JP2018170903A - 回転電機の固定子 - Google Patents

回転電機の固定子 Download PDF

Info

Publication number
JP2018170903A
JP2018170903A JP2017067875A JP2017067875A JP2018170903A JP 2018170903 A JP2018170903 A JP 2018170903A JP 2017067875 A JP2017067875 A JP 2017067875A JP 2017067875 A JP2017067875 A JP 2017067875A JP 2018170903 A JP2018170903 A JP 2018170903A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stator
rotor
rotating electrical
electrical machine
teeth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017067875A
Other languages
English (en)
Inventor
知紘 福田
Tomohiro Fukuda
知紘 福田
山崎 慎司
Shinji Yamazaki
慎司 山崎
伸次郎 渡
Shinjiro Watari
伸次郎 渡
博光 岡本
Hiromitsu Okamoto
博光 岡本
モハマド バシール ズライカ
Mohammed Bashir Zurayqa
モハマド バシール ズライカ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Astemo Ltd
Original Assignee
Hitachi Automotive Systems Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Automotive Systems Ltd filed Critical Hitachi Automotive Systems Ltd
Priority to JP2017067875A priority Critical patent/JP2018170903A/ja
Publication of JP2018170903A publication Critical patent/JP2018170903A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/64Electric machine technologies in electromobility

Landscapes

  • Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)
  • Permanent Magnet Type Synchronous Machine (AREA)

Abstract

【課題】誘起電圧を低減しつつも部品点数の増加を抑制することが可能な回転電機の固定子を提供する。【解決手段】回転電機の固定子11は、複数のティース113が内周側に設けられた固定子コア111を備える。固定子11におけるそれぞれのティース113の先端(ティース先端部115)は、回転子12の回転軸の径方向の断面でみたとき、両側の端部115Bよりも中央部115Aが回転子12に近く、両側の端部115Bが回転子12から所定程度に離れ、かつ、少なくとも中央部115A及び端部115Bが直線状に形成される。【選択図】図1

Description

本発明は、回転電機の固定子に関し、特に電動機や発電機等として使用される永久磁石式回転電機の固定子に適用して好適なものである。
従来、回転電機はモータや発電機等に使用されている。このうち永久磁石式回転電機は、回転可能で永久磁石によって複数の磁極を形成する円筒状の回転子と、回転子の軸に対して同心円状に配置され、固定子コアに複数個のティースを有する固定子とを備えている。
例えば特許文献1には、騒音を低減する永久磁石式回転電機が開示されている。具体的には、特許文献1に開示された永久磁石式回転電機では、固定子ティース先端部の中央を回転子コア外周と同心円の円弧状(同心円状)に形成し、ティース先端部の両端を直線状に形成することで、固定子ティース先端部を回転子から遠ざけてトルクリプルを低減させることにより、騒音の低減を実現している。
特開2002−252956号公報
しかし、特許文献1に開示された永久磁石式回転電機の場合、騒音の低減には期待できるものの、ティース先端部の磁気飽和に対する余裕代が少なくなり、固定子と回転子の間で鎖交する磁束による誘起電圧が高くなってしまうという課題が考えられる。
このような課題への対策としては、回転子の磁石を軸方向に複数分割し、周方向一定量オフセットして配置するスキューを採用することが一般的である。しかし、スキューを行う場合、磁石及び固定子コアを分割するために複数のコア形状が必要となってしまうことから、部品点数が増加してしまい、組立コストや製造コストが嵩むという別の課題が発生してしまう。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、新たな固定子のティース先端形状を提案することによって、誘起電圧を低減しつつも部品点数の増加を抑制することが可能な回転電機の固定子を提供しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明においては、複数のティースが内周側に設けられた固定子コアを有する略円筒状の固定子と、該固定子の内側に所定の間隙を隔てて当該固定子と同心円状に配置された回転可能な回転子と、を備えた回転電機における固定子であって、回転子の回転軸の径方向の断面でみたとき、回転子に向いたそれぞれのティースの先端は、両端部よりも中央部が回転子に近く、両端部が回転子から所定程度に離れ、かつ、少なくとも中央部及び両端部が直線状に形成されることを特徴とする回転電機の固定子が提供される。
本発明によれば、回転電機において誘起電圧を低減しつつも部品点数の増加を抑制することができる。
第1の実施の形態に係る固定子の一例を示す図である。 図1に例示した固定子を備える回転電機の全体構成例を示す図である。 図2に例示した回転電機の断面図である。 従来の固定子の一例(その1)を示す図である。 従来の固定子の一例(その2)を示す図である。 誘起電圧の測定結果の一例を示す図である。 第2の実施の形態に係る固定子の一例を示す図である。 第3の実施の形態に係る固定子の一例を示す図である。
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。なお、以下の説明において、「軸方向」は回転電機(より厳密には回転電機の回転子に相当し、本段落において以下同様)の回転軸に沿った方向を指し、「周方向」は回転電機の回転方向に沿った方向を指す。また、「径方向」は回転電機の回転軸を中心としたときの動径方向(半径方向)を指す。また、「内周側」は径方向内側(内径側)を指し、「外周側」は内周側の逆方向、すなわち径方向外側(外径側)を指す。
(1)第1の実施の形態
本発明の第1の実施の形態に係る回転電機の固定子について説明する。
図1は、第1の実施の形態に係る固定子の一例を示す図である。図1は、第1の実施の形態に係る固定子11について、固定子11が配設される回転電機1(図2,図3参照)の軸方向に対して直行する平面による断面図、すなわち径方向の断面図を示したものであり、固定子11の特徴的な構造であるティース先端部115の形状を拡大表示している。
本実施の形態に係る固定子11は、ティース先端部115を従来の固定子とは異なる形状とすることによって、回転電機における部品点数を増加させることなく、回転子12から生じる磁束を遠ざけて誘起電圧を低減させつつ、かつ、ティース先端部115の磁気飽和に対する余裕代を持たせるという効果を実現する。
なお、このような本実施の形態に係る固定子11についての詳細な説明は(1−3)で後述する。その前にまず、(1−1)において回転電機1の構造について説明し、さらに、本実施の形態との比較のために、(1−2)において従来の固定子におけるティース先端部の形状例について説明する。
(1−1)回転電機の構造
図2は、図1に例示した固定子を備える回転電機の全体構成例を示す図である。図2では、回転電機1の一部を断面で示すことによって、回転電機1の内部を理解しやすく示している。なお、図2において回転電機1の断面に相当する部分には斜線を付している。
図2を参照しながら回転電機1の各構成部品について説明する。回転電機1は、円筒状(または略円筒状)の固定子11と、固定子11の内側に所定の間隙を隔てて配置された回転子12とを備えて構成される。また、図2に示すように、回転電機1は、固定子11及び回転子12の他に、シャフト13、ハウジング14、フランジ15、ボルト16、及びケース17を備える。
回転電機1は、永久磁石内蔵型の三相同期モータ(永久磁石式回転電機)であって、例えばハイブリッド電気自動車に搭載される。回転電機1は、固定子11の固定子コイル112に三相交流電流が供給されることで、回転子12を回転させる電動機として作動する。また回転電機1は、エンジンによって駆動されると、発電機として作動して三相交流の発電電力を出力する。すなわち、回転電機1は、電気エネルギー(三相交流電流)に基づいて回転トルクを発生する電動機としての機能と、機械エネルギー(エンジンからの駆動力)に基づいて発電を行う発電機としての機能を兼ね備えており、ハイブリッド電気自動車の走行状態によって、電動機としての機能と発電機としての機能とを選択的に利用することができる。
固定子11は保護部材であるハウジング14に固定される。さらに、ハウジング14がフランジ15及びボルト16によってケース17に締結されることで、固定子11はケース17の内側に固定保持される。固定子11は、回転電機1の回転方向に極性が交互に異なるように配置された複数の磁極を有する。固定子11の詳細な構造は後述する。
回転子12は、駆動力を伝達するシャフト13に固定され、ケース17の軸受け171,172によって支承されることによって、固定子11の内側において回転可能に保持される。なお、回転子12には一般に知られた回転電機の回転子を利用することができるため、その詳細な構造についての説明は省略する。
ケース17は回転電機1を全体的に覆う部品である。なお、本例のように回転電機1がケース17を備える構成でなくてもよい。具体的には例えば、エンジンのケースや変速機のケースが、ケース17に代用される構成であってもよく、このとき当該ケースの内部に回転電機1が配設される。
次に、図3を参照しながら固定子11の詳細な構造を説明する。図3は、図2に例示した回転電機の断面図である。図3には、固定子11の軸方向に直行する平面による回転電機1の断面図が示されている。
図3に示したように、固定子11は、固定子コア111と固定子コイル112を有している。図2に例示したように、固定子コア111は円筒状(または略円筒状)の形状を有し、略円筒状のハウジング14によって径方向外側を保持されている。そして、図3によれば、固定子コア111は、周方向に複数個に分割された構造となっている。なお、本実施の形態に係る固定子11の構造は上記例に限るものではなく、例えば固定子コア111が分割されない一体構造であってもよく、また固定子コア111が略円筒状のハウジング14によって保持されない構造であってもよい。
固定子コア111は、径方向内側に突出するように櫛歯状に等間隔に配置された複数のティース113を有している。各ティース113には固定子コイル112が巻線され、互いに隣り合うティース113の間には、固定子コイル112を収容(挿入)するために、軸方向に貫通するとともに周方向に配列された複数のスロット114が形成されている。
固定子コイル112については、例えば集中巻方式を採用するとし、それぞれの固定子コイル112が1つのティース113の周囲に巻線を複数回巻き付けた構成となっている。より詳しくは、各固定子コイル112は、ティース113が磁極をなすように巻線を複数回巻き付けており、固定子コイル112の一端は中性線(不図示)に、他端はU,V,Wの3相をなす結線板(不図示)に電気的に接続される。
固定子コア111及び固定子コイル112がこのように構成されることによって、図3に示した固定子11は、回転電機1の回転方向に極性が交互に異なるように配置された複数の磁極を有する。
(1−2)従来の固定子のティース先端部
図4及び図5は、従来の固定子の一例(その1,その2)を示す図である。図4,図5は、従来の固定子(固定子81,91)について当該固定子が配設される回転電機の軸方向に対して直行する平面による断面図を示したものである。図4,図5は、図1に例示した第1の実施の形態に係る固定子11のティース先端部115と形状を比較しやすいように、固定子のティース(ティース813,913)の先端部(ティース先端部815,915)の形状を拡大表示している。
まず、図4に例示した固定子81におけるティース先端部815の特徴を説明すると、ティース先端部815は、中央付近を指す中央部815Aと、端付近を指す2つの端部815Bとに分けて示されている。そして、中央部815Aは対向する回転子コアの外周と同心円の円弧状(同心円状)に形成されており、端部815Bは直線状に形成されている。図4に例示したティース先端部815の形状は、前述の特許文献1に開示された固定子のティース先端部の形状である。
このような固定子81においては、中央部815Aが回転子コアの外周に近い位置で同心円状に形成されることで、回転子の回転時に十分なトルクを得ることに期待することができる。一方で、中央部815Aの両側に位置する端部815Bが直線状に形成されることによって端部815Bは中央部815Aよりも回転子コアの外周から遠ざけられることになるため、回転子の回転時に出力されるトルクの変動量(トルクリプル)を低減する効果にも期待することができる。しかし、ティース先端部815がこのような形状を有する場合、ティース先端部815における磁気飽和に対する余裕代を十分に確保することができないため、固定子81と回転子との間で鎖交する磁束である誘起電圧が高まるおそれがあった。
次に、図5に例示した固定子91におけるティース先端部915の特徴を説明すると、ティース先端部915は、中央付近を指す中央部915Aと、端付近を指す2つの端部915Bとに分けて示されている。そして、中央部915Aは直線状に形成されており、端部915Bは対抗する回転子コアの外周と同心円状に形成されている。つまり、図5に例示したティース先端部915の形状は、図4に例示したティース先端部815の中央部815A及び端部815Bの形状を、端部915B及び中央部915Aに入れ替えたものである。
このような固定子91においては、固定子81よりも回転子からの距離が多少離れるものの、端部915Bが回転子コアの外周と同心円状に形成されることで、回転子の回転時に出力されるトルクをある程度確保することに期待できる。一方で、2つの端部915Bの間に位置する中央部915Aが直線状に形成されることで、回転子コアの外周から遠ざけられる部分ができることから、回転子の回転時におけるトルクリプルを低減する効果に期待できる。しかし、ティース先端部915がこのような形状を有する場合、固定子81のティース先端部815の場合と同様に、ティース先端部915における磁気飽和に対する余裕代を十分に確保することができないため、固定子91と回転子との間で鎖交する磁束である誘起電圧が高まるおそれがあった。
以上のように、従来例として挙げた固定子81,91は、いずれもティース先端部において、回転子コアの外周と同心円状に形成された曲線部分と直線状に形成された直線部分とを組み合わせた形状を有することを特徴としている。そしてこのような従来例の固定子81,91は、トルクの確保及びトルクリプルの低減には一定程度の効果が期待できるものの、ティース先端部の磁気飽和に対する余裕代が少ないために、誘起電圧が高くなってしまうことを解消し難いという課題があった。本発明の第1の実施の形態に係る固定子11はこのような課題を解決するものであり、(1−3)で詳しく説明する。
(1−3)第1の実施の形態に係る固定子のティース先端部
図1に例示した固定子11におけるティース先端部115の特徴を説明する。ティース先端部115は、中央付近を指す中央部115Aと、端付近を指す2つの端部115Bと、中央部115Aとそれぞれの端部115Bとの間を指す2つの繋ぎ部115Cとに分けて示されている。
なお、本実施の形態に係る固定子11において、ティース先端部115は、端部115B及び繋ぎ部115Cよりも中央部115Aの部分が、対向する回転子12に径方向で最も近く位置するようにされる。ティース先端部115において中央部115Aが径方向で回転子12に最も近く配置されるという関係は、後述する第2及び第3の実施の形態に係る固定子21,31でも同様である。具体的には、第2の実施の形態では中央部215Aが端部215Bよりも回転子12の近くに配置され、第3の実施の形態では中央部315Aが端部315Bよりも回転子12の近くに配置される。
図1に示したように、中央部115A及び端部115Bは、対抗する回転子12におけるコア(回転子コア)の外周上の近接点(ティース113の先端面における中点から最も近い回転子コアの外周上の点を意味し、以下同様に用いられる)における接線と略平行な直線状に形成されている。但し、図1にも示したように、端部115Bによる直線部分は中央部115Aによる直線部分よりも外径方向に形成され、繋ぎ部115Cが中央部115Aと端部115Bとを結ぶ直線状に形成されている。言い換えれば、ティース先端部115は、中央部115Aと端部115Bとが、回転子コアの外周上の近接点における接線と段違いで略平行な直線状に形成され、中央部115Aのほうが端部115Bよりも回転子コアに近い。そして中央部115Aと端部115Bとは、直線状に形成された繋ぎ部115Cによって繋がれている。
このような固定子11においては、中央部115Aによる直線部分が回転子12のコア外周に近い位置に設けられることで、回転子12の回転時に十分なトルクを得ることに期待できる。一方で、繋ぎ部115Cを経た端部115Bは、中央部115Aよりも回転子12のコア外周から離されることで、誘起面が下げられることとなるため、回転子12の回転時におけるトルクリプルを低減する効果を得ることに期待できる。さらに、端部115B及び繋ぎ部115Cが回転子12のコア外周から離れることによって、ティース先端部115における磁気飽和に対する余裕代を確保することができるため、誘起電圧を低減することができる。すなわち、本実施の形態に係る固定子11は、トルクの確保及びトルクリプルの低減に加えて、磁気飽和に対する余裕代が設けられることによって誘起電圧を低減する効果を得ることができる。
なお、固定子11が磁気飽和に対する余裕代を確保できることについては、前述した従来の固定子81,91の形状と比較することによって、より明確にすることができる。まず、図4,図5に例示したように、従来の固定子81,91は何れも、ティース先端部の一部に直線状の構成を有するものの、全体的に回転子のコア外周に近接する形状となることから、磁気飽和に対する余裕代を確保することができなかった。これに対して、本実施の形態に係る固定子11では、ティース先端部115の繋ぎ部115Cから端部115Bにかけて、回転子12から次第に離れるように形成されることから、ティース先端部115と回転子12との間に、回転子12から生じる磁束を遠ざける空間を設けることができる。そして当該空間が磁気飽和に対する余裕代となることで、固定子11と回転子12との間で鎖交する磁束である誘起電圧が高まることを抑制し、誘起電圧を低減することができる。
図6は、誘起電圧の測定結果の一例を示す図である。図6には、本実施の形態に係る固定子11を用いた回転電機1における誘起電圧の測定値(図中の「本願発明」の項目)と、及び従来の固定子を用いた回転電機における誘起電圧の測定値(図中の「従来手法A」,「従来手法B」の項目)について、各測定値の比率が示されている。なお、「従来手法A」,「従来手法B」は、どちらも従来のティース先端部の形状を有する固定子(例えば固定子81)を用いているが、「従来手法A」は当該従来の固定子にスキューを行わなかった場合であり、「従来手法B」は当該従来の固定子にスキューを行った場合である。
図6によれば、「従来手法A」における誘起電圧の測定値を100%としたとき、「従来手法B」における誘起電圧の測定値は約97%となり、「本願発明」における誘起電圧の測定値も約97%となった。これらの測定値によれば、従来の固定子でもスキューを行うことによって誘起電圧が約3%分低減される一方、「本願発明」の場合は、従来の固定子にスキューを行ったのと同程度の約3%分、誘起電圧を低減できることが示された。従来の固定子にスキューを行ったのと同程度に誘起電圧を低減できることが示された。すなわち、本実施の形態に係る固定子11によれば、部品点数の増加を伴うスキューを行うことなく、誘起電圧の低減を実現できることが示された。
なお、図1に例示した固定子11では、繋ぎ部115Cの形状を直線状としたが、本実施の形態におけるティース先端部115の繋ぎ部115Cの形状はこれに限定されるものではなく、例えば、回転子コアの外周とは非同心の円弧状(固定子コア111の外周とは非同心の円弧状ともいえる)に形成されてもよい。このような円弧状に形成された場合も、繋ぎ部115Cから端部115Bにかけて回転子12から次第に離していくことができるため、ティース先端部115と回転子12との間に、回転子12から生じる磁束を遠ざける空間を設けることができ、磁気飽和に対する余裕代を確保することができる。
(2)第2の実施の形態
本発明の第2の実施の形態に係る回転電機の固定子について説明する。なお、本実施の形態の説明において、前述した第1の実施の形態と同様の構成要素については、同一の符号を付することでその詳細な説明を省略する。
図7は、第2の実施の形態に係る固定子の一例を示す図である。図7は、第2の実施の形態に係る固定子21について、固定子21が配設される回転電機1(図2,図3参照)の軸方向に対して直行する平面による断面図を示したものであり、固定子21の特徴的な構造であるティース先端部215の形状を拡大表示している。
図7によれば、固定子21の固定子コア211が有するティース213において、その先端部(ティース先端部215)は、中央付近を指す中央部215Aと、端付近を指す2つの端部215Bとに分けて示されている。
ここで、第2の実施の形態に係る固定子21において特徴的な点は、ティース先端部215の中央部215Aの形状である。具体的には、中央部215Aは、内径方向に突出するように斜行する2本の直線部分がティース周方向の略中央で交わる、いわゆるV字型に形成されている。そして、中央部215Aの両端はそれぞれ端部215Bに繋がっている。端部215Bは、第1の実施の形態で図1に例示した固定子11における端部115Bと同様に、対抗する回転子12におけるコア(回転子コア)の外周上の近接点における接線と略平行な直線状に形成されている。
このような固定子21においては、V字型に形成された中央部215Aが回転子12のコア外周に近い位置に設けられることで、回転子12の回転時にトルクを確保することに期待できる。一方で、中央部215Aは略中央から両端に向かうにつれて少しずつ回転子12のコア外周から離れていき、端部215Bに繋がっている。このような中央部215Aと端部215Bの連続部分は、第1の実施の形態に係る固定子11における繋ぎ部115Cと類似した形状ともいえる。かくして端部215Bは、回転子12のコア外周から離れた位置に設けられるため、回転子12の回転時におけるトルクリプルを低減するとともに、ティース先端部215における磁気飽和に対する余裕代を確保することができ、誘起電圧を低減する効果にも期待できる。
以上のように、第2の実施の形態に係る固定子21は、第1の実施の形態に係る固定子11と同様に、トルクの確保及びトルクリプルの低減に加えて、誘起電圧を低減する効果を得ることができる。また固定子21は、固定子11と同様に、スキューを行わなくても上記の効果に期待できることから、回転電機の部品点数の増加を抑制しながらも誘起電圧を低減するという格別な効果を奏する。
なお、第2の実施の形態に係る固定子21のティース先端部215の形状を第1の実施の形態に係る固定子11のティース先端部115の形状と比較すると、ティース先端部115の繋ぎ部115Cを拡張して中央部115Aをなくしたものがティース先端部215の中央部215Aになっていると捉えることもできる。すなわち、第2の実施の形態におけるティース先端部215は、第1の実施の形態におけるティース先端部115と比較すると、中央付近の直線部分(中央部115A相当)がなくなったことで、回転子コアに対する全体的な近接度合いが小さくなる。したがって、ティース先端部115,215から回転子コアの外周上の近接点までの距離が同じであるとすれば、固定子21では固定子11に比べて、得られるトルクが小さくなる傾向がある一方で、トルクリプルも小さくなる(トルクリプルの低減効果が大きくなる)傾向がある。
(3)第3の実施の形態
本発明の第3の実施の形態に係る回転電機の固定子について説明する。なお、本実施の形態の説明において、前述した第1の実施の形態と同様の構成要素については、同一の符号を付することでその詳細な説明を省略する。
図8は、第3の実施の形態に係る固定子の一例を示す図である。図8は、第3の実施の形態に係る固定子31について、固定子21が配設される回転電機1(図2,図3参照)の軸方向に対して直行する平面による断面図を示したものであり、固定子31の特徴的な構造であるティース先端部315の形状を拡大表示している。
図8によれば、固定子31の固定子コア311が有するティース313において、その先端部(ティース先端部315)は、中央付近を指す中央部315Aと、端付近を指す2つの端部315Bとに分けて示されている。
第3の実施の形態に係る固定子31において特徴的な点は、ティース先端部315の中央部315Aと端部315Bとが、径方向に段差がない一直線状に形成されることである。
このような形状を有する固定子31では、中央部315Aが回転子12のコア外周に近い位置に設けられることで、回転子12の回転時にトルクを確保することに期待できる。また、中央部315Aから一直線状に繋がる端部315Bは、端側にいくにつれて回転子12のコア外周から離れるため、回転子12の回転時におけるトルクリプルを低減するとともに、ティース先端部315における磁気飽和に対する余裕代を確保することができ、誘起電圧を低減する効果にも期待できる。
以上のように、第3の実施の形態に係る固定子31は、第1の実施の形態に係る固定子11と同様に、トルクの確保及びトルクリプルの低減に加えて、誘起電圧を低減する効果を得ることができる。また固定子31は、固定子11と同様に、スキューを行わなくても上記の効果に期待できることから、回転電機の部品点数の増加を抑制しながらも誘起電圧を低減するという格別な効果を奏する。
なお、第3の実施の形態に係る固定子31のティース先端部315の形状を第1の実施の形態に係る固定子11のティース先端部115の形状と比較すると、ティース先端部115の中央部115Aを拡張して繋ぎ部115Cをなくしたものがティース先端部315の中央部315Aになっていると捉えることもできる。すなわち、第3の実施の形態におけるティース先端部315は、第1の実施の形態におけるティース先端部115と比較すると、中央付近の斜行部分(繋ぎ部115C相当)がなくなり全てが直線部分になったことで、回転子コアに対する全体的な近接度合いが大きくなる。したがって、ティース先端部115,315から回転子コアの外周上の近接点までの距離が同じであるとすれば、固定子31では固定子11に比べて、得られるトルクが大きくなる傾向がある一方で、トルクリプルも大きくなる(トルクリプルの低減効果が小さくなる)傾向がある。
(4)まとめ
以上、本発明に係る回転電機の固定子について、第1〜第3の実施の形態を説明した。これらをまとめると、本発明に係る回転電機の固定子は、回転子の回転軸の径方向の断面でみたときに、「ティース先端部の両側の端部(両端部)よりも中央部が回転子に近く位置されること」、「ティース先端部における磁気飽和に対する余裕代を確保できるだけの所定程度に、ティース先端部の両端部が回転子から離されること」、及び「ティース先端部のうち、少なくとも中央部及び両端部が直線状に形成されること」という点で共通した特徴を備えている。
そして本発明に係る回転電機の固定子は、上記のティース先端部の特徴を全て備えることによって、回転子の回転時に中央部で十分なトルクを得ることができる一方、両端部で誘起面が下げられることによって、回転子の回転時におけるトルクリプルを低減することができる。さらに、両端部付近で磁気飽和に対する余裕代が確保されることによって、部品点数の増加を伴うスキューを行うことなく、誘起電圧を低減する効果まで得ることができる。
なお、本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上述した各実施の形態における具体例は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、実施の形態に示した構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1 回転電機
11,21,31,81,91 固定子
12 回転子
13 シャフト
14 ハウジング
15 フランジ
16 ボルト
17 ケース
171,172 軸受け
111,211,311,811,911 固定子コア
112 固定子コイル
113,213,313,813,913 ティース
114 スロット
115,215,315,815,915 ティース先端部
115A,215A,315A,815A,915A 中央部
115B,215B,315B,815B,915B 端部
115C 繋ぎ部

Claims (5)

  1. 複数のティースが内周側に設けられた固定子コアを有する略円筒状の固定子と、該固定子の内側に所定の間隙を隔てて当該固定子と同心円状に配置された回転可能な回転子と、を備えた回転電機における固定子であって、
    前記回転子の回転軸の径方向の断面でみたとき、前記回転子に向いたそれぞれの前記ティースの先端は、両端部よりも中央部が前記回転子に近く、前記両端部が前記回転子から所定程度に離れ、かつ、少なくとも前記中央部及び前記両端部が直線状に形成される
    ことを特徴とする回転電機の固定子。
  2. 前記ティースの先端において、
    前記中央部と前記両端部とが段差を付けて平行に形成される
    ことを特徴とする請求項1に記載の回転電機の固定子。
  3. 前記ティースの先端において、
    前記中央部が前記回転子に向けて突き出たV字型に形成される
    ことを特徴とする請求項1に記載の回転電機の固定子。
  4. 前記ティースの先端において、
    前記中央部と前記両端部とが一直線状に形成される
    ことを特徴とする請求項1に記載の回転電機の固定子。
  5. 前記ティースの先端において、
    前記中央部と前記両端部との間の段差部が、前記回転子とは非同心の円弧状に形成される
    ことを特徴とする請求項2に記載の回転電機の固定子。

JP2017067875A 2017-03-30 2017-03-30 回転電機の固定子 Pending JP2018170903A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017067875A JP2018170903A (ja) 2017-03-30 2017-03-30 回転電機の固定子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017067875A JP2018170903A (ja) 2017-03-30 2017-03-30 回転電機の固定子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018170903A true JP2018170903A (ja) 2018-11-01

Family

ID=64018015

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017067875A Pending JP2018170903A (ja) 2017-03-30 2017-03-30 回転電機の固定子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018170903A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020145860A (ja) * 2019-03-06 2020-09-10 日本精工株式会社 ダイレクトドライブモータ

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002101628A (ja) * 2000-09-22 2002-04-05 Hitachi Ltd 永久磁石式回転電機
JP2002252956A (ja) * 2001-02-26 2002-09-06 Hitachi Ltd 永久磁石式回転電機およびそれを用いた圧縮機
JP3103557U (ja) * 2004-02-23 2004-08-19 尹 載東 小動力発電機
JP2007209186A (ja) * 2006-02-06 2007-08-16 Mitsubishi Electric Corp 同期電動機及び同期電動機の製造方法
JP2011078233A (ja) * 2009-09-30 2011-04-14 Toshiba Corp 電機子鉄心
JP2014036547A (ja) * 2012-08-10 2014-02-24 Yamaha Motor Co Ltd 回転電気機械
US20170018992A1 (en) * 2015-07-15 2017-01-19 Bergstrom, Inc. Brushless motor having terminal fixing blocks

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002101628A (ja) * 2000-09-22 2002-04-05 Hitachi Ltd 永久磁石式回転電機
JP2002252956A (ja) * 2001-02-26 2002-09-06 Hitachi Ltd 永久磁石式回転電機およびそれを用いた圧縮機
JP3103557U (ja) * 2004-02-23 2004-08-19 尹 載東 小動力発電機
JP2007209186A (ja) * 2006-02-06 2007-08-16 Mitsubishi Electric Corp 同期電動機及び同期電動機の製造方法
JP2011078233A (ja) * 2009-09-30 2011-04-14 Toshiba Corp 電機子鉄心
JP2014036547A (ja) * 2012-08-10 2014-02-24 Yamaha Motor Co Ltd 回転電気機械
US20170018992A1 (en) * 2015-07-15 2017-01-19 Bergstrom, Inc. Brushless motor having terminal fixing blocks

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020145860A (ja) * 2019-03-06 2020-09-10 日本精工株式会社 ダイレクトドライブモータ
JP7310176B2 (ja) 2019-03-06 2023-07-19 日本精工株式会社 ダイレクトドライブモータ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10862355B2 (en) Armature with a core having teeth of different circumferential widths and electric motor including the armature and a rotor
JP5796569B2 (ja) 回転子、および、これを用いた回転電機
CN108365717B (zh) 旋转电机
US10298084B2 (en) Rotating electric machine for vehicle
US10411535B2 (en) Rotor for rotating electric machine
JP5695748B2 (ja) 回転電機
JP2014045630A (ja) 回転電機
JP7159800B2 (ja) 回転電機
EP3641112B1 (en) Induction electric motor rotor
CN108292865B (zh) 无刷直流电机
JP7412362B2 (ja) トルクリップルを低減するロータ形態を伴う回転電気機械
JP5960068B2 (ja) 回転電機システム
JP2018170903A (ja) 回転電機の固定子
JP6733568B2 (ja) 回転電機
WO2018221449A1 (ja) 電動機
JP2013207857A (ja) ブラシレスモータ
JP6651426B2 (ja) 回転電機の固定子、及びこれを備えた回転電機
JP5918760B2 (ja) 回転電機
JP2013128378A (ja) 永久磁石式回転電機
JP2013208014A (ja) 回転電機
JP5918070B2 (ja) Ipmモータ
JP5491344B2 (ja) モータ
JP7387034B2 (ja) 回転電機
JP2020048340A (ja) ステータおよびモータ
JP2015002565A (ja) 回転電機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181114

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190710

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190723

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190828

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191126

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20200122

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200212

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200630