JP3220854U - 電線束またはワイヤーハーネス用の分岐保護シート - Google Patents
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Abstract
【課題】構造がシンプルで加工しやすく、かつ巻き付け時の取り扱いが容易であり、さらに、分岐部を保護する際に、分岐部に十分な強度と柔軟性を付与することができる分岐保護シートを提供する。【解決手段】第1辺〜第4辺を有する四角形のシート状の基材2およびその片面に接着層3を有する基材シート4である電線束またはワイヤーハーネス用の分岐保護シート1は、以下から選択される3つ以上のスリットを有し、第1辺11に対して30〜150°の角度で、かつ、第4辺に沿って、少なくとも1つのスリットa、第2辺12に対して30〜150°の角度で、かつ、第1辺に沿って、少なくとも1つのスリットb、第3辺13に対して30〜150°の角度で、かつ、第2辺に沿って、少なくとも1つのスリットd、第4辺14に対して30〜150°の角度で、かつ、第3辺に沿って、少なくとも1つのスリットc、さらに、いずれのスリットも到達しない中央部を有する。【選択図】図2
Description
本考案は、自動車用のワイヤーハーネスなどの電線束上に存在する分岐部を保護する分岐保護シートおよびその分岐保護シートを使用する分岐部複合体、並びに、その分岐保護シートを使用した分岐部を保護する方法に関する。
自動車等に使用されるワイヤーハーネスなどの電線束は絶縁テープなどで結束した上で保護する必要がある。さらに、電線束は所定の位置で電測束の一部が分岐することがある。このような分岐部分に関連する結束作業は、基本的に手作業であり非常に手間がかかるだけでなく、作業者によってはその作業にバラつきが生じる場合が多い。
そこで従来から、これらの分岐部を含む電線束を保護する保護シートが開発されてきた。例えば、特許文献1(特開2011−199992)においては幾つかのスリットと接着面を有する保護シートが開示されている。さらに、特許文献2(特開2011−205790)においては、中央部を残して対角線上にスリットが形成された保護シートが開示されている。また、特許文献3(特開2012−39782)においては、熱可塑性材料によって電線束の分岐部分を保護する保護構造部が開示されている。
しかしながら、これらの保護シートは、構造が複雑で保護シートの加工に手間がかかる上に、その構造が複雑であるために巻き付けの手順が簡便でなく、また場合によっては巻き付けた後に、さらに加熱する必要がある場合や、場合によってはさらなる接着テープでさらに結束する必要があり、その取り扱いが困難であった。さらに、自動車等に使用されるワイヤーハーネスに使用する場合、分岐部の強度と柔軟性が足らず、しばしば自動車の走行時の異音の原因となることもあった。
本考案は、当該問題点に鑑み、構造がシンプルで加工しやすく、かつ巻き付け時の取り扱いが容易であり、さらに、分岐部を保護する際に、分岐部に十分な強度と柔軟性を付与することができる分岐保護シートを提供することが目的である。
本考案は、第1辺〜第4辺を有する四角形のシート状の基材2およびその片面に接着層3を有する基材シート4である電線束またはワイヤーハーネス用の分岐保護シート1に関し、当該分岐保護シート1は以下から選択される3つ以上のスリットを有し、
第1辺11に対して30〜150°の角度で、かつ、第4辺に沿って、少なくとも1つのスリットaを、
第2辺12に対して30〜150°の角度で、かつ、第1辺に沿って、少なくとも1つのスリットb、
第3辺13に対して30〜150°の角度で、かつ、第2辺に沿って、少なくとも1つのスリットd、
第4辺14に対して30〜150°の角度で、かつ、第3辺に沿って、少なくとも1つのスリットc、いずれのスリットも到達しない中央部10を有することを特徴とする前記分岐保護シートである。さらに、本考案は、第1辺〜第4辺を有する四角形のシート状の基材2およびその片面に接着層3を有する基材シート4である電線束またはワイヤーハーネス用の以下の少なくとも4つのスリットを有する分岐保護シート1に関し、
第1辺に対して65〜115°の角度で、かつ、第4辺に沿って、少なくとも1つのスリットa、
第2辺に対して65〜115°の角度で、かつ、第1辺に沿って、少なくとも1つのスリットb、
第3辺に対して65〜115°の角度で、かつ、第2辺に沿って、少なくとも1つのスリットd、
第4辺に対して65〜115°の角度で、かつ、第3辺に沿って、少なくとも1つのスリットc、いずれのスリットも到達しない中央部10を有することを特徴とする。さらに、分岐保護シートにおいて、分岐保護シートの接着層を有する面上かつ内側にさらなる保護層5を有することが好ましく、
前記保護層5が前記中央部10にあり、前記保護層が保護層用基材6および保護層用接着層7の二層からなり、前記接着層3と保護層用接着層7が貼り合わされて保護層5が形成されることが好ましい。
第1辺11に対して30〜150°の角度で、かつ、第4辺に沿って、少なくとも1つのスリットaを、
第2辺12に対して30〜150°の角度で、かつ、第1辺に沿って、少なくとも1つのスリットb、
第3辺13に対して30〜150°の角度で、かつ、第2辺に沿って、少なくとも1つのスリットd、
第4辺14に対して30〜150°の角度で、かつ、第3辺に沿って、少なくとも1つのスリットc、いずれのスリットも到達しない中央部10を有することを特徴とする前記分岐保護シートである。さらに、本考案は、第1辺〜第4辺を有する四角形のシート状の基材2およびその片面に接着層3を有する基材シート4である電線束またはワイヤーハーネス用の以下の少なくとも4つのスリットを有する分岐保護シート1に関し、
第1辺に対して65〜115°の角度で、かつ、第4辺に沿って、少なくとも1つのスリットa、
第2辺に対して65〜115°の角度で、かつ、第1辺に沿って、少なくとも1つのスリットb、
第3辺に対して65〜115°の角度で、かつ、第2辺に沿って、少なくとも1つのスリットd、
第4辺に対して65〜115°の角度で、かつ、第3辺に沿って、少なくとも1つのスリットc、いずれのスリットも到達しない中央部10を有することを特徴とする。さらに、分岐保護シートにおいて、分岐保護シートの接着層を有する面上かつ内側にさらなる保護層5を有することが好ましく、
前記保護層5が前記中央部10にあり、前記保護層が保護層用基材6および保護層用接着層7の二層からなり、前記接着層3と保護層用接着層7が貼り合わされて保護層5が形成されることが好ましい。
本考案であれば、少なくとも4つの簡便なスリットを有するのみであり、構造がシンプルで加工しやすく、かつ巻き付け時の取り扱いが容易であり、さらに、スリットにより形成された部分により分岐部を固定保護することにより、分岐部に十分な強度と柔軟性を付与することができる分岐保護シートを提供することができる。さらに、分岐保護シートの接着層を有する面上に保護層を有することにより、接着層が分岐部に直接粘着することがなく、これにより分岐部の自由度および柔軟性を担保することができる分岐保護シートを提供することができる。
本考案は、第1辺〜第4辺を有する四角形のシート状の基材2およびその片面に接着層3を有する基材シート4である電線束またはワイヤーハーネス用の分岐保護シート1に関し、分岐保護シート1は少なくとも3つ以上のスリットを有し、好ましくは以下の少なくとも4つのスリットを有し、
第1辺に対して65〜115°の角度で、かつ、第4辺に沿って、少なくとも1つのスリットa、
第2辺に対して65〜115°の角度で、かつ、第1辺に沿って、少なくとも1つのスリットb、
第3辺に対して65〜115°の角度で、かつ、第2辺に沿って、少なくとも1つのスリットd、
第4辺に対して65〜115°の角度で、かつ、第3辺に沿って、少なくとも1つのスリットc、いずれのスリットも到達しない中央部10を有することを特徴とし、例えば、図1に示すようなシート状の形態を有する。すなわち、本考案は、図1に示すように、第1辺11、第2辺12、第3辺13、第4辺14を有する四角形のシート状の基材2およびその片面に接着層3を有するワイヤーハーネス用の分岐保護シート1であり、図1に点線で示される中央部10を残して、少なくとも4つのスリットa、b、c、dを有する。シート状の基材2および基材シート4は四角形であれば良いが、保護する分岐部の形態に合わせてどのような形であっても良いが、分岐部の形態に対する巻きやすさ、取扱いのしやすさ、製品自体の加工性、加工に要するコストを考慮すると、長方形、または正方形であることが好ましい。シート状の基材2および基材シート4は四角形の一辺の長さは保護する分岐部の大きさに応じて決定すれば良いが、通常は60〜200mm程度であり、例えば、100〜150mm程度である。
第1辺に対して65〜115°の角度で、かつ、第4辺に沿って、少なくとも1つのスリットa、
第2辺に対して65〜115°の角度で、かつ、第1辺に沿って、少なくとも1つのスリットb、
第3辺に対して65〜115°の角度で、かつ、第2辺に沿って、少なくとも1つのスリットd、
第4辺に対して65〜115°の角度で、かつ、第3辺に沿って、少なくとも1つのスリットc、いずれのスリットも到達しない中央部10を有することを特徴とし、例えば、図1に示すようなシート状の形態を有する。すなわち、本考案は、図1に示すように、第1辺11、第2辺12、第3辺13、第4辺14を有する四角形のシート状の基材2およびその片面に接着層3を有するワイヤーハーネス用の分岐保護シート1であり、図1に点線で示される中央部10を残して、少なくとも4つのスリットa、b、c、dを有する。シート状の基材2および基材シート4は四角形であれば良いが、保護する分岐部の形態に合わせてどのような形であっても良いが、分岐部の形態に対する巻きやすさ、取扱いのしやすさ、製品自体の加工性、加工に要するコストを考慮すると、長方形、または正方形であることが好ましい。シート状の基材2および基材シート4は四角形の一辺の長さは保護する分岐部の大きさに応じて決定すれば良いが、通常は60〜200mm程度であり、例えば、100〜150mm程度である。
前記基材2は、特に耐摩耗性を有する織物であればよく、例えば、ポリエステル織物、ポリアミド織物、ビスコース織物および/または前記素材の混合織物であることが好ましい。さらには、ポリエステル織物、特にポリエチレンテレフタレート織物(PET織物)であることが好ましい。摩擦および機械的損傷に対して、分岐部を良好に保護することができるからである。基材の厚さとしては、DIN EN 1944の規定に基づく測定で最大で200μm、好ましくは130〜190μm、特に好ましくは150〜190μmであるとよい。
四角形のシート状の基材2はその片面に接着層3を有する。接着層3は粘着性を有するものにより構成され、例えば、粘弾性接着剤であり、自己接着剤、両面接着テープ、または自己接着性の接着コーティングからなればよい。これらに使用する接着剤としては、天然ゴム、合成ゴム、ポリアクリレートまたはシリコーンに基づく自己接着性化合物が好ましく、接着層3はこれらの化合物の接着コーティングであればよい。また、後に記載する保護層用基材6および保護層用接着層7についても同様の構成であればよい。
本考案で使用される基材シート4および保護層6としては耐摩耗性を有し機械的損傷に対して強い素材であればよいが、最も好ましい形態の一つとしては、基材シート4および保護層6が、前記基材がポリエチレンテレフタレート織物であり、前記接着層がポリアクリレート系接着剤からなる織物基材接着シートからなり、当該織物基材接着シートの耐摩耗性が、LV312の規定に基づく直径10mmのマンドレルによる測定で少なくとも摩耗等級Dを、および/またはLV312の規定に基づく直径5mmのマンドレルによる測定で少なくとも摩耗等級Cを満たすことである。このような基材シートであれば耐摩耗性および機械的損傷に対して非常に強い分岐保護シートシートが得られるからである。
各々のスリットは、各辺に沿って少なくとも一つのスリットを有し、4つのスリットa、b、c、dを有することが望ましい。当該スリットにより、各々、四角形の頂点を含む4つの部分A、B、C、Dが形成される。本発明においては、第4辺に沿って、少なくとも1つのスリットaを有し、第1辺に沿って、少なくとも1つのスリットbを有し、第2辺に沿って、少なくとも1つのスリットdを有し、第3辺に沿って、少なくとも1つのスリットcを有し、各々、第1辺に対して、30〜150°、好ましくは65〜115°の角度a’でスリットaが存在し、第2辺に対して、30〜150°、好ましくは65〜115°の角度b’でスリットbが存在し、第3辺に対して、30〜150°、好ましくは65〜115°の角度d’でスリットdが存在し、第4辺に対して、30〜150°、好ましくは65〜115°の角度c’でスリットcが存在する。
ここで、本発明における上記の各角度a’、b’、c’、d’は、各辺11、12、14、13に対する角度であり、図1に示されように、スリットで形成される部分側の角度を示す。ここで、当該角度は、スリットにより形成される部分A〜Dの形が分岐部の形態に合致していればよい。通常は、当該角度a’、b’、c’、d’は、全ての角度が同じであることが好ましく、ある好ましい実施形態においては、a’、b’、c’、d’は、75〜115°であり、また80〜100°であり、85〜95°であり、例えば、典型的には、全て90°であってよい。
スリットの各辺における位置はいずれであっても良いが、スリットにより形成される部分A〜Dの形が分岐部の形態に一致しており十分な強度を有していればよい。例えば、スリットにより形成される部分A、B、C、Dの各辺11、12、14、13における長さa”、b”、c”、d”(長さa”のみ図1に図示、他は図示せず)は各辺の長さの10〜35%であることが好ましく、例えば、各辺の長さの15〜25%である。また、各長さa”、b”、c”、d”の4つが同一であることが好ましい。具体的にはa”、b”、c”、d”は10〜40mm程度、例えば、15〜35mmであることが好ましい。分岐部の保護に十分な接着力と強度が得られるからである。またいずれのスリットも到達しない中央部は四角形になることが通常であり、その1辺の長さは、そのうちの少なくとも1辺か2辺がその後巻きつける電線束の円周、特に本線電線側82の円周、と同一かその円周の90%〜110%程度であることが好ましい。それにより効率的に電線束に巻きつけることができ、適切に保護できるからである。
本発明の好ましい実施形態においては、分岐保護シート1の接着面側かつその内側にさらに保護層11を有することが好ましい。その際、接着面側の外縁に接着面が露出したまま最上層として残るように保護層11を有することが好ましい。好ましくは保護層11の各辺は分岐保護シート1の各辺より小さく、面積も小さい四角形である。本発明の最も好ましい実施形態においては、分岐保護シート1の接着面側の中央部10にさらに保護層11を有することが好ましい。分岐部に保護シートを巻きつけたときにおいて、当該保護層11が存在することにより、接着層が分岐部に直接粘着することがなく、これにより分岐部の自由度および柔軟性を担保することができる。すなわち保護シートで分岐部を強固に保護しつつ、分岐部の自由度および柔軟性を保ち、それにより衝撃を柔軟に吸収することができるという利点を有する。当該保護層は中央部を全て覆うか、それよりも広い範囲であっても良いし、中央部よりも狭い範囲であってもよい。分岐部の形態に対する巻きやすさ、取扱いのしやすさ、製品自体の加工性、加工に要するコストを考慮すると、スリットと交わらないことが好ましい。
さらに保護層5としては、保護層用基材6のみ一層のシート、保護層用基材6および保護層用接着層7の二層構造を有するシートを使用することが好ましく、接着層3と貼りあわせて、分岐保護シート1とするとよく、好ましくは保護層用基材6および接着層の二層構造7を有するシートを接着層3と貼りあわせるとよい(図2参照)。これにより、分岐保護シート1を分岐部に巻きつけたときに、分岐部に接触する部分については保護層と分岐部が接触することになり、分岐保護シート1が接着層3を介して、直接的に分岐部83に接着されることはない構成をとることができる。一方、分岐部83以外の多くの部分または全部分については分岐保護シート1の接着層3と電線束が直接的に接触され接着されることになる。
保護層用基材6および保護層用接着層7の二層構造は、シート状の基材2およびその片面に接着層3と同様の材料から成ることが好ましい。本発明の最も好ましい実施形態の一つにおいては、基材および接着層を有する同一の織物基材接着シートを、基材シート4および前記保護層5に使用することである。例えば、上記にも示したとおり、当該織物基材接着シートの耐摩耗性が、LV312の規定に基づく直径10mmのマンドレルによる測定で少なくとも摩耗等級Dを、および/またはLV312の規定に基づく直径5mmのマンドレルによる測定で少なくとも摩耗等級Cを満たす織物基材接着シートを、基材シート4および前記保護層5として使用することが好ましい。耐摩耗性に優れ、機械的破損にも強いからである。
当該分岐保護シート1は、図3〜5に示すように、典型的には、T字に分岐するワイヤーハーネス8を保護するために使用される。当該ワイヤーハーネス8は、典型的には、分岐された電線束81(分岐電線束とも示す)、本線となる電線束82(本線電線束とも示す)、および露出した電線束の分岐部83とから成る。分岐電線束81および82は、電線束が直接的に露出している場合もあるが、図3〜5では結束帯、チューブ、接着テープなどでカバーされてワイヤーハーネスとなっているものを示す。すなわち、本考案の分岐保護シート1を使用し、分岐保護シート1の中央部10、好ましくは保護層5によりT字に分岐する電線束の分岐部83を保護し、さらに、スリットaにより形成された部分A、スリットbにより形成された部分B、スリットcにより形成された部分C、スリットdにより形成された部分Dが折りたたまれ、電線束に巻き付けることにより、T字に分岐する電線束を固定し、保護する。
このようなT字に分岐する電線束8を保護するために使用されるに際し、当該分岐保護シート1は長方形または正方形であることが好ましく、また、分岐保護シートの平面形状が90°または180°の回転対称となるように、各スリットを有することが好ましい。特にT字分岐は左右対称であることが通常であるため、例えば、180°の回転対称となるようにスリットが設置されていることが好ましい。これにより左右対称にT字分岐を保護することができるからである。
実際に当該分岐保護シート1をT字に分岐する電線束8を保護するために使用する場合、図3〜図5に示されるような手順で当該分岐保護シート1をT字に分岐する電線束8に巻きつける。これにより本考案に係る分岐保護シート1による保護された電線束分岐部9が形成される。すなわち、図4および図5に示すように、本発明の一実施形態においては、部分AおよびDが本線となる電線束82に巻き付けられ、部分BおよびCが分岐された電線束81に巻き付けられることになる。具体的には、最初に電線束が図3に示されるように分岐保護シート1の中央に置かれ、T字の分岐部する電線束8が分岐保護シート1に垂直になるように置かれる。接着層3により本線の電線束82と分岐保護シート1が粘着され固定される。最初は、本線となる電線束82と接着層3の一部のみが粘着固定されるが、図5a)に示すように、分岐保護シート1を半分に折りたたむようにすることで、本線の電線束82が分岐保護シート1に包みこまれ粘着される。さらに分岐された電線束81についても部分Aと部分Bの間の接着層および部分Cと部分Dの間の接着層により、部分的に包み込まれて接着され固定される。
次に図5のb)に示さるように、部分Bをスリットdにとおすことにより、部分Bと部分Dが交差する(図5のc)参照)。さらに、交差した部分Bは分岐された電線束を巻き込み包み込み、分岐された電線束81部分が分岐保護シート1と粘着され固定される。一方、交差した部分Dは本線の電線束82を巻き込み包み込み、分岐された電線束81部分が分岐保護シート1と粘着され固定される(図5のd)参照)。同じく部分Cをスリットaにとおすことにより、部分Cと部分Aが交差する。さらに、交差した部分Cは分岐された電線束を巻き込み包み込み、分岐された電線束81部分が分岐保護シート1と粘着され固定される。一方、交差した部分Aは本線の電線束82を巻き込み包み込み、分岐された電線束81部分が分岐保護シート1と粘着され固定される。ここで、部分Aにより固定される本線の電線束は、部分Dにより固定される本線の電線束と反対の部分である。
上記においては、部分AおよびDが本線となる電線束に巻き付けられ、部分BおよびCが分岐された電線束に巻き付けられる形態について示したが、部分BおよびCが本線となる電線束に巻き付けられ、部分AおよびDが分岐された電線束に巻き付けられている形態についても同様である。いずれの形態においても、T字の電線束のうち本線となる電線束は、最初に分岐保護シート1の本体部分に巻き込まれ粘着固定され、さらに二つの部分(部分AおよびDまたは部分BおよびC)により巻きつけられ粘着され固定される。一方、分岐された電線束は二つの部分(部分BおよびCまたは部分AおよびD)に粘着され固定される。すなわち、いずれの本線となる電線束も分岐された電線束も多くの部分が二重に強固に保護される点において本考案は有利である。
また、分岐された電線束または本線の電線束が、分岐保護シート1の本体部分および部分A〜Dの接着層により粘着され固定される一方で、分岐部分83に関しては、中央部10の接着層3により粘着固定されていてもよいが、保護層11と保護層用基材6と接することにより分岐保護シート1と直接的に粘着固定されないことが好ましい。これにより、分岐保護シート1は本線および分岐された電線束81、82と強固に粘着され固定される一方で、分岐部83そのものにおいては固定されることなく柔軟性、屈曲性を保持することができる。これにより自動車に適用された際などに生じる振動による雑音等を抑えることが可能となる。
保護層の大きさを適切に調整することで、適切に分岐保護シート1を巻きつけることができる。保護層の大きさとしては、その1辺の長さは、そのうちの少なくとも1辺か2辺がその後巻きつける電線束の円周と同一かその円周、特に本線電線側81の円周の90%〜110%程度であることが好ましい。それにより、少なくとも本線電線側81はこれにより円周部分をほぼ全て保護でき、効率的に電線束に巻きつけることができるからである。一般に保護層の大きさは1辺の大きさが50〜200mmであり、例えば、200mm〜70mm×140〜50mmであり、例えば、110mm×60mm、または60mm×60mmである。
本考案の好ましい実施形態の一つとしては、図6a)のようにスリットの各辺に対する角度を90°とすればよいが、例えば、図6b)に示すようにスリットの各辺に対する角度を90°ではなく、それよりも大きくし、65〜115°とすることができ、例えば、100°にしてもよい。これによって本線となる電線束82が直線でなく分岐部で屈曲している場合における分岐電線束に対応することができる。
1 分岐保護シート
2 基材
3 接着層
4 基材シート
5 保護層
6 保護層用基材
7 保護層用接着層
8 T字の分岐を有する電線束またはワイヤーハーネス
9 (分岐保護シートにより保護された)電線束分岐部
10 中央部
11 第1辺
12 第2辺
13 第3辺
14 第4辺
81 分岐された電線束(分岐電線束)
82 本線となる電線束(本線電線束)
83 電線束の分岐部
a スリットa
b スリットb
c スリットc
d スリットd
A スリットaにより形成された部分A
B スリットbにより形成された部分B
C スリットcにより形成された部分C
D スリットdにより形成された部分D
a’ スリットaの辺11に対する角度
b’ スリットbの辺12に対する角度
c’ スリットcの辺14に対する角度
d’ スリットdの辺13に対する角度
a” スリットにより形成されるAの辺11における長さ
2 基材
3 接着層
4 基材シート
5 保護層
6 保護層用基材
7 保護層用接着層
8 T字の分岐を有する電線束またはワイヤーハーネス
9 (分岐保護シートにより保護された)電線束分岐部
10 中央部
11 第1辺
12 第2辺
13 第3辺
14 第4辺
81 分岐された電線束(分岐電線束)
82 本線となる電線束(本線電線束)
83 電線束の分岐部
a スリットa
b スリットb
c スリットc
d スリットd
A スリットaにより形成された部分A
B スリットbにより形成された部分B
C スリットcにより形成された部分C
D スリットdにより形成された部分D
a’ スリットaの辺11に対する角度
b’ スリットbの辺12に対する角度
c’ スリットcの辺14に対する角度
d’ スリットdの辺13に対する角度
a” スリットにより形成されるAの辺11における長さ
Claims (10)
- 第1辺〜第4辺を有する四角形のシート状の基材2およびその片面に接着層3を有する基材シート4である電線束またはワイヤーハーネス用の分岐保護シート1であって、当該分岐保護シート1は以下から選択される3つ以上のスリットを有し、
第1辺11に対して30〜150°の角度で、かつ、第4辺に沿って、少なくとも1つのスリットa、
第2辺12に対して30〜150°の角度で、かつ、第1辺に沿って、少なくとも1つのスリットb、
第3辺13に対して30〜150°の角度で、かつ、第2辺に沿って、少なくとも1つのスリットd、
第4辺14に対して30〜150°の角度で、かつ、第3辺に沿って、少なくとも1つのスリットc、さらに、いずれのスリットも到達しない中央部10を有することを特徴とする、前記分岐保護シート。 - 分岐保護シート1がスリットa、b、c、dを有し、前記各スリットa〜dが対応する各辺に対して65〜115°の角度で形成される、前記分岐保護シート。
- 分岐保護シートの接着層3を有する面上かつ内側にさらなる保護層5を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の分岐保護シート。
- 前記保護層5が前記中央部10にあり、前記保護層5が保護層用基材6および保護層用接着層7の二層からなり、前記接着層3と保護層用接着層7を粘着させ結合させることで保護層5が形成されることを特徴とする、請求項3に記載の分岐保護シート。
- 前記基材2および/または前記保護層用基材7が、ポリエステル織物、ポリアミド織物、ビスコース織物および/または前記素材の混合織物であり、並びに/または前記接着層および/または前記保護層用接着層が、天然ゴム、合成ゴム、ポリアクリレートまたはシリコーンに基づく自己接着性化合物の接着コーティングであることを特徴とする、請求項3または4に記載の分岐保護シート。
- 前記基材2および/または前記保護層用基材7が、ポリエチレンテレフタレート織物からなり、前記接着層および/または前記保護層用接着層が、ポリアクリレート系接着剤からなり、前記基材シート4および保護層5が、LV312の規定に基づく直径10mmのマンドレルによる測定で少なくとも摩耗等級Dを、および/またはLV312の規定に基づく直径5mmのマンドレルによる測定で少なくとも摩耗等級Cを満たすことを特徴とする、請求項3〜5のいずれか一つに記載の分岐保護シート。
- 長方形または正方形である、請求項1〜6のいずれか一つに記載の分岐保護シート。
- 各スリットa〜dが対応する各辺に対して90°の角度で形成され、および/または、
ワイヤーハーネス用の分岐保護シートの平面形状が90°または180°の回転対称となるように、各スリットを有することを特徴とする、請求項7に記載の分岐保護シート。 - T字の分岐を有する電線束および当該分岐部を保護する分岐保護シートを含む電線束分岐部9であって、
分岐保護シートとして請求項2〜8のいずれか一つに記載の分岐保護シート1を使用し、
分岐保護シート1の中央部10または保護層5により分岐部を保護し、さらに、スリットaにより形成された部分A、スリットbにより形成された部分B、スリットcにより形成された部分C、スリットdにより形成された部分Dが折りたたまれ、電線束に巻き付けられ、各々の部分A〜Dの接着層が電線束に粘着することで、分岐保護シートと電線束が固定されていることを特徴とする、前記電線束分岐部。 - 部分AおよびDが本線となる電線束82に巻き付けられ粘着固定され、部分BおよびCが分岐された電線束81に巻き付けられ粘着固定されているか、または
部分BおよびCが本線となる電線束82に巻き付けられ粘着固定され、部分AおよびDが分岐された電線束81に巻き付けられ粘着固定されていることを特徴とする、請求項9に記載の電線束分岐部。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2018
- 2018-12-03 JP JP2018004687U patent/JP3220854U/ja active Active
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