JP2023147706A - 転写シート、転写シートの製造方法、外装部材および外装部材の製造方法 - Google Patents

転写シート、転写シートの製造方法、外装部材および外装部材の製造方法 Download PDF

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夏生 杉田
Natsuo Sugita
泰宏 秋田
Yasuhiro Akita
沙織 宮崎
Saori Miyazaki
哲 古田
Satoru Furuta
優美子 林
Yumiko Hayashi
勝二 中村
Katsuji Nakamura
昂秀 齋藤
Takaho Saito
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Abstract

【課題】離型フィルム、第1保護層および第2保護層をこの順に有し、第1保護層および第2保護層の密着性と、第1保護層の耐汚染性とを両立した転写シートを提供する。【解決手段】外装部材の製造に用いられる転写シート10であって、上記転写シートは、離型フィルム1と、上記離型フィルムの一方の面に配置された転写層と、を有し、上記転写層は、上記離型フィルム側から、第1保護層2および第2保護層3を、厚さ方向において、この順に有し、上記第1保護層は、第1硬化性樹脂組成物の硬化物を含有し、上記第2保護層は、第2硬化性樹脂組成物の硬化物を含有し、上記第1硬化性樹脂組成物の硬化物、および、第2硬化性樹脂組成物の硬化物は、それぞれ、(メタ)アクリル成分およびウレタン成分を含有し、上記転写層の第1保護層側の面における水接触角が、40°以上75°以下である、転写シートとする。【選択図】図1

Description

本開示は、転写シート、転写シートの製造方法、外装部材および外装部材の製造方法に関する。
金属部材および樹脂部材等の基体に、転写シートにおける転写層(転写シートから転写される層)を転写することで、基体を加飾することが知られている。例えば、特許文献1には、剥離層と、剥離層に剥離可能に取り付けられた意匠転写層とを含み、意匠転写層は、剥離層側から、加熱接着可能な第1表面層と、加熱接着可能な第2表面層とをこの順で含む、意匠転写シートが開示されている。
特開2016-120643号公報
転写シートは、例えば、離型フィルム、第1保護層および第2保護層を、厚さ方向において、この順に有する。このような転写シートにおいて、第1保護層および第2保護層の密着性は不足しやすい。第1保護層は、典型的には、離型フィルム上に第1保護層形成用の組成物を硬化することで作製される。その硬化した第1保護層上に、第2保護層を形成するため、第1保護層および第2保護層の密着性は不足しやすい。
第1保護層および第2保護層の密着性を向上させるために、例えば、第1保護層の第2保護層側の面に、コロナ処理を行い、水酸基を導入することが有効である。導入された水酸基が、例えば、第2保護層形成用の組成物に含まれるイソシアネートと反応すると、ウレタン結合が形成され、第1保護層および第2保護層の密着性は向上する。また、外装部材(屋外用の部材)は、過酷な環境に曝されるため、第1保護層および第2保護層の密着性(特に耐候密着性)には、さらなる向上が望まれている。
そこで、本発明者等は、第1保護層の第2保護層側の面のみならず、第1保護層を構成する樹脂成分に水酸基を導入することを検討した。その結果、第1保護層および第2保護層の密着性を向上させることができることを見出した。一方、第1保護層を構成する樹脂成分に水酸基を導入すると、第1保護層の耐汚染性が低下するという新たな課題が生じるという知見が得られた。
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、第1保護層および第2保護層の密着性と、第1保護層の耐汚染性と、を両立した転写シートを提供することを主目的とする。
本開示においては、外装部材の製造に用いられる転写シートであって、上記転写シートは、離型フィルムと、上記離型フィルムの一方の面に配置された転写層と、を有し、上記転写層は、上記離型フィルム側から、第1保護層および第2保護層を、厚さ方向において、この順に有し、上記第1保護層は、第1硬化性樹脂組成物の硬化物を含有し、上記第2保護層は、第2硬化性樹脂組成物の硬化物を含有し、上記第1硬化性樹脂組成物の硬化物、および、第2硬化性樹脂組成物の硬化物は、それぞれ、(メタ)アクリル成分およびウレタン成分を含有し、上記転写層の第1保護層側の面における水接触角が、40°以上75°以下である、転写シートを提供する。
また、本開示においては、上述した転写シートの製造方法であって、上記離型フィルムの面に、上記第1硬化性樹脂組成物を含有する第1組成物を塗工し、硬化させ、上記第1保護層を形成する第1保護層形成工程と、上記第1保護層の上記離型フィルムとは反対側の面に、上記第2硬化性樹脂組成物を含有する第2組成物を塗工し、硬化させ、上記第2保護層を形成する第2保護層形成工程と、を有する、転写シートの製造方法を提供する。
また、本開示においては、外装部材であって、上記外装部材は、第1保護層、第2保護層および基体を、厚さ方向において、この順に有し、上記第1保護層は、第1硬化性樹脂組成物の硬化物を含有し、上記第2保護層は、第2硬化性樹脂組成物の硬化物を含有し、上記第1硬化性樹脂組成物の硬化物、および、第2硬化性樹脂組成物の硬化物は、それぞれ、(メタ)アクリル成分およびウレタン成分を含有し、上記外装部材の第1保護層側の面における水接触角が、40°以上75°以下である、転写シートを提供する。
また、本開示においては、外装部材の製造方法であって、上述した転写シートを準備する準備工程と、上記転写シートの上記第2保護層側の面と、基体と、を対向するように配置し、上記転写シートおよび上記基体を密着させる密着工程と、を有する、外装部材の製造方法を提供する。
本開示においては、第1保護層および第2保護層の密着性と、第1保護層の耐汚染性と、を両立した転写シートを提供できるという効果を奏する。
本開示における転写シートを例示する概略断面図である。 本開示における転写シートの製造方法を例示する概略断面図である。 本開示における外装部材を例示する概略断面図である。 本開示における外装部材の製造方法を例示する概略断面図である。
下記に、図面等を参照しながら、実施の形態を説明する。ただし、本開示は、多くの異なる態様で実施することが可能であり、下記に例示する実施の形態の記載内容に限定されるべきではない。また、図面は説明をより明確にするため、実際の形態に比べ、各部の幅、厚さ、形状について模式的に表す場合があるが、これはあくまで一例であり、限定して解釈されるべきではない。
本明細書において、ある部材に、他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」あるいは「下に」と表記する場合、特に断りの無い限り、ある部材に接するように、直上あるいは直下に、他の部材を配置する場合と、ある部材の上方あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合と、の両方を含む。また、本明細書において、ある部材の面に、他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「面に」と表記する場合、特に断りの無い限り、ある部材に接するように、直上あるいは直下に、他の部材を配置する場合と、ある部材の上方あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合と、の両方を含む。
以下、本開示における、転写シート、転写シートの製造方法、外装部材および外装部材の製造方法について、詳細に説明する。
A.転写シート
図1(a)は、本開示における転写シートを例示する概略断面図である。図1(a)に示すように、転写シート10は、離型フィルム1と、離型フィルム1の一方の面に配置された転写層Xとを有する。転写層Xは、離型フィルム1側から、第1保護層2および第2保護層3を、厚さ方向Dにおいて、この順に有する。また、図1(b)に示すように、転写シート10は、第2保護層3の第1保護層2とは反対側の面に、意匠層4を有していてもよい。また、図1(c)に示すように、転写シート10は、第2保護層3の第1保護層2とは反対側の面に、接着層5を有していてもよい。
図1(a)に示すように、転写層Xの第1保護層2側の面をSとする。「転写層Xの第1保護層2側の面」とは、第2保護層3を基準とした場合に第1保護層2側に位置する、転写層Xの面をいう。本開示においては、転写層Xの第1保護層2側の面Sにおける水接触角が所定の範囲にある。
本開示によれば、転写層の第1保護層側の面における水接触角が所定の範囲にあることから、第1保護層および第2保護層の密着性と、第1保護層の耐汚染性と、を両立した転写シートとなる。上述したように、転写シートにおいて、第1保護層および第2保護層の密着性は不足しやすい。また、第1保護層および第2保護層の密着性を向上させるために、例えば、第1保護層の第2保護層側の面に、コロナ処理を行い、水酸基を導入することが有効である。しかしながら、外装部材(屋外用の部材)は、過酷な環境に曝されるため、第1保護層および第2保護層の密着性(特に耐候密着性)には、さらなる向上が望まれている。
そこで、本発明者等は、第1保護層の第2保護層側の面のみならず、第1保護層を構成する樹脂成分に水酸基を導入することを検討した。その結果、第1保護層および第2保護層の密着性を向上させることができることを見出した。一方、第1保護層を構成する樹脂成分に水酸基を導入すると、第1保護層の耐汚染性が低下するという新たな課題が生じるという知見が得られた。これに対して、本開示においては、転写層の第1保護層側の面における水接触角を所定の範囲にすることにより、第1保護層および第2保護層の密着性と、第1保護層の耐汚染性と、を両立することができる。また、転写層の第1保護層側の面における水接触角が所定の範囲にあることで、表面に水滴が残りにくいため、イオンデポジット(水滴が長時間付着することによって生じるドット状の水垢)の発生が抑えられるという利点がある。
また、外装部材(屋外用の部材)には、内装部材(屋内用の部材)に比べて、高い耐候性が求められる。例えば、化粧シートを用いて外装部材を製造する場合、強度向上を目的として、化粧シートに透明樹脂層を設ける場合がある。この場合、透明樹脂層は比較的厚い層であるため、例えば透明樹脂層に十分な量の耐候剤を添加することで、高い耐候性が付与される。これに対して、透明樹脂層に該当する層を有しない転写シートに、高い耐候性を付与することは、技術的な困難性が高い。本開示においては、第1保護層および第2保護層の両方が耐候剤を含有することが好ましい。これにより、第1保護層に求められる特性(例えば耐擦傷性等の表面特性)、および、第2保護層に求められる特性(例えば密着性)を維持しつつ、高い耐候性を付与することができる。
本開示においては、通常、転写層の第1保護層側の面における水接触角が、所定の範囲にある。水接触角の測定方法については、後述する実施例で詳細に説明する。上記水接触角は、通常、40°以上75°以下である。上記水接触角は、45°以上であってもよく、50°以上であってもよい。上記水接触角が低いと、第1保護層の耐汚染性が低くなる場合がある。一方、上記水接触角は、70°以下であってもよい。上記水接触角が高いと、第1保護層および第2保護層の密着性が低くなる場合がある。転写層の第1保護層側の面における水接触角は、例えば、第1硬化性樹脂組成物に、水酸基を含有する材料を添加し、その材料の含有量を調整することで制御できる。
本開示における転写シートは、離型フィルムと、その離型フィルムの一方の面に配置された転写層と、を有する。転写層は、離型フィルム側から順に、第1保護層および第2保護層を少なくとも有する。転写層は、第1保護層および第2保護層を有していてもよく、他の層をさらに有していてもよい。他の層としては、例えば、意匠層および接着層が挙げられる。転写層は、第2保護層の第1保護層とは反対側の面に、意匠層を有していてもよい。また、転写層は、第2保護層の第1保護層とは反対側の面に、接着層を有していてもよい。
転写層の厚さは、例えば8μm以上であり、10μm以上であってもよく、12μm以上であってもよく、14μm以上であってよい。転写層が薄いと、十分な耐候性が得られない可能性がある。一方、転写層の厚さは、例えば50μm以下であり、40μm以下であってもよく、30μm以下であってもよい。転写層が厚いと、リサイクル時に、金属および樹脂を分別する必要が生じる。
1.第1保護層
本開示における転写シートは、第1保護層を有する。第1保護層は、外装部材の表面特性(例えば耐傷性)の向上に寄与する。第1保護層および離型フィルムは、直接接触するように配置されていてもよく、他の層を介して配置されていてもよい。
第1保護層は、第1硬化性樹脂組成物の硬化物(架橋構造体)を含有する。また、第1硬化性樹脂組成物の硬化物は、(メタ)アクリル成分およびウレタン成分を含有する。(メタ)アクリル成分とは、アクリル成分またはメタクリル成分をいう。ウレタン成分とは、ウレタン結合をいう。また、第1硬化性樹脂組成物の硬化物の割合は、第1保護層を構成する全樹脂成分に対して、例えば70質量%以上であり、90質量%以上であってもよく、95質量%以上であってもよく、100質量%であってもよい。
第1硬化性樹脂組成物としては、例えば、電離放射線硬化性樹脂組成物および熱硬化性樹脂組成物が挙げられる。電離放射線硬化性樹脂組成物としては、例えば、電子線硬化性樹脂組成物、紫外線硬化性樹脂組成物が挙げられる。これらの中でも、重合開始剤が不要のため臭気が少なく、着色が生じにくいことから、電子線硬化性樹脂組成物が好ましい。
電離放射線硬化性樹脂組成物は、電離放射線硬化性官能基を有する化合物(以下、「電離放射線硬化性化合物」ともいう)を含む組成物である。電離放射線硬化性官能基は、電離放射線の照射によって架橋硬化する基である。電離放射線硬化性樹脂組成物は、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を少なくとも含有することが好ましい。(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基またはメタクロイル基をいう。また、電離放射線硬化性樹脂組成物は、(メタ)アクリロイル基を有する化合物の他に、ビニル基、アリル基等のエチレン性二重結合を有する官能基を有する化合物を含有していてもよい。
電離放射線とは、電磁波または荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものをいう。電離放射線としては、例えば、電子線(EB)および紫外線(UV)が挙げられる。また、電離放射線の他の例としては、X線、γ線等の電磁波、α線、イオン線等の荷電粒子線が挙げられる。
電離放射線硬化性樹脂組成物は、電離放射線硬化性化合物として、ウレタン(メタ)アクリレートを少なくとも含有することが好ましい。(メタ)アクリレートとは、アクリレートまたはメタクリレートをいう。また、電離放射線硬化性樹脂組成物は、ウレタン(メタ)アクリレートの他に、電離放射線硬化性化合物として、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリカーボネート(メタ)アクリレート、アクリル(メタ)アクリレートの少なくとも一種をさらに含有していてもよい。また、電離放射線硬化性樹脂組成物は、ウレタン(メタ)アクリレートとして、カプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレートを含有することが好ましい。
電離放射線硬化性樹脂組成物は、水酸基含有(メタ)アクリレートを含有することが好ましい。水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、1,4-シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、イソシアヌル酸モノアクリレート、イソシアヌル酸モノメタクリレート、イソシアヌル酸ジアクリレ-ト、イソシアヌル酸ジメタクリレート、グリセリンジアクリレート、グリセリンジメタクリレートが挙げられる。 また、水酸基含有(メタ)アクリレートは、エチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)、カプロラクトン等により変性した水酸基含有(メタ)アクリレートであってもよい。
電離放射線硬化性樹脂組成物における水酸基含有(メタ)アクリレートの割合は、例えば10質量%以上90質量%以下である。水酸基含有(メタ)アクリレートの割合が少ないと、第1保護層および第2保護層の密着性が低下する場合がある。水酸基含有(メタ)アクリレートの割合が多いと、第1保護層の耐汚染性が低下する場合がある。
電離放射線硬化性化合物の数平均分子量は、例えば、200以上10000以下であり、1000以上10000以下であってもよく、2000以上10000以下であってもよい。数平均分子量は、GPC分析によって測定され、かつ標準ポリスチレンで換算された平均分子量である。
例えば、電離放射線硬化性化合物が、紫外線硬化性化合物である場合、電離放射線硬化性化合物は、光重合開始剤および光重合促進剤の少なくとも一方を含むことが好ましい。光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、ベンゾフェノン、α-ヒドロキシアルキルフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルジメチルケタール、ベンゾイルベンゾエート、α-アシルオキシムエステル、アシルフォスフィンオキサイド、チオキサントン類が挙げられる。光重合促進剤としては、例えば、p-ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p-ジメチルアミノ安息香酸エチルエステルが挙げられる。
また、第1硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂組成物であってもよい。熱硬化性樹脂組成物の詳細については、後述する「2.第2保護層」に記載する内容と同様である。
第1保護層は、耐候剤を含有することが好ましい。耐候剤としては、例えば、紫外線吸収剤および光安定剤が挙げられる。第1保護層は、紫外線吸収剤および光安定剤の少なくとも一つを含むことが好ましい。第1保護層は、1種または2種以上の紫外線吸収剤を含んでいてもよい。同様に、第1保護層は、1種または2種以上の光安定剤を含んでいてもよい。
第1保護層に含まれる紫外線吸収剤としては、例えば、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、オキシベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチル酸エステル系紫外線吸収剤、シアノ(メタ)アクリレート系紫外線吸収剤等の有機系紫外線吸収剤、二酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛等の無機系紫外線吸収剤が挙げられる。これらの中でも、トリアジン系紫外線吸収剤がより好ましい。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、例えば、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤が挙げられる。ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤としては、例えば、2-(2-ヒドロキシ-4-[1-オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)-4,6-ビス(4-フェニルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[4-[(2-ヒドロキシ-3-ドデシルオキシプロピル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス[2-ヒドロキシ-4-ブトキシフェニル]-6-(2,4-ジブトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[4-[(2-ヒドロキシ-3-トリデシルオキシプロピル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[4-[(2-ヒドロキシ-3-(2'-エチル)ヘキシル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5[2-(2-エチルヘキサノイルオキシ)エトキシ]フェノールが挙げられる。
第1保護層に含まれる紫外線吸収剤の含有量は、電離放射線硬化性化合物100質量部に対して、例えば、0.5質量部以上10質量部以下であり、0.8質量部以上8質量部以下であってもよく、1質量部以上5質量部以下であってもよい。紫外線吸収剤の含有量が多いと、紫外線吸収剤のブリードアウトが発生する可能性があり、紫外線吸収剤の含有量が少ないと、十分な紫外線吸収性能が得られない可能性がある。
第1保護層に含まれる光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤が挙げられる。ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニルメタクリレート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)セバケート、2,4-ビス[N-ブチル-N-(1-シクロヘキシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]-6-(2-ヒドロキシエチルアミン)-1,3,5-トリアジン)が挙げられる。
第1保護層に含まれる光安定剤の含有量は、電離放射線硬化性化合物100質量部に対して、例えば、1質量部以上10質量部以下であり、1.5質量部以上8質量部以下であってもよく、2質量部以上5質量部以下であってもよい。光安定剤の含有量が多いと、光安定剤のブリードアウトが発生する可能性があり、光安定剤の含有量が少ないと、十分な光安定性が得られない可能性がある。
第1保護層は、シリコーン化合物、重合禁止剤、架橋剤、帯電防止剤、接着性向上剤、酸化防止剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、防汚剤、消泡剤、充填剤等の添加剤を含有していてもよい。また、第1保護層の厚さは、例えば、2μm以上20μm以下であり、3μm以上15μm以下であってもよく、4μm以上10μm以下であってもよい。第1保護層が薄いと、十分な耐候性が得られない可能性があり、第1保護層が厚いと、第1保護層にクラックが生じやすくなり、良好な密着性が得られない可能性がある。
2.第2保護層
本開示における転写シートは、第2保護層を有する。第2保護層は、通常、第1保護層より柔軟な層である。また、第2保護層および第1保護層は、直接接触するように配置されていてもよく、他の層を介して配置されていてもよい。
第2保護層は、第2硬化性樹脂組成物の硬化物(架橋構造体)を含有する。また、第2硬化性樹脂組成物の硬化物は、(メタ)アクリル成分およびウレタン成分を含有する。また、第2硬化性樹脂組成物の硬化物の割合は、第2保護層を構成する全樹脂成分に対して、例えば70質量%以上であり、90質量%以上であってもよく、95質量%以上であってもよく、100質量%であってもよい。
第2硬化性樹脂組成物としては、例えば、熱硬化性樹脂組成物が挙げられる。熱硬化性樹脂組成物は、少なくとも熱硬化性樹脂を含む組成物であり、加熱により、硬化する組成物である。熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂として、ウレタン(メタ)アクリル系樹脂を少なくとも含有することが好ましい。第2硬化性樹脂組成物は、ウレタン(メタ)アクリル系樹脂の他に、熱硬化性樹脂として、(メタ)アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、尿素メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂の少なくとも一種をさらに含有していてもよい。また、熱硬化性樹脂組成物は、イソシアネート系硬化剤、エポキシ系硬化剤等の硬化剤をさらに含有していてもよい。
また、第2硬化性樹脂組成物が、ウレタン(メタ)アクリル系樹脂を含有する場合、ウレタン(メタ)アクリル系樹脂は、ウレタン(メタ)アクリル共重合体であることが好ましく、ポリカーボネート系ウレタン(メタ)アクリル共重合体であることがより好ましい。ポリカーボネート系ウレタン(メタ)アクリル共重合体は、ポリカーボネートジオールと(ジ)イソシアネートとを反応させて得られるポリカーボネート系ポリウレタンポリマーに、(メタ)アクリルモノマーをラジカル重合させて得られる樹脂である。
(ジ)イソシアネートとしては、例えば、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、n-イソシアネートフェニルスルホニルイソシアネート、o-イソシアネートフェニルスルホニルイソシアネート、p-イソシアネートフェニルスルホニルイソシアネート等の芳香族イソシアネート;1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート;イソホロンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂環式イソシアネートが挙げられる。
(メタ)アクリルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸-n-プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸-n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
ポリカーボネート系ウレタン(メタ)アクリル共重合体における、(メタ)アクリル成分およびウレタン成分の合計に対するウレタン成分の質量比([ウレタン成分]/([(メタ)アクリル成分]+[ウレタン成分])は、例えば、70質量%以上95質量%以下であり、75質量%以上95質量%以下であってもよく、80質量%以上90質量%以下であってもよい。上記質量比を70質量%以上にすることで、ポリカーボネート系ウレタン(メタ)アクリル共重合体におけるポリカーボネート構造の割合を多くすることができるため、ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体の構造がよりリジットになる。そのため、温度変化に対する変形を小さくできる。また、上記質量比を95質量%以下にすることで、第2保護層の柔軟性を確保しやすくなり、意匠層との密着性が向上する。
第2保護層は、耐候剤を含有することが好ましい。耐候剤としては、例えば、紫外線吸収剤および光安定剤が挙げられる。第2保護層は、紫外線吸収剤および光安定剤の少なくとも一つを含むことが好ましい。耐候剤の好ましい種類および態様については、上記「1.第1保護層」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。特に、第2保護層は、トリアジン系紫外線吸収剤を含むことが好ましい。また、第2保護層は、ヒンダードアミン系光安定剤を含むことが好ましい。
第2保護層に含まれる紫外線吸収剤の含有量は、樹脂成分100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上50質量部以下であり、3質量部以上40質量部以下であってもよく、10質量部以上35質量部以下であってもよい。また、第2保護層に含まれる紫外線吸収剤の含有量(樹脂成分100質量部に対する含有量)は、第1保護層に含まれる紫外線吸収剤の含有量(樹脂成分100質量部に対する含有量)より多くてもよい。
第2保護層に含まれる光安定剤の含有量は、樹脂成分100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上15質量部以下であり、1質量部以上15質量部以下であってもよく、3質量部以上10質量部以下であってもよい。また、第2保護層に含まれる光安定剤の含有量(樹脂成分100質量部に対する含有量)は、第1保護層に含まれる光安定剤の含有量(樹脂成分100質量部に対する含有量)より多くてもよい。
第2保護層は、シリコーン化合物、重合禁止剤、架橋剤、帯電防止剤、接着性向上剤、酸化防止剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、防汚剤、消泡剤、充填剤等の添加剤を含有していてもよい。また、第2保護層の厚さは、例えば、2μm以上10μm以下であり、3μm以上8μm以下であってもよく、3μm以上5μm以下であってもよい。第2保護層が薄いと、相対的に硬い第1保護層との密着性(特に初期密着性)が低くなる可能性がある。一方、第2保護層が厚いと、熱による第2保護層の動きが大きくなり、第1保護層にクラックが生じやすくなる。
3.その他の層
本開示における転写シートは、第2保護層の第1保護層とは反対側の面に、意匠層を有していてもよく、有していなくてもよい。意匠層を設けることで、外装部材の意匠性が向上する。意匠層および第2保護層は、直接接触するように配置されていてもよく、他の層を介して配置されていてもよい。
意匠層としては、例えば、ベタ層(インキをベタ塗りした層)、絵柄層(インキを印刷した層)が挙げられる。転写シートは、意匠層として、離型フィルム側から順に、絵柄層およびベタ層を有していてもよい。絵柄層における絵柄(模様)としては、例えば、木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様、草花模様が挙げられる。
意匠層は、通常、着色剤およびバインダー樹脂を含有する。着色剤としては、例えば、カーボンブラック(墨)、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、ニッケルアゾ錯体、フタロシアニンブルー、アゾメチンアゾブラック等の有機顔料(染料を含む)、アルミニウム、真鍮等の金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等のパール顔料が挙げられる。
バインダー樹脂としては、例えば、ウレタン系樹脂、アクリルポリオール系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、エステル系樹脂、アミド系樹脂、ブチラール系樹脂、スチレン系樹脂、ウレタンアクリル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル-アクリル共重合体、塩素化プロピレン系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、酢酸セルロース系樹脂が挙げられる。
意匠層は、必要に応じて、紫外線吸収剤、光安定剤、硬化剤、可塑剤、触媒等の添加剤を含有していてもよい。意匠層の厚さは、例えば、0.5μm以上20μm以下であり、1μm以上10μm以下であってもよく、2μm以上5μm以下であってもよい。
本開示における転写シートは、第2保護層の第1保護層とは反対側の面に、接着層を有していてもよく、有していなくてもよい。接着層は、接着性を有する成分を含有してもよい。接着性を有する成分としては、(メタ)アクリル系樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル系樹脂、エステル系樹脂、エポキシ系樹脂、イミド系樹脂、ゴム系樹脂が挙げられる。
接着層は、いわゆる粘着層であってもよい。粘着層は、常温で粘着性を有している。粘着層に含まれる樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、エステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ゴム系樹脂、アイオノマー系樹脂が挙げられる。また、接着層は、いわゆるヒートシール層であってもよい。ヒートシール層は、熱により粘着性を発現する。ヒートシール層に含まれる樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、オレフィン系樹脂、エステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレア系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、ビニル系樹脂が挙げられる。接着層の厚さは、例えば、1μm以上30μm以下である。
4.離型フィルム
本開示における転写シートは、第1保護層の第2保護層とは反対側の面に、離型フィルム(第1離型フィルム)を有する。離型フィルムおよび第1保護層は、直接接触するように配置されていてもよく、他の層を介して配置されていてもよい。
離型フィルムは、樹脂フィルムであることが好ましい。樹脂フィルムに含まれる樹脂としては、例えば、エステル系樹脂、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、アミド系樹脂、イミド系樹脂、カーボネート系樹脂が挙げられる。
離型フィルムは、エステル系樹脂またはオレフィン系樹脂を含有することが好ましい。エステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート-イソフタレート共重合体が挙げられる。これらの中でも、転写シートを製造する際の熱収縮、および、電離放射線の照射による収縮が生じにくいという観点から、PETまたはPBTが好ましく、PETがより好ましい。
オレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-プロピレン-ブテン共重合体が挙げられる。これらの中でも、転写シートを製造する際の熱収縮、および、電離放射線の照射による収縮が生じにくいという観点から、ポリプロピレンが好ましい。
離型フィルムは、延伸フィルムであってもよく、未延伸フィルムであってもよい。延伸フィルムにおける機械方向(MD)における延伸倍率は、例えば5倍以上30倍以下である。延伸フィルムにおける幅方向(TD)における延伸倍率は、例えば5倍以上30倍以下である。また、離型フィルムの厚さは、例えば、10μm以上200μm以下であり、15μm以上150μm以下であってもよく、20μm以上100μm以下であってもよい。
5.転写シート
本開示における転写シートは、離型フィルムおよび転写層(少なくとも、第1保護層および第2保護層)を有する。
本開示における転写シートは、第2保護層の第1保護層とは反対側の面に、第2離型フィルムを有していてもよい。例えば、転写シートをロール状に巻き取って製造した場合に、ブロッキングの発生を抑制できる。第2離型フィルムは、通常、後述する密着工程の前に、転写シートから剥離される。第2離型フィルムの詳細については、上述した第1離型フィルムに記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。
B.転写シートの製造方法
図2は、本開示における転写シートの製造方法を例示する概略断面図である。まず、図2(a)に示すように、離型フィルム1を準備する。次に、図2(b)に示すように、離型フィルム1の面に、第1硬化性樹脂組成物を含有する第1組成物を塗工し、硬化させ、第1保護層2を形成する。次に、図2(c)に示すように、第1保護層2の離型フィルム1とは反対側の面に、第2硬化性樹脂組成物を含有する第2組成物を塗工し、硬化させ、第2保護層3を形成する。これにより、離型フィルム1と、離型フィルム1の一方の面に配置された転写層2と、を有する転写シート10が得られる。転写層2は、離型フィルム1側から、第1保護層2および第2保護層3を、厚さ方向Dにおいて、この順に有する。また、転写層2の第1保護層側の面における水接触角が所定の範囲にある。
本開示によれば、転写層2の第1保護層側の面における水接触角が所定の範囲にあることから、第1保護層および第2保護層の密着性と、第1保護層の耐汚染性と、を両立した転写シートが得られる。
1.第1保護層形成工程
本開示における第1保護層形成工程は、上記離型フィルムの面に、上記第1硬化性樹脂組成物を含有する第1組成物を塗工し、硬化させ、上記第1保護層を形成する工程である。第1組成物は、第1保護層形成用の組成物である。第1硬化性樹脂組成物については、上記「A.転写シート」に記載した内容と同様であるので、ここでの説明は省略する。
第1組成物を塗工する方法としては、例えば、グラビア印刷法、バーコート法、ロールコート法、リバースロールコート法、コンマコート法が挙げられる。第1組成物を塗工することで、第1塗工層が得られる。第1塗工層を硬化する方法としては、例えば、電子線、紫外線等の電離放射線を照射する方法、熱を加える方法が挙げられる。
2.第2保護層形成工程
本開示における第2保護層形成工程は、上記第1保護層の上記離型フィルムとは反対側の面に、上記第2硬化性樹脂組成物を含有する第2組成物を塗工し、硬化させ、上記第2保護層を形成する工程である。第2組成物は、第2保護層形成用の組成物である。第2硬化性樹脂組成物については、上記「A.転写シート」に記載した内容と同様であるので、ここでの説明は省略する。
第2組成物を塗工する方法としては、例えば、グラビア印刷法、バーコート法、ロールコート法、リバースロールコート法、コンマコート法が挙げられる。第2組成物を塗工することで、第2塗工層が得られる。第2塗工層を硬化する方法としては、例えば、熱を加える方法が挙げられる。
3.その他の工程
本開示における転写シートの製造方法は、第1保護層形成工程および第2保護層形成工程に加えて、上述した転写層に属する層を形成する工程を有していてもよい。例えば、本開示における転写シートの製造方法は、第2保護層の第1保護層とは反対側の面に意匠層を形成する意匠層形成工程を有していてもよい。意匠層の形成方法としては、例えば、第2保護層の第1保護層とは反対側の面に、着色剤、バインダー樹脂および溶剤を含有するインキを塗工する方法が挙げられる。また、本開示における転写シートの製造方法は、第2保護層の第1保護層とは反対側の面に接着層を形成する接着層形成工程を有していてもよい。接着層の形成方法としては、例えば、バインダー樹脂および溶剤を含有するインキを塗工する方法が挙げられる。また、上述した各工程により得られる転写シートについては、上記「A.転写シート」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。
C.外装部材
図3は、本開示における外装部材を例示する概略断面図である。図3に示すように、外装部材100は、第1保護層2、第2保護層3、接着剤層30および基体20を、厚さ方向Dにおいて、この順に有する。本開示においては、外装部材10の第1保護層2側の面Sにおける水接触角が所定の範囲にある。
本開示においては、外装部材10の第1保護層2側の面Sにおける水接触角が所定の範囲にあるため、第1保護層および第2保護層の密着性と、第1保護層の耐汚染性と、を両立した外装部材となる。
1.第1保護層および第2保護層
本開示における第1保護層および第2保護層については、上記「A.転写シート」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。また、本開示における外装部材は、上述した転写層に属する任意の層を有していてもよい。転写層についても、上記「A.転写シート」に記載した内容と同様である。
2.基体
本開示における基体の一例としては、金属部材が挙げられる。金属部材と、転写層に含まれる樹脂とは、異種材料であるため、両者の密着性が低くなりやすい。これに対して、基体および転写層を、例えば、接着剤層を介して密着させることで、基体および転写層の密着性を向上させることができる。特に、外装部材(屋外用の部材)は、過酷な環境に曝されるため、基体および転写層の密着性が高いことが望まれる。
金属部材は、金属単体または金属合金を含む部材である。金属部材に用いられる金属としては、例えば、アルミニウム、鉄、鋼(スチール)、銅が挙げられる。金属部材は、アルミニウム部材であることが好ましい。アルミニウム部材は、軽量であり、かつ、耐食性に優れており、外装部材の基体として有用だからである。アルミニウム部材は、アルミニウムまたはアルミニウム合金を含む部材である。アルミニウム部材は、表面に酸化アルミニウム被膜を有することが好ましい。アルミニウム部材の耐食性が向上するからである。酸化アルミニウム被膜の形成方法としては、例えば、アルマイト処理が挙げられる。
基体の他の例としては、樹脂部材が挙げられる。樹脂部材に用いられる樹脂としては、例えば、ポリカーボネート系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、エステル系樹脂、スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン系共重合体(ABS系樹脂)、フェノール系樹脂、セルロース系樹脂、ゴムが挙げられる。また、基体の他の例としては、木質部材が挙げられる。木質部材としては、例えば、木材単板、木材合板、パーティクルボード、木質繊維板が挙げられる。木質部材に用いられる木材としては、例えば、杉、檜、松、ラワンが挙げられる。また、基体の他の例としては、窯業部材が挙げられる。窯業部材の材料は、ガラス、陶磁器等のセラミックスであってもよく、石膏等の非セメント窯業系材料であってもよく、ALC(軽量気泡コンクリート)等の非陶磁器窯業系材料であってもよい。
基体の形状は、特に限定されないが、例えば、板状、シート状、立体形状が挙げられる。立体形状とは、X軸、Y軸およびZ軸の座標で表現される三次元形状をいう。密着工程においては、基体の立体形状部(立体形状を有する部位)を、転写シートで被覆することが好ましい。立体形状部では、基体および転写層の密着性が低くなりやすいが、例えば接着剤層を設けることで、基体および転写層の密着性を高くできる。特に、外装部材(屋外用の部材)は、過酷な環境に曝されるため、基体および転写層の密着性が高いことが望まれる。
基体は、平面部を有していてもよく、曲面部を有していてもよく、平面部および曲面部の両方を有していてもよい。また、基体は、角部、凸部、凹部、凸条部、凹条部、蛇腹部、貫通部の少なくとも一つを有していてもよい。
3.接着剤層
本開示における外装部材は、第2保護層および基体の間に、接着剤層を有していてもよく、有していなくてもよい。
接着剤層に用いられる接着剤としては、特に限定されず、公知の接着剤を使用することができる。例えば、感熱接着剤、感圧接着剤等の接着剤が挙げられる。接着剤に用いられる樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、エステル系樹脂、アミド系樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合、スチレン-アクリル共重合が挙げられる。また、接着剤として、イソシアネート化合物を硬化剤とする2液硬化型のポリウレタン系接着剤、および、ポリエステル系接着剤を用いてもよい。また、接着剤は、溶剤系接着剤またはポリウレタンリアクティブ系(PUR系)接着剤であることが好ましい。
接着剤層は、剥離強度が高いことが好ましい。接着剤層の剥離強度は、例えば15N/inch以上、50N/inch以下であり、20N/inch以上、40N/inch以下であってもよい。接着剤層の剥離強度は、下記の方法により測定される。すなわち、厚さ0.8mmのアルミニウム板(アルマイト処理済)に、接着剤を厚さ5μmで塗布し、ポリエステルフィルム(東洋紡株式会社製、東洋紡エステルフィルムE5001、厚さ50μm)とロールラミネータにより貼り合わせる。得られた積層体に対して、JIS K6854-2:1999に基づき180°剥離試験を行い、剥離強度を測定する。また、接着剤層の硬さは、特に限定されないが、鉛筆硬度がB以上であることが好ましい。また、接着剤層の厚さは、特に限定されないが、例えば、2μm以上100μm以下であり、2μm以上50μm以下であってもよく、2μm以上35μm以下であってもよい。
4.外装部材
本開示における外装部材は、第1保護層、第2保護層および基体を、厚さ方向において、この順に有する。外装部材は、第1保護層の第2保護層とは反対側の面に、離型フィルムを有している離型フィルム付外装部材であってもよく、離型フィルムを有しない外装部材であってもよい。
本開示における外装部材は、通常、外装(屋外)で使用される。外装の用途としては、例えば、建材が挙げられる。建材は、例えば、住宅、事務所、店舗、病院、診療所等の建築物に用いられる。外装部材の用途としては、例えば、外壁、屋根、軒天井、ルーバー、戸袋、窓枠、扉、扉枠、手すり、塀、物干台が挙げられる。
D.外装部材の製造方法
図4は、本開示における外装部材の製造方法を例示する概略断面図である。まず、図4(a)に示すように、転写シート10を準備する。転写シート10は、離型フィルム1、第1保護層2および第2保護層3を、厚さ方向Dにおいて、この順に有する。次に、図4(b)に示すように、転写シート10の第2保護層3側の面、および、基体20の間に、接着剤層30を配置し、転写シート10、接着剤層30および基体20を密着させる。「転写シート10の第2保護層3側の面」とは、離型フィルム1を基準とした場合に第2保護層3側に位置する、転写シート10の面をいう。次に、図4(c)に示すように、転写シート10から離型フィルム1を剥離する。これにより、第1保護層2、第2保護層3、接着剤層30および基体20を、厚さ方向Dにおいて、この順に有する、外装部材100が得られる。
本開示によれば、上述した転写シートを用いることで、第1保護層および第2保護層の密着性と、第1保護層の耐汚染性と、を両立した外装部材が得られる。
1.準備工程
本開示における準備工程は、上述した転写シートを準備する工程である。転写シートについては、上記「A.転写シート」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。
2.密着工程
本開示における密着工程は、上記転写シートの上記第2保護層側の面と、上記基体と、を対向するように配置し、上記転写シートおよび上記基体を密着させる工程である。密着工程においては、転写シートの第2保護層側の面、および、基体を直接接触させてもよい。
密着工程においては、転写シートの第2保護層側の面、および、基体の間に、接着剤層を配置し、転写シート、接着剤層および基体を密着させてもよい。この場合、密着工程は、接着剤層を形成する接着剤層形成処理と、転写シート、接着剤層および基体を密着させる密着処理とを有することが好ましい。また、密着工程は、接着剤層形成処理の前に、転写シートのロールから、転写シートを供給する供給処理を有することが好ましい。ロール状の転写シートは、通常、接着剤層を有しない。
接着剤層形成処理において、転写シートの第2保護層側の面に、接着剤層用塗工液を塗工し、接着剤層を形成してもよい。この場合、接着剤層用塗工液を転写シートに均一に塗工できるという利点がある。一方、接着剤層形成処理において、基体の面に、接着剤層用塗工液を塗工し、接着剤層を形成してもよい。この場合、接着剤の熱収縮の影響が生じにくいという利点がある。例えば接着剤層用塗工液を転写シートに塗工する場合、接着剤が熱収縮すると、転写シートにシワが生じる可能性がある。これに対して、接着剤層用塗工液を基体に塗工する場合、接着剤が熱収縮しても、通常、基体が撓むことはない。
密着処理において、転写シートおよび基体を密着させる方法としては、例えば、ラミネート法が挙げられる。ラミネート法では、例えば、転写シートおよび基体を有する積層体を、転写シート側から加熱および加圧する。加熱および加圧の方法としては、例えば、ロール転写装置を用いる方法が挙げられる。ロール転写装置のロール温度は、例えば200℃以下であり、180℃以下であってもよい。ロール温度が高いと、転写シートが必要以上に軟化する可能性がある。一方、ロール転写装置のロール温度は、例えば100℃以上であり、110℃以上であってもよく、120℃以上であってもよい。
本開示における外装部材の製造方法は、密着工程の後に、第1保護層から離型フィルムを剥離する剥離工程を有していてもよい。また、上述した各工程により得られる外装部材については、上記「C.外装部材」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。
本開示は、上記実施形態に限定されない。上記実施形態は例示であり、本開示における特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示における技術的範囲に包含される。
[実施例1]
(1)転写シートの作製
離型フィルムとして、易接着処理を施していないポリエステルフィルム(東洋紡株式会社、商品名:東洋紡エステルフィルムE15001、厚さ:50μm)を準備した。離型フィルムの一方の面に、下記の第1保護層形成用の組成物を、グラビアコーティングにより塗工して未硬化樹脂層を形成した。その後、165kVの加速電圧にて50kGyの電子線照射を行い、硬化させ、厚さ5μmの第1保護層を形成した。その後、第1保護層上にコロナ照射を実施した。
<第1保護層形成用の組成物>
・電離放射線硬化性樹脂組成物:100質量部
カプロラクトン系ウレタンアクリレート:30質量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート(水酸基含有アクリレート):70質量部
・ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤:2質量部(品名:TINUVIN479、BASF社)
・反応性官能基を有する光安定剤:2質量部(品名:サノールLS-3410、日本乳化剤株式会社)
次に、コロナ照射した第1保護層上に、下記の第2保護層形成用の組成物を、グラビアコーティングにより塗工し、乾燥させ、厚さ3.5μmの第2保護層を形成した。
<第2保護層形成用の組成物>
・ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体:100質量部
・ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤:17質量部(商品名:TINUVIN400、BASF社)
・ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤:13質量部(商品名:TINUVIN479、BASF社)
・ヒンダードアミン系光安定剤:8質量部(商品名:TINUVIN123、BASF社)
・ブロッキング防止剤:9質量部(シリカ粒子、平均粒径3μm)
・硬化剤:25質量部(ヘキサメチレンジイソシアネート)
次に、得られた第2保護層の面に、樹脂成分および顔料を含む意匠層用インキをグラビアコーティングにより塗工、乾燥し、意匠層を形成した。意匠層用インキの樹脂成分は、アクリル樹脂および塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体を含む熱硬化性樹脂であり、アクリル樹脂と塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体との質量比は8:2であった。これにより、離型フィルム、第1保護層、第2保護層および意匠層を、厚さ方向において、この順に有する転写シートを得た。
(2)評価用部材の作製
基体として、アルミニウム板(厚さ0.8mm)を準備し、表面にアルマイト処理を行った。次に、基体の面に、感熱接着剤(主剤:アロンメルトPES-320SK(東亞合成社)、硬化剤:コロネートL(東ソー社)、主剤:硬化剤=100:11、質量比)を塗工、乾燥し、5g/m(dry)の接着剤層を形成した。次に、接着剤層を形成した基体を、150℃で1分間養生した。次に、基体を、接着剤層を介して、転写シートと対向するように配置し、これらを、ロールラミネータ(ラミネート温度:160℃)のロール間に通すことにより、転写シート、接着剤層および基体を有する積層部材を得た。得られた積層部材から離型フィルムを剥離した。これにより、第1保護層、第2保護層、意匠層、接着剤層および基体を、厚さ方向において、この順に有する評価用部材を得た。
[実施例2]
下記の第1保護層形成用の組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、評価用部材を得た。
<第1保護層形成用の組成物>
・電離放射線硬化性樹脂組成物:100質量部
カプロラクトン系ウレタンアクリレート:20質量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート(水酸基含有アクリレート):60質量部
アクリレート:20質量部
・ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤:0.5質量部(品名:TINUVIN479、BASF社)
・反応性官能基を有する光安定剤:2質量部(品名:サノールLS-3410、日本乳化剤株式会社)
[比較例1]
下記の第1保護層形成用の組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、評価用部材を得た。
<第1保護層形成用の組成物>
・電離放射線硬化性樹脂組成物:100質量部
ウレタンアクリレートA:70質量部
ウレタンアクリレートB:30質量部
・ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤:0.5質量部(品名:TINUVIN479、BASF社)
・反応性官能基を有する光安定剤:2質量部(品名:サノールLS-3410、日本乳化剤株式会社)
[比較例2]
下記の第1保護層形成用の組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、評価用部材を得た。
<第1保護層形成用の組成物>
・電離放射線硬化性樹脂組成物:100質量部
ウレタンアクリレートA:56質量部
ウレタンアクリレートB:24質量部
4級アンモニウム系紫外線硬化型親水性樹脂:20質量部
・ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤:0.5質量部(品名:TINUVIN479、BASF社)
・反応性官能基を有する光安定剤:2質量部(品名:サノールLS-3410、日本乳化剤株式会社)
[水接触角の測定]
各実施例および各比較例で得られた評価用部材の第1保護層側の面の水接触角を測定した。具体的には、23℃±5℃の環境下において、協和界面科学製の接触角計DMo-702を用いて、ISO19403に基づき、第1保護層表面と、純水(オルガノ製 ピュアライト RP-0040SGで精製)との接触角を測定した。
<装置設定>
・注射針太さ:22G
・液量:2.0μL
また、1サンプルあたり10箇所の測定を行い、最大値、2番目に大きい値、最小値、2番目に小さい値の4点を除き、残りの6点の平均値を水接触角として求めた。その結果を表1に示す。
[耐候密着性の評価]
各実施例および各比較例で得られた評価用部材の耐候密着性を評価した。具体的には、評価用部材に対して、メタルハライドランプ(MWOM)による促進耐候試験(下記の照射条件で20時間紫外線を照射した後、下記の結露条件で4時間結露を行う工程を1サイクルとして、このサイクルを繰り返し行う試験)を1000時間実施した。
<促進耐候試験の条件>
(試験装置)
ダイプラ・ウィンテス社製、商品名「ダイプラ・メタルウェザー」
(照射条件)
照度:65mW/cm、ブラックパネル温度:63℃、槽内湿度:50%RH、時間:20時間
(結露条件)
照度:0mW/cm、槽内湿度:98%RH、時間:4時間
促進耐候試験後に、評価用部材の転写層に、2mm間隔の縦横10区分の碁盤目状(全100マス分)にカッターで切れ目を入れ、粘着性テープ(ニチバン製「セロテープ(登録商標)」、幅24mm)を貼った後に剥がし、マス目の剥離した数を確認し、以下の基準で評価した。その結果を表1に示す。
A:剥離したマス目の数は10個以下だった。
B:剥離したマス目の数は11個以上30個以下だった。
C:剥離したマス目の数は31個以上だった。
[耐汚染性の評価]
各実施例および各比較例で得られた評価用部材における第1保護層の耐汚染性(耐薬品性)を評価した。具体的には、第1保護層に、濃度10質量%の塩酸水を染み込ませたガーゼを接触させ、12時間静置した。静置後の第1保護層の外観を観察し、以下の基準で評価した。その結果を表1に示す。
A:艶が変化しなかった。
B:艶が僅かに変化した。
C:艶が著しく変化した。
表1に示すように、各実施例では、いずれも、水接触角が所定の範囲にあることで、第1保護層および第2保護層の密着性と、第1保護層の耐汚染性と、が良好であった。
これに対して、比較例1では、水接触角が高いため、第1保護層および第2保護層の密着性が低かった。また、比較例2では、水接触角が低いため、第1保護層の耐汚染性が低かった。このように、水接触角が所定の範囲にあることで、第1保護層および第2保護層の密着性と、第1保護層の耐汚染性との両立を図ることができた。
1 … 離型フィルム
2 … 第1保護層
3 … 第2保護層
4 … 意匠層
5 … 接着層
10 … 転写シート
20 … 基体
30 … 接着剤層
100 … 外装部材

Claims (13)

  1. 外装部材の製造に用いられる転写シートであって、
    前記転写シートは、離型フィルムと、前記離型フィルムの一方の面に配置された転写層と、を有し、
    前記転写層は、前記離型フィルム側から、第1保護層および第2保護層を、厚さ方向において、この順に有し、
    前記第1保護層は、第1硬化性樹脂組成物の硬化物を含有し、
    前記第2保護層は、第2硬化性樹脂組成物の硬化物を含有し、
    前記第1硬化性樹脂組成物の硬化物、および、第2硬化性樹脂組成物の硬化物は、それぞれ、(メタ)アクリル成分およびウレタン成分を含有し、
    前記転写層の第1保護層側の面における水接触角が、40°以上75°以下である、転写シート。
  2. 前記第1硬化性樹脂組成物が、電離放射線硬化性樹脂組成物である、請求項1に記載の転写シート。
  3. 前記第1硬化性樹脂組成物が、ウレタン(メタ)アクリレートおよび水酸基含有(メタ)アクリレートを含有する、請求項1または請求項2に記載の転写シート。
  4. 前記第2硬化性樹脂組成物が、熱硬化性樹脂組成物である、請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の転写シート。
  5. 前記第2硬化性樹脂組成物が、ウレタン(メタ)アクリル系樹脂を含有する、請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の転写シート。
  6. 前記第1保護層が、紫外線吸収剤および光安定剤の少なくとも一方を含有する、請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載の転写シート。
  7. 前記第1保護層が、トリアジン系紫外線吸収剤を含有する、請求項1から請求項6までのいずれかの請求項に記載の転写シート。
  8. 前記第2保護層が、紫外線吸収剤および光安定剤の少なくとも一方を含有する、請求項1から請求項7までのいずれかの請求項に記載の転写シート。
  9. 前記第2保護層が、トリアジン系紫外線吸収剤を含有する、請求項1から請求項8までのいずれかの請求項に記載の転写シート。
  10. 前記転写シートは、前記第2保護層の前記第1保護層とは反対側の面に、意匠層を有する、請求項1から請求項9までのいずれかの請求項に記載の転写シート。
  11. 請求項1から請求項10までのいずれかの請求項に記載の転写シートの製造方法であって、
    前記離型フィルムの面に、前記第1硬化性樹脂組成物を含有する第1組成物を塗工し、硬化させ、前記第1保護層を形成する第1保護層形成工程と、
    前記第1保護層の前記離型フィルムとは反対側の面に、前記第2硬化性樹脂組成物を含有する第2組成物を塗工し、硬化させ、前記第2保護層を形成する第2保護層形成工程と、
    を有する、転写シートの製造方法。
  12. 外装部材であって、
    前記外装部材は、第1保護層、第2保護層および基体を、厚さ方向において、この順に有し、
    前記第1保護層は、第1硬化性樹脂組成物の硬化物を含有し、
    前記第2保護層は、第2硬化性樹脂組成物の硬化物を含有し、
    前記第1硬化性樹脂組成物の硬化物、および、第2硬化性樹脂組成物の硬化物は、それぞれ、(メタ)アクリル成分およびウレタン成分を含有し、
    前記外装部材の第1保護層側の面における水接触角が、40°以上75°以下である、転写シート。
  13. 外装部材の製造方法であって、
    請求項1から請求項10までのいずれかの請求項に記載の転写シートを準備する準備工程と、
    前記転写シートの前記第2保護層側の面と、基体と、を対向するように配置し、前記転写シートおよび前記基体を密着させる密着工程と、
    を有する、外装部材の製造方法。
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