JP2017188979A - 電動モータ - Google Patents
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Abstract
Description
また、電動モータの小型化、高性能化を図るために、巻線のさまざまな巻回構造が提案されている。
前記機械角θは、
θ≦1/2×360/K
を満たすように設定されていることを特徴とする。
図1は、本発明に係る電動モータ2を用いた減速機構付モータ装置1の部分断面図、図2は、図1のA−A線に沿う断面図である。
図1、図2に示すように、減速機構付モータ装置1は、例えば車両のパワーウィンドウ、サンルーフ、電動シートおよびワイパ装置等の駆動用として用いられるものであって、電動モータ2と、電動モータ2に連結されたウォームギヤ減速機構4と、を備えている。
電動モータ2は、筒部53を有するヨーク5と、筒部53内に回転自在に設けられたアーマチュア6と、筒部53の開口縁53b側に内嵌固定されたブラシホルダユニット20と、を備えている。
ヨーク5は、例えば鉄等の金属からなる有底筒状の部材であり、深絞りによるプレス加工等により成型される。ヨーク5の大部分を占める筒部53は、軸方向平面視で中心軸Oを挟んで径方向で対向する一対の平坦部61と、一対の平坦部61を連結する弧状部63と、により構成されている。
また、ボス19の底部には、スラストプレート54が設けられている。スラストプレート54は、スチールボール55を介してモータ回転軸3のスラスト荷重を受けている。スチールボール55は、モータ回転軸3とスラストプレート54との間の摺動抵抗を減少すると共にモータ回転軸3の芯ズレを吸収している。
さらに、ブラシホルダ収納部90側の周壁90aには、電動モータ2をウォームギヤ減速機構4に締結固定するための外フランジ部52が設けられている。外フランジ部52には、ウォームギヤ減速機構4に螺入されるボルト44を挿入するための挿通孔(不図示)が形成されている。
ヨーク5内に回転自在に設けられたアーマチュア6は、モータ回転軸3と、モータ回転軸3に外嵌固定されたアーマチュアコア8と、アーマチュアコア8に巻回されたアーマチュアコイル9(図3参照)と、モータ回転軸3の他端側に配置されたコンミテータ10と、を備えている。アーマチュアコア8は、電磁鋼板等からなるリング状の板部材11を軸方向に複数枚積層したものである。しかしながら、アーマチュアコア8を、軟磁性粉を加圧成形したものとしてもよい。
また、各ティース12には、樹脂等の絶縁材料からなるインシュレータ14が装着されている。このインシュレータ14の上から各ティース本体部12aにアーマチュアコイル9が巻回される。なお、アーマチュアコイル9の詳細な巻回方法については、後述する。
セグメント15は、軸線方向に長い板状の金属片により形成されている。そして、セグメント15は、互いに離間して絶縁された状態で周方向に沿って等間隔に並列に固定されている。
セグメント15には、このセグメント15に電力を供給するためのブラシ(不図示)が摺接されている。ブラシは、ブラシホルダ収納部90の周壁90aに収納されているブラシホルダユニット20に設けられている。
ブラシホルダユニット20は、ブラシホルダ収納部90の形状に対応するように、且つアーマチュアコア8側の面が開口するように、略箱状に形成されたブラシホルダ22を有している。すなわち、ブラシホルダ22は、対向配置された一対の平坦壁22aと、一対の平坦壁22aに跨るように形成された一対の弧状壁22bと、を有している。
そして、ブラシホルダ22の平坦壁22aとブラシホルダ収納部90の平坦部91とが当接されている。また、ブラシホルダ22の弧状壁22bとブラシホルダ収納部90の弧状部92とが当接されている。このように、ブラシホルダ収納部90にブラシホルダ22が嵌合され、このブラシホルダ22によってヨーク5の開口が閉塞されている。このように配置されたブラシホルダ22内に、不図示のブラシが配置されている。
このように構成された電動モータ2におけるヨーク5の外フランジ部52に、ウォームギヤ減速機構4がボルト44によって締結固定されている。ウォームギヤ減速機構4には、ウォーム軸45およびウォームホイール46を収納するギヤハウジング43が設けられている。
ギヤハウジング43に形成されたウォーム軸収容部47には、ウォーム軸45が収容されている。ウォーム軸45は、電動モータ2のモータ回転軸3の他端側(図1における左側)に、カップリング等のジョイント部材88を介して連結されている。
ウォーム軸45に噛合されるウォームホイール46には、出力軸48が設けられている。出力軸48は、ウォームホイール46と共に回転可能に連結されている。また、出力軸48は、電動モータ2のモータ回転軸3に対し直交する方向に沿うように設けられている。
(アーマチュアコイルの巻回方法)
次に、図3に基づいて、アーマチュアコイル9の巻回方法について説明する。
図3は、アーマチュア6の展開図であり、隣接するティース12間の空隙がスロット13に相当している。なお、以下の図面においては、各セグメント15、および各ティース12にそれぞれ符号を付して説明する。また、アーマチュア6は、ウォームギヤ減速機構4側からみて(図1における左方から右方をみて)時計回りに回転(図3における左方から右方、矢印CW参照、以下、この回転方向を一方向と称する場合がある)に回転するものとする。
また、アーマチュアコイル9は、所定のティース12間に巻回された第1コイル71と、所定のティース12間に巻回された第2コイルと、により構成されている。これら第1コイル71および第2コイル72は、巻線73を巻回してなる。
そして、このように構成された第1コイル71および第2コイル72は、同様の手順で各セグメント15間に順次形成される。
すなわち、第1コイル71に発生する誘起電圧と、第2コイル72に発生する誘起電圧との位相差の機械角をθkとし、ヨーク5の極対数をPとし、スロット13の数をSとし、電動モータ2の次数(極対数Pとスロット数Sとの最小公倍数)をKとしたとき、機械角θkは、
θk≦1/2×360/K ・・・(1)
を満たすように設定されている。
本実施形態では、次数は20次なので、式(1)より、θk=9°となる。
図4は、第1コイル71と第2コイル72の誘起電圧を説明するための説明図であって、(a)〜(d)は、説明過程における考察図である。なお、以下の説明では、図3に示すティース12の番号と対応するように、各ティース12に番号を付して説明する。また、以下の説明では、説明を分かり易くするために、図3に示す1つの第1コイル71、および1つの第2コイル72と、これら第1コイル71および第2コイル72と同一相となる(同一の磁極のマグネット7に対応している)第1コイル71および第2コイル72と、の誘起電圧についてのみ説明する。
ここで、角度θkは、機械角である。この機械角の角度θkを、図4(b)に示すように、電気角θdで表現すると、θd=2×36°=72°となる。
すなわち、第1コイル71の誘起電圧E1と、第2コイル72の誘起電圧E4とでは、電気角θd=18°の位相差がある。これは、機械角θkに換算すると、9°となる。
図5は、縦軸をトルク[Nm]、電流値[A]とし、横軸をアーマチュア6の回転角[deg]とした場合のトルクと電流値[A]の変化を、従来の電動モータと本実施形態の電動モータ2とで比較したグラフである。
同図に示すように、本実施形態の電動モータ2は、従来と比較して、トルクリップル、電流値共に低減することが確認できる。
同図に示すように、20次において、本実施形態の電動モータ2は、従来と比較して、トルク振幅が大幅に減少されることが確認できる。
同図に示すように、第1コイル71の誘起電圧波形と第2コイル72の誘起電圧波形とが異なることが確認できる。
このため、第1コイル71と第2コイル72とのそれぞれに発生する誘起電圧に位相差が生じ、アーマチュア6の回転方向が一方向(図3における矢印CW参照)の場合において、電動モータ2のトルクリップルを低減できる。よって、電動モータ2の駆動時の不快音を低減できる。
次に、図9に基づいて、第2実施形態について説明する。
図9は、第2実施形態におけるアーマチュア6の展開図であり、隣接するティース12間の空隙がスロット13に相当している。なお、第1実施形態と同一態様には、同一符号を付して説明を省略する(以下の第3実施形態についても同様)。
ここで、前述の第1実施形態と第2実施形態との相違点は、第1実施形態のアーマチュアコイル9の第1コイル71および第2コイル72の巻回方法と、第2実施形態のアーマチュアコイル209の第1コイル271および第2コイル272の巻回方法と、が異なる点にある(以下の第3実施形態についても同様)。
また、第1コイル271を形成する巻線73の巻き始め端73aは、第2コイル272を形成する巻線73の巻き始め端73aが接続されている2番セグメント15に接続されている。一方、第2コイル272を形成する巻線73の巻き終わり端73bは、2番セグメントに隣接する3番セグメント15に接続されている。
また、1−2番セグメント15間に第2コイル272を接続せず、6−7番セグメント15間に第2コイル272を接続した場合、この6−7番セグメント15間に接続されている第2コイル272の巻回数を全体で2N回に設定せず、N回に設定する(図9参照)ことにより、第2コイル272を形成する巻線73の太径化を図ることができる。
つまり、第1コイル71,271の巻線73の巻回数をN回とし、Aを1以上N未満の整数としたとき、第2小コイル72a,272aの巻線73の巻回数をA回、第2小コイル72b,272bの巻線73の巻回数をN−A回に設定すればよい。また、第1コイル71,271に発生する誘起電圧と、第2コイル72,272に発生する誘起電圧との位相差の機械角θkが、上記式(1)を満たせばよい。
(アーマチュアコイルの巻回方法)
次に、図12に基づいて、第3実施形態について説明する。
図12は、第3実施形態におけるアーマチュア6の展開図であり、隣接するティース12間の空隙がスロット13に相当している。
そして、このように構成された第1コイル371および第2コイル372は、同様の手順で各セグメント15間に順次形成される。
また、同一相となる複数の所定のティース12間(例えば、第1小コイル371aと第1小コイル371b、また、例えば、第2小コイル372a,372bと第2小コイル372c,372d)に巻回される第1コイル371、および第2コイル372に供給される電流の均一化が図れる。このため、電動モータ2のトルクリップルを低減しつつ、電動モータ2の磁気バランスを向上させることができ、モータ性能を向上できる。
例えば、上述の実施形態では、例えば車両のパワーウィンドウ、サンルーフ、電動シートおよびワイパ装置等の駆動用として用いられる減速機構付モータ装置1に電動モータ2を適用し、この電動モータ2におけるアーマチュア6に、アーマチュアコイル9,209,309が巻回されている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、さまざまな用途に用いられる電動モータ2に、アーマチュアコイル9,209,309を巻回することが可能である。
ここで、マグネット7の個数が2個(磁極数が2極)の場合、上述の第1〜第3実施形態のうち、第1実施形態のみ実施可能である。一方、マグネット7の個数が4個以上(磁極数が4極以上)の場合、上述の第1〜第3実施形態の全て、実施可能である。
図14は、変形例における電動モータ2のアーマチュアコイル9,209,309のセグメント15への結線図であって、前述の図8に対応している。
なお、図14において、各セグメント15には、図3に示すセグメント15の番号と対応するように番号を付している。また、図14において示す矢印は、巻線73の巻き進む方向を示している。さらに、図14において、ダブルフライヤ(不図示)のうち、一方のフライヤ(不図示)から繰出される巻線73を実線で示し、他方のフライヤ(不図示)から繰出される巻線73を破線で示す。
このような条件のもと、例えば、電動モータ2が、マグネット7(磁極数)が4個(4極)、スロット13が10スロット、セグメント15が10枚の、4極10スロット10セグメントで構成された直流モータである場合では、モータ回転軸3を中心にして点対称に各第1コイル71,271,371および各第2コイル72,272,372が形成される。
3…モータ回転軸(回転軸)
5…ヨーク
7…マグネット(磁極)
8…アーマチュアコア
9,209,309…アーマチュアコイル
10…コンミテータ
12…ティース
13…スロット
15…セグメント
71,271,371…第1コイル
271a,271b…第1小コイル
72,272,372…第2コイル
72a,72b,272a,272b,372a,372b,372c,372d…第2小コイル
73…巻線
73a…巻き始め端
73b…巻き終わり端
O…中心軸
Claims (8)
- 複数の磁極を有するヨークと、
前記ヨークに回転自在に支持されている回転軸と、
前記回転軸に固定され、径方向に沿うように放射状に延びる複数で且つ偶数個のティース、および前記複数のティース間に形成される複数で且つ偶数個のスロットを有するアーマチュアコアと、
所定の前記ティース間に巻回される巻線と、
前記回転軸に前記アーマチュアコアと隣り合うように固定され、前記巻線が接続される複数のセグメントを有するコンミテータと、
を備え、
所定の前記ティース間への前記巻線の巻回数をNとし、Aを1以上N未満の整数としたとき、
所定の前記ティース間に前記巻線をN回、順方向に巻回して形成された第1コイルと、
前記第1コイルが形成されている所定の前記ティース間に前記巻線をA回、順方向に巻回すると共に、前記第1コイルが形成されている所定の前記ティース間に回転方向前方で隣り合う他の所定の前記ティース間に前記巻線をN−A回、逆方向に巻回して形成された第2コイルと、
を有し、
前記第1コイルを形成する前記巻線の巻き始め端、および前記第2コイルを形成する前記巻線の巻き始め端は、それぞれ同一電位の第1の前記セグメントに接続されていると共に、
前記第1コイルを形成する前記巻線の巻き終わり端、および前記第2コイルを形成する前記巻線の巻き終わり端は、それぞれ同一電位の第2の前記セグメントに接続されており、
第1の前記セグメントの電位と第2の前記セグメントの電位は異なっていることを特徴とする電動モータ。 - 複数の磁極を有するヨークと、
前記ヨークに回転自在に支持されている回転軸と、
前記回転軸に固定され、径方向に沿うように放射状に延びる複数で且つ偶数個のティース、および前記複数のティース間に形成される複数で且つ偶数個のスロットを有するアーマチュアコアと、
所定の前記ティース間に巻回される巻線と、
前記回転軸に前記アーマチュアコアと隣り合うように固定され、前記巻線が接続される複数のセグメントを有するコンミテータと、
を備え、
所定の前記ティース間への前記巻線の巻回数をNとし、Aを1以上N未満の整数としたとき、
所定の前記ティース間に前記巻線をN回、順方向に巻回して形成された第1コイルと、
前記第1コイルが形成されている所定の前記ティース間から回転方向前方に前記ティース1つ分ずれた第1の他の所定の前記ティース間に前記巻線をA回、順方向に巻回すると共に、前記第1の他の所定の前記ティース間に回転方向前方で隣り合う第2の他の所定の前記ティース間に前記巻線をN−A回、逆方向に巻回して形成された第2コイルと、
を有し、
前記第1コイルを形成する前記巻線の巻き始め端、および前記第2コイルを形成する前記巻線の巻き始め端は、それぞれ隣り合う第1の前記セグメント間に接続されていると共に、
前記第1コイルを形成する前記巻線の巻き終わり端、および前記第2コイルを形成する前記巻線の巻き終わり端は、それぞれ隣り合う第2の前記セグメント間に接続されており、
且つ前記第1コイルを形成する前記巻線の巻き終わり端が接続されている前記セグメントと、前記第2コイルを形成する前記巻線の巻き始め端が接続されている前記セグメントは、同一のセグメントであることを特徴とする電動モータ。 - A=N/2に設定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電動モータ。
- 複数の磁極を有するヨークと、
前記ヨークに回転自在に支持されている回転軸と、
前記回転軸に固定され、径方向に沿うように放射状に延びる複数で且つ偶数個のティース、および前記複数のティース間に形成される複数で且つ偶数個のスロットを有するアーマチュアコアと、
所定の前記ティース間に巻回される巻線と、
前記回転軸に前記アーマチュアコアと隣り合うように固定され、前記巻線が接続される複数のセグメントを有するコンミテータと、
を備え、
N極とS極を一対として数えたときの極対数をPとし、Xを1以上の整数としたとき、
同一相となる複数の所定の前記ティース間に前記巻線をそれぞれX/P回、順方向に巻回し、且つ一連に形成された複数の第1コイルと、
前記第1コイルが形成されている前記複数の所定の前記ティース間に前記巻線をX/2P回、順方向に巻回すると共に、前記第1コイルが形成されている所定の前記ティース間に回転方向前方で隣り合う他の所定の前記ティース間に前記巻線をX/2P回、逆方向に巻回し、これらを同一相となる複数の所定の前記ティース間に一連に形成してなる複数の第2コイルと、
を有し、
前記第1コイルを形成する前記巻線の巻き始め端、および前記第2コイルを形成する前記巻線の巻き始め端は、それぞれ同一電位の第1の前記セグメントに接続されていると共に、
前記第1コイルを形成する前記巻線の巻き終わり端、および前記第2コイルを形成する前記巻線の巻き終わり端は、それぞれ同一電位の第2の前記セグメントに接続されており、
第1の前記セグメントの電位と第2の前記セグメントの電位は異なっていることを特徴とする電動モータ。 - 同一相となる前記第1コイルを2つ有すると共に、同一相となる第2コイルを2つ有し、
同一相となる前記第1コイルのうち何れか一方の前記巻線の線径を、他方の前記第1コイルの前記巻線の線径よりも太く設定し、
同一相となる前記第2コイルのうち、線径の太い前記巻線により形成された前記第1コイルが接続されているセグメントとは異なるセグメントに接続された一方の前記第2コイルの前記巻線の線径を、他方の前記第2コイルの前記巻線の線径よりも太く設定したことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の電動モータ。 - 前記回転軸を中心にして、前記第1コイルと前記第2コイルとを点対称に配置したことを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の電動モータ。
- 前記第1コイルに発生する誘起電圧と、第2コイルに発生する誘起電圧との位相差の機械角をθとし、N極とS極を一対として数えたときの極対数をPとし、前記スロットの数をSとし、前記Pと前記Sの最小公倍数をKとしたとき、
前記機械角θは、
θ≦1/2×360/K
を満たすように設定されていることを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の電動モータ。 - 前記ティースの個数と前記セグメントの個数とが同一に設定されていることを特徴とする請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の電動モータ。
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