JP2021051058A - センサ素子、ガスセンサ及びセンサ素子の製造方法 - Google Patents

センサ素子、ガスセンサ及びセンサ素子の製造方法 Download PDF

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【課題】セラミック層を積層して形成された内部空間を有する積層型のセンサ素子において、内部空間に接するセラミック層間のクラックを抑制したセンサ素子、ガスセンサ及びセンサ素子の製造方法を提供する。【解決手段】積層方向に間隔を開けて配置される第1セラミック層118B及び第2セラミック層115と、第1セラミック層及び第2セラミック層の間に介装され、内部に空隙10Gを有する第3セラミック層118と、第1セラミック層、第2セラミック層及び第3セラミック層に囲まれる空隙を内部空間として備え、軸線AX方向に延びる積層型のセンサ素子10であって、内部空間の周縁10fにおいて、内部空間に接する第1セラミック層と第3セラミック層との間に、第1セラミック層及び第3セラミック層の主成分のセラミック材料とは異なるセラミック材料を主成分とする第4セラミック層181が介装されている。【選択図】図5

Description

本発明は、例えば燃焼器や内燃機関等の燃焼ガスや排気ガス中に含まれる特定ガスのガス濃度を検出するのに好適に用いられるセンサ素子、ガスセンサ及びセンサ素子の製造方法に関する。
従来から、内燃機関の排気ガス中の特定成分(酸素等)の濃度を検出するためのガスセンサが用いられている。このガスセンサとして、自身の内部にセンサ素子を有し、センサ素子は、複数のセラミック層を積層した板状であると共に、固体電解質体と該固体電解質体に配置された一対の電極を有し、そのうち一方の電極が素子内部に開口する空気(大気)導入孔に臨む構成が知られている(特許文献1参照)。
図8に示すように、この大気導入孔510はセンサ素子の後端面に開口し、センサ素子の寸法の第1層501と第2層502との間に、例えば積層方向から見て上記端面に向かってコ字状に切り欠かれた隙間を有する第3層503を積層して形成することができる。
特開2019−2739号公報
しかしながら、特に素子の幅方向に沿って、第1層501と第3層503との間、及び第2層502と第3層503との間に、大気導入孔510から外側に向かってクラックKが生じることがある。
このクラックKが大気導入孔510から外側に貫通すると、大気導入孔510としての機能が失われる。又、小さなクラックKであっても、素子に冷熱サイクルのような熱衝撃が加わると、クラックKが進行して外側に貫通するおそれがある。
このようなクラックKが生じる理由として以下が考えられる。つまり、図9に示すように、大気導入孔510を形成する際に、大気導入孔510の形成領域となる第3層グリーンシート503Gの隙間に焼失性カーボンを含むペースト505を充填した後、第3層グリーンシート503Gの上に第1層グリーンシート501Gを積層し、全体を焼成してペースト505を焼失させて大気導入孔510とする。このようにペースト505を用いることで、第1層グリーンシート501Gと第2層グリーンシート50G2の間に荷重が掛かって隙間が変形し、大気導入孔510が形成不良となることを抑制している。
ここで、焼成の際、第1層グリーンシート501Gと第2層グリーンシート502Gは制限を受けずに収縮することができる(図の矢印F1)。ところが、第3層グリーンシート503Gが収縮しようとしても、ペースト505が焼失し切るまでは、ペースト505に阻害されて十分に収縮できない(図の矢印F2)。従って、F1とF2の収縮度の違いによって、各層間に応力が掛かり、上述のクラックKが生じるものと考えられる。
この課題は、焼失性ペーストに限らず、焼失材のシートを用いた場合においても発生する。
そこで、本発明は、セラミック層を積層して形成された内部空間を有する積層型のセンサ素子において、内部空間に接するセラミック層間のクラックを抑制したセンサ素子、ガスセンサ及びセンサ素子の製造方法の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明のセンサ素子は、積層方向に間隔を開けて配置される第1セラミック層及び第2セラミック層と、前記積層方向に前記第1セラミック層及び前記第2セラミック層の間に介装され、内部に空隙を有する第3セラミック層と、前記第1セラミック層、前記第2セラミック層及び前記第3セラミック層に囲まれる前記空隙を内部空間として備え、軸線方向に延びる積層型のセンサ素子であって、前記内部空間の周縁において、前記内部空間に接する前記第1セラミック層と前記第3セラミック層との間に、前記第1セラミック層及び前記第3セラミック層の主成分のセラミック材料とは異なるセラミック材料を主成分とする第4セラミック層が介装されていることを特徴とする。
センサ素子の製造において、焼失性材料を用いて内部空間を形成する場合、第1セラミック層及び第2セラミック層となる各グリーンシートは制限を受けずに収縮することができる。一方、第3セラミック層となるグリーンシートの空隙には焼失性材料が充填されているため、このグリーンシートが収縮しようとしても、焼失性材料が焼失し切るまでは焼失性材料に阻害されて十分に収縮できない。その結果、積層方向に隣接するグリーンシートとの間で収縮度が異なるために各層間に応力が掛かってクラックが生じるおそれがある。
そこで、このセンサ素子によれば、第1セラミック層及び第3セラミック層となる各グリーンシートの間に、主成分のセラミック材料が異なり、より低い温度で収縮が始まる(収縮開始温度が低い)ようにした第4セラミック層のペースト(又はシート)が介在することで、第4セラミック層ペースト(又はシート)が焼失性材料側に収縮して第3セラミック層のグリーンシートの収縮を補助し、隣接するグリーンシート間の収縮度の違いを小さくする。これにより、第1セラミック層及び第3セラミック層間に応力が掛かることを抑制し、クラックを抑制することができる。
本発明のセンサ素子において、前記第4セラミック層は、前記第1セラミック層及び前記第3セラミック層よりも収縮開始温度が低くてもよい。
これにより、クラックを確実に抑制することができる。
本発明のセンサ素子において、前記内部空間の周縁において、前記内部空間に接する前記第2セラミック層と前記第3セラミック層との間に、前記第2セラミック層及び前記第3セラミック層の主成分のセラミック材料とは異なるセラミック材料を主成分とする第5セラミック層が介装されていてもよい。
このセンサ素子によれば、第2セラミック層及び第3セラミック層となる各グリーンシートの間に、主成分のセラミック材料が異なり、より低い温度で収縮が始まる(収縮開始温度が低い)ようにした第5セラミック層のペースト(又はシート)が介在することで、第5セラミック層ペースト(又はシート)が焼失性材料側に収縮して第3セラミック層のグリーンシートの収縮を補助し、隣接するグリーンシート間の収縮度の違いを小さくする。これにより、第2セラミック層及び第3セラミック層間に応力が掛かることを抑制し、クラックを抑制することができる。
本発明のセンサ素子において、前記第5セラミック層は、前記第2セラミック層及び前記第3セラミック層よりも収縮開始温度が低くてもよい。
これにより、クラックを確実に抑制することができる。
本発明のセンサ素子において、前記第4セラミック層が前記内部空間の周縁を跨いで延びてもよい。
このセンサ素子によれば、第4セラミック層のペーストの収縮力をより確実に第3セラミック層のグリーンシートに伝えるので、クラックを抑制する効果が大きくなる。
本発明のセンサ素子において、前記第4セラミック層が多孔質層であってもよい。
このセンサ素子によれば、第4セラミック層が多孔質層の表面に形成されている場合、多孔質層の通気を阻害しない。
本発明のセンサ素子において、前記第1セラミック層及び前記第3セラミック層はAlを50質量%を超えて含み、前記第4セラミック層が、ZrOを50質量%を超えて含んでもよい。
このセンサ素子によれば、第4セラミック層の収縮開始温度を確実に低くすることができる。
本発明のセンサ素子において、前記第4セラミック層が、前記第1セラミック層及び前記第3セラミック層の外表面に露出しなくてもよい。
第4セラミック層が第1セラミック層及び第3セラミック層の外表面に露出すると、外部の水が第4セラミック層に掛かったり、熱衝撃が第4セラミック層に加わって第4セラミック層にクラックが生じる場合がある。
そこで、第4セラミック層が第1セラミック層及び第3セラミック層の外表面に露出しないようにすることで、被水や熱衝撃によるクラックを抑制できる。
本発明のセンサ素子において、前記第5セラミック層が前記内部空間の周縁を跨いで延びてもよい。
このセンサ素子によれば、第5セラミック層のペーストの収縮力をより確実に第3セラミック層のグリーンシートに伝えるので、クラックを抑制する効果が大きくなる。
本発明のセンサ素子において、前記第5セラミック層が多孔質層であってもよい。
このセンサ素子によれば、第5セラミック層が多孔質層の表面に形成されている場合、多孔質層の通気を阻害しない。
本発明のセンサ素子において、前記第2セラミック層及び前記第3セラミック層はAlを50質量%を超えて含み、前記第5セラミック層が、ZrOを50質量%を超えて含んでもよい。
このセンサ素子によれば、第5セラミック層の収縮開始温度を確実に低くすることができる。
本発明のセンサ素子において、前記第5セラミック層が、前記第2セラミック層及び前記第3セラミック層の外表面に露出しなくてもよい。
第5セラミック層が第2セラミック層及び第3セラミック層の外表面に露出すると、外部の水が第5セラミック層に掛かったり、熱衝撃が第5セラミック層に加わって第5セラミック層にクラックが生じる場合がある。
そこで、第5セラミック層が第2セラミック層及び第3セラミック層の外表面に露出しないようにすることで、被水や熱衝撃によるクラックを抑制できる。
本発明のガスセンサは、前記センサ素子と、前記センサ素子を保持する主体金具と、を備えてなる。
本発明のセンサ素子の製造方法は、内部に空隙を有する第3セラミックグリーンシートを第1セラミックグリーンシートの表面に積層し、前記空隙に焼失性材料を充填し、第2セラミックグリーンシートを前記第3セラミックグリーンシートの表面に積層して全体を焼成し、前記焼失性材料を焼失させて、前記第1セラミック層、前記第2セラミック層及び前記第3セラミック層に囲まれる前記空隙を内部空間として備え、軸線方向に延びる積層型のセンサ素子の製造方法であって、前記第3セラミックグリーンシートを前記第1セラミックグリーンシートの表面に積層する前に、前記内部空間の周縁において、前記焼失性材料に接する前記第1セラミックグリーンシートと前記第3セラミックグリーンシートとの間となる部位に、前記第1セラミックグリーンシート及び前記第3セラミックグリーンシートの主成分のセラミック材料とは異なるセラミック材料を主成分とする第4セラミックを含む第4ペースト又はシートを配置することを特徴とする。
本発明のセンサ素子の製造方法において、前記第4ペースト又はシートは、前記第1セラミックグリーンシート及び前記第3セラミックグリーンシートよりも収縮開始温度が低くてもよい。
本発明のセンサ素子の製造方法において、前記内部空間の周縁において、前記焼失性材料に接する前記第2セラミックグリーンシートと前記第3セラミックグリーンシートとの間に、前記第2セラミックグリーンシート及び前記第3セラミックグリーンシートの主成分のセラミック材料とは異なるセラミック材料を主成分とする第5セラミックを含む第5ペースト又はシートを配置した後、前記焼成を行ってもよい。
本発明のセンサ素子の製造方法において、前記第5ペースト又はシートは、前記第2セラミックグリーンシート及び前記第3セラミックグリーンシートよりも収縮開始温度が低くてもよい。
この発明によれば、セラミック層を積層して形成された内部空間を有する積層型のセンサ素子において、内部空間に接するセラミック層間のクラックを抑制することができる。
本発明の実施形態に係るガスセンサ(NOxセンサ)の長手方向に沿う断面図である。 センサ素子の斜視図である。 図2のB−B線に沿う断面図である。 センサ素子の分解斜視図である。 図2のC−C線に沿う断面図である。 内部空間の周縁を示す図である。 センサ素子の製造の際、焼失性ペーストを用いて内部空間を形成する方法を示す図である。 従来の大気導入孔を備えたセンサ素子の幅方向に沿う断面図である。 図8のセンサ素子の製造において、焼失性ペーストを用いて大気導入孔を形成した場合にクラックが生じるメカニズムを示す図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るガスセンサ(NOxセンサ)1の縦断面図(軸線AXに沿った長手方向に切断した断面図)、図2はセンサ素子10の斜視図、図3は図2のB−B線(軸線AX)に沿う断面図、図4はセンサ素子10の分解斜視図、図5は図2のC−C線(軸線AXの直交する線)に沿う断面図である。
なお、センサ素子の軸線AXに沿う方向(軸線方向)を適宜「長手方向」と称する。センサ素子の「幅方向」は、「長手方向(軸線方向)」と垂直な方向である。
ガスセンサ1は、測定対象ガスである排ガス中の特定ガス(NOx)の濃度を検出可能なセンサ素子10を備え、内燃機関の排気管(図示なし)に装着されて使用されるNOxセンサである。このガスセンサ1は、排気管に固定するためのネジ部21が外表面の所定位置に形成された筒状の主体金具20を備える。センサ素子10は、軸線AX方向に延びる細長板状をなし、主体金具20の内側に保持されている。
さらに詳しくは、ガスセンサ1は、センサ素子10の後端部10k(図1において上端の部位)が挿入される挿入孔62を有する保持部材60と、この保持部材60の内側に保持された6個の端子部材とを備える。なお、図1では、6個の端子部材のうち2個の端子部材(具体的には、端子部材75,76)のみを図示している。
センサ素子10の後端部10kには、平面視矩形状の電極端子部13〜18(図1では、電極端子部14、17のみ図示)が合計6個形成されている。電極端子部13〜18には、それぞれ、前述の端子部材が弾性的に当接して電気的に接続している。例えば、電極端子部14には、端子部材75の素子当接部75bが弾性的に当接して電気的に接続している。また、電極端子部17には、端子部材76の素子当接部76bが弾性的に当接して電気的に接続している。
さらに、6個の端子部材(端子部材75,76など)には、それぞれ、異なるリード線71が電気的に接続されている。例えば、図1に示すように、端子部材75のリード線把持部77によって、リード線71の芯線が加締められて把持される。また、端子部材76のリード線把持部78によって、他のリード線71の芯線が加締められて把持される。
また、センサ素子10の後端部10kの主面の一方には、電極端子部13〜15よりも先端側で、後述するセラミックスリーブ45よりも後端側に大気導入口10hが開口しており(図2参照)、大気導入口10hは保持部材60の挿入孔62内に配置されている。
これにより、後述する外筒51の内部に閉じ込められた基準大気が大気導入口10hからセンサ素子10の内部に導入される。
主体金具20は、軸線AX方向に貫通する貫通孔23を有する筒状部材である。この主体金具20は、径方向内側に突出する形態で貫通孔23の一部を構成する棚部25を有している。主体金具20は、センサ素子10の先端部10sを自身の先端側外部(図1において下方)に突出させると共に、センサ素子10の後端部10kを自身の後端側外部(図1において上方)に突出させた状態で、センサ素子10を貫通孔23内に保持している。
また、主体金具20の貫通孔23の内部には、環状のセラミックホルダ42、滑石粉末を環状に充填してなる2つの滑石リング43,44、及びセラミックスリーブ45が配置されている。詳細には、センサ素子10の径方向周囲を取り囲む状態で、セラミックホルダ42、滑石リング43,44、及びセラミックスリーブ45が、この順に、主体金具20の軸線方向先端側(図1において下端側)から軸線方向後端側(図1において上端側)にわたって重ねて配置されている。
また、セラミックホルダ42と主体金具20の棚部25との間には、金属カップ41が配置されている。また、セラミックスリーブ45と主体金具20のカシメ部22との間には、加締リング46が配置されている。なお、主体金具20のカシメ部22が、加締リング46を介してセラミックスリーブ45を先端側に押し付けるように、加締められている。
主体金具20の先端部20bには、センサ素子10の先端部10sを覆うように、複数の孔を有する金属製(具体的にはステンレス)の外部プロテクタ31及び内部プロテクタ32が、溶接によって取り付けられている。一方、主体金具20の後端部には、外筒51が溶接によって取り付けられている。外筒51は、軸線AX方向に延びる筒状をなし、センサ素子10を包囲している。
保持部材60は、絶縁性材料(具体的にはアルミナ)からなり、軸線AX方向に貫通する挿入孔62を有する筒状部材である。挿入孔62内には、前述した6個の端子部材(端子部材75,76など)が配置されている(図1参照)。保持部材60の後端部には、径方向外側に突出する鍔部65が形成されている。保持部材60は、鍔部65が内部支持部材53に当接する態様で、内部支持部材53に保持されている。なお、内部支持部材53は、外筒51のうち径方向内側に向けて加締められた加締部51gにより、外筒51に保持されている。
保持部材60の後端面61上には、絶縁部材90が配置されている。絶縁部材90は、電気絶縁性材料(具体的にはアルミナ)からなり、円筒状をなす。この絶縁部材90には、軸線AX方向に貫通する貫通孔91が合計6個形成されている。この貫通孔91には、前述した端子部材のリード線把持部(リード線把持部77,78など)が配置されている。
また、外筒51のうち軸線方向後端部(図1において上端部)に位置する後端開口部51cの径方向内側には、フッ素ゴムからなる弾性シール部材73が配置されている。この弾性シール部材73には、軸線AX方向に延びる円筒状の挿通孔73cが、合計6個形成されている。各々の挿通孔73cは、弾性シール部材73の挿通孔面73b(円筒状の内壁面)によって構成されている。各々の挿通孔73cには、リード線71が1本ずつ挿通されている。各々のリード線71は、弾性シール部材73の挿通孔73cを通じて、ガスセンサ1の外部に延出している。弾性シール部材73は、外筒51の後端開口部51cを径方向内側に加締めることで径方向に弾性圧縮変形し、これにより、挿通孔面73bとリード線71の外周面71bとを密着させて、挿通孔面73bとリード線71の外周面71bとの間を水密に封止している。
一方、図3に示すように、センサ素子10は、板状の絶縁層111s、121s、131s内にそれぞれ形成された固体電解質体111e、121e、131eと、これらの間に配置された絶縁体140、145とを備え、これらが積層方向に積層された構造を有する。さらに、センサ素子10には、固体電解質体131eの裏面側に、ヒータ161が積層されている。このヒータ161は、アルミナを主体とする板状の絶縁体162、163と、その間に埋設されたヒータパターン164(Ptを主体としている)とを備えている。
なお、固体電解質体111e、121e、131eはそれぞれ略矩形をなし、絶縁層111s、121s、131sの先端側に設けられた矩形の開口内にそれぞれ形成されている。ここで、本例では、固体電解質体111e、131eはシート状の部材を所定位置に転写しているが、固体電解質体111e、131eの材料を開口に埋め込んでもよい。
固体電解質体111e、121e、131eは、固体電解質であるジルコニアからなり、酸素イオン伝導性を有する。固体電解質体111eの表面側には、多孔質のIp1+電極112が設けられている。また、固体電解質体111eの裏面側には、多孔質のIp1−電極113が設けられている。さらに、Ip1+電極112の表面は、多孔質層114Bで覆われている。
又、Ip1+電極112にはIp1+リード116が接続されている(図2、図4参照)。又、Ip1−電極113にはIp1−リード117(図4)が接続されている。
また、図4に示すように、Ip1+電極112及びIp1+リード116の表面には第3緻密層118Bが積層され、第3緻密層118Bの先端側には矩形の開口118Bhが設けられている。そして、この開口118Bhに多孔質層114Bが充填されている。
なお、図4に示すように、第3緻密層118Bの表面には、空隙10Gを有し、アルミナ等からなるガス非透過性の第1緻密層118が積層される。空隙10Gから多孔質層114Bの一部が露出する。そして、Ip1+電極112の側面は第3緻密層118Bで覆われるとともに、各緻密層115、118、118Bで囲まれている。
空隙10Gは、多孔質層114B近傍から大気導入口10hに連通する部位までまっすぐに延びている。そして、空隙10Gの後端側の第1緻密層118には、電極端子部13〜15と導通するためのスルーホールが設けられている。
なお、大気導入口10hは空隙10Gよりも幅方向の寸法が短くなっている(図5参照)。
さらに、第1緻密層118の表面には、アルミナ等からなるガス非透過性の第2緻密層115が積層され、空隙10Gを閉塞している。これにより、多孔質層114Bで覆われたIp1+電極112が、緻密層115,118で囲まれた空隙10G内に配置されて被測定ガスとの接触を防止するようになっている。
そして、第2緻密層115のうち、空隙10Gの後端と重なる位置が矩形状に開口して大気導入口10hを形成し、空隙10Gは大気導入口10hに連通している。大気導入口10hは、後述する第1多孔質体151よりも後端側に開口しており、排ガスでなく、大気を導入することができる。これにより、Ip1+電極112は、多孔質層114Bを介して大気導入口10hから導入される大気に曝されるようになっている。
固体電解質体111e及び電極112、113は、Ip1セル110(ポンプセル)を構成する。このIp1セル110は、電極112、113間に流すポンプ電流Ip1に応じて、電極112の接する雰囲気(センサ素子10の外部の被測定ガスとは異なる、空隙10G内の大気)と、電極113の接する雰囲気(後述する第1測定室150内の雰囲気、つまりセンサ素子10の外部の被測定ガス)との間で酸素の汲み出し及び汲み入れ(いわゆる酸素ポンピング)を行う。
固体電解質体121eは、絶縁体140を挟んで、固体電解質体111eと積層方向に対向するように配置されている。固体電解質体121eの表面側(図2において上面側)には、多孔質のVs−電極122が設けられている。また、固体電解質体121eの裏面側(図2において下面側)には、多孔質のVs+電極123が設けられている。
固体電解質体111eと固体電解質体121eとの間には、センサ素子の内部空間としての第1測定室150が形成されている。この第1測定室150は、排気通路内を流通する被測定ガス(排ガス)が、センサ素子10内に最初に導入される内部空間であり、ガス透過性及び透水性を有する第1多孔質体(拡散抵抗部)151(図2、図4参照)を通じてセンサ素子10の外部と連通している。第1多孔質体151は、センサ素子10の外部との仕切りとして、第1測定室150の側方に設けられており、第1測定室150内への排ガスの単位時間あたりの流通量(拡散速度)を制限する。
第1測定室150の後端側(図2において右側)には、第1測定室150と後述する第2測定室160との間の仕切りとして、排ガスの単位時間あたりの流通量を制限する第2多孔質体152が設けられている。
固体電解質体121e及び電極122、123は、Vsセル(検知セル)120を構成する。このVsセル120は、主として、固体電解質体121eにより隔てられた雰囲気(電極122の接する第1測定室150内の雰囲気と、電極123の接する基準酸素室170内の雰囲気)間の酸素分圧差に応じて起電力を発生する。
固体電解質体131eは、絶縁体145を挟んで、固体電解質体121と積層方向に対向するように配置されている。固体電解質体131eの表面側(図2において上面側)には、多孔質のIp2+電極132と多孔質のIp2−電極133が設けられている。
Ip2+電極132とVs+電極123との間には、孤立した小空間としての基準酸素室170が形成されている。この基準酸素室170は、絶縁体145に形成されている開口部145bにより構成されている。なお、基準酸素室170内のうちIp2+電極132側には、セラミックス製の多孔質体が配置されている。
また、Ip2−電極133と積層方向に対向する位置には、センサ素子の内部空間としての第2測定室160が形成されている。この第2測定室160は、絶縁体145を積層方向に貫通する開口部145cと、固体電解質体121を積層方向に貫通する開口部125と、絶縁体140を積層方向に貫通する開口部141とにより構成されている。
第1測定室150と第2測定室160とは、ガス透過性及び透水性を有する第2多孔質体152を通じて連通している。従って、第2測定室160は、第1多孔質体151、第1測定室150、及び第2多孔質体152を通じて、センサ素子10の外部と連通している。
固体電解質体131e及び電極132、133は、NOx濃度を検知するためのIp2セル130(第2ポンプセル)を構成する。このIp2セル130は、第2測定室160内で分解されたNOx由来の酸素(酸素イオン)を、固体電解質体131eを通じて、基準酸素室170に移動させる。このとき、電極132及び電極133の間には、第2測定室160内に導入された排ガス(測定対象ガス)に含まれるNOxの濃度に応じた電流が流れる。
ここで、第3緻密層118B、第2緻密層115、及び第1緻密層118がそれぞれ特許請求の範囲の「第1セラミック層」、「第2セラミック層」及び「第3セラミック層」に相当する。又、各層115,118B、118に対し、空隙10Gが特許請求の範囲の「内部空間」に相当する。
同様に、絶縁層121s、絶縁層111s、及び絶縁体140がそれぞれ特許請求の範囲の「第1セラミック層」、「第2セラミック層」及び「第3セラミック層」に相当する。又、各層111s、121s、140に対し、第1測定室150が特許請求の範囲の「内部空間」に相当する。
次に、図4、図5を参照し、本発明の特徴部分について説明する。
図4、図5に示すように、内部空間をなす空隙10Gの周縁において、空隙10Gに接する第3緻密層118Bと第1緻密層118との間に、第4セラミック層181が介装されている。又、空隙10Gに接する第2緻密層115と第1緻密層118との間に、第5セラミック層191が介装されている。
同様に、内部空間をなす第1測定室150の周縁において、第1測定室150に接する絶縁層121sと絶縁体140との間に、第4セラミック層182が介装されている。又、第1測定室150に接する絶縁層111sと絶縁体140との間に、第5セラミック層191が介装されている。
ここで、「内部空間の周縁において」とは、図6に示すように、例えば内部空間をなす空隙10Gの周縁10fを含んで周縁10fより外側の領域R1、又は周縁10fを含んで周縁10fより内側の領域R2のいずれか、又は両方の領域R1,R2を意味する。
本実施形態では、第4セラミック層181及び第5セラミック層191は、空隙10Gの周縁を跨いでセンサ素子10の幅方向及び軸線AX方向に延びている。
又、第4セラミック層182は、第1測定室150の周縁を跨いでセンサ素子10の幅方向及び軸線AX方向に延びている。第5セラミック層192は、第1測定室150の周縁を含み、この周縁より外側の領域に形成されている。
そして、第4セラミック層181は、これに接する第3緻密層118Bと第1緻密層118の主成分のセラミック材料とは異なるセラミック材料を主成分とし、第5セラミック層191は、これに接する第2緻密層115と第1緻密層118の主成分のセラミック材料とは異なるセラミック材料を主成分とする。
同様に、第4セラミック層182は、これに接する絶縁層121sと絶縁体140の主成分のセラミック材料とは異なるセラミック材料を主成分とし、第5セラミック層192は、これに接する絶縁層111sと絶縁体140の主成分のセラミック材料とは異なるセラミック材料を主成分とする。
以上のように、第4セラミック層181が第3緻密層118Bと第1緻密層118の主成分のセラミック材料とは異なるセラミック材料を主成分とし、第5セラミック層191が第2緻密層115と第1緻密層118の主成分のセラミック材料とは異なるセラミック材料を主成分とし、第4セラミック層181や第5セラミック層191がより低い温度で収縮が始まる(収縮開始温度が低い)ようにすれば、空隙10Gに接するセラミック層115,118、118B間のクラックを抑制できる。
すなわち、図7に示すように、空隙10Gを形成する際に、第3緻密層グリーンシート118BGの上に第1緻密層グリーンシート118Gを積層し、さらに空隙10Gの形成領域となる第1緻密層グリーンシート118Gの隙間に焼失性粒子(カーボン等)を含むシート10pを充填した後、第1緻密層グリーンシート118Gの上に第2緻密層グリーンシート115Gを積層し、全体を焼成してシート10pを焼失させて大気導入孔510とする。
この焼成の際、第3緻密層グリーンシート118BG及び第2緻密層グリーンシート115Gは制限を受けずに収縮することができる(図7の矢印F1)。一方、第1緻密層グリーンシート118Gが収縮しようとしても、シート10pが焼失し切るまでは、シート10pに阻害されて十分に収縮できない(図7の矢印F2)。
そこで、第3緻密層グリーンシート118BGと第1緻密層グリーンシート118Gとの間に、主成分であるセラミック材料が異なるために、より低い温度で収縮が始まる(収縮開始温度が低い)第4セラミック層ペースト181pが介在することで、第4セラミック層ペースト181pがシート10p側に収縮して第1緻密層グリーンシート118Gの収縮を補助し、F1とF2の収縮度の違いを小さくすることで、各層118BG,118G間に応力が掛かることを抑制し、クラックを抑制する。
同様に、第2緻密層グリーンシート115Gと第1緻密層グリーンシート118Gとの間に、主成分であるセラミック材料が異なるために、より低い温度で収縮が始まる(収縮開始温度が低い)第5セラミック層ペースト191pが介在することで、第5セラミック層ペースト191pがシート10p側に収縮して第1緻密層グリーンシート118Gの収縮を補助し、F1とF2の収縮度の違いを小さくすることで、各層115G,118G間に応力が掛かることを抑制し、クラックを抑制する。
第1測定室150における第4セラミック層182、第5セラミック層192についても同様であるので、説明を省略する。
なお、収縮開始温度とは、各セラミック層と同一組成のグリーンシートをそれぞれ用意し、大気雰囲気下で昇温して焼成を進行させ、各セラミック層としたときの割り掛け率が1.05になったときの温度をいう。割り掛け率は、焼成収縮率ともいい、焼成後のセラミック層の縦又は横の寸法を1としたときの、焼成前のグリーンシートの縦又は横の寸法で算出する。
つまり、割り掛け率=(焼成前のグリーンシートの縦又は横の寸法)/(焼成後のセラミック層の同方向の寸法)である。
第1セラミック層〜第3セラミック層をなす各層115,118B,118、111s、121s、140としては、アルミナを用いることができる。第1セラミック層〜第3セラミック層は同一組成でなくてもよいが、略同一組成であると、素子の各部の強度等の特性が均一になるので好ましい。
各第4セラミック層、第5セラミック層としては、例えばZrOを50質量%を超えて含み、残部を第1セラミック層〜第3セラミック層の組成(アルミナ)とするものを用いることができる。ZrOを50質量%を超えて含むと、収縮開始温度を確実に低くすることができる。
第1セラミック層〜第3セラミック層としては、ZrOを第4セラミック層、第5セラミック層よりも少ない含有量(例えば、Alを50質量%を超えて含み、ZrOを50質量%未満含む)とする組成が挙げられる。
具体的には、第1セラミック層〜第3セラミック層がアルミナを98質量%、ZrOを2質量%含有し、第4セラミック層及び第5セラミック層がZrOを80質量%、アルミナを20質量%含有するものを例示することができる。
図5に示すように、第4セラミック層181、第5セラミック層191の少なくとも一方が、空隙10Gの周縁を跨いで延びていると、図7に示す第4セラミック層ペースト181pや第5セラミック層ペースト191pの収縮力をより確実に第1緻密層グリーンシート118Gに伝えるので、クラックを抑制する効果が大きくなる。
なお、「周縁を跨ぐ」とは、センサ素子10の幅方向と軸線AX方向の少なくとも一方に跨ぐものであればよいが、両方の方向に跨ぐとより好ましい。
但し、図5に示す第5セラミック層192の場合、第1測定室150の周縁より内側にIp1−電極113が配置されているので、Ip1−電極113の機能を阻害しないよう、第5セラミック層192は第1測定室150の周縁より外側に形成している。
第5セラミック層192を第1測定室150の周縁より外側に形成する代わりに、第5セラミック層192を第1測定室150の周縁を跨ぎつつ、第1測定室150の周縁より内側ではIp1−電極113から離間して(浮いて)いるように形成してもよい。
又、図5に示す第4セラミック層181は、多孔質層114Bの表面に形成されている。このような場合、多孔質層114Bの通気を阻害しないよう、第4セラミック層181は多孔質層であることが好ましい。
第4セラミック層181を多孔質層とするには、第4セラミック層181のペースト中に、焼失性粒子(カーボン等)を含有させればよい。
又、第4セラミック層181が第2緻密層115及び第1緻密層118の外表面に露出すると、外部の水が第4セラミック層181に掛かったり、熱衝撃が第4セラミック層181に加わって第4セラミック層181にクラックが生じる場合がある。
そこで、図5に示すように、第4セラミック層181が第2緻密層115及び第1緻密層118の外表面に露出しないようにすると好ましい。
第4セラミック層182、及び第5セラミック層191、192についても同様である。
ここで、本実施形態のガスセンサ1によるNOx濃度検知について、簡単に説明する。
センサ素子10の固体電解質体111e、121e、131eは、ヒータパターン164の昇温に伴い加熱され、活性化する。これにより、Ip1セル110、Vsセル120、及びIp2セル130が動作するようになる。
排気通路(図示なし)内を流通する排ガスは、第1多孔質体151による流通量の制限を受けつつ第1測定室150内に導入される。このとき、Vsセル120には、電極123側から電極122側へ微弱な電流Icpが流されている。このため、排ガス中の酸素は、負極側となる第1測定室150内の電極122から電子を受け取ることができ、酸素イオンとなって固体電解質体121内を流れ、基準酸素室170内に移動する。つまり、電極122、123間で電流Icpが流されることによって、第1測定室150内の酸素が基準酸素室170内に送り込まれる。
第1測定室150内に導入された排ガスの酸素濃度が所定値より薄い場合、電極112側が負極となるようにIp1セル110に電流Ip1を流し、センサ素子10の外部から第1測定室150内へ酸素の汲み入れを行う。一方、第1測定室150内に導入された排ガスの酸素濃度が所定値より濃い場合、電極113側が負極となるようにIp1セル110に電流Ip1を流し、第1測定室150内からセンサ素子10外部へ酸素の汲み出しを行う。
このように、第1測定室150において酸素濃度が調整された排ガスは、第2多孔質体152を通じて、第2測定室160内に導入される。第2測定室160内で電極133と接触した排ガス中のNOxは、電極132、133間に電圧Vp2を印加されることで、電極133上で窒素と酸素に分解(還元)され、分解された酸素は、酸素イオンとなって固体電解質体131内を流れ、基準酸素室170内に移動する。このとき、第1測定室150で汲み残された残留酸素も同様に、Ip2セル130によって基準酸素室170内に移動する。これにより、Ip2セル130には、NOx由来の電流及び残留酸素由来の電流が流れる。なお、基準酸素室170内に移動した酸素は、基準酸素室170内に接するVs+電極123とVsリード及びIp2+電極132とIp2+リードを介して外部(大気)に放出される、このため、Vs+リード及びIp2+リードは多孔質となっている。
ここで、第1測定室150で汲み残された残留酸素の濃度は、上記のように所定値に調整されているため、その残留酸素由来の電流は略一定とみなすことができ、NOx由来の電流の変動に対し影響は小さく、Ip2セル130を流れる電流は、NOx濃度に比例することとなる。従って、Ip2セル130を流れる電流Ip2を検出し、その電流値に基づいて、排ガス中のNOx濃度を検知することができる。
なお、本実施形態では、絶縁層111sの裏面上のIp1−電極113を除く部位には、アルミナ絶縁層119が形成され、Ip1−電極113はアルミナ絶縁層119を積層方向に貫通する貫通孔119b(図4参照)を通じて、固体電解質体111eと接触する。
さらに、本実施形態では、絶縁層121sの表面上のVs−電極122を除く部位に、アルミナ絶縁層128が形成され、Vs−電極122はアルミナ絶縁層128を積層方向に貫通する貫通孔(図示せず)を通じて、固体電解質体121eと接触する。
さらに、絶縁層121sの裏面上のVs+電極123を除く部位に、アルミナ絶縁層129が形成され、Vs+電極123はアルミナ絶縁層129を積層方向に貫通する貫通孔(図示せず)を通じて、固体電解質体121eと接触する。
さらに、本実施形態では、絶縁層131sの表面上のIp2+電極132を除く部位に、アルミナ絶縁層138が形成され、Ip2+電極132はアルミナ絶縁層138を積層方向に貫通する貫通孔(図示せず)を通じて、固体電解質体131eと接触する。さらに、絶縁層131sの表面上のIp2−電極133を除く部位にも、アルミナ絶縁層138が形成され、電極133はアルミナ絶縁層138を積層方向に貫通する貫通孔(図示せず)を通じて、固体電解質体131eと接触する。
次に、本発明の実施形態に係るセンサ素子の製造方法について説明する。
図7に示すように、本発明の実施形態に係るセンサ素子の製造方法によると、プレス加工等によって内部に空隙を設けた第3セラミックグリーンシート(第1緻密層グリーンシート118G)を用意し、第3セラミックグリーンシートの空隙に焼失性材料を含むシート10pを埋め込んだものを、第1セラミックグリーンシート(第3緻密層グリーンシート118BG)の表面に積層し、第2セラミックグリーンシート(第2緻密層グリーンシート115G)を第3セラミックグリーンシートの表面に積層して全体を焼成し、シート10pを焼失させて、第1セラミック層、第2セラミック層及び第3セラミック層に囲まれる空隙10Gを内部空間として備え、軸線AX方向に延びる積層型のセンサ素子10が得られる。
そして、内部空間10Gの周縁において、シート10pに接する第1セラミックグリーンシートと第3セラミックグリーンシートとの間に、第1セラミックグリーンシート及び第3セラミックグリーンシートの主成分のセラミック材料とは異なるセラミック材料を主成分とする第4セラミックを含む第4ペースト181pを塗布した後、焼成を行う。
第4ペースト181pが、第1セラミックグリーンシート及び第3セラミックグリーンシートより低い温度で収縮が始まる(収縮開始温度が低い)ようにすれば、上述のようにクラックを抑制できる。
本発明の実施形態に係るセンサ素子の製造方法において、さらに、空隙10Gの周縁において、シート10pに接する第2セラミックグリーンシートと第3セラミックグリーンシートとの間に、第2セラミックグリーンシート及び第3セラミックグリーンシートの主成分のセラミック材料とは異なるセラミック材料を主成分とする第5セラミックを含む第5ペースト191pを塗布した後、全体を焼成してもよい。この場合、焼成は、第4ペースト181p及び第5ペースト191pを塗布した後に行う。
第5ペースト191pが、第2セラミックグリーンシート及び第3セラミックグリーンシートより低い温度で収縮が始まる(収縮開始温度が低い)ようにすれば、上述のようにクラックを抑制できる。
本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の思想と範囲に含まれる様々な変形及び均等物に及ぶことはいうまでもない。
センサ素子の内部空間は、空隙であればよく、大気導入孔や、各種測定室が挙げられる。内部空間の形状も限定されない。
焼失性材料はシート状のほか、ペーストでもよい。
又、本発明は、少なくとも検知セルを有する(1セル以上の)センサ素子(ガスセンサ)に適用可能であり、本実施の形態のNOxセンサ素子(NOxセンサ)に適用することができるが、これらの用途に限られず、本発明の思想と範囲に含まれる様々な変形及び均等物に及ぶことはいうまでもない。例えば、被測定ガス中の酸素濃度を検出する酸素センサ(酸素センサ素子)や、HC濃度を検出するHCセンサ(HCセンサ素子)等に本発明を適用してもよい。
1 ガスセンサ
10 センサ素子
10f 内部空間の周縁
10G 内部空間(空隙)
150 内部空間(第1測定室)
10p 焼失性材料を含むシート
20 主体金具
118B 第1セラミック層(第3緻密層)
121s 第1セラミック層(絶縁層)
115 第2セラミック層(第2緻密層)
111s 第2セラミック層(絶縁層)
118 第3セラミック層(第1緻密層)
140 第3セラミック層(絶縁体)
181、182 第4セラミック層
191、192 第5セラミック層
118BG 第1セラミック層グリーンシート
115G 第2セラミック層グリーンシート
118G 第3セラミック層グリーンシート
181p 第4ペースト
191p 第5ペースト
AX 長手方向(軸線)

Claims (17)

  1. 積層方向に間隔を開けて配置される第1セラミック層及び第2セラミック層と、
    前記積層方向に前記第1セラミック層及び前記第2セラミック層の間に介装され、内部に空隙を有する第3セラミック層と、
    前記第1セラミック層、前記第2セラミック層及び前記第3セラミック層に囲まれる前記空隙を内部空間として備え、軸線方向に延びる積層型のセンサ素子であって、
    前記内部空間の周縁において、前記内部空間に接する前記第1セラミック層と前記第3セラミック層との間に、前記第1セラミック層及び前記第3セラミック層の主成分のセラミック材料とは異なるセラミック材料を主成分とする第4セラミック層が介装されていることを特徴とするセンサ素子。
  2. 前記第4セラミック層は、前記第1セラミック層及び前記第3セラミック層よりも収縮開始温度が低いことを特徴とする請求項1に記載のセンサ素子。
  3. 前記内部空間の周縁において、前記内部空間に接する前記第2セラミック層と前記第3セラミック層との間に、前記第2セラミック層及び前記第3セラミック層の主成分のセラミック材料とは異なるセラミック材料を主成分とする第5セラミック層が介装されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のセンサ素子。
  4. 前記第5セラミック層は、前記第2セラミック層及び前記第3セラミック層よりも収縮開始温度が低いことを特徴とする請求項3に記載のセンサ素子。
  5. 前記第4セラミック層が前記内部空間の周縁を跨いで延びることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のセンサ素子。
  6. 前記第4セラミック層が多孔質層であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のセンサ素子。
  7. 前記第1セラミック層及び前記第3セラミック層はAlを50質量%を超えて含み、
    前記第4セラミック層が、ZrOを50質量%を超えて含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のセンサ素子。
  8. 前記第4セラミック層が、前記第1セラミック層及び前記第3セラミック層の外表面に露出しないことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のセンサ素子。
  9. 前記第5セラミック層が前記内部空間の周縁を跨いで延びることを特徴とする請求項2〜8のいずれか一項に記載のセンサ素子。
  10. 前記第5セラミック層が多孔質層であることを特徴とする請求項2〜9のいずれか一項に記載のセンサ素子。
  11. 前記第2セラミック層及び前記第3セラミック層はAlを50質量%を超えて含み、
    前記第5セラミック層が、ZrOを50質量%を超えて含むことを特徴とする請求項2〜10のいずれか一項に記載のセンサ素子。
  12. 前記第5セラミック層が、前記第2セラミック層及び前記第3セラミック層の外表面に露出しないことを特徴とする請求項2〜11のいずれか一項に記載のセンサ素子。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載のセンサ素子と、前記センサ素子を保持する主体金具と、を備えてなるガスセンサ。
  14. 内部に空隙を有する第3セラミックグリーンシートを第1セラミックグリーンシートの表面に積層し、
    前記空隙に焼失性材料を充填し、
    第2セラミックグリーンシートを前記第3セラミックグリーンシートの表面に積層して全体を焼成し、前記焼失性材料を焼失させて、前記第1セラミック層、前記第2セラミック層及び前記第3セラミック層に囲まれる前記空隙を内部空間として備え、軸線方向に延びる積層型のセンサ素子の製造方法であって、
    前記第3セラミックグリーンシートを前記第1セラミックグリーンシートの表面に積層する前に、前記内部空間の周縁において、前記焼失性材料に接する前記第1セラミックグリーンシートと前記第3セラミックグリーンシートとの間となる部位に、前記第1セラミックグリーンシート及び前記第3セラミックグリーンシートの主成分のセラミック材料とは異なるセラミック材料を主成分とする第4セラミックを含む第4ペースト又はシートを配置することを特徴とするセンサ素子の製造方法。
  15. 前記第4ペースト又はシートは、前記第1セラミックグリーンシート及び前記第3セラミックグリーンシートよりも収縮開始温度が低いことを特徴とする請求項14に記載のセンサ素子の製造方法。
  16. 前記内部空間の周縁において、前記焼失性材料に接する前記第2セラミックグリーンシートと前記第3セラミックグリーンシートとの間に、前記第2セラミックグリーンシート及び前記第3セラミックグリーンシートの主成分のセラミック材料とは異なるセラミック材料を主成分とする第5セラミックを含む第5ペースト又はシートを配置した後、前記焼成を行うことを特徴とする請求項14又は15に記載のセンサ素子の製造方法。
  17. 前記第5ペースト又はシートは、前記第2セラミックグリーンシート及び前記第3セラミックグリーンシートよりも収縮開始温度が低いことを特徴とする請求項16に記載のセンサ素子の製造方法。
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