JP3873046B2 - 直流回転機およびその製造方法 - Google Patents

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この発明は、例えば自動車の燃料ポンプにおいて、ポンプを駆動する直流電動機などに応用される直流回転機およびその製造方法に関するものである。
従来直流電動機において、電機子巻線を外周側巻線層と、内周側巻線層とからなる2層ダブル重ね巻方式とするものが例えば特開2002−233123号公報に開示されている。この先行技術に開示されたものは、外周側巻線層と内周側巻線層を別の巻線とし、隣接する整流子セグメント間に互いに並列に接続される外周側巻線層の巻線ターンと、内周側巻線層のターンとを、互いに機械的に180度離れたスロットに配置している。
特開2002−233123号公報
しかし、例えば一般に電機子巻線は、連続する各巻線ターンが、順次所定方向にずらされたスロットに巻回されるときに、電機子鉄心の端部において、前の巻線ターンの上に次の巻線ターンの一部が重なる結果となるために、各巻線ターンのコイル長が巻き進みに伴ない順次増大し、巻始め部分の巻線ターンのコイル長が最小値となり、巻終わり部分の巻線ターンのコイル長が最大値となる。この各巻線ターンのコイル長のばらつきは、各巻線ターンの電気抵抗値を不均一にし、各巻線ターンによる電機子反作用を不均一として、一回転中にトルクリップルを発生させる。
電機子鉄心のスロット数が多く、複数の巻線機により同時に分割的に多くの巻線ユニットを平行して巻くことができる場合には、巻始め部分と巻終わり部分における巻線ターンのコイル長の不均一性も改善でき、各巻線ターンの電気抵抗値もより均一性が保てるので、トルクリップルも無視できるが、少ない数の巻線機で全スロットに巻線を行う場合には、各巻線ターンのコイル長と電気抵抗値の不均一性が、無視できない大きな障害となり、それらの不均一性の改善が大きな課題となる。
この発明は、このような課題を改善できる改良された直流回転機を提案するものである。
また、この発明は前記課題を改善できる直流回転機の製造方法を提案するものである。
この発明による直流回転機は、回転軸と、この回転軸に固定された外周に複数のS個のスロットを有する電機子鉄心と、前記各スロットに巻かれた電機子巻線と、前記回転軸とともに回転するように配置され前記電機子巻線に給電する複数の整流子セグメントとを備えた直流回転機であって、前記電機子巻線は少なくとも1つの巻線ユニットを有し、この巻線ユニットは少なくとも第1巻線層と第2巻線層とを有し、前記第1巻線層は前記S個のスロットの少なくともいくつかのスロットの内層に、1番目からn番目まで順次連続して巻回されたn個の巻線ターンを含み、また前記第2巻線層は前記S個のスロットの少なくともいくつかのスロットの外層に、1番目からn番目まで順次連続して巻回されたn個の巻線ターンを含んでいて、前記第1巻線層のn個の巻線ターンの中のm(m=1からn)番目の巻線ターンと、前記第2巻線層のn個の巻線ターンの中の(n+1−m)番目の巻線ターンとが、同じ隣接整流子セグメントペア間に互いに並列接続されるようにして、前記第1、第2巻線層の各巻線ターンが前記複数の整流子セグメントの少なくともいくつかの整流子セグメントに接続されたことを特徴とする。
また、この発明による直流回転機の製造方法は、外周に複数のS個のスロットを有する電機子鉄心と、複数の整流子セグメントとを回転軸に固定した段階で、前記電機子鉄心のS個のスロットの少なくともいくつかのスロットに電機子巻線を巻回する巻線工程を含む直流回転機の製造方法であって、前記電機子巻線は少なくとも1つの巻線ユニットを有し、この巻線ユニットは少なくとも第1巻線層と第2巻線層とを有していて、前記巻線工程は、前記S個のスロットの少なくともいくつかのスロットの内層に、前記第1巻線層の1番目からn番目までのn個の巻線ターンを連続して順次巻回する第1工程と、この第1工程の後で、前記S個のスロットの少なくともいくつかのスロットの外層に、前記第2巻線層の1番目からn番目までのn個の巻線ターンを連続して順次巻回する第2工程とを含み、この巻線工程では、前記第1巻線層のn個の巻線ターンの中のm(mは1からn)番目の巻線ターンと、前記第2巻線層のn個の巻線ターンの中の(n+1−m)番目の巻線ターンとが、同じ隣接整流子セグメントペア間に互いに並列接続されるように、前記第1、第2巻線層の各巻線ターンが前記整流子セグメントの少なくともいくつかの整流子セグメントに接続されることを特徴とする。
この発明の直流回転機によれば、第1巻線層と第2巻線層が、それぞれ1番目からn番目まで連続して順次巻回されたn個の巻線ターンを有し、前記第1巻線層のn個の巻線ターンの中のm(m=1からn)番目の巻線ターンと、前記第2巻線層のn個の巻線ターンの中の(n+1−m)番目の巻線ターンとが、同じ隣接する整流子セグメントペア間に互いに並列接続されるようにして、前記第1、第2巻線層の各巻線ターンが前記複数の整流子セグメントの少なくともいくつかの整流子セグメントに接続される。第1巻線層のn個の巻線ターンの中のm(m=1からn)番目の巻線ターンと、前記第2巻線層のn個の巻線ターンの中の(n+1−m)番目の巻線ターンとが、同じ隣接整流子セグメントペア間に互いに並列接続される構成は、複数の整流子セグメントペア間における合成電気抵抗値をより均一化し、それらの合成電気抵抗値のばらつきを抑制するので、直流回転機におけるトルクリップルを改善することができる。
また、この発明の直流回転機の製造方法によれば、電機子巻線は少なくとも1つの巻線ユニットを有し、この巻線ユニットは少なくとも第1巻線層と第2巻線層とを有していて、巻線工程は、前記S個のスロットの少なくともいくつかのスロットの内層に、前記第1巻線層の1番目からn番目までのn個の巻線ターンを連続して順次巻回する第1工程と、この第1工程の後で、前記S個のスロットの少なくともいくつかのスロットの外層に、前記第2巻線層の1番目からn番目までのn個の巻線ターンを連続して順次巻回する第2工程とを含み、この巻線工程では、前記第1巻線層のn個の巻線ターンの中のm(mは1からn)番目の巻線ターンと、前記第2巻線層のn個の巻線ターンの中の(n+1−m)番目の巻線ターンとが、同じ隣接整流子セグメントペア間に互いに並列接続されるように、前記第1、第2巻線層の各巻線ターンが前記整流子セグメントの少なくともいくつかの整流子セグメントに接続される。第1巻線層のn個の巻線ターンの中のm(m=1からn)番目の巻線ターンと、前記第2巻線層のn個の巻線ターンの中の(n+1−m)番目の巻線ターンとが、同じ隣接整流子セグメントペア間に互いに並列接続される構成は、複数の整流子セグメントペア間における合成電気抵抗値をより均一化し、それらの合成電気抵抗値のばらつきを抑制するので、直流回転機におけるトルクリップルを改善することができ、この製造方法では、この改善された、より小さなトルクリップルを有する直流回転機を、その巻線工程を改良することにより容易に実現できる。
以下、この発明による直流回転機のいくつかの実施の形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
<全体的な構造の説明>
図1はこの発明による直流回転機の実施の形態1を示す側断面図である。この実施の形態1は燃料ポンプに応用される直流電動機である。この直流電動機は、回転軸10と、電機子20と、整流子30と、界磁40と、ヨーク50と、ブラケット60を有する。
電機子20は、電機子鉄心21と、電機子巻線25とを有する。電機子鉄心21は回転軸10に固定され、その外周に沿って、S個の複数個のスロット22と、S個のティース23を有する。このS個のスロット22は、電機子鉄心21の外周面に互いに等しいピッチで配設されており、相隣接するスロット22の間にそれぞれティース23が形成されている。電機子巻線25はS個のスロット22に巻回されている。
実施の形態1において、スロット22の数Sは8個とされており、ティース23の数Sも8個である。
整流子30は複数個のセグメント31を有する。この整流子セグメント31は、回転軸10に固定された絶縁筒32の外周面上に互いに等しいピッチで配置されており、各隣接セグメントペアの間には絶縁部材が挟まれ、各整流子セグメント31を互いに絶縁している。各セグメント31の一端部には、セグメント31から立ち上がったフック33が形成され、この各セグメント31のフック33に、電機子巻線25が接続され、電気的にも、また機械的にも固定される。整流子セグメント31の外周には、複数個のブラシ35が配置される。この各ブラシ35はブラケット60に固定され、各整流子セグメント31の外周面に接触する。
界磁40は電機子20の外周に配置される。この界磁40は磁極数Pに等しい数の磁極41を有し、これらの磁極41はヨーク50の内周面に固定される。磁極41は、実施の形態1では、回転軸10の径方向に着磁された永久磁石で構成される。
実施の形態1では、磁極数Pは2とされ、2個の磁極41がヨーク50の内周面に、互いに180度の角度間隔で配置される。ブラシ35の数も2であり、磁極数Pと等しい。
ヨーク50は右側端部が底壁51で閉鎖された筒状体であり、磁性体、例えば鉄で作られる。底壁51は右側のブラケットを構成し、回転軸10の右端部をボールベアリング52を介して回転可能に支持する。ブラケット60はヨーク50の左端部を閉鎖するように、ヨーク50に組み合わされ、回転軸10の左端部をボールベアリング62を介して回転可能に支持する。ヨーク50は、底壁51とブラケット60との間に、筒状部53を有し、この筒状部53の内周面に、界磁40の磁極41が固定される。
電機子巻線25は、第1巻線ユニットU1と第2巻線ユニットU2を有する。各巻線ユニットU1、U2は、それぞれスロット22内に複数の巻線層を有する。この複数の巻線層は、例えば各スロット22の内層側に巻回された第1巻線層W1と、各スロット22の外層側に巻回された第2巻線層W2を有する。第1巻線層W1は、各スロット22内の回転軸10に近い内層に配置され、第2巻線層W2は第1巻線層W1の外層に巻回される。
図2は内層側の第1巻線層W1の巻線展開図であり、図3は外層側の第2巻線層W2の巻線展開図である。これらの図において、電機子鉄心21の外周面に形成されたS個のスロット22と、S個のティース23が、同一平面状に左右に展開して図示されている。S個のティース23は、符号A、B、C、D、E、F、G、Hとして、それぞれ大きな矩形で示される。S個のスロット22はこれらのティースの間に形成され、それぞれ符号AB、BC、CD、DE、EF、FG、GH、HAで示される。スロットABは隣接するティースA、B間のスロットであり、スロットBCは隣接するティースB、C間のスロット、スロットCDは隣接するティースC、D間のスロット、スロットDEは隣接するティースD、E間のスロット、スロットEFは隣接するティースE、F間のスロット、スロットFGは隣接するティースF、G間のスロット、スロットGHは隣接するティースG、H間のスロット、スロットHAは隣接するティースH、A間のスロットである。
図2、図3には、これらのティース23、スロット22とともに、整流子セグメント31、ブラシ35および磁極41が、それぞれ相対位置に図示されている。整流子セグメント31は、符号a、b、c、d、e、f、g、hとして、小さい矩形で示される。ブラシ35は符号B1、B2として図示され、また磁極41は符号P1、P2として図示されている。ブラシB1にはプラスの直流電位が与えられ、またブラシB2にはマイナスの直流電位があたえられる。ブラシB1はセグメントb、c、またブラシB2はセグメントf、gにそれぞれ接触して示されるが、回転軸10の回転に伴ない、整流子セグメント31が回転するので、各セグメント31が順次ブラシB1、B2に接触する。磁極P1は例えばN極、磁極P2はS極に着磁される。
図2、図3において、左から2番目のティースAから、右から6番目のティースHまでの8つのティースA〜Hが回転軸10の360度の角度範囲に配置される。しかし、図2、図3では、この360度の角度範囲を越えて、左から2番目のティースAの左側にさらにティースHが、また右から6番目のティースHの右側にさらに5つのティースA〜Eが示されるが、これは全体的な配置をより解り易くするために追加して図示したものであり、360度の角度範囲を越えた位置にあるティースA〜E、Hは、360度の角度範囲にあるティースA〜E、Hと全く同じティースである。ティースA〜Hに対応する整流子セグメントa〜hについても同様である。
<電機子巻線25の巻線工程の説明>
さて、実施の形態1の直流電動機は、電機子巻線25を巻回する巻線工程を経て製造されるが、この巻線工程について詳しく説明する。この巻線工程は、各スロット22の内層側に配置される第1巻線層W1を巻回する第1の巻線工程と、各スロット22の外層側に配置される第2巻線層W2を巻回する第2の巻線工程を含む。
実施の形態1において、内層側の第1巻線層W1および外層側の第2巻線層W2は、いずれも重ね巻方式で巻回される。第2巻線層W2は第1巻線層W1の上に重なって巻回される。この電機子巻線25の巻線工程は、回転軸10に電機子鉄心21と整流子30とを組み付けた段階で、これをヨーク50とブラケット60に組み付ける前の状態で実行される。
<内層側の第1巻線層W1の巻線工程の説明>
まず、第1の巻線工程により、内層側の第1巻線層W1が巻回される。この第1の巻線工程が図2に示される。この第1の巻線工程では、内層側の第1巻線層W1が2つの巻線区分W11、W12に分割して巻回される。巻線区分W11は第1巻線ユニットU1に、また巻線区分W12は第2巻線ユニットU2にそれぞれ対応する。第1巻線ユニットU1に対応する巻線区分W11は、セグメントa、h、g、f、eに接続される巻線区分であり、n個の連続して巻回される巻線ターンを含んでいる。実施の形態1では、n=4とされ、1番目から4番目までの順番で、連続して順次巻回される4つの巻線ターンT11、T12、T13、T14を含み、図2の右側に示される。巻線ターンT11は巻線区分W11の1番目に巻回される巻線ターンであり、続いて2番目の巻線ターンT12、3番目の巻線ターンT13が巻回され、最後に4番目の巻線ターンT14が巻回される。
また第2巻線ユニットU2に対応する巻線区分W12は、セグメントe、d、c、b、aに接続される巻線区分であり、同じくn個の連続して巻回される巻線ターンを含んでいる。実施の形態1ではn=4であるので、巻線区分W12として、1番目から4番目までの4つの巻線ターンT21、T22、T23、T24が順番に巻回される。これらの巻線ターンは図2の左側に示される。巻線区分W12では、最初に1番目の巻線ターンT21が巻回され、それに続いて順次2番目の巻線ターンT22、3番目の巻線ターンT23が巻回され、最後に4番目の巻線ターンT24が巻回される。
なお、図2において各巻線ターンT11、T12、T13、T14、T21、T22、T23、T24は図面を解り易くするために、それぞれ1ターンとして図示されるが、実際には、それぞれの巻線ターンがNターン、例えばN=20ターンとして巻回される。
<第1巻線ユニットU1に対応する巻線区分W11の巻線工程の説明>
まず、第1巻線ユニットU1に対応する巻線区分W11の1番目の巻線ターンT11の巻回ステップでは、最初に巻線区分W11を構成するための第1のワイヤがセグメントaにフッキングされ、この第1のワイヤがセグメントaのフック33に引っ掛けられる。この最初の位置が図2のセグメントaに、黒丸印で示される。この状態からスタートし、第1のワイヤはセグメントaからスロットBCに導かれ、このスロットBC内に挿入された後、スロットFGに導かれ、このスロットFGに挿入される。これで巻線ターンT11の1ターン分が巻回されるが、その後、セグメントにフッキングすることなく、スロットBCとスロットFGに跨ってさらに(N−1)ターンが巻回され、その最後のターンの最終段階において、第1のワイヤがセグメントhにフッキングされる。
この巻線ターンT11の巻回ステップでは、4つの連続するティースB、A、H、Gを跨ぎ、スロットBCとスロットFGとに跨る巻線ターンT11が、隣接セグメントペアa、h間にNターン巻回される。
巻線区分W11の2番目の巻線ターンT12は、巻線ターンT11に続いて巻回される。この巻線ターンT12の巻回ステップでは、巻線ターンT11の最終段階で、セグメントhにフッキングされた第1のワイヤが、続いてスロットABに導かれ、このスロットABに挿入された後、スロットEFに導かれ、このスロットEFに挿入される。これで巻線ターンT12の1ターン分が巻回されるが、その後セグメントにフッキングすることなく、スロットABとスロットEFに跨ってさらに(N−1)ターンが巻回され、その最後のターンの最終段階でにおいて、第1のワイヤがセグメントgにフッキングされる。
この巻線ターンT12の巻回ステップでは、4つの連続するティースA、H、G、Fを跨ぎ、スロットABとスロットEFとに跨る巻線ターンT12が、隣接セグメントペアh、g間にNターン巻回される。
巻線区分W11の3番目の巻線ターンT13は、巻線ターンT12に続いて巻回される。この巻線ターンT13の巻回ステップでは、巻線ターンT12の最終段階で、セグメントgにフッキングされた第1のワイヤが、スロットHAに導かれ、このスロットHAに挿入された後、さらにスロットDEに導かれ、このスロットDEに挿入される。これで巻線ターンT13の1ターン分が巻回されるが、その後セグメントに対してフッキングすることなく、スロットHAとスロットDEに跨ってさらに(N−1)ターンが巻回され、その最後のターンの最終段階で、第1のワイヤがセグメントfにフッキングされる。
この巻線ターンT13の巻回ステップでは、4つの連続するティースH、G、F、Eを跨ぎ、スロットHAとスロットDEとに跨る巻線ターンT13が、隣接セグメントペアg、f間にNターン巻回される。
巻線区分W11の4番目の巻線ターンT14は、巻線ターンT13に続いて巻回される。この巻線ターンT14の巻回ステップでは、巻線ターンT13の最終段階で、セグメントfにフッキングされた第1のワイヤが、スロットGHに導かれ、このスロットGHに挿入された後、スロットCDに導かれ、このスロットCDに挿入される。これで巻線ターンT14の1ターン分が巻回されるが、その後セグメントにフッキングすることなく、スロットGHとスロットCDに跨ってさらに(N−1)ターンが巻回され、その最後のターンの最終段階で、第1のワイヤがセグメントeにフッキングされる。
この巻線ターンT14の巻回ステップでは、4つの連続するティースH、G、F、Eを跨ぎ、スロットHAとスロットDEとに跨る巻線ターンT14が、隣接セグメントペアe、f間にNターン巻回される。
第1巻線ユニットU1に対応する巻線区分W11に対する巻回工程は、巻線機を用いて実行される。第2の巻線ユニットU2に対応する巻線区分W12の巻回工程は、巻線区分W11の巻線工程と平行して、同時に実行することができる。この場合、例えばメイン機とペア機を持ったダブルフライヤー巻線機が使用される。メイン機が巻線区分W11の巻線工程を実行しているときに、ペア機がこの巻線区分W11の巻線工程と平行して同時に、巻線区分W12の巻線工程を実行する。
<第2巻線ユニットU2に対応する巻線区分W12の巻線工程の説明>
第2の巻線ユニットU2に対応する巻線区分W12の巻線工程は、1番目から4番目までの巻線ターンT21、T22、T23、T24を連続して順次巻回するものであり、巻線区分W11の巻線工程と同様に、同時に平行して実行される。
巻線区分W12の1番目の巻線ターンT21の巻回ステップでは、最初に巻線区分W12を構成するための第2のワイヤがセグメントeにフッキングされ、この第2のワイヤがセグメントeのフック33に引っ掛けられる。この第2のワイヤの最初の位置が、図2のセグメントeに、黒丸印で示される。この状態からスタートし、第2のワイヤはセグメントeからスロットFGに導かれ、このスロットFG内に挿入された後、スロットBCに導かれ、このスロットBCに挿入される。これで巻線ターンT21の1ターン分が巻回されるが、その後、セグメントにフッキングすることなく、スロットFGとスロットBCに跨ってさらに(N−1)ターンが巻回され、その最後のターンの最終段階で、第2のワイヤがセグメントdにフッキングされる。
この巻線ターンT21の巻回ステップでは、4つの連続するティースF、E、D、Cを跨ぎ、スロットFGとスロットBCとに跨る巻線ターンT21が、隣接セグメントペアe、d間にNターン巻回される。
巻線区分W12の2番目の巻線ターンT22は、巻線ターンT21に続いて巻回される。この巻線ターンT22の巻回ステップでは、巻線ターンT21の最終段階でセグメントdにフッキングされた第2のワイヤが、スロットEFに導かれ、このスロットEFに挿入された後、スロットABに導かれ、このスロットABに挿入される。これで巻線ターンW22の1ターン分が巻回されるが、その後、セグメントにフッキングすることなく、スロットEFとスロットABに跨ってさらに(N−1)ターンが巻回され、その最後のターンの最終段階で、第2のワイヤがセグメントcにフッキングされる。
この巻線ターンT22の巻回ステップでは、4つの連続するティースE、D、C、Bを跨ぎ、スロットEFとスロットABとに跨る巻線ターンT22が、隣接セグメントペアd、c間にNターン巻回される。
巻線区分W12の3番目の巻線ターンT23は、巻線ターンT22に続いて巻回される。この巻線ターンT23の巻回ステップでは、巻線ターンT22の最終段階で、セグメントcにフッキングされた第2のワイヤが、スロットDEに導かれ、このスロットDEに挿入された後、スロットHAに導かれ、このスロットHAに挿入される。これで巻線ターンT23の1ターン分が巻回されるが、その後、セグメントにフッキングすることなく、スロットDEとスロットHAとに跨ってさらに(N−1)ターンが巻回され、その最後のターンの最終段階で、第2のワイヤがセグメントbにフッキングされる。
この巻線ターンT23の巻回ステップでは、4つの連続するティースD、C、B、Aを跨ぎ、スロットDEとスロットHAとに跨る巻線ターンT23が、隣接セグメントペアc、b間にNターン巻回される。
巻線区分W12の4番目の巻線ターンT24は、巻線ターンT23に続いて巻回される。この巻線ターンT24の巻回ステップでは、巻線ターンT23の最終段階でセグメントbにフッキングされた第2のワイヤが、スロットCDに導かれ、このスロットCDに挿入された後、スロットGHに導かれ、このスロットGHに挿入される。これで巻線ターンT24の1ターン分が巻回されるが、その後、セグメントにフッキングすることなく、スロットCDとスロットGHとに跨ってさらに(N−1)ターンが巻回され、その最後のターンの最終段階で、第2のワイヤがセグメントaにフッキングされる。
この巻線ターンT24の巻回ステップでは、4つの連続するティースC、B、A、Hを跨ぎ、スロットCDとスロットGHとに跨る巻線ターンT24が、隣接セグメントペアb、a間にNターン巻回される。
<巻線区分W11、W12の各巻線ターンの変位の説明>
第1巻線層W1の巻線区分W11およびW12は、各巻線ターンT11、T12、T13、T14およびT21、T22、T23、T24を図2において、順次1スロットピッチずつ左側へ矢印X1方向へ変位させながら、重ね巻方式で巻回される。巻線ターンT12、T22は巻線ターンT11、T21に対し、それぞれその左側へ1スロットピッチだけ変位され、巻線ターンT13、T23は巻線ターンT12、T22に対し、それぞれその左側へ1スロットピッチだけ変位され、また巻線ターンT14、T24は巻線ターンT13、T23に対し、それぞれその左側へ変位されて巻回される。
ただし実際には、電機子鉄心21と整流子30を組み付けた回転軸10を、その軸線の周りに、1スロットピッチずつ矢印X1と逆の矢印X2方向に順次回転させながら、各巻線ターンT11、T12、T13、T14およびT21、T22、T23、T24を巻回することにより、これらの各巻線ターン間の変位が行われる。
<巻線区分W11、W12の各巻線ターンのワイヤ巻回方向の説明>
第1巻線層W1の各巻線区分W11、W12の各巻線ターンにおける第1のワイヤの巻回方向は、図2上で見て、それぞれ時計周りの方向とされる。巻線区分W11の1番目から4番目までの各巻線ターンT11、T12、T13、T14は図2上で見て、それぞれ時計周りの方向に、20ターンが巻回される。同時に、巻線区分W12の1番目から4番目までの各巻線ターンT21、T22、T23、T24も、図2上で見て、それぞれ時計周りの方向に、20ターンが巻回される。
<内層側の第1巻線層W1の巻線工程の終了段階の状態の説明>
図4は、第1巻線層W1の巻線工程が完了した段階における各巻線ターンT11、T12、T13、T14およびT21、T22、T23、T24の分布を示す模式図であり、図1のIV―IV線断面を矢印方向に見た模式図である。巻線工程は、電機子鉄心21と整流子30を回転軸10に組み付けた段階で、この回転軸10をヨーク50とブラケット60を組み付ける前の状態で実行されるが、便宜上回転軸10にヨーク50とブラケット60を組み付けた状態を模式的に示す。図1のIV―IV線断面には電機子鉄心21の左側端面が現われるので、図4ではこの電機子鉄心21の左側端面における巻線ターンT11、T12、T13、T14およびT21、T22、T23、T24の分布が示される。
図4において、巻線区分W11では、1番目から4番目までの巻線ターンT11、T12、T13、T14が、また巻線区分W12の1番目から4番目までの巻線ターンT21、T22、T23、T24がそれぞれ順番に連続して巻回される。電機子鉄心21の左側端面において、1番目の巻線ターンT11、T21の上に2番目の巻線ターンT12、T22の一部分が重なるように巻回され、この2番目の巻線ターンT12、T22の上に3番目の巻線ターンT13、T23の一部分が重なるように、さらに3番目の巻線ターンT13、T23の上に4番目の巻線ターンT14、T24の一部分が重なるように、それぞれ巻回される。したがって、各巻線ターンT11、T12、T13、T14、T21、T22、T23、T24のコイル長をt11、t12、t13、t14、t21、t22、t23、t24とすると、t11<t12<t13<t14の関係となり、またt21<t22<t23<t24の関係となっている。
<外層側の第2巻線層W2についての第2の巻線工程の説明>
続いて、第2の巻線工程により、電機子巻線25の外層側の第2巻線層W2が巻回される。この第2の巻線工程が図3に示される。この第2の巻線工程では、第2巻線層W2が2つの巻線区分W21、W22に分割され、これらの巻線区分W21、W22の巻線工程が、同時に平行して行われる。巻線区分W21は第1巻線ユニットU1に対応する巻線区分であり、第1巻線層W1の巻線区分W11と同じセグメントa、h、g、f、eに接続される巻線区分であり、n個の巻線ターンを含む。実施の形態1ではn=4であり、1番目から4番目までの4つの巻線ターンT15、T16、T17、T18が順次巻回される。この巻線区分W21は、図3の右側に示される。
また巻線区分W22は第2の巻線ユニットU2に対応する巻線区分であり、第1巻線層W1の巻線区分W12と同じセグメントe、d、c、b、aに接続される巻線区分であり、n=4個の巻線ターンを含む。1番目から4番目までの巻線ターンT25、T26、T27、T28が連続して巻回される。この巻線区分W22は、図3の左側に示される。
なお、図3においても各巻線ターンT15、T16、T17、T18、T25、T26、T27、T28は図面を解り易くするために、それぞれ1ターンとして図示されるが、実際には、それぞれがNターン、例えばN=20ターンとして巻回される。
<第1巻線ユニットU1に対応する巻線区分W21の巻線工程の説明>
第1の巻線ユニットU1に対応する巻線区分W21では、1番目から4番目までの4つの巻線ターンT15、T16、T17、T18が連続して形成される。この各巻線ターンT15、T16、T17、T18は、各巻線ターンT11、T12、T13、T14と同じ第1のワイヤを使用してダブルフライヤ巻線機のメイン機によって巻回され、それぞれ巻線ターンT11、T12、T13、T14と同じスロットの中にその上に重なるように巻回される。また各巻線ターンT15、T16、T17、T18は、それぞれ巻線ターンT11、T12、T13、T14と同じ隣接セグメントペア間に互いに並列に接続される。巻線区分W21では、巻線区分W11において、セグメントaからセグメントeまで到達した第1のワイヤを折り返し、1番目から4番目までの巻線ターンがそれぞれ、セグメントeから順次1スロットピッチずつ右側に、図3のX2の方向にずらしながら重ね巻方式で巻回される。
巻線区分W21の1番目の巻線ターンT15は、第1巻線層W1の巻線区分W11を構成する第1のワイヤをそのまま使用して、巻線区分W11の巻線ターンT14に連続して巻回される。
巻線ターンT14の最終段階において、第1のワイヤはセグメントeにフッキングされている。巻線ターンT15の巻回ステップは、巻線ターンT14の最終段階で、第1のワイヤがセグメントeにフッキングされた状態から巻回作業が開始される。この開始状態における第1のワイヤの位置を、図3のセグメントeに黒丸印で示す。第1のワイヤがセグメントeにフッキングされた状態から、第1のワイヤはセグメントeからスロットCDに導かれ、このスロットCDの中に、巻線ターンT14の上に重なるように挿入された後、スロットGHに導かれ、このスロットGHの中に、巻線ターンT14の上に重なるように挿入される。これで巻線ターンT15の1ターン分が巻回されるが、その後、セグメントにフッキングすることなくさらに(N−1)ターンが巻回され、その最後のターンの最終段階で、第1のワイヤがセグメントfにフッキングされる。
この巻線ターンT15の巻回ステップでは、4つの連続するティースD、E、F、Gを跨ぎ、スロットCDとスロットGHとに跨る巻線ターンT15が、スロットCDとGHの中で、巻線ターンT14の上に重なるようにして、隣接セグメントペアe、f間にNターン巻回される。この巻線ターンT15は、隣接セグメントペアe、f間で巻線ターンT14と互いに並列に接続される。
第1巻線ユニットU1に対応する巻線区分W21の2番目の巻線ターンT16は、巻線ターンT15に続いて巻回される。この巻線ターンT16の巻回ステップでは、巻線ターンT15の最終段階で、セグメントfにフッキングされた第1のワイヤが、スロットDEに導かれ、このスロットDEの中に、巻線ターンT13の上に重なるようにして挿入された後、スロットHAに導かれ、このスロットHAの中に、巻線ターンT13の上に重なるようにして挿入される。これで巻線ターンT16の1ターン分が巻回されるが、その後、セグメントにフッキングすることなくさらに(N−1)ターンが巻回され、その最後のターンの最終段階で、第1のワイヤがセグメントgにフッキングされる。
この巻線ターンT16の巻回ステップでは、4つの連続するティースE、F、G、Hを跨ぎ、スロットDEとスロットHAとに跨る巻線ターンT16が、巻線ターンT13の上に重なるようにして、隣接セグメントペアf、g間にNターン巻回される。この巻線ターンT16は、隣接セグメントペアf、g間で巻線ターンT13と互いに並列に接続される。
巻線区分W21の3番目の巻線ターンT17は、巻線ターンT16に続いて巻回される。この巻線ターンT17の巻回ステップでは、巻線ターンT16の最終段階で、セグメントgにフッキングされた第1のワイヤが、スロットEFに導かれ、このスロットEFの中に、巻線ターンT12の上に重なるようにして挿入された後、スロットABに導かれ、このスロットABの中に、巻線ターンT12の上にかさなるようにして挿入される。これで巻線ターンT17の1ターン分が巻回されるが、その後、さらにセグメントにフッキングすることなく、スロットEFとスロットABに跨ってさらに(N−1)ターンが巻回され、その最後のターンの最終段階で、第1のワイヤがセグメントhにフッキングされる。
この巻線ターンT17の巻回ステップでは、4つの連続するティースF、G、H、Aを跨ぎ、スロットEFとスロットABとに跨る巻線ターンT17が、巻線ターンT12の上に重なるようにして隣接セグメントペアg、h間にNターン巻回される。この巻線ターンT16は、巻線ターンT13と同じ隣接セグメントペアf、g間にあって、この隣接セグメントペアf、g間で巻線ターンT13と互いに並列に接続される。
巻線区分W21の4番目の巻線ターンT18は、巻線ターンT17に続いて巻回される。この巻線ターンT18の巻回ステップでは、巻線ターンT17の最終段階で、セグメントhにフッキングされた第1のワイヤが、スロットFGに導かれ、このスロットFGの中に、巻線ターンT11の上に重なるように挿入された後、スロットBCに導かれ、このスロットBCの中に、巻線ターンT11に上に重なるように挿入される。これで巻線ターンT18の1ターン分が巻回されるが、その後、セグメントにフッキングすることなく、スロットFGとスロットBCに跨ってさらに(N−1)ターンが巻回され、その最後のターンの最終段階で、第1のワイヤがセグメントaにフッキングされる。
この巻線ターンT18の巻回ステップでは、4つの連続するティースG、H、A、Bを跨ぎ、スロットFGとスロットBCとに跨る巻線ターンT18が、巻線ターンT11の上に重なるようにして、隣接セグメントペアh、a間にNターン巻回される。この巻線ターンT18は、隣接セグメントペアf、g間で巻線ターンT11と互いに並列に接続される。
<第2巻線ユニットU2に対応する巻線区分W22の巻線工程の説明>
第2巻線ユニットU2に対応する巻線区分W22の巻回工程は、巻線区分W21の巻回工程と平行して、同時に実行することができる。この場合、巻線区分22は、第1巻線層W1の巻線区分W12と同じに、ダブルフライヤー巻線機のペア機を用いて実行され、メイン機が巻線区分W21の巻回工程を実行しているときに、ペア機がこの巻線区分W22の巻回工程と平行して同時に、巻線区分W22の巻回工程を実行する。
第2巻線ユニットU2に対応する巻線区分W22の巻回工程は、1番目から4番目までの巻線ターンT25、T26、T27、T28を連続して順次巻回するものであり、巻線区分W21の巻回工程と同様に実行される。この各巻線ターンT25、T26、T27、T28は、各巻線ターンT21、T22、T23、T24と同じ第2のワイヤを使用して巻回され、それぞれ巻線ターンT21、T22、T23、T24の上に重なるように巻回される。また各巻線ターンT25、T26、T27、T28は、それぞれ巻線ターン巻線ターンT21、T22、T23、T24と同じ隣接セグメントペア間に互いに並列に接続される。巻線区分W22は、巻線区分W12で使用され、セグメントaに到達した第2のワイヤを、セグメントaで折り返し、巻線ターンT25、T26、T27、T28を順次図3の矢印X2方向に1スロットピッチずつずらしながら、巻回される。
巻線区分W22は第1巻線層W1の巻線区分W12と同じ第2のワイヤを用い、巻線区分W12の巻線ターンT24に連続して巻回される。巻線ターンT24の巻回ステップの最終段階では、第2のワイヤがセグメントaにフッキングされた状態にある。
巻線区分W22の1番目の巻線ターンT25の巻回ステップは第2のワイヤがセグメントaにフッキングされた状態から開始される。この開始時の第2のワイヤの位置をセグメントaに黒丸印で示す。この状態から第2のワイヤはセグメントaからスロットGHに導かれ、このスロットGH内の中に、巻線ターンT24の上に重なるようにして挿入された後、スロットCDに導かれ、このスロットCDの中に、巻線ターンT24の上に重なるように挿入される。これで巻線ターンT25の1ターン分が巻回されるが、その後、セグメントにフッキングすることなく、スロットGHとスロットCDに跨ってさらに(N−1)ターンが巻回され、その最後のターンの最終段階で、第2のワイヤがセグメントbにフッキングされる。
この巻線ターンT25の巻回ステップでは、4つの連続するティースH、A、B、Cを跨ぎ、スロットGHとスロットCDとに跨る巻線ターンT25が、巻線ターンT24の上に重なるようにして、隣接セグメントペアa、b間にNターン巻回される。この巻線ターンT25は、隣接セグメントペアa、b間で巻線ターンT24と互いに並列に接続される。
巻線区分W22の2番目の巻線ターンT26は、巻線ターンT25に続いて巻回される。この巻線ターンT26の巻回ステップでは、巻線ターンT25の最終段階で、セグメントbにフッキングされた第2のワイヤが、スロットHAに導かれ、このスロットHAの中に、巻線ターンT23の上に重なるようにして挿入された後、スロットDEに導かれ、このスロットDEの中に、巻線ターンT23の上に重なるようにして挿入される。これで巻線ターンT26の1ターン分が巻回されるが、その後、セグメントにフッキングすることなく、スロットHAとスロットDEに跨ってさらに(N−1)ターンが巻回され、その最後のターンの最終段階で、第2のワイヤがセグメントcにフッキングされる。
この巻線ターンT26の巻回ステップでは、4つの連続するティースA、B、C、Dを跨ぎ、スロットHAとスロットDEとに跨る巻線ターンT26が、巻線ターンT23の上に重なるようにして、隣接セグメントペアb、c間にNターン巻回される。この巻線ターンT26は、隣接セグメントペアb、c間で巻線ターンT23と互いに並列に接続される。
巻線区分W22の3番目の巻線ターンT27は、巻線ターンT26に続いて巻回される。この巻線ターンT27の巻回ステップでは、巻線ターンT26の最終段階で、セグメントcにフッキングされた第2のワイヤが、スロットABに導かれ、このスロットABの中に、巻線ターンT22の上に重なるようにして挿入された後、スロットEFに導かれ、このスロットEFの中に、巻線ターンT22の上に重なるように挿入される。これで巻線ターンT27の1ターン分が巻回されるが、その後、セグメントにフッキングすることなく、スロットABとスロットEFとに跨ってさらに(N−1)ターンが巻回され、その最後のターンの最終段階で、第2のワイヤがセグメントdにフッキングされる。
この巻線ターンT27の巻回ステップでは、4つの連続するティースB、C、D、Eを跨ぎ、スロットABとスロットEFとに跨る巻線ターンT27が、巻線ターンT22の上に重なるようにして、隣接セグメントペアc、d間にNターン巻回される。この巻線ターンT27は、隣接セグメントペアc、d間で巻線ターンT22と互いに並列に接続される。
巻線区分W22の4番目の巻線ターンT28は、巻線ターンT27に続いて巻回される。この巻線ターンT28の巻回ステップでは、巻線ターンT27の最終段階で、セグメントdにフッキングされた第2のワイヤが、スロットBCに導かれ、このスロットBCの中に、巻線ターンT21の上に重なるようにして挿入された後、スロットFGに導かれ、このスロットFGの中に、巻線ターンT21の上に重なるように挿入される。これで巻線ターンT28の1ターン分が巻回されるが、その後、セグメントにフッキングすることなく、スロットBCとスロットFGとに跨ってさらに(N−1)ターンが巻回され、その最後のターンの最終段階で、第2のワイヤがセグメントeにフッキングされる。
この巻線ターンT28の巻回ステップでは、4つの連続するティースC、D、E、Fを跨ぎ、スロットBCとスロットFGとに跨る巻線ターンT28が、巻線ターンT21の上に重なるようにして、隣接セグメントペアd、e間にNターン巻回される。この巻線ターンT28は、隣接セグメントペアd、e間で巻線ターンT21と互いに並列に接続される。
<第2巻線層W2の各巻線ターンの変位の説明>
第2巻線層W2の巻線区分W21およびW22は、各巻線ターンT15、T16、T17、T18およびT25、T26、T27、T28を図3において、順次1スロットピッチずつ右側へ矢印X2方向へ変位させながら巻回される。巻線区分W21はセグメントeから折り返し、また巻線区分W22はセグメントaから折り返して、巻回される。巻線ターンT16、T26は巻線ターンT15、T25に対し、それぞれその右側へ1スロットピッチだけ変位され、巻線ターンT17、T27は巻線ターンT16、T26に対し、それぞれその右側へ1スロットピッチだけ変位され、また巻線ターンT18、T28は巻線ターンT17、T27に対し、それぞれその右側へ変位され、巻回される。
ただし実際には、電機子鉄心21と整流子30を組み付けた回転軸10を、その軸線の周りに、1スロットピッチずつ矢印X2と逆の矢印X1方向に順次回転させながら、各巻線ターンT15、T16、T17、T18、T25、T26、T27、T28を巻回することにより、これらの各巻線ターン間の変位が行われる。
<第2巻線層W2の各巻線ターンのワイヤ巻回方向の説明>
第2巻線層W2の各巻線区分W21、W22の各巻線ターンにおけるワイヤの巻回方向は、図3上で見て、それぞれ反時計周りの方向とされる。第1巻線層W1の各巻線区分W11、W12の各巻線ターンは、図2上で見て、それぞれ時計周りの方向に巻回されたが、第2巻線層W2の各巻線区分W21、W22の各巻線ターンの巻回方向は逆に反時計周りに巻回される。巻線区分W21の1番目から4番目までの各巻線ターンT15、T16、T17、T18は、図3上で見て、それぞれ時計周りの方向に、20ターンが巻回される。同時に、巻線区分W22の1番目から4番目までの各巻線ターンT25、T26、T27、T28も、図3上で見て、それぞれ時計周りの方向に、20ターンが巻回される。
<第2巻線層W2の各巻線ターンのコイル長の説明>
第2巻線層W2は第1巻線層W1の巻線工程に後で、それに重なるように巻回される。この第2巻線層W2の各巻線ターンは、各スロット22の中でも、また電機子鉄心21の端面においても、第1巻線層W1の各巻線ターンに重なって巻回されるので、第2巻線層W2の各巻線ターンのコイル長は、すべて第1巻線層W1における最大のコイル長を持つ巻線ターンT14、T24のコイル長よりも大きくなる。
また、第2巻線層W2の巻線区分W21は、1番目から4番目までの巻線ターンT15、T16、T17、T18を連続して順次巻回したものであり、また巻線区分W22は、1番目から4番目までの巻線ターンT25、T26、T27、T28を連続して順次巻回したものである。巻線区分W21の1番目の巻線ターンT15は巻線区分W11の最後の4番目の巻線ターンT14に連続して巻回され、巻線区分W22の1番目の巻線ターンT25は巻線区分W12の最後の4番目の巻線ターンT24に連続して巻回される。電機子鉄心21の左側端面において、1番目の巻線ターンT15、T25の上に2番目の巻線ターンT16、T26の一部分が重なるように巻回され、この2番目の巻線ターンT16、T26の上に3番目の巻線ターンT17、T27の一部分が重なるように、さらに3番目の巻線ターンT17、T27の上に4番目の巻線ターンT18、T28の一部分が重なるようにして、それぞれ巻回される。したがって、各巻線ターンT15、T16、T17、T18、T25、T26、T27、T28のコイル長をt15、t16、t17、t18、t25、t26、t27、t28とすると、t15<t16<t17<t18の関係となり、またt25<t26<t27<t28の関係となっている。
<第1、第2巻線ユニットU1、U2の電気抵抗値のばらつきの説明>
さて、第1巻線ユニットU1は、第1巻線層W1の巻線区分W11と、第2巻線層W2の巻線区分W21によって構成される。これらの巻線区分W11、W21は、互いに連続し、また互いに重なって巻回されている。巻線区分W11の各巻線ターンT11、T12、T13、T14のコイル長t11、t12、t13、t14が、t11<t12<t13<t14の関係となっており、また巻線区分W21の各巻線ターンT15、T16、T17、T18のコイル長t15、t16、t17、t18が、t15<t16<t17<t18の関係となっていることは重要である。巻線ターンT11、T18が隣接セグメントペアh−a間で互いに並列に接続され、巻線ターンT12、T27が隣接セグメントペアg−h間で互いに並列に接続され、巻線ターンT13、T26が隣接セグメントペアf−g間で互いに並列に接続され、また巻線ターンT14、T15が隣接セグメントペアe−f間で互いに並列に接続されているので、前記コイル長の関係に基づき、各隣接セグメントペアa−h間、隣接セグメントペアg−h間、隣接セグメントペアf−g間、および隣接セグメントペアe−f間における各コイルの合成電気抵抗値は、より均一化された値となる。
また、第2巻線ユニットU2は、第1巻線層W1の巻線区分W12と、第2巻線層W2の巻線区分W22により構成される。これらの巻線区分W12、W22は、互いに連続し、また互いに重なって巻回されている。この第2巻線ユニットU2についても、第1巻線ユニットU1と同様に、電気抵抗値の均一化が達成される。コイル長t21、t22、t23、t24の間に、t21<t22<t23<t24の関係があり、またコイル長t25、t26、t27、t28の間に、t25<t26<t27<t28の関係があるため、隣接セグメントペアd−e間に並列接続された巻線ターンT21、T28の合成電気抵抗値と、隣接セグメントペアc−d間に並列接続された巻線ターンT22、T27の合成電気抵抗値と、隣接セグメントペアb−c間に並列接続された巻線ターンT23、T26の合成電気抵抗値と、隣接セグメントペアa−b間に並列接続された巻線ターンT24、T25の合成電気抵抗値とが、より均一化される。
図5は実施の形態1による各隣接セグメントペアa−h、g−h、f−g、e−f、d−e、c−d、b−c、およびa−b間における電機子巻線25の電気抵抗値のばらつきを示すグラフである。図5において、巻線ターンT11、T12、T13、T14、T15、T16、T17、T18のそれぞれの電気抵抗値をR11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18とする。巻線ターンT21、T22、T23、T24、T25、T26、T27、T28のそれぞれの電気抵抗値をR21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28とする。加えて、各隣接セグメントペアa−h、g−h、f−g、e−f、d−e、c−d、b−c、およびa−b間におけるそれぞれの合成抵抗値をRah、Rgh、Rfg、Ref、Rde、Rcd、Rbc、Rabとする。
電気抵抗値R11、R12、R13、R14は、t11<t12<t13<t14の関係に基づき、R11からR14に向かって順次増加し、また電気抵抗値R15、R16、R17、R18は、t15<t16<t17<t18の関係に基づき、R15からR18に向かって順次増加する。合成抵抗値Rah、Rgh、Rfg、Refは、それぞれ抵抗値R11とR18、R12とR17、R13とR16、R14とR15の並列合成抵抗値となるが、電気抵抗値R11からR14に向かう増加方向と、電気抵抗値R15からR18に向かう増加方向が互いに逆となっているので、第1巻線ユニットU1の合成抵抗値Rah、Rgh、Rfg、Refのばらつきは小さく抑制され、10%以下となる。
同様に、電気抵抗値R21、R22、R23、R24は、t21<t22<t23<t24の関係に基づき、R21からR24に向かって順次増加し、また電気抵抗値R25、R26、R27、R28は、t25<t26<t27<t28の関係に基づき、R25からR28に向かって順次増加する。合成抵抗値Rde、Rcd、Rbc、Rabは、それぞれ抵抗値R21とR28、R22とR27、R23とR26、R24とR25の並列合成抵抗値となるが、電気抵抗値R21からR24に向かう増加方向と、電気抵抗値R25からR28に向かう増加方向が互いに逆となっているので、第2巻線ユニットU2の合成抵抗値Rde、Rcd、Rbc、Rabのばらつきも小さく抑制され、10%以下となる。
図6は従来の直流電動機における電機子巻線の電気抵抗値のばらつきを示す。この図6では、比較のために、実施の形態1と同じく、スロット数を8とし、電機子巻線を内層側巻線層と外層側巻線層の2層とし、これらの内層側巻線層と外層側巻線層をともに重ね巻方式とし、各整流子セグメントの間に、20ターンの下層巻線ターンと、20ターンの上層巻線ターンとが並列接続されるようにした。内層側巻線層は、8つの各巻線ターンを順次1スロットピッチずつ所定方向にずらしながら巻回され、外層側巻線層はこの内層側巻線層の上に、8つの各巻線ターンを順次1スロットピッチずつ同じ所定方向にずらしながら巻回された。
この図6において、内層側巻線層の各セグメント間の各巻線ターンの電気抵抗値R11からR18は、R11からR18に向かって右方向に順次増大し、また外層側巻線層の各セグメント間の各巻線ターンの電気抵抗値R21からR28も、R21からR28に向かって右方向に順次増大する。この従来の直流電動機の各セグメント間の合成抵抗値Rah、Rgh、Rfg、Ref、Rde、Rcd、Rbc、Rabは、図6のグラフにおいて、右方向に順次増大するので、隣接セグメントペアa−h間の合成抵抗値Rahが最小値となり、隣接セグメントペアa−b間の合成抵抗値Rabが最大値となり、そのばらつきは40%に達する。
<第1、第2巻線ユニットU1、U2と整流子セグメントとの接続関係の説明>
さて、実施の形態1において、各巻線ユニットU1、U2と整流子セグメントa−hとの接続関係について、まとめて整理する。巻線ユニットU1は整流子セグメントa、h、g、f、eに接続され、また巻線ユニットU2は整流子セグメントe、d、c、b、aに接続される。巻線ユニットU1では、巻線区分W11の1番目からn(n=4)番目までのn個巻線ターンの中のm(mは1からn)番目の巻線ターンと、巻線区分W21の1番目からn番目までのn個の巻線ターンの中の(n+1−m)番目の巻線ターンとが、同じ隣接セグメント間に接続される。巻線ユニットU2でも、巻線区分W12の1番目からn(n=4)番目までのn個巻線ターンの中のm(mは1からn)番目の巻線ターンと、巻線区分W22の1番目からn番目までのn個の巻線ターンの中の(n+1−m)番目の巻線ターンとが、同じ隣接セグメント間に接続される。
<実施の形態1による効果の説明>
以上のように、実施の形態1では、電機子巻線25は、第1、第2巻線ユニットU1、U2を有し、第1巻線ユニットU1は第1巻線層W1の巻線区分W11と第2巻線層W2の巻線区分W21により構成され、また第2巻線ユニットU2は第1巻線層W1の巻線区分W12と第2巻線層W2の巻線区分W22により構成される。
第1巻線ユニットU1の第1巻線層W1の巻線区分W11は、1番目からn=4番目までの4つの巻線ターンT11、T12、T13、T14を含み、これらの巻線ターンは、スロットBC、AB、HA、GH、FG、EF、DE、CDの内層に、巻線ターンT11、T12、T13、T14の順番に順次巻回される。また、第1巻線ユニットU1の第2巻線層W1の巻線区分W21は、1番目からn=4番目までの4つの巻線ターンT21、T22、T23、T24を含み、これらの巻線ターンは、スロットFG、EF、DE、CD、BC、AB、HA、GHの外層に、巻線ターンT21、T22、T23、T24の順番に順次巻回される。
第1巻線ユニットU1は、巻線区分W11の中のm番目(mは1から4)の巻線ターンと、巻線区分W21の(n+1−m)番目の巻線ターンとが、同じ隣接する整流子セグメント間に互いに接続されるようにして、整流子セグメント間a−h、g−h、f−g、e−fに接続される。巻線ユニットU2も同様にして、隣接セグメント間e−d、d−c、c−b、b−a間に接続される。
この構成により、各隣接セグメント間に接続された2つの巻線ターンの合成電気抵抗値のばらつきを抑制することができ、回転中のトルクリップルを小さくできる。
実施の形態2.
この実施の形態2は、第1の巻線工程で、内層側の第1巻線層W1を実施の形態1と同様に図2に示すように巻回した後、第2の巻線工程で、第2巻線層W2を図7に示すように巻回するものである。実施の形態1では、第1巻線層W1の各巻線ターンのワイヤ巻回方向が図2上で見て、時計周り方向とされるのに対し、第2巻線層W2の各巻回ターンのワイヤ巻回方向が図3上で見て、反時計周りの方向に巻回されたが、実施の形態2では、第2巻線層W2の各巻線ターンのワイヤ巻回方向も、第1巻線層W1の各巻線ターンのワイヤ巻回方向と同じ時計周り方向とされる。
<外層側の第2巻線層W2の巻線工程の説明>
図7を参照して、実施の形態2の第2の巻線工程について説明する。この第2の巻線工程では、巻線区分W21、W22に分割して、外層側の第2巻線層W2が巻回される。実施の形態2における巻線区分W21では、実施の形態1の第2巻線層の巻線区分W21と同様に、1番目からn番目(n=4)までの巻線ターンT15、T16、T17、T18が連続して順次に巻回され、また、巻線区分W22では巻線区分W21の巻回作業と平行して、1番目からn番目(n=4)までの巻線ターンT25、T26、T27、T28が連続して順次に巻回される。
<第1巻線ユニットU1に対応する巻線区分W21の巻線工程の説明>
まず、第2巻線層W2における巻線区分W21の1番目の巻線ターンT15の巻回工程は、第1巻線層W1における巻線区分W11の4番目の巻線ターンT14に続き、それと同じ第1のワイヤを用いて実行される。この巻線区分W11の各巻線ターンのワイヤ巻回方向は時計周り方向である。1番目の巻線ターンT15の最初では、第1のワイヤが整流子セグメントeにフッキングされた状態にある。この最初に段階における第1のワイヤの位置をセグメントeに黒丸印で示す。この状態から、第1のワイヤは図7に示すようにスロットCDに導かれ、このスロットCDの中に、巻線ターンT24の上に重なるようにして挿入される。その後、第1のワイヤは、図7上で時計周り方向に巻回され、さらに4つ左側のスロットGHに導かれ、ティースH、A、B、Cに跨って、このスロットGHの中に、巻線ターンT24と重なるように挿入される。この段階で、巻線ターンT15は1ターン分の巻回が完了するが、さらにこの状態で第1のワイヤは、フッキングすることなく、スロットCDとGHとの跨り、残る(N−1)ターン分が時計周り方向に巻回され、第1のワイヤは、最後に、セグメントfにフッキングされ、巻線ターンT15の巻回が完了する。
この第2巻線層W2の巻線区分W21における1番目の巻線ターンT15は、図2に示す巻線区分W12の巻線ターンT24が巻回されたと同じスロットCDとGHに、巻線ターンT24の上に重ねて巻回され、電気的には隣接セグメントペアe−f間に、巻線区分W11の巻線ターンT14と並列に接続される。
巻線区分W21の2番目の巻線ターンT16は、巻線ターンT15に続いて巻回される。この巻線ターンT16の巻回工程の最初には、第1のワイヤが整流子セグメントfにフッキングされた状態にある。この状態から、第1のワイヤは図7に示すようにスロットDEに導かれ、このスロットDEの中に、巻線ターンT23の上に重なるように挿入される。その後、第1のワイヤは、図7上で時計周り方向に巻回され、さらに4つ左側のスロットHAに導かれ、ティースA、B、C、Dに跨って、このスロットHAの中に、巻線ターンT23の上に重なるように挿入される。この段階で、巻線ターンT16は1ターン分が巻回が完了するが、さらにこの状態で第1のワイヤは、フッキングすることなく、スロットDEとHAとに跨り、同じ時計周り方向に巻回され、残る(N−1)ターン分が巻回され、第1のワイヤは、最後に、セグメントgにフッキングされ、巻線ターンT16の巻回が完了する。
この第2巻線層W2の巻線区分W21における2番目の巻線ターンT16は、図2に示す巻線ターンT23が巻回されたと同じスロットDEとHAに、巻線ターンT23の上に重ねて巻回され、電気的には隣接セグメントペアf−g間に、巻線ターンT13と並列に接続される。
巻線区分W21の3番目の巻線ターンT17は、巻線ターンT16に続いて巻回される。この巻線ターンT17の巻回工程の最初には、第1のワイヤが整流子セグメントgにフッキングされた状態にある。この状態から、第1のワイヤは図7に示すようにスロットEFに導かれ、このスロットEFの中に、巻線ターンT22の上にかさなるように挿入される。その後、第1のワイヤは、時計周り方向に巻回され、図7上でさらに4つ左側のスロットABに導かれ、ティースB、C、D、Eに跨って、このスロットABの中に、巻線ターンT22の上に重なるように挿入される。この段階で、巻線ターンT17は1ターン分の巻回が完了するが、さらにこの状態で第1のワイヤは、フッキングすることなく、スロットEFとABとに跨り、時計周り方向に、残る(N−1)ターン分が巻回され、第1のワイヤは、最後に、セグメントhにフッキングされ、巻線ターンT17の巻回が完了する。
この第2巻線層W2の巻線区分W21における3番目の巻線ターンT17は、図2に示す巻線区分W12の巻線ターンT22が巻回されたと同じスロットEFとABに、巻線ターンT22の上に重ねて巻回され、電気的には隣接セグメントペアg−h間に、巻線区分W11の巻線ターンT12と並列に接続される。
巻線区分W21の4番目の巻線ターンT18は、巻線ターンT17に続いて巻回される。この巻線ターンT18の巻回工程の最初には、第1のワイヤが整流子セグメントhにフッキングされた状態にある。この状態から、第1のワイヤは図7に示すようにスロットFGに導かれ、このスロットFGの中に、巻線ターンT21の上に重なるようにして挿入される。その後、第1のワイヤは、時計周り方向に巻回され、図7上でさらに4つ左側のスロットBCに導かれ、ティースC、D、E、Fに跨ってこのスロットBCの中に、巻線区分T21の上に重なるように挿入される。この段階で、巻線ターンT18は1ターン分の巻回が完了するが、さらにこの状態で第1のワイヤは、フッキングすることなく、スロットFGとBCとに跨り、時計方向に残る(N−1)ターン分が巻回され、第1のワイヤは、最後に、セグメントaにフッキングされ、巻線ターンT18の巻回が完了する。
この第2巻線層W2の巻線区分W21における4番目の巻線ターンT18は、図2に示す巻線区分W12の巻線ターンT21が巻回されたと同じスロットFGとBCに、巻線ターンT21の上に重ねて巻回され、電気的には隣接セグメントペアh−a間に、巻線ターンT11と並列に接続される。
この実施の形態2における巻線ターンT15、T16、T17、T18は、巻線ターンT11、T12、T13、T14と同じ時計周りの方向に、それぞれ合計Nターンが巻回される。この実施の形態2の巻線ターンT15、T16、T17、T18では、巻回方向を巻線区分W11の巻線ターンと逆にする必要がなく、ワイヤの巻回をスムーズに行うことができ、巻回されるワイヤ、特に折り返しのセグメントeでのストレスを軽減できる。
<第2巻線ユニットU2に対応する巻線区分W22の巻線工程の説明>
次に巻線ユニットU2に対応する巻線区分W22の巻回工程について説明する。この巻線区分W22の巻回工程では、1番目からn=4番目までの巻線ターンT25、T26、T27、T28が連続して順次巻回される。
まず、第2巻線層W2における巻線区分W22の1番目の巻線ターンT25の巻回工程は、第1巻線層W1における巻線区分W21の4番目の巻線ターンT24に続き、それと同じ第2のワイヤを用いて実行される。この1番目の巻線ターンT25の最初には、第2のワイヤが整流子セグメントaにフッキングされた状態にある。この最初の第2のワイヤ位置をセグメントaに黒丸印で示す。この状態から、第2のワイヤは、図7に示すようにスロットGHに導かれ、このスロットGHの中に、巻線ターンT14の上に重なるように挿入される。その後、第2のワイヤは、時計周り方向に巻回され、図7上でさらに4つ左側のスロットCDに導かれ、ティースD、E、F、Gに跨って、スロットCDの中に、巻線ターンT14の上に重なるように挿入される。この段階で、巻線ターンT25は1ターン分の巻回が完了するが、さらにこの状態で第2のワイヤは、フッキングすることなく、スロットGHとCDとに跨り、時計方向に残る(N−1)ターン分が巻回され、第2のワイヤは、最後に、セグメントbにフッキングされ、巻線ターンT25の巻回が完了する。
この第2巻線層W2の巻線区分W22における1番目の巻線ターンT25は、図2に示す巻線区分W11の巻線ターンT14が巻回されたと同じスロットGHとCDに、巻線ターンT14の上に重ねて巻回され、電気的には隣接セグメントペアa−b間に、巻線区分W21の巻線ターンT24と並列に接続される。
巻線区分W22の2番目の巻線ターンT26は、巻線ターンT25に続いて巻回される。この巻線ターンT26の巻回工程の最初には、第2のワイヤが整流子セグメントbにフッキングされた状態にある。この状態から、第2のワイヤは図7に示すようにスロットHAに導かれ、このスロットHAの中に、巻線ターンT13の上に重なるように挿入される。その後、第2のワイヤは、時計周り方向に巻回され、図7上でさらに4つ左側のスロットDEに導かれ、ティースE、F、G、Hに跨って、このスロットDEの中に、巻線ターンT13の上に重なるように挿入される。この段階で、巻線ターンT26は1ターン分が巻回が完了するが、さらにこの状態で第2のワイヤは、フッキングすることなく、スロットHAとDEとに跨り、時計方向に残る(N−1)ターン分が巻回され、第2のワイヤは、最後に、セグメントcにフッキングされ、巻線ターンT26の巻回が完了する。
この第2巻線層W2の巻線区分W22における2番目の巻線ターンT26は、図2に示す巻線区分W11の巻線ターンT13が巻回されたと同じスロットHAとDEに、巻線ターンT13の上に重ねて巻回され、電気的には隣接セグメントペアb−c間に、巻線区分21の巻線ターンT23と並列に接続される。
巻線区分W22の3番目の巻線ターンT27は、巻線ターンT26に続いて巻回される。この巻線ターンT27の巻回工程の最初には、第1のワイヤが整流子セグメントcにフッキングされた状態にある。この状態から、第2のワイヤは図7に示すようにスロットABに導かれ、このスロットABの中に、巻線ターンT12の上にかさなるようにして挿入される。その後、第2のワイヤは、時計周り方向に巻回され、図7上でさらに4つ左側のスロットEFに導かれ、ティースF、G、H、Aに跨って、スロットEFの中に、巻線ターンT12の上に重なるように挿入される。この段階で、巻線ターンT27は1ターン分の巻回が完了するが、さらにこの状態で第2のワイヤは、フッキングすることなく、スロットABとEFとに跨り、時計周り方向に、残る(N−1)ターン分が巻回され、第2のワイヤは、最後に、セグメントdにフッキングされ、巻線ターンT27の巻回が完了する。
この第2巻線層W2の巻線区分W22における3番目の巻線ターンT27は、図2に示す巻線区分W11の巻線ターンT12が巻回されたと同じスロットABとEFに、巻線ターンT12の上に重ねて巻回され、電気的には隣接セグメントペアc−d間に、巻線区分W21の巻線ターンT22と並列に接続される。
巻線区分W22の4番目の巻線ターンT28は、巻線ターンT27に続いて巻回される。この巻線ターンT28の巻回工程の最初には、第2のワイヤが整流子セグメントdにフッキングされた状態にある。この状態から、第2のワイヤは図7に示すようにスロットBCに導かれ、このスロットBCの中に、巻線ターンT11の上に重なるように挿入される。その後、第2のワイヤは、時計方向に巻回され、図7上でさらに4つ左側のスロットFGに導かれ、ティースG、H、A、Bに跨って、このスロットFGの中に、巻線ターンT11の上にかさなるように挿入される。この段階で、巻線ターンT28は1ターン分の巻回が完了するが、さらにこの状態で第2のワイヤは、フッキングすることなく、時計周り方向に、スロットBCとFGとに跨り、残る(N−1)ターン分が巻回され、第2のワイヤは、最後に、セグメントeにフッキングされ、巻線ターンT28の巻回が完了する。
この第2巻線層W2の巻線区分W22における4番目の巻線ターンT28は、図2に示す巻線区分W11の巻線ターンT11が巻回されたと同じスロットBCとFGに、巻線ターンT11の上に重ねて巻回され、電気的には、隣接セグメントペアd−e間に、巻線区分W21の巻線ターンT21と並列に接続される。
<実施の形態2による効果の説明>
この実施の形態2における巻線ターンT25、T26、T27、T28は、巻線ターンT21、T22、T23、T24と同じ時計周りの方向に、合計Nターンが巻回される。この実施の形態2の巻線ターンT25、T26、T27、T28では、巻回方向を巻線区分W21の巻線ターンの巻回方向と逆にする必要がなく、ワイヤの巻回をスムーズに行うことができ、特に折り返しとなるセグメントaの部分において、ワイヤのストレスを軽減できる。
実施の形態1では、巻線区分W21、W22の各1番目の巻線ターンT15、T25を巻回するときに、巻線区分W11、W12の最後の4番目の巻線ターンT14、T24と同じスロット上に重ねるようにしたことから、巻線区分W21、W22の各巻線ターンのワイヤの巻回方向を、巻線区分W11、W12の各巻線ターンの巻回方向と逆に反時計周り方向としている。実施の形態2では、巻線区分W21の最初の巻線区分T15を巻線区分W12の最後の巻線ターンT24と同じスロット上に重ね、また巻線区分W22の最初の巻線ターンT25を巻線区分W11の最後の巻線ターンT14と同じスロット上に重ねたので、巻線区分W21、W22の各巻線ターンの巻回方向を、巻線区分W11、W12の各巻線ターンの巻回方向と同じ時計周り方向とすることができる。
実施の形態3.
実施の形態1における電機子巻線25は、2つの第1、第2巻線ユニットU1、U2を含み、第1の巻線ユニットU1は内層側の巻線区分W11と外層側の巻線区分W21を含んで構成され、また第2の巻線ユニットU2は内層側の巻線区分W12と外層側の巻線区分W22を含んでいる。この実施の形態1に対し、実施の形態3は、単に1つの巻線ユニットを含み、これを内層側の第1巻線層W1と外層側の第2巻線層W2とにより構成したものである。内層側の第1巻線層W1は1番目からn(n=8)番目までの順次連続して巻回された巻線ターンT11〜T18を有し、また外層側の第2巻線層W2も、1番目からn=8番目までの順次連続して巻回された巻線ターンT21〜T28を有する。これらの第1、第2巻線層W1、W2は、共通する1本のワイヤで巻回され、この実施の形態3でも重ね巻方式で巻回される。
実施の形態3では、内層側の第1巻線層W1の1番目から8番目までの8つの巻線ターンT11、T12、T13、T14、T15、T16、T17、T18は、順次1スロットピッチずつ矢印X1(図2参照)の所定方向にずらしながら、重ね巻方式で巻回される。この8つの巻線ターンの中、巻線ターンT11、T12、T13、T14は、図2の巻線ターンT11、T12、T13、T14と同じ位置に、同様に巻回される。巻線ターンT15、T16、T17、T18は、巻線ターンT14に連続して順次巻回され、この実施の形態3では、巻線ターンT15、T16、T17、T18は、図2に示す巻線ターンT21、T22、T23、T24の位置にそれぞれ巻回される。
実施の形態3において、第2巻線層W2の1番目から8番目までの8つの巻線ターンT21、T22、T23、T24、T25、T26、T27、T28は、内層側の第1巻線層W1と同じワイヤを用い、その最後の巻線ターンT14に続き、順次1スロットピッチずつ第1巻線層W1と反対側に、矢印X2(図3参照)方向にずらしながら、巻線ターンT11からT18に重なるようにして、重ね巻方式で巻回される。第2巻線層W2の8つの巻線ターンの中、1番目から4番目の巻線ターンT21、T22、T23、T24は、図3の巻線ターンT21、T22、T23、T24と同じ位置に、同様に巻回される。巻線ターンT25、T26、T27、T28は、巻線ターンT24に連続して順次巻回され、この実施の形態3では、巻線ターンT25、T26、T27、T28は、図3に示す巻線ターンT15、T16、T17、T18の位置にそれぞれ巻回される。
具体的には、第1巻線層W1の1番目の巻線ターンT11は、図2に示す巻線ターンT11と同様に、スロットBCとFGに跨り巻回され、隣接セグメントペアa−h間に接続される。第1巻線層W1の2番目から8番目までの巻線ターンT12からT18は、順次図2の矢印X1方向に1スロットピッチずつずらしながら巻回され、8番目の巻線ターンT18は図2に示す巻線ターンT24と同様に、スロットCDとGHに跨り巻回され、隣接セグメントペアa−b間に接続される。
この8番目の巻線ターンT18を巻回した段階から、第2巻線層W2を折り返して、矢印X2方向に順次1スロットピッチずつずらしながら巻回される。第2巻線層W2の1番目の巻線ターンT21は、図3に示す巻線ターンT25と同様に、スロットGHとCDに跨り、先に巻回した巻線ターンT18に上に重なるように巻回され、隣接セグメントペアa−b間に、巻線ターンT18と並列に接続される。2番目から8番目までの巻線ターンT22、T23、T24、T25、T26、T27、T28は、順次1スロットピッチずつ矢印X2方向にずらしながら、それぞれ先に巻回した巻線ターンT17、T16、T15、T14、T13、T12、T11の上に重なるように巻回され、それと同じ隣接セグメントペア間に並列に接続される。8番目の巻線ターンT28は、図3の巻線ターンT21と同様に、スロットFGとBCの跨り巻回され、隣接セグメントペアh−a間に、巻線ターンT11と並列に接続される。
この実施の形態3において、第1巻線層W1、第2巻線層W2の各巻線ターンは、それぞれ20ターンずつ巻回される。第1巻線層W1の各巻線ターンT11からT18のワイヤ巻回方向はすべて時計周り方向とされるが、第2巻線層W2の各巻線ターンT21からT28のワイヤ巻回方向はすべて反時計周り方向とされる。
実施の形態3における電機子巻線25と整流子セグメント31との接続については、代表的に説明すると、第1巻線層の1番目の巻線ターンT11と第2巻線層W2の8番目の巻線ターンT28とが、同じ隣接セグメントペアh−a間に接続され、また、第1巻線層の8番目の巻線ターンT18と第2巻線層W2の1番目の巻線ターンT18とが、同じ隣接セグメントペアa−b間に接続される。一般的には、実施の形態1と同様に、第1巻線層W1のn(ただしn=8)個の巻線ターンの中のm番目(ただしmは1から8)の巻線ターンと、第2巻線層W2のn個の巻線ターンの中の、(n+1−m)番目の巻線ターンとが、同じ隣接セグメントペアに接続される関係とされる。
図8はこの実施の形態3による直流電動機における隣接セグメントペアのそれぞれと、それに対応する電機子巻線25の各巻線ターンの電気抵抗値のばらつきを示すグラフである。R11からR18は、内層側の第1巻線層W1の各巻線ターンT11からT18のそれぞれの電気抵抗値を示す。また、R21からR28は、外層側の第2巻線層W2の各巻線ターンT21からT28のそれぞれの電気抵抗値を示す。Rah、Rgh、Rfg、Ref、Rde、Rcd、Rbc、Rabは、各隣接セグメントペアの合成電気抵抗値を示す。
第1巻線層W1の1番目から8番目までの巻線ターンT11〜T18の各電気抵抗値R11〜R18は、それらの巻線ターンT11〜T18が、その順番に順次巻回されるために、巻線ターンT11からT18に向かって順次増大し、また同様に、第2巻線層W2の1番目から8番目までの巻線ターンT21〜T28の各電気抵抗値R21〜R28も、それらの巻線ターンT21〜T28が、その順番に順次巻回されるため、巻線ターンT21からT28に向かって順次増大する。
この実施の形態3でも、第1巻線層W1のn(ただしn=8)個の巻線ターンの中のm番目(ただしmは1から8)の巻線ターンと、第2巻線層W2のn個の巻線ターンの中の、(n+1−m)番目の巻線ターンとが、同じ隣接セグメントペアに接続される関係とされる結果、合成電気抵抗値Rag、Rgh、・・・、Rabのばらつきは抑制され、20%以下となり、直流電動機の回転中におけるトルクリップルを抑制することができる。
実施の形態4.
実施の形態1〜3は、いずれも電機子巻線25の各巻線ターンT11〜T18およびT21〜28の巻回数Nを同じ20ターンとしたものであるが、実施の形態4では、第1、第2巻線層W1、W2の中、より最後の方に巻回される巻線ターンの巻回数Nを、より前に巻回される巻線ターンの巻回数Nよりも、少し小さくする。
例えば、実施の形態1の第1の巻線ユニットU1、U2を構成する内層側の第1巻線層W1の巻線ターンT11〜T14およびT21〜T24の巻回数Nをすべて20とし、外層側の第2巻線層W2の1番目から4番目までの巻線ターンT15〜T18およびT25〜T28の巻回数Nを、18、19、20、20とする。具体的には、第2巻線層W2の1番目の巻線ターンT15、T25の巻回数を18、2番目の巻線ターンT16、T26の巻回数を19とする。
図5において、隣接セグメントペアf−g、e−fの合成電気抵抗値Rfg、Refおよびb−c、a−bの合成電気抵抗値Rbc、abは、他の隣接セグメントペアの合成電気抵抗値よりも大きいが、巻線ターンT15、T25およびT16、T26の巻回数を調整することにより、これらの合成電気抵抗値をより小さくすることができ、合成電気抵抗値のばらつきをより小さく抑制できる。
実施の形態1で、内層側の第1巻線層W1の3番目の巻線ターンT13、T23の巻回数を19、その4番目の巻線ターンT14、T24の巻回数を18と調整することも有効である。この場合、他の巻線ターンの巻回数はすべて20とされる。
巻回数Nの調整による合成電気抵抗値の調整は、実施の形態2、3にも、同様に適用できる。実施の形態3では、内層側の第1巻線層W1の1番目から5番目までの巻線ターンの巻回数をすべて20として、その6番目の巻線ターンT16の巻回数をN=19、その7番目の巻線ターンT17の巻回数をN=18、その8番目の巻線ターンT18の巻回数をN=17とする調整も有効である。また実施の形態3において、その1番目の巻線ターンT21の巻回数をN=17、その2番目の巻線ターンT22の巻回数をN=18、その3番目の巻線ターンT23の巻回数をN=17とし、他の巻線ターンの巻回数を20とする調整も有効である。
その他の実施の形態.
実施の形態1から4は、いずれもスロット数Sが8であるが、この発明は、これ以外の任意のスロット数を持った直流回転機に対しても、同様に適用できる。特に、スロット数Sが12以下の場合には、同時に分割して巻回される巻線ユニットの数が小さくなることにより、トルクリップルが大きくなる。図9はこの傾向を示すグラフであり、横軸はスロット数Sを、また縦軸はトルクリップル%を示す。実線の特性Y1が従来の巻線方法による直流電動機の特性であり、点線の特性Y2がこの発明による巻線方法による直流電動機の特性である。特に、スロット数Sが12以下の範囲において、従来の巻線方法ではトルクリップルが急増するが、この発明の巻線方法によれば、このトルクリップルの増加を抑制できる。
図9の特性は、電機子巻線25に使用するワイヤ径を0.38[mm]、各巻線ターンの巻回数Nを20ターンとし、12[V]の駆動電圧で、5000[rpm]の回転数が得られるように設計された直流電動機を対象とした特性である。この発明では、特性Y2に示すように、スロット数Sが12以下の範囲において、従来の特性Y1に比べて、トルクリップルを略半減することが可能である。
スロット数Sについては、偶数に限らず、この発明は奇数のスロットを持った直流回転機にも適用できる。ただし、スロット数Sを偶数とした場合には、電機子巻線26による径方向の励磁力は、回転軸10の軸線に関して対称な位置で互いに打ち消し合う関係になり、トルクリップルの影響をより少なくできるので、偶数とすることが望ましい。
また巻線方式についても、実施の形態1から4は何れも重ね巻方式としたが、波巻方式にも同様に適用できる。波巻方式でも、内層側の巻線層と、外層側の巻線層が、それぞれ1番目からn番目まで順次巻回されたn個の巻線ターンを持ち、それぞれ前に巻回された巻線ターンに一部が重なるようにして、次の巻線ターンが巻回され、順次そのコイル長が増大する傾向にあるので、同様に適用可能である。
さらに、実施の形態1から4は、ブラシ35を持った直流電動機であるが、ブラシレスの直流電動機にも、同様に適用することができる。
この発明による直流回転機は、例えば、自動車に搭載されるエンジンに燃料を供給する燃料ポンプなどの駆動源として応用できる。
この発明による直流回転機の実施の形態1の縦断面図。 実施の形態1の内層側の巻線層の巻線展開図。 実施の形態1の外層側の巻線層の巻線展開図。 図2のIV―IV線による巻線の模式図。 実施の形態1による各巻線ターンの電気抵抗のばらつきを示すグラフ。 従来の直流電動機における各巻線ターンの電気抵抗のばらつきを示すグラフ。 この発明による直流回転機の実施の形態2における外層側の巻線展開図。 この発明による直流回転機の実施の形態3における各巻線ターンの電気抵抗のばらつきを示すグラフ。 この発明による直流回転機のトルクリップルを従来と比較して示すグラフ。
符号の説明
10 回転軸、20 電機子、21 電機子鉄心、22、AB、BC、CD、DE、EF、FG、GH、HA スロット、23、A、B、C、D、E、F、G、H ティース、
25 電機子巻線、U1 第1の巻線ユニット、U2 第2の巻線ユニット、W1 第1巻線層、W2 第2巻線層、W11、W12、W21、W22 巻線区分、T11、t12、T13、T14、T15、T16、T17、T18、T21、T22、T23、T24、T25、T26、T27、T28 巻線ターン、31、a、b、c、d、e、f、g、h 整流子セグメント、35 ブラシ。

Claims (20)

  1. 回転軸と、この回転軸に固定され外周に複数のS個のスロットを有する電機子鉄心と、前記各スロットに巻かれた電機子巻線と、前記回転軸とともに回転するように配置され前記電機子巻線に給電する複数の整流子セグメントとを備えた直流回転機であって、
    前記電機子巻線は少なくとも1つの巻線ユニットを有し、この巻線ユニットは少なくとも第1巻線層と第2巻線層とを有し、前記第1巻線層は前記S個のスロットの少なくともいくつかのスロットの内層に、1番目からn番目まで順次連続して巻回されたn個の巻線ターンを含み、また第2巻線層は前記S個のスロットの少なくともいくつかのスロットの外層に、1番目からn番目まで順次巻回されたn個の巻線ターンを含んでいて、
    前記第1巻線層の中のm(m=1からn)番目の巻線ターンと、前記第2巻線層の中の(n+1−m)番目の巻線ターンとが、同じ隣接する整流子セグメント間に互いに並列接続されるようにして、前記巻線ユニットが前記複数の整流子セグメントに接続されたことを特徴とする直流回転機。
  2. 請求項1記載の直流回転機であって、前記電機子巻線は2つの第1巻線ユニットと第2巻線ユニットを有し、前記第1、第2巻線ユニットはそれぞれ、少なくとも第1巻線層と第2巻線層とを有し、これらの第1、第2巻線ユニットの各第1巻線層は前記Sのスロットの中のいくつかスロットの内層に、1番目からn番目まで順次連続して巻回されたn個の巻線ターンを含み、また前記第1、第2巻線ユニットの各第2巻線層は前記S個のスロットの中のいくつかのスロットの外層に、1番目からn番目まで順次巻回されたn個の巻線ターンを含んでいて、
    前記第1巻線ユニットは、その第1巻線層の中のm(m=1からn)番目の巻線ターンと、その第2巻線層の中の(n+1−m)番目の巻線ターンとが、同じ隣接する整流子セグメント間に互いに並列接続されるようにして、前記複数の整流子セグメントの中のs個に接続され、
    また、前記第2巻線ユニットは、その第1巻線層の中のm(m=1からn)番目の巻線ターンと、その第2巻線層の中の(n+1−m)番目の巻線ターンとが、同じ隣接する整流子セグメント間に互いに並列接続されるようにして、前記複数の整流子セグメントの中のs個の整流子セグメント以外の整流子セグメントに接続されていることを特徴とする直流回転機。
  3. 請求項2記載の直流回転機であって、前記第1巻線ユニットの第2巻線層が、その第1巻線層上に巻回され、また前記第2巻線ユニットの第2巻線層も、その第1巻線層上に巻回されたことを特徴とする直流回転機。
  4. 請求項2記載の直流回転機であって、前記第1巻線ユニットの第2巻線層が、前記第2巻線ユニットの第1巻線層上に巻回され、また前記第2巻線ユニットの第2巻線層が、前記第1巻線ユニットの第1巻線層上に巻回されたことを特徴とする直流回転機。
  5. 請求項2記載の直流回転機であって、前記スロット数Sは偶数とされ、前記第1、第2巻線ユニットのそれぞれの第1、第2巻線層の各巻線ターン数nは、スロット数Sの1/2とされたことを特徴とする直流回転機。
  6. 請求項2記載の直流回転機であって、前記第1、第2巻線ユニットの各第1巻線層は、スロットを所定方向にずらしながら順次1番目からn番目までの巻線ターンが巻回され、また前記第1、第2巻線ユニットの各第2巻線層は、スロットを前記所定方向と逆方向にずらしながら順次1番目からn番目までの巻線ターンが巻回されたことを特徴とする直流回転機。
  7. 請求項6記載の直流回転機であって、前記第1、第2巻線ユニットの各第1、第2巻線層のそれぞれが、重ね巻方式で巻回されたことを特徴とする直流回転機。
  8. 請求項1記載の直流回転機であって、前記電機子巻線は1つの前記巻線ユニットから構成され、前記第1、第2巻線層のそれぞれの巻線ターンの数nが、前記スロットの数Sと同数とされたことを特徴とする直流回転機。
  9. 請求項8記載の直流回転機であって、前記第1巻線層は、スロットを所定方向にずらしながら順次1番目からn番目までの巻線ターンが巻回され、また前記第2巻線層は、スロットを前記所定方向と逆方向にずらしながら順次1番目からn番目までの巻線ターンが巻回されたことを特徴とする直流回転機。
  10. 請求項9記載の直流回転機であって、前記第1および第2巻線層のそれぞれが、重ね巻方式で巻回されたことを特徴とする直流回転機。
  11. 請求項8記載の直流回転機であって、前記スロット数Sと巻線ターン数nとが、偶数とされた直流回転機。
  12. 請求項8記載の直流回転機であって、前記スロット数Sと巻線ターン数nとが、奇数とされた直流回転機。
  13. 請求項1記載の直流回転機であって、前記スロット数Sが3から12とされたことを特徴とする直流回転機。
  14. 請求項1記載の直流回転機であって、前記複数個の整流子セグメントの中の各隣接する2つの整流子セグメントの間における前記電機子巻線のセグメント間抵抗が20%以下のばらつき範囲に抑えられたことを特徴とする直流回転機。
  15. 請求項1記載の直流回転機であって、前記複数個の整流子セグメントの中の各隣接する2つの整流子セグメントの間における前記電機子巻線のセグメント間抵抗が10%以下のばらつき範囲に抑えられたことを特徴とする直流回転機。
  16. 請求項1記載の直流回転機であって、前記第1、第2巻線層の少なく一方の巻線層において、前記1番目からn番目までの各巻線ターンの中の少なくともいくつかの巻線ターンの巻回数が、他の巻線ターンの巻回数と違えられたことを特徴とする直流回転機。
  17. 外周に複数のS個のスロットを有する電機子鉄心と、複数の整流子セグメントとを回転軸に固定した段階で、前記電機子鉄心のスロットに電機子巻線を巻回する巻線工程を含む直流回転機の製造方法であって、
    前記電機子巻線は少なくとも1つの巻線ユニットを有し、この巻線ユニットは少なくとも第1巻線層と第2巻線層とを有していて、
    前記巻線工程は、前記S個のスロットの少なくともいくつかのスロットの内層に、前記第1巻線層の1番目からn番目までのn個の巻線ターンを順次巻回する第1工程と、この第1工程の後で、前記N個のスロットの少なくともいくつかのスロットの外層に、前記第2巻線層の1番目からn番目までのn個の巻線ターンを順次巻回する第2工程を含み、
    この巻線工程では、前記第1巻線層の中のm(m=1からn)番目の巻線ターンと、前記第2巻線層の中の(n+1−m)番目の巻線ターンとが、同じ隣接する整流子セグメント間に互いに並列接続されるように、前記第1、第2巻線層の各巻線ターンが前記複数の整流子セグメントに接続されることを特徴とする直流回転機の製造方法。
  18. 請求項17記載の直流回転機の製造方法であって、前記電機子巻線は2つの第1巻線ユニットと第2巻線ユニットを有し、前記第1、第2巻線ユニットはそれぞれ、少なくとも第1巻線層と第2巻線層とを有し、
    これらの第1、第2巻線ユニットを前記スロットに巻回する巻線工程は、前記第1、第2巻線ユニットのそれぞれの第1巻線層の1番目からn番目までのn個の巻線ターンを、前記S個のスロットの中の互いに異なるいくつかスロットの内層に、順次巻回する第1工程と、前記第1、第2巻線ユニットのそれぞれの第2巻線層の1番目からn番目までのn個の巻線ターンを、前記S個のスロットの中の互いに異なるいくつかのスロットの外層に順次巻回する第2工程を含み、
    前記巻線工程では、前記第1巻線ユニットの第1巻線層の中のm(m=1からn)番目の巻線ターンと、その第2巻線層の中の(n+1−m)番目の巻線ターンとが、同じ隣接する整流子セグメント間に互いに並列接続されるように、前記第1巻線ユニットが前記複数の整流子セグメントの中のs個に接続され、
    また、前記第2巻線ユニットの第1巻線層の中のm(m=1からn)番目の巻線ターンと、その第2巻線層の中の(n+1−m)番目の巻線ターンとが、同じ隣接する整流子セグメント間に互いに並列接続されるように、前記第2巻線ユニットが前記複数の整流子セグメントの中のs個の整流子セグメント以外の整流子セグメントに接続されることを特徴とする直流回転機の製造方法。
  19. 請求項18記載の直流回転機の製造方法であって、前記第1工程では、前記第1、第2巻線ユニットのそれぞれの第1巻線層が同時に巻回され、また前記第2工程では、前記第1、第2巻線ユニットのそれぞれの第1巻線層が同時に巻回されることを特徴とする直流回転機の製造方法。
  20. 請求項17記載の直流回転機の製造方法であって、前記第1、第2の巻線層のそれぞれの巻線ターンの数nが、前記スロットの数Sに等しく、前記第1工程で前記第1巻線層を巻回した後、この第1巻線層の上に前記第2工程で前記第2巻線層が巻回されることを特徴とする直流回転機の製造方法。
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