以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
図1は、本開示の実施の形態に係る車両管理装置を含むVGI(Vehicle Grid Integration)システム1の構成の一例を示す図である。本実施の形態では、車両管理装置が下位アグリゲータE3に搭載されている場合を一例として説明する。図1を参照して、VGIシステム1は、電力会社E1と、上位アグリゲータE2と、下位アグリゲータE3とを含む。
電力会社E1は、発電および電力の供給を行なう。電力会社E1は、たとえば電力を使用する需要家(たとえば、個人または会社)と取引を行なうことにより利益を得ることができる。電力会社E1は、サーバ10と、発電所11と、送配電設備12と、スマートメータ13とを含む。
発電所11は、電気を発生させるための発電装置を備え、発電装置によって生成された電力を送配電設備12に供給するように構成される。発電所11の発電方式は任意であり、たとえば、火力発電、水力発電、風力発電、原子力発電、および太陽光発電のいずれであってもよい。送配電設備12は、送電線、変電所、および配電線を含み、発電所11から供給される電力の送電および配電を行なうように構成される。発電所11および送配電設備12によって電力系統(電力網)が構築されている。
スマートメータ13は、所定時間経過ごと(たとえば、30分経過ごと)に電力使用量を計測し、計測した電力使用量を記憶するとともにサーバ10へ送信するように構成される。
上位アグリゲータE2に属する各事業者(以下、「親AG」とも称する)は、下位アグリゲータE3に属する複数の事業者(以下、「子AG」とも称する)を管理し、管轄内の子AGが制御した電力量を束ねることによってエネルギーマネジメントサービスを提供する。親AGは、たとえば電力会社E1と取引を行なうことにより利益を得ることができる。
サーバ10は、管轄内の複数の親AG(たとえば、サーバ10に登録された親AG)の情報を管理するように構成される。親AGを識別するための識別情報(ID)が親AGごとに付与されている。サーバ10は親AGごとの情報を親AGのIDで区別して管理している。上位アグリゲータE2は、親AGごとに設けられた複数のサーバ(たとえば、サーバ20A〜20C)を含む。以下、区別して説明する場合を除いて、上位アグリゲータE2に含まれる各サーバを「サーバ20」と記載する。図1には3個のサーバ20(サーバ20A〜20C)を示しているが、上位アグリゲータE2に含まれるサーバ20の数は任意であり、10個以上であってもよい。
上位アグリゲータE2に含まれる各サーバ20は、管轄内の複数の子AG(たとえば、サーバ20に登録された子AG)の情報を管理するように構成される。下位アグリゲータE3に属する各事業者(子AG)は、DR信号(デマンドレスポンス信号)によって各需要家に電力平準化(すなわち、電力需要の抑制または増加)を要請することにより電力量を制御する。子AGを識別するための識別情報(ID)が子AGごとに付与されている。サーバ20は子AGごとの情報を子AGのIDで区別して管理している。下位アグリゲータE3は、子AGごとに設けられた複数のサーバ(たとえば、サーバ30A〜30C)を含む。以下、区別して説明する場合を除いて、下位アグリゲータE3に含まれる各サーバを「サーバ30」と記載する。図1に示すサーバ30A〜30Cは、共通のサーバ20(たとえば、サーバ20B)によって管理される。なお、上位アグリゲータE2に含まれる各サーバ20が管理するサーバ30の数は任意であり、10個以上であってもよい。
図1に示すVGIシステム1において子AG(ひいては、サーバ30)が管理する需要家は、EV(電気自動車)である。EVは、EVSE(車両用給電設備)から電力の供給を受けることができる。この実施の形態において、VGIシステム1は、AC方式(交流電力供給方式)のEVSE(たとえば、普通充電器)と、DC方式(直流電力供給方式)のEVSE(たとえば、急速充電器)とを含む。なお、VGIシステム1は、AC方式のEVSEとDC方式のEVSEとのうちの少なくともいずれかを含んでいればよい。さらに、この実施の形態において、EVは、EVSE(すなわち、電力網)に対して電力を供給することができる。
また、この実施の形態において、VGIシステム1に含まれるEVSEは、家庭用のEVSE(すなわち、住宅に設置されたEVSE)である。住宅ではEVを長時間駐車できるため、家庭用のEVSEはエネルギーマネジメントに適している。家庭用のEVSEは、HEMS−GW(Home Energy Management System−GateWay)によって管理することができる。
VGIシステム1は、EVSE、EV、およびHEMS−GWの各々を複数含む(図1には、各々1つのみ図示)。VGIシステム1に含まれるEVSE、EV、およびHEMS−GWの数は、各々独立して任意であり、10個以上であってもよいし、100個以上であってもよい。以下、区別して説明する場合を除いて、VGIシステム1に含まれる各EVSE、各EV、各HEMS−GWを、それぞれ「EVSE40」、「EV50」、「HEMS−GW60」と記載する。VGIシステム1に含まれる各EV50は、個人が所有する車両であってもよいし、MaaS(Mobility as a Service)事業者が管理する車両であってもよい。
下位アグリゲータE3に含まれる各サーバ30は、管轄内の複数のEV50(たとえば、サーバ30に登録されたEV)の情報を管理するように構成される。EV50を識別するための識別情報(以下、「車両ID」とも称する)がEV50ごとに付与されている。サーバ30はEV50ごとの情報を車両IDで区別して管理している。また、下位アグリゲータE3に含まれる各サーバ30は、管轄内の各HEMS−GW60(たとえば、サーバ30に登録されたHEMS−GW)と通信可能に構成され、管轄内のEVSE40(たとえば、サーバ30に登録されたEVSE)の状態をHEMS−GW60から取得するように構成される。HEMS−GW60は、サーバ30から情報(たとえば、後述するDR信号)を受信するとともに、EVSE40の状態をサーバ30へ送信するように構成される。
EVSE40は、スマートメータ13を介して電力会社E1の電力系統に接続されている。EVSE40における電力使用量(たとえば、EVの充電に使用した電力量)は、スマートメータ13によって計測され、サーバ10へ送信される。スマートメータ13は、VGIシステム1に含まれるEVSE40ごとに設けられている。VGIシステム1に含まれる各EVSE40は、電力会社E1によって管理されるとともに、電力会社E1から電力の供給を受けている。VGIシステム1においては、EVSE40を識別するための識別情報(以下、「設備ID」とも称する)がEVSE40ごとに付与されており、サーバ10は、各EVSE40における電力使用量を設備IDで区別して管理している。また、EVSE40は、EV50から受電した電力を電力系統に供給する(すなわち、逆潮流する)ように構成される。こうした構成では、電力使用量に加えて、逆潮流された電力量がスマートメータ13によって計測される。
以下、図2を用いて、VGIシステム1を構成する各要素の機能について説明する。図2は、VGIシステム1の通信系統図である。図2において、EV50AおよびEV50Bの各々は、前述したEV50(図1)の一例に相当する。ただし、EV50Aは、EVSE40が設置された住宅の駐車スペースに駐車した状態で、充電ケーブルを介してEVSE40と電気的に接続されている。一方、EV50Bは走行中である。
図2を参照して、VGIシステム1では、サーバ10とサーバ20とが相互通信可能に構成される。また、サーバ20とサーバ30とも相互通信可能に構成される。サーバ10,20間の通信方式とサーバ20,30間の通信方式とは、各々独立して任意であるが、たとえばVPN(Virtual Private Network)であってもよい。
サーバ30は、EV50BおよびHEMS−GW60の各々と通信可能に構成される。サーバ30とHEMS−GW60とは、たとえばインターネットを介して相互に通信するように構成される。サーバ30と各EV50(すなわち、EV50AおよびEV50B)とは、たとえば移動体通信網(テレマティクス)を介して相互に無線通信するように構成される。
HEMS−GW60とEVSE40とは、たとえばLAN(Local Area Network)を介して相互通信するように構成される。LANは、有線LANであってもよいし、無線LANであってもよい。EVSE40とEV50Aとは、たとえば充電ケーブルを介して相互通信するように構成される。EVSE40とEV50Aとの通信方式は任意であり、CAN(Controller Area Network)であってもよいし、PLC(Power Line Communication)であってもよい。
VGIシステム1は、データセンタ70と、データセンタ70に登録された携帯端末80とをさらに含む。データセンタ70は、たとえば情報を管理するサーバ(図示せず)を含んで構成される。この実施の形態では、携帯端末80として、タッチパネルディスプレイを具備するスマートフォンを採用する。ただしこれに限られず、携帯端末80としては、任意の携帯端末を採用可能であり、たとえばスマートウォッチのようなウェアラブルデバイスも採用可能である。
データセンタ70は、たとえばインターネットを介してサーバ30と通信するように構成される。データセンタ70は、登録された複数の携帯端末80の情報を管理するように構成される。携帯端末80の情報には、端末自体の情報(たとえば、携帯端末80の通信アドレス)に加えて、携帯端末80を所有するユーザに関する情報(たとえば、当該ユーザが所有するEV50の車両ID)も含まれる。携帯端末80を識別するための識別情報(以下、「端末ID」とも称する)が携帯端末80ごとに付与されており、データセンタ70は携帯端末80ごとの情報を端末IDで区別して管理している。端末IDは、ユーザを識別する情報(ユーザID)としても機能する。図2には1つの携帯端末80のみを図示しているが、携帯端末80は、ユーザごとに携帯されている。
携帯端末80には所定のアプリケーションソフトウェア(以下、単に「アプリ」と称する)がインストールされており、携帯端末80は、そのアプリを通じてHEMS−GW60およびデータセンタ70の各々と情報のやり取りを行なうように構成される。携帯端末80は、たとえばインターネットを介してHEMS−GW60およびデータセンタ70の各々と無線通信するように構成される。
サーバ10は、DR(デマンドレスポンス)を利用して電力の需給バランスを調整するように構成される。サーバ10が、こうした調整を行なうときには、まず、上位アグリゲータE2に含まれる各サーバ20(たとえば、図1に示すサーバ20A〜20C)に対してDRへの参加を要請するDR信号(以下、「DR要請」とも称する)を送信する。DR要請には、当該DRの対象となる地域、DRの種類(たとえば、下げDRまたは上げDR)、およびDR期間が含まれる。
サーバ20は、サーバ10からDR要請を受信したときに、DR可能量(すなわち、DRに従って調整可能な電力量)を求めてサーバ10へ送信するように構成される。サーバ20は、たとえば管轄内の各子AGのDR容量(すなわち、DR対応可能な容量)の合計に基づいてDR可能量を求めることができる。サーバ20は、たとえばサーバ30に問い合わせることによって管轄内の各子AGのDR容量を取得することができる。サーバ10は、上位アグリゲータE2に含まれる各サーバ20から受信したDR可能量に基づいて親AGごとのDR量(すなわち、親AGに依頼する電力調整量)を決定し、各親AGのサーバ20にDR実行を指示する信号(以下、「第1DR実行指示」とも称する)を送信する。第1DR実行指示には、当該DRの対象となる地域、DRの種類(たとえば、下げDRまたは上げDR)、親AGごとのDR量、およびDR期間が含まれる。
サーバ30は、管轄内の各EV50の状態を示す情報(たとえば、車両の位置、バッテリ残量、走行スケジュール、DR時に動作するリレーのオンオフ回数、および走行条件)を各EV50から逐次取得し、保存するように構成される。こうしたデータが蓄積されることによって、管轄内の各EV50の充電履歴、放電履歴、走行履歴およびDR時のリレーのオンオフ回数がサーバ30に保存されることになる。また、サーバ30は、管轄内の各EVSE40の状態を示す情報(たとえば、充電中か否かを示す情報、充電スケジュール、充電条件、放電中か否かを示す情報、放電スケジュール、および放電条件)を、各EVSE40に接続される各HEMS−GW60から逐次取得し、保存するように構成される。こうしたデータが蓄積されることによって、管轄内の各EVSE40の充電履歴および放電履歴がサーバ30に保存されることになる。
ユーザは、携帯端末80を操作することによりユーザの状態を示す情報(たとえば、ユーザがDRに対応可能な状況であるか否かを示す情報)をデータセンタ70へ送信することができる。データセンタ70は、携帯端末80から受信した上記情報を端末IDごとに区別して保存するように構成される。サーバ30は、ユーザに関する情報をデータセンタ70から取得することができる。
サーバ30は、サーバ20から前述の問合せがあった場合に、上述したEV50、EVSE40、およびユーザの各々に関する情報に基づいて当該サーバ30に対応する子AGのDR容量を求めて、そのDR容量をサーバ20へ送信するように構成される。サーバ20は、サーバ10から前述の第1DR実行指示を受信すると、下位アグリゲータE3に含まれる各サーバ30から受信したDR容量に基づいて子AGごとのDR量(すなわち、子AGに調整を依頼する電力量)を決定し、各子AGのサーバ30にDR実行を指示する信号(以下、「第2DR実行指示」とも称する)を送信する。第2DR実行指示には、当該DRの対象となる地域、DRの種類(たとえば、下げDRまたは上げDR)、子AGごとのDR量、およびDR期間が含まれる。
サーバ30は、第2DR実行指示を受信すると、管轄内のEV50のうちDR対応可能な各EV50に対してDR量の割当てを行ない、EV50ごとのDR信号を作成するとともに各EV50にDR信号を送信する。DR信号には、DRの種類(たとえば、下げDRまたは上げDR)、EV50ごとのDR量、およびDR期間が含まれる。
図3は、EV50の構成の一例を示す図である。図3を参照して、EV50は、MG(Motor Generator)51と、動力伝達ギア52と、駆動輪53と、PCU(Power Control Unit54と、SMR(System Main Relay)55と、ACリレー57と、DCリレー58と、電力変換装置56と、ACインレット59Aと、DCインレット59Bと、バッテリ110と、ECU(Electronic Control Unit)200とを備える。ECU200は、EV50の充電制御または放電制御を行なうように構成される。
バッテリ110は、走行用の電力を蓄電するように構成される。バッテリ110は、たとえばリチウムイオン電池またはニッケル水素電池のような二次電池を含む。二次電池は、単電池であってもよいし、組電池であってもよい。また、二次電池の代わりに、電気二重層キャパシタのような他の蓄電装置を採用してもよい。
バッテリ110とPCU54とは、電源線PL1,NL1によって接続される。電源線PL1,NL1の途中にSMR55が設けられる。電源線PL1におけるSMR55とバッテリ110との間の位置に電源線PL2の一方端が接続される。また、電源線NL1におけるSMR55とバッテリ110との間の位置に電源線NL2の一方端が接続される。電源線PL2,NL2の各他方端は、電力変換装置56に接続される。電源線PL2,NL2の各一方端と、各他方端との間には、ACリレー57が設けられる。
ACリレー57は、電力変換装置56とバッテリ110との間を接続状態(閉状態)と、遮断状態(開状態)とのうちのいずれか一方から他方の状態に切り替え可能に構成される。ACリレー57は、たとえば、ECU200からの制御信号に応じて動作する。ACリレー57は、たとえば、電力変換装置56を用いた充電制御あるいは放電制御の実行が要求される場合に接続状態になるように制御される。
ACインレット59Aは、EV50の外部の電力網とバッテリ110との間で交流電力を授受可能に構成される。電力変換装置56は、ACインレット59Aとバッテリ110との間に位置し、ACインレット59Aが電力網から受電した交流電力を直流電力に変換し、変換された直流電力をバッテリ110に供給するように構成される。さらに、電力変換装置56は、バッテリ110の直流電力を交流電力に変換してACインレット59Aを経由して電力網に供給するように構成される。
電力変換装置56は、プリチャージリレー56aと、入力フィルタ56bと、PFC(Power Factor Correction)56cと、DC/DCコンバータ56dとを含んで構成される。
プリチャージリレー56aは、ACリレー57がオン状態にされたときの突入電流を防止するリレーである。プリチャージリレー56aは、ECU200からの制御信号に応じて動作する。プリチャージリレー56aは、たとえば、ACリレー57がオン状態に制御されてから決められたプリチャージ時間が経過するまでプリチャージリレー56aのリレー回路に並列接続された抵抗素子に電流を流した後にオン状態に制御される。
ACリレー57がオン状態になることによってACインレット59Aから供給される交流電力を入力フィルタ56bおよびPFC56cを経由して直流電力に変換可能となる。あるいは、ACリレー57がオン状態になることによってバッテリ110から供給される直流電力を入力フィルタ56bおよびPFC56cを経由して交流電力に変換可能となる。
DC/DCコンバータ56dは、半導体スイッチング素子(図示せず)を有し、半導体スイッチング素子により直流電力の変圧(すなわち、昇圧または降圧)を行なうように構成される。また、DC/DCコンバータ56dは、上記の半導体スイッチング素子によって電力経路の接続/遮断を切替可能に構成される。DC/DCコンバータ56dは、ECU200によって制御される。
なお、電力変換装置56の構成は、上記に限られず適宜変更可能である。電力変換装置56は、たとえば、絶縁回路(たとえば、絶縁トランス)、インバータ(たとえば、半導体スイッチング素子により電力変換を行なうインバータのうちの少なくとも1つを含むようにしてもよい。
電源線PL1におけるSMR55とPCU54との間の位置に電源線PL3の一方端が接続される。また、電源線NL1におけるSMR55とPCU54との間の位置に電源線NL3の一方端が接続される。電源線PL3,NL3の各他方端は、DCインレット59Bに接続される。DCインレット59Bは、EV50の外部から供給される直流電力を受電するように構成される。電源線PL3,NL3の各一方端と、各他方端との間には、DCリレー58が設けられる。
DCリレー58は、DCインレット59Bと、電源線PL3,NL3の各一方端との間を接続状態(閉状態)と、遮断状態(開状態)とのうちのいずれか一方から他方の状態に切り替え可能に構成される。DCリレー58は、たとえば、ECU200からの制御信号に応じて動作する。DCリレー58は、DCインレット59Bを経由して電力網とEV50との間での電力の授受が要求される場合に接続状態になるように制御される。
SMR55は、バッテリ110とPCU54とを接続する電源線PL1,NL1に設けられている。SMR55の状態(接続/遮断)は、ECU200によって制御される。SMR55が接続状態(閉状態)であるときにはバッテリ110とPCU54との間で電力の授受を行なうことが可能になり、SMR55が遮断状態(開状態)であるときにはバッテリ110とPCU54との間で電力の授受を行なうことができなくなる。SMR55は、車両走行時に接続状態になるように制御される。さらに、SMR55は、DCインレット59Bを経由して電力網とEV50との間での電力の授受が要求される場合にDCリレー58とともに接続状態になるように制御される。
MG51は、たとえば三相交流モータジェネレータである。MG51は、PCU54によって駆動され、駆動輪53を回転させるように構成される。PCU54は、たとえば、プロセッサを含んで構成される制御装置と、インバータと、コンバータと(いずれも図示せず)を含んで構成される。PCU54の制御装置は、ECU200からの指示(制御信号)を受信し、その指示に従ってPCU54のインバータおよびコンバータを制御するように構成される。MG51の出力トルクは、減速機の役割を果たす動力伝達ギア52を介して駆動輪53に伝達される。MG51は、バッテリ110からPCU54のインバータおよびコンバータを経て供給される電力を用いてEV50の走行駆動力を発生させるように構成される。また、MG51は、回生発電を行ない、発電した電力をバッテリ110に供給するように構成される。EV50の駆動方式は任意であり、たとえば前輪駆動であってもよいし、4輪駆動であってもよい。図3ではMGが1つだけ設けられる構成が示されるが、MGの数はこれに限定されず、MGを複数(たとえば2つ)設ける構成としてもよい。
バッテリ110の状態(たとえば、温度、電流、および電圧)は、たとえば、図示しない各種センサによって検出され、その検出結果がECU200に出力される。ECU200は、各種センサの検出結果を用いてバッテリ110の状態(たとえば、温度、電流、電圧、SOC(State Of Charge)、および内部抵抗)を取得することができる。
ECU200は、CPU(Central Processing Unit)と、メモリ(図4参照)と、通信部(図4参照)とを含んで構成される。メモリは、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、および、書き換え可能な不揮発性メモリを含む。メモリ(たとえば、ROM)に記憶されているプログラムをCPUが実行することで、各種制御が実行される。ECU200は、各種センサから受ける信号、ならびに、メモリに記憶されたマップ、数式、および各種パラメータやプログラムに基づいて、車両EV50が所望の状態となるように各機器を制御する。ECU200が行なう各種制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で処理することも可能である。通信部は、サーバ30、EVSE40、および、携帯端末80の各々と通信可能に構成される。また、通信部は、HEMS−GW60およびデータセンタ70の各々と通信可能に構成されてもよい。なお、本実施の形態においては、1つのECU200によって各種制御を実行するものとして説明するが、たとえば、制御ごとに複数のECUが設定されてもよい。
このような構成を有するVGIシステム1において、たとえば、EV50AがEVSE40と電力の授受が可能に接続されているときにサーバ30(図2)からDRへの参加を要請された場合には、充電の実行・停止または放電の実行・停止によって電力需要量の調整に貢献することができる。
しかしながら、こうしたDRへの参加時にバッテリ110に対する充電の実行・停止または放電の実行・停止を行なうたびにEV50に搭載されるリレーが閉状態または開状態に切り替えられると、リレーの動作回数が増加する場合がある。その結果、リレーの寿命が短くなる場合がある。また、リレーの動作回数を増加させないため、リレーの動作を停止することも考えられるが、必要な電力の授受を行なうことができない場合がある。
そこで、本実施の形態において、サーバ30が、EV50からリレーの開状態と閉状態とのうちのいずれか一方から他方に切り替える切替動作を行なう回数である切替回数を取得し、取得された切替回数がしきい値を超える場合には、電力に関する取引に応じた切替動作を禁止するものとする。
このようにすると、切替回数がしきい値を超える場合に電力に関する取引に応じた切替動作が禁止されることによってリレーの切替回数の増加を抑制することができる。そのため、リレーの寿命が短くなることを抑制することができる。また、電力に関する取引に応じたものでない切替動作は禁止されないため、必要な電力の授受を行なうことができる。なお、本実施の形態においてサーバ30が「車両管理装置」に相当する。また、本実施の形態において、電力網におけるDR要請に従った切替動作を電力に関する取引に応じた切替動作の一例として以下に説明するものとする。
図4は、サーバ30およびECU200の構成要素を機能別に示す図である。図4を参照して、ECU200は、制御部201とメモリ230と通信部240とを含む。制御部201は、たとえば、CPUがプログラムを実行することによって実現される。ただしこれに限られず、専用のハードウェア(電子回路)によって実現されてもよい。
制御部201は、ACリレー57が閉状態になり、かつ、電力変換装置56のプリチャージリレー56aが開状態になるようにACリレー57およびプリチャージリレー56aを制御する。ACリレー57が閉状態になり、かつ、電力変換装置56のプリチャージリレー56aが開状態になることによって、バッテリ110と電力網との間における電力の授受が可能となる。
制御部201は、たとえば、通信部240を介してサーバ30からのDR信号によって電力需要の増加が要請され(すなわち、上げDR)、かつ、ACリレー57が開状態である場合には、ACリレー57およびプリチャージリレー56aがいずれも閉状態になるように切替動作を行なう。そして、制御部201は、バッテリ110の充電制御を実行する。
あるいは、制御部201は、たとえば、通信部240を介してサーバ30からのDR信号によって電力需要の抑制(すなわち、下げDR)が要請され、かつ、バッテリ110の充電中である(すなわち、ACリレー57が閉状態である)場合には、バッテリ110の充電を停止する。そして、制御部201は、ACリレー57およびプリチャージリレー56aがいずれも開状態になるように切替動作を行なう。
制御部201は、DR信号を受信することによってACリレー57およびプリチャージリレー56aをそれぞれ開状態と閉状態とのうちのいずれか一方から他方の状態に切り替える毎にメモリ230の所定の記憶領域に記憶されるDR時のリレーのオンオフ回数を示す値を1ずつ増加させる。
この実施の形態において、「DR時のリレーのオンオフ回数」は、ACリレー57のDR時の切替動作を行なう回数(切替回数)と、プリチャージリレー56aのDR時の切替回数とのうちのいずれか大きい方の回数を示すものとする。なお、「DR時のリレーのオンオフ回数」は、たとえば、ACリレー57のDR時の切替動作を行なう回数と、プリチャージリレー56aのDR時の切替動作を行なう回数とのうちのいずれかであってもよい。「DR時のリレーのオンオフ回数」は、たとえば、切替回数の上限値の小さい方の回数であってもよい。
図5は、DR時のリレーのオンオフ回数の変化の一例を説明するための図である。図5の横軸は、時刻を示す。図5の縦軸は、充電電力を示す。たとえば、DR信号によって上げDRが要請されることにより、EV50のバッテリ110が所定時間が経過するまでの間に継続して充電される場合を想定する。
図5に示すように、時間t(1)にて、ACリレー57およびプリチャージリレー56aの各々が開状態から閉状態に切り替わるとともに電力変換装置56が作動することによってバッテリ110に充電電力が出力される。このとき、DR時のリレーのオンオフ回数を示す値が1つ増加される。そして、時間t(2)にて、上げDRの要請に対する対応が終了すると、バッテリ110の充電が停止される。そして、ACリレー57およびプリチャージリレー56aの各々が閉状態から開状態に切り替えられる。このとき、DR時のリレーのオンオフ回数を示す値がさらに1つ増加される。その結果、上げDRが要請されてから時間t(2)が経過するまでの間にDR時のリレーのオンオフ回数を示す値は、2だけ増加される。
図6は、DR時のリレーのオンオフ回数の変化の他の一例を説明するための図である。図6の横軸は、時刻を示す。図6の縦軸は、充電電力を示す。たとえば、DR信号によって上げDRが要請されることにより、EV50のバッテリ110が所定時間が経過するまでの間に断続して充電される場合を想定する。
図6に示すように、時間t(3)、時間t(5)、時間t(7)、時間t(9)および時間t(11)の各々の時点にて、ACリレー57およびプリチャージリレー56aの各々が開状態から閉状態に切り替えられるとともに電力変換装置56の作動によってバッテリ110に充電電力が出力される。このとき、各時点においてDR時のリレーのオンオフ回数を示す値が1つ増加される。
さらに、時間t(4)、時間t(6)、時間t(8)、時間t(10)および時間t(12)の各々の時点にて、バッテリ110の充電が停止されるとともに、ACリレー57およびプリチャージリレー56aの各々が閉状態から開状態に切り替えられる。このとき、各時点においてDR時のリレーのオンオフ回数を示す値が1つ増加される。その結果、わる、それぞれの時点において、リレーのオンオフ回数が1つ増加される。その結果、上げDRが要請されてから時間t(12)が経過するまでの間にDR時のリレーのオンオフ回数を示す値は10だけ増加される。このように1回のDR信号に対するDR時のリレーのオンオフ回数の増加量は、充電や放電が継続して実施されるか断続して実施されるかによっても異なる場合がある。
また、制御部201は、たとえば、通信部240を介してサーバ30からDR時のリレーのオンオフ回数のリセット要求を受信する場合には、DR時のリレーのオンオフ回数を初期値(たとえば、ゼロ)にリセットする。
通信部240は、たとえば、サーバ30からDR時のリレーのオンオフ回数の送信要求を受けた場合に、メモリ230に記憶されたDR時のリレーのオンオフ回数を示す情報を車両IDとともにサーバ30に送信するように構成される。
サーバ30は、制御装置31と、メモリ33と、通信装置34とを含む。メモリ33には、サーバ30に登録されたEV50に関する情報(EV情報)、EVSE40(図2参照)に関する情報(EVSE情報)と、HEMS−GW60(図2参照)に関する情報(HEMS−GW情報)とが記憶されている。メモリ33において、EV50に関する情報は車両IDと紐付けられており、EVSE40に関する情報は設備IDと紐付けられている。なお、EV50に関する情報には、上述のDR時のリレーのオンオフ回数についての情報が含まれる。
通信装置34は、HEMS−GW60、データセンタ70、およびECU200の各々と通信可能に構成される。また、通信装置34は、携帯端末80と直接的にあるいはデータセンタ70を経由して通信可能に構成される。
データセンタ70は、通信装置71と記憶装置72とを含んで構成される。通信装置71は、サーバ30、HEMS−GW60、および携帯端末80の各々と通信可能に構成される。通信装置71は、さらにECU200と通信可能に構成されてもよい。通信装置71は、外部から受信したデータを記憶装置72に記憶するとともに、記憶装置72から読み出したデータを外部へ送信するように構成される。記憶装置72には、サーバ30に登録された携帯端末80およびユーザの各々の情報が、端末IDと紐付けられて記憶されている。
図1に示すVGIシステム1において、電力会社E1は、電力の需要を減らしたいときに、下げDRへの参加を要請するDR要請をサーバ10から各サーバ20へ送信する。電力の需要量は、一般に、日中に多くなり、深夜に少なくなる。電力会社E1は、日中の時間帯に下げDRへの参加を上位アグリゲータE2に要請することにより、日中の電力需要量を減らして、電力需要の負荷平準化を図ることができる。
再び図1を参照して、下げDRへの参加を要請するDR要請がサーバ10から各サーバ20へ要請されると、各サーバ20はDR可能量をサーバ10へ返信する。DR可能量を受信したサーバ10は、下げDRに参加する親AGを決定するとともに、下げDRに参加する各親AGのサーバ20へ第1DR実行指示を送信する。第1DR実行指示を受信した各サーバ20は、下げDRに参加する子AGを決定するとともに、下げDRに参加する各子AGのサーバ30へ第2DR実行指示を送信する。第2DR実行指示を受信した各サーバ30は、下げDRに参加するEV50を決定するとともに、下げDRに参加する各EV50へ下げDR信号を送信する。
このとき、サーバ30は、サーバ20から第2DR実行指示を受信した場合に、DRへの参加を表明しているユーザに対応付けられるEV50のリスト(以下、車両リストと記載する)からDRへの参加が不可能な車両(EV)を除外し、DRへの参加が可能な各車両にDR量を割当する処理(以下、割当処理と記載する場合がある)を実行するものとする。
以下、図7を参照して、サーバ30で実行される制御処理の一例を説明する。図7は、サーバ30で実行される処理の一例を示すフローチャートである。
ステップ(以下、ステップをSと記載する)100にて、サーバ30は、第2DR実行指示を受信するか否かを判定する。サーバ30は、第2DR実行指示を受信すると判定される場合(S100にてYES)、処理はS102に移される。
S102にて、サーバ30は、DR割当が可能な候補車両を示す車両リストを取得する。
図8は、車両リストの一例の構成を示す図である。図8に示すように、車両リストは、たとえば、車両IDと、DR量と、DR時のリレーのオンオフ回数と、判定フラグと、除外フラグとを含む。
車両IDは、たとえば、ユーザによってDR対応可能であると設定された候補車両の車両IDを示す。
DR量は、後述する割当処理によって各候補車両に割り当てられるDR量を示す。DR量は、割当処理が実行されたときに登録または更新される。
判定フラグは、後述するDR時のリレーのオンオフ回数がしきい値以下であるか否かを判定する判定処理が実行済であることを示すフラグである。
除外フラグは、DR量の割当処理を実行する場合の割当対象から除外されていることを示すフラグである。
図8の車両リストにおいては、車両ID「001」の候補車両のDR量がaであって、DR時のリレーのオンオフ回数がCaであって、判定フラグがオン状態であって、かつ、除外フラグがオフ状態であることが一例として示されている。
さらに、図8の車両リストにおいては、車両ID「002」の候補車両のDR量がbであって、DR時のリレーのオンオフ回数がCbであって、判定フラグがオン状態であって、かつ、除外フラグがオフ状態であることが一例として示されている。
さらに、図8の車両リストにおいては、車両ID「003」の候補車両のDR量がcであって、DR時のリレーのオンオフ回数がCcであって、判定フラグがオン状態であって、かつ、除外フラグがオフ状態であることが一例として示されている。
さらに、図8の車両リストにおいては、車両ID「004」の候補車両のDR量がdであって、DR時のリレーのオンオフ回数がCdであって、かつ、判定フラグおよび除外フラグがいずれもオフ状態であることが一例として示されている。
なお、サーバ30は、たとえば、決められたリスト更新期間が経過する毎にデータセンタ70に記憶されたDR対応可能であると設定されたユーザが所有するEVの車両IDを用いて車両リストに登録された車両IDを更新してもよい。
なお、車両リストに登録される情報は、図8に記載される情報に限定されるものではなく、図8に記載される情報に加えて他の車両等に関する情報を含むようにしてもよい。
図7に戻って、S104にて、サーバ30は、車両リストにおける各候補車両の判定フラグをいずれもオフ状態に更新する。
S106にて、サーバ30は、車両リストのうちの判定フラグがオフ状態のいずれかの候補車両(EV)のDR時のリレーのオンオフ回数を取得する。サーバ30は、たとえば、図6に示す車両リストのうちの判定フラグがオフ状態の候補車両のうちのいずれかの車両IDを特定し、DR時のリレーのオンオフ回数の送信要求を特定された車両IDの候補車両に対して送信する。サーバ30は、たとえば、判定フラグがオフ状態の候補車両のうちの車両IDが若い候補車両にDR時のリレーのオンオフ回数の送信要求を送信する。送信要求を受けた候補車両は、メモリ230に記憶されたDR時のリレーのオンオフ回数を読み出して、サーバ30に送信する。これにより、サーバ30は、特定された車両IDのDR時のリレーのオンオフ回数を取得する。
S108にて、サーバ30は、取得したDR時のリレーのオンオフ回数がしきい値以下であるか否かを判定する。しきい値は、たとえば、予め定められた値であって、実験等によって適合される。DR時のリレーのオンオフ回数がしきい値以下であると判定される場合(S108にてYES)、処理はS110に移される。
S110にて、サーバ30は、判定フラグをオン状態にする。具体的には、サーバ30は、車両リストにおいて、DR時のリレーのオンオフ回数の判定対象となる候補車両に対応する判定フラグをオン状態にする。
一方、取得したDR時のリレーのオンオフ回数がしきい値よりも大きいと判定される場合(S108にてNO)、処理はS112に移される。
S112にて、サーバ30は、除外フラグをオン状態にする。具体的には、サーバ30は、車両リストにおいて、DR時のリレーのオンオフ回数の判定対象となる候補車両に対応する除外フラグをオン状態にする。
S114にて、サーバ30は、報知処理を実行する。具体的には、サーバ30は、候補車両のユーザに対してDR時のリレーのオンオフ回数がしきい値を超えていることによってDRへの参加が禁止された旨を報知する。サーバ30は、候補車両の車両IDと、データセンタ70に記憶された情報とから候補車両のユーザIDを特定し、特定されたユーザIDに対応する携帯端末80に対してDR時のリレーのオンオフ回数がしきい値を超えていることによってDRへの参加が禁止された旨を示す報知情報を送信する。携帯端末80において送信された報知情報が表示装置等に表示されることによってユーザに報知される。サーバ30は、その後処理をS110に移す。
S116にて、サーバ30は、判定処理が終了したか否かを判定する。具体的には、サーバ30は、車両リストに登録された候補車両の判定フラグがいずれもオン状態である場合に、判定処理が終了したと判定する。判定処理が終了したと判定される場合(S116にてYES)、処理はS118に移される。なお、判定処理が終了していないと判定される場合(S116にてNO)、処理はS106に移される。
S118にて、サーバ30は、DR量の割当処理を実行する。具体的には、サーバ30は、たとえば、第2DR実行指示に含まれるDR量を車両リストのうちの除外フラグがオフ状態の候補車両に割り当てる。
サーバ30は、たとえば、第2DR実行指示に含まれるDR量を車両リストに登録される候補車両のうちの除外フラグがオフ状態の車両の台数で除算することによって均等のDR量を各候補車両に割り当てるようにしてもよい。
あるいは、以下のようにして各候補車両にDR量を割り当ててもよい。すなわち、サーバ30は、除外フラグがオン状態の候補車両がオフ状態である場合に各候補車両に割り当てられる当初DR量を算出する。サーバ30は、除外フラグがオン状態の候補車両の当初DR量を除外フラグがオフ状態の候補車両の台数で除算する。サーバ30は、除算した値を除外フラグがオフ状態の各候補車両の当初DR量に上乗せすることによって各候補車両にDR量を割り当ててもよい。
S120にて、サーバ30は、除外フラグがオフ状態の各候補車両に対してDR信号を送信する。
S122にて、サーバ30は、初期化条件が成立するか否かを判定する。なお、初期化条件は、DR時のリレーのオンオフ回数を初期値(たとえば、ゼロ)に戻すための条件を含む。初期化条件は、たとえば、日付が変更したという条件を含む。サーバ30は、たとえば、計時回路等を用いて現在の日付を取得して、前回の初期化条件の成立の有無の判定において現在の日付として取得した日付(以下、前回の日付と記載する)と比較する。サーバ30は、現在の日付と前回の日付とが異なる場合には、日付が変更したと判定する。初期化条件が成立したと判定される場合(S122にてYES)、処理はS124に移される。
S124にて、サーバ30は、各候補車両のDR時のリレーのオンオフ回数を初期値(たとえば、ゼロ)にリセットする。サーバ30は、たとえば、各候補車両に対してDR時のリレーのオンオフ回数を初期値にリセットするようにリセット要求を送信する。S126にて、サーバ30は、車両リストの各候補車両の除外フラグをいずれもオフ状態にする。なお、初期化条件が成立していないと判定される場合(S122にてNO)、この処理は終了される。
以上のような構成を有するVGIシステム1のサーバ30の動作について図9を参照しつつ説明する。
図9は、車両リストの変化を説明するための図である。図9の上段には、DR量の割当処理の実行後のある時点における車両リストの一例が示される。図9の下段には、ある時点よりも後であって、かつ、複数回のDR要請を受けた後における車両リストの一例が示される。図9の上段および下段の車両リストの構成は、図8の車両リストの構成と比較して一部の項目を示す値が異なる点を除き、同様の構成を有する。そのため、以下に説明する点を除き、その詳細な説明は繰り返さない。
サーバ20から第2DR実行指示を受信する場合(S100にてYES)、車両リストが取得される(S102)。
各候補車両の判定フラグがオフ状態にされるとともに(S104)、判定フラグがオフ状態の候補車両のうちのいずれかの判定対象となる候補車両のDR時のリレーのオンオフ回数が取得される(S106)。DR時のリレーのオンオフ回数がしきい値以下である場合には(S108にてYES)、判定対象の候補車両の判定フラグがオフ状態からオン状態に切り替えられる(S110)。その他に判定フラグがオフ状態の車両があれば判定処理が終了していない判定され(S116にてNO)、判定フラグがオフ状態のいずれかの候補車両に対してDR時のリレーのオンオフ回数がしきい値以下であるか否かの判定処理が行なわれる。
そして、各候補車両の判定フラグがオン状態になると判定処理が終了したと判定され(S116にてYES)、DR量の割当処理が実行される(S118)。
除外フラグがオン状態の車両がない場合には、DR量の割当処理の実行によって、図9の上段の車両リストに示すように、車両リストに登録された各候補車両(車両ID「001」〜「004」)に対してDR量として、a、b、c、および、dがそれぞれ割り当てられる。そして、割り当てられたDR量に基づくDR信号が各候補車両に対して送信される(S120)。
前回の初期化条件で取得した日付と同じ日付が取得される場合に、初期化条件が成立しないと判定されるため(S122にてNO)、次の第2DR実行指示を受信するまで待機される。
上述のような第2DR実行指示に対する対応が繰り返されることによって、複数回のDR要請を受けた場合を想定する。この場合において、サーバ20から第2DR実行指示を受信する場合(S100にてYES)、車両リストが取得される(S102)。
各候補車両の判定フラグがオフ状態にされるとともに(S104)、判定フラグがオフ状態の候補車両のうちのいずれかの判定対象となる候補車両のDR時のリレーのオンオフ回数が取得される(S106)。このとき、たとえば、車両ID「002」の車両が判定対象となり、DR時のリレーのオンオフ回数Cb’が取得され、取得されたオンオフ回数Cb’がしきい値を超える場合(S108にてNO)、車両ID「002」に対応する除外フラグがオン状態にされるとともに(S114)、報知処理が実行される(S114)。そして、車両ID「002」に対応する判定フラグがオン状態にされる(S110)。
そして、各候補車両の判定フラグがオン状態になると判定処理が終了したと判定され(S116にてYES)、DR量の割当処理が実行される(S118)。
車両ID「002」に対応する除外フラグがオン状態であるため、DR量の割当処理においては、図9の下段の車両リストに示すように、車両リストに登録された候補車両のうちの車両ID「002」を除く候補車両(車両「001」、「003」および「004」)に対してDR量として、a’、b’、および、d’がそれぞれ割り当てられる。そして、割り当てられたDR量に基づくDR信号が各候補車両に対して送信される(S120)。
前回の初期化条件で取得した日付と異なる日付が取得される場合には、初期化条件が成立したと判定されるため(S122にてYES)、各候補車両のDR時のリレーのオンオフ回数が初期値(ゼロ)にリセットするリセット要求を各候補車両に対して送信する。そして、各候補車両の除外フラグがオフ状態にされる(S126)。
以上のようにして、本実施の形態に係る車両管理装置によると、DR時のリレーのオンオフ回数がしきい値を超える場合に除外フラグがオンされることによってDR要請に従ったリレーの切替動作が禁止されることによってリレーの切替回数の増加を抑制することができる。そのため、リレーの寿命が短くなることを抑制することができる。また、DR要請に従わない切替動作は禁止されないため(すなわち、切替動作が許容されるため)、必要な電力の授受を行なうことができる。したがって、リレーの寿命が短くなることを抑制しつつ、必要な電力の授受を可能とする車両管理装置、車両および車両管理方法を提供することができる。
さらに初期化条件が成立するまでDR時のリレーのオンオフ回数が積算され、積算されたDR時のリレーのオンオフ回数がしきい値を超える場合には、DR要請に従ったリレーの切替動作を禁止し、初期化条件が成立したときに切替回数が初期値に戻される。そのため、初期化条件が成立するまでの期間におけるDR要請に従ったリレーの切替回数の増加を抑制することができる。
さらにDR要請に従ったリレーの切替動作が禁止されるときに、切替回数がしきい値を超える旨が車両のユーザに報知されるため、切替回数がしきい値を超えたことによりDR要請に従ったリレーの切替動作が禁止されたことを車両のユーザに認識させることができる。
以下、変形例について記載する。
上述の実施の形態では、EV50は、EVSE40からの電力供給を受けることによってEV50に搭載されるバッテリ110の充電が可能な構成と、EV50に搭載されるバッテリ110の電力をEVSE40に供給(放電)することが可能な構成とを有するものとして説明したが、たとえば、EV50は、EVSE40からの電力供給を受けることによって搭載されるバッテリ110の充電が可能な構成のみを有するものであってもよい。
さらに上述の実施の形態では、電力網におけるDR要請に従った切替動作を電力に関する取引に応じた切替動作の一例として説明したが、電力に関する取引としては、特にデマンドレスポンスのような電力平準化のための取引に限定されるものではなく、たとえば、個人間の電力売買のような取引を含むようにしてもよい。
さらに上述の実施の形態では、DR時のリレーのオンオフ回数と比較するしきい値が予め定められた値であるものとして説明したが、しきい値は、たとえば、時間の経過とともに減少させるようにしてもよいし、あるいは、リレーの残切替可能回数の減少とともに減少させるようにしてもよい。残切替可能回数は、たとえば、EV50の想定使用期間(たとえば、想定私用年数)における切替可能回数の上限値からEV50の実使用期間(たとえば、実私用年数)における切替回数を減算して算出される。
さらに上述の実施の形態では、除外フラグがオン状態にされる場合に除外フラグがオン状態にされた候補車両のユーザに対する報知処理を実行するものとして説明したが、報知処理については実行を省略してもよい。
この場合の処理を示すフローチャートは、図7に示すフローチャートのうちのS114の処理が省略されたフローチャートとなる。そのため、その詳細な説明は繰り返さない。
さらに上述の実施の形態では、初期化条件は、日付が変更したという条件を含むものとして説明したが、たとえば、所定期間が経過したという条件であればよく、特に日付が変更したという条件に限定されるものではない。
さらに上述の実施の形態では、DR時のリレーのオンオフ回数がしきい値を超える場合に、DR要請に従ったリレーの切替動作を禁止するものとして説明したが、たとえば、EV50の残使用期間におけるリレーの切替回数の推定値が残使用期間における切替可能回数よりも大きい場合には、DR要請に従ったリレーの切替動作を禁止するようにしてもよい。
ここで、EV50の残使用期間は、EV50の想定使用期間から実使用期間を減算して算出される。また、EV50の残使用期間における残切替可能回数は、上述のとおり車両の想定使用期間におけるリレーの切替可能回数の上限値からEV50の実使用期間におけるリレーの実切替回数を減算して算出される。また、EV50の残使用期間における切替回数の推定値は、実使用期間における実切替回数から算出される。
以下、図10を参照してこの変形例においてサーバ30で実行される処理について説明する。なお、以下の説明においては、「残使用期間」、「想定使用期間」および「実使用期間」を、それぞれ「残使用年数」、「想定使用年数」および「実使用年数」とした場合を一例として説明するが、「期間」としては、特に「年数」に限定されるものではない。図10は、変形例におけるサーバ30で実行される処理の一例を示すフローチャートである。
なお、図10のフローチャートにおいて、図7のフローチャートと同様の処理については同じステップ番号が付与されている。そのため、以下に説明する場合を除き、その処理内容についての詳細な説明は、繰り返さない。なお、図10のフローチャートにおいては、図7のフローチャートに記載のS122、S124およびS126に相当する処理については省略される。
S104にて、各候補車両の判定フラグがオフ状態にされると、処理はS200に移される。S200にて、サーバ30は、判定対象となる候補車両の実使用年数と想定使用年数とを取得する。サーバ30は、たとえば、判定対象となる候補車両から実使用年数および想定使用年数を受信することによって実使用年数を取得してもよい。また、サーバ30は、たとえば、判定対象となる候補車両の想定使用年数について予め記憶されたメモリ33から読み出すことによって想定使用年数を取得してもよい。
S202にて、サーバ30は、残切替可能回数を算出する。サーバ30は、たとえば、判定対象となる候補車両の想定使用年数におけるリレーの切替可能回数の上限値から判定対象となる候補車両のリレーの実切替回数を減算することによって残使用年数における残切替可能回数を算出する。想定使用年数におけるリレーの切替可能回数の上限値は、たとえば、判定対象となる候補車両が受信してもよいし、あるいは、予め記憶されたメモリ33から読み出すようにしてもよい。
S204にて、サーバ30は、残使用年数におけるリレーの切替回数の推定値を算出する。サーバ30は、たとえば、実使用年数におけるリレーの実切替回数から残使用年数におけるリレーの切替回数の推定値を算出する。サーバ30は、たとえば、実使用年数と実切替回数との比が残使用年数と推定値との比と同じ比になるように推定値を算出する。
S206にて、サーバ30は、残使用年数におけるリレーの切替回数の推定値が残切替可能回数以下であるか否かを判定する。残使用年数におけるリレーの切替回数の推定値が残切替可能回数以下であると判定される場合(S206にてYES)、処理はS110に移される。
一方、残使用年数におけるリレーの切替回数の推定値が残切替可能回数よりも大きいと判定される場合(S206にてNO)、処理はS112に移される。
このようにすると、候補車両の使用年数と想定使用年数とが取得され(S200)、残切替可能回数が算出され(S202)、残使用年数における切替回数の推定値が算出される場合に(S204)、推定値が残切替可能回数よりも大きくなると(S206にてNO)、除外フラグがオンされるとともに(S112)、報知処理が実行される(S114)。そのため、候補車両の想定使用年数が経過するまでの間にリレーの切替可能回数の上限値を超えることを抑制することができる。そのため、リレーの寿命が短くなることを抑制することができる。
さらに上述の実施の形態では、DR時のリレーのオンオフ回数がしきい値を超える場合に、DR要請に従ったリレーの切替動作を禁止するものとして説明したが、たとえば、EVSE40とEV50との間で授受される電力が交流電力か直流電力かによって切替動作を禁止するか否かを選択してもよい。
サーバ30は、たとえば、EVSE40とEV50との間で授受される電力が交流電力であって、DR時のリレーのオンオフ回数がしきい値を超える場合には、DR要請に従ったリレーの切替動作を禁止する。また、サーバ30は、たとえば、EVSE40とEV50との間で授受される電力が直流電力であって、DR時のリレーのオンオフ回数がしきい値を超える場合には、DR時のリレーのオンオフ回数がしきい値を超える旨を判定対象となる候補車両のユーザに報知してもよい。
以下、図11を参照してこの変形例においてサーバ30で実行される処理について説明する。図11は、変形例におけるサーバ30で実行される処理の他の一例を示すフローチャートである。
なお、図11のフローチャートにおいて、図7のフローチャートと同様の処理については同じステップ番号が付与されている。そのため、以下に説明する場合を除き、その処理内容についての詳細な説明は、繰り返さない。
S108にて、DR時のリレーのオンオフ回数がしきい値よりも大きいと判定される場合(S108にてNO)、処理はS300に移される。
S300にて、サーバ30は、判定対象となる候補車両においてEVSE40との間でDC電力の授受が可能な状態であるか否かを判定する。サーバ30は、DC電力の授受が可能な状態であるか否かを判定対象となる候補車両に問い合わせる処理を実行し、DCインレット59Bにコネクタが接続された状態であるなどDC電力の授受が可能な状態であることを示す情報を受信する場合に、DC電力の授受が可能な状態であると判定する。DC電力が授受されていると判定される場合(S300にてYES)、処理はS114に移される。
このようにすると、DR時のリレーのオンオフ回数がしきい値を超えている場合において(S108にてNO)、DC電力の授受が可能な状態であると(S300にてYES)、候補車両として除外されずに報知処理が実行される(S302)。一方、DC電力の授受が可能な状態でないと(S300にてNO)、候補車両として除外されるとともに(S112)、報知処理が実行される(S114)。
このようにすると、たとえば、バッテリ110が直流電力で充電される場合には、切替動作が許容されるため、バッテリ110の充電を速やかに完了させたいというユーザの意図に合致する切替動作が可能となる。なお、DR電力の授受が可能な状態であるか否かの判定処理に代えてDR電力を授受しているか否かの判定処理を実行してもよい。
さらに上述の実施の形態では、サーバ30が各候補車両のDR時のリレーのオンオフ回数がしきい値以下であるか否かを判定し、しきい値を超えている候補車両について除外フラグをオン状態にすることによって要請に従った切替動作を禁止するものとして説明したが、EV50において、サーバ30からDR信号を受信し、かつ、DR要請に従ったリレーの切替回数がしきい値を超える場合に、DR要請に従った切替動作を禁止するようにしてもよい。
さらにEV50においては、所定の要請元(すなわち、サーバ30)からの要請に従わない切替動作を行なう場合、DR要請に従った切替回数(DR時のリレーのオンオフ回数)がしきい値を超えるときに、DR要請に従った切替回数がしきい値を超える旨をEV50のユーザに報知してもよい。
以下、図12を参照してこの変形例においてEV50で実行される処理について説明する。図12は、変形例におけるEV50で実行される処理の一例を示すフローチャートである。
S400にて、EV50(具体的には、ECU200)は、DR要請に基づく充電要求または放電要求があるか否かを判定する。EV50は、たとえば、サーバ30からDR信号を受信する場合、DR要請に基づく充電要求または放電要求があると判定する。DR要請に基づく充電要求または放電要求があると判定される場合(S400にてYES)、処理はS402に移される。
S402にて、EV50は、DR時のリレーのオンオフ回数がしきい値以下であるか否かを判定する。しきい値は、S108において説明したしきい値と同様である。そのため、その詳細な説明は繰り返さない。DR時のリレーのオンオフ回数がしきい値以下であると判定される場合(S402にてYES)、処理はS404に移される。
S404にて、EV50は、DR要請に基づく電力制御を実行する。EV50は、たとえば、DR要請に従って充電が要求される場合には、充電制御(ACリレー57およびプリチャージリレー56aのオン制御を含む)を実行する。また、EV50は、たとえば、DR要請に従って放電が要求される場合には、放電制御(ACリレー57およびプリチャージリレー56aのオン制御を含む)を実行する。
S406にて、EV50は、DR時のリレーのオンオフ回数を更新する。すなわち、DR信号に対応した電力制御中においてリレーがオンされた回数およびオフされた回数の合計を前回値に加算することによってDR時のリレーのオンオフ回数を更新する。その後、処理はS414に移される。
DR時のリレーのオンオフ回数がしきい値よりも大きいと判定される場合(S402にてNO)、処理はS408に移される。
S408にて、EV50は、DR要請に基づく電力制御を禁止する。そのため、EV50は、その後にDR要請に従って充電が要求される場合も、放電が要求される場合もこれらの要求に基づく電力制御を非実行とする。
S410にて、EV50は、DR参加不可をサーバ30に通知する。なお、サーバ30は、EV50からDR参加不可を受信した場合に、その後のDR量の割当処理を実行する場合に候補車両から除外し、DR信号を送信しないようにしてもよい。
S412にて、EV50は、報知処理を実行する。EV50は、たとえば、ユーザに対してDR時のリレーのオンオフ回数がしきい値を超えていることによってDRへの参加が不可である旨を報知する。EV50は、たとえば、サーバ30を経由してEV50を所有するユーザの携帯端末80にDRへの参加が不可である旨を報知してもよい。その後処理はS414に移される。
S414にて、EV50は、初期化条件が成立しているか否かを判定する。初期化条件については、上述したとおりであるため、その詳細な説明は繰り返さない。初期化条件が成立していると判定される場合(S414にてYES)、処理はS416に移される。
S416にて、EV50は、DR時のリレーのオンオフ回数を初期値(ゼロ)にリセットする。なお、DR要請に基づく充電要求または放電要求がないと判定される場合(S400にてNO)、処理はS414に移される。
一方、サーバ30からDR信号を受信しない場合(S400にてNO)、処理はS418に移される。
S418にて、EV50は、リレーの切替動作の要求があるか否かを判定する。EV50は、たとえば、サーバ30と異なる要請元からのDR要請に従ってEVSE40が充電要求または放電要求を受信する場合や、予め設定された充電スケジュールあるいは予め設定された放電スケジュールに基づいてバッテリ110の充電制御または放電制御の実行が要求される場合に、リレーの切替動作の要求があると判定する。リレーの切替動作の要求があると判定される場合(S418にてYES)、処理はS420に移される。
S420にて、EV50は、DR時のリレーのオンオフ回数がしきい値を超えるか否かを判定する。DR時のリレーのオンオフ回数がしきい値を超えると判定される場合(S420にてYES)、処理はS422に移される。
S422にて、EV50は、報知処理を実行する。報知処理は、ユーザに対してDR時のリレーのオンオフ回数がしきい値を超えている旨を報知する。EV50は、たとえば、サーバ30を経由してEV50を所有するユーザの携帯端末80にDR時のリレーのオンオフ回数がしきい値を超えている旨を報知してもよい。その後処理は、S424に移される。なお、DR時のリレーのオンオフ回数がしきい値以下であると判定される場合(S420にてNO)、処理はS424に移される。S424にて、EV50は、リレーの切替動作を行なう。なお、リレーの切替動作の要求がないと判定される場合(S418にてNO)、処理はS414に移される。
このようにすると、EV50がサーバ30からDR信号を受信した場合(S400にてYES)、DR時のリレーのオンオフ回数がしきい値以下であるか否かが判定される(S402)。
DR時のリレーのオンオフ回数がしきい値を超える場合には、DR要請に基づく電力制御が禁止されることによって、リレーの切替動作が禁止される(S408)。そして、DR参加不可がサーバ30に通知され(S410)、ユーザへの報知処理が実行される(S412)。
そのため、DR時のリレーのオンオフ回数がしきい値を超える場合にDR要請に従ったリレーの切替動作が禁止されることによってリレーの切替回数の増加を抑制することができる。そのため、リレーの寿命が短くなることを抑制することができる。また、DR要請に従わない切替動作は禁止されないため、必要な電力の授受(充電または放電)を行なうことができる。
さらに、サーバ30からDR信号を受信せずに(S400にてNO)、リレーの切替動作が要求される場合(S418にてYES)、DR時のリレーのオンオフ回数がしきい値を超えていると(S420にてYES)、報知処理が実行され(S422)、切替動作が行なわれる(S424)。
そのため、所定の要請元(すなわち、サーバ30)からの要請に従わない切替動作を行なう場合には、要請に従った切替回数がしきい値を超えていることをEV50のユーザに認識させることができる。なお、所定の要請元からの要請に従わない切替動作には、要請の有無が不明である場合の切替動作が含まれるものとする。
なお、上記した変形例は、その全部または一部を適宜組み合わせて実施してもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。