JP6551289B2 - 回転電機制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、回転電機の駆動を制御する回転電機制御装置に関する。
従来、インバータを経由してモータに通電される電流を制御する回転電機制御装置が知られている。回転電機制御装置では、モータの回転角を検出可能なレゾルバとレゾルバデジタルコンバータとの組み合わせから出力されるロータの回転角に応じてインバータを構成する複数のスイッチング素子の動作を制御する。例えば、特許文献1には、レゾルバが出力する回転角検出値と回転角基準信号との差に基づいて回転角検出値に含まれる誤差の平均値を算出する誤差平均算出手段、回転角検出値に含まれる都度の誤差と当該誤差の平均値との差を補正値として算出する補正値算出手段、および、当該補正値に基づいて回転角検出値を補正する補正手段を備える回転電機制御装置が記載されている。
特許5549553号明細書
しかしながら、特許文献1に記載の回転電機制御装置では、補正値の変化量が比較的大きい場合、当該補正値に基づいて回転角検出値が補正されて算出される補正後回転角が急変する。このため、補正後回転角に基づいて制御されている回転電機の電流や電圧が大きく変動するため、回転電機の出力トルクが急変する。出力トルクが急変すると、回転電機の使い勝手が低下し、当該回転電機を使用している使用者に不快感を与えるおそれがある。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、回転電機の出力トルクの急変を抑制する回転電機制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、回転電機制御装置であって、回転角検出部、補正値算出部、補正値逐次加算部、および、制御部を備える。
回転角検出部は、回転電機の回転角を検出可能である。
補正値算出部は、回転角検出部と電気的に接続し、回転角検出部が検出した回転電機の回転角検出値を補正する補正値を算出する。
補正値逐次加算部は、補正値算出部と電気的に接続している。補正値逐次加算部は、直前の補正値と今回の補正値との差である補正値変化量の絶対値が所定値の絶対値以上のとき、補正値変化量を所定値の絶対値に比べ小さい少なくとも二つ以上に分割した分割補正値を算出し、当該分割補正値を回転角検出値に加算した補正後回転角を逐次算出する。
制御部は、補正後回転角に基づいて回転電機の駆動を制御する。
本発明の回転電機制御装置では、補正値逐次加算部は、補正値変化量の絶対値が所定値の絶対値以上のとき、補正値変化量を絶対値が所定値の絶対値に比べ小さい少なくとも二つ以上に分割した分割補正値を算出する。補正値逐次加算部は、算出した複数の当該分割補正値を回転角検出値に加算した補正後回転角を逐次算出する。制御部は、補正値逐次加算部が算出した補正後回転角に基づいて回転電機の駆動を制御する。これにより、補正値変化量の絶対値が比較的大きく変化することが抑制されるため、回転電機を駆動する電圧の値や回転電機を流れる電流の値が比較的大きく変動することが抑制される。したがって、回転電機の出力トルクが急変することを防止することができる。
本発明の第一実施形態による回転電機制御装置が有する回転角演算部のブロック図である。 本発明の第一実施形態による回転電機制御装置の模式図である。 本発明の第一実施形態による回転電機制御装置における回転角の演算方法を説明する特性図である。 本発明の第一実施形態による回転電機制御装置における回転角の演算方法のフローチャートである。 本発明の第一実施形態による回転電機制御装置において演算される回転角の特性図である。 本発明の第一実施形態による回転電機制御装置の効果を説明する特性図である。 本発明の第二実施形態による回転電機制御装置において演算される回転角の特性図である。 本発明の第二実施形態による回転電機制御装置において演算される回転角の特性図であって、図7とは異なる状況での特性図である。 本発明の第三実施形態による回転電機制御装置において演算される回転角の特性図である。 本発明の第四実施形態による回転電機制御装置において回転角の演算に使用する表である。 本発明の第五実施形態による回転電機制御装置が有する回転角演算部のブロック図である。 本発明の第五実施形態による回転電機制御装置における回転角の演算方法のフローチャートである。 本発明の第五実施形態による回転電機制御装置において演算される回転角の特性図である。 本発明の第六実施形態による回転電機制御装置において演算される回転角の特性図である。 本発明の第六実施形態による回転電機制御装置において演算される回転角の特性図であって、図14とは異なる状況での特性図である。
以下、本発明の複数の実施形態について図面に基づいて説明する。
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態による回転電機制御装置を図1〜6を参照して説明する。第一実施形態による回転電機制御装置10は、ハイブリッド自動車や電気自動車の動力源であるモータジェネレータ(以下「MG」)を駆動するシステムにおいて、三相交流モータであるMGの通電を制御する装置である。
最初に、MG駆動システム全体の構成について図2を参照して説明する。図1には、一つのMGを備えるシステムを例示する。ハイブリッド自動車に搭載されたMG駆動システム99は、充放電可能な二次電池であるバッテリ25の直流電力をインバータ40で三相交流電力に変換してMG80に供給し、MG80を駆動するシステムである。回転電機制御装置10は、電流制御部30、インバータ40、および、回転角演算部50を備える。なお、回転電機制御装置10は、二つ以上のMGを備えたMG駆動システムにも同様に適用可能である。電流制御部30およびインバータ40は、特許請求の範囲に記載の「制御部」に相当する。
インバータ40は、上下アームの6つのスイッチング素子41、42、43、44、45、46がブリッジ接続されている。スイッチング素子41、42、43は、それぞれU相、V相、W相の上アームのスイッチング素子であり、スイッチング素子44、45、46は、それぞれU相、V相、W相の下アームのスイッチング素子である。スイッチング素子41、42、43、44、45、46は、例えばIGBTで構成され、低電位側から高電位側へ向かう電流を許容する還流ダイオードが並列に接続されている。
インバータ40は、電流制御部30が出力する駆動信号に従ってスイッチング素子41、42、43、44、45、46が動作し、直流電力を三相交流電力に変換する。インバータ40は、電流制御部30が演算した電圧指令に応じた相電圧Vu、Vv、VwをMG80の各相巻線81、82、83に印加する。
インバータ40の入力部には、入力電圧を平滑化する平滑コンデンサ47が設けられている。入力電圧センサ48は、インバータ入力電圧Vinvを検出する。なお、バッテリ25とインバータ40との間に昇圧コンバータを備えてもよい。
MG80は、例えば、永久磁石式同期型の三相交流モータである。本実施形態では、MG80はエンジン91を備えたハイブリッド自動車に搭載される。MG80は、駆動輪95を駆動するトルクを発生する電動機としての機能、及び、エンジン91や駆動輪95から伝達されるトルクを発電によってエネルギー回収する発電機としての機能を兼ね備える。MG80は、例えば変速機等のギア93を介して車軸94に接続されている。MG80が発生したトルクは、ギア93を介して車軸94を回転させることにより駆動輪95を駆動する。
MG80の三相巻線81、82、83のうち二相の巻線に接続される電流経路には、相電流を検出する電流センサが設けられる。図1では、V相巻線82及びW相巻線83に接続される電流経路に、それぞれ相電流Iv、Iwを検出する電流センサ62、63が設けられている。
MG80には、MG80の図示しないロータの回転角を検出可能なレゾルバおよびレゾルバデジタルコンバータから構成される回転角検出部51が設けられている。回転角検出部51は、ロータの回転角に応じたアナログ電気信号をデジタル電気信号(以下、「回転角検出値」という)θdに変換し、回転角演算部50に出力する。回転角演算部50では、回転角検出部51が出力する回転角検出値θdに基づいてロータの回転角を算出する。回転角演算部50は、算出結果を補正後回転角θvcとして電流制御部30に出力する。回転角演算部50の構成および機能の詳細は後述する。
電流制御部30は、インバータ入力電圧Vinv、相電流Iv、Iw、回転角演算部50が出力する補正後回転角θvcを取得する。また、電流制御部30には、各種入力信号により車両の運転状態を総合的に判断し車両の駆動を制御する車両制御回路の一つであるトルク指令生成器20が生成するMG80のトルク指令値Trq*が入力される。電流制御部30は、これらの情報に基づき、インバータ40を駆動する駆動信号として、ワンパルス信号を含むPWM信号UU、UL、VU、VL、WU、WLを演算する。インバータ40は、PWM信号UU、UL、VU、VL、WU、WLに従ってスイッチング素子41、42、43、44、45、46が動作することにより電力を変換し、電流制御部30の指令に応じた電力をMG80に出力する。第一実施形態では、電流制御部30は、回転角演算部50が出力する補正後回転角θvcに基づく角度一致制御を行う。
次に、回転角演算部50の構成および機能について、図1、3を参照して説明する。図1は、回転角演算部50を構成する各部の関係を示すブロック図である。図3は、回転角演算部50における回転角の演算方法を説明する特性図である。
回転角演算部50は、回転角検出部51と電流制御部30との間に設けられ、それぞれと電気的に接続している。回転角演算部50は、誤差算出部52、偏り誤差算出部53、まとめ補正値算出部54、および、「補正値逐次加算部」としての補正値加算部55を有する。誤差算出部52、偏り誤差算出部53、および、まとめ補正値算出部54は、特許請求の範囲に記載の「補正値算出部」に相当する。
回転角演算部50は、回転角検出部51が出力する回転角検出値θdに含まれる一定の周期毎に変動する正弦波状の周期誤差と、回転角の真値に対するずれであるオフセット状の誤差とをまとめて補正し、補正した補正後回転角θvcを電流制御部30に出力する。
誤差算出部52は、回転角検出部51と電気的に接続している。誤差算出部52には、回転角検出部51が出力する回転角検出値θdが入力される(図3(a)、(d)の実線Lθd)とともに、MG80のロータが事前に設定されている「基準角度」の位置にあることを示す回転角基準信号(以下、「NM信号」という)θstdが入力される(図3(b)の実線Lstd)。第一実施形態では、「基準角度」は、図3(b)に示すように、回転角検出値θdが0度、および、360度となる角度に設定されている。なお、図3(a)には、回転角の真値の時間変化を点線Ltで示す。
誤差算出部52では、NM信号θstdが入力される時刻、例えば、回転角検出値θdが0度になるときの時刻t1における回転角検出値θd1と、回転角検出値θdが360度になるときの時刻t2における回転角検出値θd2とを直線で結ぶ理想角線(図3(a)の点線Ls12)を作成する。誤差算出部52では、その都度の時刻における回転角検出値θdと理想角線との差を逐次誤差Δθとして算出する。例えば、図3(a)に示す時刻t1と時刻t2との間において、時刻t12における実線Lθdと点線Lsとの差を逐次誤差Δθ12として算出する。誤差算出部52は、逐次誤差Δθを偏り誤差算出部53およびまとめ補正値算出部54に出力する。
第一実施形態では、二つのNM信号に挟まれた時間における理想角線が作成される。例えば、図3(a)では、時刻t2と時刻t3との間、および、時刻t3と時刻t4との間のそれぞれにおいて理想角線が作成される(図3(a)の点線Ls23、Ls34)。
偏り誤差算出部53は、誤差算出部52およびまとめ補正値算出部54と電気的に接続している。偏り誤差算出部53は、誤差算出部52が出力する逐次誤差Δθに基づいて二つのNM信号に挟まれた時間における逐次誤差Δθの「所定の間隔毎の平均値」としての偏り誤差AveΔθを算出する。
図3(c)にその都度における逐次誤差Δθの時間変化を実線LΔθで示す。例えば、時刻t1から時刻t2における逐次誤差Δθの平均値としての偏り誤差AveΔθ12を算出する(図3(c)の一点鎖線LaΔθ12)。偏り誤差算出部53は、算出した偏り誤差AveΔθをまとめ補正値算出部54に出力する。第一実施形態では、時刻t2と時刻t3との間、および、時刻t3と時刻t4との間のそれぞれに偏り誤差AveΔθ23、AveΔθ34が算出される(図3(c)の一点鎖線LaΔθ23、LaΔθ34、)。図3では、偏り誤差AveΔθ12、AveΔθ23、AveΔθ34は、同じ値であるため、一点鎖線LaΔθ12、LaΔθ23、LaΔθ34は、直線状に形成されている。
まとめ補正値算出部54は、誤差算出部52、偏り誤差算出部53および補正値加算部55と電気的に接続している。まとめ補正値算出部54は、誤差算出部52が出力する逐次誤差Δθと偏り誤差算出部53が出力する偏り誤差AveΔθとの差(Δθ−AveΔθ)を補正値Vcとしてその都度算出する。このとき、偏り誤差AveΔθは、一周期前の偏り誤差AveΔθを用いて補正値Vcを算出する。例えば、図3(c)の時刻t23における補正値Vc23は、実線LΔθと一点鎖線LaΔθ12との差として算出される。算出された補正値Vcは、補正値加算部55に出力される。
補正値加算部55は、回転角検出部51、まとめ補正値算出部54および電流制御部30と電気的に接続している。補正値加算部55は、まとめ補正値算出部54が出力する補正値Vcの大きさに応じて回転角検出値θdを補正した補正後回転角θvcを算出する。
補正後回転角θvcの時間変化を図3(d)の一点鎖線Lvcで示す。上述した方法によって算出された補正後回転角θvcは、回転角の真値(図3(d)の点線Lt)と一致する。これにより、正弦波状の周期誤差と、回転角の真値に対するずれであるオフセット状の誤差とがまとめて補正される。
算出された補正後回転角θvcは、電流制御部30に出力され、電流制御部30におけるインバータ40を駆動する駆動信号を演算する。
第一実施形態では、ある周期において算出される補正値Vcは、当該周期の次の周期における回転角検出値θdの補正に用いられる。具体的には、図3に示す時刻t12において算出された補正値Vcは、時刻t2と時刻t3との間における時刻t12の回転角検出値θd12と同じ大きさの回転角検出値θd23となる時刻t23の補正後回転角θvcを算出するために用いられる。すなわち、ある周期における補正値Vcは、当該ある周期の一つ前の周期において算出された補正値Vcとなっている。
このため、逐次誤差Δθの変化量が周期によって大きく変化する場合、例えば、図3(c)に示す実線LΔθの振幅が周期によって大きく変化する場合、一点鎖線LaΔθの値がNM信号が出力される時刻においてステップ状に急変するため、補正値Vcは、周期毎に大きく変化することとなる。補正値Vcが周期毎に大きく変化する場合、周期が変わると、補正値Vcが大きく変化するため、補正後回転角θvcが急変するおそれがある。補正後回転角θvcが急変すると、補正後回転角θvcに基づいてインバータ40の駆動信号を演算する電流制御部30によるMG80の制御が不安定になる。
補正後回転角θvcの急変によるMG80の制御安定性の変化について図6を参照して説明する。
図6に電流制御部30における電圧パルス指令値および電圧パルス出力値と補正後回転角θvcとの関係を説明する特性図を示す。図6(a)には、補正後回転角θvcに対する電圧パルス指令値を示す。図6(b)には、補正後回転角θvcの変化量が所定値に比べ小さい場合の電圧パルス出力値を示す。また、図6(c)には、補正後回転角θvcの変化量が所定値以上の場合の電圧パルス出力値を示す。図6(a)〜(c)は、それぞれ横軸に単位を度で示した補正後回転角θvcを示し、縦軸に、指令電圧値または出力電圧値を示す。また、図6(b)、(c)には、図6(a)に示す電圧パルス指令値の補正後回転角に対する変化を二点鎖線Lcで示す。
電流制御部30では、図6(a)に示すように、補正後回転角θvcが角度α1のときに電圧パルスをオフにし、角度α2のときに電圧パルスをオンするよう設定されている。
第一実施形態による回転電機制御装置10では、補正値Vcが変化すると、補正後回転角θvcが急変する場合がある。具体的には、図6(b)に示すように、電圧パルスをオンオフする角度の近傍において、補正後回転角θvcが角度α1に比べ小さい角度β1から角度α1に比べ大きくかつ角度α2に比べ小さい角度β2に急変する場合、角度β2になって初めて電圧パルスがオフとなる。このため、図6(b)に示すように、電流制御部30における設定に比べ遅れて電圧パルス出力がオフとなる。
図6(b)に示した電圧パルス出力の変化の遅れは、補正後回転角θvcが飛ぶ角度の間隔が比較的短い場合であった。しかしながら、補正後回転角θvcが角度α1に比べ小さい角度γ1から角度α2に比べ大きい角度γ2に飛ぶように補正後回転角θvcが飛ぶ角度の間隔が比較的長い場合、図6(c)に示すように、電圧パルス出力がオフとなるよう電圧パルスが制御されない。このため、MG80の制御が不安定になるおそれがある。
そこで、回転電機制御装置10では、補正後回転角θvcの変化量が所定値以上の場合、すなわち、回転角検出値θdに加算される補正値Vcの変化量が所定値以上の場合、まとめ補正値算出部54で算出された補正値Vcを所定値に比べ少ない少なくとも二つ以上の分割補正値Vcdに分割する。補正値加算部55では、当該分割補正値Vcdを直前の回転角検出値θdに加算する。
ここでは、図4、5を参照して回転電機制御装置10における回転角の演算処理の詳細を説明する。図4には、回転角演算部50における演算処理のフローチャートを示す。第一実施形態では、図4に示す演算処理は、回転電機制御装置10を搭載する車両がレディオンされている状態においてMG80のロータの回転速度が一定のときに継続して行われる。
最初に、ステップ(以下、「S」という)101において、回転角検出部51が出力する回転角検出値θdを誤差算出部52が取得する。
次に、S102において、誤差算出部52が逐次誤差Δθを算出する。
次に、S103において、偏り誤差算出部53が偏り誤差AveΔθを算出する。
次に、S104において、まとめ補正値算出部54が補正値Vcを算出する。
次に、S105において、補正値Vcが前回から変化しているか否かを判定する。具体的には、補正値Vcが入力される補正値加算部55において、直前の補正値Vc(−)と今回算出された補正値Vc(0)との大小関係を判定する。補正値Vc(0)が補正値Vc(−)から変化しているとき、S106に進む。補正値Vc(0)が補正値Vc(−)から変化していないとき、S110に進む。
次に、S106において、「補正値変化量」としての補正値Vcの前回からの変化量の絶対値が所定値の絶対値以上であるか否かを判定する。ここで、「所定値」とは、図6を参照して説明したように、例えば、電圧パルス出力が電流制御部30における電圧パルス指令とは異なる制御によってMG80の制御が不安定になるときの補正値Vcの変化量を指す。
具体的には、S106では、補正値加算部55において、補正値Vc(−)に対する補正値Vc(0)の変化量{Vc(0)−Vc(−)}(以下、「補正値変化量Vch」とする)の絶対値が所定値の絶対値以上であるか否かを判定する。補正値変化量Vchの絶対値が所定値の絶対値以上であると判定されると、S107に進む。補正値変化量Vchの絶対値が所定値の絶対値より小さいと判定されると、S109に進む。
S106において補正値変化量Vchの絶対値が所定値の絶対値以上であると判定されると、S107において、補正値変化量Vchを回転角検出値に加算する回数を算出する。このとき、補正値変化量Vchを加算する回数にあわせて分割する。補正値変化量Vchを分割して算出された分割補正値Vcdの絶対値は、所定値の絶対値に比べ小さい値となっている。
次に、S108において、分割補正値Vcdを加算するタイミングを設定する。具体的には、検出される回転角検出値θdに応じて複数の分割補正値Vcdを補正値Vcに所定の間隔をもって加算するタイミングを設定する。
また、S106において補正値変化量Vchの絶対値が所定値の絶対値に比べ小さいと判定されると、S109において、補正値変化量Vchを直前の補正値Vc(0)に加算するタイミングを設定する。
S108またはS109の次に、S110において、S108またはS109において設定された分割補正値Vcdまたは補正値変化量Vchを加算するタイミングであるか否かを判定する。分割補正値Vcdまたは補正値変化量Vchを加算するタイミングであると判定される場合、S111に進む。分割補正値Vcdまたは補正値変化量Vchを加算するタイミングでないと判定される場合、S112に進む。
S110において分割補正値Vcdまたは補正値変化量Vchを加算するタイミングであると判定されると、S111において、補正値Vcに分割補正値Vcdまたは補正値変化量Vchを加算する。これにより、修正誤差補正値が算出される。
次に、S112において、補正後回転角θvcを算出する。具体的には、S111において算出した修正誤差補正値を回転角検出値θdに加算する。算出された補正後回転角θvcは、電流制御部30に出力される。
第一実施形態による回転電機制御装置10では、このようにして補正後回転角θvcを算出し、電流制御部30によってMG80の駆動を制御する。
次に、第一実施形態による回転電機制御装置10の効果を説明する。
(1)図5に回転角検出値θdに対する補正後回転角θvcの変化を示す。第一実施形態では、図5(a)に示すように、回転角検出値θdが360度のとき、補正値Vcが直前の補正値Vc(−)から今回算出された補正値Vc(0)に変化する。このとき、回転電機制御装置10では、補正値変化量Vchの絶対値が所定値の絶対値以上である場合、補正後回転角θvcが大きく変化することを防止するため、補正値変化量Vchを絶対値が所定値の絶対値に比べ小さい少なくとも二つ以上の分割補正値Vcdとする。図5では、補正値変化量Vchを二つの分割補正値Vcd11、Vcd12に分割している。
回転電機制御装置10では、この二つの分割補正値Vcd11、Vcd12をある程度の間隔をもって回転角検出値θdに加算する。例えば、図5(b)に示すように、回転角検出値θdが0度より大きい回転角検出値θd11となったときに分割補正値Vcd11を加算し、回転角検出値θdが回転角検出値θd11より大きい回転角検出値θd12となったときに分割補正値Vcd12を加算する。これにより、回転角検出値θdが0度となったときに補正値変化量Vchを回転角検出値θdに一度に加算する場合(図5(b)の二点鎖線L0)に比べ、補正後回転角θvcの飛びが小さくなる(図5(b)の二点鎖線L1)ため、図6(c)に示すような電圧パルス出力の制御ができない時間帯がなくなる。したがって、MG80を駆動する電圧の値やMG80を流れる電流の値が比較的大きく変動することが抑制され、MG80の出力トルクが急変することを防止することができる。
(2)また、MG80を駆動する電圧の値が比較的大きく変動することが抑制される。これにより、電圧の大きな変動を抑制するための比較的大容量の平滑コンデンサが不要となるため、平滑コンデンサを小型化することができる。したがって、回転電機制御装置10の製造コストを低減することができる。
(3)回転電機制御装置10では、偏り誤差AveΔθに対する逐次誤差Δθのずれに基づいて補正値Vcとしてその都度算出する。偏り誤差AveΔθは、誤差算出部52が出力する逐次誤差Δθに基づいて一周期における逐次誤差Δθの平均値であって、回転角検出値θdに含まれるオフセット状の誤差を補正することができる。これにより、回転電機制御装置10は、正弦波状の周期誤差とオフセット状の誤差とをまとめて補正することができるため、補正後回転角θvcと真値との誤差を小さくすることができる。したがって、回転電機制御装置10は、MG80の制御精度を向上させることができる。
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態による回転電機制御装置を図7、8に基づいて説明する。第二実施形態は、補正後回転角θvcの変化量に対する演算処理が第一実施形態と異なる。なお、第一実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第二実施形態による回転電機制御装置における回転角検出値θdに対する補正後回転角θvcの変化を図7、8に示す。
第二実施形態による回転電機制御装置では、補正値加算部55は、分割補正値Vcdを加算する直前の補正後回転角θvcの単位時間当たりの変化量が正のとき、分割補正値Vcdを加算して算出した補正後回転角θvcの値が分割補正値Vcdを加算する直前の補正後回転角θvcの値に比べ大きくなるよう分割補正値Vcdの大きさおよび分割補正値Vcdを加算するタイミングの少なくとも一方を設定する。
第二実施形態による回転電機制御装置では、図7(a)に示すように、回転角検出値θdが0度のときに加算される補正値変化量Vchが負の値となっており、補正値変化量Vchの絶対値が所定値の絶対値以上となっている場合、補正値変化量Vchを二つの分割補正値Vcd21、Vcd22に分割する。負の値となっている分割補正値Vcd21、Vcd22は、絶対値の大きさが所定値の絶対値より小さい値となっている。このときの分割補正値Vcd21を加算する直前の補正後回転角θvcは、図7(b)に示すように、回転角検出値θdの増加とともに増加している。すなわち、補正後回転角θvcの単位時間当たりの変化量は正となっている。
この場合、回転角検出値θdが0度より大きい回転角検出値θd21になったとき、補正後回転角θvc20に分割補正値Vcd21を加算する。補正後回転角θvc20と分割補正値Vcd21との合計である補正後回転角θvc21は、補正後回転角θvc20の直前の補正後回転角θvc19に比べ大きくなっている。
また、回転角検出値θdが回転角検出値θd21より大きい回転角検出値θd22になったとき、補正後回転角θvc22に分割補正値Vcd22を加算する。補正後回転角θvc22と分割補正値Vcd22との合計である補正後回転角θvc23は、補正後回転角θvc22の直前の補正後回転角θvc21に比べ大きくなっている。
また、第二実施形態による回転電機制御装置では、補正値加算部55は、分割補正値を加算する直前の補正後回転角の単位時間当たりの変化量が負のとき、分割補正値を加算して算出した補正後回転角の値が分割補正値を加算する直前の補正後回転角の値に比べ小さくなるよう分割補正値の大きさおよび分割補正値を加算するタイミングの少なくとも一方を設定する。
第二実施形態による回転電機制御装置では、図8(a)に示すように、回転角検出値θdが0度のときに加算される補正値変化量Vchが正の値となっており、補正値変化量Vchの絶対値が所定値の絶対値以上となっている場合、補正値変化量Vchを二つの分割補正値Vcd31、Vcd32に分割する。正の値となっている分割補正値Vcd31、Vcd32は、絶対値の大きさが所定値の絶対値より小さい値となっている。このときの分割補正値Vcd31を加算する直前の補正後回転角θvcは、図8(b)に示すように、回転角検出値θdの増加とともに減少している。すなわち、補正後回転角θvcの単位時間当たりの変化量は負となっている。
この場合、回転角検出値θdが0度より大きい回転角検出値θd31になったとき、補正後回転角θvc30に分割補正値Vcd31を加算する。補正後回転角θvc30と分割補正値Vcd31との合計である補正後回転角θvc31は、補正後回転角θvc30の直前の補正後回転角θvc29に比べ小さくなっている。
また、回転角検出値θdが回転角検出値θd31より大きい回転角検出値θd32になったとき、補正後回転角θvc32に分割補正値Vcd32を加算する。補正後回転角θvc32と分割補正値Vcd32との合計である補正後回転角θvc33は、補正後回転角θvc32の直前の補正後回転角θvc31に比べ小さくなっている。
第二実施形態による回転電機制御装置では、分割補正値Vcdを加算する直前の補正後回転角θvcの単位時間当たりの変化量が分割補正値Vcdの加算によって逆転しないよう分割補正値Vcdを加算する。これにより、補正後回転角θvcから導出されるMG80のロータの回転速度情報が瞬間的に逆転することを防止できる。したがって、第二実施形態は、第一実施形態と同じ効果を奏するとともに、ロータの回転速度情報の瞬間的な逆転によってインバータ40の駆動信号やトルク指令値Trq*が不適切な値となりMG80の電圧や電流、トルクなどが大きく変動することを防止できる。
(第三実施形態)
次に、本発明の第三実施形態による回転電機制御装置を図9に基づいて説明する。第三実施形態は、補正後回転角の演算処理が第一実施形態と異なる。なお、第一実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第三実施形態による回転電機制御装置では、分割補正値Vcdを補正値Vcに加算するタイミングを均等に設定する。
第三実施形態による回転電機制御装置における回転角検出値θdに対する補正後回転角θvcの変化を図9に示す。
第三実施形態による回転電機制御装置では、例えば、図9(a)に示すように、絶対値が所定値の絶対値に比べて小さい四つの分割補正値Vcd41、Vcd42、Vcd43、Vcd44が設定されている。補正値加算部55では、S108において、分割補正値Vcdを均等なタイミングで補正値Vcに加算するよう分割補正値Vcdを加算するタイミングを設定する。第三実施形態では、基準角度である360度を分割補正値Vcdの数である4に1を加えた5で割った数字、すなわち、72度を「所定の角度」として、回転角検出値θdの変化量が前回の分割補正値Vcdが加算されたときの回転角検出値の値から72度となったとき、回転角検出値θdに今回の分割補正値Vcdを加算する。
具体的には、図9(b)に示すように、分割補正値Vcd41は、回転角検出値θdが72度のときに補正値Vcに加算される。また、分割補正値Vcd42は、回転角検出値θdが144度のとき、補正値Vcに加算される。また、分割補正値Vcd43は、回転角検出値θdが216度のとき、補正値Vcに加算される。また、分割補正値Vcd44は、回転角検出値θdが288度のとき、補正値Vcに加算される。
第三実施形態による回転電機制御装置では、四つに分割された分割補正値Vcd41、Vcd42、Vcd43、Vcd44を均等なタイミングで補正値Vcに加算する(図9(b)の二点鎖線L41)。これにより、回転角検出値θdが0度のときに分割補正値Vcd41、Vcd42、Vcd43、Vcd44を連続して加算した補正値Vcを回転角検出値θdに加算する場合(図9(b)の二点鎖線L40)場合に比べ、補正後回転角θvcの変化も比較的小さくなる。したがって、第三実施形態は、第一実施形態と同じ効果を奏するとともに、補正後回転角θvcの変化をさらに小さくするため、MG80の出力トルクの変動をさらに小さくすることができる。
(第四実施形態)
次に、本発明の第四実施形態による回転電機制御装置を図10に基づいて説明する。第四実施形態は、補正後回転角の演算処理が第一実施形態と異なる。なお、第一実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第四実施形態による回転電機制御装置では、分割補正値Vcdの大きさおよび分割補正値Vcdを補正値Vcに加算するタイミングを事前に設定しておく。
第四実施形態による回転電機制御装置における分割補正値Vcdの大きさおよび分割補正値Vcdを補正値Vcに加算するタイミングをまとめた表の一例を図10に示す。第四実施形態では、補正値変化量Vchの「所定値」の絶対値は、2LSBに設定されている。すなわち、補正値変化量Vchの絶対値が2LSB以上である場合、補正値変化量Vchを複数の分割補正値Vcdに分割する。
第四実施形態による回転電機制御装置では、図10に示す設定に従って分割補正値Vcdを補正値Vcに加算する。
例えば、補正値変化量Vchが+3LSBの場合、回転角検出値θdが45〜90度の範囲にあるとき、分割補正値Vcdとして+1LSBを補正値Vcに加算する。また、回転角検出値θdが45〜90度の範囲にあるときに+1LSBを補正値Vcに加算した同じ周期において回転角検出値θdが135〜180度の範囲にあるとき、分割補正値Vcdとして+1LSBを補正値Vcに加算する。また、回転角検出値θdが135〜180度の範囲にあるときに+1LSBを補正値Vcに加算した同じ周期において回転角検出値θdが225〜270度の範囲にあるとき、分割補正値Vcdとして+1LSBを補正値Vcに加算する。これらは、補正値変化量Vchの大きさに応じて任意に設定することが可能である。
第四実施形態による回転電機制御装置では、補正値変化量Vchの絶対値が所定値の絶対値以上の場合、事前に設定されている分割補正値Vcdの値および分割補正値Vcdを加算するタイミングによって補正値Vcに加算する。これにより、第四実施形態は、第一実施形態と同じ効果を奏する。
(第五実施形態)
次に、本発明の第五実施形態による回転電機制御装置を図11〜13に基づいて説明する。第五実施形態は、回転角演算部の構成が第一実施形態と異なる。なお、第一実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第五実施形態による回転電機制御装置の回転角演算部60のブロック図を図11に示す。回転角演算部60は、回転角検出部51と電流制御部30との間に設けられている。回転角演算部60は、補正値算出部64、および、補正値加算部65を有する。
補正値算出部64は、回転角検出部51と電気的に接続している。補正値算出部64には、回転角検出部51が出力する回転角検出値θdが入力される。補正値算出部64は、回転角検出値θdに対応する補正値Vcが示されている基準マップを有している、補正値算出部64では、回転角検出部51から入力される回転角検出値θdに基づいて補正値Vcを算出する。算出されたVcは、補正値加算部65に出力される。
補正値加算部65は、回転角検出部51、補正値算出部64および電流制御部30と電気的に接続している。補正値加算部65は、補正値算出部64が出力する補正値Vcの大きさに応じて回転角検出値θdを補正した補正後回転角θvcを算出する。算出された補正後回転角θvcは、電流制御部30に出力される。電流制御部30では、補正後回転角θvcに基づいてインバータ40を駆動する駆動信号を演算する。
次に、図12〜14を参照して、第五実施形態による回転電機制御装置における回転角の演算処理の詳細を説明する。図12には、回転角演算部60における演算処理のフローチャートを示す。第五実施形態では、図12に示す演算処理は、第五実施形態による回転電機制御装置を搭載する車両がレディオンされている状態において継続して行われる。
最初に、S201において、回転角検出部51が出力する回転角検出値θdを補正値算出部64が取得する。
次に、S202において、補正値算出部64が補正値Vcを算出する。
次に、S203において、補正値Vcが前回から変化しているか否かを判定する。具体的には、補正値Vcが入力される補正値加算部65において、直前の回転角検出値θdに基づいて算出された補正値Vc(−)と今回の回転角検出値θdに基づいて算出された補正値Vc(0)との大小関係を判定する。補正値Vc(0)が補正値Vc(−)から変化しているとき、S204に進む。補正値Vc(0)が補正値Vc(−)から変化していないとき、S208に進む。
次に、S204において、第一実施形態のS106と同様に、補正値Vcの前回からの変化量の絶対値が所定値の絶対値以上であるか否かを判定する。補正値変化量Vchの絶対値が所定値の絶対値以上であると判定されると、S205に進む。補正値変化量Vchの絶対値が所定値の絶対値より小さいと判定されると、S207に進む。
S204において補正値変化量Vchの絶対値が所定値の絶対値以上であると判定されると、S205において、第一実施形態のS107と同様に、補正値変化量Vchを回転角検出値に加算する回数を算出するとともに、絶対値が所定値の絶対値より小さい分割補正値Vcdを算出する。
次に、S206において、分割補正値Vcdを加算するタイミングを設定する。第五実施形態では、例えば、図13(a)に示すように、補正値変化量Vchが算出された時刻t51、時刻t51の次に回転角検出部51が回転角検出値θdを出力する時刻t52、および、時刻t52の次に回転角検出部51が回転角検出値θdを出力する時刻t53のそれぞれに分割補正値Vcdを加算すると設定する。しかしながら、分割補正値Vcdを加算するタイミングは、これに限定されない。例えば、時刻t51、時刻t51の次々回の回転角検出部51が回転角検出値θdを出力する時刻t53、および、時刻t53の次に回転角検出部51が回転角検出値θdを出力する時刻t54のような組み合わせであってもよい。
また、S204において補正値変化量Vchの絶対値が所定値の絶対値に比べ小さいと判定されると、S207において、第一実施形態のS109と同様に、補正値変化量Vchを直前の補正値Vc(0)に加算するタイミングを設定する。
S206またはS207の次に、S208において、第一実施形態のS110と同様に、S206またはS207において設定された分割補正値Vcdまたは補正値変化量Vchを加算するタイミングであるか否かを判定する。分割補正値Vcdまたは補正値変化量Vchを加算するタイミングであると判定される場合、S209に進む。分割補正値Vcdまたは補正値変化量Vchを加算するタイミングでないと判定される場合、S210に進む。
S208において分割補正値Vcdまたは補正値変化量Vchを加算するタイミングであると判定されると、S209において、第一実施形態のS111と同様に、補正値Vcに分割補正値Vcdまたは補正値変化量Vchを加算する。これにより、修正誤差補正値が算出される。
次に、S210において、第一実施形態のS112と同様に、補正後回転角θvcを算出する。算出された補正後回転角θvcは、電流制御部30に出力される。
第五実施形態による回転電機制御装置では、このようにして補正後回転角θvcを算出し、電流制御部30によってMG80の駆動を制御する。
第五実施形態では、回転角を検出する度に、補正値変化量Vchの絶対値が所定値の絶対値以上である場合、補正値変化量Vchを絶対値が所定値の絶対値に比べ小さい少なくとも二つ以上に分割した分割補正値Vcdを直前の回転角検出値に基づいて算出された補正値Vc(−)に逐次加算していく。これにより、補正値変化量Vchを回転角検出値θdに一度に加算する場合(図13(b)の二点鎖線L0および実線矢印F0)に比べ、補正後回転角θvcの飛びが小さくなる(図13(b)の二点鎖線L0および実線矢印F51、F52、F53)。したがって、第五実施形態は、第一実施形態の効果(a)、(b)を奏する。
(第六実施形態)
次に、本発明の第六実施形態による回転電機制御装置を図14、15に基づいて説明する。第六実施形態は、補正後回転角の演算処理が第五実施形態と異なる。なお、第五実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第六実施形態による回転電機制御装置における回転角検出値θdに対する補正後回転角θvcの変化を図14、15に示す。
第六実施形態による回転電機制御装置では、図14(a)に示すように、補正値変化量Vchが負の値となっており、補正値変化量Vchの絶対値が所定値の絶対値以上となっている場合、補正値変化量Vchを少なくとも二つ以上の分割補正値Vcdに分割する。第六実施形態では、補正値変化量Vchは、例えば、マイナス3LSBであって、マイナス1LSBの分割補正値Vcd61、Vcd62、Vcd63の三つに分割する。分割補正値Vcd61、Vcd62、Vcd63は、その絶対値の大きさが所定値より小さい値となっている。
第六実施形態による回転電機制御装置では、補正値加算部65は、図14(b)に示すように、分割補正値Vcd61を加算する直前の補正後回転角θvcの単位時間当たりの変化量が正である場合、時刻t61において回転角検出値θdが1LSB増加するとき、時刻t61において分割補正値Vcd61を回転角検出値θdに加算する。このため、時刻t61における補正後回転角θvc61と時刻t61の直前に回転角検出値θdが検出された時刻t60における補正後回転角θvc60の値は同じになっている。
また、時刻t62において回転角検出値θdが1LSB増加するとき、時刻t62において分割補正値Vcd62を回転角検出値θdに加算する。このため、時刻t62における補正後回転角θvc62と時刻t61における補正後回転角θvc61の値は同じになっている。
また、時刻t63における分割補正値Vcd63の回転角検出値θdへの加算についても同様である。
また、第六実施形態による回転電機制御装置では、図15(a)に示すように、補正値変化量Vchが正の値となっており、補正値変化量Vchの絶対値が所定値の絶対値以上となっている場合、補正値変化量Vchを少なくとも二つ以上の分割補正値Vcdに分割する。第六実施形態では、補正値変化量Vchは、例えば、プラス3LSBであって、プラス1LSBの三つの分割補正値Vcd71、Vcd72、Vcd73に分割する。分割補正値Vcd71、Vcd72、Vcd73は、絶対値の大きさが所定値より小さい値となっている。
第六実施形態による回転電機制御装置では、補正値加算部65は、図15(b)に示すように、分割補正値Vcd71を加算する直前の補正後回転角θvcの単位時間当たりの変化量が負である場合、時刻t71において回転角検出値θdが1LSB減少するとき、時刻t71において分割補正値Vcd71を回転角検出値θdに加算する。このため、時刻t71における補正後回転角θvc71と時刻t71の直前に回転角検出値θdが検出された時刻t70における補正後回転角θvc70の値は同じになっている。
また、時刻t72において回転角検出値θdが1LSB減少するとき、時刻t72において分割補正値Vcd72を回転角検出値θdに加算する。このため、時刻t72における補正後回転角θvc72と時刻t71における補正後回転角θvc71の値は同じになっている。
また、時刻t72における分割補正値Vcd72の回転角検出値θdへの加算についても同様である。
第六実施形態による回転電機制御装置では、分割補正値Vcdを加算する直前の補正後回転角θvcの単位時間当たりの変化量が逆転しないよう分割補正値Vcdを加算する。これにより、図14(b)に示すように、補正値変化量Vchを一度に補正値Vcに加算することによって補正後回転角θvcの単位時間当たりの変化量が正から負に変化(図14(b)の実線矢印F60)することを防止することができる。また、図15(b)に示すように、補正値変化量Vchを一度に補正値Vcに加算することによって補正後回転角θvcの単位時間当たりの変化量が負から正に変化(図15(b)の実線矢印F70)することを防止することができる。したがって、第六実施形態は、第一実施形態と同じ効果を奏するとともに、補正後回転角θvcから導出される回転速度情報の瞬間的な逆転によってインバータ40の駆動信号やトルク指令値Trq*が不適切な値となりMG80の電圧や電流、トルクなどが大きく変動することを防止できる。
(他の実施形態)
上述の実施形態では、回転電機制御装置は、ハイブリッド自動車や電気自動車の動力源として車両に搭載されるMGの通電を制御するとした。しかしながら、回転電機制御装置が適用される技術はこれに限定されない。車両には限定されない。
上述の実施形態では、電流制御部30は、回転角演算部50が出力する補正後回転角θvcに基づく角度一致制御を行うとした。しかしながら、電流制御部30がMG80を制御する方法はこれに限定されない。例えば、三角波比較のPWM制御など定まった周期の時間に基づいてMGの電流電圧を制御するシステムに用いられてもよい。
第一〜三、五、六実施形態では、補正値の変化量を判定する基準としての補正値の「所定値」は、電圧パルス出力が電流制御部30における電圧パルス指令とは異なる制御によってMG80の制御が不安定になるときの補正値の変化量であるとした。しかしながら、「所定値」の大きさはこれに限定されない。第四実施形態のように、2LSB以上としてもよい。
上述の実施形態では、分割補正値のそれぞれの大きさは異なっているとした。大きさは同じであってもよい。
第二実施形態では、分割補正値Vcdを加算する直前の補正後回転角θvcの単位時間当たりの変化量の正の場合、分割補正値Vcdを加算した補正後回転角θvcは、当該分割補正値Vcdを加算する直前の補正後回転角θvcに比べ大きくなるとした。また、分割補正値Vcdを加算する直前の補正後回転角θvcの単位時間当たりの変化量の負の場合、分割補正値Vcdを加算した補正後回転角θvcは、当該分割補正値Vcdを加算する直前の補正後回転角θvcに比べ小さくなるとした。しかしながら、加算前後における補正後回転角θvcの大きさは同じであってもよい。
第三実施形態では、複数の分割補正値Vcdは、回転角検出値θdの変化量が基準角度を均等に分割した「所定の角度」変化する度に加算されるとした。しかしながら、加算されるタイミングとなる「所定の角度」は、基準角度を均等に分割した角度でなくてもよい。
第四実施形態では、分割補正値Vcdは、ある角度範囲、例えば、回転角検出値θdが45〜90度の範囲に補正値Vcに加算されるとした。しかしながら、特定の角度、例えば、45度のときに分割補正値Vcdを加算するよう設定してもよい。
第一〜四実施形態では、回転角検出値θdに含まれる誤差のうちオフセット状の誤差は、逐次誤差Δθの平均値である偏り誤差AveΔθを算出することによって補正するとした。しかしながら、オフセット状の誤差を補正する方法はこれに限定されない。補正値算出部がオフセット状の誤差に関するマップを有しており、当該マップに従ってオフセット状の誤差を補正してもよい。
上述の実施形態では、基準角度は、360度毎に設定されるとした。しかしながら、基準角度が設定される角度はこれに限定されない。360度の整数倍であればよい。
上述の実施形態では、MG80の三相巻線81、82、83のうち二相の巻線に接続される電流経路には、相電流を検出する電流センサが設けられる。しかしながら、三相の電流を検出してもよい。また、一相の電流検出値に基づいて他の二相の電流を推定する技術を採用してもよい。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
10・・・回転電機制御装置
30・・・電流制御部(制御部)
40・・・インバータ(制御部)
80・・・モータジェネレータ(回転電機)
51・・・回転角検出部
52・・・誤差検出部(補正値算出部)
53・・・偏り誤差算出部(補正値算出部)
54・・・まとめ補正値算出部(補正値算出部)
55、65・・・補正値加算部(補正値逐次加算部)
64・・・補正値算出部

Claims (7)

  1. 回転電機(80)の回転角を検出可能な回転角検出部(51)と、
    前記回転角検出部と電気的に接続し、前記回転角検出部が検出した前記回転電機の回転角検出値を補正する補正値(Vc)を算出する補正値算出部(52、53、54、64)と、
    前記補正値算出部と電気的に接続し、直前の補正値と今回の補正値との差である補正値変化量(Vch)の絶対値が所定値の絶対値以上のとき、前記補正値変化量を前記所定値の絶対値に比べ小さい少なくとも二つ以上に分割した分割補正値(Vcd)を算出し、当該分割補正値を前記回転角検出値に加算した補正後回転角(θvc)を逐次算出する補正値逐次加算部(55、65)と、
    前記補正後回転角に基づいて前記回転電機の駆動を制御する制御部(30、40)と、
    を備える回転電機制御装置。
  2. 前記補正値逐次加算部は、前記分割補正値を前記回転角検出値に加算するタイミングを設定可能な請求項1に記載の回転電機制御装置。
  3. 前記補正値逐次加算部は、前記分割補正値を加算する直前の前記補正後回転角の単位時間当たりの変化量が正のとき、当該分割補正値を加算して算出した前記補正後回転角の値が当該分割補正値を加算する直前の前記補正後回転角の値に比べ大きくなるよう、または、当該分割補正値を加算する直前の前記補正後回転角の値と同じ大きさになるよう、当該分割補正値の大きさおよび当該分割補正値を加算するタイミングの少なくとも一方を設定する請求項1または2に記載の回転電機制御装置。
  4. 前記補正値逐次加算部は、前記分割補正値を加算する直前の前記補正後回転角の単位時間当たりの変化量が負のとき、当該分割補正値を加算して算出した前記補正後回転角の値が当該分割補正値を加算する直前の前記補正後回転角の値に比べ小さくなるよう、または、当該分割補正値を加算する直前の前記補正後回転角の値と同じ大きさになるよう、当該分割補正値の大きさおよび当該分割補正値を加算するタイミングの少なくとも一方を設定する請求項1〜3のいずれか一項に記載の回転電機制御装置。
  5. 前記補正値算出部は、
    前記回転角検出部と電気的に接続し、前記回転角検出部が検出した前記回転角検出値のその都度の逐次誤差(Δθ)を算出可能な誤差算出部(52)と、
    前記誤差算出部と電気的に接続し、前記逐次誤差の所定の間隔毎の平均値を偏り誤差(AveΔθ)として算出する偏り誤差算出部(53)と、
    を有し、
    前記逐次誤差と前記偏り誤差とに基づいて前記補正値を算出可能である請求項1〜4のいずれか一項に記載の回転電機制御装置。
  6. 前記回転角検出値が360度の整数倍で設定される角度を基準角度とすると、
    前記所定の間隔は、第一の基準角度と当該第一の基準角度の次の第二の基準角度との間である請求項5に記載の回転電機制御装置。
  7. 前記補正値逐次加算部は、前記回転角検出値の変化量が前回の前記分割補正値が加算されたときの前記回転角検出値の値から所定の角度となったとき、前記回転角検出値に今回の前記分割補正値を加算し、
    前記所定の角度は、前記基準角度において算出される前記分割補正値の数に1を加えた値で360を割った角度である請求項6に記載の回転電機制御装置。
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