JP2021025634A - 転がり軸受、転がり軸受の製造方法、及び軸受構造 - Google Patents

転がり軸受、転がり軸受の製造方法、及び軸受構造 Download PDF

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孝宜 浅井
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Abstract

【課題】予圧を付与するための弾性体の設置スペースを削減することが可能な転がり軸受及びその製造方法ならびに軸受構造を提供する。【解決手段】内輪2及び外輪3と複数の転動体4とを備えた転がり軸受1において、内輪2は、軸方向に並ぶ第1及び第2の軌道部材21,22からなる分割軌道輪であり、第1の軌道部材21と第2の軌道部材22とは、円筒状の本体部60を有する連結部材6によって連結されている。第1の軌道部材21には、角部に形成された第1の凹部210に皿ばね7が収容されている。連結部材6は、本体部60の一方の端部から径方向に延在して皿ばね7に当接する第1の円環部61と、本体部60の他方の端部から径方向に延在して本体部60の第2の軌道部材22に対する軸方向の相対移動を規制する第2の円環部62とを一体に有する。皿ばね7の復元力は、第1の軌道部材21を第2の軌道部材22に向かって押し付け、予圧が付与される。【選択図】図2

Description

本発明は、転がり軸受及びその製造方法、ならびに転がり軸受を用いた軸受構造に関する。
従来、回転体を支持する転がり軸受は、支持剛性の向上や騒音の抑制等のため、予圧を付与して使用されることが多い(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、フレームに圧入固定された軸の外周に一対の玉軸受が並んで配置され、これらの玉軸受に回転子が外嵌された軸受構造が記載されている。一対の玉軸受には、予圧装置によって予圧が付与されている。予圧装置は、一方の玉軸受の内輪の側面に当接する座金と、軸に嵌着されたスナップリングと、スナップリングに当接する押え座金と、座金と押え座金との間に配置されたゴム材からなる弾性リングとを備えて構成されている。弾性リングは、軸方向に圧縮されており、その復元力によって一対の玉軸受に予圧が付与されている。
実開昭61−133120号公報
例えば自動車に搭載されて回転体を支持する転がり軸受では、車両レイアウト上の要請から、予圧を付与するための部材を設置するためのスペースの確保が困難な場合がある。換言すれば、予圧を付与するための部材を設置するためのスペースを削減できれば、車載装置の小型軽量化に寄与し、車両レイアウト上の要請に対応しやすくなる。
そこで、本発明は、予圧を付与するための弾性体の設置スペースを削減することが可能な転がり軸受及びその製造方法ならびに軸受構造を提供することを目的とする。
本発明は、上記の目的を達成するため、内輪及び外輪からなる一対の軌道輪と、前記一対の軌道輪のそれぞれに形成された軌道面を転動する複数の転動体と、を備えた転がり軸受であって、前記外輪及び前記内輪のうち一方の軌道輪は、軸方向に並ぶ第1及び第2の軌道部材からなる分割軌道輪であり、前記第1の軌道部材と前記第2の軌道部材とは、前記一対の軌道輪のうち他方の軌道輪とは反対側の周面に対向する円筒状の本体部を有する連結部材によって連結されており、前記第1の軌道部材には、前記第2の軌道部材とは反対側の側面と前記周面との間の角部に第1の凹部が形成され、当該第1の凹部に弾性体が収容されており、前記連結部材は、前記本体部と、前記本体部の一方の端部から径方向に延在して前記弾性体に当接する第1の円環部と、前記本体部の前記第2の軌道部材に対する軸方向の相対移動を規制する規制部とを一体に有し、前記弾性体の復元力により、前記第1の軌道部材が前記第2の軌道部材に向かって押し付けられている、転がり軸受を提供する。
また、本発明は、上記の目的を達成するため、上記の転がり軸受の製造方法であって、前記第2の軌道部材には、前記第1の軌道部材とは反対側の側面と前記周面との間の角部に第2の凹部が形成されており、前記第2の円環部は、前記第2の軌道部材における前記第1の軌道部材とは反対側の側面よりも軸方向に突出しないように、前記第2の凹部に収容されており、前記本体部から前記第1の円環部とは反対側に延在する円筒状の部分を径方向に湾曲させて前記第2の円環部を形成し、前記連結部材によって前記第1の軌道部材と前記第2の軌道部材とを連結する連結工程を有し、前記連結工程において、前記円筒状の部分を湾曲させることによる前記第2の軌道部材の前記第1の軌道部材に対する変位量を測定し、測定された変位量が所定値となるように前記第2の円環部を形成する、転がり軸受の製造方法を提供する。
また、本発明は、上記の目的を達成するため、上記の転がり軸受によってシャフトを支持する軸受構造であって、前記第2の軌道部材には、前記第1の軌道部材とは反対側の側面と前記周面との間の角部に第2の凹部が形成されており、前記第2の円環部は、前記第2の軌道部材における前記第1の軌道部材とは反対側の側面よりも軸方向に突出しないように、前記第2の凹部に収容されており、前記一方の軌道輪は、前記内輪であり、前記シャフトは、前記連結部材の前記本体部に挿通された小径軸部と、前記小径軸部よりも外径が大きい大径軸部とを有し、前記小径軸部と大径軸部との間の段差面が前記第2の軌道部材の前記側面に対向する、軸受構造を提供する。
本発明に係る転がり軸受及びその製造方法ならびに軸受構造によれば、予圧を付与するための弾性体の設置スペースを削減することが可能となる。
(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る転がり軸受ならびに軸受構造を示す断面図であり、(b)は(a)のA部拡大図である。 (a)は、転がり軸受の断面図であり、(b)は(a)のB部拡大図、(c)は図2(a)のC部拡大図である。 円筒状の本体部及び第1の円環部と、本体部から第1の円環部とは反対側に延在する円筒状の変形部とを一体に有する筒状部材を、第1及び第2の軌道部材の内側に組み付ける組付工程を示す斜視断面図である。 加締め治具を用いて筒状部材の変形部を径方向外方に湾曲するように加締め変形させ、第2の円環部を形成する加締工程を示す説明図である。 (a)は、本発明の第2の実施の形態に係る転がり軸受の断面図であり、(b)は(a)のD部拡大図、(c)は(a)のE部拡大図である。 (a)は、本発明の第3の実施の形態に係る転がり軸受の断面図であり、(b)は(a)のF部拡大図、(c)は(a)のG部拡大図である。 (a)は、本発明の第4の実施の形態に係る転がり軸受の断面図であり、(b)は(a)のH部拡大図、(c)は(a)のI部拡大図である。
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態について、図1乃至図4を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する上での好適な具体例として示すものであり、技術的に好ましい種々の技術的事項を具体的に例示している部分もあるが、本発明の技術的範囲は、この具体的態様に限定されるものではない。
図1(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る転がり軸受及び軸受構造を示す断面図であり、図1(b)は図1(a)のA部拡大図である。図2(a)は、転がり軸受の断面図であり、図2(b)は図2(a)のB部拡大図、図2(c)は図2(a)のC部拡大図である。
図1(a)に示す軸受構造は、シャフト10を転がり軸受1によって装置のハウジング等の固定部材11に対して回転自在に支持する構造である。転がり軸受1、シャフト10、及び固定部材11は、例えば自動車に搭載される車載装置の一部の構成要素である。
転がり軸受1は、一対の軌道輪としての内輪2及び外輪3と、内輪2と外輪3との間に配置された複数の転動体4と、複数の転動体4を保持する保持器5と、連結部材6及び弾性体としての皿ばね7とを備えている。本実施の形態では、球状の転動体4が複列に配置されており、一方列の複数の転動体4ならびに他方列の複数の転動体4が、それぞれ環状の保持器5によって保持されている。すなわち、本実施の形態では、転がり軸受1が複列玉軸受として構成されている。内輪2、外輪3、及び転動体4は例えば軸受鋼からなり、保持器5は例えば樹脂からなる。なお、転動体4としては、球状のものに限らず、例えば円すいころを用いてもよい。この場合、転がり軸受が複列円すいころ軸受として構成される。
外輪3は、外周面30aが固定部材11の内周面11aに対向すると共に、軸方向一側の側面30bが固定部材11に設けられた段差面11bに当接し、かつ軸方向他側の側面30cが固定部材11に例えば圧入によって固定された抜け止め部材12に当接して固定されている。外輪3には、一方列及び他方列の複数の転動体4が転動する一対の軌道面3a,3bが形成されている。また、外輪3には、軸方向の両端部に異物の侵入を抑止するためのシール部材31,32が取り付けられている。これらのシール部材31,32は、外輪3と内輪2との間の軸受空間への異物の侵入を抑止している。
内輪2は、軸方向に並ぶ第1の軌道部材21及び第2の軌道部材22からなる分割軌道輪であり、第1の軌道部材21と第2の軌道部材22とが連結部材6によって連結されている。第1の軌道部材21には、一方列の複数の転動体4が転動する軌道面2aが形成されており、第2の軌道部材22には、他方列の複数の転動体4が転動する軌道面2bが形成されている。
連結部材6は、第1及び第2の軌道部材21,22における外輪3とは反対側の周面である内周面21a,22aに対向する円筒状の本体部60と、本体部60の一方の端部から径方向外方に延在する第1の円環部61と、本体部60の他方の端部から径方向外方に延在する第2の円環部62とを一体に有している。連結部材6は、例えばSPCC(冷間圧延鋼板)等の鋼材からなる。本体部60及び第1の円環部61は、プレス加工によって成形されている。第2の円環部62は、後述する加締め加工によって成形されている。
第1の軌道部材21は、軸方向両側面21b,21cのうち第2の軌道部材22とは反対側の側面21bと内周面21aとの間の角部に、第1の凹部210が形成されている。第1の凹部210は、軸方向の深さが異なる第1の深溝部211と第1の浅溝部212とからなり、第1の深溝部211が第1の浅溝部212よりも内周面21a側に形成されている。第1の深溝部211及び第1の浅溝部212は、第1の軌道部材21の全周にわたって環状に形成されている。
第1の深溝部211には、皿ばね7が収容されている。皿ばね7は、第1の深溝部211の底面211aと連結部材6の第1の円環部61との間で軸方向に圧縮されている。第1の円環部61は、その外径側の先端部が第1の浅溝部212の底面212aに対向し、かつ側面21bから軸方向に突出しないように第1の浅溝部212に収容されている。ここで、底面211a,212aは、回転軸線Oに平行な方向に対して垂直で、第2の軌道部材22とは反対側を指向する平面である。第1の浅溝部212の軸方向の深さは、第1の円環部61の厚みよりも深く、第1の円環部61は、その厚さ方向の全体が第1の凹部210内に収容される。なお、皿ばね7に替えて、例えばウェーブワッシャやコイルバネを弾性体として用いてもよい。
第2の軌道部材22は、軸方向両側面22b,22cのうち第1の軌道部材21とは反対側の側面22bと内周面22aとの間の角部に、第2の凹部220が形成されている。第2の円環部62は、側面22bから軸方向に突出しないように第2の凹部220に収容されている。
第2の円環部62は、第1の円環部61との間に第1の軌道部材21及び第2の軌道部材22を軸方向に挟んでいる。第2の円環部62は、本体部60の第2の軌道部材22に対する軸方向の相対移動を規制する規制部として機能する。換言すれば、本実施の形態では、本体部60の第2の軌道部材22に対する軸方向の相対移動を規制する規制部が、第2の円環部62からなる。第2の円環部62の外径側の先端部は、図1(b)に示すように、第2の凹部220の底面220aに当接している。底面220aは、回転軸線Oに平行な方向に対して垂直で、第1の軌道部材21とは反対側を指向する平面である。
第1の軌道部材21は、皿ばね7の復元力により、第2の軌道部材22に向かって押し付けられている、また、第2の軌道部材22は、皿ばね7の復元力の反力を連結部材6を介して受け、第1の軌道部材21に向かって押し付けられている。これにより、第1の軌道部材21及び第2の軌道部材22に予圧が付与されており、一方列の複数の転動体4が外輪3の軌道面3aと第1の軌道部材21の軌道面2aとの間に弾性的に挟まれている。また、他方列の複数の転動体4は、外輪3の軌道面3bと第2の軌道部材22の軌道面2bとの間に弾性的に挟まれている。
図2(b)に示すように、第1の軌道部材21の側面21cと第2の軌道部材22の側面22cとの間には、微小隙間Sが形成されている。転がり軸受1の軸方向における微小隙間Sの幅寸法Wは、例えば20〜40μmである。ただし、複数の転動体4が外輪3の軌道面3a,3bと第1の軌道部材21の軌道面2a及び第2の軌道部材22の軌道面2bとの間に弾性的に挟まれていれば、第1の軌道部材21の側面21cと第2の軌道部材22の側面22cとが接触していてもよい。
図1(a)及び(b)に示すように、シャフト10は、連結部材6の本体部60に挿通された小径軸部101と、小径軸部101よりも外径が大きい大径軸部102とを有しており、小径軸部101と大径軸部102との間に回転軸線Oに対して垂直な段差面10aが形成されている。段差面10aは、第2の軌道部材22の側面22bに対向している。また、小径軸部101には、外周面101aに環状溝101bが形成されており、この環状溝101bに止め輪100が嵌着されている。
転がり軸受1の大径軸部102側への軸方向移動は、第2の軌道部材22の側面22bが段差面10aに当接することにより規制される。前述のように、第2の円環部62は、側面22bから軸方向に突出しないように第2の凹部220に収容されているので、第2の軌道部材22の側面22bが段差面10aに当接しても、第2の円環部62は段差面10aに当接しない。これにより、第2の軌道部材22の側面22bが段差面10aに当接しても、皿ばね7の変形量が変わることがなく、予圧が一定に保たれる。
(転がり軸受1の製造方法)
次に、図3及び図4を参照して転がり軸受1の製造方法について説明する。図3及び図4では、連結部材6によって第1の軌道部材21と第2の軌道部材22とを連結する連結工程を示している。この連結工程は、後述する組付工程及び加締工程からなる。
図3は、本体部60及び第1の円環部61と、本体部60から第1の円環部61とは反対側に延在する円筒状の変形部620とを一体に有する筒状部材600を、第1及び第2の軌道部材21,22の内側に組み付ける組付工程を示す斜視断面図である。変形部620は、本体部60と同径であり、筒状部材600が第1及び第2の軌道部材21,22に組み付けられた後、後述する加締め治具によって塑性変形して連結部材6の第2の円環部62となる。つまり、筒状部材600は、第2の円環部62が形成されて第1の軌道部材21と第2の軌道部材22とが連結される前の状態における連結部材6である。
この組付工程では、筒状部材600の本体部60及び変形部620を第1及び第2の軌道部材21,22の内側に挿入する。この際、図3に示すように本体部60の外側に皿ばね7を配置し、皿ばね7が第1の深溝部211の底面211aと第1の円環部61との間に挟まれるまで、本体部60及び変形部620を第1の軌道部材21における側面21b側から第1及び第2の軌道部材21,22の内周面21a,22aの内側に挿入する。この際、変形部620は、第2の軌道部材22の内周面22aから第2の軌道部材22の側面22b側に突出する。
図4は、略円柱状の加締め治具91を用いて筒状部材600の変形部620を径方向外方に湾曲するように加締め変形させ、第2の円環部62を形成する加締工程を示す説明図である。この加締工程では、外輪3をベース92の凹部920内に嵌合し、外輪3の中心軸線Cに対して加締め治具91の中心軸線Cを所定角度θを以って傾斜させ、加締め治具91をベース92側に押し付けながら揺動回転させる。
図4では、図面上側が鉛直方向上方にあたり、図面下側が鉛直方向下方にあたる。内輪2は、第1の軌道部材21が第2の軌道部材22よりも下側になるようにベース92の凹部920内に配置され、外輪3の側面30a及び第1の軌道部材21の側面21bが凹部920の底面920aに当接する。なお、図4では、加締め治具91が径方向一方側に傾いたときの断面形状の輪郭を実線で示し、径方向他方側に傾いたときの加締め治具91の断面形状の輪郭を二点鎖線で示している。
加締め治具91の端面には、円弧状に窪んだ湾曲部911が形成されており、筒状部材600の変形部620がこの湾曲部911に沿って押し広げられて加締められ、連結部材6の第2の円環部62が形成される。この加締めの際には、変形部620を湾曲させることによる第2の軌道部材22の第1の軌道部材21に対する変位量を測定し、測定された変位量が所定値となるように第2の円環部62を形成する。
図4に示す例では、第1の軌道部材21の側面21bを凹部920の底面920aに当接させた状態で、第2の軌道部材22の第2の側面22bの鉛直方向の位置をレーザー距離計93によって検出することにより、第2の軌道部材22の変位量を測定する。この変位量が所定値となるように第2の円環部62を形成することにより、皿ばね7の変形量を管理することができ、皿ばね7の復元力によって発生する予圧を所望の値にすることが可能となる。
(第1の実施の形態の作用及び効果)
以上説明した第1の実施の形態によれば、予圧力の発生源となる皿ばね7が第1の軌道部材21の第1の凹部210に収容されるので、内輪2の軸方向側方に予圧を発生させるための弾性体の設置スペースを確保する必要がない。このため、例えば従来の軸受構造のような内輪の軸方向側方に弾性体を配置する構成では配置が難しかった部位にも転がり軸受1を配置することができ、適切な予圧を付与することが可能となる。
また、本実施の形態では、連結部材6の第1の円環部61が第1の凹部210に収容され、第2の円環部62が第2の凹部220に収容されるので、転がり軸受1の軸方向幅が連結部材6によって増大してしまうことを防ぐことができる。
また、本実施の形態では、皿ばね7が第1の凹部210の第1の深溝部211に収容されると共に、第1の円環部61の先端部が凹部210の第1の浅溝部212に収容されるので、例えば転がり軸受1が図1における右方向に移動して第1の円環部61が止め輪100に当接しても、その反力により皿ばね7が第1の深溝部211の底面211aに向かって押し付けられることを抑制することができる。これにより、予圧が適正な値に維持される。
またさらに、本実施の形態では、第2の円環部62が加締めによって本体部60と一体に形成されるので、一体の一部品である連結部材6によって第1の軌道部材21及び第2の軌道部材22を軸方向に挟んで連結することができる。これにより、転がり軸受1の部品点数を増大させることなく、転がり軸受1の小型化にも寄与することができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について、図5を参照して説明する。本実施の形態では、第1の軌道部材21と第2の軌道部材22とを同形状とし、部品の共通化が図られている。
図5(a)は、本発明の第2の実施の形態に係る転がり軸受1Aの断面図であり、図5(b)は図5(a)のD部拡大図、図5(c)は図5(a)のE部拡大図である。図5(a)〜(c)において、第1の実施の形態で説明したものと共通する構成要素については、第1の実施の形態で用いたものと同一の符号を付して重複した説明を省略する。
本実施の形態において、第2の軌道部材22の第2の凹部220は、軸方向の深さが異なる第2の深溝部221と第2の浅溝部222とからなり、第2の深溝部221が第2の浅溝部222よりも内周面22a側に形成されている。第2の円環部62は、第1の実施の形態と同様、加締めによって形成されて第2の深溝部221に収容されており、側面22bから軸方向に突出しないように第2の凹部220に収容されている。
第2の深溝部221の深さや径方向の幅は、第1の軌道部材21の第1の凹部210における第1の深溝部211の深さや径方向の幅と同じである。また、第2の浅溝部222の深さや径方向の幅は、第1の軌道部材21の第1の凹部210における第1の浅溝部212の深さや径方向の幅と同じである。
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の作用及び効果に加え、第1の軌道部材21と第2の軌道部材22とが同形状であり、部品の共通化が可能であるため、低コスト化を図ることができると共に、誤組み付けの発生を確実に防ぐことができる。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について、図6を参照して説明する。本実施の形態では、第2の実施の形態の構成に加え、さらに弾性体としての皿ばねを2つ有する構成が異なっている。
図6(a)は、本発明の第3の実施の形態に係る転がり軸受1Bの断面図であり、図6(b)は図6(a)のF部拡大図、図6(c)は図6(a)のG部拡大図である。図6(a)〜(c)において、第1及び第2の実施の形態で説明したものと共通する構成要素については、第1及び第2の実施の形態で用いたものと同一の符号を付して重複した説明を省略する。
本実施の形態に係る転がり軸受1Bは、予圧を付与するための弾性体として、第1の皿ばね71及び第2の皿ばね72を有している。第1の皿ばね71は、第1及び第2の実施の形態の皿ばね7と同様、第1の凹部210における第1の深溝部211に収容されており、第1の軌道部材21を第2の軌道部材22に向かって押し付けている。
第2の皿ばね72は、第2の凹部220の第2の深溝部221に収容され、第2の軌道部材22を第1の軌道部材21に向かって押し付けている。連結部材6の第2の円環部62は、その先端部が第2の浅溝部222内に配置されて底面222aに当接している。また、第2の円環部62は、第2の軌道部材22の側面22bから軸方向に突出しないように第2の凹部220に収容されている。
本実施の形態によれば、第1及び第2の実施の形態と同様の作用及び効果に加え、第1の皿ばね71及び第2の皿ばね72を有することにより、内輪2の軸方向の幅を増大させることなく、予圧を大きくすることが可能となる。
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態について、図7を参照して説明する。本実施の形態では、第1の軌道部材21と第2の軌道部材22とを連結する連結部材6Aの構成が第1乃至第3の実施の形態に係る連結部材6とは異なっている。
図7(a)は、本発明の第4の実施の形態に係る転がり軸受1Cの断面図であり、図7(b)は図7(a)のH部拡大図、図7(c)は図7(a)のI部拡大図である。図7(a)〜(c)において、第1の実施の形態で説明したものと共通する構成要素については、第1の実施の形態で用いたものと同一の符号を付して重複した説明を省略する。
第1乃至第3の実施の形態では、第2の円環部62が規制部として本体部60の第2の軌道部材22に対する軸方向の相対移動を規制する場合について説明したが、本実施の形態では、後述するねじ部63及びナット部材8が、規制部として連結部材6Aの本体部60の第2の軌道部材22にする軸方向の相対移動を規制する。
本実施の形態では、連結部材6Aが、第1及び第2の軌道部材21,22の内周面21a,22aに対向する円筒状の本体部60と、本体部60の一方の端部から径方向外方に延在する第1の円環部61と、本体部60の他方の端部から軸方向に延在して設けられた円筒状のねじ部63とを一体に有している。ナット部材8は、第2の軌道部材22の側面22bから軸方向に突出しないように第2の凹部220に収容され、第2の凹部220の底面220aに当接している。ねじ部63には、その外周面に雄ねじ631が形成されており、ナット部材8に形成された雌ねじ81がねじ部63の雄ねじ631に螺合する。
ねじ部63の雄ねじ631とナット部材8の雌ねじ81とを螺合させる際には、例えばトルクレンチを用いて、締め付けトルクが所定値となるように連結部材6Aとナット部材8とを相対回転させる。これにより、皿ばね7の圧縮量が所定値に管理され、皿ばね7の復元力によって発生する予圧を所望の値にすることが可能となる。なお、ねじ部63の強度を確保するため、連結部材6Aの各部の肉厚は、第1乃至第3の実施の形態に係る連結部材6の肉厚よりも厚くすることが望ましい。
この第4の実施の形態によっても、予圧を付与するための弾性体である皿ばね7の設置スペースを削減することが可能となると共に、適切な予圧を付与することが可能となる。
(付記)
以上、本発明を第1乃至第4実施の形態に基づいて説明したが、この実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
また、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で、一部の構成を省略し、あるいは構成を追加もしくは置換して、適宜変形して実施することが可能である。また、第1乃至第4の実施の形態を適宜組み合わせて実施してもよい。
また、上記第1乃至第4の実施の形態では、内輪2が分割軌道輪である場合について説明したが、これに限らず、外輪を分割軌道輪としてもよい。この場合、連結部材は、円筒状の本体部が外輪を構成する第1及び第2の軌道部材の外周面に対向し、本体部の軸方向両端部から第1及び第2の円環部が径方向内方に延在するように構成される。また、上記第4の実施の形態のように、ナット部材を用いて本体部の移動規制を行ってもよい。
1…転がり軸受 2…内輪
21…第1の軌道部材 210…第1の凹部
211…第1の深溝部 212…第1の浅溝部
21a…内周面 22…第2の軌道部材
220…第2の凹部 221…第2の深溝部
222…第2の浅溝部 22a…内周面
22b…側面 2a,2b…軌道面
3…外輪 3a,3b…軌道面
4…転動体 6…連結部材
60…本体部 61…第1の円環部
62…第2の円環部(規制部) 63…雄ねじ部(規制部)
7…皿ばね 71…第1の皿ばね
72…第2の皿ばね 8…ナット部材(規制部)

Claims (7)

  1. 内輪及び外輪からなる一対の軌道輪と、前記一対の軌道輪のそれぞれに形成された軌道面を転動する複数の転動体と、を備えた転がり軸受であって、
    前記外輪及び前記内輪のうち一方の軌道輪は、軸方向に並ぶ第1及び第2の軌道部材からなる分割軌道輪であり、
    前記第1の軌道部材と前記第2の軌道部材とは、前記一対の軌道輪のうち他方の軌道輪とは反対側の周面に対向する円筒状の本体部を有する連結部材によって連結されており、
    前記第1の軌道部材には、前記第2の軌道部材とは反対側の側面と前記周面との間の角部に第1の凹部が形成され、当該第1の凹部に弾性体が収容されており、
    前記連結部材は、前記本体部と、前記本体部の一方の端部から径方向に延在して前記弾性体に当接する第1の円環部と、前記本体部の前記第2の軌道部材に対する軸方向の相対移動を規制する規制部とを一体に有し、
    前記弾性体の復元力により、前記第1の軌道部材が前記第2の軌道部材に向かって押し付けられている、
    転がり軸受。
  2. 前記第1の凹部は、軸方向の深さが異なる第1の深溝部と第1の浅溝部とを有し、前記第1の深溝部が前記第1の浅溝部よりも前記周面側に形成されており、
    前記第1の深溝部に前記弾性体が収容され、前記第1の浅溝部に前記第1の円環部の先端部が収容されている、
    請求項1に記載の転がり軸受。
  3. 前記規制部は、前記本体部の他方の端部から径方向に延在して前記第1の円環部との間に前記第1及び第2の軌道部材を挟む第2の円環部からなる、
    請求項1又は2に記載の転がり軸受。
  4. 前記第2の軌道部材には、前記第1の軌道部材とは反対側の側面と前記周面との間の角部に第2の凹部が形成されており、
    前記第2の円環部は、前記第2の軌道部材における前記第1の軌道部材とは反対側の側面よりも軸方向に突出しないように、前記第2の凹部に収容されている、
    請求項3に記載の転がり軸受。
  5. 前記第2の凹部は、軸方向の深さが異なる第2の深溝部と第2の浅溝部とを有し、前記第2の深溝部が前記第2の浅溝部よりも前記周面側に形成されており、
    前記第2の深溝部に弾性体が収容され、前記第2の浅溝部に前記第2の円環部の先端部が収容されている、
    請求項3又は4に記載の転がり軸受。
  6. 請求項4又は5に記載の転がり軸受の製造方法であって、
    前記本体部から前記第1の円環部とは反対側に延在する円筒状の部分を径方向に湾曲させて前記第2の円環部を形成し、前記連結部材によって前記第1の軌道部材と前記第2の軌道部材とを連結する連結工程を有し、
    前記連結工程において、前記円筒状の部分を湾曲させることによる前記第2の軌道部材の前記第1の軌道部材に対する変位量を測定し、測定された変位量が所定値となるように前記第2の円環部を形成する、
    転がり軸受の製造方法。
  7. 請求項4又は5に記載の転がり軸受によってシャフトを支持する軸受構造であって、
    前記一方の軌道輪は、前記内輪であり、
    前記シャフトは、前記連結部材の前記本体部に挿通された小径軸部と、前記小径軸部よりも外径が大きい大径軸部とを有し、前記小径軸部と大径軸部との間の段差面が前記第2の軌道部材の前記側面に対向する、
    軸受構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114704544A (zh) * 2022-03-28 2022-07-05 安徽孺子牛轴承有限公司 一种耐轴向冲击的深沟球轴承及其工作方法

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