JP2020048340A - ステータおよびモータ - Google Patents

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Abstract

【課題】ロータ偏心によるコイル間電位差を小さくできるステータを提供する。【解決手段】3相の分布巻きのコイルは、7本のティースに跨って複数回巻回される外巻線と、外巻線と接続され、外巻線が巻回される夫々のティースに隣接する、5本のティースに跨って複数回巻回される内巻線と、を備える一組の二重コイルを備える。二重コイルは、90度等配に配置される4組のU相二重コイルと、U相二重コイルから周方向一方側にティース4本分ずれて巻回され、90度等配に配置される4組のV相二重コイルと、V相二重コイルから周方向一方側にティース4本分ずれて巻回され、90度等配に配置される4組のW相二重コイルと、を備え、U相二重コイル、V相二重コイル、およびW相二重コイルは、それぞれ、ロータ偏心によるコイル電位差を小さくできるように接続されている。【選択図】図3

Description

本発明はステータおよび当該ステータを用いたモータに関し、特に電動車両やハイブリッド車両に、駆動用や発電用として搭載されるモータに関する。
従来、U相、V相、W相のコイルを分布巻きにてティースに巻回したモータとしては、例えば、特許文献1の電動機が挙げられる。
特開2010−246343
回転電機の回転子と固定子とが偏心して設けられる場合がある。ここで、直列コイルを並列に接続した巻線構造においては、偏心による起電力のアンバランスにより、並列回路内で循環電流が生じ、回転電機の駆動時の振動、ノイズが増大する場合がある。
本発明のステータの一つの態様は、3相の分布巻きのコイルが巻回されるステータであって、環状のコアバック部と、前記コアバック部から径方向内側に向かって複数突出する48本のティースを有するステータコアと、前記ステータコアに巻回されるコイルと、を有し、前記コイルは、7本のティースに跨って複数回巻回される外巻線と、前記外巻線と接続され、前記外巻線が巻回される夫々のティースに隣接する、5本のティースに跨って複数回巻回される内巻線と、を備える一組の二重コイルを備え、前記二重コイルは、90度等配に配置される4組のU相二重コイルと、前記U相二重コイルから周方向一方側に前記ティース4本分ずれて巻回され、90度等配に配置される4組のV相二重コイル相二重コイルと、前記V相二重コイルから周方向一方側に前記ティース4本分ずれて巻回され、90度等配に配置される4組のW相二重コイルと、を備え、U相二重コイル、V相二重コイル、およびW相二重コイルは、それぞれ、ロータ偏心によるコイル電位差を小さくできるように接続されている。
本発明の一つの態様によれば、ロータ偏心によるコイル間電位差を小さくできる。
図1は、モータの概念図である。 図2は、ステータコアの平面図である。 図3は、ステータの巻線図である。 図4は、ステータの構成を模式的に示す図である。 図5は、他の例のステータの巻線図である。 図6は、他の例のステータの構成を模式的に示す図である。
本明細書では、中心軸J1方向において、図中の上側を単に「上側」と呼び、図中の下側を単に「下側」と呼ぶ。「上側」および「下側」という表現は、必ずしも重力方向と一致する必要はない。
図1は、一実施形態のモータユニット50の概念図である。図1を参照して、モータユニット50は、モータ51と、減速装置52と、差動装置53と、ハウジング54とを有する。本実施形態のモータユニット50は、電気自動車やハイブリッド自動車等の駆動装置として用いられる。モータ51は、モータ軸Cを中心に回転するロータ61と、ロータ61の径方向外側に配置されるステータ71とを備える。減速装置52は、モータ51のロータ61に接続される。差動装置53は、減速装置52を介しモータ51に接続される。ハウジング54は、モータ51、減速装置52、差動装置53を収容する。ハウジング54の内部には、オイルOが位置する。オイルOは、図1中矢印に示す経路でハウジング内を循環し、冷却および潤滑を行う。
モータ51は、ステータ71と、ステータ71の内側に回転自在に配置されるロータ61とを備えるインナーロータ型のモータである。ロータ61は、シャフト62とロータコア63と図示略のロータマグネットを備える。ロータ61は、図示略のバッテリからステータ71に電力が供給されることで、ステータ71との間に発生する磁気的作用により回転する。ロータ61のトルクは、減速装置52を介して差動装置53に伝達される。
ステータ71は、ステータコア72と、コイル73と、ステータコア72とコイル73との間に配置される絶縁部材(不図示)とを有する。ステータ71は、ハウジング54に保持される。図2は、ステータコア72の平面図である。図2を参照して、ステータコア72は、環状のコアバック部74と、コアバック部74から径方向内側に向かって複数突出するティース75と、を有する。本実施形態において、ティース75は48本設けられる。各ティース75の間には、図中1から48(ただし、11から47は省略)で示す48個のスロットが設けられる。コアバック部74の径方向外方には、径方向外側に向かって複数突出する固定部76が設けられる。固定部76には貫通孔77が設けられており、貫通孔77にビス(不図示)が挿通されることにより、ステータ71はハウジング54に固定される。
ステータコア72は磁性鋼板を複数積層して形成される。複数の磁性鋼板はかしめ部78をかしめることにより、互いに固定される。また、複数の磁性鋼板は、溶接されることにより互いに固定される。ただし、ステータコア72は圧粉磁心等他の構成であってもよい。
図3は、ステータの巻線図である。図4は、ステータの構成を模式的に示す図である。図3においては、上から順にU相、V相、W相を表している。図中に出てくる縦長の四角形は、ティース75を意味し、四角形同士の隙間はスロットを意味する。スロットに記載されている数字は、図2中に記載した数字と対応しており、周方向におけるスロットの順番を示している。
U相、V相、W相は、それぞれ、4組の二重コイル80により構成される。なお、本実施形態において、コイル線は丸線である。以下では、U相二重コイル81aを例に説明する。
U相二重コイル81aの一端(図示左下)は、電源に接続される。U相二重コイル81aはスロット2に挿入され、スロット2とスロット9との間において複数回巻回される。U相二重コイル81aはスロット2とスロット9との間において複数回巻回された後、スロット3とスロット8との間において複数巻回される。その後、U相二重コイル81aはスロット8から引き出される。なお、コイル線は一組の二重コイルごとに巻回される。換言すれば、各二重コイルの一端と他端とは他のU相二重コイル81b、81c、81d、および、V相二重コイル82a、82b、82c、82d、W相二重コイル83a、83b、83c、83dも同様の構成である。
なお、ここで、二重コイルは、ティースに直接巻回するのではなく、あらかじめ巻き芯にコイル線を巻回して二重コイルを形成しておいた上で、スロットに挿入してもよい。
U相二重コイル81aは、スロット2とスロット9との間、スロット3とスロット8との間に形成される。また、U相二重コイル81bは、スロット14とスロット21との間、スロット15とスロット20との間に形成される。また、U相二重コイル81cは、スロット26とスロット33との間、スロット27とスロット32との間に形成される。また、U相二重コイル81dは、スロット38とスロット45との間、スロット39とスロット44との間に形成される。
このように、U相二重コイル81は、4スロットおきに間隔を置いて4か所に形成される。U相二重コイル81の挿入側(電源に接続される側)から見ると、12スロットおきに配置されている。ここで、ティース75の本数は48であるから、U相二重コイル81は、360(度)×12÷48=90(度)となり、90度等配に配置されている。V相二重コイル82およびW相二重コイル83も同様に、90度等配に配置されている。
V相二重コイル82aは、スロット6に挿入され、スロット6とスロット13との間において複数回巻回される。U相二重コイル82aはスロット6とスロット13との間において複数回巻回された後、スロット7とスロット12との間において複数回巻回される。その後、V相二重コイル82aはスロット13から引き出される。すなわち、V相二重コイル82aは、U相二重コイル81aに対して4スロット分だけ周方向にずれて配置される。ここで、ティース75の本数は48であるから、360(度)×4÷48=30(度)となり、V相二重コイル82(82a)は、U相二重コイル81(81a)に対して30度ずれて配置される。なお、V相二重コイル82は、90度等配に配置されていることから、V相二重コイル82(82a)は、U相二重コイル81(81b)に対して周方向に60度ずれているとみることもできる。
W相二重コイル83aは、スロット10に挿入され、スロット10とスロット17との間において複数回巻回される。W相二重コイル83aはスロット10とスロット17との間において複数回巻回された後、スロット11とスロット16との間において複数回巻回される。その後、W相二重コイル83aはスロット16から引き出される。すなわち、W相二重コイル83aは、V相二重コイル82aに対して4スロット分だけ周方向にずれて配置される。ここで、ティース75の本数は48であるから、360(度)*4/48=30(度)となり、W相二重コイル83aは、V相二重コイル82aに対して30度ずれて配置される。なお、W相二重コイル83は、90度等配に配置されていることから、W相二重コイル83(83a)は、V相二重コイル82(82b)に対して周方向に60度ずれているとみることもできる。
図3を参照して、U相二重コイル81aは引き出し側(スロット8側)において、V相二重コイル82b、W相二重コイル83cと接続される。これにより、中性点が構成される(図中破線)。すなわち、U相二重コイル81aの一端は、U相二重コイル81aの一端から周方向に60度ずれたV相二重コイル82bの一端、および、V相二重コイル82bの一端から周方向に60度ずれたW相二重コイル83cの一端に接続されて中性点が構成される。同様に、U相二重コイル81bは、V相二重コイル82c、W相二重コイル83dと接続されて中性点が構成される(図中一点鎖線)。U相二重コイル81cは、V相二重コイル82d、W相二重コイル83aと接続されて中性点が構成される(図中実線)。U相二重コイル81dは、V相二重コイル82a、W相二重コイル83bと接続されて中性点が構成される(図中二点鎖線)。
U相二重コイル81aを例にとる。U相二重コイル81aとV相コイル82bとは機械角で30度ずれており、電気角では120度ずれている。また、U相二重コイル81aとW相コイル83cとは電気角で240度ずれている。このように配置されることにより、U相二重コイル81a、V相コイル82b、およびW相コイル83c間でインダクタンスの平均化が為される。これにより、回転子と固定子とが偏心して設けられた場合でも電磁気的なバランスが保たれる。
図5は、他の例におけるステータの巻線図である。図6は、他の例におけるステータの構成を模式的に示す図である。他の例と図3の形態との違いは、図3の形態では、U相二重コイル81、V相二重コイル82、W相二重コイル83のそれぞれが、互いに接続されることにより4つの中性点が構成されている。これに対し、他の例では、U相二重コイル81aとU相二重コイル81cが接続され、V相二重コイル82aとV相二重コイル82cが接続され、W相二重コイル83aとU相二重コイル83cが接続され、U相二重コイル81c、V相二重コイル82c、W相二重コイル83cが接続されて中性点を構成する点が異なる。
他の例のように構成することで、U相二重コイル81aとU相二重コイル81cとは、周方向に180度、すなわち、中心軸を中心に点対称に配置される。このように配置されたU相二重コイル81aおよびU相二重コイル81cが直列に接続されるため、U相二重コイル81aおよびU相二重コイル81c間でインダクタンスの平均化が為される。これにより、回転子と固定子とが偏心して設けられた場合でも電磁気的なバランスが保たれる。なお、上述の事項はU相二重コイル81bおよび81d間でも同様である。また、V相二重コイル82およびW相二重コイル83でも同様に接続され、同様の効果が得られる。
特に、本実施形態においては、前述の通り、一つながりの導線ではなく、別々に巻回されたU相二重コイル81aとU相二重コイル81cとを、巻線巻回後に、接続する。これにより、組み立てやすさと電磁気的なバランスとを両立させることができる。
また、U相二重コイル81aとU相二重コイル81cとを直列に接続する。これにより、U相二重コイル81aおよびU相二重コイル81cの分担電圧が半分となる。これにより、導線の被覆を厚くすることなく、絶縁を確保できる。
以上、上記実施形態について様々説明してきたが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、上記実施形態では、U相二重コイルとV相二重コイルとが接続されて中性点が構成される場合には、U相二重コイルに対して周方向に60度ずれたV相二重コイルに接続されるとしたが、これに限られるものではない。電磁気的なバランスが保たれるのであれば、他の位置の二重コイルと接続されてもよい。
また、例えば、他の例において、4組のU相二重コイル81、4組のV相二重コイル82、4組のW相コイル83のすべてが直列に接続されてもよい。このように構成することで、1組の二重コイルに加わる分担電圧が低下する。これにより、導線の被覆を厚くすることなく、絶縁を確保することができる。
また、上記では、ティースの本数を48本に限定しているが、本発明の技術的思想という観点では、他の本数でも同等の構成および効果を実現する場合がありうる。
51 モータ
61 ロータ
71 ステータ
72 コアバック部
73 コイル
75 ティース
80 二重コイル
81 U相二重コイル
82 V相二重コイル
83 W相二重コイル
J1 中心軸

Claims (4)

  1. 3相の分布巻きのコイルが巻回されるステータであって、
    環状のコアバック部と、前記コアバック部から径方向内側に向かって複数突出する48本のティースを有するステータコアと、
    前記ステータコアに巻回されるコイルと、を有し、
    前記コイルは、
    7本のティースに跨って複数回巻回される外巻線と、
    前記外巻線と接続され、前記外巻線が巻回される夫々のティースに隣接する、5本のティースに跨って複数回巻回される内巻線と、を備える一組の二重コイルを備え、
    前記二重コイルは、
    90度等配に配置される4組のU相二重コイルと、
    前記U相二重コイルから周方向一方側に前記ティース4本分ずれて巻回され、90度等配に配置される4組のV相二重コイルと、
    前記V相二重コイルから周方向一方側に前記ティース4本分ずれて巻回され、90度等配に配置される4組のW相二重コイルと、
    を備え、
    前記U相二重コイル、前記V相二重コイル、および前記W相二重コイルは、それぞれ、ロータ偏心によるコイル電位差を小さくできるように接続されている、ステータ。
  2. 請求項1記載のステータであって、
    前記U相二重コイル、前記V相二重コイル、前記W相二重コイルは、それぞれ、180度に対向する位置の前記二重コイルと直列接続されている、ステータ。
  3. 請求項1記載のステータであって、
    前記U相二重コイルの一端は、前記U相二重コイルの一端から周方向に60度ずれた前記V相二重コイルの一端、および、前記V相二重コイルの一端から周方向に60度ずれた前記W相二重コイルの一端に接続されて中性点が構成される、ステータ。
  4. 請求項1から3のいずれかのステータと、ステータと対向するロータと、を有するモータ。
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