JP2021032803A - 時計用部品および時計 - Google Patents

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Abstract

【課題】適度に艶感を抑えることができ、高級感を得られる時計用部品および時計を提供すること。【解決手段】時計用部品は、基材と、色吸収膜および色調整膜を有する加飾膜と、を備え、基材の加飾膜が配置される表面の算術平均粗さRaは0.02μm以上、かつ、0.1μm以下とされ、加飾膜の膜厚は0.25μm以上、かつ、1.0μm以下であり、表面の算術平均粗さRaに対する前記加飾膜の膜厚の比が2.5以上、かつ、25以下である。【選択図】図2

Description

本発明は、時計用部品および時計に関する。
特許文献1には、金属光沢部である基板上に、色調を調整する調色膜を積層した時計用部品が開示されている。
特許文献1の時計用部品では、金属光沢部および調色膜により外観の色調を調整することで、貴金属を主材料として用いなくても、審美性を優れたものにできるようにしている。
特開2018−124267号公報
特許文献1には、金属光沢部は、窒化物、炭化物、または金属材料を含む材料で構成され、調色膜は、金属酸化膜および無機酸化膜の群から選択される少なくとも1種を含む材料で構成されることは開示されるものの、表面の粗さについては言及されていない。そのため、特許文献1の時計用部品では、艶感が出過ぎてしまう、つまり、ギラツキが強くなり過ぎてしまい、高級感が得られにくくなってしまうといった問題がある。
本開示の時計用部品は、基材と、色吸収膜および色調整膜を有する加飾膜と、を備え、前記基材の前記加飾膜が配置される表面の算術平均粗さRaは0.02μm以上、かつ、0.1μm以下とされ、前記加飾膜の膜厚は0.25μm以上、かつ、1.0μm以下であり、前記表面の算術平均粗さRaに対する前記加飾膜の膜厚の比が2.5以上、かつ、25以下である。
本開示の時計用部品において、前記表面に、前記色吸収膜と前記色調整膜とがこの順に積層されていてもよい。
本開示の時計用部品において、前記加飾膜と前記表面との間に配置される接着層を有していてもよい。
本開示の時計用部品において、前記基材の材質は、金属、樹脂、または、ガラスであってもよい。
本開示の時計用部品において、前記色吸収膜は、窒化物、炭化物、または、金属を含む膜で構成されていてもよい。
本開示の時計用部品において、前記窒化物は、TiN、または、CrNであり、前記炭化物は、TiC、または、CrCであり、前記金属は、Ag、Pt、Au、Cu、Al、Cr、Sn、Fe、Ti、または、これらの合金であってもよい。
本開示の時計用部品において、前記色調整膜は、無機酸化膜を含む多層膜で構成されていてもよい。
本開示の時計用部品において、前記多層膜は、Ta、SiO、TiO、Al、ZrO、Nb、およびHfOよりなる群から選択される少なくとも1種を含む材料から構成される酸化物層を2層以上有していてもよい。
本開示の時計は、前記時計用部品を備える。
第1実施形態の時計を示す正面図。 第1実施形態の指針の要部を示す拡大断面図。 第2実施形態の指針の要部を示す拡大断面図。
[第1実施形態]
以下、本開示の第1実施形態の時計1を図面に基づいて説明する。
図1は、時計1を示す正面図である。本実施形態では、時計1は、ユーザーの手首に装着される腕時計として構成される。
図1に示すように、時計1は、金属製のケース2を備える。そして、ケース2の内部には、円板状の文字板10と、秒針3、分針4、時針5と、りゅうず7と、Aボタン8と、Bボタン9とを備える。なお、時針5は、本開示の時計用部品の一例である。
文字板10には、時刻を指示するためのアワーマーク6が設けられている。
[時針]
図2は、時針5の要部を示す拡大断面図である。なお、図2では、時針5を深さ方向に切断した断面図を示している。
時針5は、基材51と、加飾膜52とを備えて構成される。なお、本実施形態では、基材51は、全体にわたって加飾膜52に覆われている。すなわち、加飾膜52は、基材51の表面511全体を覆うように配置されている。
[基材]
基材51の材質は、鉄、真鍮、アルミニウム等の金属や、樹脂や、または、ガラス等から構成される。なお、基材51を樹脂により構成する場合、当該樹脂は、光を透過させない非透光性樹脂であってもよく、あるいは、光を透過させる透光性樹脂であってもよい。そして、基材51の表面511は、算術平均粗さRaが0.02μm以上、かつ、0.1μm以下となるように表面処理されている。表面処理の方法としては、特に限定されないが、例えば、ウェットブラスト、マイクロブラスト、電解研磨、ラビング処理等が挙げられる。なお、本実施形態の算術平均粗さRaは「JIS B 0601」に準拠するものである。
[加飾膜]
加飾膜52は、色吸収膜521と色調整膜522とを備えて構成され、基材51の表面511側に配置される。そして、加飾膜52の膜厚は、0.25μm以上、かつ、1.0μm以下とされている。これは、加飾膜52の膜厚が0.25μmよりも薄いと色調整の自由度が低くなり、また、1.0μmよりも厚いと膜応力で基材51が変形してしまうおそれがあるためである。なお、加飾膜52の膜厚は、0.3μm以上、かつ、0.5μm以下とされるのがより好ましい。
ここで、本実施形態では、基材51の表面511の算術平均粗さRaに対する加飾膜52の膜厚の比(膜厚/Ra)が2.5以上、かつ、25以下となるように、基材51および加飾膜52が形成されている。これは、上述した比が2.5より小さいと、表面511の粗さに対して膜厚が薄くなり、表面511の粗さの影響が大きくなり過ぎて、時針5の質感が粗くなり過ぎてしまうためである。また、上述した比が25よりも大きいと、表面511の粗さに対して膜厚が厚くなり、表面511の粗さの影響が小さくなって、時針5の質感に艶感が出過ぎてしまうためである。すなわち、上述した比が2.5以上、かつ、25以下となるように基材51および加飾膜52を形成することにより、時針5の質感として適度に艶感を抑えることができ、高級感を得られるようにすることができる。
[色吸収膜]
色吸収膜521は、基材51の表面511側に配置され、窒化物、炭化物、または、金属を含む膜で構成される。色吸収膜521を構成する窒化物としては、TiN、CrN等が好ましく、炭化物としては、TiC、CrC等が好ましい。また、色吸収膜521を構成する金属としては、Ag、Pt、Au、Cu、Al、Cr、Sn、Fe、Ti等や、これらの合金等が好ましい。
色吸収膜521は、金属感を演出し、かつ、明るさを調整する。色吸収膜521がTiNで構成される場合、時針5として高級感のある金色の外観を得ることができる。
さらに、色吸収膜521がTiCで構成される場合、時針5として高級感のある黒味を帯びた色の外観を得ることができる。
なお、色吸収膜521の形成方法としては、特に限定されないが、イオンアシスト蒸着、イオンプレーティング蒸着、真空蒸着、スパッタリング法等が挙げられる。
また、色吸収膜521の厚さは、0.03μm以上であることが好ましく、0.04μm以上であることがより好ましい。さらに、色吸収膜521は、単層で構成されていてもよく、また、複数の層で構成されていてもよい。色吸収膜521が複数の層で構成される場合、当該複数の層の間に、後述する酸化物層5221が配置されていてもよい。
[色調整膜]
色調整膜522は、基材51の表面511側に配置される。本実施形態では、基材51の表面511に、色吸収膜521と色調整膜522とがこの順に積層される。つまり、基材51の表面511と色調整膜522との間に色吸収膜521が配置される。色調整膜522は、光学干渉により色調を調整する。
また、色調整膜522は、無機酸化膜を含む多層膜で構成される。すなわち、色調整膜522は、複数の酸化物層5221を備える積層体として構成される。
酸化物層5221は、無機材料の酸化物で構成されたものであればよいが、Ta、SiO、TiO、Al、ZrO、Nb、およびHfOよりなる群から選択される少なくとも1種を含む材料から構成されることが好ましい。また、複数の酸化物層5221として、上述した群から選択される互いに異なる材料で構成された層として構成されることがより好ましい。これにより、時針5として表現することができる色調整の自由度を高くすることができる。また、上述した酸化物は、化学的安定性が高い材料であり、時針5としての外観の安定性や耐久性を高くすることができる。
なお、各酸化物層5221の形成方法としては、特に限定されないが、イオンアシスト蒸着、イオンプレーティング蒸着、真空蒸着、スパッタリング法等が挙げられる。
また、酸化物層5221は、2層以上であることが好ましく、3層以上であることがより好ましい。
[第1実施形態の作用効果]
このような本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
本実施形態では、時計用部品である時針5は、基材51と加飾膜52とを備える。基材51の加飾膜52が配置される表面511の算術平均粗さRaは0.02μm以上、かつ、0.1μm以下とされ、加飾膜52の膜厚は0.25μm以上、かつ、1.0μm以下である。そして、表面511の算術平均粗さRaに対する加飾膜52の膜厚の比が2.5以上、かつ、25以下である。
これにより、時針5の質感として適度に艶感を抑えることができ、高級感を得られるようにすることができる。
本実施形態では、基材51の表面511に色吸収膜521と色調整膜522とがこの順に積層される。これにより、表面511と色吸収膜521との間に、例えば、接着層等を形成しないので、加飾膜52の形成工程を簡素化することができる。
本実施形態では、基材51の材質は、金属、樹脂、または、ガラスを含む材料で形成される。これにより、例えば、基材51を鉄や真鍮等の金属により形成することにより、時針5の強度を高くすることができる。また、例えば、基材51を樹脂により形成することにより、時針5を軽量化しつつ、質感として高級感を得られるようにすることができる。
本実施形態では、色吸収膜521は、窒化物、炭化物、または、金属を含む膜で構成される。上記窒化物は、TiN、または、CrNであることが好ましく、上記炭化物は、TiC、または、CrCであることが好ましく、上記金属は、Ag、Pt、Au、Cu、Al、Cr、Sn、Fe、Ti、または、これらの合金であることが好ましい。これにより、時針5として高級感のある外観を得ることができる。
本実施形態では、色調整膜522は、無機酸化膜を含む複数の酸化物層5221で構成される。そして、酸化物層5221は、Ta、SiO、TiO、Al、ZrO、Nb、およびHfOよりなる群から選択される少なくとも1種を含む材料から構成される。これにより、時針5として表現できる色調の範囲をより広くできる。さらに、これらの無機酸化物は化学的安定性が高いので、時針5としての外観の安定性や耐久性を高くすることができる。
[第2実施形態]
次に、本開示の第2実施形態について、図3に基づいて説明する。第2実施形態では、基材51の表面511と色吸収膜521との間に接着層53Aが配置される点で、前述した第1実施形態と異なる。
なお、第2実施形態において、第1実施形態と同一または同様の構成には同一符号を付し、説明を省略または簡略する。
図3は、第2実施形態の時針5Aの要部を示す拡大断面図である。
図3に示すように、本実施形態の時針5Aは、基材51と加飾膜52と、接着層53Aとを備えて構成される。
接着層53Aは、基材51の表面511と加飾膜52の色吸収膜521との間に配置される。接着層53Aは、例えば、SiOやCr等から構成され、基材51の表面511と色吸収膜521との密着性を向上させる。
なお、接着層53Aの形成方法としては、特に限定されないが、イオンアシスト蒸着、イオンプレーティング蒸着、真空蒸着、スパッタリング法等が挙げられる。
[第2実施形態の作用効果]
このような本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
本実施形態では、基材51の表面511と色吸収膜521との間に配置される接着層53Aを有する。これにより、基材51から加飾膜52が剥離してしまうことを抑制でき、時針5Aの耐久性を向上させることができる。
次に、具体的な実施例について説明する。
[実施例1]
実施例1の時計用部品としての時針の製造方法について説明する。
まず、真鍮製の板材をプレス型抜きし、時針の形状を有する基材を作製する。そして、当該基材の一部をかしめて孔部を形成した。
次に、当該基材を洗浄した。基材の洗浄としては、まず、アルカリ電解脱脂を30秒間行い、次に中和を10秒間、水洗を10秒間、純水洗浄を10秒間行った。
次に、基材にNiメッキを施し、その後、基材の表面に表面処理を行った。具体的には、研磨材としてアルミナ材を用いてウェットブラスト処理を行った。結果として、表面の算術平均粗さRaは0.025μmであった。
次に、イオンアシスト蒸着により、基材の表面に加飾膜を形成し、時針を作製した。具体的には、色吸収膜として、1層目に厚さ0.080μmのCr層、3層目に0.007umのCr層を基材の表面側に積層させた。そして、色調整膜として、2層目に厚さ0.090μmのAl層、4層目に厚さ0.011μmのSiO層、5層目に厚さ0.100μmのAl層、6層目に厚さ0.070μmのSiO層を順に積層させた。すなわち、0.358μmの加飾膜を基材に積層させた。
なお、実施例1では、基材の表面の算術平均粗さRaに対する加飾膜の膜厚の比は、14.3となっていた。
[実施例2]
前述した実施例1と同様に、真鍮の板材を加工して基材を作製し、当該基材にNiメッキを施した。そして、当該基材にウェットブラスト処理を行った。実施例2では、表面の算術平均粗さRaは0.091μmであった。
そして、当該基材の表面に、実施例1と同じの加飾膜を形成して、時針を作製した。
なお、実施例2では、加飾膜の膜厚に対する、基材の表面の算術平均粗さRaの比は、3.9となっていた。
[実施例3]
前述した実施例1、2と同様に、真鍮の板材を加工して基材を作製し、当該基材にNiメッキを施した。そして、当該基材にウェットブラスト処理を行った。実施例3では、表面の算術平均粗さRaは0.098μmであった。
次に、イオンアシスト蒸着により、基材の表面に加飾膜を形成し、時針を作製した。具体的には、色吸収膜として、1層目に厚さ0.050μmのCr層、3層目に厚さ0.028μmのCr層、6層目に厚さ0.009μmのCr層を基材の表面側に積層させた。そして、色調整膜として、2層目に厚さ0.183μmのTiO層、4層目に厚さ0.056μmのAl層、5層目に厚さ0.009μmのTiO層、7層目に厚さ0.021μmのAl層、8層目に厚さ0.066μmのSiO層を色吸収層に順に積層させた。すなわち、0.422μmの加飾膜を基材に積層させた。
なお、実施例3では、基材の表面の算術平均粗さRaに対する加飾膜の膜厚の比は、4.3となっていた。
[比較例1]
比較例1の時計用部品としての時針の製造方法について説明する。
前述した実施例1〜3と同様に、真鍮の板材を加工して基材を作製し、当該基材にNiメッキを施した。ここで、比較例1では、基材の表面にウェットブラスト処理のような表面処理を行わなかった。そのため、比較例1では、基材の表面の算術平均粗さRaは0.009μmであった。すなわち、比較例1の基材の表面は、概ね鏡面となっていた。
そして、当該基材の表面に実施例1、2と同じの加飾膜を形成して、時針を作製した。
なお、比較例1では、基材の表面の算術平均粗さRaに対する加飾膜の膜厚の比は、39.8となっていた。
[比較例2]
前述した実施例1〜3および比較例1と同様に、真鍮の板材を加工して基材を作製し、当該基材にNiメッキを施した。そして、当該基材にウェットブラスト処理を行った。比較例2では、表面の算術平均粗さRaは0.226μmであった。
そして、当該基材の表面に、実施例1、2および比較例1と同じの加飾膜を形成して、時針を作製した。
なお、比較例2では、基材の表面の算術平均粗さRaに対する加飾膜の膜厚の比は、1.6となっていた。
[評価試験]
前述した実施例1〜3および比較例1、2の時針に対して、以下の評価試験を実施した。
[質感試験]
実施例1〜3および比較例1、2の時針に対して目視試験を行い、質感を評価した。
評価基準としては、適度に艶感が抑制され、高級感が得られる場合は「A」、表面の粗さが目立ち、光沢が少なすぎる場合は「B」、艶感が出過ぎており、ギラツキが強い場合は「C」とした。
[色調観察]
実施例1〜3および比較例1、2の時針に対して目視試験を行い、色調を観察した。
[質感試験結果]
表1に示すように、質感試験結果として、実施例1〜3の時針は「A」であり、適度に艶感が抑制され、高級感が得られることが示された。一方、比較例1は「C」であり、艶感が出過ぎており、ギラツキが強いこと示され、比較例2は「B」であり、表面の粗さが目立ち、光沢が少なすぎることが示された。
このことから、基材の表面の算術平均粗さRaを0.02μm以上、かつ、0.1μm以下とし、加飾膜の膜厚を0.25μm以上、かつ、1.0μm以下とし、さらに、加飾膜の膜厚に対する表面の算術平均粗さRaの比を2.5以上、かつ、25以下とすることにより、時針の質感を改善でき、高級感が得られることが示唆された。
[色調観察結果]
表1に示すように、実施例1、2および比較例1、2の時針の色調は青色であった。
また、実施例3の時針の色調は黒色であった。これらの色調は色吸収膜及び色調整膜の各層間の光学干渉によるものである。色調は各膜の材料や膜厚を変更することで変化させる事が出来る。
Figure 2021032803
[変形例]
なお、本開示は前述の各実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本開示に含まれるものである。
前述した各実施形態では、本開示の時計用部品は時針5、5Aとして構成されていたが、これに限定されない。例えば、本開示の時計用部品は、秒針、分針、文字板、ダイヤルリング、アワーマーク等の文字板に取り付けられる部品、ベゼル、表示板、ケース、裏蓋、バンド、りゅうず、ボタン、風防ガラス、ムーブメントを構成する部品等として構成されていてもよい。
また、前述した各実施形態では、加飾膜52は、基材51の表面511全体を覆うように配置されていたが、これに限定されない。例えば、ユーザーから視認可能な箇所にのみ加飾膜は配置されていてもよい。具体的には、例えば、時計用部品が文字板である場合には、文字板の風防ガラス側の面にのみ加飾膜が配置されていてもよい。
さらに、本開示の時計は、上述したように構成された時計用部品を複数備えていてもよい。
1…時計、2…ケース、3…秒針、4…分針、5,5A…時針(時計用部品)、6…アワーマーク、7…りゅうず、8…Aボタン、9…Bボタン、10…文字板、51…基材、52…加飾膜、511…表面、521…色吸収膜、522…色調整膜、53A…接着層、5221…酸化膜層。

Claims (9)

  1. 基材と、
    色吸収膜および色調整膜を有する加飾膜と、を備え、
    前記基材の前記加飾膜が配置される表面の算術平均粗さRaは0.02μm以上、かつ、0.1μm以下とされ、
    前記加飾膜の膜厚は0.25μm以上、かつ、1.0μm以下であり、
    前記表面の算術平均粗さRaに対する前記加飾膜の膜厚の比が2.5以上、かつ、25以下である
    ことを特徴とする時計用部品。
  2. 請求項1に記載の時計用部品において、
    前記表面に、前記色吸収膜と前記色調整膜とがこの順に積層される
    ことを特徴とする時計用部品。
  3. 請求項1に記載の時計用部品において、
    前記加飾膜と前記表面との間に配置される接着層を有する
    ことを特徴とする時計用部品。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の時計用部品において、
    前記基材の材質は、金属、樹脂、または、ガラスである
    ことを特徴とする時計用部品。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の時計用部品において、
    前記色吸収膜は、窒化物、炭化物、または、金属を含む膜で構成される
    ことを特徴とする時計用部品。
  6. 請求項5に記載の時計用部品において、
    前記窒化物は、TiN、または、CrNであり、
    前記炭化物は、TiC、または、CrCであり、
    前記金属は、Ag、Pt、Au、Cu、Al、Cr、Sn、Fe、Ti、または、これらの合金である
    ことを特徴とする時計用部品。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の時計用部品において、
    前記色調整膜は、無機酸化膜を含む多層膜で構成される
    ことを特徴とする時計用部品。
  8. 請求項7に記載の時計用部品において、
    前記多層膜は、Ta、SiO、TiO、Al、ZrO、Nb、およびHfOよりなる群から選択される少なくとも1種を含む材料から構成される酸化物層を2層以上有する
    ことを特徴とする時計用部品。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の時計用部品を備えることを特徴とする時計。
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