JP2021012379A - 光学膜 - Google Patents
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Abstract
Description
4.0[MPa1/2] ≦δp ≦8.0[MPa1/2] (II)
9.0[MPa1/2] ≦δH ≦14.0[MPa1/2] (III)
2.0≦b≦6.0 (V)
a/b≧2 (VI)
トリフルオロ酢酸マグネシウムは、湿式プロセスでフッ化マグネシウムを形成させるための前駆体であり、例えば下記反応式(1)の反応で得られる。
トリフルオロ酢酸マグネシウムの平均粒子径は、5nm〜50nmの範囲が好ましく、5nm〜30nmの範囲であることがより好ましい。平均粒子径が5nm以下では、成膜する際に所望の膜厚を形成させることが難しい。また、平均粒子径が50nmを超える場合は粒子間の隙間が大きくなり、緻密な膜が形成されない。
α置換βジケトンは、トリフルオロ酢酸マグネシウムゾルを調製する際に安定化剤として作用し、トリフルオロ酢酸マグネシウムゾル粒子の凝集を抑制するものである。α置換βジケトンは、下記一般式(1)で表されるものである。
溶媒は、有機溶媒が好ましい。有機溶媒としては、アルコール系溶媒、脂肪族系もしくは脂環族系の炭化水素系溶媒、各種の芳香族炭化水素系、各種のエステル系、各種のケトン系、各種のエーテル系、非プロトン性極性溶剤等が挙げられる。本発明の光学膜に用いられるトリフルオロ酢酸マグネシウムゾルを調製する際には、特定のハンセンパラメ−タ(δd,δp,δH)を有する溶媒を使用することが好ましい。分散項δdは15.0以上16.5以下が好ましく、極性項δpは4.0以上8.0以下が好ましく、水素結合項δHは9.0以上14.0以下が好ましい。
ゾル溶液は、トリフルオロ酢酸マグネシウム微粒子と、α置換βジケトンと、溶媒とを含む。以下、各成分の含有量、割合等を説明する。
ゾル溶液中のトリフルオロ酢酸マグネシウムの含有量a[%]は、5.0〜35.0%が好ましく、8.0%以上27.0%以下がより好ましい。含有量a[%]が5.0%未満の場合は、トリフルオロ酢酸マグネシウムの割合が少なすぎるため成膜性が低下してしまう。また、含有量a[%]が35.0%を超える場合は、溶液中のトリフルオロ酢酸マグネシウム量が過剰になるため、粒子同士の凝集が激しくなり溶液中での分散状態の安定性が低下する。
ゾル溶液中のα置換βジケトンの含有量b[%]は、0.7〜15.0%が好ましく、2.0%以上6.0%以下がより好ましい。含有量b[%]が0.7%未満の場合は、トリフルオロ酢酸マグネシウムに対してα置換βジケトンの割合が少なすぎるため、粒子同士の凝集が激しくなり溶液中での分散状態の安定性が低下する。また、含有量b[%]が15.0%を超える場合は、α置換βジケトンの含有量が過剰になるため、成膜後の膜中への残留により光学特性が低下する。
上記a[%]とb[%]の割合、a/bは、0.7以上が好ましく、2.0以上がより好ましい。a/bが0.7未満の場合は、トリフルオロ酢酸マグネシウムに対するα置換βジケトンの割合が少なすぎるため、ゾル粒子同士の凝集が激しくなり、溶液中での分散状態の安定性が低下する。また、分散状態の安定性のためには、a/bは、30.0以下が好ましく、10.0以下がより好ましい。
光学膜は、フッ化マグネシウム層の単層で構成されても良いが、他の材料より成る層を含む2層以上の層で構成されても良い。2層以上から構成される光学膜の場合は、反射防止性能をより向上させるために、空孔を有する層を含むことが好ましい。さらに、この空孔を有する層はフッ化マグネシウム層の上部に形成されていることが好ましい。そして、空孔を有する層が、フッ化マグネシウム層よりも表層側にくるように使用される。
0%以上35%以下が望ましい。シェルの厚みが10%未満であると、粒子の強度が不足する。また、シェルの厚みが50%を超えると、中空の効果が屈折率に顕著には現れなくなる。
本発明の光学膜は、上記のゾル溶液を基材に塗布し、塗布した基材を加熱して製造することが出来る。上記で調製したゾル溶液は、光学素子上に塗布することで成膜される。塗布膜を形成する方法として、例えばディッピング法、スピンコート法、スプレー法、印刷法、フローコート法、ならびにこれらの併用等、既知の塗布手段を適宜採用することができる。膜厚は、ディッピング法における引き上げ速度やスピンコート法における基板回転速度などを変化させることと、塗布溶液の濃度を変えることにより制御することが可能である。
(1)材料の調製
<α置換βジケトンの合成>
α置換βジケトンとして、3−メチル−2,4−ペンタンジオンを合成した。
基板(スライドガラス 水縁磨 材質:ソーダガラス 角型 3t×40×40mm)をイソプロピルアルコールで30分間超音波洗浄、乾燥させた後、30分間オゾン洗浄、基板洗浄用スプレーでゴミを取り除き、コーティング用ガラス基板とした。このコーティング用ガラス基板上に、上記トリフルオロ酢酸マグネシウムゾル溶液0.3mlを、スピンコート装置(商品名:「1H−D7」、ミカサ(株)製)を用い、回転数4000pm、90秒間でスピンコートした。その後、250℃にて2時間焼成し、光学膜を製造した(表1中、層構成A)。
仕込み量を、マグネシウムジエトキシド17部、2−エチル1−ブタノール82部、3−メチル−2,4−ペンタンジオン9部、トリフルオロ酢酸(反応物)36部に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて、トリフルオロ酢酸マグネシウムゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同じ方法にて成膜して、光学膜を製造した。
仕込み量を、マグネシウムジエトキシド4部、2−エチル1−ブタノール123部、3−メチル−2,4−ペンタンジオン9部、トリフルオロ酢酸(反応物)8部に変更した以外は、実施例1と同様にして、トリフルオロ酢酸マグネシウムゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同じ方法にて成膜して、光学膜を製造した。
仕込み量を、マグネシウムジエトキシド20部、2−エチル1−ブタノール74部、3−メチル−2,4−ペンタンジオン9部、トリフルオロ酢酸(反応物)41部に変更した以外は、実施例1と同様にして、トリフルオロ酢酸マグネシウムゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同じ方法にて成膜して、光学膜を製造した。
(1)材料の調製
<中空粒子液の調製>
中空シリカスラリーIPA分散液(日揮触媒化成株式会社製 スルーリア1110、平
均フェレ径55nm、固形分濃度20.5wt%、)4.5重量部に1−エトキシ−2−プロパノール9.00重量部100mlのナスフラスコに入れ、エバポレーターにて濃縮し、溶媒を1−エトキシ−2−プロパノールに置換した。その後、1−エトキシ−2−プロパノール11.0重量部、1−ブトキシ−2−プロパノール15.0重量部、2―エチルブタノール13.5重量部添加して、1.9wt%の中空粒子液を調製した。
シリコーンレジン(信越化学工業株式会社製 KR−311)1質量部にキシレン75質量部添加し、0.8wt%のバインダー液を調製した。
実施例1と同じ方法にて成膜したフッ化マグネシウム層の上に、上記中空粒子液0.3mlを、スピンコート装置を用い、回転数2000rpm、90秒間でスピンコートした。その上にバインダー液0.3mlを、スピンコート装置を用い、回転数2000rpm、90秒間でスピンコートし、200℃で2時間加熱処理を施し光学膜を得た(表1中、層構成B)。
(1)材料の調製
<シリカ粒子分散溶液の調製>
温度計及び攪拌装置を備えた反応容器に、ケイ酸エチル95部(基質)、0.1%塩酸水溶液85部を加え、水浴を20℃に保ちながら200rpmで攪拌し60分間反応させた。得られた溶液を耐熱容器に移し、200℃のオーブンで2時間縮合反応を進めバルク状のシリカを得た。得られたシリカを、ボールミル(入江商会社製V−1ML)を用い鋼球ボールにてポット内で粉砕し、粉砕したシリカ粉末20部を2−プロパノール180部に分散させた。得られたシリカ分散溶液を、湿式粉砕装置(株式会社スギノマシン社製 HJP−25001)にてさらに微粒子化し、固形分10wt%(平均粒子径13nm)のシリカ粒子分散溶液を得た。
実施例1と同じ方法にて成膜したフッ化マグネシウム層の上に、上記シリカ粒子溶液0.3mlを、スピンコート装置を用い、回転数2000rpm、90秒間でスピンコートした。その上に、バインダー液0.3mlを、スピンコート装置を用い、回転数2000rpm、90秒間でスピンコートし、200℃で2時間加熱処理を施し光学膜を得た(表1中、層構成C)。
(1)材料の調製
<ZrO2分散溶液の調製>
温度計、滴下ろうと及び攪拌装置を備えた反応容器に、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド30部(基質)、2−エチル−1−ブタノ−ル70部(溶剤)、3−メチル−2,4−ペンタンジオン5部(安定化剤)を加えて60rpmで攪拌を行った。これとは別に、温度計及び攪拌装置を備えた反応容器に、0.01Nの塩酸2部(酸触媒)、2−エチル−1−ブタノ−ル130部(溶剤)、1−エトキシ−2−プロパノール90部(溶剤)を加えて、振とうすることで酸触媒溶液を調整した。調整した酸触媒溶液を、上記ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド溶液に加えて120rpmで攪拌することで、ZrO2分散溶液を得た。
基板(スライドガラス 水縁磨 材質:ソーダガラス 角型 3t×40×40mm)をイソプロピルアルコールで30分間超音波洗浄、乾燥させた後、30分間オゾン洗浄することによって基板洗浄用スプレーでゴミを取り除き、コーティング用ガラス基板とした。このコーティング用ガラス基板上に、上記ZrO2分散溶液0.3mlを、スピンコート装置(商品名:「1H−D7」、ミカサ(株)製)を用い、回転数2000rpm、60秒間でスピンコートし、200℃にて2時間焼成した。その膜上に上記トリフルオロ酢酸マグネシウムゾル溶液0.3mlを、スピンコート装置を用い、回転数2000rpm、90秒間でスピンコートし250℃で2時間焼成させた。その膜上にさらに、前記工程を繰り返すことによってZrO2層とフッ化マグネシウム層が繰り返された12層の光学膜を形成した(表1中、層構成D)。
(1)材料の調製
トリフルオロ酢酸マグネシウムゾル溶液は、実施例2と同じ方法にて調製した。また、ZrO2分散溶液は、実施例6と同様にして分散溶液を調製した。
実施例6と同様にして12層の光学膜を形成した最上層に、実施例5と同様にして調整した中空粒子溶液0.3mlを、スピンコート装置を用い、回転数2000rpm、60秒間でスピンコートし200℃で2時間焼成し光学膜を形成した(表1中、層構成E)。
溶剤を2−エチル1−ブタノール88部、安定化剤を3−メチル−2,4−ペンタンジオン3部に変更した以外は、実施例2と同様にしてトリフルオロ酢酸マグネシウムゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
溶剤を2−エチル1−ブタノール85部、安定化剤を3−メチル−2,4−ペンタンジオン6部に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
溶剤を2−エチル1−ブタノール90部、安定化剤を3−メチル−2,4−ペンタンジオン1部に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
溶剤を2−エチル1−ブタノール77部、安定化剤を3−メチル−2,4−ペンタンジオン14部に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
安定化剤の3−メチル−2,4−ペンタンジオンを、5−メチルヘキサン−2,4−ジオンに変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
溶剤をブチルカルビトール82部に変更した以外は前述の実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
溶剤を1−ブトキシ−2−プロパノール82部に変更した以外は前述の実施例2と同様にしてゾルを調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
溶剤をメチルカルビトール82部に変更した以外は前述の実施例2と同様にしてゾルを調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
溶剤をn−ペンタノ−ル25部、酢酸58部からなる混合溶媒に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
溶剤をn−ペンタノ−ル41部、シクロヘキサノン41部からなる混合溶媒に変更した以外は前述の実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
溶剤をn−ペンタノ−ル4部、酢酸78部からなる混合溶媒に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
溶剤をメチルカルビトール82部に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
溶剤をn−ヘキサノ−ル82部に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
溶剤をN,N−ジメチルホルムアミド33部、1−ブトキシ−2−プロパノ−ル49部からなる混合溶媒に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
溶剤をメチルイソブチルカルビト−ル82部に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
溶剤をn−ペンタノ−ル82部に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
溶剤をn−ペンタノ−ル41部、メチルイソブチルケトン41部からなる混合溶媒に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
溶剤を1−メトキシ−2−プロパノ−ル82部に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
溶剤をメチルイソブチルケトン82部に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
溶剤をエチレングリコ−ル82部に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
溶剤をヘキサン82部に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
溶剤をエチレングリコ−ル49部、トルエン33部からなる混合溶媒に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
溶剤をエチレングリコ−ル12部、イソオクチルアルコ−ル70部からなる混合溶媒に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
溶剤をイソオクチルアルコ−ル49部、ジエチルエ−テル33部からなる混合溶媒に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
溶剤をエタノ−ル82部に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
溶剤を酢酸ブチル82部に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
溶剤をN,N−ジメチルホルムアミド82部に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
溶剤をトルエン41部、2−プロパノ−ル41部からなる混合溶媒に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
溶剤をシクロオクタノン82部に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
溶剤をシクロヘキサノン82部に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
溶剤をイソオクチルアルコ−ル54部、ヘキサン29部からなる混合溶媒に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
溶剤をメチルエチルケトン82部に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
溶剤をブチルセロソルブ54部、キシレン29部からなる混合溶媒に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
溶剤をイソオクチルアルコ−ル49部、アセトン33部からなる混合溶媒に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
溶剤をイソオクチルアルコ−ル66部、メタノ−ル16部からなる混合溶媒に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
溶剤をトルエン82部に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
安定化剤の3−メチル−2,4−ペンタンジオンを加えないこと以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
安定化剤の3−メチル−2,4−ペンタンジオンを無水酢酸に変更したこと以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、前述の実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
<光学膜の製造>
基板(スライドガラス 水縁磨 材質:ソーダガラス 角型 3t×40×40mm)をイソプロピルアルコールで30分間超音波洗浄、乾燥させた後、30分間オゾン洗浄することによって基板洗浄用スプレーでゴミを取り除き、コーティング用ガラス基板とした。このコーティング用ガラス基板上に、真空蒸着法によりフッ化マグネシウム層を形成した。
光学膜の評価は、以下の4つの点に関して行った。
(1)フッ化マグネシウム層の屈折率(評価1)
光学膜中のフッ化マグネシウム層の屈折率は、自動多入射角分光エリプソメーターV−VASE(ジェーエーウーラム社製)を用い、波長550nmの値を測定した。結果を表3に示す。
反射分光膜厚計(大塚電子株式会社製 FE3000)を用い、入射角0度において、350nm〜550nmの波長領域における、光学膜の反射率挙動を測定し、以下に示す評価基準にしたがって光学膜の反射率を評価した。結果を表3に示す。また、各光学膜の層構成については表3に示す通りである。
○ :波長350nm〜550nmの範囲における最大反射率が1%未満であり、且つ、波長350nm〜550nmの範囲における反射率の差(反射率最大値−反射率最小値)が0.5%を超え1%未満である。
△ :波長350nm〜550nmの範囲における最大反射率が1%以上2%未満である。
△×:波長350nm〜550nmの範囲における最大反射率が2%以上4%未満である。
× :波長350nm〜550nmの範囲における最大反射率が4%以上である。
分光光度計UV−Vis(株式会社日立ハイテクサイエンス製 U−3310)を用い、入射角0度において、350nm〜550nmの波長領域における、光学膜の透過率挙動を測定し、以下に示す評価基準にしたがって光学膜の透過率を評価した。結果を表3に示す。また、各光学膜の層構成については表1に示す通りである。
○ :波長350nm〜550nmの範囲における最低透過率が96%以上98%未満である。
△ :波長350nm〜550nmの範囲における最低透過率が94%以上96%未満である。
× :波長350nm〜550nmの範囲における最低透過率が94%未満である。
フッ化マグネシウム層の成膜後の外観を、目視およびレーザー顕微鏡VK−9510(株式会社キーエンス社製)にて観察し、以下の評価基準にしたがって、フッ化マグネシウム層の成膜性を評価した。結果を表3に示す。
△ :部分的に膜厚の差がある
× :塗工されていない部分がある。
Claims (8)
- フッ化マグネシウム層を含む光学膜であって、前記フッ化マグネシウム層がナノサイズのトリフルオロ酢酸マグネシウム微粒子と、α置換βジケトンと、溶媒と、を含むゾル溶液により成膜されたことを特徴とする光学膜。
- 更に空孔を有する層を含む請求項1に記載の光学膜。
- 前記空孔を有する層が、前記フッ化マグネシウム層の上部に形成された請求項2に記載の光学膜。
- 前記α置換βジケトンが、3−メチル−2,4−ペンタンジオンである請求項1〜3の何れか一項に記載の光学膜。
- 前記トリフルオロ酢酸マグネシウムの平均粒子径が、5〜50nmの範囲である請求項1〜4の何れか一項に記載の光学膜。
- 前記溶媒が、下記式で表されるハンセンパラメータ(δd,δp,δH)を有することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の光学膜。
15.0[MPa1/2] ≦δd ≦16.5[MPa1/2] (I)
4.0[MPa1/2] ≦δp ≦8.0[MPa1/2] (II)
9.0[MPa1/2] ≦δH ≦14.0[MPa1/2] (III) - 前記溶媒が、2−エチル−1−ブタノール、ブチルカルビトール、または1−ブトキシ−2−プロパノールである請求項1〜6の何れか一項に記載の光学膜。
- 前記ゾル溶液に含まれる前記トリフルオロ酢酸マグネシウムの含有量a[%]と、α置換βジケトンの含有量b[%] の関係が、下記式で表される請求項1〜7の何れか一項に記載の光学膜。
8.0≦a≦27.0 (IV)
2.0≦b≦6.0 (V)
a/b≧2 (VI)
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