JP2013090437A - 電動モータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】筒部を有するヨークと、筒部の内周面に設けられた複数のマグネット42と、ヨークに対して回転自在に設けられたアーマチュア43とを備え、アーマチュア43は、回転軸と、回転軸に取付けられ、巻線14が巻装される複数のティース12と、各ティース12間に形成される複数のスロット13とを有するアーマチュアコア43aと、回転軸に、アーマチュアコア43aと隣接して設けられ、巻線14が接続される複数のセグメント22を周方向に配置したコンミテータ20とを有し、セグメント22にブラシ24が複数摺接されている電動モータ40において、アーマチュアコア43aに対し、コンミテータ20を進角させた状態で設けた。
【選択図】図3
Description
また、各セグメントには複数のブラシが摺接可能に接続されており、このブラシを介してそれぞれの巻線に給電が行われるようになっている。そして、給電された巻線に磁界が形成され、ヨークのマグネットとの間に生じる磁気的な吸引力や反発力によってアーマチュアが駆動する。
このため、セグメントに摺接するブラシの位置を回転方向にずらして進角を付けるようにしたり、マグネットを回転方向にずらして進角を付けるようにしたりする技術が開示されている(例えば、特許文献2、特許文献3参照)。
このため、上述の従来技術2、従来技術3のように、セグメントに摺接するブラシの位置を回転方向にずらして進角を付けようとすると、進角を付ける場合と付けない場合とで、ブラシの配置が異なってしまう。この分、ブラシを保持するブラシホルダの種類が多くなり、コストが嵩むという課題がある。
さらに、マグネットを回転方向にずらして進角を付けようとする場合、例えばマグネットを4個設けた4極の電動モータは、マグネットをずらすスペースを確保するのが困難で、確実に進角を付けにくいという課題がある。
また、ブラシをずらす必要がないので、ブラシホルダの種類の増加を防止でき、コストを削減することができる。
この場合、請求項5に記載した発明のように、前記回転軸を中心にして前記第1コイル束と点対称に形成される第2コイル束と、前記第1コイル束とを、前記巻線により連続的に形成してもよい。
また、ブラシをずらす必要がないので、ブラシホルダの種類の増加を防止でき、コストを削減することができる。
次に、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、減速機付モータ装置1の部分断面平面図、図2は、図1のA−A線に沿う断面図である。
図1、図2に示すように、減速機付モータ装置1は、電動モータ40と、電動モータ40に連結された減速機構30とを備えている。
一方、ウォーム31の一端には、ジョイント部材37を介し、電動モータ40の回転軸44が相対回転不能に連結されている。これにより、電動モータ40の回転力がウォーム31、及びウォームホイール33を介して出力ギヤ35に伝達される。
電動モータ40は、ヨーク41と、ヨーク41の内側に回転自在に支持されているアーマチュア43とを備えている。
ヨーク41は、鉄等の磁性材からなるものであって、例えば金属板に深絞りによるプレス加工等を施して有底筒状に形成されている。ヨーク41は、この開口部41aが減速機構30側を向くように取り付けられている。ヨーク41の開口部41aの周縁には、フランジ部41bが形成されている。フランジ部41bには、これを貫通する不図示の取付孔が形成されている。フランジ部41bの取付孔にボルト85を挿通し、ギヤケース10にボルト85を締結することにより、ギヤケース10にヨーク41が固定される。
ヨーク41の底部41dには、減速機構30とは反対側に向かって突出したボス部48が形成されている。ボス部48の内側には、アーマチュア43の回転軸44の一端を回転自在に支持するためのすべり軸受45aが内嵌固定されている。
回転軸44の減速機構30側は、ギヤケース10に設けられた不図示のすべり軸受に回転自在に支持されている。
各ティース12は、径方向外側に向かって延びる巻胴部12aと、巻胴部12aの先端に設けられ周方向に延在する外周部12bとで構成されている。つまり、ティース12の先端に設けられた外周部12bがアーマチュアコア43aの外周面を構成しており、マグネット42と対向した状態になっている。また、各ティース12は、この延在方向が軸方向に対して捩れるように形成され、所定のスキュー角を有している。
巻線14の巻き始め端14a、及び巻き終わり端14bは、それぞれコンミテータ20に接続されている。
各ブラシ24の基端側には、ピグテール25の一端が接続されている。ピグテール25の他端は、ギヤケース10に設けられているコネクタ端子26に接続されている。コネクタ端子26は、ギヤケース10から外部に露出するように突設されており、不図示の外部電源から延びるコネクタに接続可能になっている。これにより、ブラシ24、コンミテータ20を介して巻線14に電流が供給される。
図3は、アーマチュア43とマグネット42の展開図であって、隣接するティース12間の空隙がスロット13に相当している。尚、以下の説明においては、各ティース12、及び各セグメント22にそれぞれ符号を付して説明する。
まず、巻線14の巻装方法について説明する。
ここで、同電位となるセグメント22同士、つまり、回転軸44を中心にして点対称位置に存在するセグメント22同士(例えば、1番セグメント22と6番セグメント22)は、それぞれ巻線14に形成される接続線51によって短絡されている。
また、アーマチュアコア43aには、1つ置きに存在する所定の2つのスロット13間に巻線14が重ね巻き方式により巻装され、且つ1つのスロット13を共通して使用するように周方向に隣接する2つのスロット13間に、互いに巻回方向が逆方向になるように連続で巻線14が巻装され、一方のコイル束15が形成されている。そして、これら接続線51、及び一方のコイル束15が一連に形成されている。
ここで、第1コイル15aと、第2コイル15bは、それぞれ極性の異なる磁極(マグネット42)に対向している。そして、第1コイル15aと第2コイル15bは、5−6番ティース12の間のスロット13を共通に使用するようにアーマチュアコア43aに巻装されている。
すなわち、例えば、一方の巻線14の巻き始め端14aが6番セグメント22のライザ23に掛け回された場合、他方の巻線14の巻き始め端14aは、6番セグメントに対して回転軸44を中心にして点対称位置に存在する1番セグメント22のライザ23に掛け回される。そしてその後、6番セグメント22のライザ23に巻線14を掛け回し、接続線51を形成する(図3における破線参照)。
次に、電動モータ40を構成するマグネット42、アーマチュアコア43a、コンミテータ20、及びブラシ24の位置関係について説明する。
一対のブラシ24は、マグネット42の中心ピッチ(以下、極ピッチPkという)と同一のピッチにより配置される。尚、コイル束15,15’を構成する第1コイル15aの周方向の中心と、第2コイル15bの周方向の中心との間のピッチ(以下、バランス巻きピッチPbという)は、1つのスロット13を挟んで両側に存在する2つのスロット13間のピッチと同様であるので、極ピッチPkよりも小さくなる。
すなわち、周方向で隣り合うティース12間の中心であって、軸方向に沿うスロット中心線L1と、周方向で隣り合うセグメント22間の中心であって、軸方向に沿うセグメント間中心線L2との間の角度θが9度に設定されている。
尚、スキュー角を有する場合は、アーマチュアコア43aの軸方向中心部に位置するスロット13の中心においてスロット中心線L1とする。
θ=(極ピッチPk−バランス巻きピッチPb)/2・・・(1)
により算出することができる。
本実施形態の場合、マグネット42は周方向に沿って等間隔に4個設けられているので、極ピッチPkは、
Pk=90度
となる。
Pb=72度となる。
したがって、角度θは、式(1)より、
θ=(90−72)/2=9度
となる。
7度≦θ≦11度・・・(2)
に設定されていればよい。
角度θが式(2)を満たす範囲に設定されていることにより、アーマチュア43の正回転と逆回転時との励磁差、整流差を無くすことができる。
また、電動モータ40に進角を付けるにあたって、従来のようにブラシ24をずらすことがないので、進角を付ける場合と付けない場合とで、ブラシ24を固定するためのブラシホルダを別々に用意する必要がない。このため、ブラシホルダの種類の増加を防止でき、コストを削減することができる。
とりわけ、角度θを、式(1)を満たすように設定することにより、アーマチュア43の正・逆回転時に生じる回転速度の差を確実になくすことができる。
つまり、セグメント22へのブラシ24の摺接状態が変化し、例えば、一方のブラシ24は、1つのセグメント22に当接し、他方のブラシ24は、2つのセグメント22に跨るように当接するようなアンバランスな状態になったとしても、アーマチュア43全体としての磁気バランスを保つことができる。よって、電動モータ40を、振動や騒音の少ないものにできると共に、ブラシ24の延命化を図ることができる。
例えば、上述の実施形態では、アーマチュアコア43aには、1つ置きに存在する所定の2つのスロット13間に巻線14が重ね巻き方式により巻装され、且つ1つのスロット13を共通して使用するように周方向に隣接する2つのスロット13間に、互いに巻回方向が逆方向になるように連続で巻線14が巻装され、1つの第1コイル15a、及び1つの第2コイル15bからなる一方のコイル束15が形成されている場合について説明した。さらに、同様の手順で回転軸44を中心にして点対称位置にも他方のコイル束15’を同時に形成し、これらコイル束15,15’を周方向にずらしながら順次繰り返し形成する場合について説明した。
また、上述の実施形態では、各ティース12は所定のスキュー角を有しているが、これに限られるものではなく、各ティース12は所定のスキュー角を有していなくてもよい。
12 ティース
13 スロット
14 巻線
15 一方のコイル束(第1コイル束)
15’ 他方のコイル束(第2コイル束)
20 コンミテータ
22 セグメント
24 ブラシ
40 電動モータ
41 ヨーク
41c 筒部
42 マグネット
43 アーマチュア
43a アーマチュアコア
44 回転軸
51 接続線
L1 スロット中心線
L2 セグメント間中心線
Claims (5)
- 筒部を有するヨークと、
前記筒部の内周面に設けられた複数のマグネットと、
前記ヨークに対して回転自在に設けられたアーマチュアとを備え、
前記アーマチュアは、
回転軸と、
前記回転軸に取付けられ、巻線が巻装される複数のティースと、各ティース間に形成される複数のスロットとを有するアーマチュアコアと、
前記回転軸に、前記アーマチュアコアと隣接して設けられ、前記巻線が接続される複数のセグメントを周方向に配置したコンミテータとを有し、
前記セグメントに、前記巻線に電力を供給するためのブラシが複数摺接されている電動モータにおいて、
前記アーマチュアコアに対し、前記コンミテータを進角させた状態で設けたことを特徴とする電動モータ。 - 周方向で隣り合う前記ティース間の中心であって、軸方向に沿うスロット中心線と、
周方向で隣り合う前記セグメント間の中心であって、軸方向に沿うセグメント間中心線との間の角度をθとしたとき、前記θは、
7度≦θ≦11度
を満たすように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の電動モータ。 - 同電位となるセグメント同士が接続線により短絡されており、この接続線が前記ティースに巻装される前記巻線と共に一連に形成され、
前記マグネットの個数が4個、前記スロットの個数が10個、前記セグメントの個数が10個、前記ブラシの個数が2個に設定されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電動モータ。 - 周方向に隣接する2つの前記セグメントに接続された巻線が、1つ置きに存在する所定の2つのスロット間に巻装され、且つ1つの前記スロットを共通して使用するように周方向に隣接する前記2つのスロット間に、互いに巻回方向が逆方向となるように連続で巻装され、第1コイル束を形成していることを特徴とする請求項3に記載の電動モータ。
- 前記回転軸を中心にして前記第1コイル束と点対称に形成される第2コイル束と、前記第1コイル束とを、前記巻線により連続的に形成したことを特徴とする請求項4に記載の電動モータ。
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