JP5581950B2 - 耐候ハードコートフィルム - Google Patents
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一方、一般住居の玄関ドアや外装材、公共施設の床材や外壁などの内外装、あるいは建造物や屋外に設置される構造物は、日々直射日光や風雨に晒されるため、これらの内外装材や建造物には、極めて厳しい耐候性が求められている。そして、従来のハードコート層を備えたフィルムでは、屋外で数年から数十年と長期に渡って使用し続けられるフィルムとしてはいまだ満足できるものではなく、更なる耐候性が求められている。より具体的には長期間の屋外での使用によっても、基材と各層及び層間での密着性が維持される耐候ハードコートフィルムが求められている。
また、基材上にTgが90℃以上の電離放射線硬化型樹脂とTgが90℃以上の熱硬化型樹脂の混合体からなる表面保護層を有する化粧シートが提案されている(特許文献2参照)。該化粧シートによれば、耐衝撃性、密着性を維持しつつ、表面硬度や耐汚染性も保持されるとしている。しかしながら、該化粧シートでは、耐候密着性が十分でなく、厳しい条件のもとでは、耐久性が不十分であった。
さらに、基材上に電離放射線硬化型樹脂と熱硬化型樹脂とを3:7〜1:9の割合で混合してなる表面保護層設けた化粧シートが提案されているが(特許文献3参照)、耐久密着性は不十分であった。
しかしながら、この方法では、塗工条件に制約があり、必ずしも生産性が高いとは言えない。
すなわち、本発明は、基材シート上に、少なくともプライマー層と表面保護層を有する耐候ハードコートフィルムであって、該表面保護層は電離放射線硬化型樹脂組成物を架橋硬化してなり、かつ該プライマー層に該電離放射線硬化型樹脂と反応性のある樹脂Aを含有することを特徴とする耐候ハードコートフィルムを提供するものである。
本発明の耐候ハードコートフィルムは、基材シート上に少なくともプライマー層と表面保護層を有し、表面保護層は電離放射線硬化型樹脂組成物を架橋硬化してなり、プライマー層に表面保護層を構成する電離放射線硬化型樹脂と反応性を有する樹脂Aを含有させることを特徴とする。
本発明の耐候ハードコートフィルムは、いわゆる化粧シートとしての態様とすることもできるし(図1参照)、転写フィルムとしての態様とすることもできる(図2参照)。
すなわち、図1は、本発明の耐候ハードコートフィルムの好ましい態様の一例を示す模式図であり、基材シート1の上に、プライマー層2と表面保護層3とがこの順に積層されたものである。一方、図2は、転写タイプの本発明の耐候ハードコートフィルムの好ましい態様の一例を示す模式図であり、基材シート1の上に、表面保護層3とプライマー層2とが順に積層され、所望により接着層4が積層されたハードコートフィルム5、及び該ハードコートフィルム5により表面保護層を被転写体6に転写形成したハードコート体7の構成を示す模式図である。
本発明で用いられる基材シート1は、プライマー層や表面保護層などの層を形成できるものであればよく、金属フィルムや各種の樹脂フィルムを使用することができる。樹脂フィルムであれば、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂などの各種の樹脂フィルムを用いることができる。
これらのうち、図1に示す態様では、透明であることが意匠性の観点から好ましく、透明性の点でポリエステル系樹脂が好ましい。また、コロナ放電処理やプラズマ処理などのいわゆる易接着性処理がなされたものであってもよく、また、表面にプライマー層やアンカー層などの易接着層が設けられたものであってもよい。
一方、図2に示す態様では、被転写体に転写する際の加熱温度に耐えるものであればよく、耐熱性の点でポリエステル系樹脂が好ましい。また、転写する際の、表面保護層との間の離型性を確保するために、必要に応じて基材フィルム表面に離型処理を施してもよい。
樹脂フィルムの厚さは4〜200μmが通常適用される。薄すぎるとカールやシワが入りやすく表面硬度の低下にも寄与するため、50〜200μmがより好ましい。また、金属フィルムとしては、例えば、アルミニウム箔や銅箔などが挙げられる。
図1に示される態様において、基材シート1上に設けるプライマー層2は、基材シート1と後述する表面保護層3との間に設けられる層である。そして、このプライマー層は、表面保護層3に対する応力緩和層として機能するもので、表面保護層2の耐候劣化による割れを抑制するために設けるものであり、密着性と耐久性を向上させるように機能するものである。また、基材1とプライマー層2との間の接着性を確保するために、基材1の表面をいわゆるコロナ放電処理、プラズマ処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理などの処理により基材とプライマー層の間の接着性を高めることもできる。
本発明においては、該プライマー層に後に詳述する表面保護層で用いられる電離放射線硬化型樹脂と反応性を有する樹脂Aを含有することが特徴である。このような特徴を有することで、プライマー層と表面保護層の層間密着性が向上する。特に、厳しい耐候性試験の後であってもその密着性は落ちないことから、本発明の耐候ハードコートフィルムは、耐久性の高い、すなわち、長時間屋外で使用されても密着性が維持されるものとなる。
また、無溶媒で塗工することができ、取り扱いが容易との観点から、電子線硬化型樹脂がさらに好ましい。
電離放射線硬化型樹脂の含有量は、樹脂組成物B中の全固形分に対して1〜60質量%の範囲であることが好ましい。電離放射線硬化型樹脂の含有量が上記範囲内であると、プライマー層と表面保護層との十分な層間密着性及び耐久密着性が得られる。以上の観点から、電離放射線硬化型樹脂の含有量は5〜40質量%の範囲であることがさらに好ましい。
上記樹脂組成物Bで用いられる熱硬化型樹脂としては、種々のものを用いることができるが、2液硬化型の熱硬化型樹脂が好ましく、熱硬化型樹脂100質量部に対して、硬化剤を1〜30質量部含有したものが好適に用いられる。熱硬化型樹脂の具体例としては、ポリカーボネート系ウレタンアクリレートやポリエステル系ウレタンアクリレート、あるいはポリカーボネート系ウレタンアクリレートとアクリルポリオールとからなる樹脂を用いることが好ましく、ポリカーボネート系ウレタンアクリレート系のものがより好ましい。これらの樹脂を用いてプライマー層を形成することで、応力緩和性が付与され、耐候性に優れたものが得られる。
ここで、ジイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族系イソシアネートや、イソホロンジイソシアネート、水素転化キシリレンジイソシアネートなどの脂環式系イソシアネートが好ましく挙げられる。アクリルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸やアルキル基の炭素数が1〜6程度の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
図2に示される態様においても、プライマー層を構成する樹脂組成物Bの組成は上記と同様である。また、表面保護層3を塗布した後に、電離放射線の照射線量を抑えて照射することで、半硬化の状態とし、その後プライマー層を形成することもできる。
表面保護層3は、耐候性と耐傷性などのハードコート性などを付与する層であり、図1に示される態様においては、プライマー層2の上に設けられる。この表面保護層3は、電離放射線硬化型樹脂組成物を架橋硬化してなり、電離放射線硬化型樹脂としては、従来から電離放射線硬化型の樹脂として慣用されている重合性オリゴマーないしはプレポリマーの中から適宜選択して用いることができる。そのような電離放射線硬化型樹脂としては、重合性オリゴマーないしはプレポリマー、特には、多官能の重合性オリゴマーないしはプレポリマーが挙げられる。
重合性オリゴマーないしはプレポリマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つオリゴマーやプレポリマー、例えば、エポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系やポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレートやカプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系のオリゴマーやプレポリマーなどが好ましく挙げられ、これらのうち、特に多官能性のウレタン(メタ)アクリレート系が、耐候性とハードコート性を両立させる点で好ましく、分子量としては、1000〜5000程度のものが好ましい。
なお、ここで、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート又はメタクリレート」を意味する。
本発明で用いる耐傷フィラーとしては、無機系と有機系のフィラーがあり、無機物では、例えば、α−アルミナ、シリカ、カオリナイト、酸化鉄、ダイヤモンド、炭化ケイ素等の球状粒子が挙げられる。粒子形状は、球、楕円体、多面体、鱗片形等が挙げられ、特に制限はないが、球状が好ましい。
また、本発明で用いられる表面保護層用の電離放射線硬化型樹脂組成物には、その性能を阻害しない範囲で各種添加剤を含有することができる。各種添加剤としては、例えば重合禁止剤、架橋剤、帯電防止剤、接着性向上剤、酸化防止剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤などが挙げられる。
なお、電離放射線硬化型樹脂として紫外線硬化型樹脂を用いる場合には、光重合用開始剤を硬化型樹脂100質量部に対して、0.1〜5質量部程度添加することが望ましく、光重合用開始剤としては、従来慣用されているもののなかから適宜選択することがきできる。
なお、樹脂組成物が溶剤を含むような場合は、塗工後、熱風乾燥機などにより塗工層を予め加熱乾燥してから電離放射線を照射することが好ましい。
本発明の耐候ハードコートフィルムには、耐候性をさらに向上させるため、プライマー層及び表面保護層のいずれか一方、又は両方に、紫外線吸収剤(UVA)や光安定剤などの耐候性改善剤を含有させることが好ましい。
紫外線吸収剤としては、無機系、有機系のいずれでもよく、無機系紫外線吸収剤としては、平均粒径が5〜120nm程度の酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛などを好ましく用いることができる。また、有機系紫外線吸収剤としては、例えばベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾフェノン系、サリチレート系、アクリロニトリル系などが好ましく挙げることができる。なかでも、紫外線吸収能が高く、また紫外線などの高エネルギーに対しても劣化しにくいトリアジン系がより好ましい。
光安定剤としては、ヒンダードアミン系の光安定剤などが好ましく挙げられる。また、紫外線吸収剤や光安定剤として、分子内に反応性基を有する紫外線吸収剤や光安定剤を用いることもできる。
光安定剤としては、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニルメタクリレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、2,4−ビス[N−ブチル−N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ]−6−(2−ヒドロキシエチルアミン)−1,3,5−トリアジン)などが挙げられる。
図2に示す転写タイプのハードコートフィルムの場合には、プライマー層3の上に接着層4を積層することができる。このような接着層4は、表面保護層を被転写体に接着するために設けられる層であり、接着層4に使用できる接着性の樹脂としては、被転写体の材質や熱転写の際の転写温度や圧力に応じて定められるものであるが、一般に、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩素化ゴム、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂等の熱融着樹脂が好ましく、被転写体の材質や転写製品の用途に応じて、上記樹脂の中から1種または2種以上の樹脂が選定される。耐候性向上の点からアクリル樹脂単体が特に好ましい。
また、転写タイプのハードコートフィルムは、接着層の上にポリエチレンなどのカバーフィルム(保護フィルム)を貼り付けて表面を保護しておくことが、製品を保管する上で好ましく、カバーフィルムがある場合には、このカバーフィルムを剥がし、接着層を露出し、この接着層の面を介して被転写体に転写される。
以上のようにして得られる転写タイプのハードコートフィルム5を用いて、被転写体6に、接着層4を介してプライマー層2および表面保護層3からなる複合層を転写形成して、表面保護層3を有するハードコート体7が得られる(図2参照)。
(1)密着性
下記(2)に記載する耐候性試験を行った後の耐候ハードコートフィルムについて、その表面にニチバン(株)製セロテープ(登録商標)を貼り付けて急激に剥離する操作を同一箇所で5回行った。このときの、基材シート上に設けた各層が剥離するかどうかを目視により確認し、下記の基準で評価した。
評価基準
○;層の剥離は全くなかった
△;層の剥離が軽微であった
×;層の剥離が顕著であった
(2)耐候性の評価(耐候性試験)
実施例及び比較例で得られた耐候ハードコートフィルムを、ダイプラ・ウィンテス株式会社製メタルウェザーにセットし、ライト条件(照度:60mW/cm2、ブラックパネル温度63℃、層内湿度50%RH)で20時間、結露条件(照度:0mW/cm2、ブラックパネル温度30℃、層内湿度98%RH)で4時間、水噴霧条件(結露条件の前後10秒間)の条件で300時間放置する耐候性試験を行った。該試験後、25℃50%RHの条件下で2日間保持してから、シート表面にクラックや白化などの外観を下記の基準で評価した。
◎:外観変化は全くなかった
○:外観変化はほとんどなかった
△:外観変化は若干あるが、実用上問題なかった
×:外観変化が著しかった
各実施例及び比較例で得られた耐候ハードコートフィルムについて、スチールウール(日本スチールウール株式会社製、ボンスター#0000)を用いて、300g/cm2の荷重をかけて5往復擦り、外観を目視で評価した。評価基準は以下のとおりである。
◎:外観変化は全くなかった。
○:微小な傷が数本認められた。
○△:部分的に微小な傷の集合体がみられた。
△:全体に細かな傷つきや艶変化がみられた。
×:全体に目立つ傷つきや艶変化がみられた。
上記耐候性試験を行った耐候ハードコートフィルムについて、その表面にニチバン製セロテープ(登録商標)を貼り付けて急激に剥離する操作を1回行った。このときの、基材シート上に設けた各層が剥離するかどうかを肉眼観察により確認し、下記の基準で評価した。
◎:層の剥離は全くなかった
○:層の剥離はほとんどなかった
○△:層の剥離は若干あるが、実用上問題なかった。
△:層の剥離が著しかった
×:層が全面剥離した
基材フィルムに厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートを用い、該基材フィルムの片面に下記の樹脂組成物からなる表面保護層を膜厚3μmとなるように設け、165keV及び3Mrad(30kGy)の条件で電子線を照射して上記塗膜をタックがなくなる程度に半硬化させ、半硬化状態の表面保護層(3μm)を形成した。
次いで、得られた表面保護層の面に、以下の組成からなるプライマー層3(膜厚3μm)を、アクリル樹脂からなる接着層4(膜厚4μm)を、順次積層し、最後に165keV及び10Mrad(100kGy)の条件で電子線を照射して、表面保護層及びプライマー層を完全硬化させて転写タイプのハードコートフィルムを得た。表1中では「転写」と記載する。
このハードコートフィルムを用い、被転写体(ポリカーボネート板、2mm厚)の片面に、160℃の熱をかけながらロール転写を行い、基材フィルム1を剥離し、表面保護層、プライマー層が接着層を介して転写された表面保護層を有するハードコート体を得た。得られた評価結果を、用いた樹脂組成とともに表1に示す。
6官能ウレタンアクリレート:100質量部
紫外線吸収剤:4質量部
チヌビン479(商品名)、2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン、BASFジャパン株式会社製
反応性官能基を有する光安定剤(反応性HALS):4質量部
サノールLS−3410(商品名)、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニルメタクリレート、BASFジャパン株式会社製
耐傷フィラー:コロイダルシリカ 10質量部
樹脂組成物:
ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体:90質量部
ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体におけるウレタン成分とアクリル成分の質量比:70/30
6官能ウレタンアクリレート:10質量部
ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤:15質量部
「チヌビン400(商品名)」、BASFジャパン株式会社製
ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤:5質量部
「チヌビン479(商品名)」、BASFジャパン株式会社製
ヒンダードアミン系光安定剤:6質量部
「チヌビン123(商品名)」、BASFジャパン株式会社製
硬化剤:
ヘキサンメチレンジイソシアネート:5質量部
実施例1において、基材フィルムの片面に表面保護層形成用の樹脂組成物を塗工した後、165keV及び10Mrad(100kGy)の条件で電子線を照射して上記塗膜を架橋硬化させることにより、表面保護層(3μm)を形成し、次いで、得られた表面保護層の面にコロナ放電処理をしたこと以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを得た。実施例1と同様にして評価した結果を表1に示す。
実施例1において、表面保護層及びプライマー層を形成するための樹脂組成物における6官能ウレタンアクリレートを3官能ウレタンアクリレートとしたこと以外は実施例1と同様にしてハードコートフィルムを得た。実施例1と同様にして評価した結果を表1に示す。
実施例1において、プライマー層を形成するための樹脂組成物における6官能ウレタンアクリレートをエポキシアクリレートとしたこと以外は実施例1と同様にしてハードコートフィルムを得た。実施例1と同様にして評価した結果を表1に示す。
実施例1において、プライマー層を形成するための樹脂組成物におけるポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体の含有量を90質量部から70質量部に、6官能ウレタンアクリレートの含有量を10質量部から30質量部に、硬化剤の含有量を4質量部に変えたこと以外は実施例1と同様にしてハードコートフィルムを得た。実施例1と同様にして評価した結果を表1に示す。
実施例1において、プライマー層を形成するための樹脂組成物におけるポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体の含有量を90質量部から50質量部に、6官能ウレタンアクリレートの含有量を10質量部から50質量部に、硬化剤の含有量を3質量部に変えたこと以外は実施例1と同様にしてハードコートフィルムを得た。実施例1と同様にして評価した結果を表1に示す。
実施例1において、プライマー層を形成するための樹脂組成物におけるポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体の含有量を90質量部から30質量部に、6官能ウレタンアクリレートの含有量を10質量部から70質量部に、硬化剤の含有量を2質量部に変えたこと以外は実施例1と同様にしてハードコートフィルムを得た。実施例1と同様にして評価した結果を表1に示す。
実施例2において、コロナ処理を行わず、かつプライマー層を形成するための樹脂組成物中のポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体の含有量を90質量部から100質量部とし、6官能ウレタンアクリレートを含有させないこと以外は実施例2と同様にしてハードコートフィルムを得た。実施例1と同様にして評価した結果を表1に示す。
実施例1において、プライマー層を形成するための樹脂組成物中のポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体の含有量を90質量部から100質量部とし、6官能ウレタンアクリレートを含有させないこと以外は実施例1と同様にしてハードコートフィルムを得た。実施例1と同様にして評価した結果を表1
実施例2において、プライマー層を形成するための樹脂組成物中のポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体の含有量を90質量部から100質量部とし、6官能ウレタンアクリレートを含有させないこと以外は実施例2と同様にしてハードコートフィルムを得た。実施例1と同様にして評価した結果を表1に示す。
基材フィルムに厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートを用い、該基材フィルムの片面に下記の樹脂組成物からなる厚さ3μmのプライマー層2及び厚さ10μmの表面保護層3を順次積層し、165keV及び15Mrad(150kGy)の条件で電子線を照射して、表面保護層及びプライマー層を完全硬化させ、化粧シートとして用いられるハードコートフィルムを得た。表1中では「化粧」と記載する。
6官能ウレタンアクリレート:100質量部
紫外線吸収剤:4質量部
チヌビン479(商品名)、2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン、BASFジャパン株式会社製
反応性官能基を有する光安定剤(反応性HALS):4質量部
サノールLS−3410(商品名)、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニルメタクリレート、BASFジャパン株式会社製
耐傷フィラー:コロイダルシリカ 10質量部
樹脂組成物:
ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体:95質量部
ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体におけるウレタン成分とアクリル成分の質量比:70/30
6官能ウレタンアクリレート:5質量部
ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤:15質量部
「チヌビン400(商品名)」、BASFジャパン株式会社製
ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤:5質量部
「チヌビン479(商品名)」、BASFジャパン株式会社製
ヒンダードアミン系光安定剤:6質量部
「チヌビン123(商品名)」、BASFジャパン株式会社製
硬化剤:
ヘキサンメチレンジイソシアネート:6質量部
実施例8において、プライマー層を形成するための樹脂組成物中のポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体の含有量を95質量部から100質量部とし、6官能ウレタンアクリレートを含有させないこと以外は実施例8と同様にしてハードコートフィルムを得た。実施例1と同様にして評価した結果を表1に示す。
2.プライマー層
3.表面保護層
4.接着層
5.ハードコートフィルム
6.被転写体
7.ハードコート体
Claims (8)
- 基材シート上に、少なくともプライマー層と表面保護層を有する耐候ハードコートフィルムであって、該表面保護層は電離放射線硬化型樹脂組成物を架橋硬化してなり、かつ該プライマー層が該電離放射線硬化型樹脂と反応性のある電離放射線硬化型樹脂Aと熱硬化型樹脂とを含有する樹脂組成物Bを硬化してなり、該樹脂組成物B中の全固形分に対する電離放射線硬化型樹脂の含有量が1〜60質量%であることを特徴とする耐候ハードコートフィルム。
- 前記樹脂組成物B中の全固形分に対する電離放射線硬化型樹脂の含有量が5〜40質量%である請求項1に記載の耐候ハードコートフィルム。
- 前記樹脂組成物B中の熱硬化型樹脂がポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体である請求項1又は2に記載の耐候ハードコートフィルム。
- 前記樹脂組成物B中の電離放射線硬化型樹脂が3官能以上のウレタンアクリレートである請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐候ハードコートフィルム。
- 前記プライマー層及び表面保護層の少なくとも一方に、紫外線吸収剤及び光安定剤から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の耐候ハードコートフィルム。
- 基材シート上に、プライマー層と表面保護層をこの順に有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の耐候ハードコートフィルム。
- 基材シート上に、表面保護層とプライマー層をこの順に有する転写タイプである請求項1〜5のいずれか1項に記載の耐候ハードコートフィルム。
- プライマー層の上にさらに接着層を有する請求項7に記載の耐候ハードコートフィルム。
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