JP2021065010A

JP2021065010A - ワイヤハーネス分岐部の保護部材、及び、ワイヤハーネスの分岐構造

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Publication number: JP2021065010A
Application number: JP2019187704A
Authority: JP
Inventors: 晴健佐藤; Harutake Sato
Original assignee: Yazaki Corp
Current assignee: Yazaki Corp
Priority date: 2019-10-11
Filing date: 2019-10-11
Publication date: 2021-04-22
Anticipated expiration: 2039-10-11
Also published as: CN112653038B; CN112653038A; EP3822126A1; JP7107909B2; US11532408B2; EP3822126B1; US20210110948A1

Abstract

【課題】良好な装着状態を維持しつつ分岐部を良好に保護できるワイヤハーネス分岐部の保護部材及びワイヤハーネスの分岐構造を提供すること。【解決手段】ワイヤハーネス分岐部の保護部材１０は、幹線２Ａ及び枝線２Ｂを有するワイヤハーネスＷＨの幹線２Ａと枝線２Ｂとの分岐部Ｓにおいて、少なくとも幹線２Ａの外周に巻かれることになる保護シート部１１と、保護シート部１１から延出し、分岐部Ｓを挟んで幹線２Ａ上の二か所に巻かれることになる一対の帯状の固定帯部１２と、を備える。固定帯部１２の厚さは、保護シート部１１の厚さよりも薄い。【選択図】図１

Description

本発明は、ワイヤハーネス分岐部の保護部材及びワイヤハーネスの分岐構造に関する。

従来から、粘着材が塗布された糊面を一面に有する保護シートを、幹線から枝線が分岐したワイヤハーネスの分岐部に巻き付けることで、その分岐部を保護する手法が提案されている。例えば、従来の保護シートの一つは、長方形状の本体部と、本体部の長手方向における両端から延びる重ね巻き部と、を有し、本体部で分岐部を覆うとともに、重ね巻き部を幹線に巻き付けることにより、分岐部に取り付けられるようになっている（例えば、特許文献１を参照）。

特開２０１７−１１８１３号公報

上述した従来の保護シートによる分岐部の保護性能を向上させるべく、保護シートの厚さを増すことが考えられる。しかし、不用意に保護シートの厚さを増すと、保護シートの剛性が高くなるため、重ね巻き部が緩みやすくなってしまう。その結果、ワイヤハーネスに取り付けた保護シートが、意図せずワイヤハーネスから分離する可能性がある。

本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ワイヤハーネスの分岐部に対する保護性能の向上と、その分岐部への確実な取り付けと、を両立可能なワイヤハーネス分岐部の保護部材、及び、その保護部材を用いたワイヤハーネスの分岐構造、を提供することにある。

前述した目的を達成するために、本発明に係るワイヤハーネス分岐部の保護部材及びワイヤハーネスの分岐構造は、下記［１］〜［４］を特徴としている。
［１］
幹線及び枝線を有するワイヤハーネスの前記幹線と前記枝線との分岐部において、少なくとも前記幹線の外周に巻かれることになる保護シート部と、
前記保護シート部から延出し、前記分岐部を挟んで前記幹線上の二か所に巻かれることになる一対の帯状の固定帯部と、を備える樹脂製の保護部材であって、
前記固定帯部の厚さは、前記保護シート部の厚さよりも薄い、
ワイヤハーネス分岐部の保護部材であること。
［２］
上記［１］に記載の保護部材において、
前記保護シート部は、第１基材及び前記第１基材に積層される第２基材から構成され、
前記固定帯部は、前記第１基材から構成される、
ワイヤハーネス分岐部の保護部材であること。
［３］
上記［２］に記載の保護部材において、
前記第１基材は、前記第２基材と異なる樹脂材料から構成される、
ワイヤハーネス分岐部の保護部材であること。
［４］
幹線及び枝線を有し且つ前記幹線と前記枝線との分岐部を有するワイヤハーネスと、前記分岐部に取り付けられる上記［１］〜上記［３］の何れか一つに記載の保護部材と、を備える、ワイヤハーネスの分岐構造であって、
前記保護部材は、
前記分岐部において、前記保護シート部を少なくとも前記幹線の外周に巻き、前記分岐部を挟む前記幹線上の二か所に、前記保護シート部から延出する一対の帯状の前記固定帯部を前記幹線の外周に巻く、ように前記ワイヤハーネスに取り付けられる、
ワイヤハーネスの分岐構造であること。

上記［１］の構成のワイヤハーネス分岐部の保護部材によれば、ワイヤハーネスの分岐部において幹線の周囲に巻かれて幹線を保護する保護シート部の厚さよりも、分岐部を挟んで幹線上の二か所に巻かれる固定帯部の厚さが薄い。これにより、相対的に厚い保護シート部によって分岐部を適正に保護しながら、相対的に薄い固定帯部によって保護部材を幹線に適正に固定できる。したがって、本構成の保護部材は、ワイヤハーネスの分岐部に対する保護性能の向上と、その分岐部への確実な取り付けと、を両立可能である。

上記［２］の構成のワイヤハーネス分岐部の保護部材によれば、第１基材によって固定帯部を構成し、その第１基材に第２基材を積層して保護シート部を構成することで、厚さの異なる保護シート部および固定帯部を容易に製造できる。

上記［３］の構成のワイヤハーネス分岐部の保護部材によれば、保護シート部および固定帯部に求められる特性に応じて第１基材および第２基材を構成する材料を選択することで、保護部材としての性能を更に向上できる。例えば、第１基材を可撓性に優れた樹脂材料から形成し、第２基材を耐摩耗性に優れた樹脂材料から形成することで、ワイヤハーネスの分岐部に対する保護性能と、その分岐部への取り付け性能と、を共に更に向上できる。

上記［４］の構成のワイヤハーネスの分岐構造によれば、ワイヤハーネスの分岐部において幹線の周囲に巻かれて幹線を保護する保護シート部の厚さよりも、分岐部を挟んで幹線上の二か所に巻かれる固定帯部の厚さが薄い。これにより、相対的に厚い保護シート部によって分岐部を適正に保護しながら、相対的に薄い固定帯部によって保護部材を幹線に適正に固定できる。したがって、本構成の分岐構造は、ワイヤハーネスの分岐部を適正に保護しながら、保護部材を分岐部へ確実に取り付けることができる。

本発明によれば、ワイヤハーネスの分岐部に対する保護性能の向上と、その分岐部への確実な取り付けと、を両立可能なワイヤハーネス分岐部の保護部材、及び、その保護部材を用いたワイヤハーネスの分岐構造を提供できる。

以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態（以下、「実施形態」という。）を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。

図１は、本実施形態に係る保護部材が装着されたワイヤハーネスの分岐部の側面図である。図２は、幹線から枝線が分岐されたワイヤハーネスの分岐部の側面図である。図３は、本実施形態に係る保護部材の平面図である。図４は、図３におけるＡ矢視図である。図５は、分岐部への保護部材の装着の手順を説明するための、ワイヤハーネスの分岐部が配置された保護部材の平面図である。図６は、分岐部への保護部材の装着の手順を説明するための、ワイヤハーネスの分岐部への装着途中の保護部材の概略側面図である。図７は、変形例に係る保護部材の平面図である。図８は、変形例に係る保護部材の分岐部への装着の手順を説明するための、ワイヤハーネスの分岐部が配置された保護部材の平面図である。

＜実施形態＞
以下、本発明に係る実施の形態の例を、図面を参照して説明する。

図１に示すように、本実施形態に係る保護部材１０は、ワイヤハーネスＷＨのＴ字状の分岐部Ｓに装着される。

図２に示すように、ワイヤハーネスＷＨは、複数の電線１を束ねた電線束２を有している。電線１は、例えば、銅、銅合金、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる複数の素線を束ねた導体を樹脂材料からなる外被で覆った絶縁電線である。この電線束２は、幹線２Ａと、枝線２Ｂとを備えており、分岐部Ｓにおいて幹線２Ａに対して枝線２Ｂが側方へ引き出されている。

図３に示すように、保護部材１０は、保護シート部１１と、固定帯部１２とを有している。保護シート部１１は、平面視長方形状に形成されている。固定帯部１２は、帯状に形成されており、保護シート部１１の両側にそれぞれ設けられている。それぞれの固定帯部１２は、保護シート部１１の両端における側部から側方へ延在されている。それぞれの固定帯部１２は、保護シート部１１から互いに逆方向に延在されている。

保護シート部１１は、幅寸法Ｗが幹線２Ａの周長と略同一とされており、固定帯部１２同士の間の間隔Ｇが枝線２Ｂの直径よりも大きい間隔とされている。また、固定帯部１２は、少なくとも幹線２Ａの周長よりも長い長さ寸法Ｌを有している。

保護部材１０は、第１基材２１と、第２基材２２とを有している。第１基材２１及び第２基材２２は、それぞれ樹脂材料からなるシート材である。第１基材２１及び第２基材２２を構成する樹脂材料としては、例えば、塩化ビニール、ポリエステル、ポリエチレンなどが用いられる。

第１基材２１は、保護部材１０における保護シート部１１及び固定帯部１２の領域全体を構成している。また、第２基材２２は、平面視長方形状に形成されており、保護部材１０における保護シート部１１に積層されている。

図４に示すように、第１基材２１及び第２基材２２には、その表面に接着材を塗布することにより、接着層２１ａ，２２ａが設けられている。第２基材２２は、第１基材２１に積層させることにより、第１基材２１の接着層２１ａによって接着されて固定されている。そして、第１基材２１に第２基材２２を積層させた保護部材１０は、保護シート部１１の厚さよりも固定帯部１２の厚さが薄い。

次いで、保護部材１０をワイヤハーネスＷＨの分岐部Ｓに装着させる場合について説明する。

図５に示すように、保護部材１０に対して、第１基材２１及び第２基材２２の接着層２１ａ，２２ａ側からワイヤハーネスＷＨの分岐部Ｓを配置させる。具体的には、分岐部Ｓにおける幹線２Ａを保護シート部１１の長手方向に沿って幅方向の中央に配置させる。このとき、枝線２Ｂを保護シート部１１の長手方向の中央に配置させる。

図６に示すように、保護部材１０の保護シート部１１を、ワイヤハーネスＷＨを配置させた内側へ曲げて巻き付ける。このようにすると、保護シート部１１の第２基材２２に設けられた接着層２２ａによって保護シート部１１がワイヤハーネスＷＨの幹線２Ａの周囲に接着される。これにより、幹線２Ａを保護部材１０の保護シート部１１によって覆った状態にする。

その後、保護部材１０の固定帯部１２を、接着層２１ａが内側となるように、互いに逆方向に巻き付ける。これにより、幹線２Ａの外周を覆う保護シート部１１の両端近傍部分が固定帯部１２によって固定される（図１参照）。

このとき、固定帯部１２は、保護シート部１１よりも厚さが薄いため、保護シート部１１よりも剛性が抑えられている。したがって、固定帯部１２を、幹線２Ａの外周を覆う保護シート部１１の両端近傍部分へ容易に巻き付けることができ、しかも、巻き付け後に意図しない緩みが生じ難い。

以上に説明したように、本実施形態に係るワイヤハーネスＷＨの分岐部Ｓの保護部材１０及び分岐構造によれば、ワイヤハーネスＷＨの分岐部Ｓにおける幹線２Ａの周囲に巻かれて幹線２Ａを保護する保護シート部１１の厚さよりも、幹線２Ａにおける枝線２Ｂを挟んだ二か所に巻き付けられて保護部材１０を固定する固定帯部１２の厚さが薄い。これにより、保護シート部１１によって分岐部Ｓにおける幹線２Ａを良好に保護しつつ、固定帯部１２の剛性を抑えて固定帯部１２の巻き付け作業の容易化を図ることができ、しかも、巻き付け後における固定帯部１２の緩みを抑制できる。

更に、保護部材１０は、保護シート部１１及び固定帯部１２の領域全体を形成する第１基材２１と、第１基材２１における保護シート部１１の領域に積層された第２基材２２と、から構成される。即ち、第１基材２１に第２基材２２が積層されている。これにより、厚さの異なる保護シート部１１及び固定帯部１２を容易に製造できる。

更に、例えば、第１基材２１を可撓性に優れた樹脂材料から形成し、第２基材２２を耐摩耗性に優れた樹脂材料から形成することにより、分岐部Ｓにおける幹線２Ａをさらに良好に保護しつつ、固定帯部１２の巻き付け作業の容易化を図ることができ、しかも、巻き付け後における固定帯部１２の緩みを更に適正に抑制できる。

＜他の態様＞
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用できる。例えば、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。

例えば、上記実施形態では、一対の固定帯部１２は、保護シート部１１の両端部から互いに異なる向きに延びている。しかし、図７に示す変形例に係る保護部材１０Ａのように、保護シート部１１の両端部から同じに向きに延びるように、固定帯部１２が設けられてもよい。

なお、変形例に係る保護部材１０ＡをワイヤハーネスＷＨの分岐部Ｓに装着させるには、図８に示すように、保護部材１０Ａに対して、第１基材２１及び第２基材２２の接着層２１ａ，２２ａ側にワイヤハーネスＷＨの分岐部Ｓを配置させる。具体的には、分岐部Ｓにおける幹線２Ａを保護シート部１１の長手方向に沿って幅方向の中央に配置させる。このとき、枝線２Ｂを保護シート部１１の長手方向の中央に配置させる。

次いで、保護部材１０Ａの保護シート部１１を、ワイヤハーネスＷＨを配置させた内側へ曲げて巻き付け、第２基材２２に設けられた接着層２２ａによって保護シート部１１をワイヤハーネスＷＨの幹線２Ａの周囲に接着させて幹線２Ａを保護シート部１１によって覆った状態にする。その後、保護部材１０Ａの固定帯部１２を、接着層２１ａが内側となるように、互いに同一方向に巻き付ける。これにより、幹線２Ａの外周を覆う保護シート部１１の両端近傍部分を固定帯部１２によって固定することができる。

更に、例えば、上記実施形態では、保護部材１０は、接着層２１ａ，２２ａを除けば、第１基材２１及び第２基材２２の実質的な２層構造を有する。しかし、保護部材１０は、固定帯部１２の厚さが保護シート部１１の厚さよりも薄い限り、３層以上の構造を有するように構成されてもよい。また、一対の固定帯部１２は、互いに異なる厚さを有してもよい。

更に、保護部材１０は、２本以上の固定帯部１２が保護シート部１１に設けられるように構成されてもよい。また、保護シート部１１の長手方向に対して直交する向き以外の向きに延びるように、固定帯部１２が設けられてもよい。

ここで、上述した本発明に係るワイヤハーネス分岐部の保護部材及びワイヤハーネスの分岐構造の実施形態の特徴をそれぞれ以下［１］〜［４］に簡潔に纏めて列記する。
［１］
幹線（２Ａ）及び枝線（２Ｂ）を有するワイヤハーネス（ＷＨ）の前記幹線（２Ａ）と前記枝線（２Ｂ）との分岐部（Ｓ）において、少なくとも前記幹線（２Ａ）の外周に巻かれることになる保護シート部（１１）と、
前記保護シート部（１１）から延出し、前記分岐部（Ｓ）を挟んで前記幹線（２Ａ）上の二か所に巻かれることになる一対の帯状の固定帯部（１２）と、を備える樹脂製の保護部材（１０）であって、
前記固定帯部（１２）の厚さは、前記保護シート部（１１）の厚さよりも薄い、
ワイヤハーネス分岐部の保護部材。
［２］
上記［１］に記載の保護部材（１０）において、
前記保護シート部（１１）は、第１基材（２１）及び前記第１基材（２１）に積層される第２基材（２２）から構成され、
前記固定帯部（１２）は、前記第１基材（２１）から構成される、
ワイヤハーネス分岐部の保護部材。
［３］
上記［２］に記載の保護部材（１０）において、
前記第１基材（２１）は、前記第２基材（２２）と異なる樹脂材料から構成される、
ワイヤハーネス分岐部の保護部材。
［４］
幹線（２Ａ）及び枝線（２Ｂ）を有し且つ前記幹線（２Ａ）と前記枝線（２Ｂ）との分岐部（Ｓ）を有するワイヤハーネス（ＷＨ）と、前記分岐部（Ｓ）に取り付けられる上記［１］〜上記［３］の何れか一つに記載の保護部材（１０）と、を備える、ワイヤハーネス（ＷＨ）の分岐構造であって、
前記保護部材（１０）は、
前記分岐部（Ｓ）において、前記保護シート部（１１）を少なくとも前記幹線（２Ａ）の外周に巻き、前記分岐部（Ｓ）を挟む前記幹線（２Ａ）上の二か所に、前記保護シート部（１１）から延出する一対の帯状の前記固定帯部（１２）を前記幹線（２Ａ）の外周に巻く、ように前記ワイヤハーネス（ＷＨ）に取り付けられる、
ワイヤハーネスの分岐構造。

２Ａ幹線
２Ｂ枝線
１０，１０Ａ保護部材
１１保護シート部
１２固定帯部
２１第１基材
２２第２基材
Ｓ分岐部
ＷＨワイヤハーネス

Claims

幹線及び枝線を有するワイヤハーネスの前記幹線と前記枝線との分岐部において、少なくとも前記幹線の外周に巻かれることになる保護シート部と、
前記保護シート部から延出し、前記分岐部を挟んで前記幹線上の二か所に巻かれることになる一対の帯状の固定帯部と、を備える樹脂製の保護部材であって、
前記固定帯部の厚さは、前記保護シート部の厚さよりも薄い、
ワイヤハーネス分岐部の保護部材。
請求項１に記載の保護部材において、
前記保護シート部は、第１基材及び前記第１基材に積層される第２基材から構成され、
前記固定帯部は、前記第１基材から構成される、
ワイヤハーネス分岐部の保護部材。
請求項２に記載の保護部材において、
前記第１基材は、前記第２基材と異なる樹脂材料から構成される、
ワイヤハーネス分岐部の保護部材。
幹線及び枝線を有し且つ前記幹線と前記枝線との分岐部を有するワイヤハーネスと、前記分岐部に取り付けられる請求項１〜請求項３の何れか一項に記載の保護部材と、を備える、ワイヤハーネスの分岐構造であって、
前記保護部材は、
前記分岐部において、前記保護シート部を少なくとも前記幹線の外周に巻き、前記分岐部を挟む前記幹線上の二か所に、前記保護シート部から延出する一対の帯状の前記固定帯部を前記幹線の外周に巻く、ように前記ワイヤハーネスに取り付けられる、
ワイヤハーネスの分岐構造。