JP2019206978A - ハブユニット軸受及びその組立方法 - Google Patents

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Harumi Takanashi
晴美 高梨
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Abstract

【課題】ハブユニット軸受の組み立てが完了した段階で取付面の軸方向振れを抑えることができる構造を実現する。【解決手段】ハブ3は、互いに組み合わされた外側ハブ要素11と内側ハブ要素12とを備える。外側ハブ要素11は、環状に構成され、かつ、軸方向外側列の内輪軌道7a及び回転フランジ8を有する。内側ハブ要素12は、軸方向内側列の内輪軌道7bと、外側ハブ要素11に隙間嵌めで内嵌された嵌合軸部24と、外側ハブ要素11の径方向内側部の軸方向外側面を押さえつけているかしめ部25とを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、自動車の車輪を懸架装置に対して回転可能に支持するためのハブユニット軸受、及び、その組立方法に関する。
ハブユニット軸受の回転輪であるハブは、回転フランジを有し、かつ、回転フランジは、軸方向外側面に車輪を構成するホイール及び制動用回転部材の取付面を有する。このため、静止輪である外輪に対してハブを回転させた場合に、該回転に伴って生じる取付面の軸方向振れ、すなわち軸方向の振動が大きいと、自動車の操縦安定性や乗り心地に悪影響が出るほか、制動時にブレーキジャダーと呼ばれる異音を伴った振動が発生しやすくなるなどの不都合が生じる。
特に、転動体として円すいころを用いたハブユニット軸受では、転動体として玉を用いたハブユニット軸受に比べて、たとえば、円すいころの転動面の頂角や軸方向長さのばらつき、円すいころの大径側端面と摺接する大鍔部の側面の傾斜角度のばらつきや周方向の反り(表面位置の軸方向変動)など、部品同士を組み立てたときに取付面の軸方向振れにつながる加工上不可避なばらつき要素が多い。このため、転動体として円すいころを用いたハブユニット軸受では、部品精度の管理のみによって取付面の軸方向振れを十分に抑えることは難しい。
これに対して、特表2003−528757号公報には、転動体として円すいころを用いたハブユニット軸受を対象として、ハブユニット軸受を組み立てた後、外輪に対してハブを回転させながら取付面に切削加工を施すことによって、取付面の軸方向振れを改善する方法が記載されている。
特表2003−528757号公報
特表2003−528757号公報に記載された方法では、ハブユニット軸受を組み立てた後に取付面に切削加工を施すため、切削加工で生じた切粉の処理が面倒になるなどの問題がある。
一方、ハブユニット軸受の組み立てが完了した段階で、取付面の軸方向振れが十分に抑えられていれば、その後の取付面の切削加工を省略して、切粉を発生させずに済むか、又は、該切削加工を行うとしても、切粉の発生量を少なくして、切粉の処理の面倒を軽減することができる。
本発明の目的は、組み立てが完了した段階で取付面の軸方向振れを抑えることができるハブユニット軸受の構造を実現することにある。
本発明のハブユニット軸受は、外輪と、ハブと、複数個の円すいころとを備える。
前記外輪は、内周面に複列の外輪軌道を有する。
前記ハブは、外周面に複列の内輪軌道を有し、前記外輪よりも軸方向外側に位置する軸方向外側部に径方向外側に突出した回転フランジを有し、前記回転フランジの軸方向外側面に、車輪を構成するホイール及び制動用回転部材の取付面を有する。
前記円すいころは、前記複列の外輪軌道と前記複列の内輪軌道との間に、それぞれの列ごとに複数個ずつ配置されている。
前記ハブは、外側ハブ要素と、内側ハブ要素とを含む。
前記外側ハブ要素は、環状に構成され、かつ、前記複列の内輪軌道のうちの軸方向外側列の内輪軌道と、前記回転フランジとを有する。
前記内側ハブ要素は、前記複列の内輪軌道のうちの軸方向内側列の内輪軌道と、前記外側ハブ要素に対して締め代を持たずに内嵌された嵌合軸部と、前記外側ハブ要素の径方向内側部の軸方向外側面を押さえつけたかしめ部とを有する。
前記外側ハブ要素を、外側ハブ輪と、外側内輪とを含むものとすることができる。
前記外側ハブ輪は、中心筒部と、前記中心筒部の軸方向外側部から径方向外側に突出し、かつ、径方向外側部を前記回転フランジとした側板部とを有する。
前記外側内輪は、外周面に前記軸方向外側列の内輪軌道を有し、かつ、前記中心筒部に外嵌されると共に、軸方向外側面が前記側板部の径方向内側部の軸方向内側面に当接している。
前記嵌合軸部は、前記中心筒部に対して締め代を持たずに内嵌されている。
前記かしめ部は、前記中心筒部の軸方向外側面と前記側板部の軸方向外側面とのうちの、前記中心筒部の軸方向外側面のみを押さえつけたものとすることができる。
本発明のハブユニット軸受の組立方法は、
前記複列の外輪軌道と前記複列の内輪軌道との間に、それぞれの列ごとに複数個ずつの前記円すいころを配置すると共に、前記外側ハブ要素に対して前記嵌合軸部を締め代を持たせずに内嵌し、かつ、前記かしめ部が前記外側ハブ要素の径方向内側部の軸方向外側面を押さえつける軸力に相当する大きさの、前記外側ハブ要素と前記内側ハブ要素とを軸方向に近接させる方向の軸方向荷重を、前記外側ハブ要素と前記内側ハブ要素とに加えた状態で、前記外輪に対して前記外側ハブ要素と前記内側ハブ要素とを互いに同期して回転させることにより、該回転に伴って生じる前記取付面の軸方向振れ量を測定する工程と、
前記外側ハブ要素と前記内側ハブ要素とに前記軸方向荷重を加えていない状態で、前記外側ハブ要素と前記内側ハブ要素との周方向の相対位置を変える工程と、
前記軸方向振れ量を測定する工程と前記相対位置を変える工程とを交互に繰り返すことにより、前記軸方向振れ量と前記相対位置との関係を求め、該関係から前記軸方向振れ量が最小になる前記相対位置を確認する工程と、
前記相対位置を、前記軸方向振れ量が最小になる前記相対位置に合わせた状態で、前記かしめ部を形成する工程と、を備える。
本発明によれば、ハブユニット軸受の組み立てが完了した段階で取付面の軸方向振れを抑えることができる。
図1は、実施の形態の第1例のハブユニット軸受を示す半部断面図である。 図2は、実施の形態の第2例のハブユニット軸受を示す半部断面図である。 図3は、実施の形態の第3例のハブユニット軸受を示す半部断面図である。
[実施の形態の第1例]
実施の形態の第1例について、図1を用いて説明する。
本例のハブユニット軸受1は、駆動輪用のものであり、使用状態で回転しない外輪2と、使用状態で車輪及びディスクやドラムなどの制動用回転部材と共に回転するハブ3と、複数個の円すいころ4とを備える。
なお、ハブユニット軸受1に関して、軸方向外側は、車両に組み付けた状態で車両の幅方向外側となる図1の左側であり、軸方向内側は、車両に組み付けた状態で車両の幅方向中央側となる図1の右側である。
外輪2は、複列の外輪軌道5a、5bと、静止フランジ6とを備える。複列の外輪軌道5a、5bは、外輪2の内周面に形成されており、軸方向に関して互いに近づくほど内径が小さくなった部分円すい面である。静止フランジ6は、図示しないボルトで外輪2を懸架装置のナックルに結合するためのもので、前記ボルトを挿通あるいは螺合させるための図示しない貫通孔あるいは雌ねじ孔が設けられ、外輪2の軸方向中間部から径方向外側に突出している。
ハブ3は、外輪2の内径側に外輪2と同軸に配置されており、複列の内輪軌道7a、7bと、回転フランジ8と、パイロット部9とを備える。複列の内輪軌道7a、7bは、ハブ3の軸方向中間部外周面に形成されており、軸方向に関して互いに近づくほど外径が小さくなった部分円すい面である。回転フランジ8は、車輪を構成するホイール及び制動用回転部材を取り付けるためのもので、外輪2よりも軸方向外側に位置するハブ3の軸方向外側部から径方向外側に突出しており、略円輪形状を有する。パイロット部9は、車輪を構成するホイール及び制動用回転部材をがたつきのない隙間嵌めで外嵌するためのもので、ハブ3の軸方向外側部の径方向中間部から軸方向外側に突出しており、略円筒形状を有する。ハブ3は、図示しない駆動軸をスプライン係合させるためのスプライン孔10を備える。スプライン孔10は、ハブ3の径方向中心部を軸方向に貫通するように存在している。
円すいころ4は、複列の外輪軌道5a、5bと複列の内輪軌道7a、7bとの間に、それぞれの列ごとに複数個ずつ、保持器29a、29bにより保持された状態で配置されている。このような構成により、ハブ3は、外輪2の内径側に回転自在に支持されている。
本例では、ハブ3は、外側ハブ要素11と、内側ハブ要素12とを組み合わせることにより構成されている。
外側ハブ要素11は、外側内輪13と外側ハブ輪14とを組み合わせることにより環状に構成されている。
外側内輪13は、略円筒形状を有しており、かつ、軸方向中間部外周面に軸方向外側列の内輪軌道7aを有する。外側内輪13は、内輪軌道7aの軸方向内側に隣接する軸方向内側部から径方向外側に突出する小鍔部15aを有し、かつ、内輪軌道7aの軸方向外側に隣接する軸方向外側部から径方向外側に突出する大鍔部16aを有する。
外側ハブ輪14は、円筒形状を有する中心筒部17と、中心筒部17の軸方向外側部から径方向外側に突出した、略円輪形状を有する側板部28と、側板部28の径方向中間部から軸方向外側に突出した、略円筒形状を有するパイロット部9とを備える。側板部28は、外側内輪13よりも径方向外側に位置する径方向外側部を、回転フランジ8としている。回転フランジ8は、パイロット部9よりも径方向外側に位置する径方向外側部の軸方向外側面を、車輪を構成するホイール及び制動用回転部材の取付面18としている。回転フランジ8は、径方向外側部の周方向等間隔となる複数箇所(たとえば4〜6箇所)のそれぞれを軸方向に貫通した取付孔19を有する。取付孔19のそれぞれには、ハブボルト20の基端部である軸方向内側の端部(セレーション部)が、圧入により内嵌されている。
外側内輪13は、中心筒部17の軸方向内側部に締り嵌めで外嵌され、かつ、軸方向外側面が側板部28の径方向内側部の軸方向内側面に当接することで、外側ハブ輪14に対する軸方向の位置決めが図られている。なお、本例では、外側内輪13の内周面と中心筒部17の外周面との嵌合は、円筒面同士の嵌合である円筒面嵌合であるが、円筒面嵌合に代えて、雌スプライン部と雄スプライン部との嵌合(凹凸嵌合)であるスプライン嵌合とすることもできる。
内側ハブ要素12は、内側内輪21と内側ハブ輪22とを組み合わせることにより環状に構成されている。
内側内輪21は、略円筒形状を有しており、かつ、軸方向中間部外周面に軸方向内側列の内輪軌道7bを有する。内側内輪21は、内輪軌道7bの軸方向外側に隣接する軸方向外側部から径方向外側に突出する小鍔部15bを有し、かつ、内輪軌道7bの軸方向内側に隣接する軸方向内側部から径方向外側に突出する大鍔部16bを有する。
内側ハブ輪22は、径方向中心部を軸方向に貫通するスプライン孔10を有する中空の軸部材であり、軸方向内側部を構成する大径軸部23と、軸方向外側部を構成する嵌合軸部24及びかしめ部25とを備える。大径軸部23は、軸方向内側部から径方向外側に突出した、円輪状の抑え部26を備える。嵌合軸部24は、大径軸部23の軸方向外側の端部の径方向内側部から軸方向外側に向けて伸長している。大径軸部23の外周面と嵌合軸部24の外周面との間には、軸方向外側を向いた段差面27が存在している。かしめ部25は、嵌合軸部24の軸方向外側に隣接する内側ハブ輪22の軸方向外側の端部から径方向外側に折れ曲がるように形成されている。
内側内輪21は、大径軸部23の軸方向外側部及び中間部に締り嵌めで外嵌され、かつ、軸方向内側面が抑え部26の軸方向外側面に当接することで、内側ハブ輪22に対する軸方向の位置決めが図られている。なお、本例では、内側内輪21と大径軸部23との嵌合は、円筒面嵌合であるが、円筒面嵌合に代えて、スプライン嵌合とすることもできる。
外側ハブ要素11と内側ハブ要素12とが組み合わされてハブ3が構成された状態では、内側内輪21の軸方向外側面は、外側内輪13の軸方向内側面に当接し、段差面27は、中心筒部17の軸方向内側面に当接している。また、嵌合軸部24は、中心筒部17に対して、実質的にがたつきのない隙間嵌めで内嵌されている。すなわち、嵌合軸部24の外周面と中心筒部17の内周面との嵌合部には、締め代が設けられていない。また、該嵌合部は、外側ハブ要素11と内側ハブ要素12との相対的な径方向変位に結び付く径方向隙間を有していないか、又は、該径方向隙間の大きさが十分に小さく(たとえば10μm以下に、好ましくは5μm以下に)抑えられている。また、かしめ部25は、外側ハブ要素11の径方向内側部の軸方向外側面を押さえつけている。より具体的には、かしめ部25は、中心筒部17の軸方向外側面と側板部28の軸方向外側面とのうち、中心筒部17の軸方向外側面のみを押さえつけている。換言すれば、かしめ部25は、段差面27との間で、中心筒部17を軸方向両側から挟持している。これにより、外側ハブ要素11と内側ハブ要素12との相対回転を防止している。かしめ部25は、嵌合軸部24を中心筒部17に内嵌した後、内側ハブ要素12の軸方向外側の端部を径方向外側に向け塑性変形させることにより形成される。特に、本例では、嵌合軸部24は、中心筒部17に対してがたつきのない隙間嵌めで内嵌されているため、嵌合軸部24を中心筒部17に内嵌した後でも、かしめ部25を形成する前であれば、外側ハブ要素11と内側ハブ要素12との周方向の相対位置を容易に変えることができる。なお、かしめ部25が形成される前の状態では、内側内輪21の軸方向外側面と外側内輪13の軸方向内側面とが当接する一方で、段差面27と中心筒部17の軸方向内側面との間には、わずかな隙間が残されている。該隙間は、かしめ部25が外側ハブ要素11の径方向内側部の軸方向外側面を押さえつける軸力(外側ハブ要素11と内側ハブ要素12とを軸方向に近接させる方向の軸方向荷重)によって消滅し、その結果、段差面27と中心筒部17の軸方向内側面とが当接した状態となる。
回転フランジ8に車輪を構成するホイール及び制動用回転部材を取り付ける際には、パイロット部9の軸方向内側部の外径面にがたつきのない隙間嵌めで外嵌した制動用回転部材の径方向内側部の軸方向内側面を、取付面18に当接させる。また、パイロット部9の軸方向外側部の外径面にがたつきのない隙間嵌めで外嵌した車輪を構成するホイールの径方向内側部の軸方向内側面を、制動用回転部材の径方向内側部の軸方向外側面に当接させる。そして、車輪を構成するホイール及び制動用回転部材の径方向内側部に対して軸方向内側から挿通したハブボルト20の先端部である軸方向外側の端部に、ハブナットを螺合する。これにより、回転フランジ8に車輪を構成するホイール及び制動用回転部材を結合固定する。ただし、回転フランジの取付孔のそれぞれをねじ孔とし、かつ、車輪を構成するホイール及び制動用回転部材の径方向内側部に対して軸方向外側から挿通したハブボルトを取付孔(ねじ孔)に螺合することによって、車輪を構成するホイール及び制動用回転部材を回転フランジに結合固定する構成を採用することもできる。
上述のような構成を有する本例のハブユニット軸受1は、たとえば、次のような複数の工程を経て組み立てることができる。
(円すいころ4及び保持器29aが組み付けられた外側ハブ要素11である、外側ユニットの組立工程)
外側内輪13と軸方向外側列の円すいころ4と保持器29aとを組み立てることで、外側コーンを作成する。外側コーンと外側ハブ輪14とを用いて、外側ユニットを組み立てる。具体的には、外側コーンの外側内輪13を中心筒部17に締り嵌めで外嵌し、かつ、外側内輪13の軸方向外側面を側板部28の径方向内側部の軸方向内側面に当接させる。なお、外側内輪13と外側ハブ輪14とを先に組み立て、後から外側内輪13に円すいころ4と保持器29aとを組み付けることで、外側ユニットを作成することもできる。
(円すいころ4及び保持器29bが組み付けられた、かしめ部25を形成する前の内側ハブ要素12である、内側ユニットの組立工程)
内側内輪21と軸方向内側列の円すいころ4と保持器29bとを組み立てることで、内側コーンを作成する。内側コーンとかしめ部25を形成する前の内側ハブ輪22とを用いて、内側ユニットを組み立てる。具体的には、内側コーンの内側内輪21を大径軸部23に締り嵌めで外嵌し、かつ、内側内輪21の軸方向内側面を抑え部26の軸方向外側面に当接させる。なお、内側内輪21と内側ハブ輪22とを先に組み立て、後から内側内輪21に円すいころ4と保持器29bとを組み付けることで、内側ユニットを作成することもできる。
(仮組立工程)
外輪2と、外側ユニットと、内側ユニットとを組み立てる。具体的には、外側ユニットの軸方向内側部を、外輪2の軸方向外側部の径方向内側に、軸方向外側から挿入する。その後、内側ユニットを、外輪2及び外側ハブ要素11の径方向内側に、軸方向内側から挿入する。具体的には、中心筒部17に対して嵌合軸部24をがたつきのない隙間嵌めで内嵌する。また、外側内輪13の軸方向内側面に内側内輪21の軸方向外側面を当接させる。
(測定工程)
上述した仮組立工程の終了後、かしめ部25を形成する前の状態で、かしめ部25が外側ハブ要素11の径方向内側部の軸方向外側面を押さえつける軸力に相当する大きさの、外側ハブ要素11と内側ハブ要素12とを軸方向に近接させる方向の軸方向荷重を、外側ハブ要素11と内側ハブ要素12とに加える。これにより、かしめ部25を形成する前の状態のハブユニット軸受1を構成する円すいころ4に予圧を付与する。そして、この状態で、外輪2に対して外側ハブ要素11と内側ハブ要素12とを互いに同期して回転させることにより、該回転に伴って生じる取付面18の軸方向振れ量、すなわち軸方向の振れ幅を測定する。取付面18の軸方向振れ量は、たとえば、ダイヤルゲージなどの接触式の測定器や、レーザ変位計などの非接触式の測定器によって測定することができる。なお、取付面18の軸方向振れ量の測定時は、外側内輪13の軸方向内側面と内側内輪21の軸方向外側面とが押し合いながら当接しているため、外側ハブ要素11と内側ハブ要素12とが相対的に回転や軸方向移動することはない。また、測定時に取付面18の軸方向振れ量が変動する場合には、該軸方向振れ量の最大値や二乗平均値などを、該軸方向振れ量の測定値とすることができる。
(確認工程)
上述した取付面18の軸方向振れ量を測定する工程と、外側ハブ要素11と内側ハブ要素12とに前記軸方向荷重を加えていな状態、すなわち、前記予圧の付与を解除した状態で、外側ハブ要素11と内側ハブ要素12との周方向の相対位置を一方向に所定量(たとえば中心角で10゜〜60゜の範囲の予め決められた角度)変える工程とを、交互に繰り返す。これにより、前記相対位置と取付面18の軸方向振れ量との関係を求める。なお、該関係は、前記相対位置の変化に対して、取付面18の軸方向振れ量がsin波のように変化する関係となる。そして、該関係から取付面18の軸方向振れ量が最小値になる前記相対位置を確認する。
(かしめ工程)
上述した確認工程の終了後、外側ハブ要素11と内側ハブ要素12との周方向の相対位置を、取付面18の軸方向振れ量が最小値になる前記相対位置に合わせる。そして、この状態で、かしめ部25を形成し、かしめ部25により中心筒部17の軸方向外側面を押さえつける。
(ハブボルト20の圧入工程)
上述したそれぞれの工程の前後を問わず、適宜のタイミングで、取付孔19にハブボルト20の基端部を圧入する。
以上に説明したように、本例のハブユニット軸受1及びその組立方法によれば、組み立てが完了した段階で取付面18の軸方向振れ量を小さく抑えることができる。
本例のハブユニット軸受1では、かしめ部25は、中心筒部17の軸方向外側面と側板部28の軸方向外側面とのうちの、中心筒部17の軸方向外側面のみを押さえつけている。このため、かしめ部25の形成に伴って側板部28が軸方向内側に向けて倒され、取付面18の平面度が悪化すること防止できる。
なお、本例では、中心筒部17の内周面と嵌合軸部24の外周面との嵌合は、円筒面嵌合であるが、円筒面嵌合に代えて、スプライン嵌合とすることもできる。このような構成を採用する場合には、ハブユニット軸受の組立時に、外側ハブ要素と内側ハブ要素との周方向の相対位置を変える作業は、中心筒部に対して嵌合軸部を軸方向に抜き差ししながら行う。また、このような構成を採用すれば、取付面18の軸方向振れ量の測定時、及び、かしめ部25を形成した後に、外側ハブ要素11と内側ハブ要素12との周方向の相対位置がずれることを防止できる。
[実施の形態の第2例]
実施の形態の第2例について、図2を用いて説明する。
本例のハブユニット軸受1aでは、ハブ3aを構成する外側ハブ要素11aは、実施の形態の第1例において外側内輪13が外側ハブ輪14(図1参照)に一体化された如き構成を有する。すなわち、外側ハブ要素11aは、別体の外側内輪を有しておらず、外側ハブ輪14aのみによって構成されている。このため、外側ハブ輪14aの中心筒部17aは、径方向の肉厚が実施の形態の第1例の場合よりも大きくなっており、かつ、軸方向外側列の内輪軌道7aは、中心筒部17aの軸方向内側部の外周面に直接形成されている。また、外側ハブ輪14aの側板部28aは、全体が回転フランジ8になっている。また、本例では、中心筒部17aの径方向の肉厚が大きくなった分、中心筒部17aの軸方向外側面を押さえつけるかしめ部25aの外径寸法を、実施の形態の第1例の場合よりも大きくしている。
本例のハブユニット軸受1aでは、別体の外側内輪を省略した分、部品点数を少なくすることができる。また、かしめ部25aの外径寸法が大きくなった分、ハブユニット軸受1aのモーメント剛性を向上させることができる。
その他の構成及び作用は、実施の形態の第1例と同様である。
[実施の形態の第3例]
実施の形態の第3例について、図3を用いて説明する。
本例のハブユニット軸受1bでは、実施の形態の第2例の場合と同様、ハブ3bを構成する外側ハブ要素11bは、外側ハブ輪14bのみによって構成されている。また、内側ハブ要素12aは、実施の形態の第2例において内側内輪21が内側ハブ輪22(図2参照)に一体化された如き構成を有する。すなわち、内側ハブ要素12aは、別体の内側内輪を有しておらず、内側ハブ輪22aのみによって構成されている。このため、内側ハブ輪22aの大径軸部23aは、径方向の肉厚が実施の形態の第2例の場合よりも大きくなっており、かつ、軸方向内側列の内輪軌道7bは、大径軸部23aの外周面に直接形成されている。また、抑え部26(図2参照)が不要になった分、大径軸部23aの軸方向寸法を短くして、内側ハブ要素12aの小型化を図っている。一方、段差面27aの径方向の幅寸法は、実施の形態の第2例の場合と同程度の大きさになっており、その分、嵌合軸部24aの外径寸法及び中心筒部17bの内径寸法が、実施の形態の第2例の場合よりも大きくなっている。
本例のハブユニット軸受1bでは、別体の内側内輪を省略した分、部品点数を少なくすることができる。また、嵌合軸部24aの外径寸法が大きくなった分、外径寸法が大きいかしめ部25bを形成しやすくなっており、ハブユニット軸受1bのモーメント剛性の向上を図りやすくなっている。
その他の構成及び作用は、実施の形態の第1例及び第2例と同様である。
本発明は、矛盾が生じない範囲で、実施の形態の各例の構造を適宜組み合わせて実施することができる。
たとえば、外側ハブ要素を、実施の形態の第1例のように外側内輪と外側ハブ輪とを組み合わせて構成されたものとし、かつ、内側ハブ要素を、実施の形態の第3例のように内側ハブ輪のみによって構成されたものとすることもできる。
また、実施の形態の第2例及び第3例の構造に関しても、中心筒部の内周面と嵌合軸部の外周面との嵌合を、スプライン嵌合とすることができる。
また、本発明は、駆動輪用のハブユニット軸受に限らず、従動輪用のハブユニット軸受にも適用可能である。
1、1a、1b ハブユニット軸受
2 外輪
3、3a、3b ハブ
4 円すいころ
5a、5b 外輪軌道
6 静止フランジ
7a、7b 内輪軌道
8 回転フランジ
9 パイロット部
10 スプライン孔
11、11a、11b 外側ハブ要素
12、12a 内側ハブ要素
13 外側内輪
14、14a、14b 外側ハブ輪
15a、15b 小鍔部
16a、16b 大鍔部
17、17a、17b 中心筒部
18 取付面
19 取付孔
20 ハブボルト
21 内側内輪
22、22a 内側ハブ輪
23、23a 大径軸部
24、24a 嵌合軸部
25、25a、25b かしめ部
26 抑え部
27、27a 段差面
28、28a 側板部
29a、29b 保持器

Claims (3)

  1. 内周面に複列の外輪軌道を有する外輪と、
    外周面に複列の内輪軌道を有し、前記外輪よりも軸方向外側に位置する軸方向外側部に径方向外側に突出した回転フランジを有し、前記回転フランジの軸方向外側面に、車輪を構成するホイール及び制動用回転部材の取付面を有するハブと、
    前記複列の外輪軌道と前記複列の内輪軌道との間に、それぞれの列ごとに複数個ずつ配置された円すいころと、を備え、
    前記ハブは、外側ハブ要素と、内側ハブ要素とを含み、
    前記外側ハブ要素は、環状に構成され、かつ、前記複列の内輪軌道のうちの軸方向外側列の内輪軌道と、前記回転フランジとを有しており、
    前記内側ハブ要素は、前記複列の内輪軌道のうちの軸方向内側列の内輪軌道と、前記外側ハブ要素に対して締め代を持たずに内嵌された嵌合軸部と、前記外側ハブ要素の径方向内側部の軸方向外側面を押さえつけたかしめ部とを有する、
    ハブユニット軸受。
  2. 前記外側ハブ要素は、外側ハブ輪と、外側内輪とを含み、
    前記外側ハブ輪は、中心筒部と、前記中心筒部の軸方向外側部から径方向外側に突出し、かつ、径方向外側部を前記回転フランジとした側板部とを有しており、
    前記外側内輪は、外周面に前記軸方向外側列の内輪軌道を有し、かつ、前記中心筒部に外嵌されると共に、軸方向外側面が前記側板部の径方向内側部の軸方向内側面に当接しており、
    前記嵌合軸部は、前記中心筒部に対して締め代を持たずに内嵌されており、
    前記かしめ部は、前記中心筒部の軸方向外側面と前記側板部の軸方向外側面とのうちの、前記中心筒部の軸方向外側面のみを押さえつけている、
    請求項1に記載のハブユニット軸受。
  3. 請求項1又は2に記載のハブユニット軸受の組立方法であって、
    前記複列の外輪軌道と前記複列の内輪軌道との間に、それぞれの列ごとに複数個ずつの前記円すいころを配置すると共に、前記外側ハブ要素に対して前記嵌合軸部を締め代を持たせずに内嵌し、かつ、前記かしめ部が前記外側ハブ要素の径方向内側部の軸方向外側面を押さえつける軸力に相当する大きさの、前記外側ハブ要素と前記内側ハブ要素とを軸方向に近接させる方向の軸方向荷重を、前記外側ハブ要素と前記内側ハブ要素とに加えた状態で、前記外輪に対して前記外側ハブ要素と前記内側ハブ要素とを互いに同期して回転させることにより、該回転に伴って生じる前記取付面の軸方向振れ量を測定する工程と、
    前記外側ハブ要素と前記内側ハブ要素とに前記軸方向荷重を加えていない状態で、前記外側ハブ要素と前記内側ハブ要素との周方向の相対位置を変える工程と、
    前記軸方向振れ量を測定する工程と前記相対位置を変える工程とを交互に繰り返すことにより、前記軸方向振れ量と前記相対位置との関係を求め、該関係から前記軸方向振れ量が最小になる前記相対位置を確認する工程と、
    前記相対位置を、前記軸方向振れ量が最小になる前記相対位置に合わせた状態で、前記かしめ部を形成する工程と、を備える、
    ハブユニット軸受の組立方法。
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WO2023085381A1 (ja) * 2021-11-11 2023-05-19 日本精工株式会社 車輪支持用転がり軸受

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