JP2023146261A - 外装部材の製造方法、転写シートおよび外装部材 - Google Patents

外装部材の製造方法、転写シートおよび外装部材 Download PDF

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Natsuo Sugita
泰宏 秋田
Yasuhiro Akita
哲 古田
Satoru Furuta
沙織 宮崎
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Abstract

【課題】アルミニウム部材及び転写層の密着性が高い外装部材の製造方法を提供する。【解決手段】アルミニウム部材を有する外装部材の製造方法であって、離型フィルム1、第1保護層2、第2保護層3および意匠層4を、厚さ方向において、この順に有する転写シート10を準備する準備工程と、上記転写シートの上記意匠層4側の面、および、上記アルミニウム部材20の間に、接着剤層30を配置し、上記転写シート、接着剤層30および上記アルミニウム部材20を密着させる密着工程と、を有する、外装部材の製造方法を提供する。【選択図】図1

Description

本開示は、外装部材の製造方法、転写シートおよび外装部材に関する。
アルミニウム部材等の金属部材に化粧シートを貼付することで、金属部材を加飾することが知られている。金属部材に含まれる金属(無機材料)と、化粧シートに含まれる樹脂(有機材料)とは、異種材料であるため、これらを貼り合わせた化粧部材は、リサイクル時の分別が困難である。
化粧シートの代わりに転写シートを用いた場合、シートに含まれる樹脂含有量を低減できる。シートに含まれる樹脂含有量を低減することで、金属および樹脂を分別することなく、リサイクルが可能になるため、環境負荷が低減される。例えば特許文献1には、アルミニウム基材の外面に酸化皮膜層が配され、その外面に加飾層が配されており、該加飾層の表面に模様が施されている雨樋が開示されている。具体的に、特許文献1には、アルマイト処理したアルミニウム基材の外面に、水圧転写処理で加飾層を形成することが開示されている。
特開2020-12283号公報
例えば特許文献1では、アルミニウム基材に対して、加飾層を直接転写している。アルミニウム基材と、加飾層に含まれる樹脂とは、異種材料であるため、両者の密着性が低い。特に、外装部材(屋外用の部材)は、過酷な環境に曝されるため、アルミニウム部材および転写層(転写シートから転写される層)の密着性が高いことが望まれる。
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、アルミニウム部材および転写層の密着性が高い外装部材を得ることができる、外装部材の製造方法を提供することを主目的とする。
本開示においては、アルミニウム部材を有する外装部材の製造方法であって、離型フィルム、第1保護層、第2保護層および意匠層を、厚さ方向において、この順に有する転写シートを準備する準備工程と、上記転写シートの上記意匠層側の面、および、上記アルミニウム部材の間に、接着剤層を配置し、上記転写シート、接着剤層および上記アルミニウム部材を密着させる密着工程と、を有する、外装部材の製造方法を提供する。
また、本開示においては、離型フィルム、第1保護層、第2保護層および意匠層を、厚さ方向において、この順に有し、上述した外装部材の製造方法に用いられる、転写シートを提供する。
また、本開示においては、第1保護層、第2保護層、意匠層、接着剤層およびアルミニウム部材を、厚さ方向において、この順に有する外装部材を提供する。
本開示においては、アルミニウム部材および転写層の密着性が高い外装部材を得ることができるという効果を奏する。
本開示における外装部材の製造方法を例示する概略断面図である。 本開示における転写シートを例示する概略断面図である。
下記に、図面等を参照しながら、実施の形態を説明する。ただし、本開示は、多くの異なる態様で実施することが可能であり、下記に例示する実施の形態の記載内容に限定されるべきではない。また、図面は説明をより明確にするため、実際の形態に比べ、各部の幅、厚さ、形状について模式的に表す場合があるが、これはあくまで一例であり、限定して解釈されるべきではない。
本明細書において、ある部材に、他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」あるいは「下に」と表記する場合、特に断りの無い限り、ある部材に接するように、直上あるいは直下に、他の部材を配置する場合と、ある部材の上方あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合と、の両方を含む。また、本明細書において、ある部材の面に、他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「面に」と表記する場合、特に断りの無い限り、ある部材に接するように、直上あるいは直下に、他の部材を配置する場合と、ある部材の上方あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合と、の両方を含む。
以下、本開示における、外装部材の製造方法、転写シートおよび外装部材について、詳細に説明する。
A.外装部材の製造方法
図1は、本開示における外装部材の製造方法を例示する概略断面図である。まず、図1(a)に示すように、転写シート10を準備する。転写シート10は、離型フィルム1、第1保護層2、第2保護層3および意匠層4を、厚さ方向Dにおいて、この順に有する。次に、図1(b)に示すように、転写シート10の意匠層4側の面、および、アルミニウム部材20の間に、接着剤層30を配置し、転写シート10、接着剤層30およびアルミニウム部材20を密着させる。「転写シート10の意匠層4側の面」とは、離型フィルム1を基準とした場合に意匠層4側に位置する、転写シート10の面をいう。次に、図1(c)に示すように、転写シート10から離型フィルム1を剥離する。これにより、第1保護層2、第2保護層3、意匠層4、接着剤層30およびアルミニウム部材20を、厚さ方向Dにおいて、この順に有する、外装部材100が得られる。なお、転写シート10において、アルミニウム部材20側に転写される層を、転写層と称する。図1において、転写層は、第1保護層2、第2保護層3および意匠層4に該当する。
本開示によれば、接着剤層を介して、アルミニウム部材および転写シートを密着させることで、アルミニウム部材および転写層の密着性が高い外装部材を得ることができる。上述したように、アルミニウム基材と、加飾層に含まれる樹脂とは、異種材料であるため、両者の密着性が低い。特に、外装部材(屋外用の部材)は、過酷な環境に曝されるため、アルミニウム部材および転写層の密着性が高いことが望まれる。本開示においては、接着剤層を介して、アルミニウム部材および転写シートを強固に密着させることで、密着性が良好な外装部材が得られる。また、接着剤層を設けることで、例えば、ヒートシールで密着させる場合、または、粘着剤層を設ける場合に比べて、高い密着性が得られる。アルミニウム部材と接着剤層との界面は、アルミニウム部材の表面に存在する水酸基と、接着剤との結合(化学的結合または分子間力)により、強固に密着するためである。このように、接着剤層を設けることで、ヒートシールで密着させる場合、または、粘着剤層を設ける場合に比べて、高い密着性が得られる。また、ヒートシールで密着させる場合、アルミニウム部材の表面が、樹脂コーティングされている必要があるため、粘着剤層を設ける場合に比べて、高い密着性が得られず、さらに工程が複雑化してしまう。また、アルミニウム部材は熱伝導性が高いため、熱しやすく、冷めやすい性質がある。そのため、ヒートシールで密着させる場合、均一に熱が加わらず、密着性にムラができる可能性がある。
また、外装部材(屋外用の部材)には、内装部材(屋内用の部材)に比べて、高い耐候性が求められる。例えば、化粧シートを用いて外装部材を製造する場合、強度向上を目的として、化粧シートに透明樹脂層を設ける場合がある。この場合、透明樹脂層は比較的厚い層であるため、例えば透明樹脂層に十分な量の耐候剤を添加することで、高い耐候性が付与される。これに対して、透明樹脂層に該当する層を有しない転写シートに、高い耐候性を付与することは、技術的な困難性が高い。本開示においては、第1保護層および第2保護層の両方が耐候剤を含有することが好ましい。これにより、第1保護層に求められる特性(例えば耐擦傷性等の表面特性)、および、第2保護層に求められる特性(例えば密着性)を維持しつつ、高い耐候性を付与することができる。
また、転写シートの場合、第1保護層および第2保護層の密着性は不足しやすい。ここで、化粧シートの場合、通常、基材層上に意匠層を形成し、次に、意匠層上に第2保護層を形成し、次に、第2保護層上に第1保護層を形成する。第1保護層は、典型的には、第2保護層上に形成された第1保護層形成用の組成物を硬化することで作製されるため、第1保護層および第2保護層の密着性は良好になる。これに対して、転写シートの場合、通常、離型フィルム上に第1保護層を形成し、次に、第1保護層上に第2保護層を形成し、次に、第2保護層上に意匠層を形成する。第1保護層は、典型的には、離型フィルム上に第1保護層形成用の組成物を硬化することで作製される。その硬化した第1保護層上に、第2保護層を形成するため、第1保護層および第2保護層の密着性は不足しやすい。本開示においては、第2保護層は第1保護層よりも柔軟性が高い層であることが好ましい。これにより、第1保護層および第2保護層の密着性を高くすることができる。
1.準備工程
本開示における準備工程は、離型フィルム、第1保護層、第2保護層および意匠層を、厚さ方向において、この順に有する転写シートを準備する工程である。上述したように、転写シートは、通常、離型フィルムと、転写層と、を有する。本開示における転写層は、離型フィルム側から順に、第1保護層、第2保護層および意匠層を少なくとも有する。転写層は、第1保護層、第2保護層および意匠層のみを有していてもよく、他の層をさらに有していてもよい。また、転写層の一方の最表面は、意匠層であってもよい。
転写層の厚さは、例えば8μm以上であり、10μm以上であってもよく、12μm以上であってもよく、14μm以上であってよい。転写層が薄いと、十分な耐候性が得られない可能性がある。一方、転写層の厚さは、例えば50μm以下であり、40μm以下であってもよく、30μm以下であってもよい。転写層が厚いと、リサイクル時に、金属および樹脂を分別する必要が生じる。また、第1保護層、第2保護層および意匠層の厚さの合計は、例えば10μm以上であり、12μm以上であってもよく、14μm以上であってよい。上記合計が小さいと、十分な耐候性が得られない可能性がある。一方、上記合計は、例えば50μm以下であり、40μm以下であってもよく、30μm以下であってもよい。上記合計が大きいと、リサイクル時に、金属および樹脂を分別する必要が生じる。
(1)第1保護層
本開示における転写シートは、第1保護層を有する。第1保護層は、外装部材の表面特性(例えば耐擦傷性)の向上に寄与する。第1保護層および離型フィルムは、直接接触するように配置されていてもよく、他の層を介して配置されていてもよい。
第1保護層は、樹脂成分として、硬化性樹脂組成物の硬化物(架橋構造体)を含むことが好ましい。硬化性樹脂組成物の硬化物の割合は、第1保護層を構成する全樹脂成分に対して、例えば、70質量%以上であり、90質量%以上であってもよく、95質量%以上であってもよく、100質量%であってもよい。
硬化性樹脂組成物の硬化物としては、例えば、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物が挙げられる。電離放射線硬化性樹脂組成物としては、例えば、電子線硬化性樹脂組成物、紫外線硬化性樹脂組成物が挙げられる。これらの中でも、重合開始剤が不要のため臭気が少なく、着色が生じにくいことから、電子線硬化性樹脂組成物が好ましい。
電離放射線硬化性樹脂組成物は、電離放射線硬化性官能基を有する化合物(以下、「電離放射線硬化性化合物」ともいう)を含む組成物である。電離放射線硬化性官能基としては、電離放射線の照射によって架橋硬化する基であり、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性二重結合を有する官能基が挙げられる。なお、本開示において、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基またはメタクロイル基をいう。また、本開示において、(メタ)アクリレートとは、アクリレートまたはメタクリレートをいう。
電離放射線とは、電磁波または荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものをいう。電離放射線としては、例えば、電子線(EB)および紫外線(UV)が挙げられる。また、電離放射線の他の例としては、X線、γ線等の電磁波、α線、イオン線等の荷電粒子線が挙げられる。
電離放射線硬化性化合物は、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリカーボネート(メタ)アクリレート、アクリル(メタ)アクリレートから選ばれる1種以上を含むことが好ましい。中でも、電離放射線硬化性化合物は、ウレタン(メタ)アクリレートを少なくとも含むことが好ましい。ウレタン(メタ)アクリレートは、カプロラクトン系ウレタンアクリレートであることが好ましい。
電離放射線硬化性化合物がカプロラクトン系ウレタンアクリレートを含有する場合、カプロラクトン系ウレタンアクリレートの官能基数は、2以上4以下が好ましく、2以上3以下がより好ましい。
また、電離放射線硬化性化合物は、カプロラクトン系ウレタンアクリレートと、カプロラクトン変性されていないウレタン(メタ)アクリレートと含んでいてもよい。この場合、第1保護層に含まれるカプロラクトン系ウレタンアクリレートの含有量をMCLUAとし、カプロラクトン変性されていないウレタン(メタ)アクリレートの含有量をMUAとする。MUAおよびMCLUAの合計に対するMCLUAの質量比(MCLUA/(MUA+MCLUA))は、例えば、40質量%以上90質量%以下であり、45質量%以上80質量%以下であってもよく、50質量%以上70質量%以下であってもよい。
カプロラクトン系ウレタンアクリレートは、通常、カプロラクトン系ポリオールと、有機イソシアネートと、ヒドロキシ(メタ)アクリレートとの反応により得ることができる。合成法としては、例えば、ポリカプロラクトン系ポリオールと有機ポリイソシアネートとを反応させて、両末端に-NCO基(イソシアナート基)を含有するポリウレタンプレポリマーを生成させた後に、ヒドロキシ(メタ)アクリレートと反応させる方法が挙げられる。
カプロラクトン系ポリオールとして、市販されるものを使用することができ、好ましくは2個の水酸基を有し、数平均分子量が好ましくは500~3000、より好ましくは750~2000のものが挙げられる。また、カプロラクトン系以外のポリオール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール等のポリオールを1種または複数種を任意の割合で混合して使用することもできる。有機ポリイソシアネートとしては、2個のイソシアネート基を有するジイソシアネートが好ましく、黄変を抑制する観点から、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4′-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が好ましく挙げられる。ヒドロキシ(メタ)アクリレートとしては、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、カプロラクトン変性-2-ヒドロキシエチルアクリレート等が好ましく挙げられる。
電離放射線硬化性樹脂組成物が、カプロラクトン系ポリオールを含む場合、カプロラクトン系ウレタンアクリレートは、カプロラクトンジオール系ウレタンアクリレートであることが好ましい。カプロラクトンジオール系ウレタンアクリレートとは、カプロラクトン系ウレタンアクリレートのうち、末端がジエチレングリコールであるウレタンアクリレートをいう。カプロラクトンジオール系ウレタンアクリレートを用いることで、第1保護層に、割れおよび白化が生じることを抑制できる。
電離放射線硬化性化合物の数平均分子量は、例えば、300以上10000以下であり、1000以上10000以下であってもよく、2000以上10000以下であってもよい。数平均分子量は、GPC分析によって測定され、かつ標準ポリスチレンで換算された平均分子量である。
例えば、電離放射線硬化性化合物が、紫外線硬化性化合物である場合、電離放射線硬化性化合物は、光重合開始剤および光重合促進剤の少なくとも一方を含むことが好ましい。光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、ベンゾフェノン、α-ヒドロキシアルキルフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルジメチルケタール、ベンゾイルベンゾエート、α-アシルオキシムエステル、アシルフォスフィンオキサイド、チオキサントン類が挙げられる。光重合促進剤としては、例えば、p-ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p-ジメチルアミノ安息香酸エチルエステルが挙げられる。
第1保護層は、耐候剤を含有することが好ましい。耐候剤としては、例えば、紫外線吸収剤および光安定剤が挙げられる。第1保護層は、紫外線吸収剤および光安定剤の少なくとも一つを含むことが好ましい。第1保護層は、1種または2種以上の紫外線吸収剤を含んでいてもよい。同様に、第1保護層は、1種または2種以上の光安定剤を含んでいてもよい。
第1保護層に含まれる紫外線吸収剤としては、例えば、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、オキシベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチル酸エステル系紫外線吸収剤、シアノ(メタ)アクリレート系紫外線吸収剤等の有機系紫外線吸収剤、二酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛等の無機系紫外線吸収剤が挙げられる。これらの中でも、トリアジン系紫外線吸収剤がより好ましい。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、例えば、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤が挙げられる。ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤としては、例えば、2-(2-ヒドロキシ-4-[1-オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)-4,6-ビス(4-フェニルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[4-[(2-ヒドロキシ-3-ドデシルオキシプロピル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス[2-ヒドロキシ-4-ブトキシフェニル]-6-(2,4-ジブトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[4-[(2-ヒドロキシ-3-トリデシルオキシプロピル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[4-[(2-ヒドロキシ-3-(2'-エチル)ヘキシル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5[2-(2-エチルヘキサノイルオキシ)エトキシ]フェノールが挙げられる。
第1保護層に含まれる紫外線吸収剤の含有量は、電離放射線硬化性化合物100質量部に対して、例えば、0.5質量部以上10質量部以下であり、0.8質量部以上8質量部以下であってもよく、1質量部以上5質量部以下であってもよい。紫外線吸収剤の含有量が多いと、紫外線吸収剤のブリードアウトが発生する可能性があり、紫外線吸収剤の含有量が少ないと、十分な紫外線吸収性能が得られない可能性がある。
第1保護層に含まれる光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤が挙げられる。ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニルメタクリレート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)セバケート、2,4-ビス[N-ブチル-N-(1-シクロヘキシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]-6-(2-ヒドロキシエチルアミン)-1,3,5-トリアジン)が挙げられる。
第1保護層に含まれる光安定剤の含有量は、電離放射線硬化性化合物100質量部に対して、例えば、1質量部以上10質量部以下であり、1.5質量部以上8質量部以下であってもよく、2質量部以上5質量部以下であってもよい。光安定剤の含有量が多いと、光安定剤のブリードアウトが発生する可能性があり、光安定剤の含有量が少ないと、十分な光安定性が得られない可能性がある。
第1保護層は、シリコーン化合物、重合禁止剤、架橋剤、帯電防止剤、接着性向上剤、酸化防止剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、防汚剤、消泡剤、充填剤等の添加剤を含有していてもよい。また、第1保護層の厚さは、例えば、2μm以上20μm以下であり、3μm以上15μm以下であってもよく、4μm以上10μm以下であってもよい。第1保護層が薄いと、十分な耐候性が得られない可能性があり、第1保護層が厚いと、第1保護層にクラックが生じやすくなり、良好な密着性が得られない可能性がある。
(2)第2保護層
本開示における転写シートは、第2保護層を有する。第2保護層は、第1保護層と意匠層との密着性向上に寄与する。第2保護層は、通常、第1保護層より柔軟な層である。また、第2保護層および第1保護層は、直接接触するように配置されていてもよく、他の層を介して配置されていてもよい。
第2保護層は、樹脂を含有する。上記樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ブチラール系樹脂、ポリオレフィン、塩素化ポリオレフィン、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体およびポリエステルが挙げられる。これらの中でも、ウレタン系樹脂が好ましい。第2保護層は、上記樹脂の硬化物(架橋構造体)を含むことが好ましい。
第2保護層は、硬化性樹脂組成物の硬化物(特に、熱硬化性樹脂組成物の硬化物)を含むことが好ましい。熱硬化性樹脂組成物は、少なくとも熱硬化性樹脂を含む組成物であり、加熱により、硬化する組成物である。熱硬化性樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ウレタンアクリル系樹脂、フェノール系樹脂、尿素メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂が挙げられる。また、熱硬化性樹脂組成物は、これら樹脂に、イソシアネート系硬化剤、エポキシ系硬化剤等の硬化剤を添加したものであってもよい。
熱硬化性樹脂組成物の硬化物は、(メタ)アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂またはウレタンアクリル系樹脂を含む熱硬化性樹脂組成物の硬化物が好ましく、ウレタンアクリル系樹脂を含む熱硬化性樹脂組成物の硬化物がより好ましい。また、熱硬化性樹脂組成物は、硬化物の構造をよりリジットにするために、イソシアネート系硬化剤またはエポキシ系硬化剤を含むことが好ましく、イソシアネート系硬化剤を含むことがより好ましい。
また、第2保護層がウレタンアクリル系樹脂を含む場合、ウレタンアクリル系樹脂は、ウレタンアクリル共重合体であることが好ましく、ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体であることがより好ましい。ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体は、ポリカーボネートジオールと(ジ)イソシアネートとを反応させて得られるポリカーボネート系ポリウレタン高分子に、アクリルモノマーをラジカル重合させて得られる樹脂である。
(ジ)イソシアネートとしては、例えば、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、n-イソシアネートフェニルスルホニルイソシアネート、o-イソシアネートフェニルスルホニルイソシアネート、p-イソシアネートフェニルスルホニルイソシアネート等の芳香族イソシアネート;1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート;イソホロンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂環式イソシアネートが挙げられる。
アクリルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸-n-プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸-n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体における、アクリル成分およびウレタン成分の合計に対するウレタン成分の質量比([ウレタン成分]/([アクリル成分]+[ウレタン成分])は、例えば、70質量%以上95質量%以下であり、75質量%以上95質量%以下であってもよく、80質量%以上90質量%以下であってもよい。上記質量比を70質量%以上にすることで、ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体におけるポリカーボネート構造の割合を多くすることができるため、ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体の構造がよりリジットになる。そのため、温度変化に対する変形を小さくできる。また、上記質量比を95質量%以下にすることで、第2保護層の柔軟性を確保しやすくなり、意匠層との密着性が向上する。
第2保護層は、耐候剤を含有することが好ましい。耐候剤としては、例えば、紫外線吸収剤および光安定剤が挙げられる。第2保護層は、紫外線吸収剤および光安定剤の少なくとも一つを含むことが好ましい。耐候剤の好ましい種類および態様については、上記「(1)第1保護層」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。特に、第2保護層は、トリアジン系紫外線吸収剤を含むことが好ましい。また、第2保護層は、ヒンダードアミン系光安定剤を含むことが好ましい。
第2保護層に含まれる紫外線吸収剤の含有量は、樹脂成分100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上50質量部以下であり、3質量部以上40質量部以下であってもよく、10質量部以上35質量部以下であってもよい。また、第2保護層に含まれる紫外線吸収剤の含有量(樹脂成分100質量部に対する含有量)は、第1保護層に含まれる紫外線吸収剤の含有量(樹脂成分100質量部に対する含有量)より多くてもよい。
第2保護層に含まれる光安定剤の含有量は、樹脂成分100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上15質量部以下であり、1質量部以上15質量部以下であってもよく、3質量部以上10質量部以下であってもよい。また、第2保護層に含まれる光安定剤の含有量(樹脂成分100質量部に対する含有量)は、第1保護層に含まれる光安定剤の含有量(樹脂成分100質量部に対する含有量)より多くてもよい。
第2保護層は、シリコーン化合物、重合禁止剤、架橋剤、帯電防止剤、接着性向上剤、酸化防止剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、防汚剤、消泡剤、充填剤等の添加剤を含有していてもよい。また、第2保護層の厚さは、例えば、2μm以上10μm以下であり、3μm以上8μm以下であってもよく、3μm以上5μm以下であってもよい。第2保護層が薄いと、相対的に硬い第1保護層との密着性(特に初期密着性)が低くなる可能性がある。一方、第2保護層が厚いと、熱による第2保護層の動きが大きくなり、第1保護層にクラックが生じやすくなる。
(3)意匠層
本開示における転写シートは、第2保護層の第1保護層とは反対側の面に、意匠層を有する。意匠層を設けることで、外装部材の意匠性が向上する。意匠層および第2保護層は、直接接触するように配置されていてもよく、他の層を介して配置されていてもよい。
意匠層としては、例えば、ベタ層(インキをベタ塗りした層)、絵柄層(インキを印刷した層)が挙げられる。転写シートは、意匠層として、離型フィルム側から順に、絵柄層およびベタ層を有していてもよい。絵柄層における絵柄(模様)としては、例えば、木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様、草花模様が挙げられる。
意匠層は、通常、着色剤およびバインダー樹脂を含有する。着色剤としては、例えば、カーボンブラック(墨)、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、ニッケルアゾ錯体、フタロシアニンブルー、アゾメチンアゾブラック等の有機顔料(染料を含む)、アルミニウム、真鍮等の金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等のパール顔料が挙げられる。
バインダー樹脂としては、例えば、ウレタン系樹脂、アクリルポリオール系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、エステル系樹脂、アミド系樹脂、ブチラール系樹脂、スチレン系樹脂、ウレタン-アクリル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル-アクリル共重合体、塩素化プロピレン系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、酢酸セルロース系樹脂が挙げられる。
意匠層は、必要に応じて、紫外線吸収剤、光安定剤、硬化剤、可塑剤、触媒等の添加剤を含有していてもよい。意匠層の厚さは、例えば、0.5μm以上20μm以下であり、1μm以上10μm以下であってもよく、2μm以上5μm以下であってもよい。
(4)離型フィルム
本開示における転写シートは、第1保護層の第2保護層とは反対側の面に、離型フィルム(第1離型フィルム)を有する。離型フィルムおよび第1保護層は、直接接触するように配置されていてもよく、他の層を介して配置されていてもよい。
離型フィルムは、樹脂フィルムであることが好ましい。樹脂フィルムに含まれる樹脂としては、例えば、エステル系樹脂、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、アミド系樹脂、イミド系樹脂、カーボネート系樹脂が挙げられる。
離型フィルムは、エステル系樹脂またはオレフィン系樹脂を含有することが好ましい。エステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート-イソフタレート共重合体が挙げられる。これらの中でも、転写シートを製造する際の熱収縮、および、電離放射線の照射による収縮が生じにくいという観点から、PETまたはPBTが好ましく、PETがより好ましい。
オレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-プロピレン-ブテン共重合体が挙げられる。これらの中でも、転写シートを製造する際の熱収縮、および、電離放射線の照射による収縮が生じにくいという観点から、ポリプロピレンが好ましい。
離型フィルムは、延伸フィルムであってもよく、未延伸フィルムであってもよい。延伸フィルムにおける機械方向(MD)における延伸倍率は、例えば5倍以上30倍以下である。延伸フィルムにおける幅方向(TD)における延伸倍率は、例えば5倍以上30倍以下である。また、離型フィルムの厚さは、例えば、10μm以上200μm以下であり、15μm以上150μm以下であってもよく、20μm以上100μm以下であってもよい。
(5)転写シート
本開示における転写シートは、離型フィルムおよび転写層(少なくとも、第1保護層、第2保護層および意匠層)を有する。
本開示における転写シートは、意匠層の第2保護層とは反対側の面に、第2離型フィルムを有していてもよい。例えば、転写シートをロール状に巻き取って製造した場合に、ブロッキングの発生を抑制できる。第2離型フィルムは、通常、後述する密着工程の前に、転写シートから剥離される。第2離型フィルムの詳細については、上述した第1離型フィルムに記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。
(6)転写シートの形成方法
本開示における転写シートの形成方法は、特に限定されないが、例えば、離型フィルムの面に第1保護層を形成し、次いで、第1保護層の離型フィルムとは反対側の面に第2保護層を形成し、次いで、第2保護層の第1保護層とは反対側の面に意匠層を形成する方法が挙げられる。
第1保護層の形成方法としては、例えば、離型フィルムの面に、第1保護層を形成するための組成物を塗工し、硬化させる方法が挙げられる。上記組成物の塗工方法としては、例えば、グラビア印刷法、バーコート法、ロールコート法、リバースロールコート法、コンマコート法が挙げられる。上記硬化方法としては、例えば、電子線、紫外線等の電離放射線を照射する方法が挙げられる。
第2保護層の形成方法としては、例えば、第1保護層の離型フィルムとは反対側の面に、第2保護層を形成するための組成物を塗工し、必要に応じて硬化させる方法が挙げられる。上記組成物の塗工方法としては、例えば、グラビア印刷法、バーコート法、ロールコート法、リバースロールコート法、コンマコート法が挙げられる。上記硬化方法としては、例えば、熱が挙げられる。また、意匠層の形成方法としては、例えば、第2保護層の第1保護層とは反対側の面に、着色剤、バインダー樹脂および溶剤を含有するインキを塗工する方法が挙げられる。
2.密着工程
本開示における密着工程は、上記転写シートの上記意匠層側の面、および、上記アルミニウム部材の間に、接着剤層を配置し、上記転写シート、接着剤層および上記アルミニウム部材を密着させる工程である。
(1)アルミニウム部材
本開示においては、転写シートを被着させる基体として、アルミニウム部材を用いる。アルミニウム部材は、アルミニウムまたはアルミニウム合金を含む部材である。アルミニウム部材は、表面に酸化アルミニウム被膜を有することが好ましい。アルミニウム部材の耐食性が向上するからである。酸化アルミニウム被膜の形成方法としては、例えば、アルマイト処理が挙げられる。
アルミニウム部材の形状は、特に限定されず、例えば、板状、シート状、立体形状が挙げられる。立体形状とは、X軸、Y軸およびZ軸の座標で表現される三次元形状をいう。密着工程においては、アルミニウム部材の立体形状部(立体形状を有する部位)を、転写シートで被覆することが好ましい。立体形状部では、アルミニウム部材および転写層の密着性が低くなりやすいが、接着剤層を設けることで、アルミニウム部材および転写層の密着性を高くできる。アルミニウム部材は、平面部を有していてもよく、曲面部を有していてもよく、平面部および曲面部の両方を有していてもよい。また、アルミニウム部材は、角部、凸部、凹部、凸条部、凹条部、蛇腹部、貫通部の少なくとも一つを有していてもよい。
(2)接着剤層
接着剤層に用いられる接着剤としては、特に限定されず、公知の接着剤を使用することができる。例えば、感熱接着剤、感圧接着剤等の接着剤が挙げられる。接着剤に用いられる樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、エステル系樹脂、アミド系樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合、スチレン-アクリル共重合が挙げられる。また、接着剤として、イソシアネート化合物を硬化剤とする2液硬化型のポリウレタン系接着剤、および、ポリエステル系接着剤を用いてもよい。また、接着剤は、溶剤系接着剤またはポリウレタンリアクティブ系(PUR系)接着剤であることが好ましい。
接着剤層は、剥離強度が高いことが好ましい。接着剤層の剥離強度は、例えば15N/inch以上、50N/inch以下であり、20N/inch以上、40N/inch以下であってもよい。接着剤層の剥離強度は、下記の方法により測定される。すなわち、厚さ0.8mmのアルミニウム板(アルマイト処理済)に、接着剤を厚さ5μmで塗布し、ポリエステルフィルム(東洋紡株式会社製、東洋紡エステルフィルムE5001、厚さ50μm)とロールラミネータにより貼り合わせる。得られた積層体に対して、JIS K6854-2:1999に基づき180°剥離試験を行い、剥離強度を測定する。また、接着剤層の硬さは、特に限定されないが、鉛筆硬度がB以上であることが好ましい。また、接着剤層の厚さは、特に限定されないが、例えば、2μm以上100μm以下であり、2μm以上50μm以下であってもよく、2μm以上35μm以下であってもよい。
(3)密着方法
密着工程においては、転写シートの意匠層側の面、および、アルミニウム部材の間に、接着剤層を配置し、転写シート、接着剤層およびアルミニウム部材を密着させる。密着工程は、接着剤層を形成する接着剤層形成処理と、転写シート、接着剤層およびアルミニウム部材を密着させる密着処理とを有することが好ましい。また、密着工程は、接着剤層形成処理の前に、転写シートのロールから、転写シートを供給する供給処理を有することが好ましい。ロール状の転写シートは、通常、接着剤層を有しない。
接着剤層形成処理において、転写シートの意匠層側の面に、接着剤層用塗工液を塗工し、接着剤層を形成してもよい。この場合、接着剤層用塗工液を転写シートに均一に塗工できるという利点がある。一方、接着剤層形成処理において、アルミニウム部材の面に、接着剤層用塗工液を塗工し、接着剤層を形成してもよい。この場合、接着剤の熱収縮の影響が生じにくいという利点がある。例えば接着剤層用塗工液を転写シートに塗工する場合、接着剤が熱収縮すると、転写シートにシワが生じる可能性がある。これに対して、接着剤層用塗工液をアルミニウム部材に塗工する場合、接着剤が熱収縮しても、通常、アルミニウム部材が撓むことはない。
密着処理において、転写シート、接着剤層およびアルミニウム部材を密着させる方法としては、例えば、ラミネート法が挙げられる。ラミネート法では、例えば、転写シート、接着剤層およびアルミニウム部材の積層体を、転写シート側から加熱および加圧する。加熱および加圧の方法としては、例えば、ロール転写装置を用いる方法が挙げられる。ロール転写装置のロール温度は、例えば200℃以下であり、180℃以下であってもよい。ロール温度が高いと、転写シートが必要以上に軟化する可能性がある。一方、ロール転写装置のロール温度は、例えば100℃以上であり、110℃以上であってもよく、120℃以上であってもよい。
本開示における外装部材の製造方法は、密着工程の後に、第1保護層から離型フィルムを剥離する剥離工程を有していてもよい。
3.外装部材
本開示における外装部材は、第1保護層、第2保護層、意匠層、接着剤層およびアルミニウム部材を、厚さ方向において、この順に有する。外装部材は、第1保護層の第2保護層とは反対側の面に、離型フィルムを有している離型フィルム付外装部材であってもよく、離型フィルムを有しない外装部材であってもよい。
本開示における外装部材は、通常、外装(屋外)で使用される。外装の用途としては、例えば、建材が挙げられる。建材は、例えば、住宅、事務所、店舗、病院、診療所等の建築物に用いられる。外装部材の用途としては、例えば、外壁、屋根、軒天井、ルーバー、戸袋、窓枠、扉、扉枠、手すり、塀、物干台が挙げられる。
B.転写シート
図2は、本開示における転写シートを例示する概略断面図である。図2に示すように、転写シート10は、離型フィルム1、第1保護層2、第2保護層3および意匠層4を、厚さ方向Dにおいて、この順に有する。本開示における転写シートは、上記「A.外装部材の製造方法」に記載した製造方法に用いられるシートである。
本開示によれば、上記転写シートを用いて上記製造方法を行うことで、密着性が高い外装部材が得られる。また、保護層が第1保護層および第2保護層を有するため、例えば単層の保護層に比べて、良好な耐候性を有し、かつ、意匠層との良好な密着性を有する保護層となる。
C.外装部材
本開示における外装部材は、第1保護層、第2保護層、意匠層、接着剤層およびアルミニウム部材を、厚さ方向において、この順に有する。
本開示によれば、意匠層およびアルミニウム部材の間に接着剤層が配置されていることから、密着性が高い外装部材となる。また、保護層が第1保護層および第2保護層を有するため、例えば単層の保護層に比べて、良好な耐候性を有し、かつ、意匠層との良好な密着性を有する保護層となる。本開示における外装部材については、上記「A.外装部材の製造方法」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。
本開示は、上記実施形態に限定されない。上記実施形態は例示であり、本開示における特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示における技術的範囲に包含される。
[実施例1]
(1)転写シートの作製
離型フィルムとして、易接着処理を施していない、マット形状のポリエステルフィルム(東洋紡株式会社、商品名:東洋紡エステルフィルムE5001、厚さ:50μm)を準備した。離型フィルムの一方の面に、第1保護層形成用の組成物を、グラビアコーティングにより塗工して未硬化樹脂層を形成した。その後、165kVの加速電圧にて50kGyの電子線照射を行い、硬化させ、厚さ5μmの第1保護層を形成した。その後、第1保護層上にコロナ照射を実施した。
<第1保護層形成用の組成物>
・電離放射線硬化性樹脂組成物:100質量部
3官能ウレタンアクリレート:70質量部
カプロラクトン系ウレタンアクリレート:30質量部
・紫外線吸収剤:2質量部(品名:TINUVIN479、BASF社)
・反応性官能基を有する光安定剤:2質量部(品名:サノールLS-3410、日本乳化剤株式会社)
次に、コロナ照射した第1保護層上に、下記の第2保護層形成用の組成物を、グラビアコーティングにより塗工し、乾燥させ、厚さ3.5μmの第2保護層を形成した。
<第2保護層形成用の組成物>
・ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体:100質量部
・紫外線吸収剤:17質量部(商品名:TINUVIN400、BASF社)
・紫外線吸収剤:13質量部(商品名:TINUVIN479、BASF社)
・ヒンダードアミン系光安定剤:8質量部(商品名:TINUVIN123、BASF社)
・ブロッキング防止剤:9質量部(シリカ粒子、平均粒径3μm)
・硬化剤:25質量部(ヘキサメチレンジイソシアネート)
次に、得られた第2保護層の面に、樹脂成分および顔料を含む意匠層用インキをグラビアコーティングにより塗工、乾燥し、意匠層を形成した。意匠層用インキの樹脂成分は、アクリル樹脂および塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体を含む熱硬化性樹脂であり、アクリル樹脂と塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体との質量比は8:2であった。これにより、離型フィルム、第1保護層、第2保護層および意匠層を、厚さ方向において、この順に有する転写シートを得た。
(2)評価用部材の作製
転写シートの意匠層側の面に、感熱接着剤(主剤:アロンメルトPES-320SK(東亞合成社)、硬化剤:コロネートL(東ソー社)、主剤:硬化剤=100:11、質量比)を塗工、乾燥し、厚さ40μmの接着剤層を形成した。次に、接着剤層を形成した転写シートを、150℃で1分間養生した。基体として、アルミニウム板(厚さ0.8mm)を準備し、表面にアルマイト処理を行った。転写シートを、接着剤層を介して、アルミニウム板と対向するように配置し、これらを、ロールラミネータ(ラミネート温度:160℃)のロール間に通すことにより、転写シート、接着剤層およびアルミニウム板を有する積層体を得た。得られた積層体から離型フィルムを剥離した。これにより、第1保護層、第2保護層、意匠層、接着剤層およびアルミニウム板を、厚さ方向において、この順に有する評価用部材を得た。
[比較例1]
接着剤層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、評価用部材を得た。
[密着性の評価]
実施例1および比較例1で得られた評価用部材の密着性を評価した。具体的には、評価用部材の転写層に、2mm間隔の縦横10区分の碁盤目状(全100マス分)にカッターで切れ目を入れ、粘着性テープ(ニチバン製「セロテープ(登録商標)」、幅24mm)を貼った後に剥がし、マス目の剥離した数を確認し、以下の基準で評価した。
A:剥離したマス目の数は10個以下だった。
B:剥離したマス目の数は11個以上30個以下だった。
C:剥離したマス目の数は31個以上だった。
その結果、実施例1の評価はAであり、比較例1の評価はCであった。このように、本開示においては、アルミニウム部材および転写シートを、接着剤層を介して密着させることで、アルミニウム部材および転写層の密着性が高い外装部材を得ることができることが確認された。
1 … 離型フィルム
2 … 第1保護層
3 … 第2保護層
4 … 意匠層
10 … 転写シート
20 … アルミニウム部材
100 … 外装部材

Claims (16)

  1. アルミニウム部材を有する外装部材の製造方法であって、
    離型フィルム、第1保護層、第2保護層および意匠層を、厚さ方向において、この順に有する転写シートを準備する準備工程と、
    前記転写シートの前記意匠層側の面、および、前記アルミニウム部材の間に、接着剤層を配置し、前記転写シート、接着剤層および前記アルミニウム部材を密着させる密着工程と、
    を有する、外装部材の製造方法。
  2. 前記アルミニウム部材は、立体形状を有する、請求項1に記載の外装部材の製造方法。
  3. 前記アルミニウム部材は、表面に酸化アルミニウム被膜を有する、請求項1または請求項2に記載の外装部材の製造方法。
  4. 前記密着工程は、
    前記接着剤層を形成する接着剤層形成処理と、
    前記転写シート、前記接着剤層および前記アルミニウム部材を密着させる密着処理と、を有し、
    前記接着剤層形成処理において、前記転写シートの前記意匠層側の面に、接着剤層用塗工液を塗工し、前記接着剤層を形成する、請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の外装部材の製造方法。
  5. 前記密着工程は、
    前記接着剤層形成処理の前に、前記転写シートのロールから、前記転写シートを供給する供給処理を有する、請求項4に記載の外装部材の製造方法。
  6. 前記密着工程は、
    前記接着剤層を形成する接着剤層形成処理と、
    前記転写シート、接着剤層および前記アルミニウム部材を密着させる密着処理と、を有し、
    前記接着剤層形成処理において、前記アルミニウム部材の面に、接着剤層用塗工液を塗工し、前記接着剤層を形成する、請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載の外装部材の製造方法。
  7. 前記密着工程において、感熱接着剤を用いて、前記接着剤層を形成する、請求項1から請求項6までのいずれかの請求項に記載の外装部材の製造方法。
  8. 前記接着剤層の厚さが、2μm以上100μm以下である、請求項1から請求項7までのいずれかの請求項に記載の外装部材の製造方法。
  9. 前記第1保護層が、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物を含む、請求項1から請求項8までのいずれかの請求項に記載の外装部材の製造方法。
  10. 前記第2保護層が、熱硬化性樹脂組成物の硬化物を含む、請求項1から請求項9までのいずれかの請求項に記載の外装部材の製造方法。
  11. 前記第1保護層が、紫外線吸収剤および光安定剤の少なくとも一方を含有する、請求項1から請求項10までのいずれかの請求項に記載の外装部材の製造方法。
  12. 前記第1保護層が、トリアジン系紫外線吸収剤を含有する、請求項1から請求項11までのいずれかの請求項に記載の外装部材の製造方法。
  13. 前記第2保護層が、紫外線吸収剤および光安定剤の少なくとも一方を含有する、請求項1から請求項12までのいずれかの請求項に記載の外装部材の製造方法。
  14. 前記第2保護層が、トリアジン系紫外線吸収剤を含有する、請求項1から請求項13までのいずれかの請求項に記載の外装部材の製造方法。
  15. 離型フィルム、第1保護層、第2保護層および意匠層を、厚さ方向において、この順に有し、
    請求項1から請求項14までのいずれかの請求項に記載の外装部材の製造方法に用いられる、転写シート。
  16. 第1保護層、第2保護層、意匠層、接着剤層およびアルミニウム部材を、厚さ方向において、この順に有する外装部材。
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