JP2021055375A - 化粧材 - Google Patents

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【課題】意匠性及び耐候性に優れた化粧材を提供する。【解決手段】基材と、表面保護層と、前記基材と前記表面保護層との間に位置する艶消し層とを有し、前記艶消し層が、40℃以上70℃以下の範囲内にガラス転移温度(Tg)を有するアクリル系樹脂と、微粒子とを含有する、化粧材。【選択図】図1

Description

本開示は、化粧材に関する。
建築物の内壁、室内の装飾品等のインテリア部材、及び、キャビネット、テーブル、机等の家具等においては、従来、意匠性及び耐汚染性や耐候性等の耐久性等を付与するために、表面に化粧材が用いられている。
化粧材の意匠表現は、例えば、絵柄印刷、エンボス加工等による凹凸形状の付与等により行われる。更に、近年では、基材上に印刷された木目調柄やタイル柄等の絵柄の模様に沿って低艶領域を形成し、グロスマット感を付与することにより、細かな立体感を表現することが試みられている。
例えば、本出願人は、特許文献1に、合成樹脂製透明基材層の一方の面にパターン状低艶印刷層を設けて後に前記一方の面全面に表面保護層を設け、前記合成樹脂製透明基材層の他方の面側に絵柄印刷層を設けた化粧シートであって、前記パターン状低艶印刷層が微粒子を含有した印刷インキで形成されていることを特徴とする化粧シートを開示している。
特開2007−196405号公報
しかしながら、従来のグロスマット調の化粧材は、低艶領域の耐候性が不足しやすく、耐候性の向上が困難であった。
本開示は、上記実状を鑑みて成し遂げられたものであり、意匠性及び耐候性に優れた化粧材を提供することを目的とする。
本開示の化粧材は、基材と、表面保護層と、前記基材と前記表面保護層との間に位置する艶消し層とを有し、
前記艶消し層が、40℃以上70℃以下の範囲内にガラス転移温度(Tg)を有するアクリル系樹脂と、微粒子とを含有することを特徴とする。
本開示において、前記艶消し層は、パターン状に配置されていてもよい。
本開示の化粧材は、更に絵柄層を有していてもよい。
本開示において、前記艶消し層が含有する前記微粒子は、シリカ微粒子であってもよい。
本開示によれば、意匠性及び耐候性に優れた化粧材を提供することができる。
本開示の化粧材の一例を示す断面模式図である。 本開示の化粧材の別の一例を示す断面模式図である。 本開示の化粧材の更に別の一例を示す断面模式図である。
以下に、本開示の実施の態様について詳細に説明するが、本開示は以下の実施の態様に限定されるものではなく、その趣旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本開示の化粧材は、基材と、表面保護層と、前記基材と前記表面保護層との間に位置する艶消し層とを有し、
前記艶消し層が、40℃以上70℃以下の範囲内にガラス転移温度(Tg)を有するアクリル系樹脂と、微粒子とを含有することを特徴とする。
図1は、本開示の化粧材の一例を示す断面模式図である。図1に示す化粧材10は、基材1と、表面保護層3と、基材1と表面保護層3との間に位置する艶消し層2とを有し、艶消し層2はパターン状に配置されている。
図2は、本開示の化粧材の別の一例を示す断面模式図である。図2に示す化粧材10は、基材1の一方の面に、絵柄層4と、接着剤層5と、透明樹脂層6と、プライマー層7と、艶消し層2と、表面保護層3とをこの順に有し、基材1のもう一方の面に、裏面プライマー層8を有する。図2に示す例では、艶消し層2が、平面視において艷消し層2の形状及び位置と絵柄層4の形状及び位置とを見当合せした状態で、絵柄層4の模様に沿うように、パターン状に配置されている。
なお、本開示の化粧材は、図1及び図2に示す層構成のみに限定されるものではない。
本開示の化粧材において、艶消し層が艶を低減する機構は、十分に解明されるには至っていないが、主に以下の(1)の機構、特に好ましくは(1)及び(2)の機構の両方に起因して、艷消し、即ち低光沢(高光散乱)を実現していると考えられる。
(1)艶消し層の表面上に積層配置された表面保護層の層内に、屈折率の互いに異なる表面保護層の樹脂の微小領域(小塊)と艷消し層のバインダー樹脂の微小領域(小塊)とが完全相溶せずに海島構造乃至これに類する構造を呈しつつ混在してなる懸濁領域が形成され、当該懸濁領域が日光、電燈光等の入射光を散乱することにより艶を低減する。当該懸濁領域は、表面保護層を形成する際に、表面保護層用樹脂組成物中の未硬化液状の樹脂中に艶消し層中の樹脂等の一部が溶出、混合する等の相互作用を発現することで形成されると推定される。
(2)艶消し層のバインダー樹脂として前記特定のガラス転移温度(Tg)を有するアクリル系樹脂を用いることで、艶消し層の表面に、艶消し層中の微粒子に起因する微細凹凸が形成されやすく、当該微細凹凸に追従して、表面保護層の表面に光散乱性の微細凹凸が形成されやすい。そのため、艶消し層が配置された領域では、当該微細凹凸が光を散乱することにより、艶を低減する効果がより向上されると考えられる。
従来のグロスマット調の化粧材は、耐候性の向上が困難であることにより、内装用途として用いられており、より優れた耐候性が求められる外装用途への展開には至っていない。特許文献1に記載の化粧シートも、屋内用としては十分な耐候性を有するが、より厳しい条件で耐候性試験を行うと劣化が生じるという問題があり、特に低艶領域で劣化が生じやすい。
特許文献1の化粧シートでは、低艶印刷層のバインダー樹脂として、ウレタン系樹脂又はポリビニルアセタール系樹脂を用いており、これらのバインダー樹脂が、表面保護層用樹脂組成物中の未硬化樹脂等と相互作用することにより、上述した懸濁領域が形成されると考えられる。しかし、特許文献1の化粧シートは、上述したように、低艶印刷層を配置した領域で劣化が生じやすい。低艶印刷層を配置した領域では、表面保護層が相対的に薄くなるため、耐候性が不十分となり、劣化が生じやすくなると推定される。
一方、後述する比較例2のように、艶消し層のバインダー樹脂として、一般的なアクリル系樹脂を用いると、劣化は生じ難いものの、グロスマット感を発現させることが困難である。
このように、従来、化粧材のグロスマット感と耐候性を両立させることは困難であった。
本発明者は、グロスマット調の化粧材における低艶領域での劣化が、艶消し層に用いるバインダー樹脂に起因していることを見出し、艶消し層に用いるバインダー樹脂の化学構造とガラス転移温度(Tg)に着目した。
本開示の化粧材は、40℃以上70℃以下の範囲内にガラス転移温度(Tg)を有するアクリル系樹脂を艶消し層のバインダー樹脂として用いることにより、優れた意匠性と耐候性を両立できる。本開示の化粧材は、艶消し層のバインダー樹脂として前記特定のガラス転移温度(Tg)を有するアクリル系樹脂を用いていることにより、艶消し層の表面に艶を低減する懸濁領域が形成されやすく、且つ、艶消し層の耐候性が良好であるため、艶消し層を配置した領域において、表面保護層が相対的に薄くなっていても劣化が生じ難い。また、本開示の化粧材においては、艶消し層を配置した領域において、各層間の密着性が維持されやすいため、各層間の浮きに起因する化粧材の劣化が起こり難い。
本開示の化粧材は、上述したように、艶消し層と表面保護層との界面に形成される懸濁領域、及び艶消し層上に形成される光散乱性の微細凹凸によって、艶消し層を配置した領域の艶を低減することができるため、所望のグロスマット感を付与可能であり、更に、耐候性に優れ、劣化が抑制されたものであるため、優れた意匠性と優れた耐候性を両立することができる。
以下、本開示の化粧材が有する各構成について詳細に説明する。
1.基材
本開示の化粧材が有する基材は、化粧材の形状を保持しうる強度を有していれば特に限定されず、従来化粧材の基材として用いられているものを適宜選択して用いることができる。前記基材の材料としては、例えば、樹脂、各種の紙類、金属、木材、窯業系素材等を挙げることができる。前記基材が可撓性基材であると、本開示の化粧材を他の部材表面等に貼着する用途に好適な点、及び加工性の点から好ましい。前記可撓性基材の材料としては、例えば、樹脂、各種の紙類、及び樹脂含浸紙等を挙げることができる。
前記基材としては、中でも、強度及び耐久性の点、並びに、各種添加剤を添加することにより所望の特性を付与できる点、可撓性を付与しやすい点、及び加工性等の点から、樹脂基材が好ましい。本開示において、樹脂基材は、樹脂に、必要に応じて各種添加剤を含有させた材料により構成される。
前記樹脂基材に含まれる樹脂としては、特に限定はされないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、オレフィン系熱可塑性エラストマー、アイオノマー等のポリオレフィン系樹脂;塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のビニル系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、エチレングリコール−テレフタル酸−イソフタル酸共重合体、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等のポリエステル系樹脂;ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル等のアクリル系樹脂;ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、三酢酸セルロース、ポリカーボネート等が挙げられる。これらの中でも、耐候性、耐水性等の各種物性、印刷適性、成形加工適性、価格等の観点から、前記樹脂基材に含まれる樹脂は、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル系樹脂、又はアクリル系樹脂であることが好ましく、ポリオレフィン系樹脂であることがより好ましい。
また、前記樹脂基材は、予めその片面又は両面にコロナ処理を施したものであってもよい。
前記樹脂基材の樹脂として、塩化ビニル樹脂のように可塑剤添加により材料力学的特性を可変して成形加工適性等の諸特性を調整可能な樹脂を選択する場合は、必要に応じて、可塑剤を含有していてもよい。可塑剤は、当該樹脂基材に柔軟性を付与し、その硬さを制御することを目的として用いられる。
前記樹脂基材は、着色剤を含有していてもよい。着色剤は、前記樹脂基材の少なくとも一方の面を、所望の色相に着色させる。着色剤としては、例えば、チタン白、亜鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブルー、黄鉛、チタン黄、カーボンブラック等の無機顔料、イソインドリノン、ハンザイエローA、キナクリドン、パーマネントレッド4R、フタロシアニンブルー、アゾメチンアゾ化合物、ペリレン系化合物、ニッケルアゾ錯体等の有機顔料あるいは染料、アルミニウム、真鍮等の金属の箔粉からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の箔粉からなる真珠光沢(パール)顔料等の従来公知の着色顔料が挙げられる。着色は透明着色、不透明(隠蔽)着色のいずれでもよいが、一般的には、被着体を隠蔽するために不透明着色がよい。
着色剤の含有量は、本開示の化粧材が加工性及び密着性等の機械特性を有する範囲で適宜調整され、特に限定はされない。
また、前記樹脂基材は、必要に応じて、熱安定剤、難燃剤、光安定剤、紫外線吸収剤等の添加剤をさらに含有していてもよい。
前記樹脂基材は、例えば、前記樹脂、及び必要に応じて可塑剤等の添加剤を混合した組成物を、カレンダー製法等の常用の方法で製膜することにより得ることができる。
前記基材の厚さは、化粧材の用途及び前記基材の材料に応じて、強度及び耐熱性が適切になるように適宜設定することができ、特に限定はされない。本開示の化粧材が、他の部材表面等に貼着して用いられるものである場合は、前記基材の厚さは、貼着の容易性及び加工性の点から、1μm以上1,000μm以下であることが好ましく、10μm以上500μm以下であることがより好ましい。
2.艶消し層
艶消し層は、所望の領域の艶を低減するために設けられる。化粧材の表面を視認したときに、艶消し層が配置された領域は、艶消し層が配置されていない領域に比べて艶が低減される。艶消し層は、パターン状に配置されていても、パターンを有しないベタ膜であってもよいが、パターン状とした場合、艶消し層により艶が低減された領域は、目の錯覚により凹部であるかのように認識されるため、典型的には、後述する絵柄層の模様に沿って、凹部を表現したい領域にパターン状に配置される。
艶消し層は、少なくともバインダー樹脂と微粒子とを含有し、艶消し効果を損なわない範囲で、必要に応じて、着色剤等の添加剤を更に含有していてもよい。
艶消し層のバインダー樹脂は、少なくとも40℃以上70℃以下の範囲内にガラス転移温度(Tg)を有するアクリル系樹脂を含有する。
前記アクリル系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、40℃以上70℃以下の範囲内であれば特に限定はされないが、艶消し効果を向上する点から、中でも、45℃以上であることが好ましく、65℃以下であることが好ましく、55℃以下であることがより好ましい。
なお、前記アクリル系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量測定による熱量変化の測定(DSC法)に基づき求められる温度である。
前記アクリル系樹脂としては、例えば、分子中に(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートモノマーの単独重合体又は共重合体、或いは、(メタ)アクリレートモノマーと、(メタ)アクリレートモノマー以外のモノマーとの共重合体を用いることができる。
なお、本開示において、(メタ)アクリロイルとは、アクリロイル及びメタクリロイルの各々を意味し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートの各々を意味する。
前記(メタ)アクリレートモノマーとしては、特に限定はされないが、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート;フェニル(メタ)アクリレート等のアリール(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート等のアラルキル(メタ)アクリレート;メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル;及び(メタ)アクリル酸等を挙げることができる。
なお、本開示において、(メタ)アクリルとは、アクリル及びメタクリルの各々を意味する。
前記(メタ)アクリレートモノマー以外のモノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン及びビニルトルエン等のスチレン系モノマー等を挙げることができる。
前記アクリル系樹脂の合成に用いるこれらのモノマーの種類及び共重合割合は、前記アクリル系樹脂のガラス転移温度(Tg)が前記範囲内となるように適宜選択され、特に限定はされない。中でも、ガラス転移温度(Tg)が前記範囲内となりやすい点から、前記アクリル系樹脂は、アルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位を有することが好ましく、アルキル基の炭素数が2以上6以下のアルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位を有することがより好ましく、アルキル基の炭素数が2以上4以下のアルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位を有することがより更に好ましい。中でも特に、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート及びtert−ブチル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種に由来する構成単位を有することが好ましい。
前記アクリル系樹脂のガラス転移温度(Tg)が前記範囲内となりやすい点から、前記アクリル系樹脂が共重合体である場合は、当該共重合体を構成する全構成単位100質量部に対する前記アルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位の割合が、50質量部以上であることが好ましく、70質量部以上であることがより好ましく、90質量部以上であることがより更に好ましい。
前記アクリル系樹脂の合成において、2種以上の(メタ)アクリレートモノマーを用いる場合は、例えば、単独重合体としたときのガラス転移温度(Tg)が異なる2種以上の(メタ)アクリレートモノマーを組み合わせて用い、共重合体のガラス転移温度(Tg)が前記範囲内となるように、共重合割合を調整する。前記アクリル系樹脂が2種以上の(メタ)アクリレートモノマーを共重合させた共重合体である場合は、当該共重合体のガラス転移温度(Tg)が前記範囲内となりやすい点から、メチル(メタ)アクリレート及びエチル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種に由来する構成単位と、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート及びtert−ブチル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種に由来する構成単位とを有する共重合体であることが好ましい。
また、前記アクリル系樹脂が、前記(メタ)アクリレートモノマーと前記(メタ)アクリレートモノマー以外のモノマーとの共重合体である場合は、耐候性を向上する点から、当該共重合体を構成する全構成単位100質量部に対する(メタ)アクリレートモノマー以外のモノマーの共重合割合が、20質量部以下であることが好ましく、10質量部以下であることがより好ましく、5質量部以下であることがより更に好ましい。
艶消し層に含まれるバインダー樹脂の総量100質量部中、40℃以上70℃以下の範囲内にガラス転移温度(Tg)を有するアクリル系樹脂の含有量は、耐候性及び意匠性の両立の観点から、70質量部以上であることが好ましく、80質量部以上であることがより好ましく、90質量部以上であることがより更に好ましく、艶消し層に含まれるバインダー樹脂の全てが前記アクリル系樹脂であることが最も好ましい。
艶消し層は、必要に応じて、前記アクリル系樹脂以外のその他のバインダー樹脂を含有していてもよい。前記その他のバインダー樹脂としては、例えば、ウレタン系樹脂及びポリビニルアセタール系樹脂等の従来艶消し層に用いられているバインダー樹脂、艶を調整するための不飽和ポリエステル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ガラス転移温度(Tg)が70℃超過又は40℃未満のアクリル系樹脂等を挙げることができる。
艶消し層がバインダー樹脂として前記その他のバインダー樹脂を含有する場合、前記その他のバインダー樹脂の含有量は、耐候性及び意匠性の両立の観点から、艶消し層に含まれるバインダー樹脂の総量100質量部中、30質量部以下であることが好ましく、20質量部以下であることが好ましく、10質量部以下であることがより更に好ましい。
艶消し層中のバインダー樹脂の含有量は、後述する微粒子を固定することができるように、微粒子の大きさ及び種類等に応じて適宜調整され、特に限定はされないが、艶消し効果が向上しやすい点から、艶消し層の総量100質量%中、30質量%以上
70質量%以下であることが好ましく、35質量%以上60質量%以下であることがより好ましい。
艶消し層は、光の散乱を助長し、艶消し効果を向上する点から、微粒子を含有する。艶消し層が含有する微粒子としては、例えば、シリカ、タルク、クレー、硫酸バリウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の無機微粒子を好ましく用いることができ、中でも、艶消し効果が高く、意匠性に優れる点、及びインキの塗布安定性の観点からも、シリカ微粒子が好ましい。
前記微粒子の形状は、例えば、球状、楕円球状、多面体状等が挙げられ、中でも、艶消し効果を向上する点から、球状又は楕円球状であることが好ましい。
前記微粒子の粒径は、特に限定はされないが、化粧材の表面に光散乱性の微細凹凸を形成しやすい点から、艶消し層の膜厚の厚さ(μm)よりも大きい粒径(μm)であることが好ましく、前記微粒子の平均粒径が、艶消し層の膜厚の厚さ(μm)よりも1.0μm以上大きいことがより好ましい。また、前記微粒子の最大粒径は、10.0μm以下であることが好ましく、7.0μm以下であることがより好ましい。中でも、前記微粒子の平均粒径が、2.0μm以上4.0μm以下であることが好ましい。
なお、微粒子の平均粒径及び最大粒径は、レーザー回折散乱法などで確認することができる。
前記微粒子のJIS K 5101−13−1:2004に準拠する吸油量は、特に限定はされないが、艶消し効果を向上する点から、150mL/100g以上であることが好ましく、一方、艶消し層用樹脂組成物のチキソ性の上昇を抑制し、塗布性を向上する点から、400mL/100g以下であることが好ましく、350mL/100g以下であることがより好ましい。
前記微粒子の含有量は、特に限定はされないが、艶消し効果を向上する点から、前記バインダー樹脂100質量部に対し、50質量部以上200質量部以下であることが好ましく、80質量部以上150質量部以下であることがより好ましい。
艶消し層は、前記バインダー樹脂及び前記微粒子の他に、必要に応じて、更に着色剤、光安定剤、紫外線吸収剤等の添加剤を含有していてもよい。
艶消し層に用いられる着色剤としては、公知のものを用いることができ、特に限定はされないが、例えば、カーボンブラック(墨)、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料又は染料、アルミニウム、真鍮等の鱗片状箔片からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料等の各種顔料を挙げることができる。
艶消し層に用いられる光安定剤及び紫外線吸収剤としては、例えば、後述する表面保護層に用いられる光安定剤及び紫外線吸収剤と同様のものを挙げることができる。
艶消し層が前記バインダー樹脂及び前記微粒子の他に更に添加剤を含有する場合、当該添加剤の含有量は、艶消し効果を阻害せず、また、ブリード及び耐久性の低下等が生じないように、添加剤の種類により適宜調整され、特に限定はされない。
艶消し層の厚さは、特に限定はされないが、艶消し効果を向上する点及び印刷適性の観点から、0.5μm以上5.0μm以下であることが好ましく、1μm以上3μm以下であることがより好ましい。
なお、本開示の化粧材を構成する各層の厚さは、化粧材の断面を電子顕微鏡等で観察して測定される3か所〜10か所程度の厚さの平均とする。
但し、前記艶消し層の厚さは、本開示の化粧材を製造する過程で、後述する表面保護層を形成する前に得られる、艶消し層が表面に露出した状態の中間体の断面から測定することが好ましい。また、艶消し層は、通常、表面保護層が形成される側の表面に前記微粒子に起因する微細凹凸形状を有するため、前記艶消し層の厚さは、前記微粒子に起因する凸部が形成されていない領域で測定されることが好ましい。前記微粒子に起因する凸部が密接している場合は、凸部間の谷部から、艶消し層の基材側の界面までの垂直方向の距離を前記艶消し層の厚さとする。
艶消し層の形成方法は、特に限定されず、例えば、少なくとも前記アクリル系樹脂と前記微粒子とを含み、必要に応じて前記添加剤、及び塗工性を向上するために溶剤等を更に含む艶消し層用樹脂組成物を、グラビア印刷法等の常用の方法で塗布し、乾燥することにより形成することができる。
艶消し層用樹脂組成物が溶剤を含有する場合、艶消し層を形成する際の乾燥条件は、溶剤の種類及び含有量等に応じて適宜調整され、特に限定はされないが、例えば、溶剤として酢酸ブチルを用いる場合は、乾燥温度を50〜60℃とし、乾燥時間を3〜4秒程度としても良い。
3.表面保護層
表面保護層は、化粧材に要求される耐擦傷性等の耐久性を付与するために設けられる。表面保護層は、例えば、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂等の樹脂を含有し、典型的には硬化性樹脂の硬化物を含有する。表面保護層は、必要に応じて、更に添加剤等を含有していてもよい。表面保護層は、例えば、硬化性樹脂、及び必要に応じて添加される添加剤等を含む表面保護層用組成物の塗膜を形成した後、当該塗膜を硬化させることにより形成することができる。
表面保護層に用いられる硬化性樹脂としては、例えば、熱硬化性樹脂及び電離放射線硬化性樹脂が挙げられ、これらは併用してもよい。本開示の化粧材において、光散乱性、即ち艷消し性に優れた懸濁領域を再現性良く効率的に形成するためには、表面保護層用樹脂組成物と艷消し層との材料の組み合わせに依存する所が大きい。艷消し層において、40℃以上70℃以下の範囲内にガラス転移温度(Tg)を有するアクリル系樹脂を艶消し層のバインダー樹脂に採用する場合、表面保護層に用いられる硬化性樹脂としては、中でも、電離放射線硬化性樹脂が好ましく、取扱いが容易な点から、電子線硬化性樹脂がより好ましい。また、表面保護層に用いられる硬化性樹脂として、電離放射線硬化性樹脂を採用することは、樹脂の架橋密度を高めて、表面保護層の耐傷性及び耐摩耗性等を向上させ得る点からも好ましい。
なお、電離放射線とは、分子を重合させて硬化させ得るエネルギーを有する電磁波または荷電粒子を意味し、例えば、すべての紫外線(UV−A、UV−B、UV−C)、可視光線、ガンマー線、X線、電子線等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリシロキサン系樹脂等を用いることができる。中でも、得られる塗膜の可撓性や、耐薬品性等の耐久性等の諸特性が良好な2液硬化型ウレタン樹脂が好ましい。2液硬化型ウレタン樹脂は、ポリオールを主剤としイソシアネートを架橋剤(硬化剤)とするウレタン樹脂であり、ポリオールは分子中に2個以上の水酸基を有する化合物である。ポリオールとしては、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオール等が用いられる。また、イソシアネートとしては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネートが用いられる。多価イソシアネートとしては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、或いは、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(脂環式を含む)イソシアネート等が挙げられる。また、上記各種イソシアネートの付加体又は多量体、例えば、トリレンジイソシアネートの付加体、トリレンジイソシアネート3量体(trimer)等を用いてもよい。
電離放射線硬化性樹脂としては、電離放射線硬化性を有する樹脂として従来慣用されている樹脂の中から適宜選択して用いることができ、特に限定はされないが、例えば、分子中にラジカル重合性不飽和基又はカチオン重合性官能基を有する重合性モノマー、重合性オリゴマー及び重合性プレポリマーからなる群から選ばれる少なくとも1種を好ましく用いることができる。また、特に限定はされないが、ラジカル重合性不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基及び(メタ)アクリロイルオキシ基から選ばれる少なくとも1種が好ましく、カチオン重合性官能基としては、エポキシ基が好ましい。
分子中に(メタ)アクリロイル基を有する重合性モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート等が挙げられる。
分子中に(メタ)アクリロイル基を有する重合性オリゴマーとしては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマー、アクリル(メタ)アクリレートオリゴマー等が挙げられる。
分子中にカチオン重合性官能基を有するプレポリマーとしては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ化合物等のエポキシ系樹脂、脂肪酸系ビニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル等のビニルエーテル系樹脂のプレポリマーが挙げられる。
これらの重合性モノマー、重合性オリゴマー及びプレポリマーは、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本開示の化粧材を、外装材等の屋外用として用いる場合、表面保護層に用いる樹脂としては、中でも、表面保護層の耐候性を向上する点から、メチル(メタ)アクリレートに由来する構成単位を含む樹脂が好ましい。
表面保護層中の前記樹脂の含有量は、特に限定はされないが、耐候性、耐傷性、耐汚染性といった諸性能、及び下層にある絵柄層の視認性の観点から、60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、一方、後述する添加剤を含有させる点から、95質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることがより好ましい。ここで、表面保護層中の前記樹脂の含有量とは、表面保護層の総量を100質量%としたときの、表面保護層中の樹脂の合計含有割合である。
表面保護層が含有していてもよい添加剤としては、例えば、無機微粒子及び合成樹脂ビーズ等の微粒子、紫外線吸収剤、光安定剤、重合開始剤等が挙げられる。
表面保護層は、耐擦傷性及び耐摩耗性等の耐久性を向上するために、無機微粒子及び合成樹脂ビーズから選ばれる少なくとも1種の微粒子を含有しても良い。当該微粒子の粒径は、通常1μm以上20μm以下程度である。
前記無機微粒子の材料としては、例えば、α−アルミナ、シリカ、カオリナイト、酸化鉄、ダイヤモンド及び炭化ケイ素等が挙げられる。前記無機微粒子の形状は、特に限定はされないが、例えば、球状、楕円球状、多面体状及び鱗片状等が挙げられ、表面保護層の耐久性が向上しやすい点から、球状又は楕円球状であることが好ましい。
前記合成樹脂ビーズの材料としては、例えば、架橋アクリル樹脂及びポリカーボネート樹脂等が挙げられる。前記合成樹脂ビーズの形状は、特に限定はされないが、球状、楕円球状等が挙げられる。
なお、前記無機微粒子及び前記合成樹脂ビーズの粒径は、特に限定はされないが、表面保護層の耐久性を向上し、且つ艶消し層による艶消し効果を損なわないように、適宜調整されることが好ましい。
前記無機微粒子及び前記合成樹脂ビーズの合計含有量は、特に限定はされないが、表面保護層の耐久性を向上する点から、前記樹脂100質量部に対し、1質量部以上であることが好ましく、3質量部以上であることがより好ましく、一方、表面保護層用樹脂組成物の粘度及び表面保護層の柔軟性が適度になりやすい点から、前記樹脂100質量部に対し、50質量部以下であることが好ましく、30質量部以下であることがより好ましい。
表面保護層は、化粧シートの表面保護の目的を達成するために、添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、光安定剤等が挙げられる。紫外線吸収剤及び光安定剤等の耐候剤は、表面保護層に良好な耐候性及び耐光性を付与することができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、2−[4−{(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ}−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−4,6−ジフェニル−s−トリアジン等のヒドロキシフェニルトリアジン化合物、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、サリチル酸エステル化合物等の有機系の紫外線吸収剤の他、粒径0.2μm以下の微粒子状の酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化チタン等の無機系の紫外線吸収剤も用いることができる。
紫外線吸収剤の含有量は、前記樹脂100質量部に対し0.01質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
光安定剤としては、例えば、ビス(1−オクチルオシキ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート等のヒンダードアミン系光安定剤を好ましく用いることができる。
光安定剤の含有量は、前記樹脂100質量部に対し0.01質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
表面保護層は、耐候性を向上する点から、前記樹脂が前記フッ素含有樹脂を含有する、又は、紫外線吸収剤及び光安定剤から選ばれる少なくとも1種を含有する、の少なくともいずれかであることが好ましく、中でも、紫外線吸収剤及び光安定剤から選ばれる少なくとも1種を含有することがより好ましい。
表面保護層の厚さは、本開示の化粧材の用途に応じて適宜調整され、特に限定はされない。前記艶消し層がパターン状に配置されている場合、表面保護層の厚さは、前記艶消し層が配置されていない領域において、前記艶消し層の厚さよりも厚く、且つ、耐久性の観点から、3μm以上であることが好ましく、4μm以上であることがより好ましく、意匠性の観点から、6μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましい。
表面保護層は、その表面の少なくとも一部に、光散乱性の微細凹凸を有することが、艶消し効果を向上する点から好ましい。中でも、前記艶消し層が配置された領域に、光散乱性の微細凹凸を有することが、グロス部とマット部とのコントラストが大きくなり、意匠性を向上する点から好ましい。
表面保護層の形成方法は、特に限定はされないが、例えば、前記硬化性樹脂を含み、必要に応じて、前記微粒子、前記紫外線吸収剤等の添加剤、及び塗工性を向上させるための溶剤等を更に含む表面保護層用樹脂組成物の塗膜を形成し、当該塗膜を硬化することにより表面保護層を形成することができる。
前記表面保護層用樹脂組成物に用いられる溶剤としては、前記表面保護層用樹脂組成物中の各成分を溶解又は分散可能なものが適宜選択され、特に限定はされないが、例えば、メチルエチルケトン及び酢酸エチルから選ばれる少なくとも1種を含有する溶剤を好ましく用いることができる。
前記表面保護層用樹脂組成物中の溶剤の含有量は、艶消し層と表面保護層との間に懸濁領域を形成して艶消し効果を向上しやすい点、及び塗布適性の点からから、溶剤を含めた組成物全体100質量%中、10質量%以上70質量%以下であることが好ましく、20質量%以上60質量%以下であることがより好ましい。
前記表面保護層用樹脂組成物の塗膜を形成する方法としては、例えば、前記表面保護層用樹脂組成物を塗布し、溶剤を除去するための乾燥を行う方法を挙げることができる。
前記表面保護層用樹脂組成物を塗布する方法としては、特に限定はされず、グラビア印刷法等の公知の方法を用いることができる。
前記表面保護層用樹脂組成物の塗膜を硬化する方法は、前記表面保護層用樹脂組成物中の硬化性樹脂の種類に応じて適宜選択される。前記硬化性樹脂が電離放射線硬化性樹脂の場合は、電離放射線の照射により硬化することができ、前記硬化性樹脂が熱硬化性樹脂の場合は、加熱により硬化することができ、前記硬化性樹脂が電離放射線硬化性樹脂及び熱硬化性樹脂の双方を含む場合は、電離放射線の照射及び加熱を組み合わせた方法により硬化してもよい。
前記表面保護層用樹脂組成物の塗膜を硬化するために行われる電離放射線の照射及び加熱の条件は、硬化性樹脂の種類及び含有量、塗膜の膜厚等に応じて適宜調整され、特に限定されない。
4.層構成
本開示の化粧材は、少なくとも前記基材と、前記艶消し層と、前記表面保護層とを有する。前記艶消し層は、前記基材と前記表面保護層との間に位置し、前記表面保護層は、化粧材の表面の少なくとも一部に配置され、典型的には、シート状又は板状の化粧材の片方の表面全体に前記表面保護層が配置される。
本開示の化粧材は、必要に応じて、前記基材、艶消し層及び表面保護層とは異なるその他の層を更に有していてもよい。前記その他の層としては、例えば、図2に示す絵柄層4、接着剤層5、透明樹脂層6、プライマー層7及び裏面プライマー層8等を挙げることができる。
また、本開示の化粧材は、必要に応じて、質感及び触感を付与する又は向上させる目的で、図3に示すように、前記表面保護層3側から公知の各種エンボス加工法を用いてエンボス加工を施すことにより、凹凸模様を設けてもよい。当該凹凸模様としては、化粧材で表現したい意匠外観に適合する凹凸模様を選択すれば良く、例えば、木材板の導管溝、浮造り木材板表面の年輪模様、タイル貼りや煉瓦積の目地溝、布地の繊維微細構造(テクスチュア)、皮革の革シボ、ヘアライン、梨地、砂目、幾何学的形状の彫刻等の模様乃至構造の凹凸を模した凹凸模様等が挙げられる。特に化粧材が絵柄層を有する場合は、絵柄層の意匠外観と適合する凹凸模様を選択する。絵柄層の絵柄と前記凹凸模様の組み合わせとしては、例えば、木目絵柄には導管溝の凹凸模様、布目絵柄には布地の繊維微細構造の凹凸模様、花崗岩板の石目絵柄には花崗岩板表面の多結晶劈開面の凹凸模様等の組み合わせが挙げられる。
(絵柄層)
絵柄層は、本開示の化粧材に所望の模様による意匠性を付与するために設けられ、例えば、前記基材と前記艶消し層との間に配置される。
絵柄層により形成される模様としては、例えば、木目、石目、布目、皮革等の天然物の表面外観を模した絵柄模様、水玉模様、縞模様、幾何学模様等の抽象柄模様、文字又は数字を含む模様等が挙げられる。また、絵柄層は、複数の色彩の組み合わせによって写真又は絵画を再現するもの、或いはそれ自体が絵画であってもよい。
前記絵柄層としては、例えば、金属薄膜、及び着色インク層等が挙げられる。
前記金属薄膜としては、例えば、アルミニウム、クロム、金、銀、銅等の金属の薄膜を挙げることができる。これらの金属薄膜は、真空蒸着やスパッタリング等の方法で成膜される。
前記着色インク層は、バインダーに着色剤を分散させた着色インクを用いて形成される。
前記着色インク層に用いられる着色剤としては、例えば、前記樹脂基材が含有していてもよい着色剤と同様のものが挙げられる。
前記着色インク層に用いられるバインダーとしては、例えば、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹脂等が挙げられる。これらバインダーは、単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。2種類以上の樹脂を混合したバインダーの例としては、例えば、2液硬化型アクリル−ウレタン樹脂が挙げられる。
前記着色インク層は、前記バインダーの種類に応じた方法で形成される。
前記樹脂基材に前記着色インクを直接印刷する場合は、バインダーとして、アクリル系樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体との混合物やウレタン系樹脂を採用することが、接着性の点で好ましい。
前記絵柄層の厚さは、装飾の内容や色柄の種類に応じて適宜設定することができ、特に限定はされないが、0.1μm以上20μm以下が一般的で、好ましくは0.5μm以上10μm以下である。
(接着剤層)
接着剤層は、本開示の化粧材が有する各層間を接着させるために設けられる。
前記接着剤層の原料としては、例えば、透明ポリウレタン樹脂系接着剤等が挙げられる。
前記接着剤層の厚さは、特に限定はされないが、接着性の観点から、1μm以上であることが好ましく、意匠性の観点から、5μm以下であることが好ましい。
(透明樹脂層)
透明樹脂層は、前記絵柄層及び着色剤を含有する前記樹脂基材等の着色剤を含有する層を保護するために設けられ、例えば、前記絵柄層と前記表面保護層との間、又は着色剤を含有する前記樹脂基材と前記表面保護層との間等に配置される。
前記絵柄層は、大気に露出すると、水(雨)、空気(特に酸素)、紫外線、熱により、劣化し、剥げ落ちる場合がある。着色剤を含有する前記樹脂基材が大気に露出する場合においても、同様の問題が生じるおそれがある。中でも、前記絵柄層の劣化を抑制するために、前記絵柄層と前記表面保護層との間に、透明樹脂層を有することが好ましい。
前記透明樹脂層の材料としては、例えば、アクリル系樹脂や、オレフィン系樹脂等の透明樹脂が挙げられる。アクリル系樹脂としては、例えば、ポリアクリル酸エステル(ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリプロピルアクリレート、ポリブチルアクリレート等)、ポリメタクリル酸エステル(ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリプロピルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート等)、及びこれらの共重合体等を挙げることができる。オレフィン系樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体等を挙げることができる。
前記透明樹脂層は、更に添加剤を含有していてもよい。前記透明樹脂層が含有していてもよい添加剤としては、例えば、可塑剤、紫外線吸収剤、光安定剤、耐熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤等が挙げられる。
また、前記透明樹脂層は、コロナ放電処理等の表面処理が施されたものであってもよい。
前記透明樹脂層の厚さは、特に限定はされないが、通常、50μm以上100μm以下であり、好ましくは60μm以上90μm以下である。
前記透明樹脂層の形成方法は、前記透明樹脂の種類によって適宜選択され、特に限定はされないが、例えば、前記透明樹脂として、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂を用いる場合は、前記透明樹脂と、必要に応じて添加される添加剤とを含有する透明樹脂層用樹脂組成物を、加熱溶融押出しすることにより形成することができる。また、前記透明樹脂層は、前記透明樹脂層用樹脂組成物をカレンダー製法等の常用の方法により製膜して得られる透明樹脂フィルムを貼着することにより形成することもできる。また、前記透明樹脂フィルムの一面側に前記絵柄層を形成したものを、前記基材に貼着することにより、前記透明樹脂層と前記絵柄層と前記基材とを有する積層体を得ることもできる。
(プライマー層)
プライマー層は、前記艶消し層の密着性を向上させるために、前記艶消し層の前記基材側の面に設けられる層であり、通常、少なくとも樹脂を含有する。前記艶消し層がパターン状に形成されている場合は、前記艶消し層が配置されていない領域において、前記表面保護層の密着性を向上させるために、前記表面保護層の前記基材側の面にプライマー層が設けられていても良い。前記プライマー層を有することにより、前記艶消し層及び前記表面保護層の密着性を向上するとともに、加工性を向上することができ、また製造工程においてブロッキングを防止することもできる。
前記プライマー層に用いられる樹脂としては、特に制限はないが、例えば、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン−アクリル共重合体、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリプロピレン樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂等を好ましく用いることができる。中でも、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン−アクリル共重合体、及びポリエステル系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、ウレタン−アクリル共重合体及びポリエステル系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。また、優れた密着性が得られる観点から、上記の樹脂を主剤とし、イソシアネート等を硬化剤とした2液硬化性樹脂が好ましい。
イソシアネート硬化剤としては、従来公知の化合物を適宜選択すればよく、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、ナフタレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート;1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、メチレンジイソシアネート(MDI)、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(脂環式を含む)イソシアネート等のポリイソシアネート等が挙げられる。また、これら各種イソシアネートの付加体又は多量体、例えば、トリレンジイソシアネートの付加体、トリレンジイソシアネート3量体(trimer)等も用いられる。
前記プライマー層の厚さは、通常0.5μm以上20μm以下程度であり、密着性の観点から、1μm以上10μm以下であることが好ましい。
前記プライマー層は、例えば、前記バインダー樹脂を含むプライマー層用樹脂組成物を、グラビア印刷法等の常用の方法で塗布することにより形成することができる。
(裏面プライマー層)
裏面プライマー層は、本開示の化粧材を他の部材表面等に貼着して用いる場合に、化粧材が有する前記基材と当該部材表面等との密着性を向上させるための下地として機能する層であり、通常、少なくとも樹脂を含有する。
前記裏面プライマー層に用いられる樹脂としては、例えば、2液硬化型ウレタン−硝化綿混合樹脂(硬化剤:ヘキサメチレンジイソシアネート等)、ポリエステル−ウレタン混合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系共重合体樹脂(ABS樹脂)、ポリオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート系樹脂等を好ましく用いることができ、これらのうち1種又は2種以上を組み合せて用いることができる。裏面プライマー層に用いられる樹脂としては、中でも、ポリエステル−ウレタン混合樹脂、及び塩化ビニル樹脂から選ばれる少なくとも1種を含むことが特に好ましく、ポリエステル−ウレタン混合樹脂を含むことが最も好ましい。
前記裏面プライマー層の厚さは、接着性を確保する観点から、0.1μm以上10.0μm以下が好ましく、0.5μm以上3.0μm以下がより好ましい。
前記裏面プライマー層は、例えば、前記樹脂を含有する裏面プライマー層用樹脂組成物を用いて、グラビア印刷法等の公知の方法で塗布することにより形成することができる。
(化粧材の厚さ)
本開示の化粧材の厚さは、化粧材の用途に応じて適宜調整され、特に限定はされない。本開示の化粧材が、他の部材表面等に貼着して用いられるものである場合は、本開示の化粧材の厚さは、貼着の容易性及び加工性の点から、10μm以上1,000μm以下であることが好ましく、50μm以上300μm以下であることがより好ましい。
5.用途
本開示の化粧材は、屋外用又は屋内用のいずれにも好適に用いられる。屋外用途としては、例えば、外壁、塀、屋根等の建築物の外装材、自動車等の車両の外装材、バルコニー用部材、屋外に設置される窓枠、扉枠、手摺等の建具及び装飾品、玄関扉、門、柵等のその他エクステリア部材等が挙げられる。屋内用途としては、例えば、壁、床、天井等の建築物の内装材、自動車等の車両の内装材、屋内に設置される窓枠、扉枠、手摺等の建具及び装飾品、キャビネット、テーブル、机等の家具等が挙げられる。本開示の化粧材は、耐候性に優れるため、中でも、耐候性が要求される屋外用として好適に用いられる。
[実施例1]
基材として、両面にコロナ処理を施したポリプロピレンシート(厚さ:80μm)を用意した。
基材の一方の面に、2液硬化型アクリル−ウレタン樹脂をバインダーとする着色インクを、グラビア印刷法で塗布することによって、木目模様の絵柄層(厚さ:3μm)を形成した。
基材のもう一方の面に、2液硬化型ウレタン−硝化綿混合樹脂、及び当該樹脂100質量部に対して、硬化剤としてヘキサメチレンジイソシアネートを5質量部含む裏面プライマー層用樹脂組成物を塗布することによって、裏面プライマー層(厚さ:3μm)を形成した。
次いで、絵柄層上に、透明ポリウレタン樹脂系接着剤を塗布することによって、接着剤層(厚さ:3μm)を形成した。
その後、接着剤層上に、透明なポリプロピレン樹脂を、Tダイ押出機により加熱溶融押出して製膜した後、表面にコロナ放電処理を施すことにより、透明樹脂層(厚さ:80μm)を形成した。
透明樹脂層上に、下記組成のプライマー層用樹脂組成物をグラビア印刷法で塗布することにより、プライマー層(厚さ:4μm)を形成した。
(プライマー層用樹脂組成物)
主剤:ポリカーボネート系ウレタン−アクリル共重合体 100質量部
硬化剤:1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート 5質量部
紫外線吸収剤:2−[4−{(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ}−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン 2質量部
光安定剤:ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート 1質量部
プライマー層上に、下記組成の艶消し層用樹脂組成物を、導管絵柄版を用いてグラビア印刷法にて塗布し、乾燥することにより、絵柄層の木目模様に沿って艶消し層(表面保護層が形成される前の厚さ:2μm)を形成した。
(艶消し層用樹脂組成物)
バインダー樹脂:アクリル系樹脂1(Tg=50℃)10質量部
微粒子:シリカ微粒子(平均粒径3.5μm、吸油量300mL/100g)13質量部
溶剤:酢酸ブチル 250質量部
なお、前記アクリル系樹脂1は、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート及びブチルメタクリレートから選ばれる2種以上を、ガラス転移温度(Tg)が50℃となるような割合で共重合させた共重合体である。
艶消し層を形成した面全面に、下記組成の表面保護層用樹脂組成物を塗布することにより塗膜を形成した。
(表面保護層用樹脂組成物)
電離放射線硬化性樹脂:ウレタンアクリレートオリゴマー 100質量部
シリカ微粒子 17質量部
紫外線吸収剤:2−[4−{(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ}−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン 1質量部
光安定剤:ヒンダードアミン光安定剤(ビス(1−オクチルオシキ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート 1質量部
溶剤:酢酸エチル 130質量部
前記表面保護層用樹脂組成物の塗膜に、電子線(加圧電圧:165kV、5Mrad(50kGy))を照射して硬化させることにより、表面保護層(艶消し層が形成されていない領域での厚さ:5μm)を形成した。
このようにして、図2に示すような、表面保護層3、艶消し層2、プライマー層7、透明樹脂層6、接着剤層5、絵柄層4、基材1、及び裏面プライマー層8をこの順に有する化粧材を得た。
[比較例1]
実施例1において、艶消し層用樹脂組成物中のアクリル系樹脂1(Tg=50℃)に代えて、ブチラール系樹脂(Tg=60℃)を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例1の化粧材を得た。
[比較例2]
実施例1において、艶消し層用樹脂組成物中のアクリル系樹脂1(Tg=50℃)に代えて、アクリル系樹脂2(Tg=100℃、ポリメチルメタクリレート)を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例2の化粧材を得た。
[意匠性評価]
実施例1、比較例1及び比較例2で得た化粧材の表面保護層側の表面を目視により観察し、下記評価基準により意匠性を評価した。
(意匠性評価基準)
A:グロスマット感が明瞭
B:グロスマット感が不明瞭
なお、目視により、艶消し層を配置していない領域を凸部と認識し、艶消し層を配置した領域を凹部と認識することが、容易である場合を、グロスマット感が明瞭であるとし、困難である場合を、グロスマット感が不明瞭とした。
[耐候性評価]
実施例1、比較例1及び比較例2で得た化粧材について、超促進耐候性試験機(アイスーパーUVテスター、型式:SUV−W261、岩崎電気(株)製)を用い、下記の試験条件及び試験方法により耐候性評価試験(以下、S−UV試験という)を実施した。
(照射条件)
紫外線照度:100mW/cm
ブラックパネル温度:63℃
湿度:50%RH
(試験方法)
前記照射条件で、20時間連続で紫外線を照射した後、試験環境を4時間結露の状態にした。これを1サイクルとして繰り返した。
試験開始500時間後及び1000時間後の各化粧材の表面保護層を目視で観察し、それぞれ以下の通り評価した。
(耐候性評価基準)
A:外観変化なし
B:軽微な外観変化あり
C:著しい外観変化あり
前記S−UV試験は、屋外暴露10年分を約1000時間で再現できる試験であるため(岩崎電気(株)の見解より)、本開示では、前記S−UV試験において、試験開始500時間後の評価結果が「A」であれば、屋内用として使用可能な耐候性を有すると評価し、試験開始500時間後及び1000時間後の評価結果が「A」であれば、屋外用としても使用可能な耐候性を有すると評価する。
Figure 2021055375
実施例1の化粧材は、艶消し層が、40℃以上70℃以下の範囲内にガラス転移温度(Tg)を有するアクリル系樹脂と、微粒子を含有するものであったため、グロスマット感が明瞭であり、前記S−UV試験開始1000時間後においても外観変化が生じず、屋外用としても使用可能なレベルの耐候性を有しており、優れた意匠性と耐候性を有するものであった。
一方、比較例1の化粧材は、屋内用としては使用可能なレベルであったが、艶消し層のバインダー樹脂として、ブチラール系樹脂を用いたため、前記S−UV試験開始1000時間後には顕著な外観変化が生じ、屋外用としては耐候性が不十分であり、実施例1の化粧材に比べて耐候性が劣っていた。
比較例2の化粧材は、艶消し層のバインダー樹脂として、ガラス転移温度(Tg)が70℃超過のアクリル系樹脂を用いたため、艶消し層による艶消し効果が不十分で、グロスマット感が不明瞭であり、実施例1の化粧材に比べて意匠性が劣っていた。
1 基材
2 艶消し層
3 表面保護層
4 絵柄層
5 接着剤層
6 透明樹脂層
7 プライマー層
8 裏面プライマー層
10 化粧材

Claims (4)

  1. 基材と、表面保護層と、前記基材と前記表面保護層との間に位置する艶消し層とを有し、
    前記艶消し層が、40℃以上70℃以下の範囲内にガラス転移温度(Tg)を有するアクリル系樹脂と、微粒子とを含有する、化粧材。
  2. 前記艶消し層がパターン状に配置されている、請求項1に記載の化粧材。
  3. 更に絵柄層を有する、請求項1又は2に記載の化粧材。
  4. 前記艶消し層が含有する前記微粒子がシリカ微粒子である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の化粧材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022210485A1 (ja) 2021-03-29 2022-10-06 第一三共株式会社 安定な多重特異性分子及びその利用

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