JP2021011384A - 昇降装置 - Google Patents
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Abstract
Description
このような手動式の昇降装置(ハンドリフト)は、フォークリフト(車両)や高所作業車などと比して、例えば、狭い場所での作業に適している、法定点検などの制限もなく簡単な始業点検だけでよい、さらに、運転技能講習などの資格が不要であるとともに、熟練作業員でなくても安全かつ的確に操作ができる、などの利点を有している。特に、建築現場などにおける作業員減少化が進む昨今、上述の利点は有用である。
例えば、X軸方向に目的地近くまで前進移動した後、その状態のままY軸方向に目的地まで横移動(水平方向にスライド移動)できれば、移動作業(運搬作業)の簡素化、移動時間(運搬時間)及び荷揚げ・荷降ろし作業時間の短縮化などが図れ、手動式の昇降装置の有用性をさらに向上させることが可能である。
しかし、上述のとおり、従来の手動式の昇降装置では、X軸方向とY軸方向への切り替えができない構成であったため、目的地に到達するまでに、何度かの切り返し作業が必要であり、上述した作業及び作業時間の短縮化を図ることはなし得なかった。
前記昇降装置本体に備えられ、荷役部を有する昇降機構と、少なくとも前輪と後輪とを備え、前後方向及び左右方向に移動切り替え可能な移動機構と、を含む昇降装置であって、
前記移動機構は、前後動する操作部と、前記操作部に連結され、該操作部の前後動作に従って車輪の向きが90度変更可能な車輪軸支部と、を含み、
前記操作部は、昇降装置本体に取り付けられて前後動作可能なシリンダであることを特徴とする昇降装置としたことである。
前記荷役部は、所定間隔をあけて備えられた一対の長尺状爪部と、前記それぞれの長尺状爪部の上面に備えられ、互いに向かい合って接近及び乖離可能な前後一対の荷物保持部と、を含み、
前記前後一対の荷物保持部は、それぞれが、接近方向には自由移動可能で、かつ乖離方向には移動が制限される間隔調整機構を備えていることを特徴とする昇降装置としたことである。
前記間隔調整機構は、前記係止部と、前記長尺状爪部の長手方向に備えられ、前記係止部が係止可能な複数個の歯部が並設されたラック部と、を含み、
前記ラック部に設けられた各歯部は、向かい合ったそれぞれの本体部の接近方向に昇り傾斜状のテーパ部と、前記テーパ部の下端から隣の歯部のテーパ部上端に向けて90度以下の角度をもって立ち上げ形成された立上り部と、を含み、
前記係止部は、常時、自重によって前記ラック部の歯部方向へと、先端の係止爪が落下することを特徴とする昇降装置としたことである。
それぞれの係止部は、それぞれの係止爪の近傍にわたって架け渡された解除機構を備えており、
前記解除機構は、上端に握持部を有し、前記握持部を前記本体部の上端方向に近接させることで前記係止爪を上昇方向に回動させて前記ラック部の歯部との係止状態を解除可能であることを特徴とする昇降装置としたことである。
前記昇降機構は、前記柱部に対して傾動可能に連結されていることを特徴とする昇降装置としたことである。
本実施形態の昇降装置は、基台1から前方に向けてそれぞれ長尺棒状に並設される一対の脚部3,3と、基台1から鉛直方向(図中、矢印Vで示す方向)に立設される外枠(第一マスト)5とで構成される昇降装置本体を有し、昇降装置本体は、荷役部39を有する昇降機構と、前後方向及び左右(横)方向に移動可能な移動機構と、を有している(図1乃至図7参照。)。
図中7は、基台上に備えたコントロールボックスを示す。
また、本実施形態では、昇降装置本体の脚部3の側面に操作部23が備えられている(図3及び図4参照。)。
シリンダ23は、例えば、図4に示すように、昇降装置本体の脚部3の側面に備えられるとともに、車輪軸支部15のピストンロッド連結突片21にピストンロッド25の先端が軸支されている。
このように構成したため、前輪13を横移動可能なように前後進移動状態から90度変更して横移動状態とできる(図3(b)及び図4(b)参照。)。
そして、ピストンロッド25を引き工程(後退移動)とすることにより、例えば右側(図3では向かって左側)の前輪13の車輪軸支部15がその鉛直方向軸を中心にして、平面視で反時計回り方向に90度回動する。左側(図3では向かって右側)の前輪13の車輪軸支部15にあっては、ピストンロッド25の引き工程(前進移動)により、その鉛直方向軸を中心にして、平面視で時計回り方向に90度回動する。このようにして、前輪13を前後移動可能なように横移動状態から90度変更して前後進移動状態とできる(図3(a)及び図4(a)参照。)。
なお、操作ハンドル31と後輪27とが同期していない形態であっても本発明の範囲内である。
すなわち、後輪は、前輪13と同様に車輪軸支部によって鉛直方向軸を中心に90度回転可能に構成されるとともに、シリンダ(操作部)によって車輪軸支部を90度回動可能に構成するものであってもよく本発明の範囲内である。
また、本実施形態における後輪27は、電気的手段により回転動作し得るが、後輪は電気的に回転動作するものでなくてもよく限定解釈されない。
解除機構は、左右の係止爪59,59間にわたって架け渡される板状本体61と、板状本体61の上端に一体成形される握持部63と、を有し、握持部63は、荷物保持部43の本体部45と反対方向に傾斜するように折曲成形されている。また、握持部63と対向する荷物保持部43の本体部45の上端領域、すなわち、傾斜上面部51の上端領域は、鉛直方向に向けて折曲形成して本体部45側の握持部53を構成している。
従って、解除機構側の握持部63と、本体部45側の握持部53と、を一緒に握持するとともに、解除機構側の握持部63を本体部45側の握持部53方向に近接させることで、係止爪59,59を上昇方向に回動させてラック部65の歯部73との係止状態を解除可能である。
先端領域には、水平方向軸85を支点として上下方向に回動可能に構成された接地部83を備えている(図1乃至図3、図6及び図7参照。)。すなわち、アウトリガー79の使用時には、水平方向軸85を支点として下方に回動させて接地部83を作業領域の床面(地面)に接地可能である(図1、図2、図6及び図7(b)参照。)。
不使用時、例えば移動時には、移動走行時の邪魔にならないように、水平方向軸85を支点として上方に回動させて接地部83を格納することが可能である(図3及び図7(a)参照。)。
また、図中87で示すそれぞれの孔は、接地部83の格納状態、接地状態をそれぞれ維持するために、図示しない固定ピンを挿入するための孔である(図7参照。)。
そして、操作ハンドル31を横移動したい方向に90度向きを変えると、操作ハンドル31と同期させた後輪27が90度変更されて横移動状態となる(図3(b)参照。)。
また、前後移動状態に戻す場合、ピストンロッド25の引き工程により車輪軸支部15を、その鉛直方向軸を中心にして90度回動させれば、前輪13は前後移動可能なように横移動状態から90度変更されて前後進移動状態となる(図4(a)参照。)。また、操作ハンドル31を90度回動させれば同期している後輪27も90度回動して前後進移動状態となる(図3(a)参照。)。
また、昇降装置の切り返し作業なども不要であるため、移動時間(運搬時間)も大幅に縮減され、かつ荷揚げ・荷降ろし作業時間も大幅に縮減されるため、移動時間及び作業時間の短縮化が図れる。
また、荷物保持部43は、間隔調整機構によって、接近方向には自由移動可能で、かつ乖離方向には移動が制限されるように構成されているため、細幅のものから太幅のものまで荷物保持部43,43の間隔幅内で広く保持対象物が選択可能である。また、乖離方向には移動が制限されているため、不意の移動による荷物の保持状態解除といった不具合が生じる虞もなく安全性を向上し得る。
図2において、矢印LP1は第一のレーザーポインターから照射されるレーザーの照射方向を示し、図2及び図3において、矢印LP2は第二のレーザーポインターから照射されるレーザーの照射方向を示す。
第一のレーザーポインターからのレーザー照射により、上昇時・移動時などにおける高さ方向の安全性を確認可能であり、第二のレーザーポインターからのレーザー照射により、荷役部39に載せる際の荷物の中心位置を簡単に視認可能となり、水平方向の安全性を確認可能である。各レーザーポインターの配設数量は一個乃至複数個を本発明の範囲内で配設可能である。
図8乃至図11は本発明昇降装置の第二実施形態を示す。
図8にて、符号91は本実施形態の昇降機構を示す。
本実施形態では、昇降装置本体の前方、例えばコントロールボックス7の前方(矢印Aで示す方向)にて鉛直方向に立設される左右の柱部90,90が一体に備えられており、この柱部90,90に対して昇降機構91を傾動可能に連結している点に特徴を有している。すなわち、本実施形態では、昇降装置本体に柱部90,90を含み、昇降機構91には外枠(第一マスト)5、マスト部33(35,37)及び荷役部39を含んで構成されている実施の形態を想定する。
以下、本実施形態に特徴的な構成についての説明にとどめる。なお、その他の構成及び作用効果は、第一実施形態と同一であるため、図1乃至図7及びその説明を援用する。
本発明の昇降装置は、その仕様に応じて様々な高さのタイプが想定されるが、本実施形態は、鉛直方向高さが高いタイプの昇降装置に対して特に有用である。
従って、本実施形態の昇降装置は、軸支部99,99の軸部材105,105を中心として、図9にて矢印R1で示す方向に回動可能に昇降機構91を連結することにより、昇降機構91が傾動可能に構成されている。
第一の軸支片101,101と、第二の軸支片103,103とは、それぞれ相対向する位置に備えられている。
従って、本実施形態では、シリンダ107の油圧によりシリンダロッド109を伸長あるいは収縮作動させれば、そのシリンダロッド109の伸長・収縮作動によって、軸支部99の軸部材105を中心として昇降機構91が、自動にて、矢印R1で示す所定方向に回動(傾動)作動する(図9にて反時計回り方向に回動する。)。
本実施形態では、傾動阻止機構93が、一方の側面の上下に2箇所、他方の側面の上下に2箇所で計4箇所備えられている(図8及び図9)。なお、本実施形態では安全性を考慮して4箇所備える実施の一形態を想定しているが、傾動阻止機構93の配備数量は特に限定されず本発明の範囲内で任意に設定可能である。
例えば本実施形態では、柱部90の側面に取付固定される基板95aと、基板95a上に一端側が軸支されて起伏自在に支持される操作レバー95bと、この操作レバー95bで引き寄せ操作される係止リンク95cと、で構成されている(図10及び図11)。
従って、係止リンク95cは、操作レバー95bの中途部位にて前後方向に回動可能であり、かつ、操作レバー95bの起伏動作に追従する。
さらに本実施形態では、図示しないスプリングなどの弾性部材によって、常時、後方(図10及び図11にて矢印C方向)に係止環95eの先端側(係止部位側)95e´が位置するように付勢(制御)されている。
すなわち、被係止状態のとき、フリー状態の係止リンク95cが昇降機構91側に位置していると、傾動状態の昇降機構91を垂直状態に戻した際に、誤って昇降機構91と柱部90との間に挟み込んで破損させてしまう虞があるため、上述のとおり制御するようにしている。
被係止部97は、前方(図10及び図11にて矢印A方向)に向けて開放したほぼU字形状の引掛り爪部97aを有している。
この操作レバー95bを起こす動作に追従して係止リンク95cが矢印aで示す前方に向けて移動し、係止リンク95cの係止環95eが被係止部97の引掛り爪部97aから脱れ、昇降機構91はフリー(ロック解除状態)となる(図11)。
このとき、係止リンク95cは、弾性部材の弾性力(復元力)により、矢印Cで示す後方に向けて移動するため、同時に操作レバー95bも後方に向けて移動する。
次に、係止部95と被係止部97とを係止状態(ロック状態)とするには、操作レバー95bを矢印aで示す前方に向けて起こし、弾性部材の弾性力に抗して係止リンク95cを矢印aで示す前方に向けて移動させる。
そして、係止リンク95cの係止環95eを、被係止部97の引掛り爪部97aに係止するとともに、操作レバー95bを矢印Cで示す後方に向けて戻す(伏せる)と、係止リンク95cが矢印Cで示す後方に向けて引き寄せられて係止状態(ロック状態)となる(図10)。
例えば、倉庫内などを自走して移動する際に、その倉庫内の高さの低い室内領域を通過しなければならない場合がある。
そのような場合、傾動阻止機構93を構成する被係止部97に係止されている係止部95の係止状態を解除して昇降機構91を傾動可能状態とする。
そして、係止部95の係止状態が解除され、フリー状態となっている昇降機構91は、シリンダ107の油圧によりシリンダロッド109を伸長させれば、そのシリンダロッド109の伸長作動によって軸支部99の軸部材105位置を中心として矢印R1方向に回動して傾動することとなる。
このように昇降機構91が傾動すれば、昇降装置全体の高さが低くなるため、倉庫内の高さの低い室内領域であっても自走しての移動がスムーズに行える。このように構成することで、作業性が向上し作業労力も軽減される。
また、傾動阻止機構93にはリミットスイッチが備えられており、4箇所すべての傾動阻止機構93が係止状態(ロック状態)でなければ、第二マスト35,第三マスト37の上下昇降作動は行われないように制御されている。
15 車輪軸支部
27 後輪
23 シリンダ(操作部)
25 ピストンロッド
39 荷役部
43 荷物保持部
55 係止部
59 係止爪
65 ラック部
73 歯部
90 柱部
91 昇降機構
93 傾動阻止機構
95 係止部
97 被係止部
107 シリンダ
Claims (7)
- 昇降装置本体と、
前記昇降装置本体に備えられ、荷役部を有する昇降機構と、少なくとも前輪と後輪とを備え、前後方向及び左右方向に移動切り替え可能な移動機構と、を含む昇降装置であって、
前記移動機構は、前後動する操作部と、前記操作部に連結され、該操作部の前後動作に従って車輪の向きが90度変更可能な車輪軸支部と、を含み、
前記操作部は、昇降装置本体に取り付けられて前後動作可能なシリンダであることを特徴とする昇降装置。 - 前記昇降機構は、昇降動作可能なマスト部と、前記マスト部に連結されて上下昇降可能な前記荷役部と、を含み、
前記荷役部は、所定間隔をあけて備えられた一対の長尺状爪部と、前記それぞれの長尺状爪部の上面に備えられ、互いに向かい合って接近及び乖離可能な前後一対の荷物保持部と、を含み、
前記前後一対の荷物保持部は、それぞれが、接近方向には自由移動可能で、かつ乖離方向には移動が制限される間隔調整機構を備えていることを特徴とする請求項1に記載の昇降装置。 - 前記荷物保持部は、前記長尺状爪部上を前後方向に移動可能に備えられた本体部と、先端に係止爪を備えて本体部に軸支され、該軸支部を支点として回動可能に備えられた係止部と、を含み、
前記間隔調整機構は、前記係止部と、前記長尺状爪部の長手方向に備えられ、前記係止部が係止可能な複数個の歯部が並設されたラック部と、を含み、
前記ラック部に設けられた各歯部は、向かい合ったそれぞれの本体部の接近方向に昇り傾斜状のテーパ部と、前記テーパ部の下端から隣の歯部のテーパ部上端に向けて90度以下の角度をもって立ち上げ形成された立上り部と、を含み、
前記係止部は、常時、自重によって前記ラック部の歯部方向へと、先端の係止爪が落下することを特徴とすることを特徴とする請求項2に記載の昇降装置。 - 前記係止部は、前記荷物保持部の本体部の左右側面にそれぞれ一対ずつ軸支して備えられ、
それぞれの係止部は、それぞれの係止爪の近傍にわたって架け渡された解除機構を備えており、
前記解除機構は、上端に握持部を有し、前記握持部を前記本体部の上端方向に近接させることで前記係止爪を上昇方向に回動させて前記ラック部の歯部との係止状態を解除可能であることを特徴とする請求項3に記載の昇降装置。 - 前記昇降装置本体の前方には鉛直方向に立設される柱部が備えられ、
前記昇降機構は、前記柱部に対して傾動可能に連結されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の昇降装置。 - 前記昇降機構の傾動を阻止可能な傾動阻止機構を備えたことを特徴とする請求項5に記載の昇降装置。
- 前記傾動阻止機構は、前記昇降機構と前記柱部とのいずれか一方に設けた係止部と、いずれか他方に設けられ、前記係止部が係脱可能な被係止部と、で構成されていることを特徴とする請求項6に記載の昇降装置。
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