JP2021034481A - 配線回路基板、容器および基板収容セット - Google Patents

配線回路基板、容器および基板収容セット Download PDF

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Abstract

【課題】金属支持層の厚みを厚くできながら、容器の損傷に起因する異物の発生を抑制できる配線回路基板、容器および基板収容セットを提供すること。【解決手段】配線回路基板1は、金属支持層2、ベース絶縁層3および導体層4を上側に向かって順に備える。ベース絶縁層3の周縁は、金属支持層2に対して外側に張り出す張出部分7を含む。金属支持層2は、50μm以上の厚みT1を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、配線回路基板、容器および基板収容セットに関し、詳しくは、配線回路基板および容器と、それらを備える基板収容セットとに関する。
従来、金属支持基板、ベース絶縁層および導体パターンを上側に向かって順に備える配線回路基板が知られている。(例えば、下記特許文献1参照。)。
特許文献1の配線回路基板では、ベース絶縁層の周縁は、金属支持基板の周縁より内側に配置されている。また、特許文献1の配線回路基板では、金属支持基板の厚みが、10μm以上、25μm以下である。
特開2010−040115号公報
しかるに、配線回路基板を、有底筒形状の容器に収容し、これを搬送する場合がある。容器は、底壁と、その周縁から上側に延びる周側壁とを有する。配線回路基板をこのような容器に収容するときには、金属支持基板の底面が、容器の底壁に接触する。一方、金属支持基板の周縁が、周側壁とわずかな間隔を隔てて対向配置される。
そして、配線回路基板が収容された容器を輸送するときに、輸送時における容器の振動に起因して、配線回路基板が容器に対して相対的に面方向(底面に沿う方向)にわずかに移動する場合がある。
この場合には、特許文献1の配線回路基板では、金属支持基板の周縁が容器の周側壁に接触(さらには、衝突)する。
そして、特許文献1の配線回路基板では、金属支持基板の厚みが25μm以下と薄く、柔軟であることから、上記した接触によっても、容器の周側壁を損傷させ難い。
一方、用途および目的によっては、金属支持基板を厚くしたい要求がある。この要求を満足させるために、金属支持基板の厚みを50μm以上に設定すれば、金属支持基板が剛直となる。
そうすると、上記した接触によって、金属支持基板の周縁が容器の周側壁を損傷させ易い。そのため、損傷した容器から屑(異物)が発生する。異物が導体パターンに接触すれば、導体パターンの電気特性に影響し、ひいては、配線回路基板の信頼性が低下するという不具合がある。
本発明は、金属支持層の厚みを厚くできながら、容器の損傷に起因する異物の発生を抑制できる配線回路基板、容器および基板収容セットを提供する。
本発明(1)は、金属支持層、ベース絶縁層および導体層を上側に向かって順に備え、前記ベース絶縁層の周縁は、前記金属支持層に対して外側に張り出す張出部分を含み、前記金属支持層は、50μm以上の厚みを有することを、配線回路基板を含む。
この配線回路基板では、金属支持層が50μm以上の厚みを有するので、金属支持層を厚くすることができる。そのため、この配線回路基板は、金属支持層の剛直性が必要な用途に用いることができる。
一方、この配線回路基板を容器に収容して輸送して、これに起因する振動が配線回路基板に伝達され、張出部分が容器の周側壁と接触しても、張出部分より内側に位置する金属支持層の周縁が、周側壁と接触することを抑制できる。そのため、金属支持層の周縁との接触に起因する容器の損傷を抑制できる。その結果、この配線回路基板は、信頼性が低下することを抑制できる。
従って、この配線回路基板は、金属支持層の剛直性が必要な用途に用いられながら、信頼性に優れる。
本発明(2)は、前記ベース絶縁層の厚みに対する前記金属支持層の厚みの比が、5以上、40以下であることを、(1)に記載の配線回路基板を含む。
この配線回路基板では、ベース絶縁層の厚みに対する金属支持層の厚みの比が5以上と大きいので、金属支持層をベース絶縁層より格段に剛直にすることができる。
一方、ベース絶縁層の厚みに対する金属支持層の厚みの比が40以下であるので、厚い金属支持層に対してベース絶縁層の一定の厚みを確保できる。
本発明(3)は、前記張出部分の張り出し長さが、5μm以上、100μm以下であることを、(1)または(2)に記載の配線回路基板を含む。
この配線回路基板では、張出部分の張り出し長さが5μm以上であるので、張出部分が周側壁に接触したときに、金属支持層の周縁の周側壁への接触を確実に抑制できる。
この配線回路基板では、張出部分の張り出し長さが100μm以下であるので、張出部分が周側壁に接触したときに、張出部分が折れることを抑制して、金属支持層の周縁の周側壁への接触を確実に抑制できる。
本発明(4)は、前記張出部分の厚みが、1μm以上、50μm以下であることを、(1)〜(3)のいずれか一項に記載の配線回路基板を含む。
この配線回路基板では、張出部分の厚みが1μm以上であるので、張出部分が周側壁に接触したときに、金属支持層の周縁の周側壁への接触を確実に抑制できる。
この配線回路基板では、張出部分の厚みが50μm以下であるので、配線回路基板の薄型化を図ることができる。
本発明(5)は、第1辺と、前記第1辺に対向する第2辺とを有する周縁を有し、前記第1辺および前記第2辺が、前記張出部分を含むことを、(1)〜(4)のいずれか一項に記載の配線回路基板を含む。
配線回路基板が、第1辺および第2辺の対向方向に移動しても、第1辺および第2辺に含まれる張出部分によって、かかる張出部分より内側に位置する金属支持層の周縁が、周側壁と接触することを抑制できる。
本発明(6)は、第1角部と、前記第1角部に対向する第2角部とを有する周縁を有し、前記第1角部および前記第2角部が、前記張出部分を含むことを、(1)〜(5)のいずれか一項に記載の配線回路基板を含む。
配線回路基板が、第1角部および第2角部の対向方向に移動しても、第1角部および第2角部に含まれる張出部分によって、かかる張出部分より内側に位置する金属支持層の周縁が、周側壁と接触することを抑制できる。
本発明(7)は、前記金属支持層の材料が、銅または銅合金であることを、(1)〜(6)のいずれか一項に記載の配線回路基板を含む。
本発明(8)は、前記張出部分の材料が、ポリイミド樹脂であることを、(1)〜(7)のいずれか一項に記載の配線回路基板を含む。
本発明(9)は、(1)〜(8)のいずれか一項に記載の配線回路基板を収容するための容器であって、底壁と、前記底壁の周縁から上側に延びる周側壁とを有し、前記周側壁は、前記配線回路基板が前記底壁に載置されるときに、前記張出部分と接触可能な第1部分を有することを、容器を含む。
この容器の底壁に配線回路基板が載置されるときに、周側壁の第1部分は、張出部分と接触できる。そのため、第1部分は、張出部分より内側に位置する金属支持層の周縁と接触することが抑制される。
その結果、この容器は、配線回路基板の信頼性が低下することを抑制できながら、配線回路基板を収容することができる。
本発明(10)は、前記金属支持層の周縁は、前記ベース絶縁層に対して外側に張り出す第2張出部分を有し、前記周側壁は、前記第1部分が前記張出部分と接触するときに、前記第2張出部分と間隔が隔てられる第2部分を有することを、(9)に記載の容器を含む。
しかるに、第2張出部分は、金属支持層の周縁がベース絶縁層に対して外側に張り出すので、配線回路基板が容器に収容されるときに、第2張出部分が、周側壁に接触し易い。そのため、かかる接触によって異物を発生させ易い。
しかし、この容器は、第2張出部分と間隔が隔てられる第2部分を有するので、第2張出部分におけるベース絶縁層の損傷を抑制でき、異物の発生を抑制できる。
本発明(11)は、前記底壁は、前記金属支持層の周縁の内側部分と接触可能な接触部と、前記金属支持層の前記周縁との間に間隔が隔てられることが可能な間隔部とを含むことを、(9)または(10)に記載の容器を含む。
この容器において、底壁の接触部が、金属支持層の周縁の内側部分と接触して、配線回路基板の姿勢を維持できる。
一方、間隔部が、金属支持層の周縁との間に間隔が隔てられるので、金属支持層の周縁が、底壁に対して面方向に移動しても、これらの接触に起因する底壁の損傷(擦り傷)の発生を抑制できる。
本発明(12)は、(1)〜(8)のいずれか一項に記載の配線回路基板と、前記配線回路基板を収容し、(9)〜(11)のいずれか一項に記載の容器とを備えることを、基板収容セットを含む。
基板収容セットは、金属支持層の剛直性が必要な用途に用いられる配線回路基板を、容器によって、優れた信頼性で収容することができる。
本発明の容器および基板収容セットは、金属支持層の剛直性が必要な用途に用いられる本発明の配線回路基板を、優れた信頼性で収容することができる。
図1は、本発明の配線回路基板の第1実施形態の平面図である。 図2A〜図2Bは、図1に示す配線回路基板を示し、図2Aが、X−X線に沿う断面図、図2Bが、Y−Y線に沿う断面図である。 図3A〜図3Bは、図1に示す配線回路基板を収容するための容器を示し、図3Aが、平面図、図3Bが、X−X線に沿う断面図である。 図4A〜図4Bは、図1に示す配線回路基板と、図3Aに示す容器とを備える基板収容セットを示し、図4Aが、平面図、図4Bが、X−X線に沿う断面図である。 図5A〜図5Bは、図4A〜図4Bに示され、配線回路基板が移動したときの基板収容セットを示し、図5Aが、平面図、図5Bが、X−X線に沿う断面図である。 図6は、図4Bに示す基板収容セットの変形例(底壁が底壁突出部を有さない例)の断面図である。 図7は、図4Bに示す基板収容セットの変形例(周側壁が平坦部に垂直である例)の断面図である。 図8は、図4Aに示す基板収容セットの変形例(底壁突出部の数が3である例)の平面図である。 図9は、図4Aに示す基板収容セットの変形例(底壁突出部の数が4であり、それが平面視直線形状である例)の平面図である。 図10は、図4Aに示す基板収容セットの変形例(底壁突出部が略矩形枠形状である例)の平面図である。 図11A〜図11Bは、図3A〜図3Bに示す容器の変形例(底壁突出部が底壁の周端部に配置される例)を示し、図11Aが、平面図、図11Bが、X−X線に沿う断面図である。 図12は、図11A〜図11Bに示す容器を備える基板収容セットを示し、図12Aが、平面図、図12Bが、X−X線に沿う断面図である。 図13A〜図13Bは、図3A〜図3Bに示す容器の変形例(底壁突出部が2つの辺のそれぞれにわたって配置される例)を示し、図13Aが、平面図、図13Bが、Z−Z線に沿う断面図である。 図14は、図13A〜図13Bに示す容器を備える基板収容セットを示し、図14Aが、平面図、図14Bが、Z−Z線に沿う断面図である。 図15は、図4Aに示す基板収容セットの変形例(第2張出部分を備えない配線回路基板と、第2部分を備えない容器とを備える基板収容セットの例)の平面図である。 図16は、図15に示す基板収容セットのさらなる変形例(配線回路基板が基板突出部を備えない基板収容セットの例)の平面図である。 図17は、本発明の配線回路基板の第2実施形態(基板凹部を備える配線回路基板)の平面図である。 図18は、図17に示す配線回路基板を収容するための容器の平面図である。 図19は、図17に示す配線回路基板と、図18に示す容器とを備える基板収容セットの平面図である。 図20は、図19に示され、配線回路基板が移動したときの基板収容セットの平面図である。 図21は、本発明の基板収容セットの第3実施形態(基板本体部が張出部分を含む配線回路基板)の平面図である。 図22は、図21に示され、配線回路基板が移動したときの基板収容セットの平面図である。 図23は、本発明の基板収容セットの第4実施形態(基板角部が張出部分を含む配線回路基板)の平面図である。 図24は、図23に示され、配線回路基板が移動したときの基板収容セットの平面図である。
<第1実施形態>
本発明の配線回路基板、容器および基板収容セットの第1実施形態を、図1A〜図5Bを参照して、順に説明する。
なお、図3A、図4Aおよび図5Aでは、配線回路基板1、底壁62および周側壁63(いずれも後述)の相対配置を明確かつ簡単に把握するために、周側壁63を、1本の線のみで示している。
図4Aおよび図5Aでは、配線回路基板1、底壁62および周側壁63の相対配置を明確に示すために、導体層4(図1参照)を省略している。
[配線回路基板]
図1〜図2Bに示すように、この配線回路基板1は、上下方向に薄く、上下方向に直交する面方向に延びる略板形状を有する。また、この配線回路基板1は、平面視(上下方向に投影したときと同義)において、略矩形状を有する基板本体部5と、基板本体部5から外側(面方向外側)に突出する基板突出部6とを一体的に備える。
基板本体部5は、配線回路基板1の周縁の一例としての4つの基板辺部、すなわち、基板第1辺部11、基板第2辺部12、基板第3辺部13、および、基板第4辺部14を有する。また、基板本体部5は、4つの基板辺部の端部によって形成される4つの基板角部、すなわち、基板第1角部15、基板第2角部16、基板第3角部17、および、基板第4角部18を有する。
基板第1辺部11および基板第2辺部12は、第1方向(面方向に含まれる一方向)(対向方向の一例)において間隔を隔てて互いに対向する。基板第2辺部12は、基板第1辺部11に対して第1方向一方側に対向配置される。基板第1辺部11および基板第2辺部12のそれぞれは、第2方向(面方向に含まれ、第1方向に直交する方向)に沿って延びる。
基板第3辺部13は、基板第1辺部11の第2方向一端縁および基板第2辺部12の第2方向一端縁を連結する。基板第4辺部14は、基板第1辺部11の第2方向他端縁および基板第2辺部12の第2方向他端縁を連結する。基板第3辺部13および基板第4辺部14は、第2方向において間隔を隔てて互いに対向する。基板第3辺部13は、基板第4辺部14に対して第2方向一方側に対向配置される。基板第3辺部13および基板第4辺部14のそれぞれは、第1方向に沿って延びる。
基板第1角部15および基板第2角部16は、互いに対向する。具体的には、基板第1角部15および基板第2角部16は、第1方向一方側に向かうに従って第2方向他方側に傾斜する第1傾斜方向において、対向配置される。基板第1角部15は、基板第1辺部11の第2方向一端部および基板第3辺部13の第1方向他端部によって形成される。基板第2角部16は、基板第2辺部12の第2方向他端部および基板第4辺部14の第1方向一端部によって形成される。
基板第3角部17および基板第4角部18は、互いに対向する。具体的には、基板第3角部17および基板第4角部18は、第1方向一方側に向かうに従って第2方向一方側に傾斜する第2傾斜方向(第1傾斜方向に交差する傾斜方向)において、対向配置される。基板第3角部17は、基板第1辺部11の第2方向他端部および基板第4辺部14の第1方向他端部によって形成される。基板第4角部18は、基板第2辺部12の第2方向一端部および基板第3辺部13の第1方向一端部によって形成される。
基板本体部5における4つの基板角部のそれぞれは、直角をなす。
基板突出部6は、複数(4つ)の基板辺部(基板第1辺部11〜基板第4辺部14)に対応して複数(4つ)設けられる。複数の基板突出部6のそれぞれは、複数の基板辺部のそれぞれから外側に突出する。具体的には、複数の基板突出部6のそれぞれは、複数の基板辺部の中間部(基板辺部が延びる方向の中間部)(好ましくは、中央部)から外側に平面視略矩形状に突出する。
また、この配線回路基板1は、金属支持層2と、ベース絶縁層3と、導体層4とを上側に向かって順に備える。この配線回路基板1は、金属支持層2と、その上面に配置されるベース絶縁層3と、その上面に配置される導体層4とを備える。
金属支持層2は、面方向に延びる板形状を有する。金属支持層2は、面方向にわたって同一の厚みT1を有する。金属支持層2は、金属本体部25と、金属突出部26とを一体的に備える。
金属本体部25は、平面視において、基板本体部5に含まれる。金属本体部25は、金属支持層2における本体部(主要部)(支持本体部)であり、平面視矩形状を有する。金属本体部25は、金属辺27(金属支持層2の周縁の一例)および金属角部30(周縁の一例)を有しており、具体的には、4つの金属辺27と、4つの金属角部30とを有する。
4つの金属辺27のそれぞれは、基板第1辺部11、基板第2辺部12、基板第3辺部13、および、基板第4辺部14のそれぞれを形成(構成)する。
4つの金属角部30は、基板第1角部15、基板第2角部16、基板第3角部17、および、基板第4角部18のそれぞれを形成(構成)する。
図1において破線で示され、図2Aにおいて実線で示される金属突出部26は、平面視において、基板突出部6に含まれる。金属突出部26は、金属支持層2において金属本体部25から外側に突出する。金属突出部26は、ベース絶縁層3の後述する張出部分7(後述)を補助的に支持する支持部材でもある。
金属突出部26は、金属本体部25の4つの金属辺27から面方向外側に突出する。具体的には、金属突出部26は、金属本体部25の一の金属辺27の中間部(金属辺27が延びる方向の中間部)から面方向外側に向かって平面視略矩形状に突出する。金属突出部26は、1つの金属本体部25に対して、複数(例えば、4つ)設けられる。
複数の金属突出部26のそれぞれは、周縁の一例としての金属突出辺28(図1では破線で表示)および金属連結辺29を有する。
金属突出辺28は、金属本体部25の一の金属辺27に対して、外側に間隔が隔てられる。金属突出辺28は、対応する一の金属辺27に平行する。
金属連結辺29は、金属本体部25の一の金属辺27の中間部と、金属突出辺28とを連結する。金属連結辺29は、1つの金属突出辺28に対して2つ設けられる。具体的には、2つの金属連結辺29のそれぞれは、金属本体部25の一の金属辺27の中間部における2つの箇所のそれぞれと、金属突出辺28の両端縁のそれぞれとを、突出方向に連結する。
金属支持層2の材料は、金属系材料(具体的には、金属材料)から適宜選択して用いられる。具体的には、金属系材料としては、周期表で、第1族〜第16族に分類されている金属元素や、これらの金属元素を2種類以上含む合金などが挙げられる。金属系材料としては、遷移金属、典型金属のいずれであってもよい。より具体的には、金属系材料としては、例えば、カルシウムなどの第2族金属元素、チタン、ジルコニウムなどの第4族金属元素、バナジウムなどの第5族金属元素、クロム、モリブデン、タングステンなどの第6族金属元素、マンガンなどの第7族金属元素、鉄などの第8族金属元素、コバルトなどの第9族金属元素、ニッケル、白金などの第10族金属元素、銅、銀、金などの第11族金属元素、亜鉛などの第12族金属元素、アルミニウム、ガリウムなどの第13族金属元素、ゲルマニウム、錫などの第14族金属元素が挙げられる。これらは、単独使用または併用することができる。
好ましくは、第11族金属元素、これを含む合金が挙げられ、より好ましくは、優れた導電性を確保する観点から、銅、銅合金が挙げられる。
金属支持層2の厚みT1の下限は、50μm、好ましくは、75μm、より好ましくは、100μmである。また、金属支持層2の厚みT1の上限は、例えば、10mm、好ましくは、1mmである。
金属支持層2の厚みT1が上記した下限に満たなれば、この配線回路基板1を金属支持層2の剛直性が必要な用途に用いることができない。
一方、金属支持層2の厚みT1が上記した上限以下であれば、過大な厚みに起因する配線回路基板1の取扱性の低下を抑制できる。
金属支持層2の外形サイズは、特に限定されない。金属突出部26の突出長さL1の下限は、例えば、1μm、好ましくは、3μmである。金属突出部26の突出長さL1の上限は、例えば、50μm、好ましくは、30μmである。金属突出部26の突出長さL1は、具体的には、金属連結辺29の長さである。
なお、基板第1辺部11から突出する金属突出部26の第2方向長さ(幅)(金属突出辺28の長さ)L2と、基板第2辺部12から突出する金属突出部26の第2方向長さ(幅)(金属突出辺28の長さ)L2とは、同一である。基板第3辺部13から突出する金属突出部26の第1方向長さ(幅)(金属突出辺28の長さ)は、基板第4辺部14から突出する金属突出部26の第1方向長さ(幅)(金属突出辺28の長さ)より、短い。
金属辺27の長さ(両端縁間の長さ)L3に対する金属突出部26の幅L2の比(L2/L3)の下限は、例えば、0.1、好ましくは、0.2である。金属辺27の長さに対する金属突出部26の幅の比(L2/L3)の上限は、例えば、0.9、好ましくは、0.8である。
ベース絶縁層3は、面方向に延びる板形状を有する。ベース絶縁層3は、面方向にわたって同一の厚みT2を有する。ベース絶縁層3は、ベース本体部35と、ベース突出部36とを一体的に備える。
ベース本体部35は、ベース絶縁層3において導体層4と金属支持層2とを絶縁する本体部(主要部)(絶縁本体部)である。ベース本体部35は、金属本体部25より小さい平面視矩形状を有する。ベース本体部35は、上下方向に投影したときに、金属本体部25に含まれる。ベース本体部35は、ベース辺37(周縁の一例)、および、ベース角部40(周縁の一例)を有しており、具体的には、4つのベース辺37と、4つのベース角部40とを有する。
4つのベース辺37のそれぞれは、基板第1辺部11、基板第2辺部12、基板第3辺部13、および、基板第4辺部14のそれぞれを、4つの金属辺27のそれぞれとともに形成(構成)する。4つのベース辺37のそれぞれは、対応する4つの金属辺27のそれぞれより内側に位置する。これによって、4つの金属辺27が、4つのベース辺37より外側に張り出す第2張出部分8(後述)となる。
また、4つのベース角部40のそれぞれは、基板第1角部15、基板第2角部16、基板第3角部17、および、基板第4角部18のそれぞれを、4つの金属角部30のそれぞれとともに形成(構成)する。4つのベース角部40のそれぞれは、対応する4つの金属角部30のそれぞれより内側に位置する。これによって、4つの金属角部30が、4つのベース角部40より外側に張り出す第2張出部分8(後述)となる。なお、金属角部30の第2張出部分8は、金属辺27の第2張出部分8に含まれる(重複する)。
ベース突出部36は、平面視において、基板突出部6に含まれる。ベース突出部36は、ベース絶縁層3においてベース本体部35から外側に突出する。ベース突出部36は、ベース本体部35の4つのベース辺37から面方向外側に突出する。具体的には、ベース突出部36は、一のベース辺37の中間部から面方向外側に突出する。ベース突出部36は、1つのベース本体部35に対して、複数(例えば、金属突出部26と同数、好ましくは、4つ)設けられている。
複数のベース突出部36のそれぞれは、ベース絶縁層3の周縁の一例としてのベース突出辺38およびベース連結辺39を有する。
ベース突出辺38は、ベース本体部35の一のベース辺37に対して、外側に間隔が隔てられる。ベース突出辺38は、対応する一のベース辺37に平行する。
ベース連結辺39は、ベース本体部35の一のベース辺37の中間部(ベース辺37が延びる方向の中間部)と、ベース突出辺38とを連結する。ベース連結辺39は、1つのベース突出辺38に対して2つ設けられる。具体的には、2つのベース連結辺39のそれぞれは、ベース本体部35の一のベース辺37の中間部における2つの箇所のそれぞれと、ベース突出辺38の両端縁のそれぞれとを、突出方向に連結する。
そして、ベース突出部36において、ベース突出辺38を含むベース遊端部46は、金属突出部26の金属突出辺28から外側に張り出して(突出して)おり、張出部分7を形成する。張出部分7におけるベース突出辺38は、金属突出辺28に対して外側に位置する。張出部分7の下面は、下方に露出する。つまり、張出部分7の下側には、金属支持層2がない(配置されていない)。
一方、ベース突出部36のベース基端部45は、金属支持層2(の金属突出部26、および、その内側部分)と重複する。
配線回路基板1の周縁のうち、張出部分7以外の部分は、第2張出部分8を構成する。第2張出部分8は、金属支持層2の金属辺27(周縁)が、ベース絶縁層3のベース辺37(周縁)より外側に張り出す部分である。第2張出部分8は、4つの金属辺27および4つの金属角部28のそれぞれが、対応する4つのベース辺37および4つのベース角部38のそれぞれより外側に張り出す部分である。
この配線回路基板1の周縁では、周方向に沿って、張出部分7および第2張出部分8が交互に配置される。
なお、この第1実施形態では、4つの張出部分7のそれぞれは、配線回路基板1の基板第1辺部11、基板第2辺部12、基板第3辺部13、および、基板第4辺部14のそれぞれにおいて、最も外側に位置する。
ベース絶縁層3の材料としては、例えば、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂などの絶縁性樹脂が挙げられる。好ましくは、優れた耐熱性を確保する観点から、ポリイミド樹脂が挙げられる。
ベース絶縁層3の厚みT2の下限は、1μm、好ましくは、5μmである。ベース絶縁層3の厚みT2の上限は、例えば、100μm、好ましくは、50μmである。
ベース絶縁層3の厚みT2に対する金属支持層2の厚みT1の比(T1/T2)の下限は、例えば、5、好ましくは、10である。ベース絶縁層3の厚みに対する金属支持層2の厚みの比(T1/T2)の上限は、例えば、40、好ましくは、30である。
ベース絶縁層3の厚みT2に対する金属支持層2の厚みT1の比(T1/T2)が上記した下限以上であれば、金属支持層2をベース絶縁層3より格段に剛直にすることができる。
ベース絶縁層3の厚みT2に対する金属支持層2の厚みT1の比(T1/T2)が上記した上限以下であれば、厚い金属支持層2に対してベース絶縁層3の一定の厚みT2を確保できる。
ベース絶縁層3の外形サイズは、張出部分7を形成できれば、特に限定されない。ベース突出部36の突出長さL5の下限は、例えば、3μm、好ましくは、5μm、より好ましくは、10μmである。ベース突出部36の突出長さL5の上限は、例えば、150μm、好ましくは、100μm、より好ましくは、70μmである。ベース突出部36の突出長さL5は、具体的には、ベース連結辺39の長さである。
なお、基板第1辺部11から突出するベース突出部36の第2方向長さ(幅)(ベース突出辺38の長さ)L6と、基板第2辺部12から突出するベース突出部36の第2方向長さ(幅)(ベース突出辺38の長さ)L6とは、同一である。基板第3辺部13から突出するベース突出部36の第1方向長さ(幅)(ベース突出辺38の長さ)は、基板第4辺部14から突出するベース突出部36の第1方向長さ(幅)(ベース突出辺38の長さ)より、短い。
ベース辺37の長さ(両端縁間の長さ)L7に対するベース突出部36の幅L6の比(L6/L7)の下限は、例えば、0.1、好ましくは、0.2である。ベース辺37の長さ(両端縁間の長さ)L7に対するベース突出部36の幅L6の比(L6/L7)の上限は、例えば、0.9、好ましくは、0.8である。
金属突出部26の突出長さL1に対するベース突出部36の突出長さL5の比(L5/L1)の下限は、例えば、1.5、好ましくは、2、より好ましくは、3である。金属突出部26の突出長さL1に対するベース突出部36の突出長さL5の比(L5/L1)の上限は、例えば、1000、好ましくは、100である。
金属突出部26の幅L2に対するベース突出部36の幅L6の比(L6/L2)の下限は、例えば、0.1、好ましくは、0.5である。金属突出部26の幅L2に対するベース突出部36の幅L6の比(L6/L2)の上限は、例えば、10、好ましくは、2である。
上記した各比が上記した範囲内にあれば、張出部分7の折れを抑制でき、これによって、張出部分7に対応する金属支持層2の周縁が周側壁63と接触することを抑制できる。
張出部分7の張り出し長さL0の下限は、例えば、5μm、好ましくは、10μmである。張出部分7の張り出し長さL0の上限は、例えば、100μm、好ましくは、75μmである。張出部分7の張り出し長さL0は、ベース突出辺38および金属突出辺28間の張り出し長さ(距離)である。
張出部分7の張り出し長さLが上記した下限以上であれば、金属支持層2の周縁の周側壁63への接触をより一層抑制できる。
張出部分7の張り出し長さLが上記した上限以下であれば、張出部分7が周側壁63に接触したときに折れることを抑制し、これにより、金属支持層2の周縁の周側壁63への接触を確実に抑制できる。
ベース突出部36の突出長さL5に対する張出部分7の張り出し長さL0の比(L0/L5)の下限は、例えば、0.1、好ましくは、0.2である。ベース突出部36の突出長さL5に対する張出部分7の張り出し長さL0の比(L0/L5)の上限は、例えば、1、好ましくは、0.9である。
張出部分7の張り出し長さL0の比が、上記した下限以上、上限以下であれば、張出部分7が周側壁63に接触したときに、張出部分7が折れることを抑制できる。
張出部分7の厚みT2は、上記したベース絶縁層3の厚みT2と同様である。
張出部分7の厚みT2が上記した下限以上であれば、張出部分7が周側壁63に接触したときに折れることを抑制して、金属支持層2の周縁の周側壁63への接触をより一層抑制できる。
張出部分7の厚みT2が上記した上限以下であれば、配線回路基板1を薄型化できる。
導体層4は、ベース本体部35の上面に配置されている。導体層4は、配線48と、端子49とを有する。配線48は、第1方向に互いに間隔を隔てて複数配置される。複数の配線48のそれぞれは、第2方向に沿って延びる。端子49は、配線48の第2方向両端部に連続する。導体層4の材料としては、例えば、銅、銀、金、鉄、アルミニウム、クロム、それらの合金などが挙げられる。導体層4の材料として、好ましくは、良好な電気特性を得る観点から、銅が挙げられる。導体層4の厚みの下限は、例えば、1μm、好ましくは、5μmである。導体層4の厚みの上限は、例えば、50μm、好ましくは、30μmである。
この配線回路基板1を製造するには、例えば、まず、平板形状の金属シートを準備し、その後、上記した形状を有するベース絶縁層3および導体層4を順次形成する。その後、金属シートを外形加工して、金属支持層2を形成する。これにより、ベース絶縁層3の周縁が金属支持層2から張り出す張出部分7が形成される。これと同時に、金属支持層2の周縁がベース絶縁層3から張り出す第2張出部分8が形成される。
[容器]
図3A〜図3Bに示す容器61は、図1〜図2Bに示す配線回路基板1を収容するための基板収容用容器である。容器61は、有底筒形状を有する。具体的には、容器61は、底壁62と、底壁62の周縁から上側に延びる周側壁63とを一体的に有する。
底壁62は、平面視において、配線回路基板1よりわずかに大きい略矩形板形状を有する。底壁62は、間隔部の一例としての平坦部65と、接触部の一例としての底壁突出部66とを一体的に有する。
平坦部65は、面方向に延びる平坦状の上面を有する。
底壁突出部66の頂部は、平坦部65の上面に対して上側に位置する。底壁突出部66は、平坦部65の上面から上側に向かって突出する。底壁突出部66は、1つの平坦部65に対して、複数設けられる。複数の底壁突出部66は、底壁62において、互いに間隔を隔てて配置されている。複数の底壁突出部66は、底壁62の周端部より内側部分(周端部を含まない領域)に配置されている。例えば、4つの底壁突出部66が、底壁62において、中央部および第1方向一端部の間と、中央部および第1方向他端部の間と、中央部および第2方向一端部の間と、中央部および第2方向他端部の間とに配置されている。
複数の底壁突出部66のそれぞれは、平面視略円形状を有する。
なお、底壁62の4つの角部のそれぞれは、例えば、湾曲形状を有する。
周側壁63は、底壁62の周端縁から上側に向かって延びる。また、周側壁63は、第1方向に沿う断面視(図3B参照)、および、第2方向に沿う断面視(図3Bで図示されない)において、互いに対向する周側壁63間の長さが、上側に向かうに従って長くなる、略テーパー形状を有する。また、周側壁63は、断面視略半円弧形状を有する。
なお、周側壁63の傾斜角αは、例えば、下記式(1)を満足し、好ましくは、下記式(2)を満足し、より好ましくは、下記式(3)を満足する。
L0>T1×tanα (1)
L0>1.2×T1×tanα (2)
L0>1.5×T1×tanα (3)
(L0は、張出部分7の張り出し長さである。T1は、金属支持層2の厚みである。αは、周側壁63の傾斜角である。)
周側壁63の傾斜角αは、平坦部65の上面に対して直交する垂線Pと、周側壁63の内面IFとのなす角度である。
周側壁63の傾斜角α、張出部分7の張り出し長さL0、および、金属支持層2の厚みT1が、上記式を満足すれば、図5に示すように、張出部分7が周側壁63に接触する時に、張出部分7の内側の金属支持層2の金属突出辺28(周縁)が周側壁63と接触することを確実に抑制できる。
周側壁63は、底壁62の4つの辺に対応して、4つの側壁60を有する。4つの側壁60のそれぞれは、略平板形状を有する。
図4A〜図5Bに示すように、4つの側壁60のそれぞれには、配線回路基板1を収容するときに、張出部分7と接触可能な第1部分71と、第2張出部分8との間に間隔が隔てられることが可能な第2部分72とが区画される。つまり、4つの側壁60のそれぞれは、第1部分71および第2部分72からなる。具体的には、容器61が配線回路基板1を収容するときに、第1部分71が、張出部分7に対向する部分であり、また、第2部分72が、第2張出部分8に対向する部分である。
なお、図3A〜図3Bに示すように、また、この容器61は、鍔64をさらに含む。鍔64は、周側壁63の上端縁から外側に向かって広がる。鍔64は、容器61の把手である。
容器61の材料は、特に限定されず、例えば、樹脂、金属、セラミックスなどが挙げられる。好ましくは、優れた成形性を確保する観点、および、軽量化を図る観点から、樹脂が挙げられる。
しかるに、容器61の周側壁63に、金属支持層2の金属突出辺28(周縁)が接触(衝突)するときに、材料が樹脂である場合は、材料が金属やセラミックスである場合より、異物をより発生させ易い。
しかしながら、この第1実施形態では、後述するが、張出部分7が金属突出端面41より外側に張り出しているので、上記した接触(衝突)が抑制されており、そのため、上記した異物の発生が抑制されている。そのため、優れた成形性を確保する観点、および、軽量化を図る観点から、容器61の材料として、樹脂を好適に用いることができる。
[基板収容セット]
図4A〜図5Bに示すように、基板収容セット81は、上記した配線回路基板1と、これを収容する容器61とを備える。また、基板収容セット81は、上記した配線回路基板1および容器61を含む基板収容キット(あるいは、基板収容システム)でもある。
配線回路基板1は、容器61の底壁62に配置されている。具体的には、金属支持層2の下面が、底壁突出部66の上面に接触している。
他方、金属支持層2の下面は、平坦部65の上面と上下方向に間隔が隔てられる。また、金属支持層2の金属突出辺28(の下端部)は、底壁突出部66に接触せず、平坦部65と上下方向に間隔が隔てられる。
また、配線回路基板1は、容器61の周側壁63に囲まれるように配置されている。金属支持層1の周縁のうち、張出部分7が、周側壁63に最も近接しており、張出部分7と近接(対向)する周側壁63が、第1部分71となる。
一方、平面視において、周側壁63のうち、第1部分71以外の箇所が、第2部分72となる。第2部分72および第2張出部分8間の距離(対向長さ)は、第1部分71および張出部分7間の距離(対向長さ)より、長い。
この基板収容セット81を得るには、まず、上記した配線回路基板1および容器61を準備する。次いで、配線回路基板1を容器61の底壁62に配置する。なお、このとき、張出部分7が、周側壁63(第1部分71)に接触することが許容される。
そして、この配線回路基板1では、金属支持層2が50μm以上の厚みT1を有するので、金属支持層2を厚くすることができる。そのため、この配線回路基板1は、金属支持層1の剛直性が必要な用途に用いることができる。
一方、この配線回路基板1を容器61に収容して輸送して、これに起因する振動が配線回路基板1に伝達され、張出部分7が容器61の周側壁63と接触しても、張出部分7より内側に位置する金属支持層2の金属突出辺28(周縁)が、周側壁63と接触することを抑制できる。
例えば、図5A〜図5Bの矢印で示すように、基板収容セット81において、配線回路基板1が容器61に対して第1方向他方側および第2方向一方側に移動する場合を想定する。この場合には、基板第1辺部11および基板第3辺部13のそれぞれに対応する張出部分7は、周側壁63の第1部分71に接触する。このとき、上記した張出部分7より内側に位置する金属突出辺28が、第1部分71と間隔が隔てられる。そのため、金属突出辺28が、周側壁63と接触することに起因する異物の発生を有効に抑制できる。
他方、第2張出部分8では、金属支持層2の周縁(金属辺27、金属角部30)がベース絶縁層3より張り出す。そのため、配線回路基板1が容器61に収容されるときに、第2張出部分8における金属支持層2の周縁は、ベース絶縁層3よりも、周側壁63に近接する。その結果、異物を発生させ易い。
しかしながら、容器61が、第2張出部分8と間隔が隔てられる第2部分72を有するので、第2張出部分8におけるベース絶縁層3の損傷を抑制でき、異物の発生を抑制できる。
従って、この配線回路基板1は、金属支持層2の剛直性が必要な用途に用いられながら、信頼性に優れる。
そして、また、この基板収容セット81は、金属支持層1の剛直性が必要な用途に用いられる配線回路基板1を、容器61によって、優れた信頼性で収容することができる。
この配線回路基板1では、ベース絶縁層2の厚みT2に対する金属支持層の厚みT1の比(T1/T2)が5以上と大きいので、金属支持層2をベース絶縁層3より格段に剛直にすることができる。
一方、ベース絶縁層2の厚みT2に対する金属支持層2の厚みT1の比(T1/T2)が40以下であるので、厚い金属支持層2に対してベース絶縁層3の一定の厚みT2を確保できる。
この配線回路基板1では、張出部分7の張り出し長さL0が5μm以上であるので、張出部分7が周側壁63に接触したときに、金属支持層2の周縁の周側壁63への接触を確実に抑制できる。
この配線回路基板1では、張出部分7の張り出し長さL0が100μm以下であるので、張出部分7が周側壁63に接触したときに、張出部分7が折れることを抑制して、金属支持層2の周縁の周側壁63への接触を確実に抑制できる。
この配線回路基板1では、張出部分7の厚みT1が5μm以上であるので、張出部分7が周側壁63に接触したときに、金属支持層2の周縁の周側壁63への接触を確実に抑制できる。
この配線回路基板1では、張出部分7の厚みT1が50μm以下であるので、配線回路基板1の薄型化を図ることができる。
また、図5Aに示すように、配線回路基板1が、基板第1辺部11および基板第2辺部12の対向方向である第1方向に移動しても、基板第1辺部11および基板第2辺部12に含まれる張出部分7によって、かかる張出部分7より内側に位置する金属支持層2の周縁が、周側壁63と接触することを抑制できる。
また、容器61において、底壁62の複数の底壁突出部66が同じ高さであって、金属支持層2の周縁の内側部分と接触ることにより、配線回路基板1の水平姿勢を維持できる。
一方、平坦部65が、金属支持層2の周縁との間に上下方向に間隔が隔てられるので、金属支持層2の金属辺27(周縁)が、底壁62に対して面方向に移動しても、これらの接触に起因する底壁62の損傷(擦り傷)の発生を抑制できる。
<第1実施形態の変形例>
以下の各変形例において、上記した第1実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。また、各変形例は、特記する以外、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。さらに、第1実施形態および変形例を適宜組み合わせることができる。
図6に示すように、底壁62は、底壁突出部66を有さず、平坦部65のみを有することができる。この変形例では、金属支持層2の下面全面が、平坦部65の上面に接触する。
図1〜図5Bの第1実施形態は、図6の変形例より好適である。図6の変形例は、金属支持層2の周縁(金属辺27、金属角部30)が平坦部65に接触する。すると、かかる接触に起因する異物の発生を招来する。さらには、変形例における金属支持層2と底壁62との接触面積は、第1実施形態のそれより、大きい。そのため、かかる接触に起因する異物の発生を招来し易い。
他方、第1実施形態は、金属支持層2の周縁(金属辺27、金属角部30)は、平坦部65と上下方向に間隔が隔てられるので、上記した接触を抑制できる。また、金属支持層2は、その下面の一部が底壁突出部66に接触する。そのため、金属支持層2の下面および底壁突出部66の接触面積は、金属支持層2の下面全面が平坦部65に接触する図6の変形例のそれより、小さい。従って、上記した異物の発生を有効に低減できる。
図7に示すように、周側壁63は、平坦部65に対して垂直でもよい。
底壁突出66の数は、限定されない。例えば、底壁突出66の数は、図8に示すように、3でもよく、図9に示すように、4でもよい。
底壁突出部66の形状は、特に限定されず、図9に示すように、平面視略ストレート状でもよい。なお、底壁突出部66は、平面視において、矩形枠形状の4つの頂点が切り欠かれた形状を有する。
図10に示すように、底壁突出部66は、平面視略矩形枠形状を有してもよい。
図11Aおよび図13Aに示すように、底壁突出部66は、底壁62の周端部に配置されていてもよい。
図11A〜図12Bの変形例では、複数の底壁突出部66のそれぞれは、底壁62の4つの辺のそれぞれの中間部(好ましくは、中央部)を含む略矩形状を有する。また、底壁突出部66は、平面視において、底壁62の一辺から底壁62の中央部に向かって小さくなるテーパー形状を有する。
図12A〜図12Bに示すように、基板収容セット81では、配線回路基板1における基板突出部6、および、基板突出部6の近傍の基板本体部5の金属支持層2の下面が、底壁突出部66の上面に接触する。
他方、基板本体部5における中央部と、基板第1角部15、基板第2角部16、基板第3角部17および基板第4角部18と、基板第1辺部11、基板第2辺部12、基板第3辺部13、および、基板第4辺部14のそれぞれにおける両端部とにおける金属支持層2の下面は、平坦部65と上下方向に間隔が隔てられる。
図11A〜図12Bに示す変形例は、第1実施形態と同様に、金属支持層2と底壁62との接触面積を、図6の変形例より、小さくできるので、かかる接触に起因する異物の発生を有効に低減することができる。
図13A〜図14Bの変形例では、複数の底壁突出部66のそれぞれは、底壁62において互いに対向する2つの辺のそれぞれの全体を含む略矩形状を有する。複数の底壁突出部66のそれぞれは、底壁62における一の辺全体にわたり、これに沿う平面視略ストレート形状を有する。
図14A〜図14Bに示すように、基板収容セット81では、配線回路基板1における基板第3辺部13およびこれに対応する基板突出部6と、基板第4辺部14およびこれに対応する基板突出部6とが、底壁突出部66に接触する。また、基板第1角部15、基板第2角部16、基板第3角部17および基板第4角部18も、底壁突出部66に接触する。
一方、配線回路基板1における中央部と、基板第1辺部11(基板第1角部15および基板第3角部17を除く)およびこれに対応する基板突出部6と、基板第2辺部12(基板第2角部16および基板第4角部18を除く)およびこれに対応する基板突出部6とは、平坦部65と上下方向に間隔が隔てられる。
図13A〜図14Bに示す変形例も、第1実施形態と同様に、金属支持層2と底壁62との接触面積を、図6の変形例より、小さくできる。そのため、接触に起因する異物の発生を有効に低減することができる。
図15に示すように、配線回路基板1は、第2張出部分8を備えず、張出部分7のみを備えることができる。つまり、この配線回路基板1の周縁は、張出部分7からなる。張出部分7は、金属支持層2の4つのベース辺37のそれぞれの全体に相当する。
また、周側壁63は、配線回路基板1の張出部分7よりやや大きい相似形状を有する。
さらに、図16に示すように、配線回路基板1は、基板突出部6を備えず、基板本体部5のみを備えることができる。基板本体部5における4つの基板辺部のそれぞれが、張出部分7を有する。
第1実施形態では、張出部分7は、基板第1辺部11〜基板第4辺部14に設けられているが、例えば、図示しないが、基板第3辺部13および基板第4辺部14に設けず、基板第1辺部11および基板第2辺部12に設けることができる。
さらには、張出部分7を基板第2辺部12に設けず、基板第1辺部11のみに設けることもできる。この場合には、容器61の底壁62が、第1方向他方側に向かって下側に傾斜するときに、基板第1辺部11に対応する張出部分7が、下方に向かって滑り落ちて、張出部分7が側壁60(第1部分71)と接触(衝突)する。しかし、張出部分7の内側の金属支持層2の周縁が第1部分71と接触することを抑制できる。
また、図示しないが、配線回路基板1の形状は、上記に限定されず、例えば、平面視略三角形状、平面視略円形状、平面視略クロス字形状であってもよい。
また、容器61において、底壁62および/または周側壁63に、部分的に開口を形成することもできる。
<第2実施形態>
以下の第2実施形態において、上記した第1実施形態およびその変形例と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。また、第2実施形態は、特記する以外、第1実施形態およびその変形例と同様の作用効果を奏することができる。また、この第2実施形態は、上記した第1実施形態およびその変形例と適宜組み合わせることができる。
第2実施形態の配線回路基板1、容器61および基板収容セット81を、図17〜図20を参照して説明する。図19〜図20において、金属支持層2、ベース絶縁層3および容器61の相対配置を明確に示すために、周側壁63を省略している。
図17に示すように、第2実施形態では、配線回路基板1において、複数の基板突出部6のうちの一部を、基板凹部19に代えている。
図17および図19に示すように、配線回路基板1は、基板第3辺部13および基板第4辺部14のそれぞれから内側に凹む基板凹部19を備える。
基板凹部19は、金属支持層2における金属凹部41と、ベース絶縁層3におけるベース凹部42とを含む。
金属凹部41は、金属辺27から内側に向かって凹む。金属凹部41は、金属辺27より内側に位置する金属内側辺43(破線)を有する。金属内側辺43は、金属辺27に平行する。
ベース凹部42は、ベース辺37から内側に向かって凹む。ベース凹部42は、ベース辺37より内側に位置するベース内側辺44を有する。ベース内側辺44は、ベース辺37に平行する。
この第2実施形態でも、ベース内側辺44が、金属内側辺43に対して、外側に位置する。そのため、ベース内側辺44を含むベース遊端部46が、張出部分7となる。ベース内側辺44は、金属内側辺43に平行する。
一方、図18〜図19に示すように、容器61および基板収容セット81において、一の側壁60は、平坦側壁68と、平坦側壁68から面方向内側に突出する側壁突出部67とを有する。
側壁突出部67は、上下方向に延びる。側壁突出部67は、平坦側壁68の中間部(好ましくは、中央部)から平面視略半円弧形状となるように、内側に向かって突出する。側壁突出部67は、第1部分71である。平坦側壁68は、第2部分72である。
基板収容セット81では、配線回路基板1の基板凹部19における張出部分7と、容器61の側壁突出部67(第1部分71)とが、近接して対向配置される。
他方、基板凹部19に隣接する第2張出部分8と、容器61の平坦側壁68(第2部分72)とは、張出部分7および側壁突出部67(第1部分71)間の長さより長い長さ(間隔)が隔てられる。
図20の矢印に示すように、基板収容セット81において、配線回路基板1が容器61に対して第1方向他方側および第2方向一方側に移動する場合を想定する。この場合には、第2方向一方側の基板凹部19における張出部分7が、側壁突出部67(第1部分71)に接触する。同時に、基板第1辺部11に対応する張出部分7が、基板第1辺部11に対向する周側壁63(第1部分71)に接触する。このとき、上記した張出部分7より内側に位置する金属内側辺43は、周側壁63(第1部分71)と間隔が隔てられる。そのため、金属突出辺28が、周側壁63と接触することに起因する異物の発生を有効に抑制できる。
一方、基板第3辺部13における第2張出部分8における金属支持層2の金属辺27(周縁)は、ベース絶縁層3のベース辺37よりも、周側壁63(第2張出部分8)に近接する。そのため、かかる金属辺27は、周側壁63と接触しやすい。
しかし、この基板収容セット81では、第2張出部分8における金属支持層2の金属辺27は、周側壁63の第2部分72に対して間隔が隔てられることから、金属支持層2の金属辺27が周側壁63と接触することに起因する異物の発生を有効に抑制できる。
<第3実施形態>
以下の第3実施形態において、上記した第1実施形態、その変形例および第2実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。また、第3実施形態は、特記する以外、第1実施形態、その変形例および第2実施形態と同様の作用効果を奏することができる。また、この第3実施形態は、上記した第1実施形態、その変形例および第2実施形態と適宜組み合わせることができる。
図21に示すように、基板本体部5が張出部分7を備えることができる。具体的には、基板本体部5の基板第3辺部13が、張出部分7を含む。
基板第3辺部13における張出部分7では、ベース辺37が、金属辺27より外側(第2方向一方側)に配置されている。
一方、基板第3辺部13から突出する基板突出部6は、第2張出部分8を備える。
容器61において、基板第3辺部13に対向する側壁60は、平坦側壁68と、平坦側壁68の第1方向中間部から外側(第2方向一方側)に凹む側壁凹部69とを有する。この第3実施形態では、平坦側壁68が、第1部分71である。側壁凹部69が、第2部分72である。
側壁凹部69は、平面視において、第2張出部分8を形成する基板突出部6より大きい凹部である。具体的には、基板第3辺部13(張出部分7)が平坦側壁68(第1部分71)に接触するときに、側壁凹部69(第2部分72)が、第2張出部分8(基板突出部6)と間隔を隔てる。
第3実施形態でも、張出部分7が第1部分71に接触するときには、第2張出部分8が第2部分72と間隔が隔てられる。
なお、基板第1辺部11に対向する側壁60は、別の凹部70を有する。凹部70は、平面視略半円形状を有する。凹部70は、挿入溝である。具体的には、凹部70に、針状、鉤状などのピックアップ部材(図示せず)が挿入され、これにより、基板収容セット81から配線回路基板1が容易に取り出される。
<第4実施形態>
以下の第4実施形態において、上記した第1実施形態、その変形例、第2実施形態および第3実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。また、第4実施形態は、特記する以外、第1実施形態、その変形例、第2実施形態および第3実施形態と同様の作用効果を奏することができる。また、この第4実施形態は、上記した第1実施形態、その変形例、第2実施形態および第3実施形態と適宜組み合わせることができる。
図23に示すように、4つの張出部分7のそれぞれが、配線回路基板1の4つの基板角部(基板第1角部15〜基板第4角部18)のそれぞれに備えられる。4つの第2張出部分8のそれぞれが、配線回路基板1の4つの基板突出部6のそれぞれに備えられる。
4つの張出部分7のそれぞれは、4つのベース角部40のそれぞれに備えられる。4つの張出部分7のそれぞれは、平面視略L字形状を有する。
基板収容セット81の容器61において、側壁60は、平坦側壁68と、側壁凹部69とを有する。側壁凹部69が、第2部分72である。平坦側壁68が、第1部分71である。
そして、この第4実施形態でも、図24の矢印で示すように、配線回路基板1が、基板第1角部15および基板第2角部16の対向方向である第1傾斜方向に移動しても、基板第1角部15および基板第2角部16のベース角部40に含まれる張出部分7によって、かかる張出部分7より内側に位置する金属角部30が、周側壁63と接触することを抑制できる。
1 配線回路基板
2 金属支持層
3 ベース絶縁層
4 導体層
7 張出部分
8 第2張出部分
11 基板第1辺部
12 基板第2辺部
13 基板第3辺部
14 基板第4辺部
15 基板第1角部
16 基板第2角部
17 基板第3角部
18 基板第4角部
27 金属辺
28 金属突出辺
30 金属角部
37 ベース辺
38 ベース突出辺
40 ベース角部
43 金属内側辺
44 ベース内側辺
61 容器
62 底壁
63 周側壁
65 平坦部
66 底壁突出部
71 第1部分
72 第2部分
81 基板収容セット
L0 張出部分の張り出し長さ
T1 張出部分の厚み
T2 ベース絶縁層の厚み

Claims (12)

  1. 金属支持層、ベース絶縁層および導体層を上側に向かって順に備え、
    前記ベース絶縁層の周縁は、前記金属支持層に対して外側に張り出す張出部分を含み、
    前記金属支持層は、50μm以上の厚みを有することを特徴とする、配線回路基板。
  2. 前記ベース絶縁層の厚みに対する前記金属支持層の厚みの比が、5以上、40以下であることを特徴とする、請求項1に記載の配線回路基板。
  3. 前記張出部分の張り出し長さが、5μm以上、100μm以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の配線回路基板。
  4. 前記張出部分の厚みが、1μm以上、50μm以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の配線回路基板。
  5. 第1辺と、前記第1辺に対向する第2辺とを有する周縁を有し、
    前記第1辺および前記第2辺が、前記張出部分を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の配線回路基板。
  6. 第1角部と、前記第1角部に対向する第2角部とを有する周縁を有し、
    前記第1角部および前記第2角部が、前記張出部分を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の配線回路基板。
  7. 前記金属支持層の材料が、銅または銅合金であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の配線回路基板。
  8. 前記張出部分の材料が、ポリイミド樹脂であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の配線回路基板。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の配線回路基板を収容するための容器であって、
    底壁と、前記底壁の周縁から上側に延びる周側壁とを有し、
    前記周側壁は、前記配線回路基板が前記底壁に載置されるときに、前記張出部分と接触可能な第1部分を有することを特徴とする、容器。
  10. 前記金属支持層の周縁は、前記ベース絶縁層に対して外側に張り出す第2張出部分を有し、
    前記周側壁は、前記第1部分が前記張出部分と接触するときに、前記第2張出部分と間隔が隔てられる第2部分を有することを特徴とする、請求項9に記載の容器。
  11. 前記底壁は、
    前記金属支持層の周縁の内側部分と接触可能な接触部と、
    前記金属支持層の前記周縁との間に間隔が隔てられることが可能な間隔部とを含むことを特徴とする、請求項9または10に記載の容器。
  12. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の配線回路基板と、
    前記配線回路基板を収容し、請求項9〜11のいずれか一項に記載の容器と
    を備えることを特徴とする、基板収容セット。
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