JP2021031371A - ガラス基板の処理方法 - Google Patents
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Abstract
Description
上記した液処理工程では、いずれもカバーガラスがカセットに保持された状態で処理される。しかし、カバーガラスの薄肉化に伴い、特に厚さが0.2mm以下の薄板ガラスでは、ガラスを安定して保持することが難しくなってきた。
例えば、特許文献1、2に記載されるような従来のカセットを用いてカバーガラスを保持させると、カバーガラスが自重や外力によって撓み、ガラス表面が周囲の部材に押し当てられて損傷することや、カセットからの脱落や破損等が生じるおそれがある。
互いに対向する1対の主面を有し、前記主面の面積Aと、前記1対の主面同士の間の厚さtとの比A/tが25000以上であるガラス基板を準備する工程と、
前記ガラス基板を前記主面が鉛直方向に略平行となる向きでガラス収容部に保持させる工程と、
前記ガラス基板を前記ガラス収容部に保持させたまま、前記ガラス基板を液処理する工程と、
を備えるガラス基板の処理方法であって、
前記ガラス収容部は、
前記ガラス基板の鉛直方向下方の下側周縁部を係止する第1支持部材、及び前記ガラス基板の前記下側周縁部より鉛直方向上方の上側周縁部を係止する第2支持部材により前記ガラス基板を支持するガラス支持部と、
前記ガラス支持部に支持された前記ガラス基板の厚さ方向一方の側と他方の側のそれぞれに設けられたガイド部材と、
を備え、
前記ガラス基板が平坦状である場合には、前記ガイド部材が前記ガラス基板の前記主面から離間し、
前記ガラス基板が撓んだ場合には、前記ガラス基板が前記第1支持部材と前記第2支持部材の少なくともいずれかとの係止が外れる前に、前記ガイド部材が前記ガラス基板の凸側の前記主面に接して、前記ガラス基板の撓みを抑制する、
ガラス基板の処理方法。
本発明に係るガラス基板の処理方法は、概略的には以下の工程を備える。
(1)互いに対向する1対の主面を有し、主面の面積Aと、1対の主面同士の間の厚さtとの比A/tが25000以上であるガラス基板を準備する工程。
(2)ガラス基板を主面が鉛直方向に略平行となる向きでガラス収容部に保持させる工程。
(3)ガラス基板をガラス収容部に保持させたまま、ガラス基板を液処理する工程。
ガラス支持部は、ガラス基板の鉛直方向下方の下側周縁部を係止する第1支持部材、及びガラス基板の下側周縁部より鉛直方向上方の上側周縁部を係止する第2支持部材を有し、ガラス基板を支持する。
ガイド部材は、ガラス支持部に支持されたガラス基板の厚さ方向一方の側と他方の側のそれぞれに設けられる。
<第1構成例>
図1は本発明に係るガラス基板の処理方法を説明する概略ブロック図である。
ここで例示するガラス基板の処理方法は、化学強化処理工程と、薬液処理工程とに大別される。化学強化処理工程は、更に化学強化工程11と、洗浄工程13とに分けられる。薬液処理工程は、更に酸処理工程15と、アルカリ処理工程17と、洗浄工程19とに分けられる。
ガラス基板21を溶融塩中で処理するため、ガラス基板21を支持する支持部材には耐薬性が求められる。また、支持部材とガラス基板21の間に停滞した塩が汚れとなって支持部材に付着してしまう。さらに、400℃付近の高温雰囲気でガラス基板21を処理するため、支持部材には耐熱性の材料を選定する必要がある。その他、高温処理後の降温時に、ガラス基板21の支持部材との接触部と非接触部とで、温度差を生じることや、溶融塩とガラス基板21の比重の差が小さいことにより、ガラス基板21が溶融塩等の液中での浮遊することを防止する必要がある。
図2はガラス基板の化学強化工程で使用される第1構成例のカセット25を模式的に示す概略斜視図である。図2においては、カセット25の説明を簡単化するために、カセット25を模式的に示しており、ガラス基板21の収容枚数や各部の寸法は、これに限らず任意である。
ガラス支持部31は、ガラス基板21の鉛直方向下方の下側周縁部である下辺33を係止する第1支持部材35、及びガラス基板21の下辺33より鉛直方向上方の上辺34及び側辺38を含む上側周縁部37を係止する第2支持部材39を有する。複数枚のガラス基板21は、第1支持部材35と第2支持部材39により所定の間隔を空けてガラス収容部29に支持される。ここでいう下側周縁部とは、ガラス基板21の鉛直方向の中心よりも下方の周縁部を意味する。
ガイド部材23は、ガラス支持部31に支持されたガラス基板21の厚さ方向(X方向)一方の側と他方の側で、それぞれ主面に対向して設けられる。それぞれのガイド部材23は、例えば線材を平面視でU字状やV字状に曲げて形成できる。
図3に示す第2支持部材39(第1支持部材35も同様)には、ガラス基板21の厚さtより大きな溝幅Pbの支持凹部41が形成される。支持凹部41にはガラス基板21の周縁部が挿入され、ガラス基板21を第1支持部材35及び第2支持部材39の軸方向に位置決めしつつ支持する。
ガイド部材23は、ガラス基板21の外周縁からガラス基板21の主面の中央に向けて張り出して設けられる。ガイド部材23がガラス基板21の側辺38から水平方向に張り出す場合、ガイド部材23の好ましい張り出し長さLaは、その張り出し方向におけるガラス基板21の幅Wの20%以上、より好ましくは30%以上であり、好ましくは幅Wの50%以下、より好ましくは40%以下である。
次に、上記した構成の作用を説明する。
図5は、ガイド部材23と変形時のガラス基板21との位置関係を表した要部平面図である。
ガラス支持部31は、対向する第2支持部材39の支持凹部41に、ガラス基板21の側辺38(図4参照)を係止する。このガラス基板21を係止した支持凹部41に隣接してガイド部材23が設けられる。
(第1、第2変形例)
図6(A)は第1変形例のガイド部材23の配置を示すカセットの要部平面図、図6(B)は第2変形例のガイド部材の配置を示すカセットの要部平面図である。
第1変形例のガイド部材23は、図6(A)に示すように、カセット本体27の片側の側部のみから張り出している。この場合、ガイド部材23は、張り出し方向の先端がガラス基板21の水平方向中央を越える張り出し長さを有することが好ましい。
図7(A)は第3変形例のガイド部材の配置を示すカセットの正面図、図7(B)は第4変形例のガイド部材の配置を示すカセットの正面図、図7(C)は第5変形例のガイド部材の配置を示すカセットの正面図、図7(D)は第6変形例のガイド部材の配置を示すカセットの正面図である。
図8は第7変形例のカセット25Aの斜視図である。
カセット25Aのカセット本体27は、複数のガラス基板21の上方に、ガラス基板21の浮き上がりを防止するストッパ部材43を設けてある。ストッパ部材43は、カセット本体27の上部に取り付けられ、X方向に沿う方向が長手方向となる桟材である。ストッパ部材43は、ガラス基板21の上辺34に接近又は接触させて、カセット本体27から着脱自在に固定される。ストッパ部材43をカセット本体27から取り外した状態でガラス基板21をカセット本体27に収容し、ガラス基板21の収容後に、ストッパ部材43をカセット本体27に固定する。
第2支持部材39の支持凹部41がV字状の溝である場合、各支持凹部41の溝内面が、ガラス基板21のY方向の両端部(側辺)を支持する。このとき、ガラス基板21のY方向両端部における1対のエッジに、支持凹部41の溝内面が接する状態が、1対の第2支持部材39同士の最小の軸間距離Lsaとなる。
以上、ガラス基板を化学処理する場合を説明した。次に、ガラス基板を薬液処理場合について説明する。
処理液に流れを付与するため、静水状態と比べてガイド部材によるガラス基板の保持力が必要となる。また、ガラス基板の主面の傷付きや汚れの付着を防止する必要がある
ただし、薬液処理工程では、第1支持部材47及び第2支持部材49並びにガイド部材51に、耐薬品性(耐酸性、耐アルカリ性)、耐熱性の有無は特に問題とならない。そのため、第1支持部材47及び第2支持部材49並びにガイド部材51の材料として、フッ素含有樹脂(PFA(パーフルオロアルコキシアルカン),PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等)やPP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)等の樹脂材料の使用が可能となる。また、ガラス基板とガイド部材との接触長さ(又は、接触点数、接触点の配置密度)は、化学強化工程の場合とは逆に、大きくすることが接触面圧を下げる観点で好ましい。
図11はガラス基板の薬液処理工程で使用される第2構成例のカセット45を模式的に示す概略斜視図である。図11においては、カセット45の説明を簡単化するために、カセット45を模式的に示しており、ガラス基板21の収容枚数や各部の寸法は、これに限らず任意である。
ガラス支持部31は、ガラス基板21の鉛直方向下方の下辺33を係止する第1支持部材47、及びガラス基板21の下辺33より鉛直方向上方の側辺38を係止する第2支持部材49を有する。
なお、第1支持部材35と第2支持部材39は、それぞれ3列以上配置してもよい。また、第1支持部材35は1列のみ配置した構成であってもよい。
本構成のカセット本体53に設けられるガイド部材51は、ステンレス鋼の線材が屈曲されることにより、平面視で略半円の環状に形成され、その線材の外表面に上記した樹脂材料のチューブが被せられる。
ガイド部材51は、線材である芯材55の表面がフッ素含有樹脂等の樹脂材料57で覆われている。
第2支持部材49には、複数の支持凹部41が溝幅Pbで形成される。また第2支持部材49には、複数のガイド部材51が配置される。各ガイド部材51は、ガラス基板21の厚さ方向(X方向)に沿って一定の配置間隔Pdで設けることが好ましい。ガイド部材51の配置間隔Pdは、第1構成例のガイド部材23の配置間隔Pa(図3参照)よりも短い。つまり、ガイド部材51は、第1構成例の場合よりもガラス基板21の近くに配置される。
ガイド部材51は、ガラス基板21の主面と平行な仮想面内に配置される。ガイド部材51は、上側の直線部51aと、直線部51aの両端から下方に向けて突出する曲線部51bとを有する平面視でD字形の形状を有する。このガイド部材51は、曲線部51bの、直線部51aの両端との接続位置で第2支持部材49に支持される。
ガイド部材51を、第1支持部材47と第2支持部材49に支持されたガラス基板21の板厚方向(X方向)からガラス基板21の主面に投影する。図15はガイド部材51とガラス基板21の主面とが重なり合う領域を陰影Sで表した2次元の投影像61を模式的に示す説明図である。
また同様に、投影像61の陰影Sをガラス基板21の鉛直方向(Z方向)に沿ってガラス基板21の水平辺67に投影(Pj_z)して、一次元の陰影水平分布を求める。この陰影水平分布における陰影存在領域69の合計幅Gwは、ガラス基板21の水平方向の幅Wの50%以上が好ましく、より好ましくは60%以上、更に好ましくは70%以上にするとよい。
次に、上記した構成の作用を説明する。
このガラス基板の処理方法では、液流中にガラス基板21が配置される薬液処理工程で、カセット45が、ガラス基板21をガラス支持部31及びガイド部材51により保持する。そして、ガイド部材51のガラス基板21との接触長さや接触点数を増加させることで、ガラス基板21の保持能力がより高められる。これにより、カセット45は、液処理中にガラス基板21に液流による外力が作用しても、ガラス基板21を傷付けることなく起立させた状態で保持し続ける。その結果、ガラス基板21の安定した処理が可能となる。
ガラス基板の処理方法は、図1に示す化学強化工程11、薬液処理工程である酸処理工程15、アルカリ処理工程17、及び洗浄工程19に適用したが、その他に、化学強化工程11後の洗浄工程13にも適用できる。その場合のカセットは、液を撹拌しない洗浄工程13では、第1構成例の化学強化工程と同様の構成とする。
上記の実施形態では薄板ガラスを支持する構成を例示しているが、これに限らない。本発明に係るガラス基板の処理方法によれば、主面の面積に対して厚さが十分に小さい、大判のガラス板についても同様に安定して支持できる。例えば、大型の液晶ディスプレイや、建造物の窓等に使用される一辺が例えば1000mmを超える大型のガラス板においては、重力によってガラス板が平坦状から変形しやすくなる。そのようなガラス板を液処理する際に、薄いガラス板の場合と同様に安定して保持できる。
(1) 互いに対向する1対の主面を有し、前記主面の面積Aと、前記1対の主面同士の間の厚さtとの比A/tが25000以上であるガラス基板を準備する工程と、
前記ガラス基板を前記主面が鉛直方向に略平行となる向きでガラス収容部に保持させる工程と、
前記ガラス基板を前記ガラス収容部に保持させたまま、前記ガラス基板を液処理する工程と、
を備えるガラス基板の処理方法であって、
前記ガラス収容部は、
前記ガラス基板の鉛直方向下方の下側周縁部を係止する第1支持部材、及び前記ガラス基板の前記下側周縁部より鉛直方向上方の上側周縁部を係止する第2支持部材により前記ガラス基板を支持するガラス支持部と、
前記ガラス支持部に支持された前記ガラス基板の厚さ方向一方の側と他方の側のそれぞれに設けられたガイド部材と、
を備え、
前記ガラス基板が平坦状である場合には、前記ガイド部材が前記ガラス基板の前記主面から離間し、
前記ガラス基板が撓んだ場合には、前記ガラス基板が前記第1支持部材と前記第2支持部材の少なくともいずれかとの係止が外れる前に、前記ガイド部材が前記ガラス基板の凸側の前記主面に接して、前記ガラス基板の撓みを抑制する、
ガラス基板の処理方法。
このガラス基板の処理方法によれば、ガラス基板は、第1支持部材で自重が支持され、第2支持部材でいずれかの主面側への倒れが規制され、起立姿勢で保持される。つまり、ガラス基板は外力を加えることなく自重だけで保持される。ガラス支持部には、ガイド部材が備えられる。ガイド部材は、ガラス基板が第1支持部材と第2支持部材の少なくともいずれかとの係止が外れる前に、ガラス基板の凸側の主面に接して、ガラス基板の撓みを抑制する。ガイド部材により撓みが抑制されて支持されたガラス基板は、ガラス収容部からの脱落による破損(割れ)を確実に防止できる。また、ガラス表面が大きく撓んで周囲の部材に押し当てられることがないため、ガラス基板の損傷が生じにくくなる。
このガラス基板の処理方法によれば、ガラス支持部及びガイド部材によって、厚さが0.2mm以下の薄板ガラスであっても、ガラス収容部に安定して保持できる。
このガラス基板の処理方法によれば、ガイド部材が線材から形成されることで、液流の妨げが生じにくく、ガラス基板の液処理をムラなく実施できる。
このガラス基板の処理方法によれば、ガラス基板の周縁部が支持凹部に挿入された状態でガラス基板が安定して支持される。また、第1支持部材と第2支持部材の各支持凹部によって、ガラス基板を任意に位置決めでき、支持姿勢を設定できる。
このガラス基板の処理方法によれば、ガラス基板が撓んだ場合に、張り出したガイド部材がガラス基板の凸側の主面の中央部分に接することで、ガラス基板の撓みを安定して規制できる。
前記ガラス収容部は、枠状又は箱状に形成されたカセット本体に、前記第1支持部材と前記第2支持部材がそれぞれ一方向に沿って架け渡されており、
複数枚の前記ガラス基板を、前記第1支持部材と前記第2支持部材との前記支持凹部に係止させて、互いに離間させて支持する、(4)又は(5)に記載のガラス基板の処理方法。
このガラス基板の処理方法によれば、ガラス基板は、第1支持部材と第2支持部材のそれぞれの支持凹部は、第1支持部材と第2支持部材の長手方向に複数形成されているので、複数のガラス基板を平行に支持できる。つまり、カセット本体は、複数枚のガラス基板を互いに離間させて一括して支持できる。
このガラス基板の処理方法によれば、カセット本体が液体中に配置されて、それぞれのガラス基板に浮力が発生しても、カセット本体の上方に設けたストッパ部材にガラス基板の上辺の周縁部が接することで、ガラス部材の浮き上がりが規制される。これにより、液体中においても安定したガラス基板の保持が可能となる。
このガラス基板の処理方法によれば、支持凹部の溝内面とガラス基板との間に適切な間隙が確保されて、ガラス基板を安定して支持できる。
このガラス基板の処理方法によれば、ガラス基板の配置間隔を、ガラス基板の厚さと主面の面積とに応じた適切な長さに設定でき、ガラス基板を安定して支持できる。
このガラス基板の処理方法によれば、ガイド部材を支持凹部の配置間隔より広い間隔で配置することで、隣接するガイド部材同士の間にガラス基板を支持できる。
このガラス基板の処理方法によれば、ガラス基板の鉛直方向上側にガイド部材が配置されるため、ガラス基板の撓みを効率よく規制でき、ガラス基板への接触面圧を低減できる。
このガラス基板の処理方法によれば、ガラス基板の鉛直方向上側にガイド部材が配置されるため、ガラス基板の撓みを効率よく規制でき、ガラス基板への接触面圧を低減できる。
このガラス基板の処理方法によれば、ガラス基板の一方の側辺と他方の側辺の双方からガイド部材がそれぞれ張り出して配置されるため、撓んだガラス基板をバランスよく支持できる。
このガラス基板の処理方法によれば、高温の溶融塩中にガラス基板が配置される化学強化処理において、ガラス基板をガラス支持部及びガイド部材によって、自重によりガラス基板を起立させた状態で保持できる。この保持状態では、ガラス基板は外力によって強制的に変形させていないため、化学強化処理によりガラス基板の表裏で応力差が発生せず、化学強化処理後のガラス基板の変形が抑制される。
このガラス基板の処理方法によれば、化学強化処理によって400℃付近の高温の処理温度に晒されても、第1支持部材及び第2支持部材並びにガイド部材の熱変形や劣化を防止できる。また、高い剛性のため、ガラス基板を安定して支持できる。
(16)前記ガラス基板の下辺から前記ガラス基板の鉛直方向の幅の45%の高さ未満の範囲に、前記ガイド部材よりも下方に配置される下方ガイド部材を更に設ける、(14)又は(15)に記載のガラス基板の処理方法。
このガラス基板の処理方法によれば、ガラス基板が撓む際に、ガラス基板の上辺側と下辺側が共にガイド部材に接触することで、より安定してガラス基板を支持できる。
このガラス基板の処理方法によれば、液流中にガラス基板が配置される薬液処理工程やその際の洗浄工程において、ガラス基板に液流による外力が作用しても、ガラス基板がガラス支持部及びガイド部材によって確実に保持される。
このガラス基板の処理方法によれば、第1支持部材及び第2支持部材並びにガイド部材に、樹脂材料を介してガラス基板が接触するため、ガラス基板の傷付きを防止できる。
このガラス基板の処理方法によれば、第1支持部材及び第2支持部材並びにガイド部材がフッ素含有樹脂で覆われるため、汚れや異物が付着しにくくなり、ガラス基板へ汚れや異物が転写されにくくなる。
前記投影像の陰影を前記ガラス基板の水平方向に沿って前記ガラス基板の鉛直辺に投影した一次元の陰影垂直分布における陰影存在領域の合計幅は、前記ガラス基板の鉛直方向の幅の50%以上であり、
前記投影像の陰影を前記ガラス基板の鉛直方向に沿って前記ガラス基板の水平辺に投影した一次元の陰影水平分布における陰影存在領域の合計幅は、前記ガラス基板の水平方向の幅の50%以上である、(17)〜(19)のいずれか1つに記載のガラス基板の処理方法。
このガラス基板の処理方法によれば、ガイド部材がガラス基板の主面と重なる領域が、ガラス基板の鉛直方向の幅と水平方向の幅のそれぞれ50%以上であることで、主面の半分以上の領域がガイド部材と当接するため、ガラス基板をより安定して支持できる。また、接触領域が増加することで、ガラス基板に損傷が及ぶことを抑制できる。よって、静水状態に近い化学強化処理とは異なり、ガラス基板が液流による外力を受ける薬液処理工程及び洗浄工程においても、ガラス基板とガイド部材との接触を増加させて、撓みを生じたガラス基板を損傷させずに確実に保持できる。
(20)に記載のガラス基板の処理方法。
このガラス基板の処理方法によれば、ガイド部材がガラス基板の主面中央を含む領域に接触することで、ガラス基板は、ガイド部材によって更に安定した形態で支持される。
13 洗浄工程(化学強化処理工程)
15 酸処理工程(薬液処理工程)
17 アルカリ処理工程(薬液処理工程)
19 洗浄工程(薬液処理工程)
21 ガラス基板
23,51 ガイド部材
25,45 カセット
25A カセット
27,53 カセット本体
29 ガラス収容部
31 ガラス支持部
33 下辺
34 上辺
37 上側周縁部
35,47 第1支持部材
37 上側周縁部
38 側辺
39,49 第2支持部材
41 支持凹部
41A 溝(支持凹部)
43 ストッパ部材
55 芯材
57 樹脂材料
Claims (21)
- 互いに対向する1対の主面を有し、前記主面の面積Aと、前記1対の主面同士の間の厚さtとの比A/tが25000以上であるガラス基板を準備する工程と、
前記ガラス基板を前記主面が鉛直方向に略平行となる向きでガラス収容部に保持させる工程と、
前記ガラス基板を前記ガラス収容部に保持させたまま、前記ガラス基板を液処理する工程と、
を備えるガラス基板の処理方法であって、
前記ガラス収容部は、
前記ガラス基板の鉛直方向下方の下側周縁部を係止する第1支持部材、及び前記ガラス基板の前記下側周縁部より鉛直方向上方の上側周縁部を係止する第2支持部材により前記ガラス基板を支持するガラス支持部と、
前記ガラス支持部に支持された前記ガラス基板の厚さ方向一方の側と他方の側のそれぞれに設けられたガイド部材と、
を備え、
前記ガラス基板が平坦状である場合には、前記ガイド部材が前記ガラス基板の前記主面から離間し、
前記ガラス基板が撓んだ場合には、前記ガラス基板が前記第1支持部材と前記第2支持部材の少なくともいずれかとの係止が外れる前に、前記ガイド部材が前記ガラス基板の凸側の前記主面に接して、前記ガラス基板の撓みを抑制する、
ガラス基板の処理方法。 - 前記ガラス基板の厚さは0.2mm以下である、
請求項1に記載のガラス基板の処理方法。 - 前記ガイド部材は、線材を曲げ加工して形成されている、請求項1又は2に記載のガラス基板の処理方法。
- 前記第1支持部材と前記第2支持部材は、前記ガラス基板の前記厚さより大きい溝幅の支持凹部が形成され、前記支持凹部に前記ガラス基板の周縁部が挿入されて前記ガラス基板を支持する、
請求項1〜3のいずれか1項に記載のガラス基板の処理方法。 - 前記ガイド部材は、前記ガラス基板の周縁部から前記主面の中央に向けて、前記支持凹部の溝深さよりも長く張り出している、請求項4に記載のガラス基板の処理方法。
- 前記第1支持部材と前記第2支持部材は、それぞれの長手方向に沿って複数の前記支持凹部が形成され、
前記ガラス収容部は、枠状又は箱状に形成されたカセット本体に、前記第1支持部材と前記第2支持部材がそれぞれ一方向に沿って架け渡されており、
複数枚の前記ガラス基板を、前記第1支持部材と前記第2支持部材との前記支持凹部に係止させて、互いに離間させて支持する、
請求項4又は5に記載のガラス基板の処理方法。 - 前記カセット本体の前記複数のガラス基板の上方に、前記ガラス基板の浮き上がりを防止するストッパ部材が設けられている、
請求項6に記載のガラス基板の処理方法。 - 前記支持凹部の前記ガラス基板の厚さ方向に沿った溝幅は、前記ガラス基板の厚さの10倍以上、300倍以下である、
請求項4〜7のいずれか1項に記載のガラス基板の処理方法。 - 前記ガラス基板の該ガラス基板の厚さ方向に沿った配置間隔は、前記ガラス基板の主面の面積を1対の主面同士の間の厚さで除算した値に対し、0.00006〜0.0006倍の範囲である、
請求項4〜8のいずれか1項に記載のガラス基板の処理方法。 - 前記ガイド部材が前記ガラス基板の厚さ方向に沿って配置される配置間隔は、前記支持凹部の溝幅より長く、前記ガラス基板の厚さの5000倍以下である、
請求項4〜9のいずれか1項に記載のガラス基板の処理方法。 - 前記ガイド部材の鉛直方向に関する配置位置は、前記ガラス基板の下辺から前記ガラス基板の鉛直方向の幅の45%の高さ以上、95%の高さ以下の範囲を含む、
請求項4〜10のいずれか1項に記載のガラス基板の処理方法。 - 前記ガイド部材が前記ガラス基板の一方の側辺から他方の側辺に向けて張り出す張り出し量は、前記ガラス基板の水平方向の幅の20%以上である、
請求項4〜11のいずれか1項に記載のガラス基板の処理方法。 - 前記ガラス基板の一方の側辺と他方の側辺から、それぞれ前記ガラス基板の主面中央に向けて張り出す一対の前記ガイド部材が設けられている、
請求項11又は12に記載のガラス基板の処理方法。 - 前記液処理する工程は、前記ガラス基板を化学強化処理する工程である、
請求項1〜13のいずれか1項に記載のガラス基板の処理方法。 - 前記第1支持部材及び前記第2支持部材並びに前記ガイド部材は、ステンレス鋼材により構成される、
請求項14に記載のガラス基板の処理方法。 - 前記ガラス基板の下辺から前記ガラス基板の鉛直方向の幅の45%の高さ未満の範囲に、前記ガイド部材よりも下方に配置される下方ガイド部材を更に設ける、
請求項14又は15に記載のガラス基板の処理方法。 - 前記液処理する工程は、化学強化処理後に実施される、液流を伴う薬液処理工程及び前記薬液処理工程で実施する洗浄工程である、
請求項1〜13のいずれか1項に記載のガラス基板の処理方法。 - 前記第1支持部材及び前記第2支持部材並びに前記ガイド部材は、少なくとも表面が樹脂材料で構成されている、
請求項17に記載のガラス基板の処理方法。 - 前記樹脂材料は、フッ素含有樹脂である、
請求項18に記載のガラス基板の処理方法。 - 前記ガイド部材を、前記ガラス支持部に支持されたガラス基板の板厚方向から前記ガラス基板の主面に投影して、前記ガイド部材と前記ガラス基板の主面とが重なり合う領域を陰影で表した2次元の投影像において、
前記投影像の陰影を前記ガラス基板の水平方向に沿って前記ガラス基板の鉛直辺に投影した一次元の陰影垂直分布における陰影存在領域の合計幅は、前記ガラス基板の鉛直方向の幅の50%以上であり、
前記投影像の陰影を前記ガラス基板の鉛直方向に沿って前記ガラス基板の水平辺に投影した一次元の陰影水平分布における陰影存在領域の合計幅は、前記ガラス基板の水平方向の幅の50%以上である、
請求項17〜19のいずれか1項に記載のガラス基板の処理方法。 - 前記陰影垂直分布及び前記陰影水平分布における前記陰影存在領域は、前記ガラス基板の主面中央が含まれている、
請求項20に記載のガラス基板の処理方法。
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