JPH1059454A - 板体収納保持装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 板体を撓ませることなく収納することがで
き、さらに板体の幅径の変化等に対応して板体の支持す
る位置を容易に変化させることのできる板体収納保持装
置を提供する。 【解決手段】 コ字形状の針金からなる板体支持体６の
両端部分が、板体保持用側板３における板体係合溝４下
方を挿通し、中央部分が板体保持用側板３内面に沿って
配設される。この板体支持体６における中央部分は、収
納する板体下面の端縁より内方部分を当接して撓ませる
ことなく支持することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、液晶ディスプレイ
用基板、ガラス板、合成樹脂板等の板体を収納保持して
工程作業や保管、搬送するために用いられる板体収納保
持装置に係り、特に板体を撓ませることなく収納するこ
とができる板体収納保持装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、液晶ディスプレイ用基板等の板体
を収納保持して工程作業や保管、搬送するに際しては、
板体が破損する虞れがないように、箱体や枠体の相対向
する１組の側板の内面に複数の板体係合溝を形成し、こ
の板体係合溝に板体の両端を係合させて収納するラック
を使用している。

【０００３】そして、液晶ディスプレイ用基板は、効率
的な多数個取り等による大型化の傾向及び軽量小型化に
よる薄肉化の傾向、さらにガラス基板以外に合成樹脂製
基板も使用されることにより、基板の両端を係合溝に係
合させて保持するラックにあっては、基板を水平に保持
した場合に基板中央部が撓む虞れがあった。このように
ラックに収納される基板が撓むことは、精密加工が施さ
れる基板自体にとって好ましくないことに加え、作業ロ
ボットによる基板の挿脱時に思わぬ事故が発生する虞れ
があった。そのため、基板が撓まないようになるべく基
板の中央寄りの部分を支持し、なおかつ水切り等を考慮
して接触する面積を極力小さくすべく線接触状態にて当
接するように、側板の板体係合溝の下に沿って先端に凸
部を設けた棚状の支持部材を突設したラックが用いられ
ている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のラックにあっては、板体係合溝と同数の支持部
材を側板に１個ずつ取り付ける多大な手間を要してい
た。さらに、収納する基板の幅径の変更に対応すべく側
板が移動して側板の間隔を変化させるラックにあって
は、側板の間隔の増大に応じて支持部材の突出量も増大
させて基板を撓ませないことが必要であるが、固定的な
支持部材にあっては不可能であり、また固定ネジ等を用
いて螺着する支持部材にあっては突出量の大きい支持部
材と交換することはできるものの、それには長さの異な
る多種の支持部材を揃える必要があるとともに、交換す
るのに多大な労苦と手間を要するものであった。

【０００５】そこで本発明にあっては、これらの課題を
解決すべく、板体を撓ませることなく収納することがで
き、さらに板体の幅径の変化等に対応して板体の支持す
る位置を容易に変化させることのできる板体収納保持装
置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明の板体収納保持装置は、相対向する１対
の上下面板、該上下面板間に間隔を設けて相対向して間
置され複数の板体係合部が内面に形成されて複数の板体
を挿脱自在に係合する１対の板体保持用側板、該板体保
持用側板における板体係合部下方に相対向して突設し板
体の下面に当接して板体の撓みを防止する板体支持体と
からなる板体収納保持装置において、前記板体支持体は
両端部分を曲折してなるコ字形状の針金からなり、この
両端部分は前記板体保持用側板における板体係合部下方
を挿通し中央部分は前記板体保持用側板内面に沿って配
設されるとともに、この板体支持体における中央部分は
収納する板体下面の端縁より内方部分を当接して支持す
ることを特徴とするものである。

【０００７】また、板体支持体は板体保持用側板を移動
自在に挿通して板体保持用側板内面からの突出量を適宜
設定し得る構成としてもよい。

【０００８】また板体支持体はその中央部分のみが収納
する板体に当接するように折曲してもよい。

【０００９】また、板体支持体の表面には合成樹脂材を
被覆してもよい。

【００１０】

【発明の実施の形態】図１及び図２は、液晶ディスプレ
イ用基板、ガラス板、合成樹脂板等の板体を収納保持し
て工程作業や保管、搬送するために用いられる本発明の
板体収納保持装置を示している。この板体収納保持装置
１は主に合成樹脂材からなり、一定間隔を設けて相対向
する上下面板２と、この上下面板２間に間隔を設けて間
置され相対向する内面に収納する板体Ｂを係合する板体
係合溝４を水平方向に複数形成した板体保持用側板３
と、上下面板２の一端縁間に配設され板体Ｂの端縁が当
接するストッパー部材５と、各板体係合溝４の下方部分
に穿設された穴部３ａを両端部分が移動自在に挿通し、
中央部分が板体保持用側板３内面に沿って配設される略
コ字形状の板体支持体６と、この板体支持体６の両端部
分をそれぞれ片側ずつ一体的に固定し板体保持用側板３
間を移動自在な固定部材７とから構成されている。

【００１１】前記板体支持体６は、図３に示す如く、略
コ字形状に成形されてなる断面が略円形状の金属製（本
実施例にあってはステンレス製）の針金からなり、板体
係合溝４と略平行に位置する中央部分６ａのみが板体Ｂ
に当接するように、両端部分６ｂ近傍を折曲して中央部
分６ａを持ち上げている。さらに、板体収納保持装置１
に板体Ｂを収納する際に、板体先端が板体支持体６の折
曲部６ｃにぶつかることを防ぐべく、板体支持体６の中
央部分６ａ両端を下方に傾斜させて板体が導入されやす
いテーパー部分を形成している。

【００１２】そして、特に図示しないが、収納する際に
板体Ｂが板体支持体６と擦れて損傷することがないよう
に、板体支持体６の外周を耐熱性、耐薬品性そして強度
を備えたシリコン樹脂、ＰＴＦＥ等のフッ素樹脂等によ
りコーティング若しくは被覆してもよい。このように、
板体支持体６を断面が略円形状のステンレス等の針金か
ら構成することにより、支持する板体との線接触状態が
容易に得られ、また棚状の合成樹脂製の支持部材を用い
る従来のラックと比較して、板体収納保持装置を軽量化
させることができるとともに、板体支持体６の成形に際
しても、合成樹脂用の射出成形金型より低廉なプレス型
等を用いることができることから製造コストの低減化に
大いに寄与するものである。

【００１３】前記固定部材７は、複数の板体支持体６の
両端部分６ｂをそれぞれ片側ずつ一体的に固定するとと
もに、板体保持用側板３間を板体支持体６と一体的に移
動自在で且つ板体保持用側板３間の適宜な位置に固定ネ
ジ等の適宜の固定手段により固定される。

【００１４】この固定部材７により一体的に固定された
複数の板体支持体６は、図４に示す如く、板体保持用側
板３の板体係合溝４の下方部分に穿設された穴部３ａを
移動自在に挿通し、収納した板体Ｂが撓まなくなる位置
において固定される。すなわち、板体Ｂの幅径が増大す
るほど板体保持用側板３に対する板体支持体６の突出量
を増大させて板体Ｂのより中央に近い部分を支持するこ
とで、板体Ｂは撓むことなく水平に保持されるものであ
る。

【００１５】図５は、本発明の板体収納保持装置１の他
の実施例を示し、板体Ｂを係合する板体保持用側板３に
おける板体係合部として、前述した板体係合溝を形成せ
ずに、板体Ｂの下面をコ字形状の針金からなる板体支持
体６が支持するとともに、この板体支持体６と対称的に
板体Ｂの上面についても同じくコ字形状のステンレス製
の針金からなる板体保持体８が上方から押さえること
で、板体保持体８と板体支持体６とで板体Ｂを挟持状態
にて保持している。

【００１６】この板体保持体８は、板体支持体６と対称
に中央部分が下がるように折曲するとともに、板体支持
体８の中央部分両端を上方に傾斜させて板体Ｂが導入さ
れやすいテーパー部分を形成している。また板体保持体
８は、板体支持体６と異なり板体Ｂの自重を支えること
なく上から押さえるだけなので、撓み防止のために移動
する必要がなく板体保持用側板３に固定される構造とし
ている。

【００１７】尚、上述した実施例にあっては、板体が水
平に収納保持される板体収納保持装置１について説明し
たが、勿論このような位置関係のみに限定されるもので
はなく、本発明の板体収納保持装置１を９０度回転して
板体が垂直に収納される構成としてもよいものである。

【００１８】また板体支持体は、固定部材により一体的
に固定されているが、この固定手段にあっても限定され
るものではなく、板体支持体を固定部材を用いずにＥリ
ングや適宜な固定手段にて１つずつ板体保持用側板に移
動自在に固定してもよいものである。

【００１９】

【発明の効果】以上詳述した如く、本発明の板体収納保
持装置によれば、板体支持体は両端部分を曲折してなる
コ字形状の針金からなり、この両端部分は板体保持用側
板における板体係合部下方を挿通し中央部分は板体保持
用側板内面に沿って配設されるとともに、この板体支持
体における中央部分は収納する板体下面の端縁より内方
部分を当接して支持することにより、収納する板体を撓
ませることなく線接触状態にて確実且つ簡単に保持する
ことができる。

【００２０】また、板体支持体が板体保持用側板を移動
自在に挿通して板体保持用側板内面からの突出量を適宜
設定する場合には、収納する板体の幅径の変化等に対応
して板体支持体は板体保持用側板に対する突出量を容易
に変化させることができ、これにより板体の好適な位置
を保持して板体を撓ませることなく保持することができ
るとともに、従来のラックの如き長さの異なる多種の板
体支持体を揃える必要がなくなるものである。

【００２１】また、板体支持体がその中央部分のみが収
納する板体に当接するように折曲した場合には、板体支
持体は接触面積がより小さい線接触状態にて板体を支持
することができるから、板体の洗浄工程等における水切
りや乾燥等にとって水が除去され易く極めて好適とな
る。

【００２２】 板体支持体の表面に合成樹脂材を被覆し
た場合には、板体は収納する際に板体支持体と擦れて損
傷する虞れなく確実に収納される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の板体収納保持装置の斜視図である。

【図２】本発明の板体収納保持装置の要部断面図であ
る。

【図３】本発明の板体収納保持装置における板体支持体
の斜視図である。

【図４】本発明の板体収納保持装置の要部断面図であ
る。

【図５】本発明の板体収納保持装置の他の実施例を示す
要部断面図である。

【符号の説明】

１ 板体収納保持装置 ２ 上下面板 ３ 板体保持用側板 ３ａ 穴部 ４ 板体係合溝 ５ ストッパー部材 ６ 板体支持体 ６ａ 中央部分 ６ｂ 両端部分 ７ 固定部材 ８ 板体保持体 Ｂ 板体

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 相対向する１対の上下面板、該上下面板
   間に間隔を設けて相対向して間置され複数の板体係合部
   が内面に形成されて複数の板体を挿脱自在に係合する１
   対の板体保持用側板、該板体保持用側板における板体係
   合部下方に相対向して突設し板体の下面に当接して板体
   の撓みを防止する板体支持体とからなる板体収納保持装
   置において、前記板体支持体は両端部分を曲折してなる
   コ字形状の針金からなり、この両端部分は前記板体保持
   用側板における板体係合部下方を挿通し中央部分は前記
   板体保持用側板内面に沿って配設されるとともに、この
   板体支持体における中央部分は収納する板体下面の端縁
   より内方部分を当接して支持することを特徴とする板体
   収納保持装置。
2. 【請求項２】 板体支持体は板体保持用側板を移動自在
   に挿通して板体保持用側板内面からの突出量を適宜設定
   し得ることを特徴とする請求項１記載の板体収納保持装
   置。
3. 【請求項３】 板体支持体はその中央部分のみが収納す
   る板体に当接するように折曲してなることを特徴とする
   請求項１記載の板体収納保持装置。
4. 【請求項４】 板体支持体の表面には合成樹脂材を被覆
   してなることを特徴とする請求項１記載の板体収納保持
   装置。