JP2004328900A - 回転電機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数のティース12を備えたステータコア11と、ティース12それぞれに集中巻により巻装させたステータコイル13と、を有するステータ2と、ステータ2に回転空隙を持って隣接するロータ3と、を備える。ステータコイル13同士の接続を変更可能に構成する。ここでは、ステータコイル13を、トルクが必要な時には全直列に、中速域の効率を上げたい時には直列/並列混在に、高回転時の効率を上げたい時には全並列に接続する。
【選択図】 図3
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、回転電機に関する。特に、集中巻により構成した巻線構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
回転子に永久磁石を埋め込んだ回転電機は、損失が少なく効率がよい、出力が大きい等の理由により数多く使用されている。この種の電動機は、回転子からの磁束が一定のため、高速回転時には誘導起電力が過大となる。そこで、弱め界磁電流を流すことで、電動機の端子電圧がインバータ等の制限電圧値を越えないように運転している。しかし、弱め界磁電流を流すことで、高速回転時の効率が悪化する。
【0003】
そこで、分布巻の永久磁石式電動機として、同一極に複数組のステータコイルを巻装し、それを回転数に応じて直列、並列に切り替えることで、電動機全域での効率向上を図っているものが知られている。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−205573号公報
【0005】
【発明が解決しようとしている問題点】
しかしながら、従来技術に示したように同一極に複数組のステータコイルを分布巻により巻装することにより電動機を構成すると、通常の切り替えなしの電動機に比べて、巻線構成が複雑になるという問題があった。これにより、製造行程が複雑化するので、製造効率が低下するという問題が生じる。
【0006】
そこで、本発明は、高効率を維持しつつ構成を簡略化することができる回転電機を供給することを目的とする。
【0007】
【問題点を解決するための手段】
本発明は、複数のティースを備えたステータコアと、前記ティースそれぞれに集中巻により巻装させたステータコイルと、を有するステータと、前記ステータに回転空隙を持って隣接するロータと、を備える。前記ステータコイル同士の接続を変更可能に構成する。
【0008】
【作用及び効果】
ティースそれぞれに集中巻により巻装させたステータコイル同士の接続を変更可能に構成する。このように、ステータコイル同士の接続を変更可能とすることにより、運転状況によらず高効率を維持することができ、かつ、巻装構造を複雑化するのを抑制して製造効率が低下するのを防ぐことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
第1の実施形態に用いる回転電機およびその周辺機器の概略構成を図1に示す。ここでは、ロータ3に永久磁石8を備えた永久磁石式回転電機を用いる。特に、車輌の駆動に用いる電動機(以下、モータ1)について説明する。
【0010】
モータ1として、3相交流電流によって駆動する電動機を用いる。また、モータ1に供給する電力を、3相交流電流に変換するインバータ17を備える。インバータ17では、図示しない電源からの電流を、多相交流電流、ここではU相、V相、W相の3相交流電流に変換する。変換した交流電流は、コイル結線部9を介してモータ1に供給される。コイル結線部9では、後述するモータ1のステータ2に備えたステータコイル13の結線状態の変更を行う。
【0011】
このようなモータ1の駆動を制御するコントローラ18を備える。コントローラ18には、モータ1の端子電圧を検出する電圧センサ19の出力を読み込む。また、インバータ17からモータ1に供給される電流を検出する電流センサ20の出力を読み込む。さらに、モータ1の回転速度を検出する回転センサ7の出力を読み込む。このような検出値を用いて、コントローラ18においてインバータ17を制御し、また、後述するようにコイル結線部9を制御する。
【0012】
次に、モータ1の構成を、図2を用いて説明する。図2は、モータ1の軸に沿った縦断面の概略図である。
【0013】
モータ1を、ステータ2とロータ3をケース5に収容することにより構成する。略円筒形状のステータ2を、ケース5の内壁に固定する。ステータ2は、図3に示すように、内周方向に突出するティース12を有するステータコア11と、ティース12に巻装したステータコイル13とから構成する。ティース12には、絶縁体18を介してステータコイル13を集中巻により巻装する。
【0014】
ティース12は、U相交流電流が流れるステータコイル13UYを備えたティース12UYと、V相交流電流が流れるステータコイル13VYを備えたティース12VYと、W相交流電流が流れるステータコイル13WYを備えたティース12WYとから構成する。なお、Y=1〜4であり、各相には4個のティース12を供える。ここでは、12個のティース12を周方向に均等に配置するが、この限りではない。ティース12は、周方向に沿って時計周りにティース12W1、12U1、12V1、12W2、12U2、12V2・・・の順番で配置される。
【0015】
さらに、U相交流電流が通電する環状のU相線15と、V相交流電流が通電する環状のV相線16と、W相交流電流が通電する環状のW相線17と、を備える。ここでは、各線を2本ずつ備え、U相線15a、15b、V相線16a、16bW相線17a、17bとする。さらに、環状の中性線14を備える。各ステータコイル13の端部は、U相線15、V相線16、W相線17、中性線14のいずれかに接続される。この端部の接続を、コイル結線部9において切り換えることにより、ステータコイル13の結線状態を変更する。
【0016】
ステータ2の内周側には回転空隙を介して回転可能なロータ3を備える。図3に示すように、ロータ3には、周方向に均等に複数個の永久磁石8を備える。ここでは8個の永久磁石8を備えるが、この限りではない。ロータ3は、外周方向に設けられているステータ2の内部で、ステータ2から与えられる回転磁束に対して、永久磁石8に反力を発生させ、回転軸4を中心に回転するように構成されている。また、隣接する永久磁石8の磁極が互いに相違するように構成する。ロータ3の回転軸4は、ベアリング6を介してケース5に支持される。回転軸4の一端には、回転センサ7を備え、ロータ3の回転速度を検出可能とする。
【0017】
また、コイル結線部9をケース5の内部に備える。ここでは、12個のコイル結線部9を備える。コイル結線部9にはステータコイル13の各端部を接続し、ステータコイル13の接続の切り替えを行う。コイル結線部9では、各ステータコイル13の端部と、U相線15、V相線16、W相線17および中性線14との接続を切り換える。なお、コイル結線部9XYを、ステータコイルXYの端部の切り替えを行う部分とする(X=U,V,W、Y=1〜4)。コイル結線部9には、機械的なスイッチを用いても、スイッチング素子を用いても良い。
【0018】
コイル結線部9UYにおいて、ステータコイル13UYの上流側端部を、U相線15a、15bのどちらに接続するかを選択する。ここでは、コイル結線部9U1、9U2においては、ステータコイル13U1、13U2の上流側の端部をU相線15aに固定する。一方、コイル結線部9U3、9U4において、ステータコイル13U3、13U4の上流側端部の接続を、U相線15a、15bで切換可能とする。V相、W相についても同様とする。
【0019】
また、コイル結線部9UYにおいて、各ステータコイル13UYの下流側の端部を、U相線15に接続するか中性線14に接続するかを切り換える。さらに、ステータコイル13UYの下流側端部をU相線15に接続する場合には、U相潜15a、15bのどちらに接続可能かも選択可能とする。ただし、ステータコイル13U4においては、下流側の端部を中性線14に固定する。V相、W相についても同様とする。
【0020】
なお、ステータコイル13UYの下流側端部をU相線15に接続する場合には、ステータコイル13UYの上流側端部と下流側端部の両方がU相線15に接続されるが、上流側端部と下流側端部との間は切断された状態となるように構成する。つまり、ステータコイル13UYの下流側端部をU相線15に接続する場合には、ステータコイル13UYの下流側に隣接するステータコイル13UY+1と直列に接続することを示す。また、ステータコイル13UYの下流側端部を中性線14に接続する場合には、中性線14への接続部の上流側と下流側の回路を並列に接続することを示す。V相、W相についても同様とする。
【0021】
次に、各ステータコイル13と、U相線15、V相線16、W相線17および中性線14との接続状態について説明する。
【0022】
図3に、同相のステータコイル13UY、VY、WYを、それぞれ全直列で接続する場合を示す。
【0023】
コイル結線部9UYにおいて、ステータコイル13UYの下流端をU相線15に接続して、ステータコイル13UY、13UY+1を直列に接続する(Y=1、2、3)。また、ステータコイル13UYの上流側端部および下流側端部が接続するU相線15は、U相線15aのみとする。これにより、ステータコイル13U1、13U2、13U3、13U4を直列に接続することができる。なお、V相、W相についても同様に接続する。
【0024】
このように接続することで、ステータコイル13の結線状態は図4に示す状態となる。つまり、ステータコイル13UY同士を直列に接続した直列コイル回路と、ステータコイル13VY同士を直列に接続した直列コイル回路と、ステータコイル13WY同士を直列に接続した直列コイル回路と、を中性点において接続したY型結線の状態となる。このとき、各直列コイル回路のもう一方の端部は、インバータ6の各相の端子に接続する。なお、各直列コイル回路の接続部分となる中性点は、中性線14上の点である。
【0025】
このように接続した場合のモータ1の出力特性を図9(a)に示す。同相のステータコイル13UY、VY、WYそれぞれを全直列で接続した場合には、最大トルクが大きくなり、最高効率ラインは低速側(低回転数側)による。
【0026】
次に、図5に、同相のステータコイル13UY、VY、WYを、それぞれ直列と並列で接続する場合を示す。
【0027】
コイル結線部9U1ではテータコイル13U1の上流側の端部をU相線15aに接続する。また、ステータコイル13U1の下流端をU相線15aに接続して、ステータコイル13U1、13U2を直列に接続する。コイル結線部9U2では、ステータコイル13U2の上流側の端部をU相線15aに接続する。また、ステータコイル13U2の下流端を中性線14に接続する。コイル結線部9U3では、ステータコイル13U3の上流側の端部をU相線15bに接続する。また、ステータコイル13U3の下流端をU相線15bに接続して、ステータコイル13U3、13U4を直列に接続する。ステータ結線部9U4では、ステータコイル13U4の上流側の端部をU相線15bに接続する。これにより、ステータコイル13U1、13U2を直列に、ステータコイル13U3、13U4を直列に接続し、これら二つの直列回路を並列に接続する。なお、V相、W相についても同様に接続する。
【0028】
このように接続することで、ステータコイル13の結線状態は図6に示す状態となる。つまり、ステータコイル13U1、13U2の直列コイル回路と、ステータコイル13V1、13V2の直列コイル回路と、ステータコイル13W1、13W2の直列コイル回路と、を中性点に接続したY型結線の状態となる。また、ステータコイル13U3、13U4の直列コイル回路と、ステータコイル13V3、13V4の直列コイル回路と、ステータコイル13W3、13W4の直列コイル回路と、を中性点に接続したY型結線の状態となる。このようにY型結線の状態をした二つの回路が並列に接続され、インバータ6の各相の端子に接続される。
【0029】
このように接続した場合のモータの出力特性を図9(b)に示す。同相のステータコイル13Xを直列と並列で接続する場合、ここでは2直列2並列に接続する。この場合には、全てを直列に接続した場合に比べて最大トルクは若干減少するが、最高効率ラインは高回転数側にずれる。
【0030】
次に、図7に、同相のステータコイル13UY、13VY、13WYを、それぞれ全並列で接続する場合を示す。
【0031】
全てのコイル結線部部9UYにおいて、ステータコイル13UYの上流側の端部をU相線15aに接続する。また、ステータコイル13UYの下流端を中性線14に接続する。これにより、ステータコイル13U1、13U2、13U3、13U4をそれぞれ並列に接続することができる。なお、V相、W相についても同様に接続する。
【0032】
このときの結線状態は、図8に示すように、各ステータコイル13を並列に接続した状態となる。つまり、ステータコイル13X1、13X2、13X3、13X4(X=U,V,W)をそれぞれ中性点で接続した4つのY型結線を並列に接続し、インバータ6の各相の端子に接続した状態となる。
【0033】
このように接続した場合のモータ1の出力特性を図9(c)に示す。同相のステータコイル13X1、13X2、13X3、13X4を全並列で接続した場合には、最大トルクはさらに下がるが、より高回転数側で運転することができ、最高効率ラインはより高回転数側へとずれる。
【0034】
次に、このようなステータコイル13の接続制御方法を説明する。
【0035】
ここでは、回転センサ7により検出したモータ1の回転数に応じて接続状態を切り換える。回転数が低い低回転数範囲MLの場合には各相のステータコイル13を全直列に接続する。また、回転数が中くらいの中回転数範囲MMの場合には、直列と並列の混在、ここでは2直2並列に接続する。また、回転数が高い高回転数範囲MHの場合には全並列に接続する。回転数範囲ML、MM、MHは、予め、実験等により求めておく。例えば、図4、6、8のような結線状態のモータ1の出力特性を実験等により求め、これから各回転数に対して高効率を示す結線状態を求める。つまり、それぞれの結線状態に対して、他の結線状態に比べて高効率を示す回転範囲ML、MM、MHを設定する。
【0036】
このように結線状態を切り換えることにより、図10に示すような出力特性を得ることができる。つまり、回転数に応じて結線状態を切り換えることで、回転数にかかわらず、モータ1を高効率に維持することができる。
【0037】
なお、ここでは接続状態の切り換えをモータ1の回転数に応じて行ったが、この限りではない。例えば、電圧センサ19により検出した、モータ1の端子電圧に応じて接続状態を切り換えることもできる。端子電圧が小さい低電圧範囲VLの場合には要求される回転数が低いと判断して全直列に接続する。また、端子電圧が中くらいの中電圧範囲LMの場合に2直2並列に接続する。また、端子電圧が大きい高電圧範囲VHの場合には、要求される回転数が高いと判断して全並列に接続する。結線状態を切り換える電圧範囲VL、VM、VHは、予め実験等により求めておく。このように、ステータコイル13の接続の変更を、端子電圧に応じて行うことで、図10のような出力特性を得ることができる。
【0038】
または、端子電圧に対して電流センサ20の出力が大きいか小さいかによりステータコイル13の接続を変更してもよい。端子電圧に対してモータ1に供給される電流が小さい時には、高回転数で運転されていると判断して並列に接続する。さらには、図示しない車速センサおよびアクセル開度からステータコイル13の接続を変更してもよい。
【0039】
または、ステータコイル13の接続状態の切換をマップに応じて行うこともできる。例えば、図9に示すように、各結線状態に対する回転数とトルクの特性を予め記憶しておく。モータ1の回転数と出力トルクを検出または推測し、これから各結線状態における効率を求めて比較する。この効率が最も大きい結線状態に切り換えることで、図10に示すような出力特性を得ることができる。
【0040】
また、ここではモータ1内にコイル結線部9を構成したがこの限りではなく、外部に配置してもよい。この場合には、各ステータコイル13の両端をモータ1外に引き出し、コイル結線部9に接続する。例えば、コイル結線部9をモータ1とインバータ17の間に配置し、ステータコイル12間の接続を自由に変更可能な切替回路とする。コイル結線部9としては、例えば、特開平6−205573号公報に開示されたものや、その他のステータ13の接続を切り換えることができる構成のものを用いることができる。
【0041】
次に、本実施形態の効果について説明する。
【0042】
複数のティース12を備えたステータコア11と、ティース12それぞれに集中巻により巻装させたステータコイル13と、を有するステータ2と、ステータ2に回転空隙を持って隣接するロータ3と、を備える。ステータコイル13同士の接続を変更可能に構成する。このように、各ティース12に対して集中巻とし、それらの接続を変更するので、ステータコイル13の構造を複雑化するのを抑制し、製造工程を簡略化することができ、かつ、高効率を維持することができる。
【0043】
ここでは、同相のステータコイル13同士の接続を直列/並列に変更可能とする。例えば、トルクが必要な時には、ステータコイル13を全直列に接続を行い、中速域の効率を上げたい時には、ステータコイル13を直列/並列混在に接続を行い、高回転時の効率を上げたい時には、ステータコイル13を全並列に接続する。このようにステータコイル13の接続を多段階に変更することにより、運転状態に適した高効率範囲を持つような接続とすることができる。これにより、モータ1の特性を大幅に向上することができる。
【0044】
また、ティース12それぞれに巻装するステータコイル13を、連続する導線を集中巻することにより形成した一つのコイルから構成する。これにより、通常の接続変更なしの集中巻モータと同様の巻線行程で済み、コストを抑えることができる。
【0045】
さらに、ステータコイル13の接続を、回転数に応じて変更する。これにより、低回転高トルク、高回転高出力を両立することができ、全回転域での効率を向上することができる。
【0046】
または、ステータコイル13の接続を、端子電圧に応じて変更する。これによっても、低回転高トルク、高回転高出力を両立することができ、全回転域での効率を向上することができる。
【0047】
または、前記固定子巻線の変更を、出力・効率特性を示すマップに応じて行う。これにより、運転状態に応じて、最もより効率を維持する接続状態に設定することができる。
【0048】
次に、第2の実施形態について説明する。以下、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0049】
本実施形態を第1の実施形態と同様とする。ただし、各コイル結線部9において、ステータコイル13の上流側の端部を、中性線14にも接続可能な構成とする。つまり、ステータコイル13の上流側端部と、下流側端部と、の両方を中性線14(中性点)に接続可能な構成とすることで、各ステータコイル13を接続回路から切り離し可能な構成とする。
【0050】
このような構成のモータ1において、例えば、ステータコイル13U1が短絡した場合には、コイル結線部9U1によりステータコイル13U1の上流側および下流側の端部を中性線14に接続する。これにより、ステータコイル13U1をU相交流電流の流れる回路から切り離す。また、このとき、ステータコイル13V1、13W1も切り離す。つまり、コイル結線部9V1、9W1において、ステータコイル13V1、13W1の上流側および下流側の端部を中性線14に接続する。
【0051】
このように、いずれかのステータコイル13に不具合が生じた場合には、そのステータコイル13を電気的に切り離すことで過電流が流れるのを防ぐことができるので、モータ1の運転を継続することができる。このとき、不具合を生じたステータコイル13と異なる相のステータコイル13についても、同数のステータコイル13を切り離す。
【0052】
なお、例えば、コイル結線部9XYに過電流検出手段としての電流センサ等を備えることで、各ステータコイル13の異常を検出することができる。
【0053】
次に、本実施形態の効果を説明する。
【0054】
ステータコイル13を選択的に切り離すことが可能であるように構成する。これにより、不具合が生じた部分を切り離すことができ、モータ1の運転を継続することが可能となる。ここでは、例えば、ステータコイル13の異常を検出する検出手段を備え、異常が検出された場合に、その異常が検出されたステータコイル13を他のステータコイル13から切り離す。これにより、異常が検出されたステータコイル13に電流が流れるのを停止する。また、異常が検出されたステータコイル13と異なる相に関しても、同数のステータコイル13を切り離す。これにより、相間のバランスを崩すことなく運転を継続できる。
【0055】
次に、第3の実施形態について説明する。ここで用いるステータコイル13の概略構成を図11に示す。
【0056】
第1、2の実施形態においては、一つのティース12に対して一つのコイルを巻装することによりステータコイル13を構成した。これに対して本実施形態では、一つのティース12に対して複数のコイルを巻装することによりステータコイル13を構成する。
【0057】
ここでは二つのコイル19、20を巻装することによりステータコイル13を構成する。例えば、ティース12U1にコイル19U1、20U1を巻装することによりステータコイル13U1を構成する。同様に、ティース12UYにコイル19UY、20UYを巻装することによりステータコイル13UYを構成する(Y=1〜4)。V相、W相についても同様とする。
【0058】
コイル19、20の構成はそれぞれ第1、2の実施形態におけるステータコイル13の構成と同様とする。つまり、コイル19、20それぞれは、コイル結線部9において、全直列、直列・並列の混在、全並列に結線状態を切り換えることができるように構成する。これにより、コイル19、20の接続状態の組み合わせにより、表1のような段階を設定することができる。
【0059】
【表1】
なお、コイル19とコイル20の巻数を違う巻数に設定することで、さらに多段階の変更を行うことができる。また、コイル19、コイル20を直列に接続可能な構成としてもよい。
【0060】
次に、本実施形態の効果を説明する。以下、第1、2の実施形態とは異なる効果のみを説明する。
【0061】
ティース12それぞれに巻装するステータコイル13を、連続する導線を集中巻することにより形成したコイル19、20を複数組み合わせることにより構成する。これにより、さらに多段階の接続の変更が可能となり、よりモータ1の特性を向上することが可能である。運転状態に応じて最も効率のよい接続に設定することができるので、モータ1を常に高効率に維持することができる。なお、ここでは、コイル19、20の二組としたが、この限りではない。
【0062】
上記実施の形態においては、極数を8極としたが、この限りではない。さらに、電動機について説明したが、発電機についても同様の構成とすることで、ステータコイルの構成が複雑化するのを抑制しつつ、高効率を達成することができる。また、ここではインナーロータとしたが、アウターロータとしてもよく、さらには、インナーロータとアウターロータの両方を備えても良い。
【0063】
このように、本発明は、上記実施の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術思想の範囲内で様々な変更が為し得ることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に用いるモータおよびその周辺の概略図である。
【図2】第1の実施形態に用いるモータの概略構成図である。
【図3】第1の実施形態における全直列の接続状態を示す図である。
【図4】第1の実施形態における全直列の結線状態を示す図である。
【図5】第1の実施形態における直列/並列混在の接続状態を示す図である。
【図6】第1の実施形態における直列/並列混在の結線状態を示す図である。
【図7】第1の実施形態における全並列の接続状態を示す図である。
【図8】第1の実施形態における全並列の結線状態を示す図である。
【図9】第1の実施形態における接続状態に応じた出力・効率特性マップである。
【図10】第1の実施形態に用いるモータの出力・効率特性である。
【図11】第3の実施形態に用いるモータのステータコイルの概略構成図である。
【符号の説明】
1 モータ(回転電機)
2 ステータ
3 ロータ
9 コイル結線部
12 ティース
13 ステータコア
19、20 コイル
Claims (7)
- 複数のティースを備えたステータコアと、前記ティースそれぞれに集中巻により巻装させたステータコイルと、を有するステータと、
前記ステータに回転空隙を持って隣接するロータと、を備え、
前記ステータコイル同士の接続を変更可能に構成することを特徴とする回転電機。 - 前記ステータコイルを選択的に切り離すことが可能であるように構成する請求項1に記載の回転電機。
- 前記ティースそれぞれに巻装する前記ステータコイルを、連続する導線を集中巻することにより形成した一つのコイルから構成する請求項1または2に記載の回転電機。
- 前記ティースそれぞれに巻装する前記ステータコイルを、連続する導線を集中巻することにより形成したコイルを複数組み合わせることにより構成する請求項1または2に記載の回転電機。
- 前記ステータコイルの接続を、回転数に応じて変更する請求項1から4のいずれか一つに記載の回転電機。
- 前記ステータコイルの接続を、端子電圧に応じて変更する請求項1から4のいずれか一つに記載の回転電機。
- 前記固定子巻線の変更を、出力・効率特性を示すマップに応じて行う請求項1から4のいずれか一つに記載の回転電機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003120316A JP2004328900A (ja) | 2003-04-24 | 2003-04-24 | 回転電機 |
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