JP6626514B2 - 回転電機 - Google Patents

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Description

本発明は、回転電機に関する。
自動車に搭載される回転電機は、出力性能が求められる他、搭載用の空間が限られるために小型化も求められる。三相ブラシレスモータの場合、複数のコイルが巻回されたステータを外側ステータとし、外周にマグネットが配置されたロータを内側ロータとしたインナーロータ型が用いられる。このステータには、コイルを高密度に巻回して出力性能を向上させるため、また、コイルを効率よく巻回するために、ステータコアを複数個に分割化した分割コアが採用されている。
分割コアを採用した場合、各ティース部に巻かれた、巻き始め部分と巻き終わり部分を結ぶ為に渡り線の部分を電気接続しなければならない。電気接続箇所が多いと製造に多大な労力や部品が必要となる。電気接続箇所を少なくするため、連続巻きが採用されている。
例えば、特許文献1には、複数個の分割コアに同一方向に連続巻きを施す技術が開示されている。
また、特許文献2には、隣接する分割コアのバックヨーク部同士を連結し、2個の隣接する分割コアを1組として連続巻きを施す技術が開示されている。
特開2006−50690号公報 特開2010−246352号公報
特許文献1および特許文献2に開示される技術では、同一方向に連続巻きを施すため、コイル端末の電気接続出来る箇所が限られてしまう。さらに、コイル端末が分散配置されるため、コイルをスター結線にて電気接続する場合、中性点を1箇所に束ねる際にコイル端末の長さもが不均一になり、均等にするためには追加の部品が必要となる。連続巻きを実施しない場合においても、各ティース部に巻かれた、巻き始め部分と巻き終わり部分とを結ぶ部品を追加する必要がある。
そこで、本発明は、コイル端末の這い回し部の長さを均一とし、コイル端末部を小型化した回転電機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、ロータとステータとを有し、前記ステータはコイルが巻回されたティースを有する回転電機であって、前記コイルは、第一コイル組と第二コイル組とからなり、前記第一コイル組と前記第二コイル組との各々は、2つの前記ティースに連続して巻回され、第一コイル端末と、這い回し部が形成された第二コイル端末とを有し、各々の前記第一コイル端末は、他のいずれかのコイル組の前記第二コイル端末と直接接続され、各々の前記第一コイル端末と前記第二コイル端末とは同じコイルエンド上に配置され、各々の前記第二コイル端末は、他のいずれのコイル端末とも軸方向に交差しないように配置され、前記第一コイル組および前記第二コイル組における前記這い回し部の形状が同一であることを特徴とする。
本発明によれば、コイル端末の這い回し部の長さの均一化によりコイル端末部の抵抗を均一化し、コイル端末の這い回し部の均等配置によりコイル端末部を小型化した回転電機を提供することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施例の説明により明らかにされる。
本発明の実施例に係る回転電機の断面図。 本発明の第一の実施例に係るコイル組を示す模式図。 本発明の第一の実施例に係るU相のコイル組の配置を示す模式図。 本発明の第一の実施例に係るV相のコイル組の配置を示す模式図。 本発明の第一の実施例に係るW相のコイル組の配置を示す模式図。 本発明の第一の実施例に係るコイル端末配置を示す模式図。 本発明の第二の実施例に係るコイル組を示す模式図。 本発明の第二の実施例に係るU相のコイル組の配置を示す模式図。 本発明の第二の実施例に係るV相のコイル組の配置を示す模式図。 本発明の第二の実施例に係るW相のコイル組の配置を示す模式図。 本発明の第二の実施例に係るコイル端末配置を示す模式図。
以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。
なお、以下の説明では、回転電機の一例として、自動車のEPS(電動パワーステアリング)用モータを用いる。また、以下の説明において、「軸方向」は回転電機の回転軸に沿った方向を指す。周方向は回転電機の回転方向に沿った方向を指す。「径方向」は回転電機の回転軸を中心としたときの動径方向(半径方向)を指す。「内周側」は径方向内側(内径側)を指し、「外周側」はその逆方向、すなわち径方向外側(外径側)を指す。
図1は回転電機100の断面図である。回転電機100は、ロータがステータの内周側に配置されるインナーロータ型の、10極−12スロット(回転子の磁極数が10、ステータのスロット数が12)のブラシレスモータである。ロータは、シャフト4にロータコア5が固定され、磁石6がロータコア5の外周側に配置されている。更に、磁石6の外周側には、磁石6の飛散防止のために磁石カバー7が配置される。ステータは、複数の分割コアからなるステータコア1に絶縁のためのボビン2を装着し、コイル3を巻回する構成となっている。
本発明は、ロータの磁極数が4nまたは8n、ステータのスロット数が12nの場合、あるいは、ロータの磁極数が10nまたは14n、ステータスロット数が12nの場合(ただし、nは1以上の整数)に適用可能である。
まず、図2−5、図10を用いて、ロータ磁極数が4nまたは8n、ステータのスロット数が12n(ただし、nは1以上の整数)の場合について、8極−12スロットのブラシレスモータを例に説明する。
図2に、第一コイル組3aと第二コイル組3bとを示す。第一コイル組3a、第二コイル組3bは各々、2つの分割コアにコイル3を連続巻きした、2連巻きのコイル組である。第一コイル組3aは2つの分割コアの周方向外側においてコイル3の巻き始めと巻き終わりとが行われる。図では、巻き始めを第一コイル端末3a1、巻き終わりを第二コイル端末3a2として示している。第二コイル組3bは、2つの分割コアの周方向内側においてコイル3の巻き始めと巻き終わりとが行われる。図では、巻き始めを第一コイル端末3b1、巻き終わりを第二コイル端末3b2として示している。また、第一コイル組3aと第二コイル組3bとでは、分割コアに対するコイル3の巻回方向が逆になっている。図2では示していないが、巻き終わりの第一コイル組3aの第二コイル端末3a2、第二コイル組3bの第二コイル端末3b2には、這い回し部が形成されている。
図3−5に、U相、V相、W相でのそれぞれの第一コイル組3a、第二コイル組3bの配置を示す。図6は、図3−5のUVW各相のコイル端末の配置を統合させた状態である。図3−6の各々において、左側の図は回転電機100のコイルエンドを軸方向一方側から見た場合、右側の図は軸方向他方側から見た場合を示している。右側の図に示すコイルエンドには、第一コイル組3aと第二コイル組3bとのコイル端末が位置している。
回転電機100全体では、第一コイル組3aと第二コイル組3bとは、それぞれ3n個設けられる。ステータのスロット数が12(すなわち、n=1)の場合、第一コイル組3aと第二コイル組3bとは、それぞれ3個設けられる。
U,V,Wの各相において、第一コイル組3aの一方のコイルは、他方のコイルが巻回されたティースから数えて3つ目のティースに巻回される。第二コイル組3bも同様である。また、第一コイル組3aと第二コイル組3bとは、軸中心(ステータコア1を軸方向に見たときの中心)を基準に、対角に配置される。
図3を例に説明する。図3の左側に示される図において、ティース(すなわち分割コア)を、紙面の上側のものから順に時計回りに1番目、2番目、…、12番目とする。第一コイル組3aは、9番目と12番目のティースに巻回される。第二コイル組3bは、3番目と6番目のティースに巻回される。同様に、図4では、第一コイル組3aは10番目と1番目のティースに、第二コイル組3bは、4番目と7番目のティースに巻回される。図5では、第一コイル組3aは11番目と2番目のティースに、第二コイル組3bは、5番目と8番目のティースに巻回される。
図3−5に示すU,V,Wの各相のいずれにおいても、図3−5の各々の右側の図に示すように、第一コイル組3aの巻き初めの第一コイル端末3a1は、第二コイル組3bの巻き終わりの、這い回し部(右側の図の網掛け部分)が形成された第二コイル端末3b2と直接接続される。また、第二コイル組3bの巻き初めの第一コイル端末3b1は、第一コイル組3aの巻き終わりの、這い回し部(右側の図の網掛け部分)が形成された第二コイル端末3a2と直接接続される。
図6に示すように、第一コイル組3a、第二コイル組3bのそれぞれにおいて、巻き終わりのコイル端末の這い回し部の形状を同一としている。これにより、這い回し部を簡易に成形する事が可能となる。また、這い回し部を交差させる必要が無くなることから、這い回し部を平面状に配置することが可能となり、結果として軸方向のサイズ(コイルエンド高さ)の短縮が可能となる。
さらに、第一コイル組3aと第二コイル組3bの巻回方向を逆にしたことで、出力端子と中性点端子とを、軸中心を基準に対角に集めて配置することが可能となり、出力端子を設けるのに必要な領域を小型化することが可能となる。
次に、ロータの磁極数が10nまたは14n、ステータのスロット数が12n(ただし、nは1以上の整数)の場合について、10極−12スロットのブラシレスモータを例に説明する。
図7に、本実施例の第一コイル組3aと第二コイル組3bとを示す。第一コイル組3a、第二コイル組3bは各々、2つの分割コアにコイル3を連続巻きした、2連巻きのコイル組である。第一コイル組3aと第二コイル組3bとは、どちらも、巻き始めは2つの分割コアの周方向外側において行われ、巻き終わりは分割コアの周方向内側において行われる。図では、第一コイル組3aの巻き始めを第一コイル端末3a1、巻き終わりを第二コイル端末3a2、第二コイル組3bの巻き始めを第一コイル端末3b1、巻き終わりを第二コイル端末3b2として示している。また、第一コイル組3aと第二コイル組3bとでは、分割コアに対するコイル3の巻回方向が逆になっている。
図8−10に、U相、V相、W相でのそれぞれの第一コイル組3a、第二コイル組3bの配置を示す。図11は、図8−10のUVW各相のコイル端末の配置を統合させた状態である。図8−11の各々は、第一コイル組3aと第二コイル組3bとのコイル端末が位置するコイルエンドの側から見た状態である。
回転電機100全体において、第一コイル組3aの個数と第二コイル組3bの個数との比率は、第一コイル組3a:第二コイル組3b=4n:2n(nは1以上の整数)となる。すなわち、回転電機100は、第二コイル端末3a2に這い回し部が形成された第一のコイル組を4n個有し、第二コイル端末3b2に這い回し部が形成された第二のコイル組を2n個有する。
第一コイル組3aの一方のコイルは、他方のコイルが巻回されたティースに隣接するティースに巻回される。第二コイル組3bも同様である。また、第一コイル組3aと第二コイル組3bとは、隣接して配置される。
第一コイル組3aの第一コイル端末3a1は、他の第一コイル組3aの這い回し部が形成された第二コイル端末3a2と直接接続される。第二コイル組3bの第一コイル端末3b1は、他の第二コイル組3bの這い回し部が形成された第二コイル端末3b2と直接接続され、すべての第二コイル組3bが電気的に同相となる。4n個の第一コイル組のコイル組の這い回し部を同一形状とし、2n個の第二コイル組のコイル組の這い回し部を同一形状とする。これにより、這い回し部を交差させる必要が無くなることから、這い回し部を平面状に配置をすることが可能となり、結果として軸方向のサイズ(コイルエンド高さ)の短縮が可能となる。
さらに、第一コイル組3aと第二コイル組3bの巻回方向を逆にし、第一コイル組3a:第二コイル組3b=4n:2nの組み合わせにした事で、出力端子と中性点端子とを、軸中心を基準に対角に集めて配置することが可能となり、出力端子を設けるのに必要な領域を小型化することが可能となる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
100…回転電機
1…ステータコア
2…ボビン
3…コイル
3a…第一コイル組
3b…第二コイル組
3a1,3b1…第一コイル端末
3a2,3b2…第二コイル端末
4…シャフト
5…ロータコア
6…磁石
7…磁石カバー

Claims (2)

  1. ロータとステータとを有し、
    前記ステータはコイルが巻回されたティースを有する回転電機であって、
    前記コイルは、第一コイル組と第二コイル組とからなり、
    前記第一コイル組と前記第二コイル組との各々は、2つの前記ティースに連続して巻回され、第一コイル端末と、前記ロータの回転方向に前記ティースの幅よりも長く這い回される這い回し部が形成された第二コイル端末とを有し、
    各々の前記第一コイル端末は、他のいずれかのコイル組の前記第二コイル端末の前記這い回し部と直接接続され、
    各々の前記第一コイル端末と前記第二コイル端末とは同じコイルエンド上に配置され、
    各々の前記第二コイル端末は、他のいずれのコイル端末とも軸方向に交差しないように配置され
    前記第一コイル組および前記第二コイル組における前記這い回し部の形状が同一であることを特徴とする回転電機。
  2. 請求項1記載の回転電機であって、
    前記ロータの磁極数が4nまたは8n、前記ステータのスロット数が12n(ただし、nは1以上の整数)であり、
    前記第一コイル組を3n個有し、前記第二コイル組を3n個有し、
    前記第一コイル組と前記第二コイルとの各々は、一方のコイルが、他方のコイルが巻回されたティースから数えて3つ目のティースに巻回され、
    前記第一コイル組は、当該第一コイル組の周方向外側に前記第一コイル端末と前記第二コイル端末とが配置され、
    前記第二コイル組は、当該第二コイル組の周方向内側に前記第一コイル端末と前記第二コイル端末とが配置され、
    前記第一コイル組の前記第一コイル端末と、前記第二コイル組の前記第二コイル端末とが直接接続され、
    前記第一コイル組の前記第二コイル端末と、前記第二コイル組の前記第一コイル端末とが直接接続されたことを特徴とする回転電機。
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