JP2021027725A - 回転電機 - Google Patents

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Tatsuya Kobayashi
達也 小林
野間 啓二
Keiji Noma
啓二 野間
憲一 齋藤
Kenichi Saito
憲一 齋藤
裕也 櫻井
Hironari Sakurai
裕也 櫻井
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Abstract

【課題】共用部品によりターン数を変更できる回転電機を提供する。【解決手段】円筒状のステータコア11と、ステータコア11の径方向に沿ってステータコア11に設けられた複数のコアティース11T2と複数のコアティース11T2の少なくとも1本にそれぞれ巻回された複数のコイル12とを備えた回転電機100であって、複数のコイル12は、それぞれが複数のコアティース11T2の少なくとも1本に巻回された2本以上の導線(メインワイヤ12Mとサブワイヤ12S)により構成され、2本以上の導線(メインワイヤ12Mとサブワイヤ12S)の各端部は、回転電機100の電気回路ECにおける接点PU,PV,PWを構成する。【選択図】 図10

Description

本発明は、回転電機に関する。
回転電機ではその用途に応じて様々な出力や回転速度が求められるため、用途毎に異なる部品が利用されるのが一般的である。そのため、仕様の異なる回転電機で部品を共用化できれば部品製作面や部品調達面で有利となる。
特許文献1には、コイルを接続する導電部材を保持する保持部材を共用部品とすることで、回転電機の結線構造をY結線とデルタ結線のいずれかに変更可能な回転電機が開示されている。
特開2007−244008号公報
特許文献1の回転電機は、2つの結線構造(Y結線とデルタ結線)のいずれか一方を選択できるにすぎないので、対応可能な仕様は2パターンに限られる。
しかし、回転電機の用途は上記の2パターンの仕様で対応可能な用途に限られず、さらに多くの仕様で部品を共用化できる回転電機の構造が望まれているが、回転電機の電気的・磁気的特性がこれを困難にしている。
例えば、体格・入力電圧が同じ回転電機において定格回転速度を異ならせたい場合、コイル(巻き線)のターン数または結線数を変えなければならない。結線数が同じ場合、その定格回転速度が倍違うのであれば、必要なターン数は半分となる。そのため、ターン数の多い回転電機の仕様に合わせて部品を共用化すると、定格回転速度の高い回転電機として用いる場合には、コイルに発生する誘起電圧が大きくなり回転電機を定格回転速度で駆動できない場合がある。さらに、入力電圧が異なる場合でも、体格や定格回転速度を同じにしようとすれば、ターン数で調整せざるを得ない。
このように、回転電機の電気的・磁気的特性により、複数の異なる仕様を1つの回転電機で実現することは困難である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は用途に応じて巻線仕様を容易に変更可能な回転電機を提供することにある。
上記目標を達成するために、本発明は、円筒状のステータコアと、前記ステータコアの径方向に前記ステータコアに設けられた複数のコアティースと、前記複数のコアティースの少なくとも1本に絶縁部材を介してそれぞれ巻回された複数のコイルとを備えた回転電機であって、前記複数のコイルは、それぞれが前記複数のコアティースの少なくとも1本に巻回された2本以上の導線により構成され、前記2本以上の導線の各端部は、前記回転電機の電気回路における接点を構成する。
本発明によれば、要求される回転電機の仕様に応じて回転電機の巻線仕様を容易に変更できる。上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明に係る回転電機の片側断面図である。 本発明の第1実施形態に係るステータを軸方向から見た模式図である。 本発明の第1実施形態に係るステータにおける接点を第1接続パターンに結線した第1電気回路の模式図である。 本発明の第1実施形態に係るステータにおける接点を第2接続パターンに結線した第2電気回路の模式図である。 本発明の第2実施形態に係るコイルを構成する2本の導線を示す模式図である。 本発明の第3実施形態に係るボビンの形状を示す正面図である。 本発明の第4実施形態に係るボビンの形状を示す正面図である。 本発明の第5実施形態に係るステータコアのコアティースに巻線ノズルを用いてコイルを巻回することを示す斜視図である。 本発明の第5実施形態に係るステータコアのコアティースに巻線ノズルによりコイルを巻回している状態を示す斜視図である。 本発明の第6実施形態に係る電気回路の接点の構成を示す電気回路図である。 本発明の第6実施形態に係る電気回路の接点を第1接続パターンで接続した第1電気回路図である。 本発明の第6実施形態に係る電気回路の接点を第2接続パターンで接続した第2電気回路図である。 本発明の第6実施形態に係る電気回路の接点を第3接続パターンで接続した第3電気回路図である。 本発明の第6実施形態に係る電気回路の接点を第4接続パターンで接続した第4電気回路図である。 本発明の第6実施形態に係る電気回路の接点を第1〜第4接続パターンで接続した場合におけるターン数と入力電圧と定格回転速度を示した表である。
以下、図面を用いて、本発明の第1〜第6の実施形態による回転電機の構成及び動作について説明する。なお、各図において、同一符号は同一部分を示す。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態による回転電機100の片側断面図である。回転電機100は、固定子(ステータ)1と、回転子(ロータ)2と、回転軸(シャフト)3と、軸受(ボールベアリング)4と、負荷側エンドブラケット5と、反負荷側エンドブラケット6と、ハウジング7と、端子箱8と、ファン9と、エンドカバー10を備える。
ステータ1は円筒状の部品で、ステータコア11とコイル12とボビン13と備える。ステータコア11は、コアティース部材11Tとコアバック11Bを備える。コイル12は、ボビン13を介してコアティース部材11Tに巻回されている。
ロータ2はマグネット2Mとロータコア2Cを備え、ステータ1の中空部に配置され、エアギャップを介してステータ1の内周と対向する。
回転軸(シャフト)3は、ロータ2と結合し一体となって回転する回転軸であり、回転電機100の回転駆動力を、負荷側に接続された被駆動機器(例えば、ポンプ、射出成型機等)へと伝達する。軸受(ボールベアリング)4はシャフト3の負荷側と反負荷側の両方に設けられ、負荷側エンドブラケット5と反負荷側エンドブラケット6に形成された段付穴に外輪が嵌入し、内輪に嵌入したシャフト3を回転自在に支持する。
負荷側エンドブラケット5は、エンドブラケット取付ネジ14によりハウジング7に組み付き、ボールベアリング4を介してシャフト3を支持する。反負荷側エンドブラケット6は、エンドブラケット取付ネジ14によりハウジング7に組み付き、ボールベアリング4を介してシャフト3を支持する。
ハウジング7は、ステータ1を覆い保護する円筒状の部品で、内部にステータ1が固定されている。また、両端には、それぞれ負荷側エンドブラケット5と反負荷側エンドブラケット6がエンドブラケット取付ネジ14により組み付けられている。また、ハウジング7の外周壁には回転電機100を冷却するためのフィン7Fが形成されているとともに、端子箱8が設けられている。
端子箱8は、電源と接続する電線と回転電機100とを接続する端子(図示せず)を内部に備える。
ファン9は、反負荷側エンドブラケット6から突出したシャフト3の先端に取り付けられ、シャフト3とともに回転して、回転電機100を冷却する。
エンドカバー10は、ファン9を覆い保護する部材で、エンドカバー取付ネジ15により反負荷側エンドブラケット6に取り付けられている。
図2は、本実施形態に係るステータを軸方向から見た模式図である。図2に示すように、本実施形態に係るステータ1は、磁気回路を構成する1個のステータコア11と、電気回路を構成する12個のコイル12(12U,12V,12W)と、ステータコア11とコイル12を絶縁する12個のボビン13と備えた12スロットの固定子である。
ステータコア11は電磁鋼板を積層することにより形成され、コアティース部材11Tとコアバック11Bにより構成される。コアティース部材11Tには、1個の円筒部11T1と12個のコアティース11T2が設けられ、円筒部11T1からステータコア11の外径方向に12個のコアティース11T2が均等角度に設けられている。なお、円筒部11T1は、ロータ2に対して磁束を多く放出するとともに渦電流の発生を低減するため、径方向の厚さが、コアティース11T2が設けられている部分から離れるにしたがって薄くなるように形成されている。
コアバック11Bは円筒形状で、内周壁には軸方向に延伸する12個の溝11B1が均等角度に形成されている。溝11B1のそれぞれにコアティース11T2の先端を嵌入させることにより、コアティース部材11Tとコアバック11Bは組み付いている。
コイル12(12U,12V,12W)は、ボビン13を介してコアティース部材11Tの12個のコアティース11T2の1本に集中巻により巻回された2本の導線で、メインワイヤ12M(12MU,12MV,12MW)とサブワイヤ12S(12SU,12SV,12SW)により構成される。
詳細には、コイル12は3相交流のUVW相に区分され、U相のコイル12U4本と、V相のコイル12V4本と、W相のコイル12W4本とにより構成される。そして、コイル12U,12V,12Wは1本ごとに各UVWの順で周方向に配列されている。
また、コイル12Uはメインワイヤ12MUとサブワイヤ12SUにより構成され、コイル12Vはメインワイヤ12MVとサブワイヤ12SVにより構成され、コイル12Wはメインワイヤ12MWとサブワイヤ12SWにより構成されている。そして、メインワイヤ12MU,12MV,12MWとサブワイヤ12SU,12SV,12SWの各端部は、電気回路の接点を構成する。
また、メインワイヤ12Mとサブワイヤ12Sは、導線ごとにステータコア11の径方向に分離してコアティース部材11Tのコアティース11T2に巻回され、ターン数の多いメインワイヤ12Mがステータコア11の内径側に、ターン数の少ないサブワイヤ12Sがステータコア11の外径側に配置されている。なお、メインワイヤ12Mとサブワイヤ12Sは、同じ線径となっている。
ボビン13は、コアティース部材11Tのコアティース11T2を覆い、コアティース11T2とコイル12を絶縁する角筒状の絶縁部材で、ステータコア11の内径側に巻回されたコイル12が崩れることを防止する内径鍔部13I、ステータコア11の外径側に巻回されたコイル12が崩れることを防止する外径鍔部13Oがそれぞれ設けられている。
このように構成されたステータ1は、次にように組み立てられる。まず、ボビン13にコイル12を巻回する。このとき、メインワイヤ12Mをボビン13の内径鍔部13I側、サブワイヤ12Sをボビン13の外径鍔部13O側にステータコア11の径方向に分離して巻回する。そして、メインワイヤ12Mとサブワイヤ12Sを巻回した12個のボビン13を、コアティース部材11Tの12本のコアティース11T2に挿入する。そして、コアバック11Bの溝11B1にコアティース部材11Tのコアティース11T2の先端を嵌入してコアティース部材11Tとコアバック11Bを組み付ける。
次に、本実施形態に係る複数のコイル12を構成する複数の導線(メインワイヤ12Mとサブワイヤ12S)の各端部により構成される電気回路の接点を結線する接続パターンを変更することにより、複数のコイル12のターン数と結線構造を変更可能であることを示す。
図3は、本実施形態に係るステータ1における接点を第1接続パターンに結線した第1電気回路の模式図であり、メインワイヤ12MをY結線で接続した例を示す。なお、本実施形態では結線構造がY結線であるため、メインワイヤ12Mの巻初めの端部(接点PM1)が共通接続点COMに接続されており、この部分の接続パターンは本実施形態では共通するため図示せず省略する。また、UVW相の各接続パターンは同じ接続パターンとなるため、U相のみ示しV,W相については省略する。
図3に示すように、ステータ1は渡り線16Uを備える。渡り線16Uは、電源のU相と接続する電線CUとコイル12Uを結ぶ電線で、4本のメインワイヤ12MUの巻終わり12MUEの端部(接点PMU2)と電線CUの接点PCUに接続する。このように、4本のメインワイヤ12MUの巻初めの端部(接点PMU1)をそれぞれ共通接続点COMに接続し(図示せず)、4つの接点PMU2を並列に接点PCUに接続する接続パターン(第1接続パターン)にすることにより、4本のメインワイヤ12MUを並列にY結線した第1電気回路を構成することができる。
図4は、本実施形態に係る本実施形態に係るステータ1における接点を第2接続パターンに結線した第2電気回路の模式図である。なお、図3に示した第1電気回路と同様に、結線構造がY結線であるため、メインワイヤ12Mの巻初めの端部(接点PM1)が共通接続点COMに接続されており、この部分の接続パターンは本実施形態では共通するため図示せず省略する。また、UVW相の各接続パターンは同じ接続パターンとなるため、U相のみ示しV,W相については省略する。
図4に示すように、メインワイヤ12MUの巻終わり12MUEの端部(接点PMU2)と、サブワイヤ12SUの巻初め12SUSの端部(接点PSU1)を接続することにより、メインワイヤ12MUとサブワイヤ12SUを直列に接続する。そして、4本のサブワイヤ12SUの巻終わり12SUEの端部(接点PSU2)と電線CUの接点PCUを渡り線16Uに接続する。このように、メインワイヤ12Mの巻初めの端部(接点PMU1)を共通接続点COMに接続し、接点PCUに接点PSU1を直列に接続し、接点PSU2を並列に接点PCUにする接続パターン(第2接続パターン)にすることにより、4本のメインワイヤ12MUとサブワイヤ12SUを直列に接続した4本のコイル12Uを並列にY結線した第2電気回路を構成することができる。
なお、本実施形態では結線構造がY結線となるように接点を結線したが、結線構造がデルタ結線となるように接点を結線してもよい。
本実施形態に係る回転電機100は、複数のコイル(本実施形態では12本のコイル12)のそれぞれが複数のコアティース(本実施形態では12本のコアティース11T2)の少なくとも1本に巻回された2本以上の導線(本実施形態ではメインワイヤ12Mとサブワイヤ12S)により構成され、2本以上の導線の各端部が回転電機100の電気回路における接点P(本実施形態ではメインワイヤの接点PMとサブワイヤの接点PS)を構成する。そのため、回転電機に同じハウジングと固定子コアを用いた場合にも、複数のメインワイヤ12Mとサブワイヤ12Sの端部を適宜結線して巻線仕様(例えば、ターン数、結線構造)を変更することにより回転電機100の仕様を要求に応じて容易に変更できる。また、回転電機100の製造後の巻線仕様の変更も容易であるため、1台の回転電機を異なる用途に用いることができ、回転電機100の汎用性を向上できる。
なお、使用中の回転電機100は、複数のコイル(本実施形態では12本のコイル12)を構成する複数の導線(本実施形態ではメインワイヤ12Mとサブワイヤ12S)の各端部(本実施形態ではメインワイヤの接点PMとサブワイヤの接点PS)が、所定の接続パターンにより結線されていることとなる。例えば、接続パターンを変更することにより、複数のコイルのターン数が変更可能である。具体的には、本実施形態ではメインワイヤ12Mのみのターン数NMからメインワイヤ12Mとサブワイヤ12Sを直列に結線したコイル12のターン数(NM+NS)に変更でき、その逆の変更もできる。そのため、電気回路を構成するコイルのターン数を共用部品により変更できるため、容易に仕様の異なる回転電機を製造できる。
また、接続パターンを変更することにより、複数のコイルの結線構造が変更可能である。具体的には、本実施形態ではコイルの結線構造をY結線とデルタ結線に交互に変更できる。そのため、電気回路の結線構造を共用部品により変更できるため、容易に仕様の異なる回転電機を製造できる。
また、回転電機100は、2本以上の導線(本実施形態ではメインワイヤ12Mとサブワイヤ12S)が導線ごとにステータコア11の径方向に分離して複数のコアティース(本実施形態では12本のコアティース11T2)の少なくとも1本に巻回されている。そのため、メインワイヤ12Mのみが結線される第1接続パターンの場合でも、12本のメインワイヤ12Mのそれぞれからロータ2に放出される磁束は均等で、ロータ2の回転ムラの発生を防止することができる。また、メインワイヤ12Mからロータ2に対して放出される磁束に対するサブワイヤ12Sの影響を抑止することができる。
また、回転電機100は、2本以上の導線(本実施形態ではメインワイヤ12Mとサブワイヤ12S)のうち、ステータコアの内径側に配置された導線(本実施形態ではメインワイヤ12M)のターン数が、ステータコア11の外径側に配置された導線(本実施形態ではサブワイヤ12S)より多い。そのため、ターン数が多く発生磁束が大きいメインワイヤ12Mがロータ2の近くに位置し、漏れ磁束や減衰量が低減するので、回転電機の効率を向上できる。
また、複数のコイル(本実施形態では12本のコイル12)が集中巻により複数のコアティース(本実施形態では12本のコアティース11T2)の1本にそれぞれ巻回されている。そのため、構造がシンプルで製造コストを削減することができる。
(第2実施形態)
図5は、本発明の第2実施形態に係るコイルを構成する2本の導線を示す模式図である。なお、本実施形態は、第1実施形態と異なる点以外については、第1実施形態と同一構成を備え、図中の同一符号は同一または相当部分を示す。
本実施形態が第1実施形態と異なる点は、2本以上の導線(本実施形態ではメインワイヤ12Mとサブワイヤ12S)が導線ごとにステータコア11の径方向に分離して、複数のコアティース(本実施形態では12本のコアティース11T2)の少なくとも1本に巻回され2本以上の導線(本実施形態ではメインワイヤ12Mとサブワイヤ12S)のうち、ステータコアの内径側に配置された導線(本実施形態ではサブワイヤ12S)のターン数が、前記ステータコアの外径側に配置された導線(本実施形態ではメインワイヤ12M)のターン数より少ない点である。即ち、図5に示すように、メインワイヤ12Mとサブワイヤ12Sは、メインワイヤ12Mがステータコア11の外径側に配置され、サブワイヤ12Sがステータコア11の内径側に配置されるように、ボビン13を介してコアティース部材11Tのコアティース11T2に巻回される。
このように配置されたステータ1は、ステータコア11の内径側に配置された導線のターン数が、ステータコア11の外径側に配置された導線のターン数より少なくなる。そのため、内径側の巻厚を薄くし、外径側の巻厚を厚くでき、コアティース11T2に巻回された複数のコイルのうちステータコア11の周方向において隣り合ったコイルの間にできる隙間を狭小化できステータコア11内における巻線の占積率を増加できる。
(第3実施形態)
図6は、本発明の第3実施形態に係るボビンを示す側面図である。なお、本実施形態は、第1実施形態と異なる点以外については、第1実施形態と同一構成を備え、図中の同一符号は同一または相当部分を示す。
本実施形態が第1実施形態と異なる点は、図6に示すように、ボビン13の胴部13Bにメインワイヤ12Mとサブワイヤ12Sを隔てる少なくとも1つ中央鍔部13Cが設けられている点である。即ち、ボビン13は、ステータコア11の径方向に沿って間隔をあけて配列される3つ以上の鍔部(本実施形態では、内径鍔部13Iと外径鍔部13Oと1つの中央鍔部13C)を有し、2本以上の導線(本実施形態ではメインワイヤ12Mとサブワイヤ12S)は、3つ以上の鍔部のうちステータコアの径方向において隣り合う2つ以上の鍔部の間(本実施形態では内径鍔部13Iと中央鍔部13Cの間と、外径鍔部13Oと中央鍔部13Cの間)に導線ごとに巻回されている。
このように導線をコアティース11T2に巻回すると、1本のコアティース11T2に対して複数の導線を分離して巻回することが容易になる。
(第4実施形態)
図7は、本発明の第4実施形態に係るボビンを示す側面図である。なお、本実施形態は、第1実施形態と異なる点以外については、第1実施形態と同一構成を備え、図中の同一符号は同一または相当部分を示す。
本実施形態が第1実施形態と異なる点は、図7に示すように、ボビン13が、メインワイヤ12Mを巻回するメインボビン13Mと、サブワイヤ12Sを巻回するサブボビン13Sに分離されている点である。即ち、複数のコイル(本実施形態では12本のコイル12)は、複数のコアティース(本実施形態では12本のコアティース11T2)の1本に複数のボビン(本実施形態ではメインボビン13Mとサブボビン13S)を介してそれぞれ巻回されており、複数のボビンは、ステータコア11の径方向に沿って並ぶように複数のコアティースの1本に取り付けられており、2本以上の導線(本実施形態ではメインワイヤ12Mとサブワイヤ12S)は、複数のボビン(本実施形態のメインボビン13Mとサブボビン13S)のそれぞれに導線ごとに巻回されている。
このように導線ごとにボビンが異なると、2本以上の導線を同時に巻回することができ、巻線に要する時間を短縮できる。
(第5実施形態)
図8は本発明の第5実施形態に係るステータコアのコアティースに巻線ノズルを用いてコイルを巻回することを示す斜視図である。なお、本実施形態は、第1実施形態と異なる点以外については、第1実施形態と同一構成を備え、図中の同一符号は同一または相当部分を示す。
本実施形態が第1実施形態と異なる点は次のとおりである。
(1)ステータコア11がコアティース部材11Tとコアバック11Bに分割されることなく一体となっている。
(2)コアティース部11Tが円筒部11T1を備えずスロットオープン11T3を備える。
(3)コイル12とステータコア11を絶縁する部材がボビン13ではなくスロットライナー18である。
(4)メインワイヤ12Mとサブワイヤ12Sがステータコア11の径方向に分離してコアティース11T2に巻回おらず、コアティース11T2にひとまとめに巻回される。
本実施形態に係るステータ1は、ステータコア11と、コイル12(メインワイヤ12Mとサブワイヤ12S)と、ステータコア11とコイル12を絶縁するスロットライナー18を備える。
ステータコア11は電磁鋼板を積層することにより形成され、コアバック部11Bとコアティース部11Tが設けられている。コアバック部11Bは円筒状の部分で、内周壁には軸方向に延伸し内径方向に突出する12個のコアティース部11Tが等間隔に設けられている。
コアティース部11Tは、コアバック部11Bから内径方向に突出するコアティース11T2と、コアティース11T2の先端に備わり周方向の両側に突出する円弧状の先端部11T4が設けられている。先端部11T4は、隣の先端部11T4との間にスロットオープン11T3が形成されている。
図9は、本実施形態に係るステータコア11のコアティース部11Tのコアティース11T2に巻線ノズル17によりコイル12を巻回している状態を示す斜視図である。図9に示すように、コアバック部11Bとコアティース部11Tにより囲まれたスロット部11T5の内壁に絶縁部材であるスロットライナー18が取り付けられている。このスロットライナー18を介してメインワイヤ12Mとサブワイヤ12Sが、スロットオープン11T3内を移動する巻線ノズル17によりコアティース11T2に1本にまとめて巻回させる。
このように2本以上の導線(本実施形態ではメインワイヤ12Mとサブワイヤ12S)を複数のコアティース(本実施形態では12本のコアティース11T2)の少なくとも1本にまとめて巻回すると、導線を1本ずつ巻回する場合に比べて巻線に要する時間を短縮できる。
(第6実施形態)
図10は本発明の第6実施形態に係る電気回路の接点の構成を示す電気回路図である。なお、本実施形態は、第1実施形態と異なる点以外については、第1実施形態と同一構成を備え、図中の同一符号は同一または相当部分を示す。
第1実施形態と異なる点はスロット数で、第1実施形態が12スロットであるのに対し、本実施形態は6スロットである。
本実施形態に係るステータ1は6スロットであるため、図10に示すように、本実施形態に係る電気回路ECはコイル12を6本備え、6本のコイル12は、3相交流のUVW相のそれぞれに対応するコイル(U相コイル12U1,12U2と、V相コイル12V1,12V2と、W相コイル12W1,12W2)により構成されている。そして、6本の各コイル12は内径側に配置されたメインワイヤ12Mと、外径側に配置されたサブワイヤ12Sの2本の導線により構成され、それぞれの端部は電気回路の接点を構成している。すなわち、U相コイル12U1は、メインワイヤ12MU1とサブワイヤ12SU1を備え、メインワイヤ12MU1の端部は電気回路の接点PU1とPU2を構成し、サブワイヤ12SU1の端部は電気回路の接点PU3と接点PU4を構成する。
同様に、U相コイル12U2は、メインワイヤ12MU2とサブワイヤ12SU2を備え、メインワイヤ12MU2の端部は電気回路の接点PU5とPU6を構成し、サブワイヤ12SU2の端部は電気回路の接点PU7と接点PU8を構成する。
また、V相コイル12V1は、メインワイヤ12MV1とサブワイヤ12SV1を備え、メインワイヤ12MV1の端部は電気回路の接点PV1とPV2を構成し、サブワイヤ12SV1の端部は電気回路の接点PV3と接点PV4を構成する。
同様に、V相コイル12V2は、メインワイヤ12MV2とサブワイヤ12SV2を備え、メインワイヤ12MV2の端部は電気回路の接点PV5とPV6を構成し、サブワイヤ12SV2の端部は電気回路の接点PV7と接点PV8を構成する。
また、W相コイル12W1は、メインワイヤ12MW1とサブワイヤ12SW1を備え、メインワイヤ12MW1の端部は電気回路の接点PW1と接点PW2を構成し、サブワイヤ12SW1の端部は電気回路の接点PW3と接点PW4を構成する。
同様に、W相コイル12W2は、メインワイヤ12MW2とサブワイヤ12SW2を備え、メインワイヤ12MW2の端部は電気回路の接点PW5と接点PW6を構成し、サブワイヤ12SW2の端部は電気回路の接点PW7と接点PW8を構成する。
また、電気回路ECには、3相交流の電源に結線された電線の接点PCU,PCV,PCWを備えている。
そして、複数のコイル(本実施形態ではU相コイル12U1,12U2と、V相コイル12V1,12V2と、W相コイル12W1,12W2)を構成する複数の導線(本実施形態ではメインワイヤ12Mとサブワイヤ12S)の各端部である接点は端子箱8に電気的に接続可能に配列されている。
次に、電気回路ECの接点を所定の接続パターンにより結線した場合の電気回路について説明する。図10〜13は本実施形態に係る電気回路ECの接点を所定の接続パターンで接続した場合の電気回路図であり、図14は本実施形態に係る電気回路ECの接点を所定の接続パターンで接続した場合のターン数と入力電圧と定格回転速度を示した表である。
なお、本実施形態では、コアティース11T2毎にメインワイヤ12Mとサブワイヤ12Sが直列に接続し、メインワイヤ12MU2とメインワイヤ12MV2とメインワイヤ12MW2はY結線により接続されている。そのため、接点PU2と接点PU3、接点PU6と接点PU7、接点PV2と接点PV3、接点PV6と接点PV7、接点PW2と接点PW3、接点PW6と接点PW7、接点PU8と共通接続点COM、接点PV8と共通接続点COM、接点PW8と共通接続点COMが接続されている。また、メインワイヤ12Mとサブワイヤ12Sは同じターン数N1とする。
図11に示す電気回路は、図10に示す電気回路の接点を以下の接続パターン(第1接続パターン)のにより接続したものである。即ち、U相については接点PCUと接点PU1と接点PU6を接続し、V相については接点PCVと接点PV1と接点PV6を接続し、W相については接点PCWと接点PW1と接点PW6を接続し、UVW相を接点PU2と接点PV2と接点PW2とで接続する。この第1接続パターンに結線することにより、メインワイヤ12Mを並列にY結線する第1電気回路となる。
図12に示す電気回路は、図10に示す電気回路の接点を以下の接続パターン(第2接続パターン)のにより接続したものである。即ち、U相については接点PCUと接点PU1、接点PU6と接点PU2を接続し、V相については接点PCVと接点PV1、接点PV6と接点PV2を接続し、W相については接点PCWと接点PW1、接点PW6と接点PW2を接続する。この第2接続パターンに結線することにより、2本のメインワイヤ12Mを直列にY結線する第2電気回路となる。
図13に示す電気回路は、図10に示す電気回路の接点を以下の接続パターン(第3接続パターン)のにより接続したものである。即ち、U相については接点PCUと接点PU1と接点PU8を接続し、V相については接点PCVと接点PV1と接点PV8を接続し、W相については接点PCWと接点PW1と接点PW8を接続し、UVW相を接点PU4と接点PV4と接点PW4とで接続する。この第3接続パターンに結線することにより、メインワイヤ12Mとサブワイヤ12Sを直列に接続したコイル12を並列にY結線する第3電気回路となる。
図14に示す電気回路は、図10に示す電気回路の接点を以下の接続パターン(第4接続パターン)により接続したものである。即ち、U相については接点PCUと接点PU1、接点PU8と接点PU4を接続し、V相については接点PCVと接点PV1、接点PV8と接点PV4を接続し、W相については接点PCWと接点PW1、接点PW8と接点PW4を接続する。この第4接続パターンに結線することにより、メインワイヤ12Mとサブワイヤ12Sを直列に接続した2本のコイル12を直列にY結線する第4電気回路となる。
図15に、第1接続パターン〜第4接続パターンで接続したそれぞれの場合における1スロットのターン数、Y結線の数、入力電圧及び定格回転速度を示す。
第1接続パターンは、メインワイヤ12Mを並列にY結線する電気回路であるため、1スロットのターン数はメインワイヤ12Mのターン数であるN1、Y結線の数は2となる。また、第2接続パターンは、2本のメインワイヤ12Mを直列にY結線する電気回路であるため、1スロットのターン数はメインワイヤ12Mのターン数であるN1、Y結線の数は1となる。また、第3接続パターンは、メインワイヤ12Mとサブワイヤ12Sを直列に接続したコイル12を2本並列にY結線する電気回路であるため、1スロットのターン数はメインワイヤ12Mとサブワイヤ12Sのターン数の合計である2N1、Y結線の数は2となる。また、第4接続パターンは、メインワイヤ12Mとサブワイヤ12Sを直列に接続したコイル12を2本直列にY結線する電気回路であるため、1スロットのターン数は、メインワイヤ12Mとサブワイヤ12Sのターン数の合計である2N1、Y結線の数は1となる。
また、第2接続パターンは、第1パターンにおいて並列に接続された2本のメインワイヤ12Mを直列に結線する電気回路であるため、第1パターンの入力電圧をV1とした場合、第2パターンの入力電圧は、2V1とすることができる。また、第2接続パターンは、前記のようにターン数がN1であるため、第1パターンの定格回転速度をR1とした場合、第2パターンの定格回転速度はR1となる。
また、第3接続パターンは、入力電圧を第1接続パターンと同じV1とした場合、ターン数が2N1であるため、定格回転速度はR1/2となる。
また、第4接続パターンは、第3接続パターンにおいて並列に接続された2本のコイル12を直列に結線した電気回路であるため、第3接続パターンの入力電圧の2倍の2V1とすることができる。また、第4接続パターンは、ターン数が2N1であるため、第4接続パターンの定格回転速度はR1/2となる。
このように、ステータ1(共用部品)の接続パターンを変更することにより電気回路を構成するコイルのターン数とY結線の数(結線構造)を変更できるため、容易に仕様の異なる回転電機を製造できる。また、製造後に接点の接続パターンを変更することでターン数を変更でき仕様を変えることができる。そのため、1台の回転電機を異なる用途に用いることができる。したがって、製造コストを低減でき、汎用性に優れた回転電機を提供できる。
また、接点P(PU,PV,PW)は端子箱8に電気的に接続可能に配列されているため、作業者やユーザが端子箱8にアクセスすればコイルを構成する導線の接続パターンを容易に変更でき、容易に回転電機の仕様を変更できる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上述した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
なお、本発明の実施形態は、以下の態様であってもよい。
メインワイヤ12Mとサブワイヤ12Sの線径を異なる径にしてもよい。また、上記実施形態のスロット数(12スロット,6スロット)に限定されず、他のスロット数でもよい。また、サブワイヤ12Sをコアティース11T2毎に2つ以上設けても良い。また、複数の導線をコアティースに分布巻により巻回してもよい。
1…ステータ、7…ハウジング、8…端子箱、11…ステータコア、11T2…コアティース、12…コイル、12M…メインワイヤ、12S…サブワイヤ、13…ボビン、13M…メインボビン、13S…サブボビン、13I…内径鍔部、13O…外径鍔部、13C…中央鍔部、18…スロットライナー、100…回転電機、EC…電気回路、PU1〜8,PV1〜8,PW1〜8,PCU,PCV,PCW…接点

Claims (12)

  1. 円筒状のステータコアと、
    前記ステータコアの径方向に沿って前記ステータコアに設けられた複数のコアティースと、
    前記複数のコアティースの少なくとも1本にそれぞれ巻回された複数のコイルとを備えた回転電機であって、
    前記複数のコイルは、それぞれが前記複数のコアティースの少なくとも1本に巻回された2本以上の導線により構成され、
    前記2本以上の導線の各端部は、前記回転電機の電気回路における接点を構成する、
    ことを特徴とする回転電機。
  2. 請求項1の回転電機であって、
    前記複数のコイルを構成する複数の導線の各端部は所定の接続パターンにより結線されている、
    ことを特徴とする回転電機。
  3. 請求項1の回転電機であって、
    前記複数のコイルを構成する複数の導線の各端部は所定の接続パターンにより結線されており、
    前記接続パターンを変更することにより、前記複数のコイルのターン数が変更可能である、
    ことを特徴とする回転電機。
  4. 請求項1の回転電機であって、
    前記複数のコイルを構成する複数の導線の各端部は所定の接続パターンにより結線されており、
    前記接続パターンを変更することにより、前記複数のコイルの結線構造が変更可能である、
    ことを特徴とする回転電機。
  5. 請求項1の回転電機であって、
    前記2本以上の導線が導線ごとに前記ステータコアの径方向に分離して前記複数のコアティースの少なくとも1本に巻回されている、
    ことを特徴とする回転電機。
  6. 請求項1の回転電機であって、
    前記2本以上の導線が前記複数のコアティースの少なくとも1本にまとめて巻回されている、
    ことを特徴とする回転電機。
  7. 請求項5の回転電機であって、
    前記2本以上の導線のうち、前記ステータコアの内径側に配置された導線のターン数が、前記ステータコアの外径側に配置された導線のターン数より多い、
    ことを特徴とする回転電機。
  8. 請求項5の回転電機であって、
    前記2本以上の導線のうち、前記ステータコアの内径側に配置された導線のターン数が、前記ステータコアの外径側に配置された導線のターン数より少ない、
    ことを特徴とする回転電機。
  9. 請求項1の回転電機であって、
    前記複数のコイルが集中巻により前記複数のコアティースの1本にそれぞれ巻回されている、
    ことを特徴とする回転電機。
  10. 請求項1の回転電機であって、
    前記複数のコイルは、前記複数のコアティースの1本にボビンを介してそれぞれ巻回されており、
    前記ボビンは、前記ステータコアの径方向に沿って間隔をあけて配列される3つ以上の鍔部を有し、
    前記2本以上の導線は、前記3つ以上の鍔部のうちステータコアの径方向において隣り合う2つの鍔部の間に導線ごとに巻回されている、
    ことを特徴とする回転電機。
  11. 請求項1の回転電機であって、
    前記複数のコイルは、前記複数のコアティースの1本に複数のボビンを介してそれぞれ巻回されており、
    前記複数のボビンは、前記ステータコアの径方向に沿って並ぶように前記複数のコアティースの1本に取り付けられており、
    前記2本以上の導線は、前記複数のボビンのそれぞれに導線ごとに巻回されている、
    ことを特徴とする回転電機。
  12. 請求項1の回転電機であって、
    前記ステータコアを覆うハウジングに設けられた端子箱を備え、
    前記端子箱には、前記複数のコイルを構成する複数の導線の各端部が、電気的に接続可能に配列されている、
    ことを特徴とする回転電機。
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