JP4886458B2 - 電動モータ用アーマチュア、電動モータ及び電動モータ用アーマチュアの巻線方法 - Google Patents
電動モータ用アーマチュア、電動モータ及び電動モータ用アーマチュアの巻線方法 Download PDFInfo
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そこで、巻き終わりのスロット間に巻装された巻線を直接コンミテータ片に接続せずに、再度巻き始めのスロット間に巻装した後、コンミテータ片に接続する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このようにすることにより、磁気バランスの優れたアーマチュアとすることができると共に、巻線による巻太りの防止を図ることができる。
この場合、請求項2に記載した発明のように、前記コイルは、前記巻線を順方向となるスロット間に対して順方向で巻装した後、逆方向となるスロット間に対して逆方向で巻装したものであってもよい。
このように構成することで、巻装工程を増やすことなく、コンミテータ片とアーマチュアコアとの間の回転軸外周部位の巻太りを防止することができる。
また、磁気バランスに優れ、コスト低減を図ることができる電動モータを提供することが可能になる。
図1に示すように、電動モータ1は、車両に搭載する電装品の駆動源となるものであって、有底円筒形状のモータハウジング2内にアーマチュア3を回転自在に配置した構成となっている。モータハウジング2の内周面には周方向に二対の永久磁石4が固定されている。これによって、電動モータ1は、モータハウジング2内に四個の磁極が形成された四極型の電動モータとなっている。
図2(a)は、アーマチュア3のコンミテータ片14(ライザ15)とティース9、そして、モータハウジング2側に固着される永久磁石4とを展開した図面であり、隣接するティース9間のとの間の空隙がスロット11に相当している。また、図2(b)は、アーマチュア3への巻線12の巻装状態を示す、アーマチュアコア6の平面図である。尚、以下の図面においては、各コンミテータ片14、各ティース9及び巻装された巻線12にそれぞれ符号を附して説明する。
したがって、3番コンミテータ片14aと4番コンミテータ片14bとの間は、第一コイル7a、第二コイル7b、第三コイル7c、第四コイル7dが直列に接続した状態で巻装されるように設定されている。
すなわち、各永久磁石4,4,4,4に対向する各スロット11間には都合四つのコイル7a,7b,7c,7dが重ねて巻装された短節巻線のアーマチュアコイル7が形成されるようになっている。
図3(a)はアーマチュア3の展開図であって、前述した第一実施形態の図2(a)に対応している。図3(b)は、アーマチュアコア6の平面図であって、前述した第一実施形態の図2(b)に対応している。したがって、図3(a)、図3(b)において、図2(a)、図2(b)と同一態様には、同一符号を付して説明を省略する(以下の実施形態についても同じ)。また、以下の実施形態において、電動モータ1の基本的構造は前記第一実施形態と同様である。
この第二実施形態と第一実施形態との相違点は、第一実施形態の場合、必要となる巻線回数が極数(ここでは4極)で割り切れるのに対し、第二実施形態の場合、必要となる巻線回数を極数で割った際の余りが奇数(例えば、1、3、極数が4極以上の偶数個である場合には、これに加え5、7、9、…)となる点にある。
このように巻装することにより、巻線12は、第一コイル7aの前にスロット11aのみに巻装された0.5回分の副コイル71aを形成する。また、第二コイル7bの前にスロット11dのみに巻装された0.5回分の副コイル71bを形成する。
図5(a)、図5(b)に示すように、例えば、その巻き始め端30が3番コンミテータ片14aより巻き始められた場合、まず、3番コンミテータ片14aのライザ15に掛け回された後、巻線12を1−2番ティース9の間のスロット11aに引き込む。そして、このスロット11aと5−6番ティース9の間のスロット11bとの間において、巻装方向を順巻とし、n回巻装することにより第一コイル7aを形成する。
さらに、スロット11bから引き出された巻線12を再びスロット11aに引き込む。このように巻装することにより、巻線12は、第一コイル7aの前にスロット11aのみに巻装された0.5回分の副コイル71aを形成する。
その後、スロット11hから引き出された巻線12を4番コンミテータ片14bのライザ15に掛け回し、4番コンミテータ片14bに巻線12の巻き終わり端40を接続する。これにより、各永久磁石4,4,4,4に対向する各スロット11間には都合四つのコイル7a,7b,7c,7dが重ねて巻装された短節巻線のアーマチュアコイル7が形成されるようになっている。
また、上述の実施形態では、巻線12は巻線方向が順巻である第一コイル7aと第二コイル7bとを順次巻装した後、巻線方向が逆巻である第三コイル7cと第四コイル7dとに順次巻装され、さらに、巻線12の巻き終わり端40が最後に引き出されるスロットが巻き始めである第一コイル7a(巻き始めのスロット11a,11b間)に最も近い、第四コイル7d(巻き終わりのコイル)が形成されているスロット(巻き終わりのスロット11g,11h間)のうちのスロット11hとなるように巻装されている場合について説明した。しかしながら、巻線12によるアーマチュア3への巻線方法はこれらに限られるものではなく、巻き終わりのスロット間が巻き始めのスロット間に隣接し、且つ巻き終わり端40が巻き終わりのスロットのうちの巻き始めスロット間に近い方のスロットから引き出されるように巻装されていればよい。つまり、巻線12を第一コイル7a−第三コイル7c−第二コイル7b−第四コイル7dの順で巻装してもよい。
2 モータハウジング(ヨーク)
3 アーマチュア
4 永久磁石(磁極)
5 回転軸
6 アーマチュアコア
7 アーマチュアコイル(コイル)
7a 第一コイル
7b 第二コイル
7c 第三コイル
7d 第四コイル
9 ティース
11,11c,11d,11f,11g,11h スロット
12 巻線
13 コンミテータ
14 コンミテータ片
14a 3番コンミテータ片
14b 4番コンミテータ片
Claims (4)
- 少なくとも四つの偶数個の磁極が設けられたヨークに軸支される回転軸と、前記回転軸に取り付けられ径方向に向かって放射状に延びる複数のティースと、前記ティース間に形成され軸方向に沿って延びる複数のスロットを有するアーマチュアコアと、前記回転軸に前記アーマチュアコアと隣接して設けられ、コンミテータ片を周方向に配置したコンミテータとから成り、
隣接する前記コンミテータ片間に巻線の巻き始め端、及び巻き終わり端がそれぞれ電気的に接続されると共に、前記各磁極に対向するスロット間に前記巻線が重巻方式により巻装されてコイルを形成し、
各コイルは、同一の磁極に対向する位置に存在するコイル同士の巻線方向が同方向で、隣り合うコイルの巻線方向が互いに逆方向となるように巻装されている電動モータ用アーマチュアであって、
前記巻き始め端から配策され巻き始めのスロット間に順方向に巻装した前記巻線を、隣接する逆方向のスロット間を飛ばしてその先の同方向の各スロット間に巻装し、巻き終わりのスロット間を前記巻き始めのスロット間に隣接する前記逆方向のスロット間に設定すると共に、前記巻き終わり端を引き出すスロットを前記逆方向のスロットのうちの前記巻き始めのスロット間に近い方のスロットに設定したことを特徴とする電動モータ用アーマチュア。 - 前記コイルは、前記巻線を順方向となるスロット間に対して順方向で巻装した後、逆方向となるスロット間に対して逆方向で巻装したものであることを特徴とする請求項1に記載の電動モータ用アーマチュア。
- 請求項1又は請求項2に記載の電動モータ用アーマチュアを用いたことを特徴とする電動モータ。
- 少なくとも四つの偶数個の磁極が設けられたヨークに軸支される回転軸と、前記回転軸に取り付けられ径方向に向かって放射状に延びる複数のティースと、前記ティース間に形成され軸方向に沿って延びる複数のスロットを有するアーマチュアコアと、前記回転軸に前記アーマチュアコアと隣接して設けられ、コンミテータ片を周方向に配置したコンミテータとから成り、
隣接する前記コンミテータ片間に巻線の巻き始め端、及び巻き終わり端がそれぞれ電気的に接続されると共に、前記各磁極に対向するスロット間に前記巻線が重巻方式により巻装されてコイルを形成し、
各コイルは、同一の磁極に対向する位置に存在するコイル同士の巻線方向が同方向で、隣り合うコイルの巻線方向が互いに逆方向となるように巻装されている電動モータ用アーマチュアの巻線方法であって、
前記巻き始め端から配策され巻き始めのスロット間に順方向に巻装した前記巻線を、隣接する逆方向のスロット間を飛ばしてその先の同方向の各スロット間に巻装した後、前記巻き始めのスロット間に隣接する前記逆方向のスロット間に巻装してこれを巻き終わりとすると共に、前記巻き終わり端を前記逆方向のスロットのうちの前記巻き始めのスロット間に近い方のスロットから引き出すことを特徴とする電動モータ用アーマチュアの巻線方法。
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