JP2021034620A - リチウムイオンキャパシタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】リチウムイオンキャパシタは、比表面積が1000m2/g以上でありイオンを吸脱着する炭素質材料を正極活物質として含む正極と、芳香族ジカルボン酸アニオンを含む有機骨格層と前記有機骨格層のカルボン酸に含まれる酸素にアルカリ金属元素が配位して骨格を形成するアルカリ金属元素層とを備える層状構造体を負極活物質として含む負極と、支持塩として少なくともLiFSI及びLiTFSIのうち1以上のリチウムイミド塩を含み正極と負極との間に介在しリチウムイオンを伝導するイオン伝導媒体と、を備える。
【選択図】図3
Description
比表面積が1000m2/g以上でありイオンを吸脱着する炭素質材料を正極活物質として含む正極と、
芳香族ジカルボン酸アニオンを含む有機骨格層と前記有機骨格層のカルボン酸に含まれる酸素にアルカリ金属元素が配位して骨格を形成するアルカリ金属元素層とを備える層状構造体を負極活物質として含む負極と、
支持塩として少なくともリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)及びリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)のうち1以上のリチウムイミド塩を含み、前記正極と前記負極との間に介在しリチウムイオンを伝導するイオン伝導媒体と、
を備えたものである。
本開示のリチウムイオンキャパシタは、正極と、負極と、イオン伝導媒体とを備えている。正極は、比表面積が1000m2/g以上でありイオンを吸脱着する炭素質材料を正極活物質として含む。負極は、芳香族ジカルボン酸アニオンを含む有機骨格層と有機骨格層のカルボン酸に含まれる酸素にアルカリ金属元素が配位して骨格を形成するアルカリ金属元素層とを備える層状構造体を負極活物質として含む。イオン伝導媒体は、支持塩として少なくともリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)及びリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)のうち1以上のリチウムイミド塩を含み、正極と負極との間に介在しリチウムイオンを伝導する。
(1)電極のX線回折測定での[011]面ピーク強度に対する[110]面ピーク強度の比である強度比P110/P011が0.6以下を示す。
(2)電極のX線回折測定での[011]面ピーク強度に対する[11−1]面ピーク強度の比である強度比P11-1/P011が0.2以上を示す。
(3)電極のX線回折測定での[011]面ピーク強度に対する[10−2]面ピーク強度の比である強度比P10-2/P011が0.2以上を示す。
(4)電極のX線回折測定での[011]面ピーク強度に対する[102]面ピーク強度の比である強度比P102/P011が0.4以上を示す。
(5)電極のX線回折測定での[011]面ピーク強度に対する[112]面ピーク強度の比である強度比P112/P011が0.4以上を示す。
(6)電極のX線回折測定での[011]面ピーク強度に対する[110]面ピーク強度の比である強度比P110/P011が0.2以上0.4以下の範囲内である。
(7)電極のX線回折測定での[011]面ピーク強度に対する[11−1]面ピーク強度の比である強度比P11-1/P011が0.2以上0.5以下の範囲内である。
(8)電極のX線回折測定での[011]面ピーク強度に対する[10−2]面ピーク強度の比である強度比P10-2/P011が0.2以上0.5以下の範囲内である。
(9)電極のX線回折測定での[011]面ピーク強度に対する[102]面ピーク強度の比である強度比P102/P011が0.6以上を示す。
(10)電極のX線回折測定での[011]面ピーク強度に対する[112]面ピーク強度の比である強度比P112/P011が0.5以上を示す。
(電極活物質:4,4’−ビフェニルジカルボン酸ジリチウムの層状構造体の合成)
スプレードライ法により層状構造体を作製した。4,4’−ビフェニルジカルボン酸ジリチウムの合成には、出発原料として4,4’−ビフェニルジカルボン酸および水酸化リチウム1水和物(LiOH・H2O)を用いた。0.44mol/Lとなるように水に水酸化リチウムを加え撹拌し、水溶液を調製した。そして、4,4’−ビフェニルジカルボン酸のモル数A(mol)に対する水酸化リチウムのモル数B(mol)であるモル比B/Aが2.2となるように、すなわち、4,4’−ビフェニルジカルボン酸が0.20mol/Lとなるように水溶液を調製した。調製した水溶液を用いてスプレードライヤー(Mini Spray Dryer B−290、日本ビュッヒ製)を用いて噴霧乾燥させ、4,4’−ビフェニルジカルボン酸ジリチウムを析出させた。用いたスプレードライヤーのノズル直径は1.4mm、溶液の噴霧量は0.4L/時間、乾燥温度は150℃で行い、4,4’−ビフェニルジカルボン酸リチウムを合成した。
上記手法で作製した4,4’−ビフェニルジカルボン酸リチウムを79質量%、粒子状炭素導電材としてカーボンブラック(東海カーボン、TB5500)を14質量%、水溶性ポリマーであるポリビニルアルコール(ゴウセネックス,T−330,日本合成化学)を2.8質量%、スチレンブタジエン共重合体(日本ゼオン、BM−400B)を4.2質量%を混合し、分散剤として水を適量添加、分散してスラリー状合材とした。このスラリー状合材を10μm厚の銅箔集電体に単位面積当たりの4,4’−ビフェニルジカルボン酸ジリチウム活物質が3mg/cm2となるように均一に塗布し、120℃で真空加熱乾燥させて塗布シートを作製した。その後、塗布シートを加圧プレス処理し、2cm2の面積に打ち抜いて円盤状の電極を準備した。
エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)とを体積比で30:40:30の割合で混合した非水溶媒に、支持電解質の六フッ化リン酸リチウムを1.0mol/Lになるように添加して非水電解液を作製した。上記の手法にて作製した4,4’−ビフェニルジカルボン酸ジリチウム電極を作用極とし、リチウム金属箔(厚さ300μm)を対極として、両電極の間に上記非水電解液を含浸させたセパレータ(東レ東燃製)を挟んで二極式評価セルを作製した。
スプレードライヤーにて4,4’−ビフェニルジカルボン酸ジリチウムを合成した後に、120℃で真空乾燥を行った以外は,参考例1と同様の処理を行ったものを参考例2とした。4,4’−ビフェニルジカルボン酸に対する水酸化リチウムのモル比を2.5として水溶液を調製し,スプレードライヤーにて合成した以外は,参考例1と同様の処理を行ったものを参考例3とした。また、スプレードライヤーにて4,4’−ビフェニルジカルボン酸リチウムを合成した後に、120℃で真空乾燥を行った以外は参考例3と同様の処理を行ったものを参考例4とした。
溶液混合法により層状構造体を作製した。出発原料として4,4’−ビフェニルジカルボン酸および水酸化リチウム1水和物(LiOH・H2O)を用いて、水酸化リチウム1水和物(0.556g)にメタノール(100mL)を加え撹拌した後に4,4’−ビフェニルジカルボン酸1.0gを加え、1時間撹拌した。その後、撹拌後溶媒を除去し、真空下150℃で16時間乾燥することにより、白色の粉末試料の4,4’−ビフェニルジカルボン酸リチウムを得た。これを用いた以外は、参考例1と同様の処理を行ったものを参考例5とした。
(噴霧乾燥法での2,6−ナフタレンジカルボン酸ジリチウムの層状構造体の合成)
スプレードライ法により層状構造体を作製した。2,6−ナフタレンジカルボン酸ジリチウムの合成には、出発原料として2,6−ナフタレンジカルボン酸および水酸化リチウム1水和物(LiOH・H2O)を用いた。2,6−ナフタレンジカルボン酸が0.2mol/L、水酸化リチウムが0.44mol/Lとなるように水に水酸化リチウムを加え撹拌し、調製溶液(水溶液)を調製した。この調製溶液をスプレードライヤー(マイクロミストスプレードライヤーMDL−050、藤崎電機製)を用いて噴霧乾燥させ、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジリチウム(SD−Naph)の粉末を析出させた。調製溶液の噴霧量(供給量)は0.04L/分、乾燥温度は200℃とした。
溶液混合法により層状構造体を作製した。出発原料として2,6−ナフタレンジカルボン酸および水酸化リチウム1水和物を用い、水酸化リチウム1水和物(0.556g)にメタノール(100mL)を加え撹拌した後に2,6−ナフタレンジカルボン酸を1.0g加え、1時間撹拌した。撹拌したのち溶媒を除去し、真空下150℃で16時間乾燥することにより、白色の粉末試料の2,6−ナフタレンジカルボン酸ジリチウム(Naph)を得た。この溶液混合法により作製したNaphを活物質として81.0質量%、結着材としてCMCを1.9質量%、SBRを2.9質量%用いた以外は、参考例6と同様に作製したものを参考例8の電極とした。
参考例1〜8の電極のX線回折測定を行った。測定は、放射線としてCuKα線(波長1.54051Å)を使用し、X線回折装置(リガク製UltimaIV)を用いて行った。また、測定は、X線の単色化にはグラファイトの単結晶モノクロメーターを用い、印加電圧を40kV、電流30mAに設定し、5°/分の走査速度で、電極活物質については2θ=5°〜60°の角度範囲で行い、電極については2θ=5°〜35°の角度範囲で行った。
上記作製した二極式評価セルを20℃の温度環境下、0.1mAで0.5Vまで還元した容量を放電容量とした。また、その後0.1mAで1.5Vまで酸化した容量を充電容量とした。また、得られた充放電カーブを用い、電位差に対して充放電カーブの微分値を算出し微分曲線を得た。また、この微分曲線にある2つの異なる内部抵抗性微分カーブのピーク差から充放電分極を算出し、印加電流を考慮してIV抵抗を算出した。なお、IV抵抗は、2サイクル目の充放電カーブを用いた。
表1に参考例1〜5の製造方法、電極のピーク強度比とIV抵抗値とをまとめて示した。また、図3は、参考例1〜5の電極のXRD測定結果である。図3に示すように、スプレードライ法により作製した電極活物質を含む参考例1〜4の電極においては、従来の溶液混合法と同じ2θ位置にピークが出現した。ピーク強度においてはスプレードライ法により作製した電極において、n00面に相当するピーク強度が大きくなる傾向を示した。これは電極内部に存在する活物質の小さな剥片が特異的な配向をしていることを示す。特に、参考例1〜4の電極では、X線回折測定において(300)のピーク強度が(111)や(011)のピーク強度の2倍以上を示し、また、(100)のピーク強度が(111)や(011)のピーク強度の5倍以上を示すことがわかった。具体的には、ピーク強度比P(300)/P(111)が2.0以上、P(300)/P(011)が2.0以上、P(100)/P(111)が6.0以上、P(100)/P(011)が5.0以上、及びP(100)/P(300)が1.5以上を示した。このピーク強度比は、いずれか1以上を満たせば、剥片状の配向した活物質であると推定できるものと推察された。また、表1に示すように、スプレードライ法で合成した層状構造体により作製した電極では、溶液混合法に比してIV抵抗がより低減することがわかった。また、上記ピーク強度比を満たせば、層状構造体がスプレードライ法で作成されたものであると特定できることがわかった。
(4,4’−ビフェニルジカルボン酸ジリチウム負極の作製)
スプレードライ法で作製した4,4’−ビフェニルジカルボン酸ジリチウム(Bph)を73質量%、導電材としてカーボンブラック(東海カーボン、TB5500(直径約50nm))を18質量%、水溶性ポリマーであるカルボキシメチルセルロース(CMC)(ダイセルファインケム、CMCダイセル1120)を2.7質量%、ポリエチレンオキシド(PEO)(分子量:200万)を3.6質量%、スチレンブタジエン共重合体(SBR)(JSR、TRD2001)を2.7質量%となるように秤量して混合し、分散剤として水を適量添加、分散してスラリー状合材とした。このスラリー状合材を10μm厚の銅箔及び炭素を蒸着したCu(日本黒鉛製)の集電体に単位面積当たりの4,4’−ビフェニルジカルボン酸ジリチウム活物質が2.5mg/cm2となるように均一に塗布し、加熱乾燥させて塗布シートを作製した。その後、塗布シートを加圧プレス処理し、10cm2の面積に打ち抜いて負極とした。
上述した負極を作用極とし、リチウム金属箔を対極として、両電極の間に非水電解液を含浸させたセパレータを挟んで二極式セルを作製した。非水電解液は、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを体積比で30:40:30の割合で混合した非水溶媒に、支持塩であるLiFSIを1.1mol/Lになるように添加したものとした。この二極式セルを用いて、20℃の温度環境下、電圧範囲0.5〜1.5V(vs.Li/Li+)、電流値1.5mA(1C相当)で充放電を行うことにより、負極の容量確認を行い、負極にSOC75%に相当するリチウムを吸蔵させた。
活性炭(キャタラー、EXC−11G)を90質量%、導電材としてデンカブラック(デンカ)を4質量%、CMCを1.0質量%、SBRを5.0質量%となるように秤量して混合し、分散剤として水を適量添加、分散してスラリー状合材とした。このスラリー状合材を10μm厚のアルミニウム箔集電体に、単位体積あたりの正極活物質が4.0mg/cm2となるように均一に塗布し、120℃で真空乾燥して塗布シートを作製した。その後、塗布シートを加圧プレス処理し、10cm2の面積に打ち抜いて正極とした。
EC、DMC、EMCを体積比で30:40:30の割合で混合した溶媒に所定の支持塩と、必要に応じて添加剤を添加し、非水系電解液を作製した。上述した正極と、調整した負極との間に、この非水系電解液を含侵させたセパレータを挟んで非対称型のリチウムイオンキャパシタを作製した。このキャパシタを用いて、20℃の温度環境下、Li基準電位での電圧範囲を1.5〜3.1Vとし、電流値1.5mA(1C相当)の定電流充放電を5サイクル繰り返し、得られた放電曲線から作製したキャパシタの初期容量を算出した。
支持塩として、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI,キシダ化学製)を1.1mol/L、1.5mol/L、2.0mol/Lになるように添加した非水系電解液を用いたキャパシタをそれぞれ実験例1〜3とした。
支持塩として、LiPF6を1.1mol/Lになるように添加した非水系電解液を用いた以外は、実験例1と同様としたキャパシタを実験例4とした。
添加剤として4−フルオロエチレンカーボネート(4−FEC)が1質量%となるように非水系電解液へ更に添加した以外は、実験例4と同様としたキャパシタを実験例5とした。負極のSBRを日本ゼオン製BM−451Bとし、活物質、導電材(カーボンブラック,東海カーボン社製TB5500)、CMC、SBR(日本ゼオン社製BM−451B)の配合比を質量比で79:14:2.8:4.2とし、正極の活性炭をクラレ製YP−50Fとし、結着材としてポリビニルアルコール(PVA,日本合成化学社製T−330)及びSBR(JSR社製TRD2001)を用い、活物質、導電材、PVA、SBRの配合比を質量比で83:10.7:4.0:2.3とし、添加剤として4−FECが3質量%となるように非水系電解液へ更に添加した以外は、実験例5と同様としたキャパシタを実験例6とした。添加剤として4−FECが10質量%となるように非水系電解液へ更に添加した以外は、実験例6と同様としたキャパシタを実験例7とした。
添加剤として4−FECに代えてリチウムビスオキサレートボラート(LiBOB)が0.1質量%となるように非水系電解液へ更に添加した以外は、実験例6と同様としたキャパシタを実験例8とした。添加剤としてLiBOBが0.3質量%となるように非水系電解液へ更に添加した以外は、実験例8と同様としたキャパシタを実験例9とした。添加剤としてLiBOBが0.5質量%となるように非水系電解液へ更に添加した以外は、実験例8と同様としたキャパシタを実験例10とした。
支持塩として、LiBF4を1.1mol/Lになるように添加した非水系電解液を用いた以外は、実験例1と同様としたキャパシタを実験例11とした。
支持塩として、LiTFSI(キシダ化学製)を1.1mol/Lになるように添加した非水系電解液を用いた以外は、実験例1と同様としたキャパシタを実験例12とした。
実験例1〜5、12のキャパシタに対し、高温保存試験を行った。試験環境温度を60℃に設定し、作製したキャパシタを電流値1.5mA(1C相当)、Li基準電位で3.1Vまで充電したのち、電流を流さない状態で試験温度環境(60℃)で放置した。所定の高温保存時間を経過すると、試験環境温度を20℃に設定し、Li基準電位での電圧範囲を1.5V〜3.1Vとし、電流値1.5mA(1C相当)で定電流充放電試験を実施した。得られた放電曲線から、高温保存後の容量、容量維持率、抵抗を算出した。なお、容量維持率(%)は、初期容量Q0(mAh/g)と、高温保存後の容量Qp(mAh/g)とを用い、Qp/Q0×100の式から算出した。また、抵抗は充電開始1秒後の電圧変化を電流値で除算して求めた。高温保存後の容量を求める高温保存時間は、50h、100h、200h、300h、400hとした。
実験例4〜10のキャパシタに対し、高温フロート試験を行った。試験環境温度を60℃に設定し、作製したキャパシタをLi基準電位で3.1V、とし、CC−CV充電を行った。電流値は1.5mA(1C相当)とした。このCC−CV充電を行い、所定時間経過したのち、試験環境温度を20℃に設定し、Li基準電位での電圧範囲を1.5V〜3.1Vとし、電流値1.5mA(1C相当)で定電流充放電試験を実施した。得られた放電曲線から、高温フロート試験後の容量と容量維持率とを算出した。なお、容量維持率(%)は、初期容量Q0(mAh/g)と、高温フロート後の容量Qf(mAh/g)とを用い、Qf/Q0×100の式から算出した。
実験例1〜4、11、12のキャパシタに対し、充放電サイクル試験を行った。試験環境温度を20℃に設定し、作製したキャパシタをLi基準電位での電圧範囲を1.5V〜3.1Vとし、電流値は10mA(10C相当)で1000サイクルの定電流充放電を繰り返した。得られた放電曲線から各サイクルにおける容量と容量維持率を算出した。なお、容量維持率(%)は、初期容量Q0(mAh/g)と、nサイクル時の容量Qn(mAh/g)とを用い、Qn/Q0×100の式から算出した。
実験例1〜4、11のキャパシタに対し、充放電サイクル試験の前後において、負極の元素分析を行った。負極の元素分析は、エネルギー分散X線分光測定装置(EDX,HORIBA製EMAX−Evolution)を用いて行った。
実験例1〜4、11のキャパシタに対し、充放電サイクル試験の前後において、交流インピーダンス測定を行った。交流インピーダンス測定は、ACインピーダンスアナライザー(Agilent4294A)を用い、開回路電圧で、周波数範囲100mHz〜100kHz、印加電圧を5mVとし、20℃で行った。
表3に実験例1〜12の電解液の組成、高温保存試験での容量維持率(%)、抵抗(Ωcm2)、高温フロート試験の容量維持率(%)、充放電サイクル試験の容量維持率(%)をまとめた。図6は、実験例1〜5、12の高温保存試験における容量維持率の評価結果である。図7は、実験例1〜5、12の高温保存試験における電極抵抗の評価結果である。図8は、実験例4〜7の高温フロート試験における容量維持率の評価結果である。図9は、実験例4、8〜10の高温フロート試験における容量維持率の評価結果である。図10は、実験例1〜4、11、12のサイクル試験における容量維持率の評価結果である。図11は、実験例1〜4の充放電サイクル試験前後の電極の組成分析結果であり、図11Aが実験例1〜3、図11Bが実験例4の測定結果である。図12は、実験例1〜4の充放電サイクル試験前後の交流インピーダンス測定結果であり、図12Aが実験例1、図12Bが実験例2、図12Cが実験例3及び図12Dが実験例4である。図13は、実験例1、4、12の充放電サイクル試験の100サイクルごとの充放電曲線であり、図13Aが実験例1、図13Bが実験例12、図13Cが実験例4である。
Claims (5)
- 比表面積が1000m2/g以上でありイオンを吸脱着する炭素質材料を正極活物質として含む正極と、
芳香族ジカルボン酸アニオンを含む有機骨格層と前記有機骨格層のカルボン酸に含まれる酸素にアルカリ金属元素が配位して骨格を形成するアルカリ金属元素層とを備える層状構造体を負極活物質として含む負極と、
支持塩として少なくともリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)及びリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)のうち1以上のリチウムイミド塩を含み、前記正極と前記負極との間に介在しリチウムイオンを伝導するイオン伝導媒体と、
を備えたリチウムイオンキャパシタ。 - 前記イオン伝導媒体は、前記支持塩と有機溶媒とを含む非水系電解液であり、前記リチウムイミド塩が1.4mol/L以上1.6mol/L以下の濃度で含有する、請求項1に記載のリチウムイオンキャパシタ。
- 前記負極は、式(1)〜(3)のうち1以上で表される構造を有する前記層状構造体を含む、請求項1又は2に記載のリチウムイオンキャパシタ。
- 前記負極は、ビフェニル骨格を有する前記有機骨格層を備える前記層状構造体を含み、下記(1)〜(5)のうち1以上を満たす、請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウムイオンキャパシタ。
(1)前記負極をX線回折測定したときの(111)のピーク強度に対する(300)のピーク強度比P(300)/P(111)が2.0以上を示す。
(2)前記X線回折測定での(011)のピーク強度に対する(300)のピーク強度比P(300)/P(011)が2.0以上を示す。
(3)前記X線回折測定での(111)のピーク強度に対する(100)のピーク強度比P(100)/P(111)が6.0以上を示す。
(4)前記X線回折測定での(011)のピーク強度に対する(100)のピーク強度比P(100)/P(011)が5.0以上を示す。
(5)前記X線回折測定での(300)のピーク強度に対する(100)のピーク強度比P(100)/P(300)が1.5以上を示す。 - 前記負極は、ナフタレン骨格を有する前記有機骨格層を備える前記層状構造体を含み、下記(6)〜(10)のうち1以上を満たす、請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウムイオンキャパシタ。
(6)電極のX線回折測定での[011]面ピーク強度に対する[110]面ピーク強度の比である強度比P110/P011が0.6以下を示す。
(7)電極のX線回折測定での[011]面ピーク強度に対する[11−1]面ピーク強度の比である強度比P11-1/P011が0.2以上を示す。
(8)電極のX線回折測定での[011]面ピーク強度に対する[10−2]面ピーク強度の比である強度比P10-2/P011が0.2以上を示す。
(9)電極のX線回折測定での[011]面ピーク強度に対する[102]面ピーク強度の比である強度比P102/P011が0.4以上を示す。
(10)電極のX線回折測定での[011]面ピーク強度に対する[112]面ピーク強度の比である強度比P112/P011が0.4以上を示す。
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