JP2020120070A - 蓄電デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】層状構造体を負極活物質に用いた蓄電デバイスのサイクル特性を向上する。【解決手段】蓄電デバイス20は、正極22と、芳香族ジカルボン酸金属塩の層状構造体を負極活物質として有する負極23と、キャリアイオンを伝導するイオン伝導媒体27と、イオン伝導媒体27に添加されたハロゲン化カーボネート28と、を備えたものである。層状構造体は、例えば、芳香族ジカルボン酸アニオンとアルカリ金属カチオンとを溶解した調製溶液をスプレードライヤーを用いて噴霧乾燥することにより得られたものである。【選択図】図1

Description

本明細書で開示する発明は、蓄電デバイスに関する。
従来、蓄電デバイスとしては、芳香族ジカルボン酸アニオンを含む有機骨格層と、有機骨格層のカルボン酸に含まれる酸素にアルカリ金属元素が配位して骨格を形成するアルカリ金属元素層とを備える層状構造体を含む負極活物質を用いたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、芳香族ジカルボン酸アニオンとアルカリ金属カチオンとを含む溶液を噴霧乾燥する噴霧乾燥法で負極活物質を製造する。噴霧乾燥法では、層状構造体の剥片を内包する中空粒子が得られ、中空粒子は容易に解砕されるため、噴霧乾燥法で製造した負極活物質を用いた負極は、負極活物質の一次粒子が電極内で高分散した構造となる。これにより、内部抵抗が低減するなどして、充放電特性が向上する。また、蓄電デバイスとしては、フルオロエチレンカーボネートなどのハロゲン化カーボネートを含有した非水系電解液を用いたものが提案されている(例えば、特許文献2,3参照)。
特開2018−166060号公報 特開2018−88385号公報 特開2017−130418号公報
しかしながら、特許文献1の蓄電デバイスでは、内部抵抗は低減するが、充放電サイクル前後の容量維持率などのサイクル特性を高めることが望まれていた。また、特許文献2,3は、負極活物質として炭素質材料、合金系材料、金属酸化物、金属等を用いるものであり、その他の負極活物質を利用することを考慮していなかった。このため、有機骨格層とアルカリ金属元素層との層状構造体を負極活物質に用いた蓄電デバイスのサイクル特性を高めることが求められていた。
本開示は、このような課題に鑑みなされたものであり、層状構造体を負極活物質に用いた蓄電デバイスのサイクル特性を高めることを主目的とする。
上述した目的を達成するために鋭意研究したところ、本発明者らは、層状構造体を負極活物質に用いた蓄電デバイスにおいて、イオン伝導媒体にハロゲン化カーボネートを添加すると、サイクル特性が向上することを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本明細書で開示する蓄電デバイスは、
正極活物質を含む正極と、
負極活物質として、芳香族ジカルボン酸アニオンを含む有機骨格層と前記有機骨格層のカルボン酸に含まれる酸素にアルカリ金属元素が配位して骨格を形成するアルカリ金属元素層とを備える層状構造体を含む負極と、
前記正極と前記負極との間に介在し、キャリアイオンを伝導するイオン伝導媒体と、
前記イオン伝導媒体に添加されたハロゲン化カーボネートと、
を備えたものである。
本明細書で開示する蓄電デバイスでは、層状構造体を負極活物質に用いたものにおいて、サイクル特性を向上できる。このような効果が得られる理由は、以下のように推察される。例えば、この蓄電デバイスでは、初期充電において層状構造体内へキャリアイオンが吸蔵される際に、ハロゲン化カーボネートが還元分解されて、層状構造体表面にハロゲン化物(例えばフッ化リチウム)などのSEI被膜が生成される。そして、生成されたSEI被膜によって、層状構造体とイオン伝導媒体との界面が安定化し、ハロゲン化カーボネートの還元分解に続くイオン伝導媒体の分解が抑制されるため、サイクル特性が向上すると推測される。
蓄電デバイス20の一例を示す模式図。 噴霧乾燥法により作製した活物質と電極の説明図。 溶液混合法により作製した活物質と電極の説明図。 層状構造体の結晶面(011)、(111)、(100)、(300)の説明図。 参考例1〜5の負極のXRD結果。 実験例1〜4の添加剤の添加量と容量維持率との関係を示すグラフ。
本明細書で開示する蓄電デバイスは、例えば、電気二重層キャパシタやハイブリッドキャパシタ、疑似電気二重層キャパシタ、リチウムイオン電池などとしてもよい。蓄電デバイスは、正極活物質を有する正極と、負極活物質を有する負極と、キャリアイオン(カチオンやアニオン)を伝導するイオン伝導媒体と、イオン伝導媒体に添加されたハロゲン化カーボネートとを備えている。
この蓄電デバイスにおいて、負極は、キャリアイオンを吸蔵放出するものであり、キャリアである金属イオンを吸蔵放出するものとしてもよい。キャリアである金属イオンは、アルカリ金属イオンであることが好ましく、LiイオンやNaイオン、Kイオンなどのうち1以上が挙げられる。負極は、負極活物質として、芳香族ジカルボン酸アニオンを含む有機骨格層と有機骨格層のカルボン酸に含まれる酸素にアルカリ金属元素が配位して骨格を形成するアルカリ金属元素層とを備える層状構造体を含む。
この層状構造体は、1又は2以上の芳香族環構造が接続した有機骨格層を有するものとしてもよい。この層状構造体は、芳香族化合物のπ電子相互作用により層状に形成され、空間群P21/cに帰属される単斜晶型の結晶構造を有するものとすることが、構造的に安定であり、好ましい。この層状構造体は、式(1)〜(3)のうち1以上で表される構造を有するものとしてもよい。但し、この式(1)〜(3)において、aは1以上5以下の整数であり、bは0以上3以下の整数であり、これらの芳香族化合物は、この構造中に置換基、ヘテロ原子を有してもよい。具体的には、芳香族化合物の水素の代わりに、ハロゲン、鎖状又は環状のアルキル基、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、スルホニル基、アミノ基、シアノ基、カルボニル基、アシル基、アミド基、水酸基を置換基として持っていてもよいし、芳香族化合物の炭素の代わりに、窒素、硫黄、酸素が導入された構造であってもよい。より具体的には、この層状構造体は、式(4)〜(6)に示す芳香族化合物としてもよい。なお、式(1)〜(6)において、Aはアルカリ金属である。また、層状構造体は、異なるジカルボン酸アニオンの酸素4つとアルカリ金属元素とが4配位を形成する次式(7)の構造を備えているものとすることが、構造的に安定であり、好ましい。但し、この式(7)において、Rは1又は2以上の芳香族環構造を有し、複数あるRのうち2以上が同じであってもよいし、1以上が異なっていてもよい。また、Aはアルカリ金属である。このように、アルカリ金属元素によって有機骨格層が結合した構造を有することが好ましい。
この層状構造体において、有機骨格層は、2以上の芳香族環構造を有する場合、例えば、ビフェニルなど2以上の芳香族環が結合した芳香族多環化合物としてもよいし、ナフタレンやアントラセン、ピレンなど2以上の芳香族環が縮合した縮合多環化合物としてもよい。この芳香族環は、五員環や六員環、八員環としてもよく、六員環が好ましい。また、芳香族環は、2以上5以下とするのが好ましい。芳香族環が2以上では層状構造を形成しやすく、芳香族環が5以下ではエネルギー密度をより高めることができる。この有機骨格層は、芳香族環に1又は2以上のカルボキシアニオンが結合した構造を有するものとしてもよい。有機骨格層は、ジカルボン酸アニオンのうちカルボン酸アニオンの一方と他方とが芳香族環構造の対角位置に結合されている芳香族化合物を含むものとするのが好ましい。カルボン酸が結合されている対角位置とは、一方のカルボン酸の結合位置から他方のカルボン酸の結合位置までが最も遠い位置としてもよい。例えば芳香族環構造がナフタレンであれば2,6位が挙げられ、芳香族環構造がビフェニルであれば4,4’位が挙げられる。
この層状構造体において、アルカリ金属元素層に含まれるアルカリ金属は、例えば、Li,Na及びKなどのうちいずれか1以上とすることができるが、Liが好ましい。なお、蓄電デバイスのキャリアであり、充放電により層状構造体に吸蔵・放出される金属イオンは、アルカリ金属元素層に含まれるアルカリ金属元素と異なるものとしてもよいし、同じものとしてもよく、例えば、Li,Na及びKなどのうちいずれか1以上とすることができる。また、アルカリ金属元素層に含まれるアルカリ金属元素は、層状構造体の骨格を形成することから、充放電に伴うイオン移動には関与しないもの、すなわち、充放電時に吸蔵放出されないものと推察される。エネルギー貯蔵メカニズムにおいては、層状構造体の有機骨格層はレドックス(e-)サイトとして機能する一方、アルカリ金属元素層はキャリアである金属イオンの吸蔵サイト(アルカリ金属イオン吸蔵サイト)として機能するものと考えられる。この層状構造体は、例えば、2,6−ナフタレンジカルボン酸アルカリ金属塩、4,4’−ビフェニルジカルボン酸アルカリ金属塩及びテレフタル酸アルカリ金属塩のうち1以上が好ましい。
負極活物質は、層状構造体の剥片を含む中空粒子(後述図2参照)やその解砕物としてもよいし、層状構造体の剥片を含まない粒子(後述図3参照)としてもよいが、層状構造体の剥片を含むほうが好ましい。層状構造体の剥片を含む負極活物質では、内部抵抗を低減できるし、ハロゲン化カーボネートをイオン伝導媒体に添加したときにサイクル特性が大きく向上するからである。層状構造体の剥片を含む負極活物質は、層状構造体の剥片の集合を内包して形成される中空球状構造を有する中空粒子としてもよいし、中空粒子を解砕して得られた剥片状構造を有する剥片粒子としてもよい。中空球状構造は、層状構造体の剥片が中心から不規則に外周側へ向かう構造を有するものとしてもよい。あるいは、中空球状構造は、層状構造体の剥片が外周側から不規則に中心へ向かう構造を有するものとしてもよい。この中空球状構造は、直径が10μm以下であるものとしてもよい。この中空球状構造の直径は、0.1μm以上であるものとしてもよい。中空球状構造や剥片状構造における剥片の厚みは、例えば1nm以上100nm以下であり、好ましくは、1nm以上20nm以下である。
負極活物質は、例えば、芳香族ジカルボン酸アニオンとアルカリ金属カチオンとを溶解させ、溶媒を除去する溶液混合法によって得られるものとしてもよいし、芳香族ジカルボン酸アニオンとアルカリ金属カチオンとを含む溶液を噴霧乾燥する噴霧乾燥法により得られるものとしてもよい。溶液混合法では、層状構造体の剥片を含まない粒子が得られる。このため、堅固な活物質とすることができる。一方、噴霧乾燥法では、層状構造体の剥片の集合を内包して形成される中空球状構造を有する中空粒子が得られる。このため、噴霧乾燥法で得られた負極活物質を負極に用いると、負極活物質の一次粒子が電極内で高分散し、内部抵抗を低減できる。また、噴霧乾燥法で得られた負極活物質を負極に用いると、ハロゲン化カーボネートをイオン伝導媒体に添加したときにサイクル特性が飛躍的に向上する。また、噴霧乾燥法では、層状構造体を簡便に作製できる。
以下には、噴霧乾燥法による負極活物質の製造方法について詳説する。この製造方法は、溶液調製工程と、析出工程とを含むものとしてもよい。なお、調製溶液を別途調製するものとして、溶液調製工程を省略してもよい。
溶液調製工程では、芳香族ジカルボン酸アニオンとアルカリ金属カチオンとを溶解した調製溶液を調製する。この調製溶液の溶媒は、特に限定されず、水系溶媒としてもよいし、有機系溶媒としてもよいが、水であることが好ましい。この工程では、芳香族ジカルボン酸アニオンの濃度が0.1mol/L以上、より好ましくは、0.2mol/L以上である調製溶液を調製することが好ましい。また、この工程では、芳香族ジカルボン酸アニオンの濃度が5mol/L以下である調製溶液を調製することが好ましい。このような濃度範囲では、次工程の噴霧乾燥をより行いやすい。また、この工程では、ベンゼン環、ナフタレン、ビフェニル、ナフタレン骨格またはビフェニル骨格が拡張された有機骨格を有する芳香族ジカルボン酸アニオンを用いるものとしてもよい。更に、この工程では、リチウム、ナトリウム及びカリウムのうち1以上のアルカリ金属カチオンを含む調製溶液を調製することが好ましい。この工程では、例えば、芳香族ジカルボン酸アニオンのモル数A(mol)に対するアルカリ金属カチオンのモル数B(mol)であるモル比B/Aが2.2以上である調製溶液を得ることが好ましい。このように、アルカリ金属カチオンを過剰とすることにより、蓄電デバイスの負極の抵抗をより低減することができ、好ましい。このモル比B/Aは、2.5以上であるものとしてもよい。また、このモル比B/Aは、3.0以下であるものとしてもよい。
析出工程では、調製溶液をスプレードライヤーを用いて噴霧乾燥することにより、層状構造体の剥片の集合を内包して形成される中空球状構造を有する負極活物質を析出させる。この析出工程では、上記溶液調製工程で調製した調製溶液を用いる。噴霧乾燥条件は、例えば、装置の規模や作製する負極活物質の量によって適宜調製すればよい。乾燥温度は、例えば、100℃以上200℃以下の範囲とすることが好ましい。100℃以上では、溶媒を十分に除去することができ、200℃以下では、消費エネルギーをより低減でき好ましい。乾燥温度は、120℃以上がより好ましく、180℃以下がより好ましい。また、供給液量は、作製する規模にもよるが、例えば、0.1L/h以上2L/h以下の範囲としてもよい。また、調製溶液を噴霧するノズルサイズは、作製する規模にもよるが、例えば、直径0.5mm以上5mm以下の範囲としてもよい。このように噴霧乾燥して層状構造体を作製すると、層状構造体を含む上述した中空球状構造を有する負極活物質が得られる。中空球状構造を有する負極活物質は、そのまま用いてもよいし、解砕して剥片状構造にして用いてもよい。
負極は、上述した負極活物質と導電材と結着材とを混合した負極合材に、適当な溶剤を加えてペースト状としたものを、集電体の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成してもよい。この負極において、上記負極活物質は、できるだけ多く含まれることが好ましく、例えば、電極合材中に60質量%以上95質量%以下の範囲で含まれるものとしてもよい。導電材は、例えば、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛)や人造黒鉛などの黒鉛、アセチレンブラック、カーボンブラック、ケッチェンブラック、カーボンウィスカ、ニードルコークス、炭素繊維、金属(銅、ニッケル、アルミニウム、銀、金など)などの1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。これらの中で、導電材としては、電子伝導性及び塗工性の観点より、カーボンブラック及びアセチレンブラックが好ましい。結着材は、活物質粒子及び導電材粒子を繋ぎ止める役割を果たすものであり、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、或いはポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)ゴム、スルホン化EPDMゴム、天然ブチルゴム(NBR)等を単独で、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。また、水系バインダーであるセルロース系やスチレンブタジエンゴム(SBR)の水分散体等を用いることもできる。負極合材は、カルボキシメチルセルロース及びポリビニルアルコールのうちの少なくとも一方である水溶性ポリマーを2質量%以上8質量%以下の範囲で含むものとしてもよい。また、負極合材は、導電材を5質量%以上15質量%以下の範囲で含むものとしてもよい。また、負極合材は、スチレンブタジエン共重合体を8質量%以下の範囲で含むものとしてもよい。塗布方法としては、例えば、アプリケータロールなどのローラコーティング、スクリーンコーティング、ドクターブレイド方式、スピンコーティング、バーコータなどが挙げられ、これらのいずれかを用いて任意の厚さ・形状とすることができる。集電体としては、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、ニッケル、鉄、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラスなどを用いることができる。集電体の形状については、箔状、フィルム状、シート状、ネット状、パンチ又はエキスパンドされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の形成体などが挙げられる。集電体の厚さは、例えば1〜500μmのものが用いられる。
この負極は、電極自体をX線回折測定したときに、(111)のピーク強度に対する(300)のピーク強度比P(300)/P(111)が2.0以上を示すことが好ましい。即ち、(300)のピーク強度が(111)のピーク強度の2倍以上を示すものとしてもよい。この強度比は、2.5以上を示すことがより好ましく、3.0以上を示すことが更に好ましい。また、この強度比は、5.0以下であるものとしてもよい。この範囲では、層状構造体の層間隔などが良好であり、負極の電極抵抗をより低減することができる。また、この負極は、電極自体をX線回折測定したときに、X線回折測定での(011)のピーク強度に対する(300)のピーク強度比P(300)/P(011)が2.0以上を示すことが好ましい。即ち、(300)のピーク強度が(011)のピーク強度の2倍以上を示すものとしてもよい。この強度比は、2.5以上を示すことがより好ましく、3.0以上を示すことが更に好ましい。また、この強度比は、5.0以下であるものとしてもよい。この範囲では、層状構造体の層間隔などが良好であり、負極の電極抵抗をより低減することができる。また、この負極は、電極自体をX線回折測定したときに、X線回折測定での(111)のピーク強度に対する(100)のピーク強度比P(100)/P(111)が6.0以上を示すことが好ましい。即ち、(100)のピーク強度が(111)のピーク強度の6倍以上を示すものとしてもよい。この強度比は、6.5以上を示すことがより好ましく、6.6以上を示すことが更に好ましい。また、この強度比は、10.0以下であるものとしてもよい。この範囲では、層状構造体の層間隔などが良好であり、負極の電極抵抗をより低減することができる。また、この負極は、電極自体をX線回折測定したときに、(011)のピーク強度に対する(100)のピーク強度比P(100)/P(011)が5.0以上を示すことが好ましい。即ち、(100)のピーク強度が(011)のピーク強度の5倍以上を示すものとしてもよい。この強度比は、6.0以上を示すことがより好ましく、6.5以上を示すことが更に好ましい。また、この強度比は、10.0以下であるものとしてもよい。この範囲では、層状構造体の層間隔などが良好であり、負極の電極抵抗をより低減することができる。また、この負極は、電極自体をX線回折測定したときに、(300)のピーク強度に対する(100)のピーク強度比P(100)/P(300)が1.5以上を示すことが好ましい。即ち、(100)のピーク強度が(300)のピーク強度の1.5倍以上を示すものとしてもよい。この強度比は、1.8以上を示すことがより好ましく、2.0以上を示すことが更に好ましい。また、この強度比は、5.0以下であるものとしてもよい。この範囲では、層状構造体の層間隔などが良好であり、負極の電極抵抗をより低減することができる。こうした負極は、噴霧乾燥法で得られた負極活物質、つまり、層状構造体の剥片を含む負極活物質を用いた場合に得られる。このように、噴霧乾燥法で得られた負極活物質を用いた負極は、電極内部に存在する活物質の小さな剥片が特異的な配向をしており、n00面に相当するピーク強度が大きくなる傾向を示す。また、この負極は、表面を走査型電子顕微鏡で観察したときに平滑な面を有するものとしてもよい。上述した負極活物質は、容易に解砕され、剥片を高分散した電極とすることができるため、電極表面がより平滑になる。図4に、層状構造体の結晶面(011)、(111)、(100)、(300)の説明図を示す。図4では、層状構造体が4、4’−ビフェニルジカルボン酸ジリチウムである場合を具体例として示した。図4に示すように、(100)、(300)は、層状構造体のアルカリ金属元素層の結晶面を反映したものであり、(011)、(111)は、有機骨格層の結晶面を反映したものである。
この蓄電デバイスにおいて、正極は、キャリアイオンを吸蔵放出するものである。正極は、キャパシタやリチウムイオンキャパシタなどに用いられている公知の正極としてもよい。正極は、例えば、正極活物質として炭素材料を含むものとしてもよい。炭素材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、活性炭類、コークス類、ガラス状炭素類、黒鉛類、難黒鉛化性炭素類、熱分解炭素類、炭素繊維類、カーボンナノチューブ類、ポリアセン類などが挙げられる。このうち、高比表面積を示す活性炭類が好ましい。炭素材料としての活性炭は、比表面積が1000m2/g以上であることが好ましく、1500m2/g以上であることがより好ましい。比表面積が1000m2/g以上では、放電容量をより高めることができる。この活性炭の比表面積は、作製の容易性から3000m2/g以下であることが好ましく、2000m2/g以下であることがより好ましい。活性炭は、高純度活性炭としてもよい。活性炭は、アニオン及びアルカリ金属イオンの少なくとも一方を吸着・脱離することで、電気二重層容量としてエネルギーを貯蔵放出することができる。なお、正極では、イオン伝導媒体に含まれるアニオン及びカチオンの少なくとも一方を吸着・脱離して蓄電するものと考えられるが、さらに、イオン伝導媒体に含まれるアニオン及びカチオンの少なくとも一方を挿入・脱離して蓄電するものとしてもよい。
あるいは、正極は、リチウムイオン電池などに用いられる正極としてもよい。この場合、正極活物質としては、遷移金属元素を含む硫化物や、リチウムと遷移金属元素とを含む酸化物などを用いることができる。具体的には、TiS2、TiS3、MoS3、FeS2などの遷移金属硫化物、基本組成式をLi(1-x)MnO2(0<x<1など、以下同じ)やLi(1-x)Mn24などとするリチウムマンガン複合酸化物、基本組成式をLi(1-x)CoO2などとするリチウムコバルト複合酸化物、基本組成式をLi(1-x)NiO2などとするリチウムニッケル複合酸化物、基本組成式をLi(1-x)NiaCobMnc2(a+b+c=1)などとするリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物、基本組成式をLiV23などとするリチウムバナジウム複合酸化物、基本組成式をV25などとする遷移金属酸化物などを用いることができる。また、正極活物質は、リン酸鉄リチウムなどとしてもよい。これらのうち、リチウムの遷移金属複合酸化物、例えば、LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiV23などが好ましい。なお、「基本組成式」とは、他の元素を含んでもよい趣旨である。
正極は、例えば上述した正極活物質と導電材と結着材とを混合した正極合材に、適当な溶剤を加えてペースト状としたものを、集電体の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成してもよい。正極に用いる導電材、結着材、溶剤、集電体は、例えば、負極で例示したものなどを適宜用いることができる。
この蓄電デバイスにおいて、イオン伝導媒体は、例えば、支持塩(支持電解質)と有機溶媒とを含む非水電解液としてもよい。支持塩としては、例えば、キャリアをリチウムイオンとした場合、公知のリチウム塩を含むものとしてもよい。このリチウム塩としては、例えば、LiPF6,LiBF4、LiClO4,LiAsF6,Li(CF3SO22N,LiN(C25SO22などが挙げられ、このうちLiPF6やLiBF4などが好ましい。この支持塩は、非水電解液中の濃度が0.1mol/L以上5mol/L以下であることが好ましく、0.5mol/L以上2mol/L以下であることがより好ましい。支持塩を溶解する濃度が0.1mol/L以上では、十分な電流密度を得ることができ、5mol/L以下では、電解液をより安定させることができる。また、この非水電解液には、リン系、ハロゲン系などの難燃剤を添加してもよい。有機溶媒としては、例えば、非プロトン性の有機溶媒を用いることができる。このような有機溶媒としては、例えば環状カーボネート、鎖状カーボネート、環状エステル、環状エーテル、鎖状エーテル等が挙げられる。環状カーボネートとしては、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等がある。鎖状カーボネートとしては、例えばジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート等がある。環状エステルとしては、例えばガンマブチロラクトン、ガンマバレロラクトン等がある。環状エーテルとしては、例えばテトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等がある。鎖状エーテルとしては、例えばジメトキシエタン、エチレングリコールジメチルエーテル等がある。これらは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。また、非水系電解液としては、そのほかにアセトニトリル、プロピルニトリルなどのニトリル系溶媒やイオン液体、ゲル電解質などを用いてもよい。
この蓄電デバイスにおいて、ハロゲン化カーボネートは、イオン伝導媒体に添加されている。ハロゲン化カーボネートは、イオン伝導媒体の非水系電解液に含まれる溶媒と同様に支持塩を溶解させる溶媒としてもよいし、その他の添加剤としてもよい。ハロゲン化カーボネートは、鎖状でも環状でもよいが、環状が好ましい。鎖状に比べて環状の方が反応性が高く、ハロゲンアニオンを生成しやすいため、SEI被膜を生成しやすいからである。ハロゲン化カーボネートが環状の場合、この環状カーボネートは、エチレンカーボネートが好ましい。環状カーボネートの中では、比較的安定で取り扱い易いからである。蓄電デバイスは、鎖状のハロゲン化カーボネートを含まないものが好ましい。鎖状のハロゲン化カーボネートは反応性が低いからである。また、ハロゲン化カーボネートは、フッ素化カーボネートが好ましい。ハロゲンがフッ素の場合、SEI被膜として生成するハロゲン化物の安定性が高いからである。ハロゲン化カーボネートは、カーボネートの全ての水素原子がハロゲン化されたものでもよいが、1つ以上の水素原子がハロゲン化されずに残っているほうが好ましい。1つ以上の水素原子がハロゲン化されずに残っている場合には、全ての水素原子がハロゲン化されている場合ほどハロゲン化カーボネートが安定ではない。このため、ハロゲン化カーボネートが適度に還元分解されることによってハロゲン化水素などが生じやすく、ハロゲン化水素とキャリアイオンとの反応などによって層状構造体表面にハロゲン化物などの好適なSEI被膜が生成されやすい。これにより、層状構造体とイオン伝導媒体との界面を安定化でき、サイクル特性を向上できると考えられる。ハロゲン化カーボネートとしては、例えば、4−フルオロエチレンカーボネートや、4,5−ジフルオロエチレンカーボネートなどのフルオロエチレンカーボネートを好適に用いることができる。
ハロゲン化カーボネートの添加量は、イオン伝導媒体とハロゲン化カーボネートとの合計のうちの0.1質量%以上10質量%以下が好ましく、0.2質量%以上3.0質量%以下がより好ましく、0.5質量%以上2.0質量%以下がさらに好ましい。こうした範囲では、サイクル特性をより高めることができる。特に、負極に噴霧乾燥法で得られた負極活物質、つまり層状構造体の剥片を含む負極を用いた場合には、こうした範囲でイオン伝導媒体にハロゲン化カーボネートを添加すると、サイクル特性が飛躍的に向上する。
この蓄電デバイスは、正極と負極との間にセパレータを備えていてもよい。セパレータとしては、蓄電デバイスの使用範囲に耐えうる組成であれば特に限定されるものではないが、例えば、ポリプロピレン製不織布やポリフェニレンスルフィド製不織布などの高分子不織布、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂の微多孔フィルムが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複合して用いてもよい。
この蓄電デバイスの形状は、特に限定されないが、例えばコイン型、ボタン型、シート型、積層型、円筒型、偏平型、角型などが挙げられる。また、電気自動車等に用いる大型のものなどに適用してもよい。図1は、蓄電デバイス20の一例を示す模式図である。この蓄電デバイス20は、カップ形状の電池ケース21と、正極活物質を有しこの電池ケース21の下部に設けられた正極22と、負極活物質を有し正極22に対してセパレータ24を介して対向する位置に設けられた負極23と、絶縁材により形成されたガスケット25と、電池ケース21の開口部に配設されガスケット25を介して電池ケース21を密封する封口板26と、を備えている。この蓄電デバイス20は、正極22と負極23との間の空間にイオン伝導媒体27が満たされている。負極23は、芳香族ジカルボン酸金属塩の層状構造体を負極活物質として有している。イオン伝導媒体27には、ハロゲン化カーボネート28が添加されている。
以上詳述した蓄電デバイスでは、層状構造体を負極活物質に用いたものにおいて、充放電サイクル前後の容量維持率を向上できるなど、サイクル特性を向上できる。このような効果が得られる理由は、以下のように推察される。例えば、初期充電において層状構造体内へキャリアイオンが吸蔵される際に、ハロゲン化カーボネートが還元分解されてハロゲン化水素(例えばフッ酸)が生成される。このハロゲン化水素とキャリアイオンとの反応によって、層状構造体表面にハロゲン化物(例えばフッ化リチウム)などのSEI被膜が生成される。そして、生成されたSEI被膜によって、層状構造体とイオン伝導媒体との界面が安定化し、ハロゲン化カーボネートの還元分解に続くイオン伝導媒体の分解が抑制されるため、サイクル特性が向上すると推察される。
また、こうした蓄電デバイスにおいて、噴霧乾燥法で作製した負極活物質を用いた場合には、負極の電極抵抗の低減や負極活物質の製造の簡便化などの効果も期待でき、より好ましい。このような効果が得られる理由は、以下のように推測される。図2は、噴霧乾燥法で作製した活物質と電極の説明図であり、図3は、溶液混合法で作製した活物質と電極の説明図である。図3に示すように、溶液混合法で作製した活物質を用いて電極を作製すると、活物質が電極内部に二次凝集体として存在し,堅固な活物質となる。このため、充放電のサイクル特性が良好である。しかし、凝集体内部の活物質とイオン伝導媒体が十分な界面を形成できずに有効に機能する反応界面が低減することで、内部抵抗が増加することがある。また、溶液混合法で作製した二次凝集した大きな粒子の電極活物質を用いると、電極内部で金属イオン(例えばリチウムイオン)の受け入れ界面の少ない電極構造になりやすいため、放電容量が低くなることがある。また、溶媒を除去して乾燥させるのに長時間を要することがある。一方、図2に示すように、噴霧乾燥法で作製した活物質を用いて電極を作製すると、電極活物質は、層状構造体の剥片を内包した中空粒子となり、解砕が容易であり、層状構造体の凝集が抑制され、剥片が電極内部に非常に高分散された構造を形成することができる。このため、内部抵抗の低減が可能となるものと推察される。また、噴霧乾燥法で作製した中空球状構造あるいはそれを解砕した剥片状構造の層状構造体を電極に用いると、金属イオンの受け入れ界面の多い電極構造になり、存在する電極活物質のより多くが機能するため、放電容量の向上などの効果も期待できる。さらに、噴霧乾燥法では、芳香族ジカルボン酸アニオンとアルカリ金属カチオンとを含む溶液を噴霧しながら乾燥するため、短時間で溶媒を除去して乾燥させることができ、溶液混合法よりも容易に層状構造体を作製できる。
ここで、噴霧乾燥法で作製した負極活物質を用いた場合には、負極内で層状構造体が高分散していて、層状構造体とイオン伝導媒体との接触界面が多い。このため、イオン伝導媒体にハロゲン化カーボネートを添加しない場合には、層状構造体表面でイオン伝導媒体が還元分解されやすく、サイクル特性が低い場合がある。一方、イオン伝導媒体にハロゲン化カーボネートを添加すると、イオン伝導媒体が還元分解される前にハロゲン化カーボネートが還元分解されて層状構造体表面に好適なSEI被膜が生成される。そして、生成されたSEI被膜によって、層状構造体とイオン伝導媒体との界面が安定化するため、イオン伝導媒体の還元分解が抑制され、イオン伝導媒体にハロゲン化カーボネートを添加しない場合よりも、サイクル特性が飛躍的に向上する。このため、噴霧乾燥法で作製した負極活物質を用いた場合には、噴霧乾燥法の上述した各種効果を得つつ、サイクル特性を高めることができる。
なお、本開示は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
1.予備実験
以下には、層状構造体を噴霧乾燥法及び溶液混合法により合成し、負極を作製して評価した例を参考例として説明する。
[参考例1]
(負極活物質:4,4’−ビフェニルジカルボン酸ジリチウムの層状構造体の合成)
噴霧乾燥法により層状構造体を作製した。4,4’−ビフェニルジカルボン酸ジリチウムの合成には、出発原料として4,4’−ビフェニルジカルボン酸および水酸化リチウム1水和物(LiOH・H2O)を用いた。0.44mol/Lとなるように水に水酸化リチウムを加え撹拌し、水溶液を調製した。そして、4,4’−ビフェニルジカルボン酸のモル数A(mol)に対する水酸化リチウムのモル数B(mol)であるモル比B/Aが2.2となるように、すなわち、4,4’−ビフェニルジカルボン酸が0.20mol/Lとなるように水溶液を調製した。調製した水溶液を用いてスプレードライヤー(Mini Spray Dryer B−290、日本ビュッヒ製)を用いて噴霧乾燥させ、4,4’−ビフェニルジカルボン酸ジリチウムを析出させた。用いたスプレードライヤーのノズル直径は1.4mm、溶液の噴霧量は0.4L/時間、乾燥温度は150℃で行い、4,4’−ビフェニルジカルボン酸リチウムを合成した。
(負極:4,4’−ビフェニルジカルボン酸ジリチウム電極の作製)
上記手法で作製した4,4’−ビフェニルジカルボン酸リチウムを79質量%、粒子状炭素導電材としてカーボンブラック(東海カーボン、TB5500)を14質量%、水溶性ポリマーであるポリビニルアルコール(ゴウセネックス,T−330,日本合成化学)を2.8質量%、スチレンブタジエン共重合体(日本ゼオン、BM−400B)を4.2質量%を混合し、分散剤として水を適量添加、分散してスラリー状合材とした。このスラリー状合材を10μm厚の銅箔集電体に単位面積当たりの4,4’−ビフェニルジカルボン酸ジリチウム活物質が3mg/cm2となるように均一に塗布し、120℃で真空加熱乾燥させて塗布シートを作製した。その後、塗布シートを加圧プレス処理し、2cm2の面積に打ち抜いて円盤状の電極を準備した。
(蓄電デバイス:二極式評価セルの作製)
エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)とを体積比で30:40:30の割合で混合した非水溶媒に、支持電解質の六フッ化リン酸リチウムを1.0mol/Lになるように添加して非水電解液を作製した。上記の手法にて作製した4,4’−ビフェニルジカルボン酸ジリチウム電極を作用極とし、リチウム金属箔(厚さ300μm)を対極として、両電極の間に上記非水電解液を含浸させたセパレータ(東レ東燃製)を挟んで二極式評価セルを作製した。
[参考例2〜4]
スプレードライヤーにて4,4’−ビフェニルジカルボン酸ジリチウムを合成した後に、120℃で真空乾燥を行った以外は、参考例1と同じものを参考例2とした。4,4’−ビフェニルジカルボン酸に対する水酸化リチウムのモル比を2.5として水溶液を調製し,スプレードライヤーにて合成した以外は、参考例1と同じものを参考例3とした。また、スプレードライヤーにて4,4’−ビフェニルジカルボン酸リチウムを合成した後に、120℃で真空乾燥を行った以外は参考例3と同じものを参考例4とした。
[参考例5]
溶液混合法により層状構造体を作製した。出発原料として4,4’−ビフェニルジカルボン酸および水酸化リチウム1水和物(LiOH・H2O)を用いて、水酸化リチウム1水和物(0.556g)にメタノール(100mL)を加え撹拌した後に4,4’−ビフェニルジカルボン酸1.0gを加え、1時間撹拌した。その後、撹拌後溶媒を除去し、真空下150℃で16時間乾燥することにより、白色の粉末試料の4,4’−ビフェニルジカルボン酸リチウムを得た。これを用いた以外は、参考例1と同様の処理を行ったものを参考例5とした。
(X線回折測定)
参考例1〜5の電極活物質及び電極のX線回折測定を行った。測定は、放射線としてCuKα線(波長1.54051Å)を使用し、X線回折装置(リガク製UltimaIV)を用いて行った。また、測定は、X線の単色化にはグラファイトの単結晶モノクロメーターを用い、印加電圧を40kV、電流30mAに設定し、5°/分の走査速度で、電極活物質については2θ=5°〜60°の角度範囲で行い、電極については2θ=5°〜30°の角度範囲で行った。
(充放電特性評価)
上記作製した二極式評価セルを20℃の温度環境下、0.1mAで0.5Vまで還元した容量を放電容量とした。また、その後0.1mAで1.5Vまで酸化した容量を充電容量とした。また、得られた充放電カーブを用い、電位差に対して充放電カーブの微分値を算出し微分曲線を得た。また、この微分曲線にある2つの異なる内部抵抗性微分カーブのピーク差から充放電分極を算出し、印加電流を考慮してIV抵抗を算出した。なお、IV抵抗は、2サイクル目の充放電カーブを用いた。
(結果と考察)
表1に参考例1〜5の製造方法、電極のピーク強度比及びIV抵抗値をまとめて示した。また、図5は、参考例1〜5の電極のXRD測定結果である。図5に示すように、噴霧乾燥法により作製した電極活物質を含む参考例1〜4の電極においては、活物質の120℃真空乾燥の有無にかかわらず、従来の溶液混合法と同じ2θ位置にピークが出現した。ピーク強度においては噴霧乾燥法により作製した電極において、n00面に相当するピーク強度が大きくなる傾向を示した。これは電極内部に存在する活物質の小さな剥片が特異的な配向をしていることを示す。特に、参考例1〜4の電極では、X線回折測定において(300)のピーク強度が(111)や(011)のピーク強度の2倍以上を示し、また、(100)のピーク強度が(111)や(011)のピーク強度の5倍以上を示すことがわかった。具体的には、ピーク強度比P(300)/P(111)が2.0以上、P(300)/P(011)が2.0以上、P(100)/P(111)が6.0以上、P(100)/P(011)が5.0以上、及びP(100)/P(300)が1.5以上を示した。このピーク強度比は、いずれか1以上を満たせば、剥片状の配向した活物質であると推定できるものと推察された。また、表1に示すように、スプレードライ法で合成した層状構造体により作製した電極では、溶液混合法に比してIV抵抗がより低減することがわかった。
2.実験
以下には、蓄電デバイスを具体的に作製した例について説明する。実験例2〜4,6,7が実施例に相当し、実験例1,5,8〜11が比較例に相当する。
[実験例1]
(負極活物質:4,4’−ビフェニルジカルボン酸ジリチウムの層状構造体の合成)
実験例1では、上記参考例1と同様に負極活物質を合成した。得られた負極活物質について、走査型電子顕微鏡(日本FEI社製Quanta200FEG)を用い、1000〜50000倍の条件で観察したところ、粒径が10μm以下の中空粒子であった。また、内部が露出している粒子を拡大視すると、この負極活物質は、図2に示すような、数nmの厚さの層状構造体の剥片の集合を内包して形成される中空球状構造を有していた。また、この負極活物質は、層状構造体の剥片が中心から不規則に外周側へ向かう構造(剥片が外周側から不規則に中心へ向かう構造と同義)を有していた。
(負極:4,4’−ビフェニルジカルボン酸ジリチウム電極の作製)
上記手法で作製した4,4’−ビフェニルジカルボン酸リチウムを79質量%、粒子状炭素導電材としてカーボンブラック(東海カーボン、TB5500)を14質量%、水溶性ポリマーであるカルボキシメチルセルロース(ダイセル、CMC−1120)を2.8質量%、スチレンブタジエン共重合体(日本ゼオン、BM−451B)を4.2質量%、の割合で混合し、分散媒として水を適量添加、分散してスラリーとした。このスラリーを10μm厚の銅箔集電体に単位面積当たりの負極活物質が3mg/cm2となるように均一に塗布し、120℃で真空加熱乾燥させて塗布シートを作製した。その後、塗布シートを加圧プレス処理し、10cm2の長方形の電極を準備した。実験例1の負極は、水溶性ポリマーの種類が上述した参考例とは異なるが、層状構造体は上述した参考例と同じである。このため、実験例1の負極のX線回折測定では、参考例1〜4と同様の結果が得られた。
(正極の作製)
正極活物質として活性炭(クラレ、YP−50F)を83.3質量%、粒子状炭素導電材としてカーボンブラック(東海カーボン、TB5500)を10.5質量%、水溶性ポリマーであるポリビニルアルコール(日本合成化学、T−330)を3.9質量%、スチレンブタジエン共重合体(JSR、TRD2001)を2.3質量%、の割合で混合し、分散媒として水を適量添加、分散してスラリー状合材とした。このスラリーを10μm厚のアルミニウム箔集電体に、単位体積あたりの正極活物質が4.5mg/cm2となるように均一に塗布し、120℃で真空乾燥して塗布シートを作製した。その後、塗布シートを加圧プレス処理し、10cm2の長方形の電極を準備した。
(イオン伝導媒体の調製)
エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを体積比で30:40:30の割合で混合した非水溶媒に、支持電解質の六フッ化リン酸リチウムを1.1mol/Lになるように添加してイオン伝導媒体を調製した。
(負極の調整)
上述した負極を作用極とし、リチウム金属箔を対極として、両電極の間にイオン伝導媒体を含浸させたセパレータを挟んで二極式評価セルを作製した。この二極式評価セルを用いて、20℃の温度環境下、電圧範囲0.5〜1.5V(vs.Li/Li+)、電流値0.6mA(C/10相当)で充放電を行うことにより、負極の容量確認を行い、負極にSOC75%に相当するリチウムを吸蔵させた。
(蓄電デバイスの評価)
上述した正極と、調整した負極との間に、イオン伝導媒体を含侵させたセパレータを挟んで非対称型のキャパシタを作製した。このキャパシタを用いて、20℃の温度環境下、電圧範囲1.5〜3.1V(vs.Li/Li+)、電流値10mA(10C相当)の充放電を、1000サイクル繰り返し、初回の放電容量Q1と1000サイクル後の放電容量Q1000を算出した。そして、Q1000×100/Q1の式で表される容量維持率を算出した。
[実験例2〜4]
実験例2は、イオン伝導媒体と4−フルオロエチレンカーボネート(以下4−FECとも称する)との合計のうちの4−FECが1質量%となるように、イオン伝導媒体に4−FECを添加した以外は、実験例1と同様とした。実験例3は、4-FECの添加量を3質量%とした以外は、実験例2と同様とした。実験例4は、4−FECの添加量を10質量%とした以外は、実験例2と同様とした。
[実験例5]
実験例5は、噴霧乾燥法ではなく溶液混合法で負極活物質を合成した以外は、実験例1と同様とした。実験例5では、上記参考例5と同様に負極活物質を合成した。実験例1と同様に負極活物質をSEM観察したところ、図3に示すような、1μm程度の粒子が凝集した構造を有するものであった。また、負極のX線回折測定を行ったところ、参考例5と同様の結果が得られた。
[実験例6,7]
実験例6は、イオン伝導媒体に、イオン伝導媒体と4−FECとの合計のうち4−FECが0.5質量%となるように4−FECを添加した以外は、実験例5と同様とした。実験例7は、4−FECの添加量を1質量%とした以外は、実験例5と同様とした。
[実験例8]
実験例8は、スチレンブタジエン共重合体をJSR製のTRD2001に変更した以外は、実験例1と同様とした。
[実験例9〜11]
実験例9は、イオン伝導媒体に、イオン伝導媒体とビニレンカーボネート(以下VCとも称する)との合計に対してVCが0.1質量%となるようにVCを添加した以外は、実験例8と同様とした。実験例10は、VCの添加量を0.5質量%とした以外は、実験例9と同様とした。実験例11は、VCの添加量を1質量%とした以外は、実験例9と同様とした。
3.実験結果
表2に、実験例1〜11についての、添加剤の種類及び添加量、負極活物質の合成法、1000サイクル後容量維持率をまとめて示す。表2に示すように、添加剤としてビニレンカーボネートを用いた実験例8〜11では、添加剤を添加しても容量維持率がほとんど増加しないか減少したのに対して、添加剤としてハロゲン化カーボネートを用いた実験例1〜7では、添加剤を添加することで容量維持率が増加した。特に、噴霧乾燥法で負極を合成した実験例1〜4では、添加剤の添加による容量維持率の増加が顕著であった。ここで、図6を用いて添加剤の添加量について検討した。図6は実験例1〜4での、添加剤の添加量と1000サイクル後容量維持率との関係を示すグラフである。図6より、添加剤を添加すれば容量維持率が向上するが、添加量が0.1質量%以上10質量%以下では容量維持率がより向上し、添加量が0.2質量%以上3質量%以下では容量維持率がさらに向上し、添加量が0.5質量%以上2質量%以下では容量維持率が一層向上することがわかった。
本開示は、電池産業などの分野に利用可能である。
20 蓄電デバイス、21 電池ケース、22 正極、23 負極、24 セパレータ、25 ガスケット、26 封口板、27 イオン伝導媒体、28 ハロゲン化カーボネート。

Claims (6)

  1. 正極活物質を含む正極と、
    負極活物質として、芳香族ジカルボン酸アニオンを含む有機骨格層と前記有機骨格層のカルボン酸に含まれる酸素にアルカリ金属元素が配位して骨格を形成するアルカリ金属元素層とを備える層状構造体を含む負極と、
    前記正極と前記負極との間に介在し、キャリアイオンを伝導するイオン伝導媒体と、
    前記イオン伝導媒体に添加されたハロゲン化カーボネートと、
    を備えた蓄電デバイス。
  2. 前記ハロゲン化カーボネートは、水素原子を1つ以上有するフッ素化環状カーボネートである、請求項1に記載の蓄電デバイス。
  3. 前記ハロゲン化カーボネートの添加量は、前記イオン伝導媒体と前記ハロゲン化カーボネートとの合計のうちの10質量%以下である、請求項1又は2に記載の蓄電デバイス。
  4. 前記負極は、下記(1)〜(5)のうち1以上を満たす、請求項1〜3のいずれか1項に記載の蓄電デバイス。
    (1)X線回折測定での(111)のピーク強度に対する(300)のピーク強度比P(300)/P(111)が2.0以上を示す。
    (2)X線回折測定での(011)のピーク強度に対する(300)のピーク強度比P(300)/P(011)が2.0以上を示す。
    (3)X線回折測定での(111)のピーク強度に対する(100)のピーク強度比P(100)/P(111)が6.0以上を示す。
    (4)X線回折測定での(011)のピーク強度に対する(100)のピーク強度比P(100)/P(011)が5.0以上を示す。
    (5)X線回折測定での(300)のピーク強度に対する(100)のピーク強度比P(100)/P(300)が1.5以上を示す。
  5. 前記ハロゲン化カーボネートの添加量は、前記イオン伝導媒体と前記ハロゲン化カーボネートとの合計のうちの0.2質量%以上3.0質量%以下である、請求項4に記載の蓄電デバイス。
  6. 前記正極活物質は、比表面積が1000m2/g以上の活性炭である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の蓄電デバイス。
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