JP5581950B2 - 耐候ハードコートフィルム - Google Patents

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本発明は、耐候ハードコートフィルムに関する。
従来より、樹脂成形品や内装品、外装品などに耐傷性などの表面保護性を付与するために、樹脂表面などにハードコート層を設けることが行われている。
一方、一般住居の玄関ドアや外装材、公共施設の床材や外壁などの内外装、あるいは建造物や屋外に設置される構造物は、日々直射日光や風雨に晒されるため、これらの内外装材や建造物には、極めて厳しい耐候性が求められている。そして、従来のハードコート層を備えたフィルムでは、屋外で数年から数十年と長期に渡って使用し続けられるフィルムとしてはいまだ満足できるものではなく、更なる耐候性が求められている。より具体的には長期間の屋外での使用によっても、基材と各層及び層間での密着性が維持される耐候ハードコートフィルムが求められている。
これまで、化粧シート等に耐候性を付与するために種々の試みがなされてきた。例えば、基材上に電離放射線硬化性樹脂と熱硬化型のアクリルウレタン樹脂の側鎖にオルガノポリシロキサン基が導入されたシリコーン変性アクリルウレタン樹脂とイソシアネート硬化剤が混合されている表面保護層を配してなる化粧フィルムが提案されており、該化粧フィルムによって、基材と表面保護層の密着が劣る問題も克服したとされている(特許文献1参照)。しかしながら、基材と表面保護層の密着性について具体的な評価はなされていず、実施例に記載されるものと比較例に記載される化粧シートの常態密着の改善はなされていない。
また、基材上にTgが90℃以上の電離放射線硬化型樹脂とTgが90℃以上の熱硬化型樹脂の混合体からなる表面保護層を有する化粧シートが提案されている(特許文献2参照)。該化粧シートによれば、耐衝撃性、密着性を維持しつつ、表面硬度や耐汚染性も保持されるとしている。しかしながら、該化粧シートでは、耐候密着性が十分でなく、厳しい条件のもとでは、耐久性が不十分であった。
さらに、基材上に電離放射線硬化型樹脂と熱硬化型樹脂とを3:7〜1:9の割合で混合してなる表面保護層設けた化粧シートが提案されているが(特許文献3参照)、耐久密着性は不十分であった。
基材と表面保護層との接着性に優れた化粧シートの製造方法が提案されている(特許文献4参照)。該化粧シートの製造方法は、基材と表面保護層の中間にプライマー層を設け、プライマー層を未硬化の状態にて指触乾燥し、その上に未硬化で液状の表面保護層を形成した後、所定時間養生することによりプライマー層と表面保護層との間に混合層を形成し、表面保護層及びプライマー層を硬化するものである。この方法によれば、基材と表面保護層の接着性に優れた化粧シートが得られる。
しかしながら、この方法では、塗工条件に制約があり、必ずしも生産性が高いとは言えない。
特開2004−314495号公報 特開2004−314498号公報 特許第4487694号公報 特許第4473567号公報
本発明は、上記問題点に鑑み、長期間にわたってプライマー層と表面保護層間の層間密着性を維持し得る、密着耐候性の高い耐候ハードコートフィルムを提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、基材シート上にプライマー層と表面保護層を有し、該プライマー層に表面保護層を構成する電離放射線硬化型樹脂と反応性を有する樹脂を含有させることにより、上記課題を解決し得ることを見出した。本発明は当該知見により得られたものである。
すなわち、本発明は、基材シート上に、少なくともプライマー層と表面保護層を有する耐候ハードコートフィルムであって、該表面保護層は電離放射線硬化型樹脂組成物を架橋硬化してなり、かつ該プライマー層に該電離放射線硬化型樹脂と反応性のある樹脂Aを含有することを特徴とする耐候ハードコートフィルムを提供するものである。
本発明によれば、優れた耐候密着性を有するハードコートフィルムを提供することができる。
本発明の耐候ハードコートフィルム(化粧シート)の構成を示す模式図である。 本発明の転写タイプの耐候ハードコートフィルムの構成及び該ハードコートフィルムにより表面保護層が転写形成されたハードコート体の構成を示す模式図である。
[耐候ハードコートフィルム]
本発明の耐候ハードコートフィルムは、基材シート上に少なくともプライマー層と表面保護層を有し、表面保護層は電離放射線硬化型樹脂組成物を架橋硬化してなり、プライマー層に表面保護層を構成する電離放射線硬化型樹脂と反応性を有する樹脂Aを含有させることを特徴とする。
本発明の耐候ハードコートフィルムは、いわゆる化粧シートとしての態様とすることもできるし(図1参照)、転写フィルムとしての態様とすることもできる(図2参照)。
すなわち、図1は、本発明の耐候ハードコートフィルムの好ましい態様の一例を示す模式図であり、基材シート1の上に、プライマー層2と表面保護層3とがこの順に積層されたものである。一方、図2は、転写タイプの本発明の耐候ハードコートフィルムの好ましい態様の一例を示す模式図であり、基材シート1の上に、表面保護層3とプライマー層2とが順に積層され、所望により接着層4が積層されたハードコートフィルム5、及び該ハードコートフィルム5により表面保護層を被転写体6に転写形成したハードコート体7の構成を示す模式図である。
《基材シート》
本発明で用いられる基材シート1は、プライマー層や表面保護層などの層を形成できるものであればよく、金属フィルムや各種の樹脂フィルムを使用することができる。樹脂フィルムであれば、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂などの各種の樹脂フィルムを用いることができる。
これらのうち、図1に示す態様では、透明であることが意匠性の観点から好ましく、透明性の点でポリエステル系樹脂が好ましい。また、コロナ放電処理やプラズマ処理などのいわゆる易接着性処理がなされたものであってもよく、また、表面にプライマー層やアンカー層などの易接着層が設けられたものであってもよい。
一方、図2に示す態様では、被転写体に転写する際の加熱温度に耐えるものであればよく、耐熱性の点でポリエステル系樹脂が好ましい。また、転写する際の、表面保護層との間の離型性を確保するために、必要に応じて基材フィルム表面に離型処理を施してもよい。
樹脂フィルムの厚さは4〜200μmが通常適用される。薄すぎるとカールやシワが入りやすく表面硬度の低下にも寄与するため、50〜200μmがより好ましい。また、金属フィルムとしては、例えば、アルミニウム箔や銅箔などが挙げられる。
《プライマー層》
図1に示される態様において、基材シート1上に設けるプライマー層2は、基材シート1と後述する表面保護層3との間に設けられる層である。そして、このプライマー層は、表面保護層3に対する応力緩和層として機能するもので、表面保護層2の耐候劣化による割れを抑制するために設けるものであり、密着性と耐久性を向上させるように機能するものである。また、基材1とプライマー層2との間の接着性を確保するために、基材1の表面をいわゆるコロナ放電処理、プラズマ処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理などの処理により基材とプライマー層の間の接着性を高めることもできる。
本発明においては、該プライマー層に後に詳述する表面保護層で用いられる電離放射線硬化型樹脂と反応性を有する樹脂Aを含有することが特徴である。このような特徴を有することで、プライマー層と表面保護層の層間密着性が向上する。特に、厳しい耐候性試験の後であってもその密着性は落ちないことから、本発明の耐候ハードコートフィルムは、耐久性の高い、すなわち、長時間屋外で使用されても密着性が維持されるものとなる。
本発明で使用される上記樹脂Aは、上記反応性を有するものであれば特に制限されるものではないが、電離放射線硬化型樹脂であることが好ましく、電離放射線の照射により、表面保護層を構成する電離放射線硬化型樹脂と架橋硬化するものが好適である。さらには、架橋硬化が容易に進行するとの観点から、上記樹脂Aは表面保護層を構成する電離放射線硬化型樹脂と同一のものであることが好ましい。ここで、表面保護層を構成する電離放射線硬化型樹脂が複数種のものからなる場合は、該複数種の電離放射線硬化型樹脂のうち少なくとも1種と樹脂Aが同一であることが好ましく、樹脂Aと複数種の電離放射線硬化型樹脂が全く同一の構成からなることが特に好ましい。同一の樹脂を用いることによって、表面保護層とプライマー層との界面での両層の相溶性が良くなり、さらに密着性が向上するためである。
また、無溶媒で塗工することができ、取り扱いが容易との観点から、電子線硬化型樹脂がさらに好ましい。
プライマー層を形成するための樹脂組成物には、上記電離放射線硬化型樹脂の他に熱硬化型樹脂を含有することが好ましい。以下、プライマー層を形成するための、熱硬化型樹脂と電離放射線硬化型樹脂を含有する樹脂組成物を「樹脂組成物B」と記載する。
電離放射線硬化型樹脂の含有量は、樹脂組成物B中の全固形分に対して1〜60質量%の範囲であることが好ましい。電離放射線硬化型樹脂の含有量が上記範囲内であると、プライマー層と表面保護層との十分な層間密着性及び耐久密着性が得られる。以上の観点から、電離放射線硬化型樹脂の含有量は5〜40質量%の範囲であることがさらに好ましい。
(熱硬化型樹脂)
上記樹脂組成物Bで用いられる熱硬化型樹脂としては、種々のものを用いることができるが、2液硬化型の熱硬化型樹脂が好ましく、熱硬化型樹脂100質量部に対して、硬化剤を1〜30質量部含有したものが好適に用いられる。熱硬化型樹脂の具体例としては、ポリカーボネート系ウレタンアクリレートやポリエステル系ウレタンアクリレート、あるいはポリカーボネート系ウレタンアクリレートとアクリルポリオールとからなる樹脂を用いることが好ましく、ポリカーボネート系ウレタンアクリレート系のものがより好ましい。これらの樹脂を用いてプライマー層を形成することで、応力緩和性が付与され、耐候性に優れたものが得られる。
ポリカーボネート系ウレタンアクリレートは、ポリカーボネートジオールとジイソシアネートとを反応させて得られるポリカーボネート系ポリウレタン高分子を、ラジカル重合開始剤として使用し、アクリルモノマーをラジカル重合させて得られる樹脂である。
ここで、ジイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族系イソシアネートや、イソホロンジイソシアネート、水素転化キシリレンジイソシアネートなどの脂環式系イソシアネートが好ましく挙げられる。アクリルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸やアルキル基の炭素数が1〜6程度の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ポリカーボネート系ウレタンアクリレートのアクリル成分とウレタン成分との質量比は、特に制限されないが、耐候性、密着性の点で、ウレタン成分:アクリル成分の質量比を80:20〜20:80の範囲とすることが好ましく、70:30〜30:70の範囲とすることがより好ましい。
ポリエステル系ウレタンアクリレートは、ポリエステルジオールとジイソシアネートとを反応させて得られるポリエステル系ポリウレタン高分子をラジカル重合開始剤として使用し、アクリルモノマーをラジカル重合させて得られる樹脂である。ジイソシアネートやアクリルモノマーは、上記したポリカーボネート系ウレタンアクリレートの重合に用いるものから適宜選択されるものである。
また、アクリルポリオールは、上記したアクリルモノマーにヒドロキシル基が導入されたものである。例えば、上記アクリルモノマーに、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート等のヒドロキシアクリレートを共重合させて合成することができる。これらのアクリルポリオールは、架橋剤としての機能を果たす。
前記ポリカーボネート系ウレタンアクリレートとアクリルポリオールとの質量比は、ポリカーボネート系ウレタンアクリレート単独の100:0から10:90の範囲が好ましく、より好ましくは100:0〜30:70の範囲である。
本発明のプライマー層中には、粒径が1〜7μmの球状シリカを含んでもよい。使用するシリカ粒子は、いわゆるマット剤として使用できるものであればよく、粒径は1〜7μm程度であることが好ましく、粒子形状は球形のものが好ましい。このようなシリカ粒子の種類については、処理/未処理問わず、従来公知のものが使用でき、これらを単独で、あるいは2種以上を混合して使用することができる。また、シリカ粒子の配合量としては、プライマー層を構成する樹脂分100質量部に対して、5〜25質量部であることが好ましい。このような粒径のシリカ粒子を前記の配合量で配合することで、塗工性能を保持しつつ鏡面性、透明性を確保できる。
プライマー層2の厚さについては、本発明の効果を奏する範囲で特に限定されないが、十分な接着性と応力緩和性を得るとの観点から、0.5〜10μmの範囲が好ましく、さらには1〜5μmの範囲が好ましい。
プライマー層2の形成は、上記樹脂組成物をそのままで又は溶媒に溶解若しくは分散させた状態のものを用い、公知の印刷方法、塗布方法などによって、基材シートに塗布し、あるいは表面保護層に塗布し、乾燥、硬化することによって行うことができる。プライマー層は塗布後加熱することにより完全に硬化させてもよいし、加熱処理を完全に行わずに半硬化の状態にとどめ、図1に示す態様では、その後、後述する表面保護層を塗布するようにしてもよい。この場合の加熱処理は、例えば50℃で72時間養生させることで硬化させることができる。また、本発明においては、プライマー層に電離放射線硬化性樹脂を含有しているので、電離放射線の照射線量を抑えて照射することで、半硬化の状態とすることもできる。
一方、図2に示される態様においては、基材シート1に後述する表面保護層3を積層した後に、プライマー層2を積層する。すなわち、図2に示される転写タイプの耐候ハードフィルムでは、基材フィルム1上に形成された表面保護層3に、プライマー層2、所望により接着層4を積層する。プライマー層が、表面保護層に対する応力緩和層として機能する点は図1に示す態様の場合と同様である。図2に示す態様では、表面保護層3とプライマー層2との間の接着性を確保するために、架橋硬化した表面保護層3の表面をいわゆるコロナ放電処理、プラズマ処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理などの処理により表面保護層とプライマー層の間の接着性を高めることもできる。
図2に示される態様においても、プライマー層を構成する樹脂組成物Bの組成は上記と同様である。また、表面保護層3を塗布した後に、電離放射線の照射線量を抑えて照射することで、半硬化の状態とし、その後プライマー層を形成することもできる。
《表面保護層》
表面保護層3は、耐候性と耐傷性などのハードコート性などを付与する層であり、図1に示される態様においては、プライマー層2の上に設けられる。この表面保護層3は、電離放射線硬化型樹脂組成物を架橋硬化してなり、電離放射線硬化型樹脂としては、従来から電離放射線硬化型の樹脂として慣用されている重合性オリゴマーないしはプレポリマーの中から適宜選択して用いることができる。そのような電離放射線硬化型樹脂としては、重合性オリゴマーないしはプレポリマー、特には、多官能の重合性オリゴマーないしはプレポリマーが挙げられる。
重合性オリゴマーないしはプレポリマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つオリゴマーやプレポリマー、例えば、エポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系やポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレートやカプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系のオリゴマーやプレポリマーなどが好ましく挙げられ、これらのうち、特に多官能性のウレタン(メタ)アクリレート系が、耐候性とハードコート性を両立させる点で好ましく、分子量としては、1000〜5000程度のものが好ましい。
なお、ここで、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート又はメタクリレート」を意味する。
さらに、電離放射線硬化型樹脂には、上記の多官能性の重合性オリゴマーの他、カプロラクトン系ポリオールと有機イソシアネートとヒドロキシアクリレートとの反応により得られるカプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレートや、ポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリレート基をもつ疎水性の高いポリブタジエン(メタ)アクリレートなどのような高分子ウレタン(メタ)アクリレートを併用することができ、併用することにより、さらに耐候性を向上することができる。これらのうち、カプロラクトン系のものが、耐候性の向上の点でより好ましいものである。
なお、本発明においては、前記多官能性のウレタン(メタ)アクリレートとともに、その粘度を調整するなどの目的で、メチル(メタ)アクリレートなどの単官能性(メタ)アクリレートのような希釈剤を、本発明の目的を損なわない範囲で適宜併用することができる。単官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、低分子量の多官能性(メタ)アクリレートを併用してもよい。また、希釈剤としては、上記のモノマーの他、通常の有機溶媒を用いて、樹脂組成物の塗工性を確保することもできる。
また、表面保護層を形成するための樹脂組成物には、さらにハードコート性や耐候性を向上させるために、耐候性改善剤、耐傷フィラーを含有させることができる。耐候性改善剤については、後に詳述する。
(耐傷フィラー)
本発明で用いる耐傷フィラーとしては、無機系と有機系のフィラーがあり、無機物では、例えば、α−アルミナ、シリカ、カオリナイト、酸化鉄、ダイヤモンド、炭化ケイ素等の球状粒子が挙げられる。粒子形状は、球、楕円体、多面体、鱗片形等が挙げられ、特に制限はないが、球状が好ましい。
これらの無機系の耐傷フィラーのうち、シリカは好ましいものの一つである。シリカは耐摩擦性を向上させ、かつ表面保護層の透明性を阻害しない。シリカとしては従来公知のシリカから適宜選択して用いることが可能であり、例えば、コロイダルシリカを好適に挙げることができる。コロイダルシリカは、添加量が増えた場合であっても、透明性に影響を及ぼすことが少なく、好ましい。シリカの粒子径としては、1次粒子径が5〜1000nmのものを用いることが好ましく、10〜50nmのものがさらに好ましく10〜30nmのものが特に好ましい。1次粒子径が1000nm以下のシリカを用いると透明性が確保される。また、用いるシリカの1次粒子径は一種類である必要はなく、異なる1次粒子径のシリカを混合して用いることも可能である。シリカの配合量としては、電離放射線硬化型樹脂100質量部に対して1〜20重量部の割合であることが好ましい。また、球状のα−アルミナあるいはコロイダルアルミナも、硬度が高く、耐摩耗性の向上に対する効果が大きいことや、球状の粒子を比較的得やすいことから、好ましいものである。
一方、有機物のフィラーでは、架橋アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の合成樹脂ビーズがあげられる。粒径は、通常膜厚の30〜200%程度とすることが好ましい。配合量は、電離放射線硬化型樹脂100質量部に対して1〜20重量部程度の割合であることが好ましい。
(添加剤)
また、本発明で用いられる表面保護層用の電離放射線硬化型樹脂組成物には、その性能を阻害しない範囲で各種添加剤を含有することができる。各種添加剤としては、例えば重合禁止剤、架橋剤、帯電防止剤、接着性向上剤、酸化防止剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤などが挙げられる。
なお、電離放射線硬化型樹脂として紫外線硬化型樹脂を用いる場合には、光重合用開始剤を硬化型樹脂100質量部に対して、0.1〜5質量部程度添加することが望ましく、光重合用開始剤としては、従来慣用されているもののなかから適宜選択することがきできる。
表面保護層を形成する電離放射線硬化型樹脂組成物の塗工は、硬化後の厚さが通常1〜20μm程度となるように、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコートなどの公知の方式、好ましくはグラビアコートにより行う。また、優れた耐候性とその持続性、さらには耐傷性や透明性、鏡面性とを得る観点から、好ましくは2〜20μmである。
なお、樹脂組成物が溶剤を含むような場合は、塗工後、熱風乾燥機などにより塗工層を予め加熱乾燥してから電離放射線を照射することが好ましい。
上記の樹脂組成物の塗工により形成した未硬化樹脂層は、電離放射線などを照射して架橋硬化することで、表面保護層3が形成される。ここで、硬化に電子線を用いる場合、その加速電圧については、用いる樹脂や層の厚みに応じて適宜選定し得るが、通常加速電圧70〜300kV程度で未硬化樹脂層を硬化させることが好ましい。
照射線量は、電離放射線硬化型樹脂の架橋密度が飽和する量が好ましく、通常5〜300kGy(0.5〜30Mrad)、好ましくは30〜200kGy(3〜20Mrad)の範囲で選定される。
電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型などの各種電子線加速器を用いることができる。
また、電離放射線として紫外線を用いる場合には、波長190〜380nmの紫外線を含むものを放射する。紫外線源としては特に制限はなく、例えば、高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯などが用いられる。
また、プライマー層2上に表面保護層3を積層する際に、表面保護層3とプライマー層2との接着性を確保するために、プライマー層2の表面をいわゆるコロナ放電処理、プラズマ処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理などの処理により表面保護層との間の接着性をさらに高めるようにすることもできるし、プライマー層2を半硬化の状態にとどめ、その後、表面保護層3を塗工した後、電離放射線を照射し、表面保護層3を硬化することにより、表面保護層3とプライマー層2とを一体化し、両者の間の接着性を高めるようにすることもできる。
次に、図2に示される態様においては、基材1上に表面保護層3が積層され、次いでプライマー層が積層されるが、表面保護層3に用いられる材料等は上記と同様である。
(耐候性改善剤)
本発明の耐候ハードコートフィルムには、耐候性をさらに向上させるため、プライマー層及び表面保護層のいずれか一方、又は両方に、紫外線吸収剤(UVA)や光安定剤などの耐候性改善剤を含有させることが好ましい。
紫外線吸収剤としては、無機系、有機系のいずれでもよく、無機系紫外線吸収剤としては、平均粒径が5〜120nm程度の酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛などを好ましく用いることができる。また、有機系紫外線吸収剤としては、例えばベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾフェノン系、サリチレート系、アクリロニトリル系などが好ましく挙げることができる。なかでも、紫外線吸収能が高く、また紫外線などの高エネルギーに対しても劣化しにくいトリアジン系がより好ましい。
光安定剤としては、ヒンダードアミン系の光安定剤などが好ましく挙げられる。また、紫外線吸収剤や光安定剤として、分子内に反応性基を有する紫外線吸収剤や光安定剤を用いることもできる。
光安定剤としては、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニルメタクリレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、2,4−ビス[N−ブチル−N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ]−6−(2−ヒドロキシエチルアミン)−1,3,5−トリアジン)などが挙げられる。
紫外線吸収剤の含有量は、プライマー層2又は表面保護層3を形成する樹脂100質量部に対して、それぞれ、好ましくは0.1〜25質量部、より好ましくは1〜25質量部、さらに好ましくは3〜20質量部であり、特に好ましくは5〜20質量部である。また、光安定剤の含有量は、プライマー層2又は表面保護層3を形成する樹脂100質量部に対して、好ましくは0.05〜7質量部、より好ましくは0.5〜5質量部、さらに好ましくは1〜5質量部であり、特に好ましくは2〜5質量部である。
《接着層》
図2に示す転写タイプのハードコートフィルムの場合には、プライマー層3の上に接着層4を積層することができる。このような接着層4は、表面保護層を被転写体に接着するために設けられる層であり、接着層4に使用できる接着性の樹脂としては、被転写体の材質や熱転写の際の転写温度や圧力に応じて定められるものであるが、一般に、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩素化ゴム、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂等の熱融着樹脂が好ましく、被転写体の材質や転写製品の用途に応じて、上記樹脂の中から1種または2種以上の樹脂が選定される。耐候性向上の点からアクリル樹脂単体が特に好ましい。
また、この接着層4には、上記プライマー層2及び表面保護層3と同様、耐候性をさらに向上させるため、紫外線吸収剤(UVA)や光安定剤(HALS)などの耐候性改善剤を含有させることもできる。使用できる紫外線吸収剤や光安定剤としては、上述のものと同様であり、これらの紫外線吸収剤の配合量は、接着層4を形成する樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1〜25質量部、より好ましくは1〜25質量部、さらに好ましくは3〜20質量部であり、特に好ましくは5〜20質量部であり、また、光安定剤の配合量は、接着層4を形成する樹脂100質量部に対して、好ましくは0.05〜7質量部、より好ましくは0.5〜5質量部、さらに好ましくは1〜5質量部であり、特に好ましくは2〜5質量部である。
また、接着剤層4の厚さとしては、通常2〜25μmの範囲であり、3〜20μmの範囲が好ましい。2μm以上であれば被転写体と、プライマー層2および表面保護層3との十分な接着性が得られ、25μm以下であると経済的に好ましい。
また、転写タイプのハードコートフィルムは、接着層の上にポリエチレンなどのカバーフィルム(保護フィルム)を貼り付けて表面を保護しておくことが、製品を保管する上で好ましく、カバーフィルムがある場合には、このカバーフィルムを剥がし、接着層を露出し、この接着層の面を介して被転写体に転写される。
[ハードコート体]
以上のようにして得られる転写タイプのハードコートフィルム5を用いて、被転写体6に、接着層4を介してプライマー層2および表面保護層3からなる複合層を転写形成して、表面保護層3を有するハードコート体7が得られる(図2参照)。
ハードコート体を形成する被転写体としては、特に制限されるものではなく、耐候性とともに耐傷性や耐汚染性などのいわゆるハードコート性が必要になるもので、例えば、建築構造物の外装材や内装材、自動車内外装用の部品や、家電製品などの樹脂製品があげられるが、特に、バルコニーの仕切り板、自動車のウインドウ、高速道路の壁面などのような透明プラスチックを用いた製品があげられる。
一方、図1に示す態様の場合には、基材シート側の表面に、粘着剤を介してセパレータを設けることもできる。こうした構成とすることにより、セパレータを剥がして露出した面を被貼着物に貼着することができる。このようにして得られた耐候ハードコートフィルムは、例えば、外装材や内装材などに貼り付けて用いることができ、意匠性にすぐれ、耐候性と耐傷性などを兼ね備えたハードコート層を表面に有する外装剤や内装材などを得ることができる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、この例によって何ら限定されるものではない。
(評価方法)
(1)密着性
下記(2)に記載する耐候性試験を行った後の耐候ハードコートフィルムについて、その表面にニチバン(株)製セロテープ(登録商標)を貼り付けて急激に剥離する操作を同一箇所で5回行った。このときの、基材シート上に設けた各層が剥離するかどうかを目視により確認し、下記の基準で評価した。
評価基準
○;層の剥離は全くなかった
△;層の剥離が軽微であった
×;層の剥離が顕著であった
(2)耐候性の評価(耐候性試験)
実施例及び比較例で得られた耐候ハードコートフィルムを、ダイプラ・ウィンテス株式会社製メタルウェザーにセットし、ライト条件(照度:60mW/cm2、ブラックパネル温度63℃、層内湿度50%RH)で20時間、結露条件(照度:0mW/cm2、ブラックパネル温度30℃、層内湿度98%RH)で4時間、水噴霧条件(結露条件の前後10秒間)の条件で300時間放置する耐候性試験を行った。該試験後、25℃50%RHの条件下で2日間保持してから、シート表面にクラックや白化などの外観を下記の基準で評価した。
◎:外観変化は全くなかった
○:外観変化はほとんどなかった
△:外観変化は若干あるが、実用上問題なかった
×:外観変化が著しかった
(3)耐傷性
各実施例及び比較例で得られた耐候ハードコートフィルムについて、スチールウール(日本スチールウール株式会社製、ボンスター#0000)を用いて、300g/cm2の荷重をかけて5往復擦り、外観を目視で評価した。評価基準は以下のとおりである。
◎:外観変化は全くなかった。
○:微小な傷が数本認められた。
○△:部分的に微小な傷の集合体がみられた。
△:全体に細かな傷つきや艶変化がみられた。
×:全体に目立つ傷つきや艶変化がみられた。
(4)耐候密着性
上記耐候性試験を行った耐候ハードコートフィルムについて、その表面にニチバン製セロテープ(登録商標)を貼り付けて急激に剥離する操作を1回行った。このときの、基材シート上に設けた各層が剥離するかどうかを肉眼観察により確認し、下記の基準で評価した。
◎:層の剥離は全くなかった
○:層の剥離はほとんどなかった
○△:層の剥離は若干あるが、実用上問題なかった。
△:層の剥離が著しかった
×:層が全面剥離した
実施例1
基材フィルムに厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートを用い、該基材フィルムの片面に下記の樹脂組成物からなる表面保護層を膜厚3μmとなるように設け、165keV及び3Mrad(30kGy)の条件で電子線を照射して上記塗膜をタックがなくなる程度に半硬化させ、半硬化状態の表面保護層(3μm)を形成した。
次いで、得られた表面保護層の面に、以下の組成からなるプライマー層3(膜厚3μm)を、アクリル樹脂からなる接着層4(膜厚4μm)を、順次積層し、最後に165keV及び10Mrad(100kGy)の条件で電子線を照射して、表面保護層及びプライマー層を完全硬化させて転写タイプのハードコートフィルムを得た。表1中では「転写」と記載する。
このハードコートフィルムを用い、被転写体(ポリカーボネート板、2mm厚)の片面に、160℃の熱をかけながらロール転写を行い、基材フィルム1を剥離し、表面保護層、プライマー層が接着層を介して転写された表面保護層を有するハードコート体を得た。得られた評価結果を、用いた樹脂組成とともに表1に示す。
表面保護層の樹脂組成物は次のとおりである。
6官能ウレタンアクリレート:100質量部
紫外線吸収剤:4質量部
チヌビン479(商品名)、2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン、BASFジャパン株式会社製
反応性官能基を有する光安定剤(反応性HALS):4質量部
サノールLS−3410(商品名)、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニルメタクリレート、BASFジャパン株式会社製
耐傷フィラー:コロイダルシリカ 10質量部
また、プライマー層形成用の組成物は、以下の熱硬化型樹脂と硬化剤とを100:6(質量比)の割合で混合して得られる組成物である。
樹脂組成物:
ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体:90質量部
ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体におけるウレタン成分とアクリル成分の質量比:70/30
6官能ウレタンアクリレート:10質量部
ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤:15質量部
「チヌビン400(商品名)」、BASFジャパン株式会社製
ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤:5質量部
「チヌビン479(商品名)」、BASFジャパン株式会社製
ヒンダードアミン系光安定剤:6質量部
「チヌビン123(商品名)」、BASFジャパン株式会社製
硬化剤:
ヘキサンメチレンジイソシアネート:5質量部
実施例2
実施例1において、基材フィルムの片面に表面保護層形成用の樹脂組成物を塗工した後、165keV及び10Mrad(100kGy)の条件で電子線を照射して上記塗膜を架橋硬化させることにより、表面保護層(3μm)を形成し、次いで、得られた表面保護層の面にコロナ放電処理をしたこと以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを得た。実施例1と同様にして評価した結果を表1に示す。
実施例3
実施例1において、表面保護層及びプライマー層を形成するための樹脂組成物における6官能ウレタンアクリレートを3官能ウレタンアクリレートとしたこと以外は実施例1と同様にしてハードコートフィルムを得た。実施例1と同様にして評価した結果を表1に示す。
実施例4
実施例1において、プライマー層を形成するための樹脂組成物における6官能ウレタンアクリレートをエポキシアクリレートとしたこと以外は実施例1と同様にしてハードコートフィルムを得た。実施例1と同様にして評価した結果を表1に示す。
実施例5
実施例1において、プライマー層を形成するための樹脂組成物におけるポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体の含有量を90質量部から70質量部に、6官能ウレタンアクリレートの含有量を10質量部から30質量部に、硬化剤の含有量を4質量部に変えたこと以外は実施例1と同様にしてハードコートフィルムを得た。実施例1と同様にして評価した結果を表1に示す。
実施例6
実施例1において、プライマー層を形成するための樹脂組成物におけるポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体の含有量を90質量部から50質量部に、6官能ウレタンアクリレートの含有量を10質量部から50質量部に、硬化剤の含有量を3質量部に変えたこと以外は実施例1と同様にしてハードコートフィルムを得た。実施例1と同様にして評価した結果を表1に示す。
実施例7
実施例1において、プライマー層を形成するための樹脂組成物におけるポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体の含有量を90質量部から30質量部に、6官能ウレタンアクリレートの含有量を10質量部から70質量部に、硬化剤の含有量を2質量部に変えたこと以外は実施例1と同様にしてハードコートフィルムを得た。実施例1と同様にして評価した結果を表1に示す。
比較例1
実施例2において、コロナ処理を行わず、かつプライマー層を形成するための樹脂組成物中のポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体の含有量を90質量部から100質量部とし、6官能ウレタンアクリレートを含有させないこと以外は実施例2と同様にしてハードコートフィルムを得た。実施例1と同様にして評価した結果を表1に示す。
比較例2
実施例1において、プライマー層を形成するための樹脂組成物中のポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体の含有量を90質量部から100質量部とし、6官能ウレタンアクリレートを含有させないこと以外は実施例1と同様にしてハードコートフィルムを得た。実施例1と同様にして評価した結果を表1
比較例3
実施例2において、プライマー層を形成するための樹脂組成物中のポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体の含有量を90質量部から100質量部とし、6官能ウレタンアクリレートを含有させないこと以外は実施例2と同様にしてハードコートフィルムを得た。実施例1と同様にして評価した結果を表1に示す。
実施例8
基材フィルムに厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートを用い、該基材フィルムの片面に下記の樹脂組成物からなる厚さ3μmのプライマー層2及び厚さ10μmの表面保護層3を順次積層し、165keV及び15Mrad(150kGy)の条件で電子線を照射して、表面保護層及びプライマー層を完全硬化させ、化粧シートとして用いられるハードコートフィルムを得た。表1中では「化粧」と記載する。
表面保護層の樹脂組成物は次のとおりである。
6官能ウレタンアクリレート:100質量部
紫外線吸収剤:4質量部
チヌビン479(商品名)、2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン、BASFジャパン株式会社製
反応性官能基を有する光安定剤(反応性HALS):4質量部
サノールLS−3410(商品名)、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニルメタクリレート、BASFジャパン株式会社製
耐傷フィラー:コロイダルシリカ 10質量部
また、プライマー層形成用の組成物は、以下の熱硬化型樹脂と硬化剤とを100:6(質量比)の割合で混合して得られる組成物である。
樹脂組成物:
ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体:95質量部
ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体におけるウレタン成分とアクリル成分の質量比:70/30
6官能ウレタンアクリレート:5質量部
ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤:15質量部
「チヌビン400(商品名)」、BASFジャパン株式会社製
ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤:5質量部
「チヌビン479(商品名)」、BASFジャパン株式会社製
ヒンダードアミン系光安定剤:6質量部
「チヌビン123(商品名)」、BASFジャパン株式会社製
硬化剤:
ヘキサンメチレンジイソシアネート:6質量部
比較例4
実施例8において、プライマー層を形成するための樹脂組成物中のポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体の含有量を95質量部から100質量部とし、6官能ウレタンアクリレートを含有させないこと以外は実施例8と同様にしてハードコートフィルムを得た。実施例1と同様にして評価した結果を表1に示す。
Figure 0005581950
*1 硬化状態;Hは半硬化を示し、Cは完全硬化を示す。
本発明によれば、長期間にわたってプライマー層と表面保護層間の層間密着性を維持し得る、密着耐候性の高い耐候ハードコートフィルムが得られる。該耐候ハードコートフィルムは、長期間の屋外での使用によっても、基材と各層及び層間での密着性が維持されるため、一般住居の玄関ドアや外装材、公共施設の床材や外壁などの内外装に好適に使用され、特に建造物や屋外に設置される構造物など、日々直射日光や風雨に晒される部分に好適に用いられる。
1.基材シート
2.プライマー層
3.表面保護層
4.接着層
5.ハードコートフィルム
6.被転写体
7.ハードコート体

Claims (8)

  1. 基材シート上に、少なくともプライマー層と表面保護層を有する耐候ハードコートフィルムであって、該表面保護層は電離放射線硬化型樹脂組成物を架橋硬化してなり、かつ該プライマー層該電離放射線硬化型樹脂と反応性のある電離放射線硬化型樹脂と熱硬化型樹脂とを含有する樹脂組成物Bを硬化してなり、該樹脂組成物B中の全固形分に対する電離放射線硬化型樹脂の含有量が1〜60質量%であることを特徴とする耐候ハードコートフィルム。
  2. 前記樹脂組成物B中の全固形分に対する電離放射線硬化型樹脂の含有量が5〜40質量%である請求項に記載の耐候ハードコートフィルム。
  3. 前記樹脂組成物B中の熱硬化型樹脂がポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体である請求項1又は2に記載の耐候ハードコートフィルム。
  4. 前記樹脂組成物B中の電離放射線硬化型樹脂が3官能以上のウレタンアクリレートである請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐候ハードコートフィルム。
  5. 前記プライマー層及び表面保護層の少なくとも一方に、紫外線吸収剤及び光安定剤から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1〜のいずれか1項に記載の耐候ハードコートフィルム。
  6. 基材シート上に、プライマー層と表面保護層をこの順に有する請求項1〜のいずれか1項に記載の耐候ハードコートフィルム。
  7. 基材シート上に、表面保護層とプライマー層をこの順に有する転写タイプである請求項1〜のいずれか1項に記載の耐候ハードコートフィルム。
  8. プライマー層の上にさらに接着層を有する請求項に記載の耐候ハードコートフィルム。
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