JP2021018136A - 回転体の回転情報を検出する回転検出器及びモータ駆動装置 - Google Patents

回転体の回転情報を検出する回転検出器及びモータ駆動装置 Download PDF

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Abstract

【課題】回転体の回転位置または回転速度に関する回転情報を高精度に検出する回転検出器を実現する。【解決手段】回転体50の回転情報を検出する回転検出器1は、回転体50の回転に応じて回転体50に設けられたセンサ21から出力された位相が互いに異なる2相のアナログ信号を、ディジタル信号に変換して出力する、アナログディジタル変換処理を実行するAD変換部11と、一周期ごとに、AD変換部11から出力されたディジタル信号に基づいて回転体50の回転位置または回転速度に関する通常回転情報を取得し、回転体50が特定の回転位置に到達するごとに、AD変換部11から出力されたディジタル信号に基づいて回転体50の基準回転位置または基準回転速度に関する基準回転情報を取得する回転情報取得部12と、を備え、AD変換部11は、一周期中に、アナログディジタル変換処理を複数回実行する。【選択図】図1

Description

本発明は、回転体の回転情報を検出する回転検出器及びモータ駆動装置に関する。
工作機械やロボットなどに設けられるモータや回転軸などの回転位置や回転速度などの回転情報を検出するために、回転検出器が用いられる。回転検出器では、回転体に設けられたセンサから回転体の回転に応じて出力される、位相が互いに異なる2相(A相及びB相)のアナログ信号のそれぞれを、周期的に(すなわち一定間隔ごとに)アナログディジタル(AD)変換し、このアナログディジタル変換処理により得られた2相のディジタル信号に基づいて、回転体の回転位置(回転角度)また回転速度に関する回転情報を計算している。回転検出器が取得した回転情報に基づいて回転体の回転を制御する機械装置においては、2相のアナログ信号のそれぞれに対する周期的なアナログディジタル変換処理の実行により、常に最新のディジタル信号を用いて回転情報を計算することができるので、回転体の回転の制御を高精度に行うことができる。例えば、モータ駆動装置においては、モータの回転子の回転情報を検出するための回転検出器が回転子近傍に設けられ、回転検出器が検出した回転情報に基づいて、モータの回転子の回転が制御される。
また、回転体に設けられるセンサとして、回転体の回転に応じて周期的に出力される2相(A相及びB相)のアナログ信号に加え、回転体が特定の回転位置に到達したことを示す基準位置信号をさらに出力するものがある。この基準位置信号が出力されるタイミングは、周期的に取得される回転情報の精度を高めるための基準となる回転情報(基準回転情報)を取得するタイミングとして用いられる。基準位置信号として、例えば、回転体が一回転するごとにセンサから出力される一回転信号がある。
回転検出器において、回転体が特定の回転位置に到達した時点すなわちセンサから基準位置信号が出力された時点で、当該センサから出力された2相(A相及びB相)のアナログ信号のそれぞれをアナログディジタル変換し、このとき得られるディジタル信号に基づいて回転体の基準回転位置または基準回転速度に関する基準回転情報を取得する。回転検出器において、基準回転情報は、これとは別に周期的に取得される回転情報の相対的な基準となる目安として用いられる。基準回転情報に基づいて、周期的に取得される回転情報を適宜調整することで、回転検出器の回転検出精度を高めることができる。
例えば、回転子と、該回転子に対向して固定されていて磁界を発生する磁界発生体と、前記回転子と前記磁界発生体との間に配置されていて前記回転子の回転に基づく前記磁界の変化に応じた信号を検出する検出部とを含む回転検出器において、前記回転子は、1つまたは複数の段を有する第一円筒部分と、1つまたは複数の段を有していて前記第一円筒部分に同軸で軸方向に偏倚して配置された第二円筒部分とを含んでおり、前記第二円筒部分は、前記第一円筒部分よりも周方向の幅が狭い第一部分周面と、該第一部分周面の半径よりも小さい半径を有する第二部分周面とを含んでおり、さらに、前記回転子は、前記第一円筒部分のそれぞれの段に形成された複数の歯部を含む第一被検出部と、前記第一被検出部の歯部と同位相で且つ同一の歯型寸法緒元を有していて、前記第二円筒部分の前記第一部分周面に形成された少なくとも一つの歯部を含む第二被検出部とを具備し、前記第二円筒部分の前記少なくとも一つの歯部と、該少なくとも一つの歯部に対応する前記第一円筒部分の歯部は機械加工により一度に形成されることを特徴とする回転検出器が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
上述した以外にも、モータや回転軸などの回転情報を検出する回転検出器としては、種々のものが知られている。
例えば、駆動部を駆動するための位置を制御する位置制御装置であって、駆動部の駆動に応じた信号を生成する信号生成手段と、前記信号生成手段が生成した信号から逓倍信号を生成する逓倍手段と、前記逓倍手段の逓倍数を変更する変更手段とを備え、前記変更手段は逓倍数を変更する前後で前記逓倍手段が生成する逓倍信号の位相をそろえることを特徴とする位置制御装置が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
例えば、光の反射特性または透過特性が互いに異なる第一のスケールおよび第二のスケールを備え、モータと連動して回転するコードホイールと、前記コードホイールに光を照射する光源と、前記光源が発し前記第二のスケールで反射または透過された光に基づいて前記モータの原点位置を検出する検出手段と、前記光源が発し前記第一のスケールおよび前記第二のスケールで反射または透過された光と、前記検出手段の検出した原点位置に基づいて前記モータの絶対位置を決定する決定手段と、を備えることを特徴とするモータ制御装置が知られている(例えば、特許文献3参照。)。
特開2013−53990号公報 特開2016−80547号公報 特開2013−246054号公報
上述の基準位置信号を用いて基準回転情報が取得される回転検出器においては、2相のアナログ信号(A相信号及びB相信号)をそれぞれアナログディジタル変換処理するために、A相及びB相それぞれについて1個のAD(アナログディジタル)変換部が設けられる。すなわち、2相のアナログ信号のそれぞれについて、1個のAD変換部によりアナログディジタル変換処理が実行される。より詳細には、A相及びB相の各相ごとに設けられるAD変換部はそれぞれ、周期的に(すなわち一定間隔ごとに)回転体の回転情報を取得するために周期的に実行されるアナログディジタル変換処理、及び、回転体の基準回転情報を取得するために基準位置信号検出時(回転子の特定の回転位置到達時)に実行されるアナログディジタル変換処理、の両方を実行する。このため、周期的に実行されるアナログディジタル変換処理の合間に、基準位置信号検出時のアナログディジタル変換処理が割り込むことになる。AD変換部によるアナログディジタル変換処理には、数μ秒オーダー程度の時間を要するので、基準位置信号の検出のタイミングによっては、周期的なアナログディジタル変換処理の実行タイミングと基準位置信号検出時のアナログディジタル変換処理の実行タイミングとが時間的に重なることがある。A相及びB相それぞれについて1個のAD変換部を有する回転検出器においては、上述のように実行タイミングが重なった場合は、基準位置信号検出時のアナログディジタル変換処理の実行が優先され、周期的なアナログディジタル変換処理は実行できない。この場合、さらに以前に実行されたアナログディジタル変換処理により得られたディジタル信号に基づいて、等速補間などの推定処理により、回転体の回転情報を取得しなければならないので、回転検出器の検出精度が低下するという課題がある。特に回転体の加速度が大きい状態は、回転検出器の検出精度の低下はより顕著である。
したがって、回転体の回転に応じて出力される位相が互いに異なる2相のアナログ信号のそれぞれに対して、1個のAD変換部により、周期的なアナログディジタル変換処理及び回転子の特定の回転位置到達時のアナログディジタル変換処理の両方が実行される回転検出器において、回転体の回転位置または回転速度に関する回転情報を高精度に検出できるようにすることが望まれている。
本開示の一態様によれば、回転体の回転情報を検出する回転検出器は、回転体の回転に応じて回転体に設けられたセンサから出力された位相が互いに異なる2相のアナログ信号を、ディジタル信号に変換して出力する、アナログディジタル変換処理を実行するAD変換部と、一周期ごとに、AD変換部から出力されたディジタル信号に基づいて回転体の回転位置または回転速度に関する通常回転情報を取得し、回転体が特定の回転位置に到達するごとに、AD変換部から出力されたディジタル信号に基づいて回転体の基準回転位置または基準回転速度に関する基準回転情報を取得する回転情報取得部と、を備え、AD変換部は、一周期中に、アナログディジタル変換処理を複数回実行する。
本開示の一態様によれば、回転体の回転に応じて出力される位相が互いに異なる2相のアナログ信号のそれぞれに対して、1個のAD変換部により、周期的なアナログディジタル変換処理及び回転子の特定の回転位置到達時のアナログディジタル変換処理の両方が実行される回転検出器において、回転体の回転位置または回転速度に関する回転情報を高精度に検出することができる。
本開示の実施形態による回転検出器を示すブロック図である。 回転体に設けられる磁気式のセンサを示す図であって、(A)は、センサの斜視図であり、(B)はセンサの側面図である。 位相が互いに約90度異なる2相のアナログ信号に基づく回転体の回転位置の取得処理を説明する図であって、(A)は図2のセンサから出力されるA相信号及びB相信号を示し、(B)はA相信号及びB相信号を所定のレベルでコンパレートして得られるコンパレータ信号を示し、(C)はAB座標平面上の回転体の回転位置を示す。 図2のセンサから出力される一回転信号を例示する図である。 従来の回転検出器におけるAD変換処理及び回転情報取得処理の実行タイミングを例示する図である。 本開示の実施形態による回転検出器におけるAD変換処理及び回転情報取得処理の実行タイミングを例示する図である。 本開示の実施形態による回転検出器における回転情報取得部の補間による推定処理を説明する図であって、(A)はAD変換処理及び回転情報取得処理の実行タイミングを例示し、(B)は補間による推定処理に直線近似を用いた場合を示す。 本開示の実施形態による回転検出器におけるAD変換部により得られる1相分のディジタル信号のデータ構成を例示する図である。 本開示の実施形態による回転検出器を備えるモータ駆動装置を示すブロック図である。
以下図面を参照して、回転体の回転情報を検出する回転検出器及びこれを備えるモータ駆動装置について説明する。しかしながら、本発明は、図面又は以下に説明される実施形態に限定されるものではないことを理解されたい。また、以下の説明において、回転位置は、回転体の回転角度を意味し、回転速度は、回転体の回転角速度を意味する。
図1は、本開示の実施形態による回転検出器を示すブロック図である。
回転体50の回転情報を検出する回転検出器1は、AD変換部11と、回転情報取得部12と、基準位置信号検出部13と、判定部14とを備える。
回転情報の検出対象である回転体50には、センサ21が設置される。センサ21は、回転体50の回転に応じて位相が互いに異なる2相のアナログ信号であるA相信号及びB相信号を出力する。A相信号とB相信号との間で、位相は例えば約90度異なる。センサ21から出力されたA相信号及びB相信号は、AD変換部11へ送られる。また、センサ21は、A相信号及びB相信号とは別に、回転体50が特定の回転位置に到達する度にパルス状の基準位置信号を出力する。すなわち、回転体50が特定の回転位置に到達する度に、基準位置信号では「ロー(L)、ハイ(H)、ロー(L)」の信号変化が発生する。本明細書において、「基準位置信号を出力する」は、「基準位置信号においてロー(L)、ハイ(H)、ロー(L)の信号変化が発生する」と同義である。なお、回転体50が特定の回転位置に到達する度に「ハイ(H)、ロー(L)、ハイ(H)」の信号変化が発生する基準位置信号出力するものを、センサ21として用いてもよく、この場合、以下の説明は、「ロー(L)、ハイ(H)、ロー(L)」を「ハイ(H)、ロー(L)、ハイ(H)」に読み替えて適用される。
回転体50の特定の回転位置は、回転体50の1回転中において1か所設けられてもよく、あるいは、複数箇所設けられてもよい。例えば、基準位置信号のための回転体50の特定の回転位置が回転体50の1回転中において1か所設けられる場合、当該基準位置信号は、回転体50が1回転するごとにセンサ21から出力される一回転信号となる。この場合、回転体50が1回転するごとに基準位置信号(一回転信号)においてロー(L)、ハイ(H)、ロー(L)の信号変化が1回だけ発生する。また例えば、基準位置信号のための回転体50の特定の回転位置が回転体50の1回転中において複数箇所設けられる場合、当該基準位置信号は、回転体50の1回転中にセンサ21からが複数回出力されることになる。この場合、回転体50が1回転するごとに基準位置信号においてロー(L)、ハイ(H)、ロー(L)の信号変化が複数回(すなわち特定の回転位置の個数回)だけ発生する。
センサ21から出力された基準位置信号は、基準位置信号検出部13へ送られる。センサ21自体は、本実施形態を限定するものではなく、磁気式であっても光学式であってもよい。なお、センサ21の具体例については後述する。
基準位置信号検出部13は、回転体50が特定の回転位置に到達するごとにセンサ21から出力される基準位置信号を検出する。本明細書において、「基準位置信号を検出する」は、「基準位置信号においてロー(L)、ハイ(H)、ロー(L)の信号変化を検出する」と同義である。
AD(アナログディジタル)変換部11は、回転体50の回転に応じて回転体50に設けられたセンサ21から出力された位相が互いに異なる2相のアナログ信号(A相信号及びB相信号)のそれぞれを、ディジタル信号に変換して出力する。AD変換部11は、A相信号に対してアナログディジタル変換処理を実行するAD(アナログディジタル)変換器と、B相信号に対してアナログディジタル変換処理を実行するAD(アナログディジタル)変換器とが別個に設けられるが、図1では、これら2つのAD変換器をまとめてAD変換部11として表記している。AD変換部11によるアナログディジタル変換処理(以下、「AD変換処理」と称する。)により得られたディジタル信号は、回転情報取得部12へ送られる。
AD変換部11によるAD変換処理には、基準となる回転情報の取得のために回転体50が特定の回転位置に到達するごとに実行される第1のAD変換処理と、通常の回転情報の取得のために周期的に実行される第2のAD変換処理と、の合計2種類がある。例えば、基準位置信号のための回転体50の特定の回転位置が回転体50の1回転中において1か所設けられる場合、第1のAD変換処理はセンサ21から一回転信号が出力される度に実行される。以下、基準となる回転情報を「基準回転情報」と称し、通常の回転情報を「通常回転情報」と称する。基準回転情報は、回転体50の基準となる回転位置(以下、「基準回転位置」と称する。)または基準となる回転速度(以下、「基準回転速度」と称する。)に関する情報である。また、通常回転情報は、回転体50の通常の回転位置(以下、「通常回転位置」と称する。)または通常の回転速度(以下、「通常回転速度」と称する。)に関する情報である。
回転検出器1において、基準回転情報は、これとは別に周期的に取得される通常回転情報の相対的な基準となる目安として用いられる。すなわち、基準回転情報に基づいて、周期的に取得される通常回転情報を適宜調整することで、回転検出器1の回転検出精度を高めることができる。なお、図1では図示を省略したが、回転検出器1は、基準回転情報に基づいて通常回転情報を調整する調整部をさらに備えてもよい。
本実施形態では、AD変換部11は、後述する回転情報取得部12による通常回転情報の取得周期(以下、「通常回転情報取得周期」と称する。)の一周期中に、通常回転情報の取得のための第2のAD変換処理を、複数回実行する。また、基準位置信号検出部13は、基準位置信号を検出したとき、AD変換部11に対して第1のAD変換処理を実行するよう指令し、この指令を受けて、AD変換部11は、センサ21から受信したA相信号及びB相信号のそれぞれに対して第1のAD変換処理を実行して2相のディジタル信号を得て回転情報取得部12へ出力する。
なお、第1のAD変換処理と第2のAD変換処理とは、回転体50の回転に応じてセンサ21から出力された位相が互いに異なる2相のアナログ信号(A相信号及びB相信号)のそれぞれをディジタル信号に変換する点については、相違はない。第1のAD変換処理は回転体50が特定の回転位置に到達する度に実行されるのに対し、第2のAD変換処理は、回転体50の回転の有無にかかわらず周期的に実行される点でのみ、両者は相違する。なお、第2のAD変換処理によるアナログディジタル(AD)変換結果は、後述するように回転情報取得部12において通常回転情報の推定処理に利用されることがあるので、これに備えて記憶部(図示せず)に一旦保持される。記憶部は、回転情報取得部12内にソフトウェアプログラム上の一機能として設けられてもよく、あるいは、回転情報取得部12とは別に、例えばEEPROM(登録商標)などのような電気的に消去・記録可能な不揮発性メモリ、または、例えばDRAM、SRAMなどのような高速で読み書きのできるランダムアクセスメモリなどで構成されてもよい。
本実施形態では、通常回転情報取得周期に複数回実行される第2のAD変換処理の合間に、基準位置信号検出時に実行される第1のAD変換処理が割り込む。AD変換部11によるAD変換処理には、数μ秒オーダー程度の時間を要するので、基準位置信号の検出のタイミング如何によっては、周期的なAD変換処理の実行タイミングと基準位置信号検出時のAD変換処理の実行タイミングとが時間的に重なることがある。判定部14は、基準位置信号検出部13が基準位置信号を検出したときに実行される第1のAD変換処理の実行タイミングと、回転情報取得部12が通常回転情報を取得するために用いられるディジタル信号を出力するために実行される第2のAD変換処理の実行タイミングと、が時間的に重なるか否かを判定する。なお、基準位置信号検出部13が基準位置信号を検出しない限りは、第1のAD変換処理の実行タイミングと第2のAD変換処理の実行タイミングとが重なることは無い。したがって、判定部14による判定処理は、基準位置信号検出部13が基準位置信号を検出したときにのみ、実行されればよい。判定部14による判定処理の具体例については後述する。
AD変換部11は、判定部14により第1のAD変換処理の実行タイミングと第2のAD変換処理の実行タイミングとが時間的に重なると判定された場合、第2のAD変換処理は実行せずに第1のAD変換処理を実行する。判定部14の判定結果に基づくAD変換部11によるAD変換処理の選択的実行の具体例については後述する。
回転情報取得部12は、AD変換部11が第2のAD変換処理を実行することにより出力されたディジタル信号に基づいて、回転体50の通常回転位置または通常回転速度に関する通常回転情報を、通常回転情報取得周期ごとに(すなわち一定間隔ごとに)取得する。また、基準位置信号検出部13による基準位置信号検出通知を受けて、回転情報取得部12は、AD変換部11が第1のAD変換処理を実行することにより出力されたディジタル信号に基づいて、回転体50の基準回転位置または基準回転速度に関する基準回転情報を取得する。このように、回転情報取得部12は、通常回転情報取得周期ごとに通常回転情報を取得するとともに、回転体50が特定の回転位置に到達するごとに基準回転情報を取得する。回転情報取得部12による通常回転情報の取得処理が開始される基準となるタイミングは、例えば回転検出器1が設けられる機械装置からの割り込み信号によって規定されてもよく、あるいは回転検出器1内に設けられたクロックにより規定されてもよい。
なお、判定部14により第1のAD変換処理の実行タイミングと第2のAD変換処理の実行タイミングとが時間的に重なると判定された場合、AD変換部11により当該第2のAD変換処理は実行されない。この場合、回転情報取得部12は、当該第1のAD変換処理よりも前にAD変換部11が実行したAD変換処理において出力されたディジタル信号に基づいて、補間による推定処理を行うことで、通常回転情報を取得する。回転情報取得部12の補間による推定処理については後述する。
上述したように、回転検出器1において、基準回転情報は、これとは別に周期的に取得される通常回転情報の相対的な基準となる目安として用いられ、回転検出器1の回転検出精度を高めることに寄与する。すなわち、回転体50が特定の回転位置に到達したときに取得された基準回転情報(基準回転位置または基準回転速度)を原点(基準点)とすることで、より正確な通常回転情報(通常回転位置または通常回転速度)を取得することができる。
上述の回転情報取得部12、基準位置信号検出部13及び判定部14は、例えばソフトウェアプログラム形式で構築されてもよく、あるいは各種電子回路とソフトウェアプログラムとの組み合わせで構築されてもよく、あるいは各種電子回路のみで構成されてもよい。例えばこれらをソフトウェアプログラム形式で構築する場合は、例えばASIC、DSPまたはFPGAなどの演算処理装置をこのソフトウェアプログラムに従って動作させることで、上述の各部の機能を実現することができる。またあるいは、回転情報取得部12、基準位置信号検出部13及び判定部14を、各部の機能を実現するソフトウェアプログラムを書き込んだ半導体集積回路として実現してもよい。またあるいは、回転情報取得部12、基準位置信号検出部13及び判定部14を、各部の機能を実現するソフトウェアプログラムを書き込んだ記録媒体として実現してもよい。
また、上述のAD変換部11は、例えば逐次比較型AD(アナログディジタル)変換器で構成されるが、それ以外のAD変換器で構成されてもよい。
また、上述のセンサ21は、回転体50の回転に応じて位相が互いに約90度異なる2相のアナログ信号であるA相信号及びB相信号を出力するとともに、回転体50が特定の回転位置に到達する度に基準位置信号を出力するものであれば、磁気式であっても光学式であってもよい。一例として、基準位置信号として一回転信号を出力可能な磁気式のセンサ21について、図2〜図4を参照して説明する。
図2は、回転体に設けられる磁気式のセンサを示す図であって、(A)は、センサの斜視図であり、(B)はセンサの側面図である。
例えば、回転体50の周囲に、センサギアである第1の円筒部分110及び第2の円筒部分120が設けられることで、センサ21が構成される。第1の円筒部分110の第1の部分周面121上に、位相が互いに異なる2相のアナログ信号であるA相信号及びB相信号の生成のための歯部115及び115aが設けられる。第2の円筒部分120の第2の部分周面122上に、一回転信号の生成のための歯部125が1個設けられる。磁石130が、回転体50の一部分に対面して設置される。この磁石130は、磁界を発生する磁界発生体として機能する。またさらに、2つの磁気抵抗素子131及び132が、磁石130と回転体50との間に設置されている。第1の磁気抵抗素子131は、位相が互いに約90度ずれたA相信号及びB相信号からなる2相のアナログ信号を検出するAB相信号用センサであり、回転体50の第1の円筒部分110に対応した位置に配置される。第2の磁気抵抗素子132は、回転体50が1回転する間に一度だけ発生する一回転信号(Z相信号)を検出する一回転信号用センサであり、回転体50の第2の円筒部分120に対応した位置に配置される。
図3は、位相が互いに約90度異なる2相のアナログ信号に基づく回転体の回転位置の取得処理を説明する図であって、(A)は図2のセンサから出力されるA相信号及びB相信号を示し、(B)はA相信号及びB相信号を所定のレベルでコンパレートして得られるコンパレータ信号を示し、(C)はAB座標平面上の回転体の回転位置を示す。図3(A)及び図3(B)において、A相に係る信号は実線で示し、B相に係る信号は破線で示す。磁石130からの磁束は第1の磁気抵抗素子131を通過して回転体50の第1の円筒部分110を通って磁石130に戻る。図示しない駆動部により回転体50がその中心回りに回転されると、歯部115によって第1の磁気抵抗素子131の磁気抵抗が変化する。その結果、図3(A)に示すように、センサ21からは、位相が互いに約90度異なる2相のアナログ正弦波信号であるA相信号及びB相信号が出力される。センサ21から出力されたA相信号及びB相信号は、AD変換部11に送られ、それぞれアナログディジタル(AD)変換される。回転情報取得部12は、AD変換部11から出力されたA相及びB相の各ディジタル信号に基づき、図3(C)に示されるような回転体50の1回転中における回転体50の回転位置を取得する。回転体50の回転量は、A相及びB相の各ディジタル信号におけるハイ(H)及びロー(L)をカウントすることで取得することができ、回転体50の回転方向は、A相及びB相の各ディジタル信号間の位相差から取得することができる。回転検出器1に回転体50の回転速度の出力が要求される場合は、回転情報取得部12は、回転体50の回転位置を微分することで回転体50の回転速度を取得する。なお、図3(B)に示すコンパレータ信号から、センサギアである第1の円筒部分110の歯部115単位の粗い情報を得ることができる。回転体50の1回転中における回転体50の回転位置の取得にあたっては、図3(A)に示すA相信号及びB相信号のみならず、図3(B)示すコンパレータ信号を用いてもよい。
図4は、図2のセンサから出力される一回転信号を例示する図である。磁石130からの磁束は第2の磁気抵抗素子132を通過して回転体50の第2の円筒部分120を通って磁石130に戻る。図示しない駆動部により回転体50がその中心回りに回転されると、歯部125によって第2の磁気抵抗素子132の磁気抵抗が変化する。第2の磁気抵抗素子132からの出力電圧を所定のレベルでコンパレートすると、図4に示すようなパルス状の一回転信号が得られる。歯部125は、第2の円筒部分120の第2の部分周面122上に1個設けられるので、回転体50が1回転する度に、「ロー(L)、ハイ(H)、ロー(L)」の信号変化が1回だけ発生する。センサ21から出力された一回転信号は、一回転信号検出部13へ送られる。一回転信号検出部13は、一回転信号を検出したとき、すなわち、「ロー(L)、ハイ(H)、ロー(L)」の信号変化を検出したとき、AD変換部11に対して第1のAD変換処理を実行するよう指令するとともに、回転情報取得部12に対して一回転信号を検出したことを通知する。なお、歯部125は、第2の円筒部分120の第2の部分周面122上に複数個設ければ、回転体50の1回転中に、「ロー(L)、ハイ(H)、ロー(L)」の信号変化が複数回(すなわち歯部125の個数回)発生する。
なお、図2〜4では、A相信号及びB相信号と一回転信号(基準位置信号)との両方を出力する1個のセンサ21を回転体50に取り付ける場合について説明した。この代替例として、A相信号及びB相信号を出力するセンサと一回転信号(基準位置信号)を出力するセンサとを別々に回転体50に取り付けてもよい。
また、回転体50からA相信号、B相信号及び基準位置信号を検出するセンサ21は、図2〜4を参照して説明した磁気式のものに限られず、光学式であってもよい。光学式のセンサ21は、回転体50の回転に応じて変化する光の透過光または反射光の明暗変化に基づいて、A相信号、B相信号及び基準位置信号を出力する。
続いて、本開示の実施形態による回転検出器1における判定部14の判定処理及びこの判定結果に基づくAD変換部11によるAD変換処理の選択的実行の具体例について、従来の回転検出器と比較しながら説明する。
図5は、従来の回転検出器におけるAD変換処理及び回転情報取得処理の実行タイミングを例示する図である。
図5において、通常回転情報の取得周期をTとする。従来の回転検出器においては、通常回転情報取得処理と通常回転情報の取得のための第2のAD変換処理とが一対一に対応しており、ともに同じ周期Tで実行されていた。図5に示す例では、時刻t0で開始される通常回転情報取得処理S1に対応してその直前に第2のAD変換処理Q11が実行され、時刻t2で開始される通常回転情報取得処理S2に対応してその直前に第2のAD変換処理Q21が実行される。また、時刻t4で開始される通常回転情報取得処理S3に対しては、その直前に第2のAD変換処理Q31が実行されるべきである。しかしながら、時刻t4の直前の時刻txにおいて、基準位置信号が検出されると(すなわち「ロー(L)、ハイ(H)、ロー(L)」の信号変化が検出されると)、AD変換部は、基準回転情報の取得のための第1のAD変換処理Pを実行する。AD変換部によるAD変換処理には、数μ秒オーダー程度の時間を要する。時刻txが、AD変換処理に要する時間よりも短い時間だけ時刻t4よりも時間的に前である場合、第1のAD変換処理Pの実行タイミングと第2のAD変換処理Q31の実行タイミングとが重なってしまう。この場合、AD変換部は、時刻txで第1のAD変換処理Pの実行を開始するので、第2のAD変換処理Q31を実行することができない。よって、第2のAD変換処理Q31によるディジタル信号を得ることができないので、通常回転情報取得処理S3においては、さらに以前に実行された第2のAD変換処理Q11及びQ21により得られたディジタル信号に基づいて、等速補間などの推定処理により、回転体の回転情報を取得する必要がある。
図6は、本開示の実施形態による回転検出器におけるAD変換処理及び回転情報取得処理の実行タイミングを例示する図である。ここでは一例として、時刻t3と時刻t4との間の時刻txにおいて、基準位置信号検出部13が基準位置信号を検出した場合について説明する。
図6において、回転情報取得部12の通常回転情報取得周期をTとする。すなわち、回転情報取得部12は、時刻t0に回転情報取得処理S1を実行し、時刻t0から1周期T後の時刻t2に回転情報取得処理S2を実行し、時刻t2から1周期T後の時刻t4に回転情報取得処理S3を実行する。
第1のAD変換処理Pとは別に、AD変換部11は、通常回転情報の取得のための第2のAD変換処理を周期的に実行する。第2のAD変換処理は、通常回転情報取得周期の一周期Tの間に複数回実行される。図6に示す例では、一周期T中に2回実行される。一周期Tの間において、第2のAD変換処理は、均一の間隔で実行されてもよく、不均一の間隔で実行されてもよい。
AD変換部11は、時刻t0の直前に第2のAD変換処理Q11を実行する。また、時刻t0から時刻t2の1周期T中において、AD変換部11は、時刻t0と時刻t2との間の中間にあたる時刻t1の直前に第2のAD変換処理Q12を実行し、時刻t2の直前に第2のAD変換処理Q21を実行する。
また、時刻t2から時刻t4の1周期T中において、AD変換部11は、時刻t2と時刻t4との間の中間にあたる時刻t3の直前に第2のAD変換処理Q22を実行する。
ここで、時刻t3と時刻t4との間の時刻txにおいて、基準位置信号検出部13が基準位置信号を検出すると(すなわち「ロー(L)、ハイ(H)、ロー(L)」の信号変化を検出すると)、AD変換部11は、センサ21から出力された位相が互いに異なる2相のアナログ信号(A相信号及びB相信号)のそれぞれに対して、基準回転情報の取得のための第1のAD変換処理Pを実行する。また、時刻txにおいては、判定部14は、第1のAD変換処理Pの実行タイミングと、第2のAD変換処理Q31の実行タイミングとが、時間的に重なるか否かを判定する。時刻txが、AD変換処理に要する時間よりも短い時間だけ時刻t4よりも時間的に前である場合、第1のAD変換処理Pの実行タイミングと第2のAD変換処理Q31の実行タイミングとが重なる。この場合、判定部14は、第1のAD変換処理Pの実行タイミングと第2のAD変換処理Q31の実行タイミングとが時間的に重なったと判定する。AD変換部11は、判定部14により第1のAD変換処理の実行タイミングと第2のAD変換処理の実行タイミングとが時間的に重なると判定したので、第2のAD変換処理Q31は実行せずに第1のAD変換処理Pを実行する。図6では図示しないが、回転情報取得部12は、AD変換部11が第1のAD変換処理Pを実行することにより出力されたディジタル信号に基づいて、回転体50の基準回転位置または基準回転速度に関する基準回転情報を取得する。また、図6に示すように、回転情報取得部12は、第2のAD変換処理Q31によるディジタル信号を得ることができないので、通常回転情報取得処理S3においては、さらに以前に実行された第2のAD変換処理Q21及びS22により得られたディジタル信号に基づいて、等速補間などの推定処理により、回転体50の通常回転情報を取得する。
ここで、時刻t4で実行が開始される通常回転情報取得処理S3に関して、図5に示す従来の回転検出器の動作と図6に示す本開示の実施形態による回転検出器1の動作とを比較する。図5に示す従来の回転検出器では、時刻t0の直前に実行された第2のAD変換処理Q11と時刻t2の直前に実行された第2のAD変換処理Q21とにより得られたディジタル信号に基づいて、等速補間などの推定処理により、回転体の回転情報を得る。これに対し、図6に示す本開示の実施形態による回転検出器1では、時刻t2の直前に実行された第2のAD変換処理Q21と時刻t3の直前に実行された第2のAD変換処理Q22とにより得られたディジタル信号に基づいて、等速補間などの推定処理により、回転体の回転情報を得る。このように、本開示の実施形態による回転検出器1では、従来の回転検出器と比べ、通常回転情報取得処理S3の実行が開始される時刻t4に、より近い時間で実行される第2のAD変換処理により出力されるディジタル信号に基づいて、回転情報を取得することができる。よって、本開示の実施形態による回転検出器1は、従来の回転検出器と比べ、「より新鮮な」ディジタル信号を用いて回転情報を計算することができるので、より検出精度が高い。
なお、一周期Tに複数回実行される第2のAD変換処理の各々の直後に毎回、通常回転情報取得処理を実行することは、回転情報取得部12の機能を実現する演算処理装置に負担をかけることになるので、好ましくない。そこで、本開示の実施形態による回転検出器1では、通常回転情報処理の実行頻度は従来と同程度に維持しつつ、通常回転情報取得のための第2のAD変換処理の実行頻度を増やす。これにより、回転情報取得部12の機能を実現する演算処理装置に負担をかけることなく、回転検出器1の検出精度を高めることができる。
また、図6に示す例では、通常回転情報取得周期の一周期Tの間における第2のAD変換処理の実行回数を、一例として2回とした。本実施形態においては、通常回転情報取得周期の一周期Tの間における第2のAD変換処理の実行回数が多いほど、第2のAD変換処理の実行タイミングの間隔がより短くなる。したがって、常回転情報取得周期の一周期Tの間における第2のAD変換処理の実行回数が多いほど、回転情報取得部12は、本来の実行タイミングにより近いタイミングで過去に実行された第2のAD変換処理により出力されたディジタル信号を用いることができるので、より検出精度が高くなる。
続いて、本開示の実施形態による回転検出器1における回転情報取得部12の補間による推定処理の具体例について説明する。
図7は、本開示の実施形態による回転検出器における回転情報取得部の補間による推定処理を説明する図であって、(A)はAD変換処理及び回転情報取得処理の実行タイミングを例示し、(B)は補間による推定処理に直線近似を用いた場合を示す。ここでは一例として、通常回転情報取得周期の一周期Tの間に3回の第2のAD変換処理が不均一の間隔で実行され、時刻t3と時刻t4との間の時刻txにおいて基準位置信号検出部13が基準位置信号を検出した場合について説明する。
図7(A)に示すように、時刻t0の直前に、AD変換部11は第2のAD変換処理Q11を実行する。回転情報取得部12は、時刻t0に第2のAD変換処理Q11で出力されたディジタル信号D11に基づいて、通常回転情報を取得する通常回転情報取得処理S1を実行する。
時刻t1の直前に、AD変換部11は第2のAD変換処理Q12を実行し、ディジタル信号D12を出力する。また、時刻t2の直前に、AD変換部11は第2のAD変換処理Q13を実行し、ディジタル信号D13を出力する。
時刻t3と時刻t4との間の時刻txにおいて、基準位置信号検出部13が基準位置信号を検出すると(すなわち「ロー(L)、ハイ(H)、ロー(L)」の信号変化を検出すると)、AD変換部11は、センサ21から出力された位相が互いに異なる2相のアナログ信号(A相信号及びB相信号)のそれぞれに対して、基準回転情報の取得のための第1のAD変換処理Pを実行する。また、時刻txにおいて、判定部14は、第1のAD変換処理Pの実行タイミングと、第2のAD変換処理Q31の実行タイミングとが、時間的に重なるか否かを判定する。時刻txが、AD変換処理に要する時間よりも短い時間だけ時刻t4よりも時間的に前である場合、第1のAD変換処理Pの実行タイミングと第2のAD変換処理Q21の実行タイミングとが重なる。この場合、判定部14は、第1のAD変換処理Pの実行タイミングと第2のAD変換処理Q21の実行タイミングとが時間的に重なったと判定する。この判定結果に基づき、AD変換部11は、第2のAD変換処理Q21は実行せずに第1のAD変換処理Pを実行する。図7では図示しないが、回転情報取得部12は、AD変換部11が第1のAD変換処理Pを実行することにより出力されたディジタル信号に基づいて、回転体50の基準回転位置または基準回転速度に関する基準回転情報を取得する。
また、回転情報取得部12は、第2のAD変換処理Q21によるディジタル信号を得ることができないので、通常回転情報取得処理S2においては、さらに以前に実行された例えば第2のAD変換処理Q11により得られたディジタル信号D11、第2のAD変換処理Q12により得られたディジタル信号D12及び第2のAD変換処理Q13により得られたディジタル信号D13に基づいて、等速補間などの推定処理により、第2のAD変換処理Q21によるディジタル信号D21を推定し、この推定されたディジタル信号D21に基づいて、回転体50の通常回転情報を取得する通常回転情報取得処理S2を実行する。
回転情報取得部12による通常回転情報取得処理S2において、ディジタル信号D21を近似直線を用いて算出する場合、例えば時刻tにおけるディジタル信号の推定値をDeとしたとき、推定値を算出するための近似直線は下記式1のように表される。
Figure 2021018136
例えば、式1で示される近似直線の傾きα及び切片βを最小二乗法を用いて求める場合は、ディジタル信号D11、ディジタル信号D12及びディジタル信号D13の値を、A相及びB相の各相ごとに用いる。また例えば式1で示される近似直線の傾きα及び切片βを1次近似(線形近似)を用いて求める場合は、ディジタル信号D11、ディジタル信号D12及びディジタル信号D13のうちの2つの値を、A相及びB相の各相ごとに用いる。回転情報取得部12は、このように算出された近似直線の傾きα及び切片βを有する式1に、時刻t3を代入することで、時刻t3の直前に実行されるはずであった第2のAD変換処理Q21で得られる2相分のディジタル信号D21を推定することができる。
このように、回転情報取得部12の補間による推定処理にあたっては、実行することができなかった第2のAD変換処理よりも以前に実行された過去の第2のAD変換処理により得られたアナログディジタル(AD)変換結果とともに、時刻情報が必要である。このため、AD変換部11による第2のAD変換処理で得られるディジタル信号には、アナログディジタル変換結果に加え、時刻情報が付与される。図8は、本開示の実施形態による回転検出器におけるAD変換部により得られる1相分のディジタル信号のデータ構成を例示する図である。図8に示すように、AD変換部11による第2のAD変換処理により出力されるディジタル信号は、センサ21から出力されたアナログ信号(A相信号またはB相信号)に対するアナログディジタル変換結果からなるデータ部分と、当該アナログディジタル変換結果が得られた時刻情報からなるデータ部分とからなる。図8に示す時刻データは、一例として、通常回転情報取得周期の1周期内の時間期間を8ビットで表している。図8に示した数値はあくまで一例であって、その他の数値であってもよい。
上述した本開示の実施形態による回転検出器1は、回転体を備える機械装置における当該回転体の回転の制御のために用いることができる。
図9は、本開示の実施形態による回転検出器を備えるモータ駆動装置を示すブロック図である。ここでは、一例として、モータ駆動装置1000により、交流電源2から供給された交流電力に基づいてモータ3を制御する場合について説明する。交流電源2及びモータ3の相数は本実施形態を特に限定するものではなく、例えば三相交流であっても単相交流であってもよい。また、モータ3の種類についても本実施形態を特に限定するものではなく、例えば誘導モータであっても同期モータであってもよい。ここで、モータ3が設けられる機械には、工作機械やロボットの他に、鍛圧機械、射出成形機、産業機械、各種電化製品、電車、自動車、航空機などが含まれる。また、交流電源2の一例を挙げると、三相交流400V電源、三相交流200V電源、三相交流600V電源、単相交流100V電源などがある。
図9に示すように、モータ駆動装置1000は、整流器101と、インバータ102と、モータ制御部103と、回転検出器1とを備える。
整流器101は、交流電源2側の交流電力と直流電力に変換して直流側に出力する。整流器101は、交流電源2から三相交流が供給される場合は三相ブリッジ回路で構成され、交流電源2から単相交流が供給される場合は単相ブリッジ回路で構成される。整流器101は、例えば、ダイオード整流回路、120度通電型整流回路、PWMスイッチング制御方式の整流回路などで構成される。例えば、整流器101がPWMスイッチング制御方式の整流回路である場合は、スイッチング素子及びこれに逆並列に接続されたダイオードのブリッジ回路からなり、上位制御装置(図示せず)から受信した駆動指令に応じて各スイッチング素子がオンオフ制御されて交直双方向に電力変換を行う。スイッチング素子の例としては、FETなどのユニポーラトランジスタ、バイポーラトランジスタ、IGBT、サイリスタ、GTOなどがあるが、スイッチング素子の種類自体は本実施形態を限定するものではなく、その他のスイッチング素子であってもよい。
なお、交流電源ではなくバッテリなどの直流電源に基づいてモータ3を制御する場合は、整流器101は省略してもよい。
インバータ102は、直流側から供給された直流電力を、モータ3を駆動するための交流電力に変換して出力する。インバータ102は、例えば、内部に半導体スイッチング素子を備えるPWMインバータで構成される。インバータ102は、モータ3が三相交流モータである場合は三相ブリッジ回路として構成され、モータ3が単相モータである場合は単相ブリッジ回路として構成される。インバータ102がPWMインバータで構成される場合は、半導体スイッチング素子及びこれに逆並列に接続されたダイオードのブリッジ回路からなる。この場合、半導体スイッチング素子の例としては、FET、IGBT、サイリスタ、GTO(Gate Turn−OFF thyristor:ゲートターンオフサイリスタ)、SiC(シリコンカーバイド)、トランジスタなどがあるが、半導体スイッチング素子の種類自体は本実施形態を限定するものではなく、その他の半導体スイッチング素子であってもよい。
モータ3の回転子の近傍には、センサ21が設けられる。本開示の実施形態による回転検出器1は、センサ21から出力された位相が互いに異なる2相のアナログ信号(A相信号及びB相信号)に基づいて、回転体50であるモータの回転子51の回転情報を検出する。回転検出器1により検出された回転情報は、モータ制御部103へ送られる。
モータ制御部103は、インバータ102の電力変換動作を制御する。すなわち、モータ制御部103は、回転検出器1により検出されるモータ3の回転子51の回転情報、モータ3の巻線に流れる電流(電流フィードバック)、所定のトルク指令、及びモータ3の動作プログラムなどに基づいて、モータ3の速度、トルク、もしくは回転子の位置を制御するための駆動指令をPWM制御方式に従って生成する。モータ制御部103によって作成された駆動指令に基づいて、インバータ102による電力変換動作が制御される。モータ3は、インバータ102から供給される例えば電圧可変及び周波数可変の交流電力に基づいて、速度、トルクまたは回転子の位置が制御される。モータ制御部103は、例えばソフトウェアプログラム形式で構築されてもよく、あるいは各種電子回路とソフトウェアプログラムとの組み合わせで構築されてもよい。例えばこれらをソフトウェアプログラム形式で構築する場合は、DSPやFPGAなどの演算処理装置をこのソフトウェアプログラムに従って動作させることで、上述のモータ制御部103の機能を実現することができる。またあるいは、モータ制御部103を、各部の機能を実現するソフトウェアプログラムを書き込んだ半導体集積回路として実現してもよい。
このように、モータ駆動装置1000は、本開示の実施形態による回転検出器1により検出された回転情報に基づいてモータ3の回転子51の回転を制御するので、高精度のモータ制御を実現することができる。
1 回転検出器
2 交流電源
3 モータ
11 AD変換部
12 回転情報取得部
13 基準位置信号検出部
14 判定部
21 センサ
50 回転体
51 回転子
101 整流器
102 インバータ
103 モータ制御部
110 第1の円筒部分
115、115a、125 歯部
120 第2の円筒部分
121 第1の部分周面
122 第2の部分周面
130 磁石
131 第1の磁気抵抗素子
132 第2の磁気抵抗素子
1000 モータ駆動装置

Claims (6)

  1. 回転体の回転情報を検出する回転検出器であって、
    前記回転体の回転に応じて前記回転体に設けられたセンサから出力された位相が互いに異なる2相のアナログ信号を、ディジタル信号に変換して出力する、アナログディジタル変換処理を実行するAD変換部と、
    一周期ごとに、前記AD変換部から出力された前記ディジタル信号に基づいて前記回転体の回転位置または回転速度に関する通常回転情報を取得し、前記回転体が特定の回転位置に到達するごとに、前記AD変換部から出力された前記ディジタル信号に基づいて前記回転体の基準回転位置または基準回転速度に関する基準回転情報を取得する回転情報取得部と、
    を備え、
    前記AD変換部は、前記一周期中に、前記アナログディジタル変換処理を複数回実行する、回転検出器。
  2. 前記回転体が特定の回転位置に到達するごとに前記センサから出力される基準位置信号を検出する基準位置信号検出部をさらに備え、
    前記AD変換部は、前記基準位置信号検出部が前記基準位置信号を検出したとき、前記アナログディジタル変換処理を実行して、前記回転情報取得部が前記基準回転情報を取得するために用いられるディジタル信号を出力する、請求項1に記載の回転検出器。
  3. 前記基準位置信号検出部が前記基準位置信号を検出したときに実行される前記アナログディジタル変換処理である第1のアナログディジタル変換処理の実行タイミングと、前記回転情報取得部が前記通常回転情報を取得するために用いられるディジタル信号を出力するために実行される前記アナログディジタル変換処理である第2のアナログディジタル変換処理の実行タイミングと、が時間的に重なるか否かを判定する判定部をさらに備え、
    前記AD変換部は、前記判定部により前記第1のアナログディジタル変換処理の実行タイミングと前記第2のアナログディジタル変換処理の実行タイミングとが時間的に重なると判定された場合、前記第2のアナログディジタル変換処理は実行せずに前記第1のアナログディジタル変換処理を実行する、請求項2に記載の回転検出器。
  4. 前記回転情報取得部は、前記判定部により前記第1のアナログディジタル変換処理の実行タイミングと前記第2のアナログディジタル変換処理の実行タイミングとが時間的に重なると判定された場合、当該第1のアナログディジタル変換処理よりも前に前記AD変換部が実行したアナログディジタル変換処理において出力された前記ディジタル信号に基づいて、前記通常回転情報を取得する、請求項3に記載の回転検出器。
  5. 前記基準位置信号は、前記回転体が1回転するごとに前記センサから出力される一回転信号である、請求項2〜4のいずれか一項に記載の回転検出器。
  6. 前記回転体であるモータの回転子の回転情報を検出する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の回転検出器と、
    直流側から供給された直流電力を、モータ駆動のための交流電力に変換して出力するインバータと、
    前記回転検出器により検出された前記回転情報に基づいて、前記インバータによる前記直流電力を前記交流電力に変換する処理を制御するモータ制御部と、
    を備える、モータ駆動装置。
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