JP2019050697A - 車載制御装置 - Google Patents

車載制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2019050697A
JP2019050697A JP2017174705A JP2017174705A JP2019050697A JP 2019050697 A JP2019050697 A JP 2019050697A JP 2017174705 A JP2017174705 A JP 2017174705A JP 2017174705 A JP2017174705 A JP 2017174705A JP 2019050697 A JP2019050697 A JP 2019050697A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
deterioration
contactor
contactors
value
control device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017174705A
Other languages
English (en)
Inventor
山中 康弘
Yasuhiro Yamanaka
康弘 山中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Motors Corp filed Critical Mitsubishi Motors Corp
Priority to JP2017174705A priority Critical patent/JP2019050697A/ja
Publication of JP2019050697A publication Critical patent/JP2019050697A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】車載制御装置に関し、コンタクタの劣化状態の診断精度を向上させる。【解決手段】車両に搭載された二次電池2の給電回路を断接するコンタクタ11〜17の作動回数に応じて、コンタクタ11〜17の劣化状態や点検時期を乗員に報知する車載制御装置5に関する。コンタクタ11〜17の劣化状態と相関を持つパラメータを測定する測定部6を設ける。コンタクタ11〜17の開閉動作時に測定されたパラメータの値と作動回数とに基づき、一回の断接操作がコンタクタ11〜17の劣化状態に与える影響の大きさを表す劣化変動値を算出するとともに、その積算値である劣化指標値を算出する算出部7を設ける。劣化指標値に対応するコンタクタ11〜17の劣化状態や点検時期を乗員に報知する報知部8を設ける。【選択図】図2

Description

本発明は、車載バッテリの給電回路を断接するコンタクタの劣化状態や点検時期を乗員に報知する車載制御装置に関する。
従来、電気自動車やハイブリッド自動車といった電動車両に内蔵される電源の高圧回路には、コンタクタと呼ばれる電磁接触器が設けられている。コンタクタは、一般的なリレー装置よりも高電圧,高電流での使用に適した構造を備えており、駆動用バッテリの内部や近傍に配置される。コンタクタを駆動用バッテリの使用時にのみ接続し、不使用時には遮断(開放)状態を維持することで、高圧回路の活線露出を防止することができる。
ところで、コンタクタの接点には、開閉動作の耐久回数が設定されており、実際の開閉回数が開閉耐久回数に達する前に整備点検や部品交換を行うことが推奨される。電動車両においては、通常は開閉耐久回数が数十万回〜数百万回程度のコンタクタが使用されるため、開閉回数が実質的には問題にならない。一方、近年の電動車両を取り巻くV2H(Vehicle to Home)システムの普及や、駆動用バッテリの外部給電を活用したレジャースタイル(家電キャンプ)の一般化により、今後はコンタクタの開閉回数が増加することが見込まれる。したがって、コンタクタの劣化状態を精度よく診断し、乗員に点検整備を促すしくみを用意しておくことが望ましい。このような劣化診断に関して、スイッチ部品の作動回数や稼働時間をカウントし、その積算値に基づいて寿命を予測する技術が知られている(特許文献1,2参照)。
特開2004-038317号公報 特開2008-029110号公報
しかしながら、コンタクタの接点の劣化状態は、コンタクタの開閉作動時の電圧,電流状態や開閉頻度などに応じて変化しうる。例えば、回路接続時の突入電流が大きいほど接点の劣化が進行しやすい。同様に、回路切断時におけるアーク電圧が大きいほど接点の劣化が進行しやすい。既存の技術では電流,電圧などのパラメータの影響が適切に考慮されておらず、劣化状態の診断精度が低いという課題がある。
本件の目的の一つは、上記のような課題に鑑みて創案されたものであり、コンタクタの劣化診断精度を高めて車両の信頼性を向上させることのできる車載制御装置を提供することである。なお、この目的に限らず、後述する「発明を実施するための形態」に示す各構成から導き出される作用効果であって、従来の技術では得られない作用効果を奏することも、本件の他の目的として位置付けることができる。
(1)開示の車載制御装置は、車両に搭載された二次電池の給電回路を断接するコンタクタの作動回数に応じて前記コンタクタの劣化状態または点検時期を乗員に報知する車載制御装置である。本装置は、前記コンタクタの劣化状態と相関を持つパラメータを測定する測定部を備える。また、前記コンタクタの開閉動作時に測定された前記パラメータの値と前記作動回数とに基づき、一回の断接操作が前記コンタクタの劣化状態に与える影響の大きさを表す劣化変動値を算出するとともに、前記劣化変動値の積算値である劣化指標値を算出する算出部を備える。さらに、前記劣化指標値に対応する前記コンタクタの劣化状態または点検時期を乗員に報知する報知部を備える。
(2)前記測定部は、前記パラメータとして前記コンタクタを流れた電流を測定することが好ましい。また、前記算出部は、前記電流が大きいほど前記劣化変動値を増加させることが好ましい。
(3)前記測定部は、前記パラメータとして前記コンタクタに作用した電圧を測定することが好ましい。また、前記算出部は、前記電圧が大きいほど前記劣化変動値を増加させることが好ましい。
(4)前記測定部は、前記パラメータとして前記コンタクタの周囲温度と相関を持つ相関温度を測定することが好ましい。また、前記算出部は、前記相関温度が第一温度未満の場合には、前記相関温度が低いほど前記劣化変動値を増加させ、前記相関温度が前記第一温度よりも高い第二温度以上の場合には、前記相関温度が高いほど前記劣化変動値を増加させることが好ましい。
(5)前記車両に搭載された複数の電子制御装置に前記劣化指標値をバックアップする通信部を備えることが好ましい。
コンタクタの作動回数だけでなくパラメータの値を併用して劣化指標値を算出することで、コンタクタの劣化状態を精度よく診断することができ、乗員に報知される情報の信頼性を向上させることができる。これにより、適切なタイミングでコンタクタの整備点検を促すことができ、予防安全性能を高めることができる。
車載制御装置が適用された車両の側面図である。 給電回路と車載制御装置のブロック構成とを示す図である。 (A)〜(F)はコンタクタの劣化状態と相関を持つパラメータと劣化係数との関係を例示するグラフである。 車載制御装置で記憶されるコンタクタの作動回数と劣化指標値とを例示する表である。 車載制御装置で実施される制御のフローチャートである。
以下、図面を参照して実施形態としての車載制御装置5について説明する。以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることができる。
[1.装置構成]
本実施形態の車載制御装置5が適用された車両10を、図1に示す。この車両10は、バッテリ2を動力源とする駆動用モータ4が搭載された電動車両(電気自動車,プラグインハイブリッド自動車等)である。バッテリ2は、リチウムイオン二次電池,ニッケル水素電池などの二次電池であり、車両10の床下に配置される。駆動用モータ4は、バッテリ2の電力で車輪を回転駆動する機能と、車輪の慣性トルクを利用した発電によって電力を回生する機能とを兼ね備えた交流電動発電機である。
駆動用モータ4とバッテリ2とを接続する高圧回路(直流回路)上には、インバータ3が介装される。このインバータ3には、複数のスイッチング素子を含む三相ブリッジ回路が内蔵される。各スイッチング素子の接続状態を断続的に切り替えることで、駆動用モータ4を駆動するための交流電力が生成される。スイッチング素子には、IGBTやパワーMOSFETなどの半導体素子が用いられる。
図1中の符号20は車室内に設けられた外部給電口を示し、符号21は車室外に設けられた外部充電口を示す。外部給電口20は、バッテリ2の電力を家電機器(家庭用電源で使用される電気製品)に給電するためのコンセントである。また、外部充電口21は外部充電器でバッテリ2を充電するためのコンセントであり、ここに外部充電用の充電コネクタが差し込まれる。外部給電口20,外部充電口21のそれぞれは、バッテリ2の高圧回路に対してインバータ3と並列に接続される。
高圧回路の構造を図2に例示する。バッテリ2とインバータ3との間には、一対のメインコンタクタ11,12が介装される。これらのメインコンタクタ11,12は常時励磁式のコンタクタであり、バッテリ2を挟んで正極2P側(Positive),負極2N側(Negative)の各々に配置される。以下、これらを区別する場合には正極2P側のものを正極メインコンタクタ11と呼び、負極2N側のものを負極メインコンタクタ12と呼ぶ。メインコンタクタ11,12の開閉状態は、車載制御装置5から伝達される制御信号を受けて接続状態(閉鎖状態)に制御される。一方、制御信号のない状態では切断状態(開放状態)に制御される。メインコンタクタ11,12の配設位置は、バッテリ2の近傍に設定され、例えばバッテリ2のケーシング内に設定される。
正極メインコンタクタ11の上流及び下流を接続する迂回回路上には、常時励磁式のプリチャージコンタクタ13とプリチャージ抵抗器18とが直列に介装される。迂回回路は、メインコンタクタ11,12を接続した直後の突入電流を抑制するための回路である。プリチャージコンタクタ13は、正極メインコンタクタ11が接続状態に制御される際に、正極メインコンタクタ11よりもわずかに先行して接続され、所定時間が経過した後に切断される。
例えば、車両10の主電源スイッチ(パワースイッチやエンジンスイッチ)がオン操作されると、プリチャージコンタクタ13と負極メインコンタクタ12とに制御信号が出力される。これにより、プリチャージ抵抗器18の抵抗値に応じて高圧回路上の電流が小さくなり、突入電流の急上昇が抑制される。その後、所定時間の経過後に正極メインコンタクタ11への制御信号が出力された後に、プリチャージコンタクタ13への制御信号の出力が停止することにより、インバータ3,駆動用モータ4が駆動可能な状態となる。
外部給電口20は、メインコンタクタ11,12とインバータ3とを接続する回路から分岐した外部給電回路上に設けられる。外部給電回路には、家電機器用(例えば交流100[V])の交流電力を生成する家電インバータ19と一対の給電コンタクタ14,15とが介装される。給電コンタクタ14,15は、家電インバータ19を挟んで正極側と負極側との各々に配置される。給電コンタクタ14,15の作動状態は、車載制御装置5から伝達される制御信号を受けて、外部給電の実施中にのみ接続状態とされる。
外部給電口20と同様に、外部充電口21は、メインコンタクタ11,12とインバータ3とを接続する回路から分岐した外部充電回路上に設けられる。この外部充電回路には、一対の充電コンタクタ16,17が介装される。充電コンタクタ16,17は、外部充電口21を挟んで正極側と負極側との各々に配置される。充電コンタクタ16,17の作動状態は、車載制御装置5から伝達される制御信号を受けて、外部充電の実施中にのみ接続状態とされる。
上記のコンタクタ11〜17の劣化状態は、車載制御装置5で診断されて乗員に報知される。車載制御装置5は、車両10に搭載される電子制御装置〔ECU(Electronic Control Unit)〕の一つであり、プロセッサとメモリとを搭載した電子デバイスである。プロセッサとは、例えばCPU(Central Processing Unit),MPU(Micro Processing Unit)などのマイクロプロセッサであり、メモリとは、例えばROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory),不揮発メモリなどである。車載制御装置5で実施される制御の内容は、ファームウェアやアプリケーションプログラムとしてメモリに記録,保存されており、プログラムの実行時にはプログラムの内容がメモリ空間内に展開されて、プロセッサによって実行される。
図2に示すように、車載制御装置5には、電流センサ22,電圧センサ23,温度センサ24,報知装置25が接続される。電流センサ22はバッテリ2の入出力電流を検出するセンサである。一方、電圧センサ23は各コンタクタ11〜17に作用する個々の電圧を検出するセンサである。また、温度センサ24はバッテリ温度(セル温度やケーシング内温度など)を検出する。報知装置25は、コンタクタ11〜17の劣化状態を乗員に報知するための装置であり、例えば警告灯やディスプレイ,スピーカなどがこれに含まれる。車載制御装置5は、各種センサ22〜24で検出された情報に基づいてコンタクタ11〜17の劣化状態を診断し、診断結果を報知装置25に出力する。
車載制御装置5は、車載ネットワークを介して他の電子制御装置と通信可能に設けられる。車載制御装置5は、コンタクタ11〜17の劣化状態に関するデータの保全性を向上させるべく、他の電子制御装置にもデータを分散して記憶させる機能を持つ。他の電子制御装置の具体例としては、モータ制御装置27やバッテリ制御装置28が挙げられるほか、図示しないボディ制御装置,姿勢制御装置,エンジン制御装置(ハイブリッド自動車の場合),エアコン制御装置,メーター制御装置なども挙げられる。モータ制御装置27はインバータ3及び駆動用モータ4の作動状態を専門的に制御する電子制御装置であり、バッテリ制御装置28はバッテリ2の充放電状態や充電率,劣化率などの状態を専門的に計測,制御する電子制御装置である。
[2.制御構成]
車載制御装置5には、測定部6,算出部7,報知部8,通信部9が設けられる。これらは、車載制御装置5の機能を便宜的に分類して示したものであり、個々の要素を独立したプログラムとして記述してもよいし、これらの機能を兼ね備えた複合プログラムとして記述してもよい。これらのプログラムは、メモリや補助記憶装置に記憶され、プロセッサによって実行される。あるいは、これらのプログラムが光ディスクや半導体メモリなどの記録媒体(リムーバブルメディア)に記録され、記録媒体ドライブを介してメモリ上に読み込まれた上で実行される。
測定部6は、各コンタクタ11〜17の劣化状態と相関を持つパラメータを測定するものである。ここでいうパラメータには、各コンタクタ11〜17を流れた電流,各コンタクタ11〜17に作用した電圧,各コンタクタ11〜17の周囲温度,その周囲温度と相関を持つ相関温度(セル温度,ケーシング内温度,室温,外気温)などが含まれる。これらのパラメータは、少なくとも車両10の主電源スイッチがオン操作されている間は、所定の周期で繰り返し検出される。また、車両10の主電源スイッチがオフ操作されたときには、少なくともメインコンタクタ11,12の切断時における電圧変化が把握される程度の期間は、パラメータの検出が継続される。
本実施形態の測定部6は、上記のパラメータとして、電流センサ22で検出された電流(コンタクタ11〜17を流れた電流),電圧センサ23で検出された電圧(コンタクタ11〜17に作用した電圧),温度センサ24で検出されたバッテリ温度(コンタクタ11〜17の周囲温度と相関を持つ相関温度)の三種類を測定する。なお、電流センサ22の代わりに、コンタクタ11〜17を通過した電流を計測するセンサを設け、そのセンサで検出された電流を上記のパラメータとして用いてもよい。また、電圧センサ23で検出された電圧に加えて、バッテリ2の充放電電圧や開放電圧を測定してもよい。
算出部7は、測定部6で測定されたパラメータの値とコンタクタ11〜17の作動状態とに基づき、コンタクタ11〜17のそれぞれについての劣化指標値を算出するものである。劣化指標値とは、コンタクタ11〜17の電気的な劣化状態を判定するための指標となるパラメータである。ここでは、コンタクタ11〜17が作動するたび(断接するたび)に劣化変動値が算出されるとともに、その積算値である劣化指標値が算出される。
劣化変動値は、一回の断接操作が各コンタクタ11〜17の劣化状態に与える影響の大きさを表すパラメータである。すなわち、各コンタクタ11〜17の作動状態がオンからオフへ、あるいはオフからオンへと変化したときに、作動状態が変化したコンタクタ11〜17についての劣化変動値が算出,更新される。劣化変動値は、測定部6で測定されたパラメータの値に応じて設定される複数の係数の積として与えられるものとする。本実施形態では、第一劣化係数K1,第二劣化係数K2,第三劣化係数K3を乗算した値が劣化変動値である。なお、無通電時の機械的な断接操作は、劣化変動値及び劣化指標値に影響を与えないものとする。
第一劣化係数K1は、コンタクタ11〜17の開閉動作時に測定された電流がコンタクタ11〜17の劣化状態に与える影響度に相当する係数である。第一劣化係数K1の値は、少なくとも1以上の範囲で電流が大きいほど大きな値に設定される。例えば、図3(A)に示すように、電流が所定電流A0未満の場合にはK1=1とされ、所定電流A0以上の場合には1よりも大きな固定値とされる。あるいは、図3(B)に示すように、所定電流A1未満の場合にはK1=1とされ、所定電流A1以上の範囲では電流が増大するにつれて第一劣化係数K1も増大するような特性に設定される。これらの設定により、たとえ一回の断接であっても、そのコンタクタ11〜17に過電流が流れた場合には、一回以上の断接に相当する劣化が進行したものと判断される。
第二劣化係数K2は、コンタクタ11〜17の開閉動作時に測定された電圧がコンタクタ11〜17の劣化状態に与える影響度に相当する係数である。第二劣化係数K2の値は、第一劣化係数K1と同様に、少なくとも1以上の範囲で電圧が大きいほど大きな値に設定される。例えば、図3(C)に示すように、電圧が所定電圧B0未満の場合にはK2=1とされ、所定電圧B0以上の場合には1よりも大きな固定値とされる。あるいは、図3(D)に示すように、所定電圧B1未満の場合にはK1=1とされ、所定電圧B1以上の範囲では電圧が増大するにつれて第二劣化係数K2も増大するような特性に設定される。これらの設定により、たとえ一回の断接であっても、そのコンタクタ11〜17に過電圧が作用した場合には、一回以上の断接に相当する劣化が進行したものと判断される。
第三劣化係数K3は、コンタクタ11〜17の開閉動作時に測定されたバッテリ温度(相関温度)がコンタクタ11〜17の劣化状態に与える影響度に相当する係数である。第三劣化係数K3の値は、所定の温度範囲内では1に設定され、その温度範囲外では1以上の値に設定される。例えば、図3(E)に示すように、バッテリ温度が下限温度CD以上かつ上限温度CU未満の範囲ではK3=1とされ、下限温度CD未満の範囲や上限温度CU以上の範囲では1よりも大きな固定値とされる。あるいは、図3(F)に示すように、バッテリ温度が第一温度C1未満の範囲では、バッテリ温度が低温であるほど第三劣化係数K3が増大する特性とする。一方、バッテリ温度が第二温度C2(ただしC1<C2)以上の範囲では、バッテリ温度が高温であるほど第三劣化係数K3が増大する特性とする。
一般に、第一劣化係数K1,第二劣化係数K2,第三劣化係数K3の乗算値は1以上の値となる。したがって、劣化指標値は、コンタクタ11〜17の作動回数と同一値か作動回数以上の値となる。ただしこれは、機械的な作動回数を除いて考慮した場合に限る。また、コンタクタ11〜17の開閉動作時におけるパラメータの値が劣化状態に与える悪影響が大きいほど、劣化指標値は増大する。第一劣化係数K1,第二劣化係数K2,第三劣化係数K3が実数で設定される場合、劣化指標値が取りうる値も実数(例えば小数)となり、必ずしも整数ではない。
報知部8は、劣化指標値に対応するコンタクタ11〜17の劣化状態や点検時期を乗員に報知するものである。ここでは、例えば劣化指標値が所定値以上になったときに、そのコンタクタ11〜17の整備点検や部品交換を促す情報が報知装置25に出力され、乗員に報知される。あるいは、劣化指標値に応じてコンタクタ11〜17の交換時期に関する情報が報知装置25に出力され、乗員に報知される。なお、報知装置25としてディスプレイを用いる場合には、報知対象となるコンタクタ11〜17だけでなく、劣化指標値が所定値に達していないコンタクタ11〜17についても、その劣化状態を報知するような制御構成としてもよい。例えば、所定値を基準とした、現在の劣化指標値の百分率をコンタクタ11〜17ごとに算出し、各コンタクタ11〜17の劣化率として表示してもよい。
通信部9は、車載制御装置5で算出された劣化指標値を他の電子制御装置にバックアップさせるものである。ここでは、少なくとも各コンタクタ11〜17の作動回数に関する情報と劣化指標値に関する情報とがバックアップされる。本実施形態の通信部9は、図4に示すように、コンタクタ11〜17の作動回数と劣化指標値とをコンタクタ11〜17の識別番号に対応させたデータをモータ制御装置27,バッテリ制御装置28に伝達し、記憶させる機能を持つ。通信部9は、算出部7が劣化指標値を更新する際に、車載制御装置5のメモリに記録されている劣化指標値がモータ制御装置27,バッテリ制御装置28に記録されている劣化指標値と同一値であるか否かを確認する。もしも劣化指標値が同一値でない場合には、最も信頼性の高い値で他の値を置換(あるいは上書き保存)させる。
[3.フローチャート]
図5は、上記の制御を実施するためのフローチャート例である。本フローは、車両10の主電源スイッチがオン状態であるときに、所定周期で繰り返し実行される。測定部6では、各コンタクタ11〜17の劣化状態と相関を持つパラメータ(電流,電圧,温度)が測定される(ステップA1)。複数のコンタクタ11〜17のうちのいずれかが作動すると(ステップA2)、車載制御装置5のメモリに記録されている、作動したコンタクタ11〜17についての作動回数,劣化指標値が通信部9で確認され(ステップA3)、作動回数がカウントされる(ステップA4)。ここでは、この時点までの作動回数に1を加算した値が、新たな作動回数として算出される。
算出部7では、測定部6で測定されたパラメータに基づいて第一劣化係数K1,第二劣化係数K2,第三劣化係数K3が算出される(ステップA5)。なお、複数のコンタクタ11〜17が同時に作動したような場合には、それぞれのコンタクタ11〜17について個別の劣化係数を算出することが好ましい。また、第一劣化係数K1,第二劣化係数K2,第三劣化係数K3を乗算した値が劣化変動値として算出されるとともに、その積算値である劣化指標値が算出される(ステップA6)。ここで、劣化指標値が所定値以上であるか否かが判定され(ステップA7)、所定値以上であればそのコンタクタ11〜17の整備点検や部品交換を促す情報,交換時期に関する情報などが報知装置25に出力され、乗員に報知される(ステップA8)。
[4.作用,効果]
(1)上記の車載制御装置5では、単にコンタクタ11〜17の作動回数でコンタクタの劣化状態が診断されるのではなく、コンタクタ作動時点の相関を持つパラメータの値に基づいて加算値が算出され、その加算値が前回の劣化指標値に加算されて新たな劣化指標値が算出され、その劣化指標値に基づいて劣化状態が診断される。このような手法により、コンタクタ11〜17の劣化状態を精度よく診断することができ、乗員に報知される情報の信頼性を向上させることができる。したがって、適切なタイミングでコンタクタ11〜17の整備点検を促すことができ、予防安全性能を高めることができる。
また、劣化変動値の算出に際し、コンタクタ11〜17の開閉動作時に測定されたパラメータの値を用いることで、コンタクタ11〜17の接続直後における電流のオーバーシュートや、回路を開放した直後における電圧のオーバーシュートなどの影響を劣化変動値に効率よく反映させることができる。これにより、劣化指標値の演算精度を向上させることができ、コンタクタ11〜17の劣化状態を精度よく診断することができる。
(2)上記のパラメータとして、コンタクタ11〜17を流れた電流を測定することで、過電流や突入電流がコンタクタ11〜17の劣化状態に与える影響度を考慮して劣化状態を診断することができ、診断精度をより高めることができる。また、図3(A),(B)に示すように、電流が大きいほど劣化指標値を増大方向に補正することで、コンタクタ11〜17の劣化状態を精度よく診断することができる。
(3)上記のパラメータとして、コンタクタ11〜17に作用した電圧を測定することで、過電圧やアーク電圧がコンタクタ11〜17の劣化状態に与える影響度を考慮して劣化状態を診断することができ、診断精度をより高めることができる。また、図3(C),(D)に示すように、電圧が高いほど劣化指標値を増大方向に補正することで、コンタクタ11〜17の劣化状態を精度よく診断することができる。
(4)上記のパラメータとして、コンタクタ11〜17の周囲温度と相関を持つ相関温度を測定することで、極寒環境や高温環境がコンタクタ11〜17の劣化状態に与える影響度を考慮して劣化状態を診断することができ、診断精度をより高めることができる。また、図3(E),(F)に示すように、所定温度域(例えばコンタクタ11〜17の作動温度域)外における劣化指標値を増大方向に補正することで、コンタクタ11〜17の劣化状態を精度よく診断することができる。
(5)上記の車載制御装置5は、図4に示すように、コンタクタ11〜17の各々についての作動回数,劣化指標値のデータをモータ制御装置27,バッテリ制御装置28に伝達し、記憶させている。このような制御構成により、車載制御装置5を交換した場合やメモリ故障が発生した場合であっても、適切な劣化指標値を算出することができ、コンタクタ11〜17の劣化状態を精度よく診断することができる。
[5.変形例]
上述の実施形態では、コンタクタ11〜17の劣化状態を報知装置25に出力するための条件が「劣化指標値が所定値以上であること」とされている。この「所定値」はあらかじめ設定された固定値であってもよいし、車両10の使用条件に応じて変更される可変値であってもよい。例えば、劣化指標値が短期間で急増したような場合には、所定値を引き下げることで早急に報知を実施するような制御としてもよい。少なくとも劣化指標値に対応するコンタクタ11〜17の劣化状態を乗員に報知することで、上述の実施形態と同様の効果を奏するものとなる。
また、上述の実施形態では、コンタクタ11〜17の作動(オンオフ動作)が劣化指標値を算出するためのトリガーとなっているが、少なくともコンタクタ11〜17がオン状態であれば、劣化指標値を算出することが可能である。すなわち、コンタクタ11〜17の開閉動作時だけでなく作動中(通電中)のパラメータを併用して劣化指標値を算出してもよい。これにより、コンタクタ11〜17の劣化状態の診断精度をさらに向上させることができる。
2 バッテリ
3 インバータ
4 駆動用モータ
5 車載制御装置
6 測定部
7 算出部
8 報知部
9 通信部
10 車両
11 正極メインコンタクタ
12 負極メインコンタクタ
13 プリチャージコンタクタ
14 正極給電コンタクタ
15 負極給電コンタクタ
16 正極充電コンタクタ
17 負極充電コンタクタ
18 プリチャージ抵抗器
19 家電インバータ
20 外部給電口
21 外部充電口
22 電流センサ
23 電圧センサ
24 温度センサ
25 報知装置
27 モータ制御装置
28 バッテリ制御装置

Claims (5)

  1. 車両に搭載された二次電池の給電回路を断接するコンタクタの作動回数に応じて前記コンタクタの劣化状態または点検時期を乗員に報知する車載制御装置であって、
    前記コンタクタの劣化状態と相関を持つパラメータを測定する測定部と、
    前記コンタクタの開閉動作時に測定された前記パラメータの値と前記作動回数とに基づき、一回の断接操作が前記コンタクタの劣化状態に与える影響の大きさを表す劣化変動値を算出するとともに、前記劣化変動値の積算値である劣化指標値を算出する算出部と、
    前記劣化指標値に対応する前記コンタクタの劣化状態または点検時期を乗員に報知する報知部と
    を備えたことを特徴とする、車載制御装置。
  2. 前記測定部は、前記パラメータとして前記コンタクタを流れた電流を測定し、
    前記算出部は、前記電流が大きいほど前記劣化変動値を増加させる
    ことを特徴とする、請求項1記載の車載制御装置。
  3. 前記測定部は、前記パラメータとして前記コンタクタに作用した電圧を測定し、
    前記算出部は、前記電圧が大きいほど前記劣化変動値を増加させる
    ことを特徴とする、請求項1または2記載の車載制御装置。
  4. 前記測定部は、前記パラメータとして前記コンタクタの周囲温度と相関を持つ相関温度を測定し、
    前記算出部は、前記相関温度が第一温度未満の場合には、前記相関温度が低いほど前記劣化変動値を増加させ、前記相関温度が前記第一温度よりも高い第二温度以上の場合には、前記相関温度が高いほど前記劣化変動値を増加させる
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の車載制御装置。
  5. 前記車両に搭載された複数の電子制御装置に前記劣化指標値をバックアップする通信部を備える
    ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の車載制御装置。
JP2017174705A 2017-09-12 2017-09-12 車載制御装置 Pending JP2019050697A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017174705A JP2019050697A (ja) 2017-09-12 2017-09-12 車載制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017174705A JP2019050697A (ja) 2017-09-12 2017-09-12 車載制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019050697A true JP2019050697A (ja) 2019-03-28

Family

ID=65905842

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017174705A Pending JP2019050697A (ja) 2017-09-12 2017-09-12 車載制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019050697A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112339683A (zh) * 2020-10-13 2021-02-09 广州汽车集团股份有限公司 整车配电的方法、系统及存储介质
CN112350354A (zh) * 2019-08-06 2021-02-09 丰田自动车株式会社 车辆管理装置、车辆和车辆管理方法
JP2023508179A (ja) * 2020-08-24 2023-03-01 エルジー エナジー ソリューション リミテッド コンタクタの管理方法およびその方法を提供するバッテリシステム

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112350354A (zh) * 2019-08-06 2021-02-09 丰田自动车株式会社 车辆管理装置、车辆和车辆管理方法
JP2021027721A (ja) * 2019-08-06 2021-02-22 トヨタ自動車株式会社 車両管理装置、車両および車両管理方法
JP7136041B2 (ja) 2019-08-06 2022-09-13 トヨタ自動車株式会社 車両管理装置、車両および車両管理方法
JP2023508179A (ja) * 2020-08-24 2023-03-01 エルジー エナジー ソリューション リミテッド コンタクタの管理方法およびその方法を提供するバッテリシステム
JP7327857B2 (ja) 2020-08-24 2023-08-16 エルジー エナジー ソリューション リミテッド コンタクタの管理方法およびその方法を提供するバッテリシステム
CN112339683A (zh) * 2020-10-13 2021-02-09 广州汽车集团股份有限公司 整车配电的方法、系统及存储介质

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10406921B2 (en) Bus leakage resistance estimation for electrical isolation testing and diagnostics
US8655535B2 (en) Electric vehicle and method for controlling same
CN105093099B (zh) 用于检测电池加热系统和继电器的故障的装置和方法
CN106985683B (zh) 用于减轻电气化车辆电池中的锂镀覆的充电策略
US9069044B2 (en) Battery management system and method of controlling the same
JP6379552B2 (ja) 異常検出部を備えた蓄電システム
US9236731B2 (en) Method for limiting a switch-on current in an electrical system
CN104950174B (zh) 接触器电阻故障的诊断方法
US20130278269A1 (en) Method for Predicting the Usability of a Relay or a Contactor
CN105471020B (zh) 用于电池单元漏电检测的电路和方法
US20120105065A1 (en) Diagnosis of hev/ev battery disconnect system
JP4929501B2 (ja) 車載電池放電装置
JPWO2011145250A1 (ja) リチウムイオン二次電池システムおよび電池パック
CN106019130B (zh) 用于检测高压接触器健康状态的系统和方法
JP2019050697A (ja) 車載制御装置
JP6146332B2 (ja) リレーの固着判別システム
US20110258126A1 (en) Systems and methods for determining a warranty obligation of a supplier to an original equipment manufacturer for a vehicle battery pack
JP2013187941A (ja) 車両用電源装置
CN104411534A (zh) 用于电动车辆的驱动器电路和用于确定何时在接触器和电压驱动器之间存在到接地电压的电路短路的诊断方法
US9365129B2 (en) Vehicle having an electric motor and method of controlling a display displaying a cruising distance of the vehicle
KR20160041495A (ko) 모스펫 스위치 구동 장치의 모스펫 진단 장치 및 방법
WO2013150825A1 (ja) 電源装置および電源装置の異常検出方法
CN109964138A (zh) 对电气存储系统中的电压故障状况进行分类的方法及装置
JPWO2016157731A1 (ja) 二次電池の状態推定装置および状態推定方法
CN105489956A (zh) 用于监测机动车辆中电池的状态的方法