JP2021072693A - グロメット - Google Patents

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Abstract

【課題】組付孔への挿入性を向上可能としたグロメットを提供する。【解決手段】グロメット本体部を含む第1グロメット11は、ワイヤハーネスの外周を被覆する第1筒状部13と、第1筒状部13から拡径して延び、拡径側の端部に組付孔Paの周縁が嵌合されるシール部15を有する拡径筒部11aと、を備える。被覆部16は、第1筒状部13の軸方向の拡径筒部11a側に傾斜する態様で、第1筒状部13の外周面から延出している。そして、被覆部16と拡径筒部11aとの間には、第1筒状部13の外周面から径方向外側に突出するとともに、被覆部16における軸方向の拡径筒部11a側の側面と繋がる第1突部27が形成されている。【選択図】図3

Description

本開示は、グロメットに関するものである。
従来、例えば特許文献1に開示されるように、室内と室外とを隔てる車体パネルを貫通する組付孔に装着され、同組付孔に挿通されるワイヤハーネスを保護するグロメットがある。特許文献1に記載された構成では、車体パネルの一方の側面には、遮音部材が貼り付けられている。遮音部材の車体パネルの組付孔と対応する位置には、ワイヤハーネスが挿通される挿通孔が形成されている。そして、車体パネルの組付孔に装着されたグロメットには、遮音部材の挿通孔を被覆する傘状の被覆部が形成されている。
特開2012−239321号公報
本発明者は、上記のようなグロメットを車体パネルの組付孔に対して反遮音部材側から挿入するに際し、前記傘状の被覆部が組付孔とグロメット本体部との間に巻き込まれにくい構成とすることで、グロメットの挿入性を向上させる検討していた。
そこで、組付孔への挿入性を向上可能としたグロメットを提供することを目的とする。
本開示のグロメットは、車体パネルに設けられた組付孔と前記組付孔に通されるワイヤハーネスとの間に介在されるグロメット本体部と、前記車体パネルの一側面に設けられた遮音部材の挿通孔を塞ぐための被覆部と、を備えたグロメットであって、前記グロメット本体部は、前記ワイヤハーネスの外周を被覆する筒状部と、前記筒状部から拡径して延び、拡径側の端部に前記組付孔の周縁が嵌合されるシール部を有する拡径筒部と、を備え、前記被覆部は、前記筒状部の軸方向の前記拡径筒部側に傾斜する態様で、前記筒状部の外周面から延出しており、前記被覆部と前記拡径筒部との間には、前記筒状部の外周面から径方向外側に突出するとともに、前記被覆部における前記軸方向の前記拡径筒部側の側面と繋がる突部が形成されている。
本開示によれば、組付孔への挿入性を向上可能としたグロメットを提供することができる。
図1は、実施形態のグロメットの斜視図である。 図2は、同形態のグロメットの分解斜視図である。 図3は、同形態のグロメットの断面図である。 図4は、同形態のグロメットにおける要部の拡大断面図である。 図5は、図3における5−5線断面図である。 図6は、同形態における組付時のグロメットを示す断面図である。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示のグロメットは、
[1]車体パネルに設けられた組付孔と前記組付孔に通されるワイヤハーネスとの間に介在されるグロメット本体部と、前記車体パネルの一側面に設けられた遮音部材の挿通孔を塞ぐための被覆部と、を備えたグロメットであって、前記グロメット本体部は、前記ワイヤハーネスの外周を被覆する筒状部と、前記筒状部から拡径して延び、拡径側の端部に前記組付孔の周縁が嵌合されるシール部を有する拡径筒部と、を備え、前記被覆部は、前記筒状部の軸方向の前記拡径筒部側に傾斜する態様で、前記筒状部の外周面から延出しており、前記被覆部と前記拡径筒部との間には、前記筒状部の外周面から径方向外側に突出するとともに、前記被覆部における前記軸方向の前記拡径筒部側の側面と繋がる突部が形成されている。
この構成によれば、筒状部の外周面から突出する突部の径方向外側端部と被覆部との接続部位が、グロメットの組付時に被覆部が組付孔の周縁に当たって倒れる際の変形の支点となる。従って、突部が形成されることによって、被覆部の径方向外側端部の軸方向の変位量を少なく抑えることが可能となる。その結果、グロメットを車体パネルの組付孔に対して反遮音部材側から挿入するとき、被覆部が組付孔とグロメット本体部との間に巻き込まれにくい構成とすることができ、グロメットの組付孔への挿入性を向上させることが可能となる。
[2]前記突部は、周方向において互いに間隔を空けて複数設けられていることが好ましい。
この構成によれば、複数の突部によって、組付孔への被覆部の巻き込みをより好適に抑制することが可能となる。また、突部を筒状部の全周に形成する場合と比較して、グロメットの材料を少なく抑えることが可能となる。
[3]前記突部は、前記被覆部から前記拡径筒部まで前記軸方向に沿って形成されていることが好ましい。
この構成によれば、突部が拡径筒部にも繋がることで、突部の撓みが抑えられ、その結果、被覆部の径方向外側端部の軸方向の変位量を、突部によってより好適に抑えることが可能となる。
[4]前記突部を第1突部とし、前記拡径筒部の外周面には、前記軸方向から見て径方向に延びる第2突部が形成され、前記第2突部は、前記第1突部の前記軸方向の端部と繋がっていることが好ましい。
この構成によれば、第2突部によって拡径筒部の剛性を向上させることが可能となる。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示のグロメットの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。各図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張又は簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率についても、実際とは異なる場合がある。
図1に示すグロメット10は、自動車の室内と室外とを隔てる車体パネルPに貫通形成された組付孔Paに装着され、同組付孔Paに通されるワイヤハーネスWを保護するものである。また、グロメット10は、車体パネルPの組付孔Paにおける止水性を確保する役割も果たす。なお、ワイヤハーネスWは少なくとも1本の電線を含んで構成される。また、グロメット10の軸線L方向は、ワイヤハーネスWがグロメット10内を挿通する挿通方向と一致している。
グロメット10は、車体パネルPの組付孔Paに対して、グロメット10の軸線Lに沿った挿入方向Dに挿入される。以下の説明では、グロメット10の挿入方向Dにおける前方及び後方をそれぞれ、単に前方及び後方と記載、または、軸線L方向の前方及び軸線L方向の後方と記載する場合がある。また、以下の説明では、軸線Lを中心とする周方向、及び軸線Lを中心とする径方向をそれぞれ、単に周方向、及び径方向と記載する場合がある。
なお、車体パネルPの組付孔Paには、その周縁が車体パネルPの厚さ方向に屈曲するいわゆるバーリング加工が施されている。本実施形態では、組付孔Paの周縁には、車体パネルPの室外側に面する側面Pb側に突出する突出部Pdが形成されている。突出部Pdは、車体パネルPの側面Pbに対して略直角に屈曲されている。
グロメット10は、第1グロメット11と、第1グロメット11に組み付けられた第2グロメット12とを備えている。第1グロメット11及び第2グロメット12は互いに別体をなす。第1グロメット11及び第2グロメット12は、ゴムなどの弾性材料にて形成されている。なお、第1グロメット11及び第2グロメット12に用いられる弾性材料としては、例えばEPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)などが挙げられる。第1グロメット11に用いる弾性材料と第2グロメット12に用いる弾性材料とは、同一の材料であってもよいし、また、別の材料であってもよいが、共に可撓性を有するゴムなどの弾性材料を用いることが好ましい。
(第1グロメット11)
図2及び図3に示すように、第1グロメット11は、ワイヤハーネスWの外周を被覆する筒状の第1筒状部13と、第1筒状部13から後方側に拡径して延びる拡径筒部11aと、拡径筒部11aの前方側に形成された傘状の被覆部16と、を備えている。なお、本実施形態では、第1筒状部13と拡径筒部11aを含む部位がグロメット本体部に相当する。
第1筒状部13は、グロメット10の軸線Lと直交する断面形状が軸線Lを中心とする円環状をなしている。第1筒状部13には、止水性を確保した状態でワイヤハーネスWが挿通される。
拡径筒部11aは、第1筒状部13の外周面から拡径しつつ延びる拡径部14と、拡径部14の後端側に形成されたシール部15と、を有している。拡径部14は、軸線L方向から見て、軸線L方向を中心とする円形をなしている。拡径部14は、軸線L方向の後端側に向かうにつれて拡径するテーパ形状をなしている。拡径部14の外周縁は、組付孔Paの周縁に沿った環状をなしている。
シール部15は、拡径筒部11aの拡径側の端部に形成されている。なお、本実施形態において、拡径筒部11aの拡径側の端部とは、拡径筒部11aの軸線L方向の後方側の端部である。シール部15は、拡径部14の外周縁、すなわち拡径部14の後端部から後方側に延出するように形成されている。シール部15は、軸線Lを中心とする略円筒状をなしている。
図4に示すように、シール部15の外周面には、組付孔Paの周縁が入り込む外周溝17が形成されている。外周溝17は、軸線Lを中心とする環状をなすように、シール部15の全周に亘って形成されている。また、シール部15は、外周溝17に対する軸線L方向の前方側に形成された鍔部21と、外周溝17に対する軸線L方向の後方側に形成されたリップ部22とを備えている。鍔部21及びリップ部22は、軸線Lを中心とする円環状をなしている。
グロメット10が組付孔Paに組み付けられた状態では、組付孔Paの周縁が外周溝17に入り込んだ状態となる。この状態において、リップ部22は、組付孔Paの突出部Pdの外周側の位置まで延びて車体パネルPの側面Pbに接触し、鍔部21は側面Pbとは反対側の側面Pcに接触する。
拡径筒部11aは、シール部15の内周面から径方向内側に延出する連結片23を有している。連結片23は、軸線Lを中心とする環状をなすように、シール部15の全周に亘って形成されている。連結片23におけるシール部15に繋がる基端部(径方向外側端部)は、軸線L方向において、鍔部21よりも後方側の位置であって、リップ部22の根元と同位置に設定されている。すなわち、連結片23は、リップ部22の径方向内側の位置から延出している。連結片23の内周縁には、軸線L方向の前方側に突出する凸部24が形成されている。凸部24は、連結片23の全周に亘って形成されている。
また、拡径筒部11aは、シール部15の後端部から径方向内側に延出する保持片25を有している。保持片25は、軸線Lを中心とする環状をなすように、シール部15の全周に亘って形成されている。
図2及び図3に示すように、車体パネルPの側面Pcに貼り付けられた遮音部材40が設けられている。なお、遮音部材40には、不織布や、ゴム板や、発泡層などを用いることができる。遮音部材40における組付孔Paと対応する位置には、ワイヤハーネスが挿通される挿通孔41が形成されている。被覆部16は、遮音部材40の挿通孔41を塞ぐように構成されている。
被覆部16は、第1筒状部13から径方向外側に延出している。被覆部16は、軸線L方向の後端側に向かうにつれて拡径するテーパ形状をなしている。被覆部16は、軸線L方向から見て、軸線L方向を中心とする円形をなしている。そして、グロメット10が車体パネルPに組み付けられた状態において、被覆部16の外周縁が遮音部材40に対して弾性的に当接するようになっている。
被覆部16の軸線L方向の前方側の面には、前方側に突出する複数のガイド部26が、周方向において等間隔に形成されている。グロメット10を組付孔Paに挿入する際には、まず、各ガイド部26を組付孔Paの周縁に当接させつつ、グロメット10を挿入方向Dに挿入するようになっている。
図2、図3及び図5に示すように、第1グロメット11は、被覆部16と拡径部14との間において、第1筒状部13の外周面から径方向外側に突出する複数の第1突部27を有している。複数の第1突部27は、周方向において等間隔に形成されている。本実施形態の第1突部27は90度間隔に4つ設けられている。各第1突部27は、被覆部16から拡径部14に亘って、軸線L方向に沿って形成されている。すなわち、各第1突部27の軸線L方向の前端部は被覆部16と連続的に繋がっており、各第1突部27の軸線L方向の後端部は拡径部14と連続的に繋がっている。第1筒状部13は、各第1突部27が形成された部位において、径方向の厚さが厚くなっている。
また、拡径部14の外周面(軸線L方向の前方側の面)には、各第1突部27と連続的に繋がる第2突部28が形成されている。本実施形態のグロメット10では、第2突部28は第1突部27と同数、すなわち4つ設けられている。各第2突部28は、軸線L方向から見て、軸線Lを中心とする放射状に形成されている。第1突部27の軸線L方向の後端部と、第2突部28の径方向内側端部とは連続的に繋がっている。拡径部14は、各第2突部28が形成された部位において、軸線L方向の厚さが厚くなっている。
(第2グロメット12)
図2及び図3に示すように、第2グロメット12は、第1グロメット11の軸線L方向の後端側の開口を塞ぐように構成されている。第2グロメット12は、ワイヤハーネスWの外周を被覆する筒状の第2筒状部31と、第2筒状部31から外周側に延出された閉塞部31aと、を有している。閉塞部31aは、第1グロメット11における拡径筒部11aの拡径側を閉塞するように、拡径筒部11aに対して組み付けられている。また、グロメット10が組付孔Paに組み付けられた状態において、閉塞部31aは組付孔Paの内周側に位置している。
第2筒状部31は、グロメット10の軸線Lと直交する断面形状が軸線Lを中心とする円環状をなしている。第2筒状部31には、止水性を確保した状態でワイヤハーネスWが挿通される。第2筒状部31は、第1グロメット11の第1筒状部13と略同径に形成されている。
閉塞部31aは、第2筒状部31の外周面から外周側に延びる中間部32と、中間部32の外周端に設けられた保持部33と、を備えている。
第2筒状部31と保持部33とを連結する中間部32は、第2筒状部31の前端部から径方向外側に延出している。中間部32は、第2筒状部31の周りに環状に形成されている。中間部32の軸線L方向の厚さは、第2筒状部31の径方向の肉厚と略同等に設定されている。また、中間部32は可撓性を有し、その中間部32の可撓性によって、第2筒状部31が保持部33に対して軸線L方向に移動可能となっている。
保持部33は、第1グロメット11の連結片23を保持する。これにより、保持部33と連結片23とが連結されて、第2グロメット12が第1グロメット11に対して固定されるようになっている。
図2及び図4に示すように、保持部33は、連結片23の軸線L方向の前方側に位置する第1鍔部34と、連結片23の軸線L方向の後方側に位置する第2鍔部35と、を有している。第1及び第2鍔部34,35は、径方向外側に突出する円環状に形成されている。第1鍔部34の外周縁には、軸線L方向の後方側に突出する凸部36が形成されている。凸部36は、第1鍔部34の全周に亘って形成されている。保持部33の軸線L方向の厚さ、すなわち、第1鍔部34の前端面から第2鍔部35の後端面までの寸法は、中間部32の軸線L方向の厚さよりも厚く形成されている。
第1及び第2鍔部34,35の間には、第1グロメット11の連結片23が嵌合される。すなわち、保持部33は、第1鍔部34と第2鍔部35とで連結片23を軸線L方向に挟むように保持している。また、第1鍔部34の凸部36は、連結片23の凸部24の径方向外側に位置している。これにより、第1鍔部34の径方向内側への移動が連結片23の凸部24によって抑制されるため、保持部33の連結片23からの抜けが抑制されるようになっている。
また、第2鍔部35の外周縁部は、連結片23と保持片25との間に嵌合される。すなわち、第1グロメット11の保持片25は、第2鍔部35の軸線L方向の後方側を保持している。これによっても、保持部33の連結片23からの抜けが抑制されるようになっている。
図3及び図4に示すように、第1グロメット11と第2グロメット12とが組み付けられた状態では、拡径筒部11aの内周面と閉塞部31aとの間に遮音空間Sが形成されている。遮音空間Sは、拡径部14及びシール部15を含む拡径筒部11aと、中間部32及び保持部33を含む閉塞部31aとの間に広がっている。具体的には、拡径部14と保持部33の第1鍔部34とは、遮音空間Sを介して軸線L方向に対向している。また、拡径部14と中間部32とは、遮音空間Sを介して軸線L方向に対向している。また、遮音空間Sの端部は、径方向における、保持部33の第1鍔部34とシール部15の内周面との間にまで広がっている。また、遮音空間Sを介して保持部33の第1鍔部34と径方向に対向するシール部15は、径方向において薄肉化されている。
次に、グロメット10の組付孔Paへの組付態様について説明する。
まず、第1グロメット11の連結片23を、第2グロメット12の保持部33に嵌合させて、第1グロメット11と第2グロメット12とを一体部品とし、その一体部品を組付孔Paに挿入する。このとき、グロメット10を第1グロメット11側から挿入する。また、組付孔Paに対して車体パネルPの側面Pb側からグロメット10を組み付ける。
グロメット10の挿入時には、まず、被覆部16の各ガイド部26が組付孔Paの周縁に接触する。そして、グロメット10を押し進めると、図6に示すように、各ガイド部26を含めた被覆部16は、組付孔Paの周縁との接触により、第1突部27の径方向外側端部と被覆部16との接続部位Zを支点として、挿入方向Dの後方側に倒れるように変形する。さらにグロメット10を押し進めると、被覆部16の外周縁が組付孔Paから側面Pc側に抜ける。そして、拡径部14の外周縁及び鍔部21が、組付孔Paの周縁との接触によって内径側に変形し、その後、組付孔Paの周縁が外周溝17に嵌合される。
本実施形態の作用について説明する。
図3及び図4に示すように、拡径部14及びシール部15を含む拡径筒部11aと、中間部32及び保持部33を含む閉塞部31aとの間には遮音空間Sが広がっている。これにより、拡径部14及びシール部15を含む拡径筒部11aの柔軟性が向上されるため、グロメット10を組付孔Paに対して挿入方向Dに挿入するときの挿入抵抗が低減されるようになっている。
また、本実施形態では、第1グロメット11及び第2グロメット12を別部品とし、第1グロメット11と第2グロメット12との間に遮音空間Sを形成している。このため、第1グロメット11の拡径筒部11aの内側に遮音空間Sを形成しつつも、第2グロメット12の閉塞部31aの軸線L方向の厚さを厚く設定して、グロメット10の遮音性を向上させることが可能となっている。
また、本実施形態では、第2グロメット12の保持部33と連結された第1グロメット11の連結片23が、リップ部22の径方向内側に形成されることによって、グロメット10の組付孔Paからの抜けが抑制されている。
図4に示すように、例えば、ワイヤハーネスWが軸線L方向の後方側に引っ張られたとき、それに伴い、第2筒状部31が軸線L方向の後方側(矢印X方向)に引っ張られる。このとき、第2筒状部31に掛かる矢印X方向への力が、中間部32及び保持部33を介して第1グロメット11側の連結片23に伝わる。すると、連結片23は、組付孔Paの周縁に係止されたシール部15を支点として、軸線L方向の後方側(矢印A1方向)に回動する。それに伴い、リップ部22が、車体パネルPの側面Pbに押し付けられる方向(矢印A2方向)に変位する。これにより、リップ部22が組付孔Paの周縁を掴むグリップ力が向上され、その結果、第2筒状部31が軸線L方向の後方側に引っ張られたときに、グロメット10が組付孔Paから抜けにくくなっている。
また、本実施形態では、保持部33と鍔部21との径方向の間には、空隙(遮音空間Sの一部)が形成されている。このため、鍔部21の径方向内側部位、詳しくは、鍔部21と外周溝17の径方向内側部位との接続部、及び外周溝17の径方向内側部位における径方向の肉厚を薄く形成することが可能となっている。これにより、第2筒状部31が軸線L方向の後方側に引っ張られたときに、その薄肉化した部位が変形しやすく、その結果、リップ部22を車体パネルPの側面Pb側に、より一層変形しやすくなる。
また、図3に示すように、被覆部16と拡径筒部11aとの間には、第1筒状部13の外周面から径方向外側に突出するとともに、被覆部16における軸方向の拡径筒部11a側の側面(軸線L方向の後方側の側面)と繋がる第1突部27が形成されている。この構成では、第1突部27の径方向外側端部と被覆部16との接続部位Zが、グロメット10の組付時に被覆部16が組付孔Paの周縁に当たって倒れる際の変形の支点となる。従って、第1筒状部13に各第1突部27を形成しない場合に比べて、被覆部16の径方向外側端部の、軸線L方向の後方側への変位量(すなわち、被覆部16の倒れ量)を少なく抑えることが可能となっている。その結果、グロメット10を組付孔Paに挿入するときに、被覆部16が組付孔Paと拡径筒部11aとの間に巻き込まれにくくなっている。
本実施形態の効果について説明する。
(1)被覆部16と拡径筒部11aとの間には、第1筒状部13の外周面から径方向外側に突出するとともに、被覆部16における軸方向の拡径筒部11a側の側面と繋がる第1突部27が形成されている。この構成によれば、第1筒状部13の外周面から突出する第1突部27の径方向外側端部と被覆部16との接続部位Zが、グロメット10の組付時に被覆部16が組付孔Paの周縁に当たって倒れる際の変形の支点となる。すなわち、各第1突部27を形成することで、第1筒状部13に各第1突部27を形成しない場合に比べて、挿入方向Dの後方側に倒れる際の支点となる接続部位Zを、より径方向外側に形成できる。従って、第1突部27が形成されることによって、被覆部16の径方向外側端部の軸方向の変位量(すなわち、被覆部16の倒れ量)を少なく抑えることが可能となる。その結果、グロメット10を組付孔Paに挿入するとき、被覆部16が組付孔Paと拡径筒部11aとの間に巻き込まれにくい構成とすることができ、グロメット10の組付孔Paへの挿入性を向上させることが可能となる。
(2)第1突部27は、周方向において互いに間隔を空けて複数設けられている。この構成によれば、複数の第1突部27によって、組付孔Paへの被覆部16の巻き込みをより好適に抑制することが可能となる。また、第1突部27を第1筒状部13の全周に形成する場合と比較して、グロメット10の材料を少なく抑えることが可能となる。
(3)第1突部27は、被覆部16から拡径筒部11aまで軸方向に沿って形成されている。この構成によれば、第1突部27が拡径筒部11aにも繋がることで、第1突部27の撓みが抑えられ、その結果、被覆部16の径方向外側端部の軸方向の変位量を、第1突部27によってより好適に抑えることが可能となる。
(4)拡径筒部11aの外周面には、軸方向から見て径方向に延びる第2突部28が形成され、第2突部28は、第1突部27の軸方向の端部と繋がっている。この構成によれば、第2突部28によって拡径筒部11aの剛性を向上させることが可能となる。
(5)第2グロメット12の保持部33と連結された第1グロメット11の連結片23が、リップ部22の径方向内側に形成されている。この構成によれば、ワイヤハーネスWが第2筒状部31側に引っ張られたとき、第2筒状部31に掛かる軸方向外側への力が保持部33を介して第1グロメット11側の連結片23に伝わる。ここで、連結片23がシール部15のリップ部22の径方向内側に位置することから、連結片23に伝わる引っ張り力を、リップ部22を車体パネルPの第2の側面に押し付けるように作用させることができる。これにより、ワイヤハーネスWが第2筒状部31側に引っ張られたときに、グロメット10の組付孔Paに対する保持力が向上し、グロメット10が組付孔Paから抜けにくくなる。
(6)保持部33と鍔部21との径方向の間には空隙(遮音空間Sの一部)が形成されている。この構成によれば、鍔部21の径方向内側部位における径方向の肉厚を薄肉化され、その結果、ワイヤハーネスWが第2筒状部31側に引っ張られたときに、リップ部22が車体パネルPの第2の側面に押し付けられる側に、より一層変形しやすくなる。従って、グロメット10の組付孔Paに対する保持力をより一層向上させることができる。
(7)連結片23は、シール部15の内周面から径方向内側に延出され、保持部33は、連結片23を軸方向に挟むように保持している。この構成によれば、ワイヤハーネスWが第2筒状部31側に引っ張られたときに、連結片23からリップ部22に対して好適に力を伝えることが可能となる。
(8)組付孔Paは、組付孔Paの周縁から第2の側面側に突出する突出部Pdを有し、リップ部22は、突出部Pdの径方向外側まで延出されている。この構成によれば、ワイヤハーネスWが第1筒状部13側に引っ張られたときに、リップ部22が組付孔Paの周縁の突出部Pdに引っ掛かる。このため、ワイヤハーネスWが第1筒状部13側に引っ張られたときに、グロメット10が組付孔Paから抜けにくくなる。
(9)保持部33は、第1グロメット11のシール部15側の開口を軸方向に閉塞する閉塞部31aの外周縁に形成されている。この構成によれば、第2グロメット12の閉塞部31aが、第1グロメット11におけるシール部15側の開口を閉塞するため、グロメット10の遮音性を向上させることが可能となる。また、保持部33が閉塞部31aの外周縁に形成されるため、保持部33が閉塞部31aの一部を兼ねた好適な構成となる。
(10)第1グロメット11の拡径筒部11aの内周面と第2グロメット12の閉塞部31aとの間に遮音空間Sが形成されている。これにより、第1グロメット11における拡径筒部11aの内側の遮音空間Sを残して拡径筒部11aの柔軟性を確保しつつ、第2グロメット12の閉塞部31aを厚くして遮音性を向上させることが可能となる。従って、第1グロメット11の拡径筒部11aの柔軟性によって組付孔Paに対する挿入抵抗を小さく抑えつつ、第2グロメット12の閉塞部31aによってグロメット10の遮音性を向上することが可能となる。さらに、拡径筒部11aの内周面と閉塞部31aとの間に形成された遮音空間Sも、グロメット10の遮音性の向上に寄与する。
また、第1グロメット11と第2グロメット12とで別体とすることにより、グロメット10の内部に遮音空間Sを形成している。これにより、遮音空間Sを有するグロメットを1部品で形成する場合には射出成形上必要となってくる孔が、第1グロメット11と第2グロメット12とを別部品とすることで不要となる。従って、組付孔Paをより好適に密閉することが可能となる。
(11)閉塞部31aが、拡径筒部11aの後方側端部に位置するシール部15の径方向内側に設けられるため、拡径筒部11aの内側の遮音空間Sをより広く確保することが可能となる。従って、グロメット10の遮音性をより向上させることが可能となる。
(12)遮音空間Sの一部が、径方向におけるシール部15と閉塞部31aとの間に介在されている。この構成によれば、径方向におけるシール部15と閉塞部31aとの間に介在された隙間(遮音空間Sの一部)によって、シール部15の柔軟性を向上させることができる。従って、組付孔Paに対するグロメット10の挿入抵抗をより好適に抑えることが可能となる。
(13)第1グロメット11の拡径筒部11aは、該拡径筒部11aの内周面から延びる連結片23を備える。一方、第2グロメット12の閉塞部31aは、連結片23を挟むように保持する保持部33を備える。この構成によれば、拡径筒部11aの体積を小さく抑えつつ、連結片23を挟む保持部33において閉塞部31aの厚さを厚くした、第1グロメット11と第2グロメット12との連結構造を実現できる。従って、挿入抵抗の抑制及び遮音性の向上を両立するより好適な構成となる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・保持部33と鍔部21との径方向の間に、空隙を設定しない構成としてもよい。すなわち、保持部33と鍔部21の径方向内側面とが隙間なく接触する構成であってもよい。
・連結片23と保持部33とを構造的に入れ替えた連結構造としてもよい。すなわち、第2グロメット12側の連結部を、第1グロメット11側の連結部が軸線L方向に挟む連結構造としてもよい。
・連結片23を、外周溝17の径方向内側や、鍔部21の径方向内側に位置するように形成してもよい。
・第2突部28を含めた拡径筒部11aと第1突部27とが、直接的に繋がっていない分離された構成であってもよい。
・第1突部27及び第2突部28の数や形状などの構成は上記実施形態に限定されるものではなく、グロメット10の構成に応じて適宜変更可能である。
・被覆部16は必ずしも必要ではなく、車体パネルP側の構成に応じて被覆部16を省略してもよい。
・第2グロメット12を省略した構成としてもよい。
・軸線L方向から見た被覆部16の形状は円形に限定されるものではなく、例えば多角形としてもよい。
・軸線L方向から見たシール部15の形状は円形に限定されるものではなく、組付孔Paの形状に応じて例えば楕円形などに適宜変更可能である。
・グロメット10に用いる弾性材料はEPDMに限定されるものではなく、それ以外に例えば、NBR(アクリロニトリル・ブタジエンゴム)などを用いることが可能である。
・本実施形態では、組付孔Paの周縁の突出部Pdが室外側に突出しているが、これに限らず、突出部Pdを室内側に突出させた構成としてもよい。また、グロメット10が組付孔Paに対して室内側から挿入する構成としてもよい。
・組付孔Paの周縁の突出部Pdが軸線Lに対して傾斜する構成としてもよい。また、組付孔Paから突出部Pdを省略した構成(すなわち、組付孔Paにバーリング加工を施さない構成)としてもよい。
上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
(イ)車体パネルに設けられた組付孔と前記組付孔に通されるワイヤハーネスとの間に介在されるグロメットであって、互いに別体をなす第1グロメット及び第2グロメットを備え、前記第1グロメットは、前記ワイヤハーネスの外周を被覆する第1筒状部と、前記第1筒状部から拡径して延び、拡径側の端部に前記組付孔の周縁が嵌合されるシール部を有する拡径筒部と、を備え、前記第2グロメットは、前記ワイヤハーネスの外周を被覆する第2筒状部と、前記第2筒状部から外周側に延出され、前記拡径筒部の拡径側を閉塞するように前記拡径筒部に組み付けられた閉塞部と、を備え、前記拡径筒部の内周面と前記閉塞部との間に遮音空間が形成されている。
この構成によれば、第1グロメットにおける拡径筒部の内側の遮音空間を残して拡径筒部の柔軟性を確保しつつ、第2グロメットの閉塞部を厚くして遮音性を向上させることが可能となる。従って、第1グロメットの拡径筒部の柔軟性によって組付孔に対する挿入抵抗を小さく抑えつつ、第2グロメットの閉塞部によってグロメットの遮音性を向上することが可能となる。さらに、上記構成では、拡径筒部の内周面と閉塞部との間に形成された遮音空間も、グロメットの遮音性の向上に寄与する。
(ロ)前記閉塞部が前記シール部の径方向内側に設けられている。
この構成によれば、拡径筒部の内側の遮音空間をより好適に確保することができる。
(ハ)前記遮音空間の一部が、径方向における前記シール部と前記閉塞部との間に介在している。
この構成によれば、径方向におけるシール部と閉塞部との間に遮音空間の一部が介在することで、シール部の柔軟性を向上させることができる。従って、組付孔に対するグロメットの挿入抵抗をより好適に抑えることが可能となる。
(ニ)前記拡径筒部は、該拡径筒部の内周面から延びる連結片を備え、前記閉塞部は、前記連結片を挟むように保持する保持部を備えている。
この構成によれば、拡径筒部の体積を小さく抑えつつ、連結片を挟む保持部において閉塞部の厚さを厚くした、第1グロメットと第2グロメットとの連結構造を実現できる。従って、挿入抵抗の抑制及び遮音性の向上を両立するより好適な構成となる。
(ホ)車体パネルに設けられた組付孔と前記組付孔に通されるワイヤハーネスとの間に介在されるグロメットであって、互いに別体をなす第1グロメット及び第2グロメットを備え、前記第1グロメットは、前記ワイヤハーネスの外周を被覆する第1筒状部と、前記組付孔の周縁が嵌合される環状のシール部と、第1連結部と、を備え、前記第2グロメットは、前記ワイヤハーネスの外周を被覆する第2筒状部と、前記第1連結部に連結された第2連結部と、を備え、前記第1筒状部は、前記車体パネルよりも前記車体パネルの第1の側面側に位置し、前記第2筒状部は、前記車体パネルよりも前記車体パネルの第2の側面側に位置し、前記シール部は、前記第1の側面に係止される第1フランジ部と、前記車体パネルの前記第2の側面に係止される第2フランジ部と、を備え、前記第1連結部は、前記第2フランジ部の径方向内側に形成されている。
この構成によれば、ワイヤハーネスが第2筒状部側に引っ張られたとき、第2筒状部に掛かる力が第2連結部を介して第1グロメット側の第1連結部に伝わる。ここで、第1連結部がシール部の第2フランジ部の径方向内側に位置することから、第1連結部に伝わる引っ張り力を、第2フランジ部を車体パネルの第2の側面に押し付けるように作用させることができる。これにより、ワイヤハーネスが第2筒状部側に引っ張られたときに、グロメットの組付孔に対する保持力が向上し、グロメットが組付孔から抜けにくくなる。
(ヘ)前記第2連結部と前記第1フランジ部との径方向の間には空隙が形成されている。
この構成によれば、第1フランジ部の径方向内側部位における径方向の肉厚を薄肉化され、その結果、ワイヤハーネスが第2筒状部側に引っ張られたときに、第2フランジ部が車体パネルの第2の側面に押し付けられる側に、より一層変形しやすくなる。従って、グロメットの組付孔に対する保持力をより一層向上させることができる。
(ト)前記第1連結部は、前記シール部の内周面から径方向内側に延出され、前記第2連結部は、前記第1連結部を軸方向に挟むように保持している。
この構成によれば、ワイヤハーネスが第2筒状部側に引っ張られたときに、第1連結部から第2フランジ部に対して好適に力を伝えることが可能となる。
(チ)前記組付孔は、前記組付孔の周縁から前記第2の側面側に突出する突出部を有し、前記第2フランジ部は、前記突出部の径方向外側まで延出されている。
この構成によれば、ワイヤハーネスが第1筒状部側に引っ張られたときに、第2フランジ部が組付孔の周縁の突出部に引っ掛かる。このため、ワイヤハーネスが第1筒状部側に引っ張られたときに、グロメットが組付孔から抜けにくくなる。
(リ)前記第2グロメットは、前記第2筒状部から外周側に延出された閉塞部を備え、前記閉塞部は、前記第1グロメットにおける前記シール部側の開口を軸方向に閉塞し、前記第2連結部は、前記閉塞部の外周縁に形成されている。
この構成によれば、第2グロメットの閉塞部が、第1グロメットにおけるシール部側の開口を閉塞するため、グロメットの遮音性を向上させることが可能となる。また、第2連結部が閉塞部の外周縁に形成されるため、第2連結部が閉塞部の一部を兼ねた好適な構成となる。
10 グロメット
11 第1グロメット
11a 拡径筒部
12 第2グロメット
13 第1筒状部
14 拡径部
15 シール部
16 被覆部
17 外周溝
21 鍔部(第1フランジ部)
22 リップ部(第2フランジ部)
23 連結片(第1連結部)
24 凸部
25 保持片
26 ガイド部
27 第1突部
28 第2突部
31 第2筒状部
31a 閉塞部
32 中間部
33 保持部(第2連結部)
34 第1鍔部
35 第2鍔部
36 凸部
40 遮音部材
41 挿通孔
D 挿入方向
L 軸線
P 車体パネル
Pa 組付孔
Pb 側面(第2の側面)
Pc 側面(第1の側面)
Pd 突出部
S 遮音空間
W ワイヤハーネス
X 矢印方向
Z 接続部位

Claims (4)

  1. 車体パネルに設けられた組付孔と前記組付孔に通されるワイヤハーネスとの間に介在されるグロメット本体部と、
    前記車体パネルの一側面に設けられた遮音部材の挿通孔を塞ぐための被覆部と、
    を備えたグロメットであって、
    前記グロメット本体部は、前記ワイヤハーネスの外周を被覆する筒状部と、前記筒状部から拡径して延び、拡径側の端部に前記組付孔の周縁が嵌合されるシール部を有する拡径筒部と、を備え、
    前記被覆部は、前記筒状部の軸方向の前記拡径筒部側に傾斜する態様で、前記筒状部の外周面から延出しており、
    前記被覆部と前記拡径筒部との間には、前記筒状部の外周面から径方向外側に突出するとともに、前記被覆部における前記軸方向の前記拡径筒部側の側面と繋がる突部が形成されているグロメット。
  2. 前記突部は、周方向において互いに間隔を空けて複数設けられている、請求項1に記載のグロメット。
  3. 前記突部は、前記被覆部から前記拡径筒部まで前記軸方向に沿って形成されている、請求項1又は請求項2に記載のグロメット。
  4. 前記突部を第1突部とし、
    前記拡径筒部の外周面には、前記軸方向から見て径方向に延びる第2突部が形成され、
    前記第2突部は、前記第1突部の前記軸方向の端部と繋がっている、請求項3に記載のグロメット。
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