JP2015035856A - ワイヤハーネス及びワイヤハーネスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造装置及び製造工程を削減することができるワイヤハーネス及びワイヤハーネスの製造方法を提供する。
【解決手段】ワイヤハーネス11は、幹線15と、幹線15を挟んで覆い幹線15に沿う縁部21を有する片面自己粘着シート17と、幹線15の途中から分岐されると共に、片面自己粘着シート17に挟まれて覆われ縁部21から引き出される支線25と、片面自己粘着シート17にクランプ装着孔36を穿孔する穿孔具により同一形状に穿設され、幹線15及び支線25の布線時に支線25の分岐部33を挟む一対のピン35が挿通されるピン挿通孔31と、を備える。
【選択図】図5
【解決手段】ワイヤハーネス11は、幹線15と、幹線15を挟んで覆い幹線15に沿う縁部21を有する片面自己粘着シート17と、幹線15の途中から分岐されると共に、片面自己粘着シート17に挟まれて覆われ縁部21から引き出される支線25と、片面自己粘着シート17にクランプ装着孔36を穿孔する穿孔具により同一形状に穿設され、幹線15及び支線25の布線時に支線25の分岐部33を挟む一対のピン35が挿通されるピン挿通孔31と、を備える。
【選択図】図5
Description
本発明は、ワイヤハーネス及びワイヤハーネスの製造方法に関する。
車両のドアや車体パネル等に取り付けられるワイヤハーネスには、ワイヤハーネスを片面粘着シートで挟んで外装することにより所定の配索形態が保持されたものがある。このようなワイヤハーネスは、片面粘着シートに開けたシート穴(クランプ装着孔)に取り付けたクランプを、ドアや車体パネル等に穿設したクランプ取付穴に係止して取り付けられる(特許文献1等参照)。
また、ワイヤハーネスには、幹線から支線を分岐するものがあり、このようなワイヤハーネスの場合には、分岐部が防水シートによって覆われて防水されるものがある(特許文献2参照)。
また、ワイヤハーネスには、幹線から支線を分岐するものがあり、このようなワイヤハーネスの場合には、分岐部が防水シートによって覆われて防水されるものがある(特許文献2参照)。
通常、分岐部を有するワイヤハーネスを製造するための布線用図板には、幹線の分岐部において支線を挟んで位置決めするための一対のピンが立設される。そして、布線作業時には、この一対のピンの間に支線を構成する電線を通すように配索することで、幹線の所定位置から支線が分岐された所定の配索形態を有するワイヤハーネスが製造される。
しかしながら、分岐部がシートによって覆われるワイヤハーネスを製造する場合、幹線及び支線は布線作業時にシートの上に置かなければならない。そこで、ワイヤハーネスの分岐部を覆うシートには、布線用図板の位置決めピンを貫通させるためのピン挿通孔を穿設しなければならない。一方、このワイヤハーネスがクランプにて固定される場合には、ピン挿通孔とは別形状のクランプ装着孔をシートに穿設しなければならない。その結果、同一のシートに対し、異なる形状のピン挿通孔とクランプ装着孔を穿設するためには、穿設装置も異なるものが必要になるとともに、作業もそれぞれの装置を用いた別工程となり、装置の管理や作業が煩雑になるという問題があった。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、製造装置及び製造工程を削減することができるワイヤハーネス及びワイヤハーネスの製造方法を提供することにある。
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1) 幹線と、前記幹線を挟んで覆い前記幹線に沿う縁部を有する片面粘着シートと、前記幹線の途中から分岐されると共に、前記片面粘着シートに挟まれて覆われ前記縁部から引き出される支線と、前記片面粘着シートにクランプ装着孔を穿孔する穿孔具により穿設され、前記幹線及び前記支線の布線時に前記支線の分岐部を挟む一対のピンが挿通されるピン挿通孔と、を備えることを特徴とするワイヤハーネス。
(1) 幹線と、前記幹線を挟んで覆い前記幹線に沿う縁部を有する片面粘着シートと、前記幹線の途中から分岐されると共に、前記片面粘着シートに挟まれて覆われ前記縁部から引き出される支線と、前記片面粘着シートにクランプ装着孔を穿孔する穿孔具により穿設され、前記幹線及び前記支線の布線時に前記支線の分岐部を挟む一対のピンが挿通されるピン挿通孔と、を備えることを特徴とするワイヤハーネス。
上記(1)の構成のワイヤハーネスによれば、支線が分岐される幹線を片面粘着シートにて覆う際、布線用図板に敷かれた片面粘着シートの上に幹線及び支線は置かれる。片面粘着シートが敷かれる布線用図板には、幹線の分岐部において支線を挟んで位置決めするための一対のピンが立設されているが、片面粘着シートには、このピンを貫通させるためのピン挿通孔がクランプ装着孔を穿孔する穿孔具により穿設されている。そこで、布線用図板に片面粘着シートを敷く際にピンが干渉するおそれはない。
即ち、片面粘着シートに対してクランプ装着孔及びピン挿通孔を穿設する穿孔具を備えた穿設装置を共用することができ、クランプ装着孔を穿設する穿設装置とピン挿通孔を穿設する穿設装置とを別々に用意する必要がなくなる。これにより、ピン挿通孔を穿設する工程で、同時にクランプ装着孔を穿設することができるようになり、穿設するための工程数も削減できる。
即ち、片面粘着シートに対してクランプ装着孔及びピン挿通孔を穿設する穿孔具を備えた穿設装置を共用することができ、クランプ装着孔を穿設する穿設装置とピン挿通孔を穿設する穿設装置とを別々に用意する必要がなくなる。これにより、ピン挿通孔を穿設する工程で、同時にクランプ装着孔を穿設することができるようになり、穿設するための工程数も削減できる。
(2) 上記(1)の構成のワイヤハーネスであって、前記幹線及び前記支線を挟む前の展開状態の前記片面粘着シートには、前記幹線を挟んで前記ピン挿通孔と反対側の位置に前記ピン挿通孔を穿孔する前記穿孔具により貫通孔が穿設されることを特徴とするワイヤハーネス。
上記(2)の構成のワイヤハーネスによれば、片面粘着シートには、ピン挿通孔に加えて、ピン挿通孔を穿孔する穿孔具により貫通孔が穿設されている。片面粘着シートは、布線用図板のピンが挿通されるピン挿通孔が1箇所設けられていれば、ピンをピン挿通孔に通して布線用図板に置くことが可能となる。一方、布線用図板に置かれた片面粘着シートは、その上に幹線及び支線が置かれる。片面粘着シートは、これら幹線及び支線を挟むようにして折り返されて、粘着面同士が固着される。この際、片面粘着シートは、幹線を挟んでピン挿通孔と反対側の位置に貫通孔が穿設されていることで、折り返された際にピンが貫通孔を貫通する。そこで片面粘着シートの折返し側は、ピンとの干渉が回避されると共に位置合わせが可能となり、折り返し作業が容易となる。
(3) 上記(2)の構成のワイヤハーネスであって、前記ピン挿通孔及び前記貫通孔が、前記クランプ装着孔と同一形状に穿設されることを特徴とするワイヤハーネス。
上記(3)の構成のワイヤハーネスによれば、片面自己粘着シートに穿設されるクランプ装着孔、ピン挿通孔及び貫通孔が同形状の穿設具で同時に穿設されるので、穿設するための工程数を削減して製造コストを低減することができる。
(4) クランプ装着孔を穿孔する穿孔具により穿孔されるピン挿通孔と貫通孔とが離間して穿設された片面粘着シートを粘着面が上となるように布線用図板に敷くことで、幹線から分岐される支線を挟むために前記布線用図板に立設された一対のピンを前記ピン挿通孔に挿通するシート載置工程と、前記ピン挿通孔と前記貫通孔の間の前記片面粘着シート上に幹線を配置するとともに、前記幹線から分岐される支線を前記一対のピンの間に挟んで引き出す布線工程と、前記ピン挿通孔に前記貫通孔が一致するように前記片面粘着シートの片側を折り返して粘着面同士を固定することで前記幹線及び前記支線を挟んで覆う外装工程と、を含むことを特徴とするワイヤハーネスの製造方法。
上記(4)の構成のワイヤハーネスの製造方法によれば、布線用図板に片面粘着シートが敷かれると、布線用図板に立設されたピンがクランプ装着孔を穿孔する穿孔具により穿孔されたピン挿通孔に通される。次に、片面粘着シートの粘着面の上に配置された幹線から分岐された支線は、ピン挿通孔を貫通して起立している一対のピンの間に通されて片面粘着シート上から引き出される。そして、片面粘着シートは、幹線及び支線を挟んで覆うように、幹線及び支線の置かれていない片側(折返し側)が折り返される。この際、片面粘着シートの折返し側は、貫通孔が下敷き側のピン挿通孔に一致するようにして折り返されて粘着面同士が固着される。これにより、片面粘着シートは、最初に近接して穿設されている同一形状のピン挿通孔と貫通孔を位置あわせする簡単な作業で、下敷き側と折返し側の相対位置を正確に位置決めして貼り合わせることができる。
本発明に係るワイヤハーネスによれば、製造装置及び製造工程を削減することができる。
本発明に係るワイヤハーネスの製造方法によれば、片面粘着シートを容易に貼り合わせして、端部の揃った外観の良好なワイヤハーネスを得ることができる。
本発明に係るワイヤハーネスの製造方法によれば、片面粘着シートを容易に貼り合わせして、端部の揃った外観の良好なワイヤハーネスを得ることができる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
以下、本発明に係る実施形態を図面を参照して説明する。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係るワイヤハーネス11は、複数本の被覆電線13が纏められた幹線15と、幹線15の途中から分岐される支線25とを有する。
幹線15は、複数の被覆電線13が例えば粘着テープ(図示略)によってハーフラップ巻きされて束ねられてもよい。そして、幹線15は、少なくとも直線状部分が片面自己粘着シート(片面粘着シート)17によって覆われている。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係るワイヤハーネス11は、複数本の被覆電線13が纏められた幹線15と、幹線15の途中から分岐される支線25とを有する。
幹線15は、複数の被覆電線13が例えば粘着テープ(図示略)によってハーフラップ巻きされて束ねられてもよい。そして、幹線15は、少なくとも直線状部分が片面自己粘着シート(片面粘着シート)17によって覆われている。
本実施形態で用いられる片面粘着シートとしての片面自己粘着シート17は、図2に示すように、自身の粘着面(裏面)同士を合わせることによってのみ貼り合わすことができる自己粘着シートである。つまり、糊や結束テープを不要にして粘着面(裏面)同士を合わせるだけで簡単に貼ることが可能となる。更に、片面自己粘着シート17は、特殊粘着剤層(粘着面)19がワイヤハーネス11や作業者の手指などに貼り付くことがなく、組立作業性を低下させることがない。片面自己粘着シート17は、PP(ポリプロピレン)発泡材からなるシート基材14の表面に表面材16が積層され、裏面に特殊粘着剤層19が積層される。表面材16にはクラフト紙、ライナーボード、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、PPフィルム、不織布等が使用可能となる。引張強さは、タテ方向が49N/cm幅、ヨコ方向が23N/cm幅(JIS K−6767準拠)、引裂強さは、タテ方向が7.8N、ヨコ方向が6.8N(JIS K−6767準拠)、水蒸気透過率は0.0052g/cm2・24hrs(FS−101B)、初期粘着力は2.5N/cm幅(T型剥離試験)等の特性を有する。この片面自己粘着シート17としては、例えばCro−nel(登録商標)等を用いることができる。尚、本発明に係る片面粘着シートとしては、上記片面自己粘着シート17に限らず、発泡材を含まない一般的なシート基材の一方の面に特殊粘着剤層が積層された自己粘着シートや、シート基材の少なくとも一方の面の一部分または全てに粘着剤が塗布された公知の粘着シートを用いることもできる。
片面自己粘着シート17は、幹線15を挟んで覆っている。片面自己粘着シート17は、例えば幹線15の直線状部分に沿う一枚の四角形状に形成され、幹線15に沿う一対の縁部21を有する(図3参照)。
幹線15を挟んで覆う以前の片面自己粘着シート17は、特殊粘着剤層19を上にして、四角形状の下半分に幹線15が置かれる(図5参照)。下半分に幹線15が置かれた片面自己粘着シート17は、幹線15に沿う中央部の折曲線23(図5参照)を境に、上半分が下側へ折り畳まれることで、特殊粘着剤層19同士が固着して貼り合わされる。即ち、片面自己粘着シート17は、展開状態の四角形が上下方向に半分の大きさとなる。
幹線15を挟んで覆う以前の片面自己粘着シート17は、特殊粘着剤層19を上にして、四角形状の下半分に幹線15が置かれる(図5参照)。下半分に幹線15が置かれた片面自己粘着シート17は、幹線15に沿う中央部の折曲線23(図5参照)を境に、上半分が下側へ折り畳まれることで、特殊粘着剤層19同士が固着して貼り合わされる。即ち、片面自己粘着シート17は、展開状態の四角形が上下方向に半分の大きさとなる。
図1に示したように、幹線15の直線状部分の途中からは所定本数の被覆電線13からなる支線25が分岐される。支線25は、幹線15の途中から幹線15に対して例えば垂直に分岐される。この他、支線25は、幹線15に対して所定の角度で傾斜して分岐されていてもよい。分岐された支線25は、片面自己粘着シート17に挟まれて覆われる支線被覆部27と、貼り合わされる側(図1中、下側)の縁部21から引き出されて片面自己粘着シート17から露出した外部支線29とに分かれる。即ち、貼り合わされる側の縁部21から引き出された支線25は、外部支線29となる。外部支線29の末端には、例えばコネクタ(図示略)が取り付けられる。
図3に示すように、片面自己粘着シート17には、ピン挿通孔31が穿設される。ピン挿通孔31は、幹線15及び支線25の布線時(図5参照)に、分岐部33における支線25を挟む一対のピン35が挿通される。このピン挿通孔31は、クランプ装着孔36(図2参照)を穿孔する穿孔具(図示せず)により同一形状に穿孔される。本実施形態では、ピン挿通孔31が幹線15の延在方向に長い長円形状に形成されている。この他、ピン挿通孔31は、円形状や多角形状であってもよい。
本実施形態に係るクランプ装着孔36は、片面自己粘着シート17の貼り合わされる側の所定位置の2箇所に穿設されている。このクランプ装着孔36には、クランプ51が取り付けられる。
クランプ51は、貼り合わせた片面自己粘着シート17に挟まれる略長円形状のシール面圧生成部53と、シール面圧生成部53の一方の面に立設されてクランプ装着孔36を貫通する支軸54と、支軸54の先端に形成された一対の弾性係止爪55とを備えている。クランプ51は、片面自己粘着シート17に幹線15及び支線25を布線する前に、予めクランプ装着孔36に装着される(図3参照)。
クランプ51は、貼り合わせた片面自己粘着シート17に挟まれる略長円形状のシール面圧生成部53と、シール面圧生成部53の一方の面に立設されてクランプ装着孔36を貫通する支軸54と、支軸54の先端に形成された一対の弾性係止爪55とを備えている。クランプ51は、片面自己粘着シート17に幹線15及び支線25を布線する前に、予めクランプ装着孔36に装着される(図3参照)。
更に、幹線15及び支線25を挟む前の展開状態の片面自己粘着シート17には、幹線15を挟んでピン挿通孔31と反対側の位置にピン挿通孔31を穿孔する穿孔具により同一形状の貫通孔37が穿設されている(図5参照)。即ち、ピン挿通孔31と貫通孔37とは、片面自己粘着シート17が幹線15を挟んで重ね折りされると、一致する位置に穿設されている。
次に、本実施形態に係るワイヤハーネス11の製造方法を説明する。
ワイヤハーネス11を製造するには、先ず、図4に示すように、クランプ装着孔36と同一形状のピン挿通孔31と貫通孔37とが離間して穿設された片面自己粘着シート17を特殊粘着剤層19が上となるように布線用図板39に敷くことで、幹線15から分岐される支線25を挟むために布線用図板39に立設された一対のピン35をピン挿通孔31に挿通する(シート載置工程)。
次いで、図5に示すように、ピン挿通孔31と貫通孔37の間の片面自己粘着シート17上に幹線15を配置するとともに、幹線15から分岐される支線25を一対のピン35の間に挟んで引き出す(布線工程)。
そして最後に、図6に示すように、ピン挿通孔31に貫通孔37が一致するように片面自己粘着シート17の片側を折り返して特殊粘着剤層19同士を固定することで幹線15及び支線25を片面自己粘着シート17によって挟んで覆うこと(外装工程)によって、ワイヤハーネス11の製造が完了する。
ワイヤハーネス11を製造するには、先ず、図4に示すように、クランプ装着孔36と同一形状のピン挿通孔31と貫通孔37とが離間して穿設された片面自己粘着シート17を特殊粘着剤層19が上となるように布線用図板39に敷くことで、幹線15から分岐される支線25を挟むために布線用図板39に立設された一対のピン35をピン挿通孔31に挿通する(シート載置工程)。
次いで、図5に示すように、ピン挿通孔31と貫通孔37の間の片面自己粘着シート17上に幹線15を配置するとともに、幹線15から分岐される支線25を一対のピン35の間に挟んで引き出す(布線工程)。
そして最後に、図6に示すように、ピン挿通孔31に貫通孔37が一致するように片面自己粘着シート17の片側を折り返して特殊粘着剤層19同士を固定することで幹線15及び支線25を片面自己粘着シート17によって挟んで覆うこと(外装工程)によって、ワイヤハーネス11の製造が完了する。
次に、上記構成を有するワイヤハーネス11の作用を説明する。
本実施形態に係るワイヤハーネス11によれば、支線25が分岐される幹線15を片面自己粘着シート17にて覆う際、布線用図板39に敷かれた片面自己粘着シート17の上に幹線15及び支線25は置かれる。片面自己粘着シート17が敷かれる布線用図板39には、幹線15の分岐部33において支線25を挟んで位置決めするための一対のピン35が立設されているが、片面自己粘着シート17には、このピン35を貫通させるためのピン挿通孔31がクランプ装着孔36を穿孔する穿孔具により同一形状に穿設されている。そこで、布線用図板39に片面自己粘着シート17を敷く際にピン35が干渉するおそれはない。
本実施形態に係るワイヤハーネス11によれば、支線25が分岐される幹線15を片面自己粘着シート17にて覆う際、布線用図板39に敷かれた片面自己粘着シート17の上に幹線15及び支線25は置かれる。片面自己粘着シート17が敷かれる布線用図板39には、幹線15の分岐部33において支線25を挟んで位置決めするための一対のピン35が立設されているが、片面自己粘着シート17には、このピン35を貫通させるためのピン挿通孔31がクランプ装着孔36を穿孔する穿孔具により同一形状に穿設されている。そこで、布線用図板39に片面自己粘着シート17を敷く際にピン35が干渉するおそれはない。
即ち、片面自己粘着シート17に対して同一形状のクランプ装着孔36及びピン挿通孔31(並びに貫通孔37)を穿設する同形状の穿設具を備えた穿設装置を共用することができ、クランプ装着孔36を穿設する穿設装置とピン挿通孔31及び貫通孔37を穿設する穿設装置とを別々に用意する必要がなくなる。これにより、ピン挿通孔31を穿設する工程で、同時にクランプ装着孔36及び貫通孔37を穿設することができるようになり、穿設するための工程数も削減できるので製造コストを低減できる。
また、本実施形態のワイヤハーネス11では、片面自己粘着シート17に、ピン挿通孔31に加えて、ピン挿通孔31と同一形状の貫通孔37が穿設されている。片面自己粘着シート17は、布線用図板39のピン35が挿通されるピン挿通孔31が1箇所設けられていれば、ピン35をピン挿通孔31に通して布線用図板39に置くことが可能となる。一方、布線用図板39に置かれた片面自己粘着シート17は、その上に幹線15及び支線25が置かれる。片面自己粘着シート17は、これら幹線15及び支線25を挟むようにして折り返されて、特殊粘着剤層19同士が固着される。
この際、片面自己粘着シート17は、幹線15を挟んでピン挿通孔31と反対側の位置に貫通孔37が穿設されていることで、折り返された際にピン35が貫通孔37を貫通する。そこで、片面自己粘着シート17の折返し側41(図5参照)は、ピン35との干渉が回避されると共に位置合わせが可能となり、折り返し作業が容易となる。これにより、幹線15から十分に上方に突出する長いピン35が使用できるようになり、幹線15や片面自己粘着シート17の確実な位置決めが可能となる。また、片面自己粘着シート17は、折返し側41が、ピン35との干渉が回避されて、下敷き側43(図5参照)とズレなく重ね合わせて密着させることが可能となる。
また、本実施形態に係るワイヤハーネス11の製造方法によれば、布線用図板39に片面自己粘着シート17が敷かれると、布線用図板39に立設されたピン35がクランプ装着孔36と同一形状のピン挿通孔31に通される。次に、片面自己粘着シート17の特殊粘着剤層19の上に配置された幹線15及び支線25から分岐された支線25は、ピン挿通孔31を貫通して起立している一対のピン35の間に通されて片面自己粘着シート17上から引き出される。これにより、幹線15と支線25は、分岐部33が位置決めされ、且つ所定の分岐部形状に形成される。次いで、片面自己粘着シート17は、幹線15及び支線25を挟んで覆うように、幹線15及び支線25の置かれていない折返し側41(図5参照)が折り返される。この際、片面自己粘着シート17は、折返し側41の特殊粘着剤層19が、下敷き側43の特殊粘着剤層19と対面する。
そして、片面自己粘着シート17の折返し側41は、貫通孔37が下敷き側43のピン挿通孔31に一致するようにして折り返されて折曲線23に近接する側から特殊粘着剤層19同士が固着さる。即ち、ピン挿通孔31と貫通孔37が、貼り合わせ位置の目印となる。片面自己粘着シート17の折返し側41は、折曲線23側から徐々に縁部21に向かって貼り合わせて行き、最後に縁部21が固着される。
このように、本実施形態のワイヤハーネス11の製造方法では、先ず、ピン挿通孔31に貫通孔37が位置あわせされた後、折曲線23の近傍から縁部21に向かって片面自己粘着シート17の貼り合わせが進行する。これにより、先に縁部21同士を貼り合わせた場合に生じやすい空気の挟み込み等が生じにくくなる。また、自己粘着シート17は、最初に近接して穿設されている同一形状のピン挿通孔31と貫通孔37を位置あわせする簡単な作業で、下敷き側43と折返し側41の相対位置を正確に位置決めして貼り合わせることができる。その結果、容易な貼り合わせ作業で、外観の良好な仕上がりのワイヤハーネス11を得ることができる。
尚、片面自己粘着シート17に穿設されるピン挿通孔31及び貫通孔37の開口形状は、上述した本実施形態の形状に限定されるものではない。
例えば、図7(a)に示す片面自己粘着シート17Aのように、ピン挿通孔31A及び貫通孔37Aの開口形状を長孔とすることもできる。即ち、これらピン挿通孔31A及び貫通孔37Aは、クランプ装着孔36を穿孔するための穿孔具を左右方向にずらしながら複数回穿孔することで、長孔の開口形状とされている。また、図7(b)に示す片面自己粘着シート17Bのように、ピン挿通孔31B及び貫通孔37Bをそれぞれ一対の開口形状とすることもできる。即ち、これらピン挿通孔31B及び貫通孔37Bは、クランプ装着孔36を穿孔するための穿孔具を左右方向にずらして2回穿孔することで、一対の開口形状とされている。
このように、クランプ装着孔36を穿孔するための穿孔具を共用しながら、一対のピン35が広い間隔で立設された布線用図板39にも対応させることが可能な片面自己粘着シート17A,17Bを提供することができる。
例えば、図7(a)に示す片面自己粘着シート17Aのように、ピン挿通孔31A及び貫通孔37Aの開口形状を長孔とすることもできる。即ち、これらピン挿通孔31A及び貫通孔37Aは、クランプ装着孔36を穿孔するための穿孔具を左右方向にずらしながら複数回穿孔することで、長孔の開口形状とされている。また、図7(b)に示す片面自己粘着シート17Bのように、ピン挿通孔31B及び貫通孔37Bをそれぞれ一対の開口形状とすることもできる。即ち、これらピン挿通孔31B及び貫通孔37Bは、クランプ装着孔36を穿孔するための穿孔具を左右方向にずらして2回穿孔することで、一対の開口形状とされている。
このように、クランプ装着孔36を穿孔するための穿孔具を共用しながら、一対のピン35が広い間隔で立設された布線用図板39にも対応させることが可能な片面自己粘着シート17A,17Bを提供することができる。
従って、本実施形態に係るワイヤハーネス11によれば、製造装置及び製造工程を削減することができる。
また、本実施形態に係るワイヤハーネス11の製造方法によれば、片面自己粘着シート17を容易に貼り合わせして、端部の揃った外観の良好なワイヤハーネス11を得ることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
11…ワイヤハーネス
15…幹線
17…片面自己粘着シート(片面粘着シート)
19…特殊粘着剤層(粘着面)
21…縁部
25…支線
31…ピン挿通孔
33…分岐部
35…ピン
36…クランプ装着孔
37…貫通孔
39…布線用図板
15…幹線
17…片面自己粘着シート(片面粘着シート)
19…特殊粘着剤層(粘着面)
21…縁部
25…支線
31…ピン挿通孔
33…分岐部
35…ピン
36…クランプ装着孔
37…貫通孔
39…布線用図板
Claims (4)
- 幹線と、
前記幹線を挟んで覆い前記幹線に沿う縁部を有する片面粘着シートと、
前記幹線の途中から分岐されると共に、前記片面粘着シートに挟まれて覆われ前記縁部から引き出される支線と、
前記片面粘着シートにクランプ装着孔を穿孔する穿孔具により穿設され、前記幹線及び前記支線の布線時に前記支線の分岐部を挟む一対のピンが挿通されるピン挿通孔と、
を備えることを特徴とするワイヤハーネス。 - 前記幹線及び前記支線を挟む前の展開状態の前記片面粘着シートには、前記幹線を挟んで前記ピン挿通孔と反対側の位置に前記ピン挿通孔を穿孔する前記穿孔具により貫通孔が穿設されることを特徴とする請求項1に記載のワイヤハーネス。
- 前記ピン挿通孔及び前記貫通孔が、前記クランプ装着孔と同一形状に穿設されることを特徴とする請求項2に記載のワイヤハーネス。
- クランプ装着孔を穿孔する穿孔具により穿孔されるピン挿通孔と貫通孔とが離間して穿設された片面粘着シートを粘着面が上となるように布線用図板に敷くことで、幹線から分岐される支線を挟むために前記布線用図板に立設された一対のピンを前記ピン挿通孔に挿通するシート載置工程と、
前記ピン挿通孔と前記貫通孔の間の前記片面粘着シート上に幹線を配置するとともに、前記幹線から分岐される支線を前記一対のピンの間に挟んで引き出す布線工程と、
前記ピン挿通孔に前記貫通孔が一致するように前記片面粘着シートの片側を折り返して粘着面同士を固定することで前記幹線及び前記支線を挟んで覆う外装工程と、を含むことを特徴とするワイヤハーネスの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013164472A JP2015035856A (ja) | 2013-08-07 | 2013-08-07 | ワイヤハーネス及びワイヤハーネスの製造方法 |
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JP2013164472A JP2015035856A (ja) | 2013-08-07 | 2013-08-07 | ワイヤハーネス及びワイヤハーネスの製造方法 |
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JP (1) | JP2015035856A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112653038A (zh) * | 2019-10-11 | 2021-04-13 | 矢崎总业株式会社 | 用于线束的保护构件,和线束的分支结构 |
-
2013
- 2013-08-07 JP JP2013164472A patent/JP2015035856A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN112653038A (zh) * | 2019-10-11 | 2021-04-13 | 矢崎总业株式会社 | 用于线束的保护构件,和线束的分支结构 |
CN112653038B (zh) * | 2019-10-11 | 2023-05-12 | 矢崎总业株式会社 | 用于线束的保护构件,和线束的分支结构 |
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