるように湾曲した曲線Tと滑らかに接続する良好な湾曲形状を得ることができる。これにより、内圧変化があっても余計な変形が発生することを抑制することができ、ビード部3の近傍における局所的な変形を抑制することができるので、転がり抵抗を低減することができる。
尚、本発明において、曲率半径は、下記式に基づいて算出するものとする。
i ={1+(dy/dz)2 3/2 /(d2y/dz2
(上記式において、dzはタイヤ径方向の隣接点間距離(点Pi と点Pi+1 との間の距離)であり、dyはタイヤ幅方向の隣接点間距離(点Pi と点Pi+1 との間の距離)である。)
実際のタイヤにおいては、CTスキャン等で撮影された断面形状に基づいて、カーカスラインを構成する複数の点群データを離散化してカーカスラインの形状や曲率半径を判断する。例えば、カーカスライン上の点Pi を中心とする半径10mmの円内に含まれる領域においてカーカスラインを構成する複数の点群データを用いて回帰曲線を作成することができる。このとき、回帰曲線の作成は、3次式で回帰する方法、最小二乗法で回帰する方法、3点を通る円弧で近似する方法のいずれを採用してもよい。隣接点Pi+1 は、このようにして作成された回帰曲線と、点Pi を中心とする半径5mmの円との交点として決定することができる。曲線S、曲線Tの区別(曲線S,Tが凸となる向きの判定)は、上記のように求めたカーカスラインの曲率半径の符号によって判別することができる。点Qについても、カーカスラインの曲率半径の符号によって判別した曲線S,Tの接続する点として判別することができる。
上述のようにカーカスラインを設定するにあたって、曲率半径Ri と曲率半径Ri+2 とがRi+2 /Ri ≧1.0の関係を満たし、且つ、交点Aにおける曲線Sの曲率半径RA と点Qにおける曲線Sの曲率半径RQ とがRQ >RA の関係を満たしていることが好ましい。このように曲率半径を設定することで、曲線Sにおいてカーカスラインを構成する複数の円弧の曲率が実質的に連続的に滑らかに変化するだけでなく、曲率半径が点Aからタイヤ径方向内側(点Q側)に向かって増大することになる。これにより、実質的に平衡カーカスラインとなった曲線Sを曲線Tに滑らかに接続することができる。その結果、内圧変化があっても余計な変形が発生することを抑制することができ、ビード部3の近傍における局所的な変形を抑制することができるので、転がり抵抗を低減するには有利になる。このとき、曲率半径Ri と曲率半径Ri+2 とがRi+2 /Ri <1.0の関係であると、平衡カーカスラインからの乖離が大きくなり、内圧変化に伴う変形を十分に抑制することができない。曲率半径RA と曲率半径RQ とがRQ ≦RA の関係であると、曲線Sを曲線Tに対して滑らかに接続できなくなるため、ビード部3の近傍における局所的な変形を抑制する効果が限定的になる。
点Qにおける曲線Sの曲率半径RQ と交点Aにおける曲線Sの曲率半径RA とは、上述の関係(RQ >RA )を満たすだけでなく、好ましくは比RQ /RA が、RQ /RA ≧2.3の関係を満たすとよい。このような関係に設定することで、点Qにおける曲線Sの曲率半径RQ を交点Aにおける曲線Sの曲率半径RA に対して十分に大きくすることができ、カーカスライン(曲線S)の形状が良好になり、内圧変化があっても余計な変形が発生することを抑制することができる。特に、点Qの位置をタイヤ幅方向内側寄りに設定して、曲線Sを曲線Tに滑らかに接続しやすくすることができるので、ビード部3の近傍における局所的な変形を抑制して、転がり抵抗を低減するには有利になる。このとき、比RQ /RA が2.3未満であると、カーカスライン(曲線S)の形状を最適化することができず、転がり抵抗を低減する効果が限定的になる。
上述のように径方向高さの比Hβ/HαをHβ/Hα≧0.58の関係にしただけでは、却ってベルト層7が内圧を分担する割合が増す可能性があり、接地長の増加を招いて、転がり抵抗に影響を及ぼす虞がある。そのため、タイヤ最大幅位置におけるカーカスライン上の点(コア離反点Bからの径方向高さがHβである曲線S上の点)を点βとしたとき、前述の交点Aと点βを結ぶ線分の長さLと、点Aから点βまでのカーカスライン(曲線S)に沿った長さKとが(K/L)3 <1.25の関係を満たすようにすることが好ましい。このような構造にすることで、ベルト層7の端部近傍からタイヤ最大幅位置にかけてのカーカス層4の湾曲形状が良好になり、接地長(特に、主溝近傍における接地長)の増加を抑制することができ、粘弾性特性に起因する接地圧分布のピーク位置の偏心を抑制して転がり抵抗の更なる低減を図ることができる。このとき、長さK,Lが(K/L)3 ≧1.25の関係であると、カーカスラインの湾曲形状が良好にならず、転がり抵抗の更なる低減は見込めなくなる。
曲線Tは、ビード部3に配置される構成部材(ビードコア5、ビードフィラー6等)によって、必然的に、タイヤ幅方向内側に向かって凸となるように湾曲し、平衡カーカスラインからは逸脱する領域である。即ち、カーカスラインの全体を平衡カーカスラインに近似させることを意図すると、曲線Tで構成される部分は少ないほうが好ましいことになる。そこで、曲線Tのペリフェリ長さUが、U≦30mmの関係を満たすようにすることが好ましい。これにより、曲線T(カーカスラインのうち、タイヤ幅方向内側に向かって凸となるように湾曲した部分)を少なくすることができるので、ビード部3の近傍における局所的な変形を抑制して、転がり抵抗を低減するには有利になる。このとき、曲線Tのペリフェリ長さUが30mmを超えると、タイヤ幅方向内側に向かって凸となって平衡カーカスラインからは逸脱する領域が多くなり、ビード部3の近傍における局所的な変形を抑制する効果が限定的になる。
ビードコア5は、上述のように断面多角形状を有することが好ましいが、特に、図2に示すように、断面六角形状であることが好ましい。このように断面六角形状のビードコア5を設ける場合、ビードコア5の6つの頂点のうち最もタイヤ内径側に位置する頂点を第一頂点V1とし、残りの頂点を第一頂点から反時計回りに第二乃至第六頂点V2〜V6とする。第二乃至第六頂点V2〜V6の位置は、ビードコア5を構成するビードワイヤ5Aの周回部分のタイヤ幅方向の配列状態やタイヤ径方向の積層状態によって決定するが、図示のように、第二頂点V2は第一頂点の次にタイヤ内径側に位置し、第三頂点V3は最もタイヤ幅方向外側に位置し、第四頂点V4は最もタイヤ外径側に位置し、第五頂点V5は第四頂点の次にタイヤ外径側に位置し、第六頂点V6は最もタイヤ幅方向内側に位置しているとよい。
また、断面六角形状のビードコア5においては、第一頂点V1と第二頂点V2とがなす辺L12に含まれるビードワイヤ5Aの周回部分の本数をN12、第二頂点V2と第三頂点V3とがなす辺L23に含まれるビードワイヤ5Aの周回部分の本数をN23、第三頂点V3と第四頂点V4とがなす辺L34に含まれるビードワイヤ5Aの周回部分の本数をN34、第四頂点V4と第五頂点V5とがなす辺L45に含まれるビードワイヤ5Aの周回部分の本数をN45、第五頂点V5と第六頂点V6とがなす辺L56に含まれるビードワイヤ5Aの周回部分の本数をN56、第六頂点V6と第一頂点V1とがなす辺L61に含まれるビードワイヤ5Aの周回部分の本数をN61としたとき、これら本数が4≦(N12−N45)+(N34−N61)+(N56−N23)≦10の関係を満たすことが好ましい。例えば、図示の例では、N12が6本、N23が3本、N34が6本、N45が4本、N56が5本、N61が4本であるので、(N12−N45)+(N34−N61)+(N56−N23)=(6−4)+(6−4)+(5−3)=6という関係になっている。このような構造にすることで、ビードコア5の重心位置をビードトウ側に寄せることができ、ビードトウの浮き上がり変形を抑制することが可能になる。その結果、カーカス層4の形状(カーカスライン)だけでなくビードコア5の形状によってもビード部3の近傍における局所的な変形を抑制することが可能になる。即ち、ビード部3における発熱を抑制して、転がり抵抗の更なる低減を図ることができる。このとき、上述の本数の関係を満たさないと、ビードコア5の重心位置をビードトウ側に寄せることができず、ビード部3の近傍における局所的な変形を十分に抑制できず、転がり抵抗の更なる低減は見込めなくなる。
タイヤサイズが275/70R22.5であり、図1に例示する基本構造を有し、正規内圧の10%を付与した際にトレッド部を除く領域でカーカス層が形成するカーカスライン(曲線Sおよび曲線T)について、ベルト端部(前述の交差ベルト対の中で最も幅が狭いベルト層のタイヤ幅方向外側の端部)を通るカーカスラインの法線とカーカスラインとの交点Aにおける曲線Sの曲率半径RA と、曲線Sと曲線Tとが連結する点Qにおける曲線Sの曲率半径RQ と、点Qからトレッド部側に曲線Sに沿って5mm離間した隣接点PS と点Qとを結んだ線分の傾きθS と、点Qからビード部側に曲線Tに沿って5mm離間した隣接点PT と点Qとを結んだ線分の傾きθT と、曲線Tのペリフェリ長さUと、曲線S上の任意の点Pi における曲線Sの曲率半径Ri と、点Pi からビード部側にカーカスラインに沿って5mm離間した隣接点Pi+1 における曲線Sの曲率半径Ri+1 とが|Ri+1 −Ri |/|(Ri+1 +Ri )/2|≦0.25の関係を満たすか否かと、コア離反点Bの位置からカーカス層4のタイヤ径方向最外径位置までの径方向高さHαとタイヤ最大幅位置までの径方向高さHβとの比Hβ/Hαと、上述の傾きθS と傾きθT との差の絶対値|θS −θT |と、タイヤ最大幅位置におけるカーカスライン上の点βと交点Aとを結ぶ線分の長さLと、点Aから点βまでのカーカスライン(曲線S)に沿った長さKとの比率(K/L)3 と、上述の曲率半径RQ と曲率半径RA との比RQ /RA と、ペリフェリ長さUが30mm未満であるか否かと、ビードコアの第一頂点と第二頂点とがなす辺に含まれるビードワイヤの周回部分の本数N12、第二頂点と第三頂点とがなす辺に含まれるビードワイヤの周回部分の本数N23、第三頂点と第四頂点とがなす辺に含まれるビードワイヤの周回部分の本数N34、第四頂点と第五頂点とがなす辺に含まれるビードワイヤの周回部分の本数N45、第五頂点と第六頂点とがなす辺に含まれるビードワイヤの周回部分の本数N56、第六頂点と第一頂点とがなす辺に含まれるビードワイヤの周回部分の本数N61から算出される(N12−N45)+(N34−N61)+(N56−N23)の値とを、それぞれ表1のように設定した従来例1、比較例1〜3、実施例1〜9の13種類の空気入りタイヤを作製した。
表1において、「|Ri+1 −Ri |/|(Ri+1 +Ri )/2|≦0.25」の欄、「U<30mm」の欄については、各項目の関係を満たす場合は「〇」、満たさない場合は「×」を表示した。
これら空気入りタイヤについて、下記の評価方法により、低転がり性能を評価し、その結果を表1に併せて示した。
低転がり性能
各試験タイヤをJATMA規定リムに組み付けて、規定空気圧、規定荷重の0.85倍、速度60km/hの条件で、スチールドラム式転がり抵抗試験機を用いて、ISO 28580に準拠して、転がり抵抗を測定した。評価結果は、測定値の逆数を用いて、従来例1の値を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど転がり抵抗が小さく、低転がり性能に優れることを意味する。尚、指数値が「150」以下では、転がり抵抗の低減効果が小さく、低転がり性能を改善する有意な効果は得られなった。
Figure 2021075091
表1から明らかなように、実施例1〜9はいずれも、低転がり性能を改善した。これに対して、比較例1,2は、比Hβ/Hαが小さいため、転がり抵抗を十分に低減することができなかった。比較例3は、曲線Sの曲率半径が|Ri+1 −Ri |/|(Ri+1 +Ri )/2|≦0.25の関係を満たさないため、転がり抵抗を十分に低減することができなかった。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
CL タイヤ赤道

Claims (5)

  1. タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備え、前記一対のビード部間に装架された少なくとも1層のカーカス層と、前記トレッド部における前記カーカス層の外周側に配置された複数層のベルト層を有する空気入りタイヤにおいて、
    タイヤ子午線断面において、正規内圧の10%を付与した際に前記トレッド部を除く領域で前記カーカス層が形成するカーカスラインが、前記トレッド部側に位置する曲線Sと前記ビード部側に位置する曲線Tとで構成され、前記曲線Sは、曲率半径が異なる複数の円弧を連結して構成されて全体としてタイヤ幅方向外側に向かって凸となるように湾曲しており、前記曲線Tはタイヤ幅方向内側に向かって凸となるように湾曲しており、
    前記曲線S上の任意の点Pi における前記曲線Sの曲率半径Ri と、前記点Pi から前記ビード部側に前記カーカスラインに沿って5mm離間した隣接点Pi+1 における前記曲線Sの曲率半径Ri+1 とが、|Ri+1 −Ri |/|(Ri+1 +Ri )/2|≦0.25の関係を満たし、
    前記曲線Sと前記曲線Tとが連結する点Qにおいて、点Qから前記トレッド部側に前記曲線Sに沿って5mm離間した隣接点PS と前記点Qとを結んだ線分の傾きθS と、点Qから前記ビード部側に前記曲線Tに沿って5mm離間した隣接点PT と前記点Qとを結んだ線分の傾きθT との差の絶対値|θS −θT |が、|θS −θT |≦8°の関係を満たし、
    前記曲線Tのタイヤ径方向内側端から前記カーカス層の最大外径位置までの径方向高さHαと、前記曲線Tのタイヤ径方向内側端からタイヤ最大幅位置までの径方向高さHβとの比Hβ/HαがHβ/Hα≧0.58の関係を満たすことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. ベルト端部を通る前記カーカスラインの法線と前記カーカスラインとの交点を点Aとし、前記タイヤ最大幅位置におけるカーカスライン上の点を点βとしたとき、
    前記点Aと前記点βを結ぶ線分の長さLと、前記点Aから前記点βまでのカーカスラインに沿った長さKとが(K/L)3 <1.25の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記曲線Sと前記曲線Tとが連結する点Qにおける前記曲線Sの曲率半径RQ と、ベルト端部を通る前記カーカスラインの法線と前記カーカスラインとの交点Aにおける前記曲線Sの曲率半径RA との比RQ /RA が、RQ /RA ≧2.3の関係を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記曲線Tのペリフェリ長さUが、U≦30mmの関係を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記ビード部に子午線断面形状が六角形であるビードコアを備え、前記ビードコアの6つの頂点のうち最内径側の頂点を第一頂点とし、残りの頂点を第一頂点から反時計回りに第二乃至第六頂点とし、第一頂点と第二頂点とがなす辺に含まれるビードワイヤの周回部分の本数をN12、第二頂点と第三頂点とがなす辺に含まれるビードワイヤの周回部分の本数をN23、第三頂点と第四頂点とがなす辺に含まれるビードワイヤの周回部分の本数をN34、第四頂点と第五頂点とがなす辺に含まれるビードワイヤの周回部分の本数をN45、第五頂点と第六頂点とがなす辺に含まれるビードワイヤの周回部分の本数をN56、第六頂点と第一頂点とがなす辺に含まれるビードワイヤの周回部分の本数をN61としたとき、これら本数が4≦(N12−N45)+(N34−N61)+(N56−N23)≦10の関係を満たすことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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