本発明は、端末装置の技術分野に関し、さらに具体的に、端末装置のバッテリー安全性監視方法、端末装置のバッテリー安全性監視システム及びバッテリー安全性監視システムを有する端末装置に関する。
バッテリーは、端末装置の電源であり、携帯電話などの移動端末に長期間安定した電力を供給する。移動端末に最初に使用されたバッテリーは、ニッケルクロムバッテリーとニッケル水素(Ni−MH)バッテリーである。ただし、移動端末の画面の拡大、機能の強化などにつれて、ニッケルクロムバッテリーとニッケル水素バッテリーの容量は、すでに電力要件を満たすことができない。代わりに、リチウムイオンバッテリーは多い利点を有し、例えば、エネルギー密度が高いので、軽量化、高容量化、充電と放電の高速化が可能であり、且つニッケルクロムバッテリーとニッケル水素バッテリーに比べて、メモリー効果がなく、環境に対する元素損害も最小限に抑えることができるので、従来のニッケルクロムバッテリーとニッケル水素バッテリーを徐々に替える。
リチウムイオンバッテリーは、バッテリー容量の問題を効果的に解決したが、安全性問題は依然として存在する。例えば、リチウムイオンバッテリーが損傷して、短絡が発生すると、セル内部の発熱を招く、この発熱が速すぎると、バッテリーに火事が起こって、バッテリーが爆発する可能性があるので、事故を防ぐために、バッテリーの安全性を監視する必要がある。
本発明は、少なくとも上述した技術における1つの技術的問題をある程度解決することを目的とする。このため、本発明の第一目的は、端末装置のバッテリー安全性監視方法を提供することであり、寿命周期全体でバッテリー状態情報を監視することにより、バッテリーの安全上の危険条件をトリガーしたか否かを判断して、バッテリーの安全上の危険条件をトリガーした場合、安全保護が実行され、バッテリーの安全上の危険に起因する安全事故を回避する。
本発明の第二目的は、非一時的なコンピューター可読記憶媒体を提供することである。
本発明の第三目的は、端末装置のバッテリー安全性監視システムを提供することである。
本発明の第四目的は、端末装置を提供することである。
上記の目的を達成するために、本発明の第一態様で提供される端末装置のバッテリー安全性監視方法は、以下のステップを備える。端末装置のバッテリー状態情報を獲得する。バッテリー状態情報は、端末装置のバッテリーコネクタがメインボードから切断されたときに生成される停電情報、バッテリーに急激な電圧変化が発生し且つバッテリー表面に温度異常領域が存在するか否か、バッテリー充電中の定電圧充電段階の持続時間、充電過程及び放電過程のバッテリーの容量変更情報、バッテリーが完全に充電された後の電圧低下率の中の少なくとも2つを含む。端末装置のバッテリー状態情報に基づいて、端末装置が予め設定されたバッテリーの安全上の危険条件を満たしているか否かを判断する。端末装置が予め設定されたバッテリーの安全上の危険条件を満たしていると、端末装置が電源オフ状態になるように制御するか、又はバッテリー電源回路を切断する。
本発明の実施形態に係る端末装置のバッテリー安全性監視方法によれば、端末装置のバッテリー状態情報を獲得して、端末装置が予め設定されたバッテリーの安全上の危険条件を満たしているか否かを判断することにより、バッテリーの寿命周期全体でバッテリーの安全上の危険条件をトリガーしたか否かを監視し、バッテリーの安全上の危険条件をトリガーした場合、安全保護が効果的に実行され、バッテリーの安全上の危険に起因する安全事故を回避し、端末装置の使用安全性が大幅に向上する。
また、本発明の上記の実施形態に係わる端末装置のバッテリー安全性監視方法は、さらに以下の追加の技術的特徴を有することもできる。
本発明の一実施形態によれば、予め設定されたバッテリーの安全上の危険条件は、以下の条件の中のいずれか2つを含む。
(1)端末装置のバッテリーコネクタがメインボードから切断されたときに生成される停電情報に基づいて、バッテリーコネクタとメインボードとの間の切断が勝手に分解して引き起こされた切断であると判断する。
(2)バッテリーに急激な電圧変化が発生し且つバッテリー表面に温度異常領域が存在する。
(3)バッテリー充電中の定電圧充電段階の持続時間が予め設定された時間以上である。
(4)充電過程及び放電過程のバッテリーの容量変更情報に基づいて、充電容量と放電容量の差が予め設定された容量範囲内にないと判断する;
(5)バッテリーが完全に充電された後の電圧低下率がプリセットレート(preset rate)以上である。
本発明の一実施形態によれば、以下の条件の中のいずれか1つを満たす場合、バッテリーの充電過程でバッテリーの充電電流と充電電圧を制限し、端末装置を制御してバッテリーが異常であるというリマインダーメッセージを送信するようにする。
(1)端末装置のバッテリーコネクタがメインボードから切断されたときに生成される停電情報に基づいて、バッテリーコネクタとメインボードとの間の切断が勝手に分解して引き起こされた切断であると判断する。
(2)バッテリーに急激な電圧変化が発生し且つバッテリー表面に温度異常領域が存在する。
(3)バッテリー充電中の定電圧充電段階の持続時間が予め設定された時間以上である。
(4)充電過程及び放電過程のバッテリーの容量変更情報に基づいて、充電容量と放電容量の差が予め設定された容量範囲内にないと判断する。
(5)バッテリーが完全に充電された後の電圧低下率がプリセットレート以上である。
本発明の一実施形態によれば、端末装置のバッテリーコネクタがメインボードから切断されたとき、停電状態ビット情報を生成し、停電状態ビット情報を停電情報とする。停電状態ビット情報がリセットされていなく、又はマークされていない場合、バッテリーコネクタとメインボードとの間の切断が勝手に分解して引き起こされた切断であると判断する。
本発明の一実施形態によれば、バッテリーの電圧が瞬間的に降下し且つバッテリー表面のいずれか1つの領域の温度が他の領域の温度より大きい場合、バッテリーに急激な電圧変化が発生し且つバッテリー表面に温度異常領域が存在すると判断し、その中において、バッテリー表面は複数の領域に分割される。
本発明の一実施形態によれば、充電容量と放電容量の差を獲得することは、バッテリーが第一SOC値から第二SOC値に充電されるときの充電容量を獲得し、バッテリーが第二SOC値から第一SOC値に放電されるときの放電容量を獲得し、充電容量と放電容量に応じて充電容量と放電容量の差を獲得すること、又は、バッテリーが第一電圧から第二電圧に充電されるときの充電容量を獲得し、バッテリーが第二電圧から第一電圧に放電されるときの放電容量を獲得し、充電容量と放電容量に応じて充電容量と放電容量の差を獲得すること、を備える。
上記の目的を達成するために、本発明の第二態様は、コンピュータプログラムを記憶した非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を提供し、前記プログラムがプロセッサによって実行されると、上記のバッテリー安全性監視方法を実施する。
本発明の実施形態に係わる非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によれば、上述したバッテリー安全性監視方法を実行することにより、バッテリーの寿命周期全体でバッテリーの安全上の危険条件をトリガーしたか否かを監視し、バッテリーの安全上の危険条件をトリガーした場合、安全保護が効果的に実行され、バッテリーの安全上の危険に起因する安全事故を回避し、端末装置の使用安全性が大幅に向上する。
上記の目的を達成するために、本発明の第三態様によって提供される端末装置のバッテリー安全性監視システムは、獲得モジュールと、判断モジュールと、安全監視モジュールと、を備える。獲得モジュールは、端末装置のバッテリー状態情報を獲得するために用いられる。バッテリー状態情報は、端末装置のバッテリーコネクタがメインボードから切断されたときに生成される停電情報、バッテリーに急激な電圧変化が発生し且つバッテリー表面に温度異常領域が存在するか否か、バッテリー充電中の定電圧充電段階の持続時間、充電過程及び放電過程のバッテリーの容量変更情報、バッテリー充電完了後の電圧低下率の中の少なくとも2つを含む。判断モジュールは、端末装置のバッテリー状態情報に基づいて、端末装置が予め設定されたバッテリーの安全上の危険条件を満たしているか否かを判断するために用いられる。安全監視モジュールは、端末装置が予め設定されたバッテリーの安全上の危険条件を満たしていると、端末装置が電源オフ状態になるように制御するか、又はバッテリー電源回路を切断するために用いられる。
本発明の実施形態に係る端末装置のバッテリー安全性監視システムによれば、獲得モジュールによって端末装置のバッテリー状態情報を獲得し、判断モジュールは、バッテリー状態情報に基づいて、端末装置が予め設定されたバッテリーの安全上の危険条件を満たしているか否かを判断し、安全監視モジュールは、端末装置が予め設定されたバッテリーの安全上の危険条件を満たしていると、端末装置が電源オフ状態になるように制御するか、又はバッテリー電源回路を切断する。従ってバッテリーの寿命周期全体でバッテリーの安全上の危険条件をトリガーしたか否かを監視し、バッテリーの安全上の危険条件をトリガーした場合、安全保護が効果的に実行され、バッテリーの安全上の危険に起因する安全事故を回避し、端末装置の使用安全性が大幅に向上する。
また、本発明の上記の実施形態に係わる端末装置のバッテリー安全性監視システムは、さらに以下の追加の技術的特徴を有することもできる。
本発明の一実施形態によれば、予め設定されたバッテリーの安全上の危険条件は、以下の条件の中のいずれか2つを含む。
(1)端末装置のバッテリーコネクタがメインボードから切断されたときに生成される停電情報に基づいて、バッテリーコネクタとメインボードとの間の切断が勝手に分解して引き起こされた切断であると判断する。
(2)バッテリーに急激な電圧変化が発生し且つバッテリー表面に温度異常領域が存在する。
(3)バッテリー充電中の定電圧充電段階の持続時間が予め設定された時間以上である。
(4)充電過程及び放電過程のバッテリーの容量変更情報に基づいて、充電容量と放電容量の差が予め設定された容量区間にないと判断する。
(5)バッテリー充電完了後の電圧低下率がプリセットレート以上である。
本発明の一実施形態によれば、以下の条件の中のいずれか1つを満たす場合、バッテリーの充電過程で、安全監視モジュールはバッテリーの充電電流と充電電圧を制限し、且つ端末装置を制御してバッテリーが異常であるというリマインダーメッセージを送信するようにする。
(1)端末装置のバッテリーコネクタがメインボードから切断されたときに生成される停電情報に基づいて、バッテリーコネクタとメインボードとの間の切断が勝手に分解して引き起こされた切断であると判断する。
(2)バッテリーに急激な電圧変化が発生し且つバッテリー表面に温度異常領域が存在する。
(3)バッテリー充電中の定電圧充電段階の持続時間が予め設定された時間以上である。
(4)充電過程及び放電過程のバッテリーの容量変更情報に基づいて、充電容量と放電容量の差が予め設定された容量区間にないと判断する。
(5)バッテリー充電完了後の電圧低下率がプリセットレート以上である。
本発明の一実施形態によれば、端末装置のバッテリー安全性監視システムは、端末装置のバッテリーコネクタがメインボードから切断されたとき、停電状態ビット情報を生成し、且つ停電状態ビット情報を停電情報とするために用いられる生成モジュールをさらに備える。判断モジュールは、さらに停電状態ビット情報がリセットされていなく、又はマークされていない場合、バッテリーコネクタとメインボードとの間の切断が勝手に分解して引き起こされた切断であると判断するために用いられる。
本発明の一実施形態によれば、バッテリーの電圧が瞬間的に降下し且つバッテリー表面のいずれか1つの領域の温度が他の領域の温度より大きい場合、判断モジュールは、さらにバッテリーに急激な電圧変化が発生し且つバッテリー表面に温度異常領域が存在すると判断し、その中において、バッテリー表面は複数の領域に分割される。
本発明の一実施形態によれば、獲得モジュールは充電容量と放電容量の差を獲得する時、バッテリーが第一SOC値から第二SOC値に充電されるときの充電容量を獲得し、且つバッテリーが第二SOC値から第一SOC値に放電されるときの放電容量を獲得してから、充電容量と放電容量に応じて充電容量と放電容量の差を獲得するか、又はバッテリーが第一電圧から第二電圧に充電されるときの充電容量を獲得し、バッテリーが第二電圧から第一電圧に放電されるときの放電容量を獲得してから、充電容量と放電容量に応じて充電容量と放電容量の差を獲得する。
上記の目的を達成するために、本発明の第四態様は、上述した端末装置のバッテリー安全性監視システムを備える端末装置を提供する。
本発明の実施形態に係わる端末装置によれば、上述した端末装置のバッテリー安全性監視システムによって、バッテリーの寿命周期全体でバッテリーの安全上の危険条件をトリガーしたか否かを監視し、バッテリーの安全上の危険条件をトリガーした場合、安全保護が効果的に実行され、バッテリーの安全上の危険に起因する安全事故を回避し、使用安全性が大幅に向上する。
図1は、本発明の一実施例に係わるバッテリー損傷過程を示す概略図である。
図2は、本発明の実施例に係わる端末装置のバッテリー安全性監視方法のフローチャートである。
図3は、本発明の一実施例に係わるバッテリーは異常であるか否かを全方位に監視することを示す概略図である。
図4は、本発明の一実施例に係わるバッテリー表面の領域分割を示す概略図である。
図5は、本発明の別の実施例に係わるバッテリー表面の領域分割を示す概略図である。
図6は、本発明の一実施例に係わる電圧急変監視回路を示す概略図である。
図7は、本発明の一実施例に係わる損傷したバッテリーの電圧監視曲線と正常なバッテリーの電圧監視曲線の比較図である。
図8は、本発明の一実施例に係わる、定電圧充電段階における正常なバッテリー及び異常なバッテリーの電圧変動曲線及び電流変動曲線の比較図である。
図9は、本発明の一実施例に係わる移動端末のリマインダーメッセージを示す概略図である。
図10は、本発明の実施例に係わる端末装置のバッテリー安全性監視システムのブロック図である。
図11は、本発明の実施例に係わる端末装置のブロック図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施例を詳細に説明する。同一又は類似の符号は、同一又は類似の部品、又は同一又は類似の機能を有する部品を示す。以下、添付図面を参照して説明される実施例は、例示的であり、本発明を解釈するために用いられ、本発明を制限するものであると理解されるべきではない。
本発明の実施例に係わる端末装置のバッテリー安全性監視方法、端末装置のバッテリー安全性監視システム及びバッテリー安全性監視システムを有する端末装置を説明する前に、 先ず、端末装置内のバッテリーの構造及びバッテリーの潜在的な安全上の危険について説明する。
例えば、リチウムイオンバッテリーは主にセルとバッテリー保護システムから構成される。セルは、リチウムイオンバッテリーの「心臓」と呼ばれ、アノード材料、カソード材料、電解質、隔離膜及びハウジングを含み、セルの外側はバッテリー保護システムである。セルのアノード材料は、マンガン酸リチウム、コバルト酸リチウムなどのリチウム分子材料である。アノード材料は、バッテリーのエネルギーを決める。カソード材料は、グラファイトである。隔離膜は、バッテリーのアノードとカソードの間に配置される。理解しやすくするために、隔離膜は小さなバッテリーケース内で連続的に折り畳まれ、アノード材料、カソード材料及び電解質で満たされた紙のようなものである。充電プロセスにおいて、アノード材料内のリチウム分子が活性化され、外部電界の作用下でカソードに移動し、グラファイトカーボン構造のギャップに保存される。より多いリチウム分子が移動すると、より多いエネルギーが蓄積される。放電プロセスにおいて、カソードのリチウムイオンがアノードに移動し、リチウムイオンはアノードの最初のリチウム分子になる。上記の手順を繰り返して、バッテリーの充電と放電を行う。
隔離膜は、主にセルのアノード材料とカソード材料を完全に隔離するために用いられる。アノード材料とカソード材料が直接に接触すると、バッテリー内部で短絡が発生し、潜在的な安全上の危険を招く。従って、隔離膜は損傷する傾向があるので、隔離膜は薄すぎてはならない。ただし、ユーザーは端末装置に対してより高い要求を有し、例えば、移動端末がより軽く、より薄く、その画面が大きく、バッテリー持続時間が長いことを要求するので、メーカーはより高いエネルギー密度を有するバッテリーを探し始める。例えば、より多いアノード材料とカソード材料を充填することにより、バッテリーのエネルギー密度を高める。しかし、同じ体積に対して、より多いアノード材料とカソード材料が充填されると、隔離膜が薄くなる。バッテリーが外部衝撃などの損傷を受けた場合、隔離膜の損傷を招き易く、短絡が発生する恐れがある。
1つの例示として、バッテリーが圧迫、落下、突き刺しなどの外部の機械的損傷を受けた場合、隔離膜が非常に薄いので、隔離膜が損傷し易く、アノードとカソード間の短絡、即ちバッテリー内部短絡が発生し易い。短絡の瞬間に、バッテリーの電圧は瞬時に引き下げられ、主な理由は、バッテリー内部に局所的な内部短絡点が形成され、バッテリーの損傷度が高いほど、電圧がより深刻に引き下げられる。同時に、短絡点の発熱は深刻であるので、バッテリーの他の領域の温度よりも短絡点の温度が大幅に高い。
別の例示として、携帯電話などのような端末装置の使用過程で、端末装置のユーザー又は無許可の実体が携帯電話を勝手に分解する現象が常に発生する。携帯電話を勝手に分解する場合、携帯電話の分解及び組立方法は標準ではないので、バッテリーに特定の損傷が発生する可能性があり、これは隔離膜の損傷を引き起こし、従って正極と負極が短絡する可能性がある。
一般的に、特に深刻な損傷であると、バッテリーの内部短絡面積が大きく、バッテリーの電圧が0Vに下がるまで、損傷点で発熱が持続的に発生する。バッテリーの電圧が高いと、バッテリーは火事になり、燃える。軽微な損傷であると、バッテリーの内部短絡面積は小さく、短絡点で短絡電流が形成される。短絡電流が大きいので、短絡点で大量の熱が発生し、その温度が高くなり、短絡点が溶ける。従ってバッテリーの電圧は初期状態に戻る。この場合、バッテリーは通常のバッテリーと同様に正常に使用できる。ただし、この時点のバッテリーには潜在的な安全上の危険が存在し、後の使用過程でいつでも内部短絡を引き起こす可能性がある。具体的に、図1に示されたように、バッテリーが外部の機械的損傷を受けた場合、大部分が軽微な損傷である。このように発生した内部短絡は短時間であり、バッテリーはすぐ初期状態に戻る。ただし、この時点で隔離膜が部分的に損傷しているので、このようなバッテリーの異常は一般的に監視し難く、このようなバッテリーの異常は端末装置に潜在的な安全上の危険をもたらす。
別の例示として、バッテリーの充電及び放電過程で、リチウムイオンがアノードとカソードに蓄積する場合がある。蓄積が発生すると、結晶枝を形成し(我々が見たことがある多い物が結晶を形成することと類似する)、且つ結晶枝は徐々に長くなる。この過程で、結晶枝が隔離膜を突き刺し、バッテリーの内部短絡を引き起こす可能性がある。上述した例示で説明したように、バッテリーは外部機械的損傷を受けて、短期的な内部短絡を引き起こしてから、初期状態に戻る情況は、この時点でさらに深刻である。つまり、バッテリーの内部短絡が再び発生し易い。
バッテリーの使用中に短絡が発生すると、セル内部で大量の熱が発生し、この熱により、セル内の電解質が蒸発する可能性がある。熱が非常に速く生成されると、それに応じて気化過程が非常に速くなり、セルの内部圧力が上昇し、内部圧力が一定のレベルに達すると、ハウジングが耐えられないので、ハウジングに亀裂が発生して、爆発が生じる可能性がある。火に遭遇すると、バッテリーの火災が発生する可能性もある。
さらに、エネルギー密度が高ければ高いほど、隔離膜がますます薄くなり、隔離膜が損傷し易く、安全事故を引き起こすことに加えて、急速充電もバッテリーの潜在的な安全上の危険の主要な要因の1つである。
急速充電は、その名前が示すように、充電式バッテリーを急速に充電する過程である。例えば、バッテリーの充電過程は、トリクル充電段階、定電流充電段階及び定電圧充電段階の少なくとも1つを含むことができる。トリクル充電段階では、電流フィードバックループを使用して、トリクル充電段階でバッテリーに流れる電流がバッテリーの予想充電電流の大きさ(例えば、第一充電電流である)を満たすようにする。例えば、電圧が3.0v未満である場合、100mA(ミリアンペア)の充電電流がバッテリのプリチャージに用いられる。定電流充電段階では、電流フィードバックループを使用して、定電流充電段階でバッテリーに流れる電流がバッテリーの予想充電電流の大きさ(例えば、第一充電電流より大きい第二充電電流である)を満たすようにする。例えば、異なるバッテリーによって、充電電流は0.1C(クーロン)からいくつかのクーロンまでの範囲になる(Cはバッテリー容量である)。一般的に、定電流充電段階において、通常の充電モードでの充電に0.1Cの充電電流が用いられるが、急速充電モードでの充電に0.1Cを超える充電電流が用いられ、短時間で充電が完了する。定電圧充電段階では、電圧フィードバックループを使用して、定電圧充電段階でバッテリーに印加される電圧がバッテリーの予想充電電圧の大きさを満たすようにする。例えば、バッテリーの電圧が4.2Vと等しい場合、定電圧充電段階に入る。この段階では、充電電圧は常に4.2Vである。バッテリーが徐々に完全に充電されると、充電電流はだんだん小さくなり、充電電流が100mAより小さい場合、バッテリーが完全に充電されていると判断できる。
定電流充電段階では、充電電流が大きく(例えば、0.2C〜0.8Cであることができ、又は1Cまでに達することもできる)、且つバッテリーの充電過程は電気化学反応過程であるので、必然的に発熱を伴い、充電電流が大きいほど、短時間で大量の熱が発生する。隔離膜が損傷すると、アノードとカソード間の短絡を引き起こし易い。短絡が発生すると、さらに多い熱が生成されて、電解質の蒸発が発生し、セルの内部圧力が上昇し、内部圧力が一定のレベルに達すると、ハウジングが耐えられないので、ハウジングに亀裂が発生して、爆発が生じる可能性がある。火に遭遇すると、バッテリーの火災が発生する可能性もある。
換言すると、バッテリーに内部短絡が発生すると、バッテリーが異常になり、潜在的な安全上の危険が存在し、バッテリーの使用中に安全事故を引き起こす可能性がある。
バッテリーが損傷しているか否かを効果的に監視して、バッテリーの潜在的な安全上の危険を回避し、安全事故を防止するために、本開示は、バッテリーが異常であるか否かを検出する効果的な安全監視方法を提案し、従ってバッテリーの安全上の危険条件をトリガーしたか否かを監視することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態に係わる端末装置のバッテリー安全性監視方法、端末装置のバッテリー安全性監視システム及び端末装置について説明する。
本発明の実施例に用いられる「端末装置」は、有線回線によって接続される装置及び/又は無線インタフェースを介して通信信号を受信/送信する装置であることができるが、それに限定されるものではない。有線回線は、例えば、公衆交換電話網(public switched telephone network, PSTN)、デジタル加入者線(digital subscriber line, DSL)、デジタルケーブル、直接接続ケーブル、及び/又は他のデータ接続ライン又はネットワーク接続ラインであることができる。無線インターフェースは、例えば、セルラーネットワーク、無線ローカルエリアネットワーク(wireless local area network,WLAN)、デジタルビデオ放送ハンドヘルド(digital video broadcasting handheld,DVB-H)ネットワークのようなデジタルテレビネットワーク、衛星ネットワーク、振幅変調周波数変調(amplitude modulation-frequency modulation, AM−FM)放送送信機、及び/又は他の通信端末と通信することであることができる。無線インタフェースを介して通信するように構成された端末は、「無線通信端末」、「無線端末」、及び/又は「移動端末」と呼ぶことができる。移動端末の例としては、衛星又はセルラー電話、パーソナル通信システム(personal communication system,PCS)端末(セルラー無線電話とデータ処理、ファックス及びデータ通信能力を組み合わせることができる)、パーソナルデジタルアシスタント(Persona Digital Assistant, PDA)(無線電話(radio telephone)、ページャ(pager)、インターネット/イントラネットアクセス(Internet/Intranet access)、ウェブブラウジング(web browsing)、ノートブック(notebook)、カレンダー(calendar)及び/又は全地球測位システム(global positioning system, GPS)受信機を備えることができる)及び通常のラップトップ型及び/又はハンドヘルド受信機、又は無線電話機能を備えた他の電子デバイスを備えるが、それに限定されるものではない。
図2は、本発明の実施例に係わる端末装置のバッテリー安全性監視方法のフローチャートである。図2に示されたように、端末装置のバッテリー安全性監視方法は、以下のステップを備えることができる。
S1では、端末装置のバッテリー状態情報を獲得する。バッテリー状態情報は、端末装置のバッテリーコネクタがメインボードから切断されたときに生成される停電情報(power‐failure information)、バッテリーに急激な電圧変化が発生し且つバッテリー表面に温度異常領域が存在するか否か、バッテリー充電中の定電圧充電段階の持続時間、充電過程及び放電過程のバッテリーの容量変更情報、バッテリーが完全に充電された後の電圧低下率の中の少なくとも2つを含む。
本発明の一実施例において、図3に示されたように、バッテリーの寿命周期全体で異常を監視することができる。例えば、バッテリが損傷を受ける前に、端末装置のバッテリーコネクタがメインボードから切断されたときに生成される停電情報を獲得することにより、バッテリーコネクタとメインボードとの間の切断が勝手に分解して引き起こされた切断であるか否かを判断する。バッテリが損傷を受けた場合、バッテリーに急激な電圧変化が発生したか否かを監視し、バッテリー表面の温度を検出することにより、損傷によりバッテリーは現在異常であるか否かを判断する。バッテリーの充電過程において、バッテリーの定電圧充電段階の持続時間を監視することにより、バッテリーが異常であるか否かを判断する。バッテリーが完全に充電された後、予め設定された期間内のバッテリーの電圧低下率を監視することにより、バッテリーが異常であるか否かを判断する。バッテリーの使用過程において、例えば、充電過程及び放電過程において、バッテリーの容量変化を監視することにより、バッテリーが異常であるか否かを判断する。
従って、本発明の実施例において、バッテリーは異常であるか否かを全方位に監視することができ、監視されたバッテリー状態情報に基づいて、バッテリーの安全上の危険条件をトリガーしたか否かを判断し、バッテリーの安全上の危険条件をトリガーした場合、バッテリー電源回路を直接に切断するか、端末装置が電源オフ状態になるように制御する。
S2では、端末装置のバッテリー状態情報に基づいて、端末装置が予め設定されたバッテリーの安全上の危険条件を満たしているか否かを判断する。
本発明の一実施形態によれば、予め設定されたバッテリーの安全上の危険条件は、以下の条件の中のいずれか2つを含む。
(1)端末装置のバッテリーコネクタがメインボードから切断されたときに生成される停電情報に基づいて、バッテリーコネクタとメインボードとの間の切断が勝手に分解して引き起こされた切断であると判断する。
(2)バッテリーに急激な電圧変化が発生し且つバッテリー表面に温度異常領域が存在する。
(3)バッテリー充電中の定電圧充電段階の持続時間が予め設定された時間以上である。
(4)充電過程及び放電過程のバッテリーの容量変更情報に基づいて、充電容量と放電容量の差が予め設定された容量範囲内にないと判断する。
(5)バッテリーが完全に充電された後の電圧低下率がプリセットレート(preset rate)以上である。
S3では、端末装置が予め設定されたバッテリーの安全上の危険条件を満たしていると、端末装置が電源オフ状態になるように制御するか、又はバッテリー電源回路を切断して、安全保護が効果的に実行される。
本発明の一実施形態によれば、端末装置のバッテリーコネクタがメインボードから切断されたとき、停電状態ビット情報(power‐failure state bit information)を生成し、停電状態ビット情報を停電情報とする。停電状態ビット情報がリセットされていなく、又はマークされていない場合、バッテリーコネクタとメインボードとの間の切断が勝手に分解して引き起こされた切断であると判断する。
具体的には、バッテリーコネクタとメインボードとの間の切断が勝手に分解して引き起こされた切断であるか否かを判断するプロセスは以下の通りである。
先ず、端末装置のバッテリーコネクタがメインボードから切断されたときに生成される停電情報を獲得し、その中において、このような切断動作は、バッテリーコネクタがメインボードから切断されているか否かを検出する検出回路によって検出することができる。
本発明の一実施例において、バッテリーコネクタはボードツーボード(Board to Board,BTB)コネクタであり、BTBコネクタは金属製のプレッシャープレート(metal pressure plate)を含むことができる。BTBコネクタの金属製のプレッシャープレートを介して検出回路を短絡することができる。このようにして、金属製プレッシャープレートが取り外されるか又は切断されると、検出回路は短絡状態から開回路(OPEN‐circuit)状態に変化する。そのため、検出回路が開回路状態に変化した場合、金属製プレッシャープレートが取り外された又は切断されたと判断し、さらにバッテリーコネクタがメインボードから切断されていると判断する。
携帯電話などの端末装置は、通常、金属製ハウジングを含むことができ、金属製ハウジングは、接着、溶接などによって端末装置の本体に接続固定される。一般的に、バッテリーは端末装置に内蔵されているので、バッテリーを取り外さない限り、金属製ハウジングは取り外されない。従って金属ハウジングを介して検出回路を短絡することもでき、金属ハウジングが取り外されると、検出回路は短絡状態から開回路状態に変化する。このようにして、検出回路が開回路状態に変化したとき、金属製ハウジングが取り外されたと判断し、さらにバッテリーコネクタがメインボードから切断されていると判断することができる。
上記の検出回路はメインボードの中央処理装置(Central Processing Unit,CPU)に接続することもできる。検出回路によって端末装置のバッテリーコネクタがメインボードから切断されたことを検出した場合、CPUはそのステータスレジスタ(status register)を制御して停電状態ビット情報を生成し、停電状態ビット情報を停電情報とすることができる。
次に、停電情報に基づいて、バッテリーコネクタとメインボードとの間の切断が勝手に分解して引き起こされた切断であるか否かを判断する。
バッテリーコネクターとメインボードとの間の切断は、アフターセール切断(after‐sale disconnection)であることができ、例えば、許可された実体が専門修理又は検出するためにバッテリーを分解して引き起こすこと、又は勝手に分解して引き起こされた切断であることもでき、例えば、端末装置のユーザー又は無許可の実体がバッテリーを勝手に分解して引き起こすことである。
許可された実体がバッテリーを分解するとき、いくつかの操作によって現在の分解動作を正常動作としてマークし、例えば、停電状態ビット情報をリセットするか又はマークすることができる。
例えば、本発明の一実施例において、端末装置のバッテリーコネクタがメインボードから切断されると、停電状態ビット情報を1に設定すると、許可された実体がバッテリーを分解するとき、CPUの実行中のプログラムにリセットコマンドを書き込んで、停電状態ビット情報を1から0に回復するか、又はリアルタイムクロック(Real‐Time Clock,RTC)によって停電状態ビット情報をリセットすることができる。
本発明の一実施例において、停電状態ビット情報は、電源管理集積回路(PowerManagement Integrated Circuit,PMIC)電源再投入識別子を介してマークすることができる。
このように、停電状態ビット情報がリセットされているか否かを判断することができる。停電状態ビット情報がリセットされている場合、バッテリーコネクターとメインボードとの間の切断はアフターセール切断であると判断する。停電状態ビット情報がリセットされていない場合、バッテリーコネクタとメインボードとの間の切断は勝手に分解して引き起こされた切断であると判断する。
例えば、バッテリーコネクタをメインボードに再接続した後、停電状態ビット情報が1のままであれば、バッテリーコネクタとメインボードとの間の切断は勝手に分解して引き起こされた切断であると判断することができるが、停電状態ビット情報が0である場合、バッテリーコネクターとメインボードとの間の切断はアフターセール切断であると判断することができる。
又は停電状態ビット情報がマークされているか否かを判断することができる。停電状態ビット情報がマークされている場合、バッテリーコネクターとメインボードとの間の切断はアフターセール切断であると判断することができる。停電状態ビット情報がマークされていない場合、バッテリーコネクタとメインボードとの間の切断は勝手に分解して引き起こされた切断であると判断することができる。
例えば、バッテリーコネクタをメインボードに再接続した後、停電状態ビット情報にPMICパワーオンアゲイン(power‐on‐again)識別子が存在する場合、バッテリーコネクターとメインボードとの間の切断はアフターセール切断であると判断することができる。停電状態ビット情報にPMICパワーオンアゲイン識別子がない場合、バッテリーコネクタとメインボードとの間の切断は勝手に分解して引き起こされた切断であると判断することができる。
許可された実体はより標準的な方法で分解又は組み立てることができるので、アフターセール切断は一般的にバッテリーの安全性の危険を引き起こさないと理解されるべきである。従って、バッテリーコネクターとメインボードとの間の切断はアフターセール切断である場合、端末装置はバッテリー安全状態にあると判断することができる。端末装置がバッテリー安全状態にあると判断した場合、ユーザーが端末装置を安心に使用するように、端末装置を制御してバッテリー安全を示すリマインダーメッセージを送信することができる。
ただし、端末装置のユーザー又は無許可の実体は非標準的な方法で分解又は組み立てる可能性があるので、勝手に分解して引き起こされた切断は、通常、バッテリーの損傷を招く、例えば、バッテリーは耐えられる範囲を超える外部衝撃を受けるか、バッテリーコネクタをメインボードに再接続した後接触不良が発生することなどであり、従ってバッテリーの安全性の危険をもたらす。バッテリーコネクタとメインボードとの間の切断は勝手に分解して引き起こされた切断である場合、勝手に分解して引き起こされた切断に関する情報を記録して、勝手に分解する動作をマークすることができる。
本発明の一実施例において、バッテリーの電圧が瞬間的に降下し且つバッテリー表面のいずれか1つの領域の温度が他の領域の温度より高い場合、バッテリーに急激な電圧変化が発生し且つバッテリー表面に異常温度領域が存在すると判断し、その中において、バッテリー表面は複数の領域に分割される。
具体的には、以下のステップによって判断することができる。
S11では、端末装置のバッテリーの電圧をリアルタイムで獲得し、且つ端末装置のバッテリー表面の各領域の温度をリアルタイムで獲得し、その中において、バッテリー表面は複数の領域に分割される。
その中において、熱抵抗又は熱電対の温度検出技術でバッテリー表面の各領域の温度を検出することができる。熱抵抗又は熱電対の温度検出技術を採用すると、統合が容易になるので、小型装置又はポータブルデバイスの温度検出が容易になる。
具体的には、バッテリー表面を複数の領域に分割し、各領域に温度検出プローブを配置し、温度検出プローブを介して各領域の温度をリアルタイムで検出する。即ち、本発明の一実施例において、各領域の温度は、各領域に対応して配置された温度感知プローブで獲得する。
本発明の一実施例では、図4に示されたように、複数の領域がアレイ状に配置され、例えば、領域1〜領域9は、3×3のアレイ状である。
本発明の別の実施例では、温度検出方案の複雑さを低減するために、温度検出プローブは損傷し易いバッテリー領域のみに配置される。具体的には、図5に示されたように、温度検出プローブはバッテリーのコーナー領域、ヘッド領域及びテール領域に配置される。換言すると、複数の領域は、バッテリーコーナー領域、ヘッド領域、及びテール領域を含むことができる。
S12では、リアルタイムで獲得したバッテリーの電圧に応じて端末装置のバッテリーに急激な電圧変化が発生したか否かを判断し、且つ各領域の温度に応じてバッテリー表面に温度異常領域が存在するか否かを判断する。
その中において、バッテリーの電圧をリアルタイムで検出するために、差動増幅回路(differential amplifying circuit)を構築できる。1つの例示として、図6に示されたように、差動増幅回路は、レジスターR1、レジスターR2、キャパシターC1、差動増幅器(differential amplifier)X1を含むことができる。レジスターR2は、バッテリーの正極に接続された一端と、差動増幅器の負入力端に接続された他端と、を有する。レジスターR1とキャパシターC1は、RC電圧安定化フィルタリング回路を形成する。レジスターR1の一端は差動増幅器X1の負入力端に接続され、レジスターR1の他端は接地される。キャパシターC1は、レジスターR1と並列に接続される。差動増幅器X1の正入力端は、バッテリーの正極に接続される。差動増幅回路を介してバッテリーの電圧をリアルタイムで監視することができ、差動増幅回路の出力信号に応じて、バッテリーに急激な電圧変化が発生したか否かを判断する。
差動増幅器X1の負入力端は、キャパシターC1を介して接地されることが理解できる。バッテリーに急激な電圧変化が発生した場合、キャパシターが存在するので、差動増幅器X1の負入力端の電圧は一定時間内に変化せず、一方、差動増幅器X1の正入力端の電圧は直接に急激に変化し、差動増幅器X1の出力が反転し、従って差動増幅器X1の出力信号を監視することにより、バッテリーに急激な電圧変化が発生したか否かを判断することができる。
本発明の他の実施例では、他の電圧検出回路を介してバッテリーの電圧をリアルタイムで検出することができ、従ってバッテリーの電圧をリアルタイムで監視することができることに留意されたい。バッテリーの電圧を検出するための回路は様々な実施方式があり、当業者に周知であるので、本明細書では詳細に説明しない。
さらに、複数の領域において、温度が他の領域の温度よりも高い領域があるか否かを判断することにより、バッテリー表面に温度異常領域が存在するか否かを判断することができ、又は複数の領域において、温度が予め設定された温度閾値より高い領域があるか否かを判断することにより、バッテリー表面に温度異常領域が存在するか否かを判断することができる。例えば、ある領域の温度が他の領域の温度よりも高いことが検出された場合、その領域は異常温度領域であるとみなすことができ、バッテリー表面に異常温度領域が存在することを示す。
各エリアの温度を比較することにより、外界の温度が検出結果を干渉することを回避することができ、検出精確度が向上する。
S13では、バッテリーに急激な電圧変化が発生し、且つバッテリー表面に温度異常領域が存在すると、バッテリーは現在異常であると判断する。
本発明の実施例において、発明者は、多い試験及び実験を通じて、バッテリーが正常に使用される場合、バッテリーの電圧が比較的安定であり、バッテリー表面の温度も比較的均衡していることを発見した。しかし、バッテリーが落下、衝突、圧迫、突き刺しなどの外部の機械的損傷を受けると、バッテリーに急激な電圧変化が発生し、局部の温度は高くなる。従って、本明細書で提供される端末装置のバッテリー安全性監視方法によれば、バッテリーに急激な電圧変化が発生したか否か、バッテリー表面に温度異常領域が存在するか否かを監視することにより、バッテリーが現在損傷しているか否かを監視する。バッテリーに急激な電圧変化が発生し、バッテリー表面に異常温度領域が存在することが検出されると、バッテリーが現在損傷していること、内部短絡が発生したことを説明し、バッテリーが現在異常であり、且つ一定の潜在的な安全上の危険が存在すると判断する。
本発明の一実施形態によれば、バッテリーが無負荷状態又は軽負荷状態にあるとき、バッテリーに急激な電圧変化が発生し、且つバッテリー表面に温度異常領域が存在する場合、バッテリーが現在異常であると判断する。
「バッテリーが無負荷状態にある」とは、バッテリーが現在放電されなく、バッテリー消費電流がないことを意味する。例えば、端末装置は電源オフ状態にある。「バッテリーが軽負荷状態にある」とは、バッテリーの現在の消費電流は、約5mA〜6mAであり、非常に小さいことを意味する。例えば、端末装置は画面オフ状態又はシステム負荷が非常に小さい状態にある。
バッテリーが無負荷状態又は軽負荷状態にある場合、バッテリーに急激な電圧変化が発生したか否か、バッテリー表面に異常温度領域が存在するか否かを監視することにより、システム負荷の急激な変化による瞬間的な電圧低下とバッテリー表面温度上昇の干渉をフィルタリングすることができ、検出精確度が向上する。
さらに、リアルタイムで獲得したバッテリーの電圧に応じて端末装置のバッテリーに急激な電圧変化が発生したか否かを判断することは、リアルタイムで獲得したバッテリーの電圧に応じて、バッテリーの電圧が瞬間的に降下するか否かを判断すること、バッテリーの電圧が瞬間的に降下すると、バッテリーに急激な電圧変化が発生したと判断すること、を備える。
その中において、予定時間内のバッテリーの電圧降下幅が予定値以上であると、バッテリーの電圧が瞬間的に降下すると判断する。
具体的には、本発明の一実施例において、バッテリーが無負荷状態又は軽負荷状態にある場合、バッテリーの予定値は10mV以上であり、例えば、150〜400mVであることができる。
具体的には、損傷したバッテリーの電圧監視曲線が図7に示されている。曲線1は、わずかに損傷したバッテリーの電圧変化曲線である。曲線2は、深刻な損傷を受けたバッテリーの電圧変化曲線である。曲線3は、損傷していない正常のバッテリーの電圧変化曲線である。曲線1によると、バッテリーがわずかに損傷すると、バッテリーの電圧は瞬間的に3.8Vから3.63Vに変化してから、再びほぼ3.8Vに回復する。曲線2によると、バッテリーが深刻な損傷を受けると、バッテリーの電圧は瞬間的に3.8Vから3.51Vに変化してから、再びほぼ3.8Vに回復する。曲線3によると、損傷していない正常のバッテリーの電圧はほぼ3.8Vのままである。従って、曲線1、曲線2、曲線3を比較すると、以下の内容を発見することができ、即ち、バッテリーが落下、衝突、圧迫、突き刺しなどの外部の機械的損傷を受けると、バッテリーに急激な電圧変化が発生し、バッテリーの電圧が瞬間的に降下する。さらに、バッテリーの損傷程度が異なると、電圧が降下する大きさも異なる。
本発明の一実施形態によれば、充電容量と放電容量の差を獲得することは、バッテリーが第一SOC値から第二SOC値に充電されるときの充電容量を獲得し、バッテリーが第二SOC値から第一SOC値に放電されるときの放電容量を獲得し、充電容量と放電容量に応じて充電容量と放電容量の差を獲得すること、又はバッテリーが第一電圧から第二電圧に充電されるときの充電容量を獲得し、バッテリーが第二電圧から第一電圧に放電されるときの放電容量を獲得し、充電容量と放電容量に応じて充電容量と放電容量の差を獲得すること、を備える。
具体的には、先ず、端末装置のバッテリーの充電過程の充電容量情報及び放電過程の放電容量情報を獲得する。
本発明の実施例において、端末装置に特定の電力検出回路、プログラム、又はメーカーが指定する独立したバッテリー安全監視アプリケーション(APP)を設置することができ、従って端末装置の特定の電力検出回路、プログラム又はAPPによって端末装置のバッテリーの充電過程及び放電過程のバッテリーの容量変更情報を検出することができる。例えば、端末装置にバッテリーの容量を検出するバッテリー安全監視APPをインストールすることができ、バッテリーが2つの特定のSOC値又は電圧値の間で充電及び放電されるとき、上記のAPPによって対応する充電容量と放電容量を検出することができる。
選択的に、端末装置は、スマートフォン、タブレットPC、ポケットリーダーなどであることができるが、これらに限定されるものではなく、端末装置のバッテリーはリチウムバッテリーであることができる。
次に、充電容量情報及び放電容量情報に基づいて、充電過程及び放電過程のバッテリーの容量変更情報を獲得する。
例えば、バッテリーが第一SOC値から第二SOC値に充電されるときの充電容量を獲得し、バッテリーが第二SOC値から第一SOC値に放電されるときの放電容量を獲得し、充電容量と放電容量に応じて充電容量と放電容量の差を獲得することができる。1つの例示として、2910mAh/4.4Vバッテリーの場合、第一SOC値は0.3であると設定し、第二SOC値は0.9であると設定した場合、バッテリーが第一SOC値から第二SOC値に充電されるときの充電容量が1790mAhであり、バッテリーが第二SOC値から第一SOC値に放電されるときの放電容量が1776mAhであると、充電容量と放電容量の差は14mAhである。又は、バッテリーが第一電圧から第二電圧に充電されるときの充電容量を獲得し、バッテリーが第二電圧から第一電圧に放電されるときの放電容量を獲得し、充電容量と放電容量に応じて充電容量と放電容量の差を獲得することができる。1つの例示として、2910mAh/4.4Vバッテリーの場合、第一電圧は3.7Vであると設定し、第二電圧は4.2Vであると設定した場合、バッテリーが3.7Vから4.2Vに充電されるときの充電容量が2985mAhであり、バッテリーが4.2から3.7Vに放電されるときの放電容量は2980mAhであると、充電容量と放電容量の差は5mAhである。
上述したように、バッテリーが第一SOC値から第二SOC値に充電され且つバッテリーが第二SOC値から第一SOC値に放電されるか、又はバッテリーが第一電圧から第二電圧に充電され且つバッテリーが第二電圧から第一電圧に放電されることは、バッテリーの連続的な充電‐放電過程である。バッテリーの連続的な放電‐充電過程を検出することもでき、即ち、バッテリーが第二SOC値から第一SOC値に放電されるときの放電容量を獲得してから、バッテリーが第一SOC値から第二SOC値に充電されるときの充電容量を獲得し、又は、バッテリーが第二電圧から第一電圧に放電されるときの放電容量を獲得してから、バッテリーが第一電圧から第二電圧に充電されるときの充電容量を獲得して、充電容量と放電容量の差を計算することができる。
最後に、充電過程及び放電過程のバッテリーの容量変更情報に基づいて、バッテリーが異常であるか否かを判断する。
具体的には、バッテリーの充電容量と放電容量の差が予め設定された容量範囲内にあるか否かを判断する。バッテリーの充電容量と放電容量の差が予め設定された容量範囲内にあると、バッテリーが正常であると判断する。バッテリーの充電容量と放電容量の差が予め設定された容量範囲内にない場合、バッテリーが異常であると判断する。
その中において、予め設定された容量範囲は0〜20mAhであり、端末装置のメモリに事前に保存して、必要とするときに呼び出すことができる。
例えば、充電容量と放電容量の差14mAhは、0〜20mAhの予め設定された容量範囲内にあるので、バッテリーが正常であると判断することができる。端末装置が落下してから、APPによって検出された充電容量と放電容量の差が200mAhであると、0〜20mAhの予め設定された容量範囲を超えるので、端末装置のバッテリーが異常であると判断することができる。
従って、バッテリーの充電容量と放電容量の差を検出することにより、バッテリーが異常であるか否かを予測し、バッテリーが異常であると、端末装置を制御してバッテリーが異常であるというリマインダーメッセージを送信することにより、ユーザーが異常なバッテリーを即時に処理して、潜在的な安全事故を事前に回避するようにする。
本発明のいくつかの実装例において、さらにバッテリーの充電過程及び放電過程における特定の期間内の2つの時点でのバッテリー容量を獲得することができる。例えば、バッテリーの充電過程において、時点Tでバッテリー容量Mを獲得し、時点T+tでバッテリー容量Nを獲得する。期間tが経過した後、バッテリーの容量変化(N−M)が予め設定された容量範囲内にない場合、バッテリーが異常であると判断することができる。
期間tと予め設定された容量範囲との間に対応関係が存在することができ、この対応関係を事前にメモリに保存して、必要とするときに呼び出すことができることに留意されたい。
具体的には、室温では、15個の2910mAh/4.4VバッテリーサンプルBLP627(各バッテリーサンプルは各自のバッテリーバーコードで識別する)がテストオブジェクトとして使用され、バッテリーサンプルの落下前後の容量変化、充電過程及び放電過程のバッテリーの容量変更情報に基づいて、バッテリー安全性テストを行う。テストデータを次の表1に示す。
表1において、バッテリーが落下した後の「電圧無し」に関するデータは明らかに異常なデータであるので、テストすることを必要としなく、直接に除去するでき、比較の参照データとして使用されないことに留意されたい。例えば、1番、3番、7番、8番、11番、14番のバッテリーは落下した後にその放電容量を検出できなく、即ちバッテリーは明らかに異常であるので、比較の参照データとして使用されない。
表1に示されたように、2番、5番のバッテリーを例として、テスト原理を説明する。2番のバッテリーについて、落下する前に、容量は2984mAhであり、充電容量と放電容量の差は5mAhであり、落下した後、容量は2967mAhであり、充電容量と放電容量の差は3mAhであり、バッテリー落下前後の容量差は17mAhであり、0〜20mAhの予め設定された容量範囲内にあり、落下後の充電容量と放電容量の差は3mAhであり、これも0〜20mAhの予め設定された容量範囲内にあるので、2番のバッテリーは正常であることを説明する。5番のバッテリーについて、落下する前に、容量は2986mAhであり、充電容量と放電容量の差は9mAhであり、落下した後、フレキシブルプリント回路(FPC)が損傷し、容量は2960mAhであり、充電容量と放電容量の差は27mAhであり、バッテリー落下前後の容量差は26mAhであり、0〜20mAhの予め設定された容量範囲内になく、さらに、落下後の充電容量と放電容量の差は27mAhであり、これも0〜20mAhの予め設定された容量範囲内にないので、5番のバッテリーは異常であることを説明する。
バッテリーが落下して損傷した後、充電容量と放電容量の両方とも大きく変化し、損傷の程度によって変化程度が異なる。損傷の程度が高いほど、バッテリーの充電容量と放電容量の変化が大きくなる。即ち、充電容量と放電容量の変化を検出することにより、バッテリーが異常であるか否かを判断することができる。
本発明の一実施例において、バッテリーが完全に充電された後の電圧低下率に基づいてバッテリが異常であるか否かを判断する手順は次のとおりである。
S21では、端末装置が低消費電力状態にある場合、予め設定された時間内の端末装置のバッテリーの電圧低下率を獲得する。
本実施例において、低消費電力状態は、端末装置が完全に充電され、且つ充電器に接続されたままである状態を含む。端末装置が完全に充電され、且つ充電器に接続されたままである状態は、現在の端末装置のバッテリーは完全に充電されており、充電器と端末装置はまだ接続されていることを意味する。この場合、端末装置のバックグラウンドアプリケーションがオフ状態になっていなくても、バッテリーの安全性を検出することができる。その理由は、端末装置の表示画面が点灯されるか及び/又はアプリケーションがオン状態になると、充電器は端末装置と接続したままであるので、端末装置の電力消費は完全に充電器によって供給されるからである。
端末装置のバッテリーに対して異常検出を行う場合、予め設定された期間内の端末装置のバッテリーの電圧低下率を獲得してから、予め設定された期間内のバッテリーの電圧低下率に基づいてバッテリーに安全上の問題があるか否かを判断する。
具体的には、予め設定された期間内の端末装置のバッテリーの電圧低下率を獲得することは、端末装置が低消費電力状態になり、第一予定時間だけ持続した後、第二予定時間ごとにバッテリーの電圧を獲得すること、第二予定時間間隔で検出されたバッテリーの電圧に応じて電圧低下率を計算すること、を含む。
例えば、充電器をテスト対象の移動端末(携帯電話など)に差し込み、移動端末の充電を始める。移動端末が完全に充電された後、充電器を抜かない条件で移動端末のバッテリーの電圧が低下する情況を観察して、表2示すようにデータを記録する。その後、表2のデータに基づいて、充電器を抜かない条件でメインボードの消費電力がバッテリーの電圧に対する影響を観察する。
バッテリーの定格容量は2750mAh、定格電圧は4.35Vである。1#、2#、3#、...、10#は、異なる10個のテストサンプルを示す。
表2に示すように、充電器のプラグを抜かない条件で、移動端末のバッテリーが正常な状態にある場合、バッテリーが完全に充電され、一定時間(例えば、第一予定時間1hである)放置してから、所定の時間(例えば、第二予定時間10minである)内で、バッテリーの電圧変化量は1mV以内に保つことができる。
次に、新しいバッテリーを選択し、バッテリーを半分の電力まで充電してから、1.8m(メートル)の空中でバッテリーを10回(コーナーは6回、表面は4回)繰り返して落とす。落とすたびに、赤外線サーマルイメージャーでバッテリーの発熱状況を確認する。 バッテリーの局所領域の温度変化が5℃を超えると、バッテリーを落とすことを停止する。 その後、バッテリーを端末装置に入れて完全に充電し、表3に示すように、充電器のプラグを抜かない条件で、落下後のバッテリーの電圧低下を観察し始める。
バッテリーの定格容量は2980mAh、定格電圧は4.35Vである。1#、2#、3#、...、10#は、異なる10個のテストサンプルを示す。また、落下試験後、4#及び5#のテストサンプルにとって、バッテリーが明らかに発熱続き、バッテリー電圧は約4Vにしか達することができず、充電によってそれ以上の電圧に達することはできない。
表3に示すように、バッテリーが落下により損傷した後、充電器のプラグを抜かない条件で、バッテリーが完全に充電され、一定時間(例えば、第一予定時間1hである)放置してから、所定の時間(例えば、第二予定時間10minである)内で、バッテリーの電圧変化量は比較的明らかであるので、バッテリーの電圧の変化に応じて、バッテリーが異常であるか否かを高い確率で検出できる。
例示として、端末装置が完全に充電され且つ充電器との接続が維持されると、第一予定時間(例えば、1hである)を遅延させた後、本発明に関連するアプリケーションは第二予定時間t2(例えば、10minである)毎に充電用集積回路(IC)の電圧フィードバックモジュールを介してバッテリーの電圧を検出する。時点t1で検出されたバッテリーの電圧はV1であり、時間t2を遅延させた後に検出されたバッテリーの電圧はV2であると、V1、V2及びt2に基づいてバッテリーの電圧低下率△Vを計算でき、△V=(V1−V2)/t2であり、それから予め設定された時間内のバッテリーの電圧降下率に基づいて、バッテリーが異常であるか否かを判断する。
S22では、予め設定された時間内のバッテリーの電圧低下率に応じて、バッテリーが異常であるか否かを判断する。
予め設定された時間内のバッテリーの電圧低下率に応じて、バッテリーが異常であるか否かを判断することは、具体的に、以下の内容を含む。電圧低下率がプリセットレート(preset rate)以上であるか否かを判断する。電圧低下率がプリセットレート未満であると、バッテリーが正常であると判断する。電圧低下率がプリセットレート以上であると、バッテリーが異常であると判断する。
例えば、表2及び表3に示すテスト結果によれば、プリセットレートを1mVに設定することができ、それによってバッテリーの大部分の異常状況を検出することができる。例えば、端末装置が低消費電力状態にある場合、第一予定時間(例えば、1hである)を遅延させた後、バッテリーの電圧を1回獲得し、V1として記録される。第二予定時間(例えば、10minである)を遅延させた後、バッテリーの電圧を再度獲得し、V2として記録される。次に、V1、V2及びt2に基づいてバッテリーの電圧低下率△Vを計算でき、△V=(V1−V2)/t2であり、電圧低下率がプリセットレート(1mV)以上であるか否かを判断する。△Vが1mV未満であると、バッテリーが正常であると判断する。△Vが1mV以上であると、バッテリーが異常であると判断する。ただし、1回の検出に基づいてバッテリーが異常であるか否かを判断すると、誤認識率が高くなる。従って、判断正確度を向上させるために、何度も検出する方法を採用することができる。例えば、電圧低下率△Vが連続して3回又は3回以上1mV未満であると、バッテリーが正常であると判断する。そうではない場合、バッテリーが異常であると判断する。
バッテリーが外部の機械的損傷(例えば、圧迫、落下、突き刺しなどである)を受けると、バッテリー内部で内部短絡が発生する。内部短絡が発生したので、損傷したバッテリーは充電過程で一定の漏れ電流がある。定電圧充電段階での充電電流は小さいので、損傷したバッテリーの定電圧充電段階の充電時間は大幅に増加する。
本発明の一実施例によると、定電圧充電段階の持続時間に基づいてバッテリが異常であるか否かを判断することは、次の内容を含む。
S31では、バッテリー充電中の定電圧充電段階の持続時間を獲得する。
端末装置の充電過程は、一般的に、トリクル充電段階、定電流充電段階及び定電圧充電段階を含む。定電圧充電段階では、電圧フィードバックループを使用して、定電圧充電段階でバッテリーに印加される電圧がバッテリーの予想充電電圧の大きさを満たすようにする。例えば、図8に示されたように、バッテリーの電圧が4.35Vと等しい場合、定電圧充電段階に入る。この段階では、充電電圧は常に4.35Vである。バッテリーが徐々に完全に充電されると、充電電流はだんだん小さくなり、充電電流が予め設定されたカットオフ充電電流100mAより小さい場合、バッテリーが完全に充電されていると判断できる。
定電圧充電段階では、バッテリーが損傷により異常になると、バッテリー内部で局所的な内部短絡が発生する。内部短絡が発生したので、損傷したバッテリーは定電圧充電段階で一定の漏れ電流がある。加えて、定電圧充電段階での充電電流は小さいので、損傷したバッテリーの定電圧充電段階の充電時間は大幅に増加する。具体的に、図8に示されている。
S32では、持続時間が予め設定された時間以上であるか否かを判断する。
S33では、持続時間が予め設定された時間以上であると、端末装置のバッテリーが異常であると判断する。
従って、端末装置の充電過程において、バッテリーの定電圧充電段階の持続時間を監視することにより、内部短絡によりバッテリーに自己消費電流が存在するか否かを判断することができ、バッテリーが異常であるか否かを精確に識別することができる。
さらに、端末装置が低消費電力状態にある場合、上述した持続時間を獲得する。即ち、端末装置が低消耗電力状態にある場合、端末装置の消費電流は非常に小さく、異常なバッテリーの短絡漏れ電流と干渉を引き起こさず、それにより検出精度を高めることができる。
本発明の実施例において、低消費電力状態は、画面オフ状態及び電源オフ状態を含むことができ、即ちバッテリーは軽負荷状態又は無負荷状態にある。「バッテリーが無負荷状態にある」とは、バッテリーが現在放電されなく、バッテリー外部消費電流(バッテリーの内部短絡による自己消費電流を含まない)がないことを意味する。例えば、端末装置は電源オフ状態にある。「バッテリーが軽負荷状態にある」とは、バッテリーの現在の消費電流は、約5mA〜6mAであり、非常に小さいことを意味する。例えば、端末装置は画面オフ状態又はシステム負荷が非常に小さい状態にある。
さらに、「画面オフ状態」とは、端末装置の表示画面がオフ状態にあり、バックグラウンドのすべてのアプリケーションが閉じられ、本発明に関連するアプリケーションのみがオンにすることを意味することに留意されたい。即ち、バッテリーの安全性を監視しているところ、端末装置は電力消費がほとんどない状態にあるので、獲得した持続期間はより正確になり、ディスプレイ又はアプリケーションの電力消費による検出の不正確を回避することができる。
例示として、バッテリーを充電しているところ、先ずトリクル充電が行われ、その後に定電流充電と定電圧充電が行われる。充電電圧が4.35Vに達すると、定電圧充電段階に入る。この段階では、充電電圧は常に4.35Vである。バッテリーが徐々に完全に充電されると、充電電流はだんだん小さくなり、充電電流が予め設定されたカットオフ充電電流100mAより小さい場合、バッテリーが完全に充電されていると判断することができ、バッテリーの定電圧充電段階の持続時間を獲得する。
バッテリーが損傷を受けて異常である場合、損傷したバッテリーには特定の短絡自己消費電流が存在するので、定電圧充電段階の持続時間は長くなる。このように、持続時間の長さを判断することにより、バッテリーが異常であるか否かを識別できる。
本発明の実施形態において、予め設定されたカットオフ充電電流を減少することにより、検出精度を改善することができる。換言すると、予め設定されたカットオフ充電電流がバッテリー内部の短絡漏れ電流に接近するほど、バッテリーが損傷により異常であるか否かを識別し易くなる。
本発明の一実施形態によれば、以下の条件の中のいずれか1つを満たす場合、バッテリーの充電過程でバッテリーの充電電流と充電電圧を制限し、且つ端末装置を制御してバッテリーが異常であるというリマインダーメッセージを送信するようにする。
(1)端末装置のバッテリーコネクタがメインボードから切断されたときに生成される停電情報に基づいて、バッテリーコネクタとメインボードとの間の切断が勝手に分解して引き起こされた切断であると判断する。
(2)バッテリーに急激な電圧変化が発生し且つバッテリー表面に温度異常領域が存在する。
(3)バッテリー充電中の定電圧充電段階の持続時間が予め設定された時間以上である。
(4)充電過程及び放電過程のバッテリーの容量変更情報に基づいて、充電容量と放電容量の差が予め設定された容量区間にないと判断する。
(5)バッテリー充電完了後の電圧低下率がプリセットレート(preset rate)以上である。
即ち、バッテリーの状態情報を監視する場合、上記した条件のいずれか1つを満たす場合、バッテリーが異常であると判断し、バッテリーの充電過程でバッテリーの充電電流と充電電圧を制限することにより、効果的にリスクを回避し、安全性を向上させ、端末装置を制御してバッテリーが異常であるというリマインダーメッセージを送信するようにする。
例えば、バッテリーが異常であると検出された場合、ユーザーに通知する必要がある。1つの例示として、図9に示されるように、「バッテリーの安全性メッセージ:お客様、現在バッテリーは損傷のため異常な状態にあります。安全に使用するために、***のカスタマーサービスアウトレット(customer service outlet)に行って検査修理してください、ありがとうございます!」というリマインダーメッセージでユーザーにリマインドできる。別の例示として、図9に示されたリマインダーメッセージでユーザーにリマインドするとき、さらに移動端末の指示ランプの点滅によってユーザーにリマインドでき、例えば、指示ランプを制御して赤色光を発出し且つ高い頻度で点滅するようにする。さらに別の例示として、端末装置の音声機能を介してユーザーにリマインドできる。
一般的に、ユーザーは、上記のリマインダーメッセージを受信すると、すぐカスタマーサービスアウトレットに行って検査修理する。ただし、一部のユーザーは、上記のリマインダーメッセージを受信しても、問題の深刻さを認識できない場合がある。従って、リマインダーメッセージを無視し、端末装置を正常に使用し続ける可能性がある。この場合、ユーザーに何度も通知することができる。例えば、ユーザーに少なくとも三回通知することができる。何度も通知したが、ユーザーは依然として問題を処理しない場合、端末装置の一部の機能を制限することができる。
例えば、一般的に、端末装置のアプリケーションの消費電力が小さいほど、バッテリーの使用過程で発生する熱は小さくなる。例えば、ビデオチャットは実行されなく、インスタントメッセージング(IM)アプリケーションのみが起動された場合、バッテリーの消費電力が低く、バッテリーの発熱量も少ないので、バッテリーの危険発生可能性も低くなる。ただし、ビデオの視聴、モバイルゲームのプレイなど、アプリケーションの消費電力が高い場合、バッテリーの消費電力が高く、バッテリーの発熱量も大きいので、安全事故が発生し易い。従って、バッテリーが異常であると判断された場合、ビデオアプリケーション、ゲームアプリケーションなどの高消費電力アプリケーションの使用を禁止する。
さらに、バッテリーの充電過程でも熱が発生する可能性があり、特に急速充電状態では、短時間でより多い熱が発生するので、バッテリーが異常であると判断されると、バッテリーの急速充電も禁止される。さらに深刻な状況では、安全事故の発生を防止するために、バッテリーを充電することさえ禁止し、且つ端末装置の表示スクリーンに「バッテリーの損傷のため、バッテリーの充電は禁止します。***のカスタマーサービスアウトレットに行って検査修理してください。ご協力ありがとうございます!」というメッセージを表示することにより、ユーザーにリマインドする。
上述したように、本発明の実施形態に係わる端末装置のバッテリー安全性監視方法によれば、端末装置のバッテリー状態情報を獲得して、端末装置が予め設定されたバッテリーの安全上の危険条件を満たしているか否かを判断することにより、バッテリーの寿命周期全体でバッテリーの安全上の危険条件をトリガーしたか否かを監視し、バッテリーの安全上の危険条件をトリガーした場合、安全保護が効果的に実行され、バッテリーの安全上の危険に起因する安全事故を回避し、端末装置の使用安全性が大幅に向上する。
さらに、本発明の実施形態は、コンピュータプログラムを記憶した非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を提供し、このプログラムがプロセッサによって実行されると、上述したバッテリー安全性監視方法を実施する。
本発明の実施形態に係わる非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によれば、上述したバッテリー安全性監視方法を実行することにより、バッテリーの寿命周期全体でバッテリーの安全上の危険条件をトリガーしたか否かを監視し、バッテリーの安全上の危険条件をトリガーした場合、安全保護が効果的に実行され、バッテリーの安全上の危険に起因する安全事故を回避し、端末装置の使用安全性が大幅に向上する。
図10は、本発明の実施形態に係わる端末装置のバッテリー安全性監視システムのブロック図である。図10に示されたように、端末装置のバッテリー安全性監視システム100は、獲得モジュール110と、判断モジュール120と、安全性監視モジュール130と、を備える。
獲得モジュール110は、端末装置のバッテリー状態情報を獲得するために用いられる。バッテリー状態情報は、端末装置のバッテリーコネクタがメインボードから切断されたときに生成される停電情報、バッテリーに急激な電圧変化が発生し且つバッテリー表面に温度異常領域が存在するか否か、バッテリー充電中の定電圧充電段階の持続時間、充電過程及び放電過程のバッテリーの容量変更情報、バッテリー充電完了後の電圧低下率の中の少なくとも2つを含む。判断モジュール120は、端末装置のバッテリー状態情報に基づいて、端末装置が予め設定されたバッテリーの安全上の危険条件を満たしているか否かを判断するために用いられる。安全監視モジュール130は、端末装置が予め設定されたバッテリーの安全上の危険条件を満たしていると、端末装置が電源オフ状態になるように制御するか、又はバッテリー電源回路を切断するために用いられる。
本発明の一実施例において、図3に示されたように、バッテリーの寿命周期全体で異常を監視することができる。例えば、バッテリが損傷を受ける前に、端末装置のバッテリーコネクタがメインボードから切断されたときに生成される停電情報を獲得することにより、バッテリーコネクタとメインボードとの間の切断が勝手に分解して引き起こされた切断であるか否かを判断する。バッテリが損傷を受けた場合、バッテリーに急激な電圧変化が発生したか否かを監視し、バッテリー表面の温度を検出することにより、損傷によりバッテリーは現在異常であるか否かを判断する。バッテリーの充電過程において、バッテリーの定電圧充電段階の持続時間を監視することにより、バッテリーは異常であるか否かを判断する。バッテリーが完全に充電された後、予め設定された期間内のバッテリーの電圧低下率を監視することにより、バッテリーは異常であるか否かを判断する。バッテリーの使用過程において、例えば、充電過程及び放電過程において、バッテリーの容量変化を監視することにより、バッテリーが異常であるか否かを判断する。
したがって、本発明の実施例において、バッテリーは異常であるか否かを全方位に監視することができ、監視されたバッテリー状態情報に基づいて、バッテリーの安全上の危険条件をトリガーしたか否かを判断し、バッテリーの安全上の危険条件をトリガーした場合、バッテリー電源回路を直接に切断するか、端末装置が電源オフ状態になるように制御する。
本発明の一実施形態によれば、予め設定されたバッテリーの安全上の危険条件は、以下の条件の中のいずれか2つを含む。
(1)端末装置のバッテリーコネクタがメインボードから切断されたときに生成される停電情報に基づいて、バッテリーコネクタとメインボードとの間の切断が勝手に分解して引き起こされた切断であると判断する。
(2)バッテリーに急激な電圧変化が発生し且つバッテリー表面に温度異常領域が存在する。
(3)バッテリー充電中の定電圧充電段階の持続時間が予め設定された時間以上である。
(4)充電過程及び放電過程のバッテリーの容量変更情報に基づいて、充電容量と放電容量の差が予め設定された容量範囲内にないと判断する。
(5)バッテリーが完全に充電された後の電圧低下率がプリセットレート(preset rate)以上である。
従って、上述した5つの条件の中のいずれか2つを満たす場合、バッテリーの安全上の危険条件をトリガーしたと判断する。
本発明の一実施形態によれば、以下の条件の中のいずれか1つを満たす場合、バッテリーの充電過程で、安全監視モジュール130は、バッテリーの充電電流と充電電圧を制限し、且つ端末装置を制御してバッテリーが異常であるというリマインダーメッセージを送信するようにする。
(1)端末装置のバッテリーコネクタがメインボードから切断されたときに生成される停電情報に基づいて、バッテリーコネクタとメインボードとの間の切断が勝手に分解して引き起こされた切断であると判断する。
(2)バッテリーに急激な電圧変化が発生し且つバッテリー表面に温度異常領域が存在する。
(3)バッテリー充電中の定電圧充電段階の持続時間が予め設定された時間以上である。
(4)充電過程及び放電過程のバッテリーの容量変更情報に基づいて、充電容量と放電容量の差が予め設定された容量範囲内にないと判断する。
(5)バッテリーが完全に充電された後の電圧低下率がプリセットレート以上である。
即ち、バッテリーの状態情報を監視する場合、上記した条件のいずれか1つを満たす場合、バッテリーが異常であると判断し、バッテリーの充電過程でバッテリーの充電電流と充電電圧を制限することにより、効果的にリスクを回避し、安全性を向上させ、端末装置を制御してバッテリーが異常であるというリマインダーメッセージを送信するようにする。
例えば、バッテリーが異常であると検出された場合、ユーザーに通知する必要がある。1つの例示として、図9に示されるように、「バッテリーの安全性メッセージ:お客様、現在バッテリーは損傷のため異常な状態にあります。安全に使用するために、***のカスタマーサービスアウトレット(customer service outlet)に行って検査修理してください、ありがとうございます!」というリマインダーメッセージでユーザーにリマインドできる。別の例示として、図9に示されたリマインダーメッセージでユーザーにリマインドするとき、さらに移動端末の指示ランプの点滅によってユーザーにリマインドでき、例えば、指示ランプを制御して赤色光を発出し且つ高い頻度で点滅するようにする。さらに別の例示として、端末装置の音声機能を介してユーザーにリマインドできる。
一般的に、ユーザーは、上記のリマインダーメッセージを受信すると、すぐカスタマーサービスアウトレットに行って検査修理する。ただし、一部のユーザーは、上記のリマインダーメッセージを受信しても、問題の深刻さを認識できない場合がある。従って、リマインダーメッセージを無視し、端末装置を正常に使用し続ける可能性がある。この場合、ユーザーに何度も通知することができる。例えば、ユーザーに少なくとも三回通知することができる。何度も通知したが、ユーザーは依然として問題を処理しない場合、端末装置の一部の機能を制限することができ、例えば、バッテリーの充電過程の充電電流と充電電圧を制限する。
本発明の一実施形態によれば、端末装置のバッテリー安全性監視システムは、端末装置のバッテリーコネクタがメインボードから切断されたとき、停電状態ビット情報を生成し、且つ停電状態ビット情報を停電情報とするために用いられる生成モジュールをさらに備える。判断モジュール120は、さらに停電状態ビット情報がリセットされていなく、又はマークされていない場合、バッテリーコネクタとメインボードとの間の切断が勝手に分解して引き起こされた切断であると判断するために用いられる。
バッテリーコネクターとメインボードとの間の切断は、アフターセール切断(after‐sale disconnection)であることができ、例えば、許可された実体が専門修理又は検出するためにバッテリーを分解して引き起こすこと、又は勝手に分解して引き起こされた切断であることもでき、例えば、端末装置のユーザー又は無許可の実体がバッテリーを勝手に分解して引き起こすことである。
許可された実体がバッテリーを分解するとき、いくつかの操作によって現在の分解動作を正常動作としてマークし、例えば、停電状態ビット情報をリセットするか又はマークすることができる。
ただし、端末装置のユーザー又は無許可の実体は非標準的な方法で分解又は組み立てる可能性があるので、勝手に分解して引き起こされた切断は、通常、バッテリーの損傷を招く、例えば、バッテリーは耐えられる範囲を超える外部衝撃を受けるか、バッテリーコネクタをメインボードに再接続した後接触不良が発生することなどであり、従ってバッテリーの安全性の危険をもたらす。バッテリーコネクタとメインボードとの間の切断は勝手に分解して引き起こされた切断である場合、勝手に分解して引き起こされた切断に関する情報を記録して、勝手に分解する動作をマークすることができる。
本発明の一実施形態によれば、バッテリーの電圧が瞬間的に降下し且つバッテリー表面のいずれか1つの領域の温度が他の領域の温度より大きい場合、判断モジュール120は、さらにバッテリーに急激な電圧変化が発生し且つバッテリー表面に温度異常領域が存在すると判断し、その中において、バッテリー表面は複数の領域に分割される。
その中において、熱抵抗又は熱電対の温度検出技術でバッテリー表面の各領域の温度を検出することができる。熱抵抗又は熱電対の温度検出技術を採用すると、統合が容易になるので、小型装置又はポータブルデバイスの温度検出が容易になる。
具体的には、バッテリー表面を複数の領域に分割し、各領域に温度検出プローブを配置し、温度検出プローブを介して各領域の温度をリアルタイムで検出する。即ち、本発明の一実施形態において、各領域に対応して配置された温度感知プローブで各領域の温度を獲得する。
本発明の一実施形態では、図4に示されたように、複数の領域がアレイ状に配置され、例えば、領域1〜領域9は、3×3のアレイ状である。
本発明の別の実施形態では、温度検出方案の複雑さを低減するために、温度検出プローブは損傷し易いバッテリー領域のみに配置される。具体的には、図5に示されたように、温度検出プローブはバッテリーのコーナー領域、ヘッド領域及びテール領域に配置される。換言すると、複数の領域は、バッテリーコーナー領域、ヘッド領域、及びテール領域を含むことができる。
さらに、複数の領域において、温度が他の領域の温度よりも高い領域があるか否かを判断することにより、バッテリー表面に温度異常領域が存在するか否かを判断することができ、又は複数の領域において、温度が予め設定された温度閾値より高い領域があるか否かを判断することにより、バッテリー表面に温度異常領域が存在するか否かを判断することができる。例えば、ある領域の温度が他の領域の温度よりも高いことが検出された場合、その領域は異常温度領域であるとみなすことができ、バッテリー表面に異常温度領域が存在することを示す。
本発明の一実施形態によれば、獲得モジュール110は充電容量と放電容量の差を獲得する時、バッテリーが第一SOC値から第二SOC値に充電されるときの充電容量を獲得し、且つバッテリーが第二SOC値から第一SOC値に放電されるときの放電容量を獲得してから、充電容量と放電容量に応じて充電容量と放電容量の差を獲得するか、又はバッテリーが第一電圧から第二電圧に充電されるときの充電容量を獲得し、バッテリーが第二電圧から第一電圧に放電されるときの放電容量を獲得してから、充電容量と放電容量に応じて充電容量と放電容量の差を獲得する。
本発明の実施形態において、安全性監視モジュール130は、バッテリ管理機能を有するバッテリマネージャであることができ、バッテリ保護機能を有するバッテリ保護システムであることもでき、又はバッテリ管理機能、バッテリ保護機能及び端末装置制御機能を統合する端末装置制御システムであることもできる。本発明はこれに対して具体的に限定しない。
本発明の実施形態に係わる端末装置のバッテリー安全性監視システムによれば、獲得モジュールによって端末装置のバッテリー状態情報を獲得し、判断モジュールは、端末装置のバッテリー状態情報に基づいて、端末装置が予め設定されたバッテリーの安全上の危険条件を満たしているか否かを判断し、安全監視モジュールは、端末装置が予め設定されたバッテリーの安全上の危険条件を満たしていると、端末装置が電源オフ状態になるように制御するか、又はバッテリー電源回路を切断する。従ってバッテリーの寿命周期全体でバッテリーの安全上の危険条件をトリガーしたか否かを監視し、バッテリーの安全上の危険条件をトリガーした場合、安全保護が効果的に実行され、バッテリーの安全上の危険に起因する安全事故を回避し、端末装置の使用安全性が大幅に向上する。
図11に示されたように、本発明の実施形態は、上述した端末装置のバッテリー安全性監視システム100を備える端末装置10を提供する。
本発明の実施形態に係わる端末装置によれば、上述した端末装置のバッテリー安全性監視システムによって、バッテリーの寿命周期全体でバッテリーの安全上の危険条件をトリガーしたか否かを監視し、バッテリーの安全上の危険条件をトリガーした場合、安全保護が効果的に実行され、バッテリーの安全上の危険に起因する安全事故を回避し、使用安全性が大幅に向上する。
本発明の説明において、「中央」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「縦」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「半径方向」、「円周方向」などの用語が示す方向関係又は位置関係は、添付図面に基づく方向関係又は位置関係であり、本発明を便利に説明し、簡略化するためのものであり、装置又は構成要素が必ず特定の方向を持っているか、特定の方向に構成され且つ操作されることを明示又は暗示するものではなく、従って本発明を限定するものであると解釈するべきではない。
さらに、「第一」、「第二」などの用語は、ただ説明するために用いられ、相対的な重要性を明示又は暗示するか、又はここで言及される技術的特徴の数を暗示するものであると理解するべきではない。従って、「第一」、「第二」などの用語によって制限される特徴は、少なくとも1つの該特徴を含むことを明示又は暗示する。本発明の説明において、特に明記しない限り、「複数」は、2つ、3つなどの「少なくとも2つ」を指す。
本発明において、明確な規定及び限定がない限り、「設置する」、「結合する」、「接続する」、「固定する」などの用語は、より広い意味で理解されるべきである。例えば、明確な規定がない限り、固定接続されてもよく、着脱可能に接続されてもよく、又は一体になってもよく、機械的に接続されてもよく、電気的に接続されてもよく、直接に接続されてもよく、媒体を介した間接的に接続されてもよく、2つの構成素子間の連通であることができ、又は2つの構成要素間の相互作用関係であることもできる。当業者にとって、特定の状況に応じて、本発明における上記の用語の具体的な意味を理解され得る。
本発明において、明確な規定及び限定がない限り、第一特徴は第二特徴の「上」又は「下」にあるということは、第一特徴と第二特徴は直接に接触するか、又は第一特徴と第二特徴は媒体を介して間接的に接触することを意味する。第一特徴は第二特徴の「上」、「上方」、「上面」にあることは、第一特徴は第二特徴の真上又は斜め上にあるか、又はただ第一特徴の水平高さが第二特徴の水平高さより高いことを意味する。第一特徴は第二特徴の「下」、「下方」、「下面」にあることは、第一特徴は第二特徴の真下又は斜め下にあるか、又はただ第一特徴の水平高さが第二特徴の水平高さより低いことを意味する。
本明細書で言及される参照用語「1つの実施形態」、「いくつかの実施形態」、「例示」、「具体的な例示」、又は「いくつかの例示」などは、該実施形態又は例示を結合して説明する具体的な特徴、構造、材料、又は特性が本発明の少なくとも1つの実施形態又は例示に含まれることを意味する。本明細書において、上述した用語の例示的な記載は、必ず同じ実施形態又は例示を指すことに限定されない。記載された特定の特徴、構造、材料、又は特性は、任意の1つ又は複数の実施形態又は例示で適切に組み合わせることができる。さらに、矛盾がない限り、当業者は本明細書に記載された異なる実施形態又は例示、及び異なる実施形態又は例示の特徴を組み合わせることができる。
本願に開示された実施形態に基づいて記載される各例示のユニット及びアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、又はコンピュータープログラムと電子ハードウェアとの組み合わせにより実現され得ることは、当業者とって明らかである。これらの機能は、ハードウェアにより実行されるか又はソフトウェアにより実行されるかについて、技術方案の特定の応用場合や設計の制限条件などによって決められる。専門技術者は、特定応用ごとに異なる方法を使用して記載される機能を実現できるが、これらの実現は、本発明の範囲を超えると見なされるべきではない。
また、当業者であれば理解できるように、説明の便利および簡潔のために、上記システム、装置、及びユニットの詳細な動作プロセスについては、上記方法実施形態の対応するプロセスを参照することができるため、再度説明しない。
本願によって提供される幾つかの実施形態において、開示されるシステム、装置及び方法は、他の形態により実現され得ると理解されるべきである。例えば、上記に説明された装置の実施形態は、例示するためのものに過ぎない。例えば、ユニットの分割は、ロジック機能の分割に過ぎず、実際に実現するときに別の分割形態を有してもよい。例えば、複数のユニット又は部品を組み合わせ、又は別のシステムに集積し、又は若干の特徴を無視し、又は実行しなくてもよい。さらに、図示又は検討する相互間の結合や直接結合や通信接続は、いくつかのインタフェース、装置、又はユニットの間接結合や通信接続であってもよく、電気、機械や他の形態であってもよい。
分離部品として記載されたユニットは、物理的に分離してもよいし、分離しなくてもよい。ユニットとして表示される部品は、物理的なユニットであってもよいし、物理的なユニットではなくておもよい。即ち、一つの箇所に設置してもよいし、複数のネットワークユニットに設置してもよい。実際の要求に応じて一部又は全部のユニットを選択して本実施形態の技術方案の目的を実現することができる。
また、本発明に係る各実施形態の各機能ユニットは、1つの処理ユニットに集積されてもよいし、物理的に分離された複数のユニットとして存在してもよいし、2つ以上のユニットは1つのユニットに集積してもよい。
上記機能がソフトウェア機能ユニットで実現され、独立した製品として販売または使用される場合、このソフトウェアはコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。このような理解に基づいて、本発明の技術手段の要旨、あるいは従来技術に寄与する部分、あるいは技術手段的一部は、ソフトウェア製品で実現されてもよい。このコンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に記憶され、本発明の様々な実施形態に係る方法のステップの全部または一部をコンピュータ(パーソナルコンピュータ、サーバ、またはネットワークデバイスなど)に実行させるための若干のインストラクションを含んでもよい。上記記憶媒体は、USBメモリ、リムーバブルハードディスク、読み出し専用メモリ(ROM、Read−Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)、磁気ディスク、または光ディスクなどの、プログラムコードを記憶することができる任意の媒体を含んでもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述した実施形態は例示的であり、本発明を限定するものであると理解されるべきではなく、当業者であれば、本発明の範囲内で、上述した実施形態を変更、修正、置換及び変形することができる。
本発明は、端末装置の技術分野に関し、さらに具体的に、端末装置のバッテリー安全性監視方法、端末装置のバッテリー安全性監視システム及びバッテリー安全性監視システムを有する端末装置に関する。
バッテリーは、端末装置の電源であり、携帯電話などの移動端末に長期間安定した電力を供給する。移動端末に最初に使用されたバッテリーは、ニッケルクロムバッテリーとニッケル水素(Ni−MH)バッテリーである。ただし、移動端末の画面の拡大、機能の強化などにつれて、ニッケルクロムバッテリーとニッケル水素バッテリーの容量は、すでに電力要件を満たすことができない。代わりに、リチウムイオンバッテリーは多い利点を有し、例えば、エネルギー密度が高いので、軽量化、高容量化、充電と放電の高速化が可能であり、且つニッケルクロムバッテリーとニッケル水素バッテリーに比べて、メモリー効果がなく、環境に対する元素損害も最小限に抑えることができるので、従来のニッケルクロムバッテリーとニッケル水素バッテリーを徐々に替える。
リチウムイオンバッテリーは、バッテリー容量の問題を効果的に解決したが、安全性問題は依然として存在する。例えば、リチウムイオンバッテリーが損傷して、短絡が発生すると、セル内部の発熱を招く、この発熱が速すぎると、バッテリーに火事が起こって、バッテリーが爆発する可能性があるので、事故を防ぐために、バッテリーの安全性を監視する必要がある。
本発明の第一態様で提供される端末装置のバッテリー安全性監視方法は、以下のステップを備える。端末装置のバッテリー状態情報を獲得する。バッテリー状態情報は、端末装置のバッテリーコネクタがメインボードから切断されたときに生成される停電情報、バッテリーに急激な電圧変化が発生し且つバッテリー表面に温度異常領域が存在するか否か、バッテリー充電中の定電圧充電段階の持続時間、充電過程及び放電過程のバッテリーの容量変更情報、バッテリーが完全に充電された後の電圧低下率の中の少なくとも2つを含む。端末装置のバッテリー状態情報に基づいて、端末装置が予め設定されたバッテリーの安全上の危険条件を満たしているか否かを判断する。端末装置が予め設定されたバッテリーの安全上の危険条件を満たしていると、端末装置が電源オフ状態になるように制御するか、又はバッテリー電源回路を切断する。
本発明の第二態様は、バッテリー及びバッテリー安全性監視方法を実行するように構成されたコントローラーを含む端末装置を提供する。
本発明の第三態様は、コンピュータプログラムを記憶した非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を提供し、コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、バッテリー安全性監視方法を実行する。
図1は、本発明の一実施例に係わるバッテリー損傷過程を示す概略図である。
図2は、本発明の実施例に係わる端末装置のバッテリー安全性監視方法のフローチャートである。
図3は、本発明の一実施例に係わるバッテリーは異常であるか否かを全方位に監視することを示す概略図である。
図4は、本発明の一実施例に係わるバッテリー表面の領域分割を示す概略図である。
図5は、本発明の別の実施例に係わるバッテリー表面の領域分割を示す概略図である。
図6は、本発明の一実施例に係わる電圧急変監視回路を示す概略図である。
図7は、本発明の一実施例に係わる損傷したバッテリーの電圧監視曲線と正常なバッテリーの電圧監視曲線の比較図である。
図8は、本発明の一実施例に係わる、定電圧充電段階における正常なバッテリー及び異常なバッテリーの電圧変動曲線及び電流変動曲線の比較図である。
図9は、本発明の一実施例に係わる移動端末のリマインダーメッセージを示す概略図である。
図10は、本発明の実施例に係わる端末装置のバッテリー安全性監視システムのブロック図である。
図11は、本発明の実施例に係わる端末装置のブロック図である。
図12は、本開示の別の実施例に係わる端末装置のブロック図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施例を詳細に説明する。同一又は類似の符号は、同一又は類似の部品、又は同一又は類似の機能を有する部品を示す。以下、添付図面を参照して説明される実施例は、例示的であり、本発明を解釈するために用いられ、本発明を制限するものであると理解されるべきではない。
本発明の実施例に係わる端末装置のバッテリー安全性監視方法、端末装置のバッテリー安全性監視システム及びバッテリー安全性監視システムを有する端末装置を説明する前に、 先ず、端末装置内のバッテリーの構造及びバッテリーの潜在的な安全上の危険について説明する。
例えば、リチウムイオンバッテリーは主にセルとバッテリー保護システムから構成される。セルは、リチウムイオンバッテリーの「心臓」と呼ばれ、アノード材料、カソード材料、電解質、隔離膜及びハウジングを含み、セルの外側はバッテリー保護システムである。セルのアノード材料は、マンガン酸リチウム、コバルト酸リチウムなどのリチウム分子材料である。アノード材料は、バッテリーのエネルギーを決める。カソード材料は、グラファイトである。隔離膜は、バッテリーのアノードとカソードの間に配置される。理解しやすくするために、隔離膜は小さなバッテリーケース内で連続的に折り畳まれ、アノード材料、カソード材料及び電解質で満たされた紙のようなものである。充電プロセスにおいて、アノード材料内のリチウム分子が活性化され、外部電界の作用下でカソードに移動し、グラファイトカーボン構造のギャップに保存される。より多いリチウム分子が移動すると、より多いエネルギーが蓄積される。放電プロセスにおいて、カソードのリチウムイオンがアノードに移動し、リチウムイオンはアノードの最初のリチウム分子になる。上記の手順を繰り返して、バッテリーの充電と放電を行う。
隔離膜は、主にセルのアノード材料とカソード材料を完全に隔離するために用いられる。アノード材料とカソード材料が直接に接触すると、バッテリー内部で短絡が発生し、潜在的な安全上の危険を招く。従って、隔離膜は損傷する傾向があるので、隔離膜は薄すぎてはならない。ただし、ユーザーは端末装置に対してより高い要求を有し、例えば、移動端末がより軽く、より薄く、その画面が大きく、バッテリー持続時間が長いことを要求するので、メーカーはより高いエネルギー密度を有するバッテリーを探し始める。例えば、より多いアノード材料とカソード材料を充填することにより、バッテリーのエネルギー密度を高める。しかし、同じ体積に対して、より多いアノード材料とカソード材料が充填されると、隔離膜が薄くなる。バッテリーが外部衝撃などの損傷を受けた場合、隔離膜の損傷を招き易く、短絡が発生する恐れがある。
1つの例示として、バッテリーが圧迫、落下、突き刺しなどの外部の機械的損傷を受けた場合、隔離膜が非常に薄いので、隔離膜が損傷し易く、アノードとカソード間の短絡、即ちバッテリー内部短絡が発生し易い。短絡の瞬間に、バッテリーの電圧は瞬時に引き下げられ、主な理由は、バッテリー内部に局所的な内部短絡点が形成され、バッテリーの損傷度が高いほど、電圧がより深刻に引き下げられる。同時に、短絡点の発熱は深刻であるので、バッテリーの他の領域の温度よりも短絡点の温度が大幅に高い。
別の例示として、携帯電話などのような端末装置の使用過程で、端末装置のユーザー又は無許可の実体が携帯電話を勝手に分解する現象が常に発生する。携帯電話を勝手に分解する場合、携帯電話の分解及び組立方法は標準ではないので、バッテリーに特定の損傷が発生する可能性があり、これは隔離膜の損傷を引き起こし、従って正極と負極が短絡する可能性がある。
一般的に、特に深刻な損傷であると、バッテリーの内部短絡面積が大きく、バッテリーの電圧が0Vに下がるまで、損傷点で発熱が持続的に発生する。バッテリーの電圧が高いと、バッテリーは火事になり、燃える。軽微な損傷であると、バッテリーの内部短絡面積は小さく、短絡点で短絡電流が形成される。短絡電流が大きいので、短絡点で大量の熱が発生し、その温度が高くなり、短絡点が溶ける。従ってバッテリーの電圧は初期状態に戻る。この場合、バッテリーは通常のバッテリーと同様に正常に使用できる。ただし、この時点のバッテリーには潜在的な安全上の危険が存在し、後の使用過程でいつでも内部短絡を引き起こす可能性がある。具体的に、図1に示されたように、バッテリーが外部の機械的損傷を受けた場合、大部分が軽微な損傷である。このように発生した内部短絡は短時間であり、バッテリーはすぐ初期状態に戻る。ただし、この時点で隔離膜が部分的に損傷しているので、このようなバッテリーの異常は一般的に監視し難く、このようなバッテリーの異常は端末装置に潜在的な安全上の危険をもたらす。
別の例示として、バッテリーの充電及び放電過程で、リチウムイオンがアノードとカソードに蓄積する場合がある。蓄積が発生すると、結晶枝を形成し(我々が見たことがある多い物が結晶を形成することと類似する)、且つ結晶枝は徐々に長くなる。この過程で、結晶枝が隔離膜を突き刺し、バッテリーの内部短絡を引き起こす可能性がある。上述した例示で説明したように、バッテリーは外部機械的損傷を受けて、短期的な内部短絡を引き起こしてから、初期状態に戻る情況は、この時点でさらに深刻である。つまり、バッテリーの内部短絡が再び発生し易い。
バッテリーの使用中に短絡が発生すると、セル内部で大量の熱が発生し、この熱により、セル内の電解質が蒸発する可能性がある。熱が非常に速く生成されると、それに応じて気化過程が非常に速くなり、セルの内部圧力が上昇し、内部圧力が一定のレベルに達すると、ハウジングが耐えられないので、ハウジングに亀裂が発生して、爆発が生じる可能性がある。火に遭遇すると、バッテリーの火災が発生する可能性もある。
さらに、エネルギー密度が高ければ高いほど、隔離膜がますます薄くなり、隔離膜が損傷し易く、安全事故を引き起こすことに加えて、急速充電もバッテリーの潜在的な安全上の危険の主要な要因の1つである。
急速充電は、その名前が示すように、充電式バッテリーを急速に充電する過程である。例えば、バッテリーの充電過程は、トリクル充電段階、定電流充電段階及び定電圧充電段階の少なくとも1つを含むことができる。トリクル充電段階では、電流フィードバックループを使用して、トリクル充電段階でバッテリーに流れる電流がバッテリーの予想充電電流の大きさ(例えば、第一充電電流である)を満たすようにする。例えば、電圧が3.0v未満である場合、100mA(ミリアンペア)の充電電流がバッテリのプリチャージに用いられる。定電流充電段階では、電流フィードバックループを使用して、定電流充電段階でバッテリーに流れる電流がバッテリーの予想充電電流の大きさ(例えば、第一充電電流より大きい第二充電電流である)を満たすようにする。例えば、異なるバッテリーによって、充電電流は0.1C(クーロン)からいくつかのクーロンまでの範囲になる(Cはバッテリー容量である)。一般的に、定電流充電段階において、通常の充電モードでの充電に0.1Cの充電電流が用いられるが、急速充電モードでの充電に0.1Cを超える充電電流が用いられ、短時間で充電が完了する。定電圧充電段階では、電圧フィードバックループを使用して、定電圧充電段階でバッテリーに印加される電圧がバッテリーの予想充電電圧の大きさを満たすようにする。例えば、バッテリーの電圧が4.2Vと等しい場合、定電圧充電段階に入る。この段階では、充電電圧は常に4.2Vである。バッテリーが徐々に完全に充電されると、充電電流はだんだん小さくなり、充電電流が100mAより小さい場合、バッテリーが完全に充電されていると判断できる。
定電流充電段階では、充電電流が大きく(例えば、0.2C〜0.8Cであることができ、又は1Cまでに達することもできる)、且つバッテリーの充電過程は電気化学反応過程であるので、必然的に発熱を伴い、充電電流が大きいほど、短時間で大量の熱が発生する。隔離膜が損傷すると、アノードとカソード間の短絡を引き起こし易い。短絡が発生すると、さらに多い熱が生成されて、電解質の蒸発が発生し、セルの内部圧力が上昇し、内部圧力が一定のレベルに達すると、ハウジングが耐えられないので、ハウジングに亀裂が発生して、爆発が生じる可能性がある。火に遭遇すると、バッテリーの火災が発生する可能性もある。
換言すると、バッテリーに内部短絡が発生すると、バッテリーが異常になり、潜在的な安全上の危険が存在し、バッテリーの使用中に安全事故を引き起こす可能性がある。
バッテリーが損傷しているか否かを効果的に監視して、バッテリーの潜在的な安全上の危険を回避し、安全事故を防止するために、本開示は、バッテリーが異常であるか否かを検出する効果的な安全監視方法を提案し、従ってバッテリーの安全上の危険条件をトリガーしたか否かを監視することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態に係わる端末装置のバッテリー安全性監視方法、端末装置のバッテリー安全性監視システム及び端末装置について説明する。
本発明の実施例に用いられる「端末装置」は、有線回線によって接続される装置及び/又は無線インタフェースを介して通信信号を受信/送信する装置であることができるが、それに限定されるものではない。有線回線は、例えば、公衆交換電話網(public switched telephone network, PSTN)、デジタル加入者線(digital subscriber line, DSL)、デジタルケーブル、直接接続ケーブル、及び/又は他のデータ接続ライン又はネットワーク接続ラインであることができる。無線インターフェースは、例えば、セルラーネットワーク、無線ローカルエリアネットワーク(wireless local area network,WLAN)、デジタルビデオ放送ハンドヘルド(digital video broadcasting handheld,DVB-H)ネットワークのようなデジタルテレビネットワーク、衛星ネットワーク、振幅変調周波数変調(amplitude modulation-frequency modulation, AM−FM)放送送信機、及び/又は他の通信端末と通信することであることができる。無線インタフェースを介して通信するように構成された端末は、「無線通信端末」、「無線端末」、及び/又は「移動端末」と呼ぶことができる。移動端末の例としては、衛星又はセルラー電話、パーソナル通信システム(personal communication system,PCS)端末(セルラー無線電話とデータ処理、ファックス及びデータ通信能力を組み合わせることができる)、パーソナルデジタルアシスタント(Persona Digital Assistant, PDA)(無線電話(radio telephone)、ページャ(pager)、インターネット/イントラネットアクセス(Internet/Intranet access)、ウェブブラウジング(web browsing)、ノートブック(notebook)、カレンダー(calendar)及び/又は全地球測位システム(global positioning system, GPS)受信機を備えることができる)及び通常のラップトップ型及び/又はハンドヘルド受信機、又は無線電話機能を備えた他の電子デバイスを備えるが、それに限定されるものではない。
図2は、本発明の実施例に係わる端末装置のバッテリー安全性監視方法のフローチャートである。図2に示されたように、端末装置のバッテリー安全性監視方法は、以下のステップを備えることができる。
S1では、端末装置のバッテリー状態情報を獲得する。バッテリー状態情報は、端末装置のバッテリーコネクタがメインボードから切断されたときに生成される停電情報(power‐failure information)、バッテリーに急激な電圧変化が発生し且つバッテリー表面に温度異常領域が存在するか否か、バッテリー充電中の定電圧充電段階の持続時間、充電過程及び放電過程のバッテリーの容量変更情報、バッテリーが完全に充電された後の電圧低下率の中の少なくとも2つを含む。
本発明の一実施例において、図3に示されたように、バッテリーの寿命周期全体で異常を監視することができる。例えば、バッテリが損傷を受ける前に、端末装置のバッテリーコネクタがメインボードから切断されたときに生成される停電情報を獲得することにより、バッテリーコネクタとメインボードとの間の切断が勝手に分解して引き起こされた切断であるか否かを判断する。バッテリが損傷を受けた場合、バッテリーに急激な電圧変化が発生したか否かを監視し、バッテリー表面の温度を検出することにより、損傷によりバッテリーは現在異常であるか否かを判断する。バッテリーの充電過程において、バッテリーの定電圧充電段階の持続時間を監視することにより、バッテリーが異常であるか否かを判断する。バッテリーが完全に充電された後、予め設定された期間内のバッテリーの電圧低下率を監視することにより、バッテリーが異常であるか否かを判断する。バッテリーの使用過程において、例えば、充電過程及び放電過程において、バッテリーの容量変化を監視することにより、バッテリーが異常であるか否かを判断する。
従って、本発明の実施例において、バッテリーは異常であるか否かを全方位に監視することができ、監視されたバッテリー状態情報に基づいて、バッテリーの安全上の危険条件をトリガーしたか否かを判断し、バッテリーの安全上の危険条件をトリガーした場合、バッテリー電源回路を直接に切断するか、端末装置が電源オフ状態になるように制御する。
S2では、端末装置のバッテリー状態情報に基づいて、端末装置が予め設定されたバッテリーの安全上の危険条件を満たしているか否かを判断する。
本発明の一実施形態によれば、予め設定されたバッテリーの安全上の危険条件は、以下の条件の中のいずれか2つを含む。
(1)端末装置のバッテリーコネクタがメインボードから切断されたときに生成される停電情報に基づいて、バッテリーコネクタとメインボードとの間の切断が勝手に分解して引き起こされた切断であると判断する。
(2)バッテリーに急激な電圧変化が発生し且つバッテリー表面に温度異常領域が存在する。
(3)バッテリー充電中の定電圧充電段階の持続時間が予め設定された時間以上である。
(4)充電過程及び放電過程のバッテリーの容量変更情報に基づいて、充電容量と放電容量の差が予め設定された容量範囲内にないと判断する。
(5)バッテリーが完全に充電された後の電圧低下率がプリセットレート(preset rate)以上である。
S3では、端末装置が予め設定されたバッテリーの安全上の危険条件を満たしていると、端末装置が電源オフ状態になるように制御するか、又はバッテリー電源回路を切断して、安全保護が効果的に実行される。
本発明の一実施形態によれば、端末装置のバッテリーコネクタがメインボードから切断されたとき、停電状態ビット情報(power‐failure state bit information)を生成し、停電状態ビット情報を停電情報とする。停電状態ビット情報がリセットされていなく、又はマークされていない場合、バッテリーコネクタとメインボードとの間の切断が勝手に分解して引き起こされた切断であると判断する。
具体的には、端末装置のバッテリーコネクタがメインボードから切断されたときに生成される停電情報に基づいて、バッテリーコネクタとメインボードとの間の切断が勝手に分解して引き起こされた切断であると判断する。以下、バッテリーコネクタとメインボードとの間の切断が勝手に分解して引き起こされた切断であるか否かを判断するプロセスについて詳細に説明する。
先ず、端末装置のバッテリーコネクタがメインボードから切断されたときに生成される停電情報を獲得し、その中において、このような切断動作は、バッテリーコネクタがメインボードから切断されているか否かを検出する検出回路によって検出することができる。
本発明の一実施例において、バッテリーコネクタはボードツーボード(Board to Board,BTB)コネクタであり、BTBコネクタは金属製のプレッシャープレート(metal pressure plate)を含むことができる。BTBコネクタの金属製のプレッシャープレートを介して検出回路を短絡することができる。このようにして、金属製プレッシャープレートが取り外されるか又は切断されると、検出回路は短絡状態から開回路(OPEN‐circuit)状態に変化する。開回路とは、回路内の2点間を電流が流れない回路状態、又は回路内に非常に大きな抵抗値の導体が接続されている状態を指す。そのため、検出回路が開回路状態に変化した場合、金属製プレッシャープレートが取り外された又は切断されたと判断し、さらにバッテリーコネクタがメインボードから切断されていると判断する。
携帯電話などの端末装置は、通常、金属製ハウジングを含むことができ、金属製ハウジングは、接着、溶接などによって端末装置の本体に接続固定される。一般的に、バッテリーは端末装置に内蔵されているので、バッテリーを取り外さない限り、金属製ハウジングは取り外されない。従って金属ハウジングを介して検出回路を短絡することもでき、金属ハウジングが取り外されると、検出回路は短絡状態から開回路状態に変化する。このようにして、検出回路が開回路状態に変化したとき、金属製ハウジングが取り外されたと判断し、さらにバッテリーコネクタがメインボードから切断されていると判断することができる。
上記の検出回路はメインボードの中央処理装置(Central Processing Unit,CPU)に接続することもできる。検出回路によって端末装置のバッテリーコネクタがメインボードから切断されたことを検出した場合、CPUはそのステータスレジスタ(status register)を制御して停電状態ビット情報を生成し、停電状態ビット情報を停電情報とすることができる。
次に、停電情報に基づいて、バッテリーコネクタとメインボードとの間の切断が勝手に分解して引き起こされた切断であるか否かを判断する。
バッテリーコネクターとメインボードとの間の切断は、アフターセール切断(after‐sale disconnection)であることができ、例えば、許可された実体が専門修理又は検出するためにバッテリーを分解して引き起こすこと、又は勝手に分解して引き起こされた切断であることもでき、例えば、端末装置のユーザー又は無許可の実体がバッテリーを勝手に分解して引き起こすことである。
許可された実体がバッテリーを分解するとき、いくつかの操作によって現在の分解動作を正常動作としてマークし、例えば、停電状態ビット情報をリセットするか又はマークすることができる。
例えば、本発明の一実施例において、端末装置のバッテリーコネクタがメインボードから切断されると、停電状態ビット情報を1に設定すると、許可された実体がバッテリーを分解するとき、CPUの実行中のプログラムにリセットコマンドを書き込んで、停電状態ビット情報を1から0に回復するか、又はリアルタイムクロック(Real‐Time Clock,RTC)によって停電状態ビット情報をリセットすることができる。
本発明の一実施例において、停電状態ビット情報は、電源管理集積回路(PowerManagement Integrated Circuit,PMIC)電源再投入識別子を介してマークすることができる。
このように、停電状態ビット情報がリセットされているか否かを判断することができる。停電状態ビット情報がリセットされている場合、バッテリーコネクターとメインボードとの間の切断はアフターセール切断であると判断する。停電状態ビット情報がリセットされていない場合、バッテリーコネクタとメインボードとの間の切断は勝手に分解して引き起こされた切断であると判断する。
例えば、バッテリーコネクタをメインボードに再接続した後、停電状態ビット情報が1のままであれば、バッテリーコネクタとメインボードとの間の切断は勝手に分解して引き起こされた切断であると判断することができるが、停電状態ビット情報が0である場合、バッテリーコネクターとメインボードとの間の切断はアフターセール切断であると判断することができる。
又は停電状態ビット情報がマークされているか否かを判断することができる。停電状態ビット情報がマークされている場合、バッテリーコネクターとメインボードとの間の切断はアフターセール切断であると判断することができる。停電状態ビット情報がマークされていない場合、バッテリーコネクタとメインボードとの間の切断は勝手に分解して引き起こされた切断であると判断することができる。
例えば、バッテリーコネクタをメインボードに再接続した後、停電状態ビット情報にPMICパワーオンアゲイン(power‐on‐again)識別子が存在する場合、バッテリーコネクターとメインボードとの間の切断はアフターセール切断であると判断することができる。停電状態ビット情報にPMICパワーオンアゲイン識別子がない場合、バッテリーコネクタとメインボードとの間の切断は勝手に分解して引き起こされた切断であると判断することができる。
許可された実体はより標準的な方法で分解又は組み立てることができるので、アフターセール切断は一般的にバッテリーの安全性の危険を引き起こさないと理解されるべきである。従って、バッテリーコネクターとメインボードとの間の切断はアフターセール切断である場合、端末装置はバッテリー安全状態にあると判断することができる。端末装置がバッテリー安全状態にあると判断した場合、ユーザーが端末装置を安心に使用するように、端末装置を制御してバッテリー安全を示すリマインダーメッセージを送信することができる。
ただし、端末装置のユーザー又は無許可の実体は非標準的な方法で分解又は組み立てる可能性があるので、勝手に分解して引き起こされた切断は、通常、バッテリーの損傷を招く、例えば、バッテリーは耐えられる範囲を超える外部衝撃を受けるか、バッテリーコネクタをメインボードに再接続した後接触不良が発生することなどであり、従ってバッテリーの安全性の危険をもたらす。バッテリーコネクタとメインボードとの間の切断は勝手に分解して引き起こされた切断である場合、勝手に分解して引き起こされた切断に関する情報を記録して、勝手に分解する動作をマークすることができる。
本発明の一実施例において、バッテリーの電圧が瞬間的に降下し且つバッテリー表面のいずれか1つの領域の温度が他の領域の温度より高い場合、バッテリーに急激な電圧変化が発生し且つバッテリー表面に異常温度領域が存在すると判断し、その中において、バッテリー表面は複数の領域に分割される。
具体的には、バッテリーに急激な電圧変化が発生したか否か、バッテリー表面に異常温度領域が存在するか否かは、以下のステップによって判断することができる。
S11では、端末装置のバッテリーの電圧をリアルタイムで獲得し、且つ端末装置のバッテリー表面の各領域の温度をリアルタイムで獲得し、その中において、バッテリー表面は複数の領域に分割される。
その中において、熱抵抗又は熱電対の温度検出技術でバッテリー表面の各領域の温度を検出することができる。熱抵抗又は熱電対の温度検出技術を採用すると、統合が容易になるので、小型装置又はポータブルデバイスの温度検出が容易になる。
具体的には、バッテリー表面を複数の領域に分割し、各領域に温度検出プローブを配置し、温度検出プローブを介して各領域の温度をリアルタイムで検出する。即ち、本発明の一実施例において、各領域の温度は、各領域に対応して配置された温度感知プローブで獲得する。
本発明の一実施例では、図4に示されたように、複数の領域がアレイ状に配置され、例えば、領域1〜領域9は、3×3のアレイ状である。
本発明の別の実施例では、温度検出方案の複雑さを低減するために、温度検出プローブは損傷し易いバッテリー領域のみに配置される。具体的には、図5に示されたように、温度検出プローブはバッテリーのコーナー領域、ヘッド領域及びテール領域に配置される。換言すると、複数の領域は、バッテリーコーナー領域、ヘッド領域、及びテール領域を含むことができる。
S12では、リアルタイムで獲得したバッテリーの電圧に応じて端末装置のバッテリーに急激な電圧変化が発生したか否かを判断し、且つ各領域の温度に応じてバッテリー表面に温度異常領域が存在するか否かを判断する。
その中において、バッテリーの電圧をリアルタイムで検出するために、差動増幅回路(differential amplifying circuit)を構築できる。1つの例示として、図6に示されたように、差動増幅回路は、レジスターR1、レジスターR2、キャパシターC1、差動増幅器(differential amplifier)X1を含むことができる。レジスターR2は、バッテリーの正極に接続された一端と、差動増幅器の負入力端に接続された他端と、を有する。レジスターR1とキャパシターC1は、RC電圧安定化フィルタリング回路を形成する。レジスターR1の一端は差動増幅器X1の負入力端に接続され、レジスターR1の他端は接地される。キャパシターC1は、レジスターR1と並列に接続される。差動増幅器X1の正入力端は、バッテリーの正極に接続される。差動増幅回路を介してバッテリーの電圧をリアルタイムで監視することができ、差動増幅回路の出力信号に応じて、バッテリーに急激な電圧変化が発生したか否かを判断する。
差動増幅器X1の負入力端は、キャパシターC1を介して接地されることが理解できる。バッテリーに急激な電圧変化が発生した場合、キャパシターが存在するので、差動増幅器X1の負入力端の電圧は一定時間内に変化せず、一方、差動増幅器X1の正入力端の電圧は直接に急激に変化し、差動増幅器X1の出力が反転し、従って差動増幅器X1の出力信号を監視することにより、バッテリーに急激な電圧変化が発生したか否かを判断することができる。
本発明の他の実施例では、他の電圧検出回路を介してバッテリーの電圧をリアルタイムで検出することができ、従ってバッテリーの電圧をリアルタイムで監視することができることに留意されたい。バッテリーの電圧を検出するための回路は様々な実施方式があり、当業者に周知であるので、本明細書では詳細に説明しない。
さらに、複数の領域において、温度が他の領域の温度よりも高い領域があるか否かを判断することにより、バッテリー表面に温度異常領域が存在するか否かを判断することができ、又は複数の領域において、温度が予め設定された温度閾値より高い領域があるか否かを判断することにより、バッテリー表面に温度異常領域が存在するか否かを判断することができる。例えば、ある領域の温度が他の領域の温度よりも高いことが検出された場合、その領域は異常温度領域であるとみなすことができ、バッテリー表面に異常温度領域が存在することを示す。
各エリアの温度を比較することにより、外界の温度が検出結果を干渉することを回避することができ、検出精確度が向上する。
S13では、バッテリーに急激な電圧変化が発生し、且つバッテリー表面に温度異常領域が存在すると、バッテリーは現在異常であると判断する。
本発明の実施例において、発明者は、多い試験及び実験を通じて、バッテリーが正常に使用される場合、バッテリーの電圧が比較的安定であり、バッテリー表面の温度も比較的均衡していることを発見した。しかし、バッテリーが落下、衝突、圧迫、突き刺しなどの外部の機械的損傷を受けると、バッテリーに急激な電圧変化が発生し、局部の温度は高くなる。従って、本明細書で提供される端末装置のバッテリー安全性監視方法によれば、バッテリーに急激な電圧変化が発生したか否か、バッテリー表面に温度異常領域が存在するか否かを監視することにより、バッテリーが現在損傷しているか否かを監視する。バッテリーに急激な電圧変化が発生し、バッテリー表面に異常温度領域が存在することが検出されると、バッテリーが現在損傷していること、内部短絡が発生したことを説明し、バッテリーが現在異常であり、且つ一定の潜在的な安全上の危険が存在すると判断する。
本発明の一実施形態によれば、バッテリーが無負荷状態又は軽負荷状態にあるとき、バッテリーに急激な電圧変化が発生し、且つバッテリー表面に温度異常領域が存在する場合、バッテリーが現在異常であると判断する。
「バッテリーが無負荷状態にある」とは、バッテリーが現在放電されなく、バッテリー消費電流がないことを意味する。例えば、端末装置は電源オフ状態にある。「バッテリーが軽負荷状態にある」とは、バッテリーの現在の消費電流は、約5mA〜6mAであり、非常に小さいことを意味する。例えば、端末装置は画面オフ状態又はシステム負荷が非常に小さい状態にある。
バッテリーが無負荷状態又は軽負荷状態にある場合、バッテリーに急激な電圧変化が発生したか否か、バッテリー表面に異常温度領域が存在するか否かを監視することにより、システム負荷の急激な変化による瞬間的な電圧低下とバッテリー表面温度上昇の干渉をフィルタリングすることができ、検出精確度が向上する。
さらに、リアルタイムで獲得したバッテリーの電圧に応じて端末装置のバッテリーに急激な電圧変化が発生したか否かを判断することは、リアルタイムで獲得したバッテリーの電圧に応じて、バッテリーの電圧が瞬間的に降下するか否かを判断すること、バッテリーの電圧が瞬間的に降下すると、バッテリーに急激な電圧変化が発生したと判断すること、を備える。
その中において、予定時間内のバッテリーの電圧降下幅が予定値以上であると、バッテリーの電圧が瞬間的に降下すると判断する。
具体的には、本発明の一実施例において、バッテリーが無負荷状態又は軽負荷状態にある場合、バッテリーの予定値は10mV以上であり、例えば、150〜400mVであることができる。
具体的には、損傷したバッテリーの電圧監視曲線が図7に示されている。曲線1は、わずかに損傷したバッテリーの電圧変化曲線である。曲線2は、深刻な損傷を受けたバッテリーの電圧変化曲線である。曲線3は、損傷していない正常のバッテリーの電圧変化曲線である。曲線1によると、バッテリーがわずかに損傷すると、バッテリーの電圧は瞬間的に3.8Vから3.63Vに変化してから、再びほぼ3.8Vに回復する。曲線2によると、バッテリーが深刻な損傷を受けると、バッテリーの電圧は瞬間的に3.8Vから3.51Vに変化してから、再びほぼ3.8Vに回復する。曲線3によると、損傷していない正常のバッテリーの電圧はほぼ3.8Vのままである。従って、曲線1、曲線2、曲線3を比較すると、以下の内容を発見することができ、即ち、バッテリーが落下、衝突、圧迫、突き刺しなどの外部の機械的損傷を受けると、バッテリーに急激な電圧変化が発生し、バッテリーの電圧が瞬間的に降下する。さらに、バッテリーの損傷程度が異なると、電圧が降下する大きさも異なる。
本発明の一実施形態によれば、充電容量と放電容量の差を獲得することは、バッテリーが第一SOC値から第二SOC値に充電されるときの充電容量を獲得し、バッテリーが第二SOC値から第一SOC値に放電されるときの放電容量を獲得し、充電容量と放電容量に応じて充電容量と放電容量の差を獲得すること、又はバッテリーが第一電圧から第二電圧に充電されるときの充電容量を獲得し、バッテリーが第二電圧から第一電圧に放電されるときの放電容量を獲得し、充電容量と放電容量に応じて充電容量と放電容量の差を獲得すること、を備える。
具体的には、先ず、端末装置のバッテリーの充電過程の充電容量情報及び放電過程の放電容量情報を獲得する。
本発明の実施例において、端末装置に特定の電力検出回路、プログラム、又はメーカーが指定する独立したバッテリー安全監視アプリケーション(APP)を設置することができ、従って端末装置の特定の電力検出回路、プログラム又はAPPによって端末装置のバッテリーの充電過程及び放電過程のバッテリーの容量変更情報を検出することができる。例えば、端末装置にバッテリーの容量を検出するバッテリー安全監視APPをインストールすることができ、バッテリーが2つの特定のSOC値又は電圧値の間で充電及び放電されるとき、上記のAPPによって対応する充電容量と放電容量を検出することができる。
選択的に、端末装置は、スマートフォン、タブレットPC、ポケットリーダーなどであることができるが、これらに限定されるものではなく、端末装置のバッテリーはリチウムバッテリーであることができる。
次に、充電容量情報及び放電容量情報に基づいて、充電過程及び放電過程のバッテリーの容量変更情報を獲得する。
例えば、バッテリーが第一SOC値から第二SOC値に充電されるときの充電容量(つまり、充電過程のバッテリー容量)を獲得し、バッテリーが第二SOC値から第一SOC値に放電されるときの放電容量(つまり、放電過程のバッテリー容量)を獲得し、充電容量と放電容量に応じて充電容量と放電容量の差を獲得することができる。1つの例示として、2910mAh/4.4Vバッテリーの場合、第一SOC値は0.3であると設定し、第二SOC値は0.9であると設定した場合、バッテリーが第一SOC値から第二SOC値に充電されるときの充電容量が1790mAhであり、バッテリーが第二SOC値から第一SOC値に放電されるときの放電容量が1776mAhであると、充電容量と放電容量の差は14mAhである。又は、バッテリーが第一電圧から第二電圧に充電されるときの充電容量を獲得し、バッテリーが第二電圧から第一電圧に放電されるときの放電容量を獲得し、充電容量と放電容量に応じて充電容量と放電容量の差を獲得することができる。1つの例示として、2910mAh/4.4Vバッテリーの場合、第一電圧は3.7Vであると設定し、第二電圧は4.2Vであると設定した場合、バッテリーが3.7Vから4.2Vに充電されるときの充電容量が2985mAhであり、バッテリーが4.2から3.7Vに放電されるときの放電容量は2980mAhであると、充電容量と放電容量の差は5mAhである。
上述したように、バッテリーが第一SOC値から第二SOC値に充電され且つバッテリーが第二SOC値から第一SOC値に放電されるか、又はバッテリーが第一電圧から第二電圧に充電され且つバッテリーが第二電圧から第一電圧に放電されることは、バッテリーの連続的な充電‐放電過程である。バッテリーの連続的な放電‐充電過程を検出することもでき、即ち、バッテリーが第二SOC値から第一SOC値に放電されるときの放電容量を獲得してから、バッテリーが第一SOC値から第二SOC値に充電されるときの充電容量を獲得し、又は、バッテリーが第二電圧から第一電圧に放電されるときの放電容量を獲得してから、バッテリーが第一電圧から第二電圧に充電されるときの充電容量を獲得して、充電容量と放電容量の差を計算することができる。
最後に、充電過程及び放電過程のバッテリーの容量変更情報に基づいて、バッテリーが異常であるか否かを判断する。
具体的には、バッテリーの充電容量と放電容量の差が予め設定された容量範囲内にあるか否かを判断する。バッテリーの充電容量と放電容量の差が予め設定された容量範囲内にあると、バッテリーが正常であると判断する。バッテリーの充電容量と放電容量の差が予め設定された容量範囲内にない場合、バッテリーが異常であると判断する。
その中において、予め設定された容量範囲は0〜20mAhであり、端末装置のメモリに事前に保存して、必要とするときに呼び出すことができる。
例えば、充電容量と放電容量の差14mAhは、0〜20mAhの予め設定された容量範囲内にあるので、バッテリーが正常であると判断することができる。端末装置が落下してから、APPによって検出された充電容量と放電容量の差が200mAhであると、0〜20mAhの予め設定された容量範囲を超えるので、端末装置のバッテリーが異常であると判断することができる。
従って、バッテリーの充電容量と放電容量の差を検出することにより、バッテリーが異常であるか否かを予測し、バッテリーが異常であると、端末装置を制御してバッテリーが異常であるというリマインダーメッセージを送信することにより、ユーザーが異常なバッテリーを即時に処理して、潜在的な安全事故を事前に回避するようにする。
本発明のいくつかの実装例において、さらにバッテリーの充電過程及び放電過程における特定の期間内の2つの時点でのバッテリー容量を獲得することができる。例えば、バッテリーの充電過程において、時点Tでバッテリー容量Mを獲得し、時点T+tでバッテリー容量Nを獲得する。期間tが経過した後、バッテリーの容量変化(N−M)が予め設定された容量範囲内にない場合、バッテリーが異常であると判断することができる。
期間tと予め設定された容量範囲との間に対応関係が存在することができ、この対応関係を事前にメモリに保存して、必要とするときに呼び出すことができることに留意されたい。
具体的には、室温では、15個の2910mAh/4.4VバッテリーサンプルBLP627(各バッテリーサンプルは各自のバッテリーバーコードで識別する)がテストオブジェクトとして使用され、バッテリーサンプルの落下前後の容量変化、充電過程及び放電過程のバッテリーの容量変更情報に基づいて、バッテリー安全性テストを行う。テストデータを次の表1に示す。
表1において、バッテリーが落下した後の「電圧無し」に関するデータは明らかに異常なデータであるので、テストすることを必要としなく、直接に除去するでき、比較の参照データとして使用されないことに留意されたい。例えば、1番、3番、7番、8番、11番、14番のバッテリーは落下した後にその放電容量を検出できなく、即ちバッテリーは明らかに異常であるので、比較の参照データとして使用されない。
表1に示されたように、2番、5番のバッテリーを例として、テスト原理を説明する。2番のバッテリーについて、落下する前に、容量は2984mAhであり、充電容量と放電容量の差は5mAhであり、落下した後、容量は2967mAhであり、充電容量と放電容量の差は3mAhであり、バッテリー落下前後の容量差は17mAhであり、0〜20mAhの予め設定された容量範囲内にあり、落下後の充電容量と放電容量の差は3mAhであり、これも0〜20mAhの予め設定された容量範囲内にあるので、2番のバッテリーは正常であることを説明する。5番のバッテリーについて、落下する前に、容量は2986mAhであり、充電容量と放電容量の差は9mAhであり、落下した後、フレキシブルプリント回路(FPC)が損傷し、容量は2960mAhであり、充電容量と放電容量の差は27mAhであり、バッテリー落下前後の容量差は26mAhであり、0〜20mAhの予め設定された容量範囲内になく、さらに、落下後の充電容量と放電容量の差は27mAhであり、これも0〜20mAhの予め設定された容量範囲内にないので、5番のバッテリーは異常であることを説明する。
バッテリーが落下して損傷した後、充電容量と放電容量の両方とも大きく変化し、損傷の程度によって変化程度が異なる。損傷の程度が高いほど、バッテリーの充電容量と放電容量の変化が大きくなる。即ち、充電容量と放電容量の変化を検出することにより、バッテリーが異常であるか否かを判断することができる。
本発明の一実施例において、バッテリーが完全に充電された後の電圧低下率に基づいてバッテリが異常であるか否かを判断する手順は次のとおりである。
S21では、端末装置が低消費電力状態にある場合、予め設定された時間内の端末装置のバッテリーの電圧低下率を獲得する。
本実施例において、低消費電力状態は、端末装置が完全に充電され、且つ充電器に接続されたままである状態を含む。端末装置が完全に充電され、且つ充電器に接続されたままである状態は、現在の端末装置のバッテリーは完全に充電されており、充電器と端末装置はまだ接続されていることを意味する。この場合、端末装置のバックグラウンドアプリケーションがオフ状態になっていなくても、バッテリーの安全性を検出することができる。その理由は、端末装置の表示画面が点灯されるか及び/又はアプリケーションがオン状態になると、充電器は端末装置と接続したままであるので、端末装置の電力消費は完全に充電器によって供給されるからである。
端末装置のバッテリーに対して異常検出を行う場合、予め設定された期間内の端末装置のバッテリーの電圧低下率を獲得してから、予め設定された期間内のバッテリーの電圧低下率に基づいてバッテリーに安全上の問題があるか否かを判断する。
具体的には、予め設定された期間内の端末装置のバッテリーの電圧低下率を獲得することは、端末装置が低消費電力状態になり、第一予定時間だけ持続した後、第二予定時間ごとにバッテリーの電圧を獲得すること、第二予定時間間隔で検出されたバッテリーの電圧に応じて電圧低下率を計算すること、を含む。
例えば、充電器をテスト対象の移動端末(携帯電話など)に差し込み、移動端末の充電を始める。移動端末が完全に充電された後、充電器を抜かない条件で移動端末のバッテリーの電圧が低下する情況を観察して、表2示すようにデータを記録する。その後、表2のデータに基づいて、充電器を抜かない条件でメインボードの消費電力がバッテリーの電圧に対する影響を観察する。
バッテリーの定格容量は2750mAh、定格電圧は4.35Vである。1#、2#、3#、...、10#は、異なる10個のテストサンプルを示す。
表2に示すように、充電器のプラグを抜かない条件で、移動端末のバッテリーが正常な状態にある場合、バッテリーが完全に充電され、一定時間(例えば、第一予定時間1hである)放置してから、所定の時間(例えば、第二予定時間10minである)内で、バッテリーの電圧変化量は1mV以内に保つことができる。
次に、新しいバッテリーを選択し、バッテリーを半分の電力まで充電してから、1.8m(メートル)の空中でバッテリーを10回(コーナーは6回、表面は4回)繰り返して落とす。落とすたびに、赤外線サーマルイメージャーでバッテリーの発熱状況を確認する。 バッテリーの局所領域の温度変化が5℃を超えると、バッテリーを落とすことを停止する。 その後、バッテリーを端末装置に入れて完全に充電し、表3に示すように、充電器のプラグを抜かない条件で、落下後のバッテリーの電圧低下を観察し始める。
バッテリーの定格容量は2980mAh、定格電圧は4.35Vである。1#、2#、3#、...、10#は、異なる10個のテストサンプルを示す。また、落下試験後、4#及び5#のテストサンプルにとって、バッテリーが明らかに発熱続き、バッテリー電圧は約4Vにしか達することができず、充電によってそれ以上の電圧に達することはできない。
表3に示すように、バッテリーが落下により損傷した後、充電器のプラグを抜かない条件で、バッテリーが完全に充電され、一定時間(例えば、第一予定時間1hである)放置してから、所定の時間(例えば、第二予定時間10minである)内で、バッテリーの電圧変化量は比較的明らかであるので、バッテリーの電圧の変化に応じて、バッテリーが異常であるか否かを高い確率で検出できる。
例示として、端末装置が完全に充電され且つ充電器との接続が維持されると、第一予定時間(例えば、1hである)を遅延させた後、本発明に関連するアプリケーションは第二予定時間t2(例えば、10minである)毎に充電用集積回路(IC)の電圧フィードバックモジュールを介してバッテリーの電圧を検出する。時点t1で検出されたバッテリーの電圧はV1であり、時間t2を遅延させた後に検出されたバッテリーの電圧はV2であると、V1、V2及びt2に基づいてバッテリーの電圧低下率△Vを計算でき、△V=(V1−V2)/t2であり、それから予め設定された時間内のバッテリーの電圧降下率に基づいて、バッテリーが異常であるか否かを判断する。
S22では、予め設定された時間内のバッテリーの電圧低下率に応じて、バッテリーが異常であるか否かを判断する。
予め設定された時間内のバッテリーの電圧低下率に応じて、バッテリーが異常であるか否かを判断することは、具体的に、以下の内容を含む。電圧低下率がプリセットレート(preset rate)以上であるか否かを判断する。電圧低下率がプリセットレート未満であると、バッテリーが正常であると判断する。電圧低下率がプリセットレート以上であると、バッテリーが異常であると判断する。
例えば、表2及び表3に示すテスト結果によれば、プリセットレートを1mVに設定することができ、それによってバッテリーの大部分の異常状況を検出することができる。例えば、端末装置が低消費電力状態にある場合、第一予定時間(例えば、1hである)を遅延させた後、バッテリーの電圧を1回獲得し、V1として記録される。第二予定時間(例えば、10minである)を遅延させた後、バッテリーの電圧を再度獲得し、V2として記録される。次に、V1、V2及びt2に基づいてバッテリーの電圧低下率△Vを計算でき、△V=(V1−V2)/t2であり、電圧低下率がプリセットレート(1mV)以上であるか否かを判断する。△Vが1mV未満であると、バッテリーが正常であると判断する。△Vが1mV以上であると、バッテリーが異常であると判断する。ただし、1回の検出に基づいてバッテリーが異常であるか否かを判断すると、誤認識率が高くなる。従って、判断正確度を向上させるために、何度も検出する方法を採用することができる。例えば、電圧低下率△Vが連続して3回又は3回以上1mV未満であると、バッテリーが正常であると判断する。そうではない場合、バッテリーが異常であると判断する。
バッテリーが外部の機械的損傷(例えば、圧迫、落下、突き刺しなどである)を受けると、バッテリー内部で内部短絡が発生する。内部短絡が発生したので、損傷したバッテリーは充電過程で一定の漏れ電流がある。定電圧充電段階での充電電流は小さいので、損傷したバッテリーの定電圧充電段階の充電時間は大幅に増加する。
本発明の一実施例によると、定電圧充電段階の持続時間に基づいてバッテリが異常であるか否かを判断することは、次の内容を含む。
S31では、バッテリー充電中の定電圧充電段階の持続時間を獲得する。
端末装置の充電過程は、一般的に、トリクル充電段階、定電流充電段階及び定電圧充電段階を含む。定電圧充電段階では、電圧フィードバックループを使用して、定電圧充電段階でバッテリーに印加される電圧がバッテリーの予想充電電圧の大きさを満たすようにする。例えば、図8に示されたように、バッテリーの電圧が4.35Vと等しい場合、定電圧充電段階に入る。この段階では、充電電圧は常に4.35Vである。バッテリーが徐々に完全に充電されると、充電電流はだんだん小さくなり、充電電流が予め設定されたカットオフ充電電流100mAより小さい場合、バッテリーが完全に充電されていると判断できる。
定電圧充電段階では、バッテリーが損傷により異常になると、バッテリー内部で局所的な内部短絡が発生する。内部短絡が発生したので、損傷したバッテリーは定電圧充電段階で一定の漏れ電流がある。加えて、定電圧充電段階での充電電流は小さいので、損傷したバッテリーの定電圧充電段階の充電時間は大幅に増加する。具体的に、図8に示されている。
S32では、持続時間が予め設定された時間以上であるか否かを判断する。
S33では、持続時間が予め設定された時間以上であると、端末装置のバッテリーが異常であると判断する。
従って、端末装置の充電過程において、バッテリーの定電圧充電段階の持続時間を監視することにより、内部短絡によりバッテリーに自己消費電流が存在するか否かを判断することができ、バッテリーが異常であるか否かを精確に識別することができる。
さらに、端末装置が低消費電力状態にある場合、上述した持続時間を獲得する。即ち、端末装置が低消耗電力状態にある場合、端末装置の消費電流は非常に小さく、異常なバッテリーの短絡漏れ電流と干渉を引き起こさず、それにより検出精度を高めることができる。
本発明の実施例において、低消費電力状態は、画面オフ状態及び電源オフ状態を含むことができ、即ちバッテリーは軽負荷状態又は無負荷状態にある。「バッテリーが無負荷状態にある」とは、バッテリーが現在放電されなく、バッテリー外部消費電流(バッテリーの内部短絡による自己消費電流を含まない)がないことを意味する。例えば、端末装置は電源オフ状態にある。「バッテリーが軽負荷状態にある」とは、バッテリーの現在の消費電流は、約5mA〜6mAであり、非常に小さいことを意味する。例えば、端末装置は画面オフ状態又はシステム負荷が非常に小さい状態にある。
さらに、「画面オフ状態」とは、端末装置の表示画面がオフ状態にあり、バックグラウンドのすべてのアプリケーションが閉じられ、本発明に関連するアプリケーションのみがオンにすることを意味することに留意されたい。即ち、バッテリーの安全性を監視しているところ、端末装置は電力消費がほとんどない状態にあるので、獲得した持続期間はより正確になり、ディスプレイ又はアプリケーションの電力消費による検出の不正確を回避することができる。
例示として、バッテリーを充電しているところ、先ずトリクル充電が行われ、その後に定電流充電と定電圧充電が行われる。充電電圧が4.35Vに達すると、定電圧充電段階に入る。この段階では、充電電圧は常に4.35Vである。バッテリーが徐々に完全に充電されると、充電電流はだんだん小さくなり、充電電流が予め設定されたカットオフ充電電流100mAより小さい場合、バッテリーが完全に充電されていると判断することができ、バッテリーの定電圧充電段階の持続時間を獲得する。
バッテリーが損傷を受けて異常である場合、損傷したバッテリーには特定の短絡自己消費電流が存在するので、定電圧充電段階の持続時間は長くなる。このように、持続時間の長さを判断することにより、バッテリーが異常であるか否かを識別できる。
本発明の実施形態において、予め設定されたカットオフ充電電流を減少することにより、検出精度を改善することができる。換言すると、予め設定されたカットオフ充電電流がバッテリー内部の短絡漏れ電流に接近するほど、バッテリーが損傷により異常であるか否かを識別し易くなる。
本発明の一実施形態によれば、以下の条件の中のいずれか1つを満たす場合、バッテリーの充電過程でバッテリーの充電電流と充電電圧を制限し、且つ端末装置を制御してバッテリーが異常であるというリマインダーメッセージを送信するようにする。
(1)端末装置のバッテリーコネクタがメインボードから切断されたときに生成される停電情報に基づいて、バッテリーコネクタとメインボードとの間の切断が勝手に分解して引き起こされた切断であると判断する。
(2)バッテリーに急激な電圧変化が発生し且つバッテリー表面に温度異常領域が存在する。
(3)バッテリー充電中の定電圧充電段階の持続時間が予め設定された時間以上である。
(4)充電過程及び放電過程のバッテリーの容量変更情報に基づいて、充電容量と放電容量の差が予め設定された容量区間にないと判断する。
(5)バッテリー充電完了後の電圧低下率がプリセットレート(preset rate)以上である。
即ち、バッテリーの状態情報を監視する場合、上記した条件のいずれか1つを満たす場合、バッテリーが異常であると判断し、バッテリーの充電過程でバッテリーの充電電流と充電電圧を制限することにより、効果的にリスクを回避し、安全性を向上させ、端末装置を制御してバッテリーが異常であるというリマインダーメッセージを送信するようにする。
例えば、バッテリーが異常であると検出された場合、ユーザーに通知する必要がある。1つの例示として、図9に示されるように、「バッテリーの安全性メッセージ:お客様、現在バッテリーは損傷のため異常な状態にあります。安全に使用するために、***のカスタマーサービスアウトレット(customer service outlet)に行って検査修理してください、ありがとうございます!」というリマインダーメッセージでユーザーにリマインドできる。別の例示として、図9に示されたリマインダーメッセージでユーザーにリマインドするとき、さらに移動端末の指示ランプの点滅によってユーザーにリマインドでき、例えば、指示ランプを制御して赤色光を発出し且つ高い頻度で点滅するようにする。さらに別の例示として、端末装置の音声機能を介してユーザーにリマインドできる。
一般的に、ユーザーは、上記のリマインダーメッセージを受信すると、すぐカスタマーサービスアウトレットに行って検査修理する。ただし、一部のユーザーは、上記のリマインダーメッセージを受信しても、問題の深刻さを認識できない場合がある。従って、リマインダーメッセージを無視し、端末装置を正常に使用し続ける可能性がある。この場合、ユーザーに何度も通知することができる。例えば、ユーザーに少なくとも三回通知することができる。何度も通知したが、ユーザーは依然として問題を処理しない場合、端末装置の一部の機能を制限することができる。
例えば、一般的に、端末装置のアプリケーションの消費電力が小さいほど、バッテリーの使用過程で発生する熱は小さくなる。例えば、ビデオチャットは実行されなく、インスタントメッセージング(IM)アプリケーションのみが起動された場合、バッテリーの消費電力が低く、バッテリーの発熱量も少ないので、バッテリーの危険発生可能性も低くなる。ただし、ビデオの視聴、モバイルゲームのプレイなど、アプリケーションの消費電力が高い場合、バッテリーの消費電力が高く、バッテリーの発熱量も大きいので、安全事故が発生し易い。従って、バッテリーが異常であると判断された場合、ビデオアプリケーション、ゲームアプリケーションなどの高消費電力アプリケーションの使用を禁止する。
さらに、バッテリーの充電過程でも熱が発生する可能性があり、特に急速充電状態では、短時間でより多い熱が発生するので、バッテリーが異常であると判断されると、バッテリーの急速充電も禁止される。さらに深刻な状況では、安全事故の発生を防止するために、バッテリーを充電することさえ禁止し、且つ端末装置の表示スクリーンに「バッテリーの損傷のため、バッテリーの充電は禁止します。***のカスタマーサービスアウトレットに行って検査修理してください。ご協力ありがとうございます!」というメッセージを表示することにより、ユーザーにリマインドする。
上述したように、本発明の実施形態に係わる端末装置のバッテリー安全性監視方法によれば、端末装置のバッテリー状態情報を獲得して、端末装置が予め設定されたバッテリーの安全上の危険条件を満たしているか否かを判断することにより、バッテリーの寿命周期全体でバッテリーの安全上の危険条件をトリガーしたか否かを監視し、バッテリーの安全上の危険条件をトリガーした場合、安全保護が効果的に実行され、バッテリーの安全上の危険に起因する安全事故を回避し、端末装置の使用安全性が大幅に向上する。
さらに、本発明の実施形態は、コンピュータプログラムを記憶した非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を提供し、このプログラムがプロセッサによって実行されると、上述したバッテリー安全性監視方法を実施する。
本発明の実施形態に係わる非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によれば、上述したバッテリー安全性監視方法を実行することにより、バッテリーの寿命周期全体でバッテリーの安全上の危険条件をトリガーしたか否かを監視し、バッテリーの安全上の危険条件をトリガーした場合、安全保護が効果的に実行され、バッテリーの安全上の危険に起因する安全事故を回避し、端末装置の使用安全性が大幅に向上する。
図10は、本発明の実施形態に係わる端末装置のバッテリー安全性監視システムのブロック図である。図10に示されたように、端末装置のバッテリー安全性監視システム100は、獲得モジュール110と、判断モジュール120と、安全性監視モジュール130と、を備える。
獲得モジュール110は、端末装置のバッテリー状態情報を獲得するために用いられる。バッテリー状態情報は、端末装置のバッテリーコネクタがメインボードから切断されたときに生成される停電情報、バッテリーに急激な電圧変化が発生し且つバッテリー表面に温度異常領域が存在するか否か、バッテリー充電中の定電圧充電段階の持続時間、充電過程及び放電過程のバッテリーの容量変更情報、バッテリー充電完了後の電圧低下率の中の少なくとも2つを含む。判断モジュール120は、端末装置のバッテリー状態情報に基づいて、端末装置が予め設定されたバッテリーの安全上の危険条件を満たしているか否かを判断するために用いられる。安全監視モジュール130は、端末装置が予め設定されたバッテリーの安全上の危険条件を満たしていると、端末装置が電源オフ状態になるように制御するか、又はバッテリー電源回路を切断するために用いられる。
本発明の一実施例において、図3に示されたように、バッテリーの寿命周期全体で異常を監視することができる。例えば、バッテリが損傷を受ける前に、端末装置のバッテリーコネクタがメインボードから切断されたときに生成される停電情報を獲得することにより、バッテリーコネクタとメインボードとの間の切断が勝手に分解して引き起こされた切断であるか否かを判断する。バッテリが損傷を受けた場合、バッテリーに急激な電圧変化が発生したか否かを監視し、バッテリー表面の温度を検出することにより、損傷によりバッテリーは現在異常であるか否かを判断する。バッテリーの充電過程において、バッテリーの定電圧充電段階の持続時間を監視することにより、バッテリーは異常であるか否かを判断する。バッテリーが完全に充電された後、予め設定された期間内のバッテリーの電圧低下率を監視することにより、バッテリーは異常であるか否かを判断する。バッテリーの使用過程において、例えば、充電過程及び放電過程において、バッテリーの容量変化を監視することにより、バッテリーが異常であるか否かを判断する。
したがって、本発明の実施例において、バッテリーは異常であるか否かを全方位に監視することができ、監視されたバッテリー状態情報に基づいて、バッテリーの安全上の危険条件をトリガーしたか否かを判断し、バッテリーの安全上の危険条件をトリガーした場合、バッテリー電源回路を直接に切断するか、端末装置が電源オフ状態になるように制御する。
本発明の一実施形態によれば、予め設定されたバッテリーの安全上の危険条件は、以下の条件の中のいずれか2つを含む。
(1)端末装置のバッテリーコネクタがメインボードから切断されたときに生成される停電情報に基づいて、バッテリーコネクタとメインボードとの間の切断が勝手に分解して引き起こされた切断であると判断する。
(2)バッテリーに急激な電圧変化が発生し且つバッテリー表面に温度異常領域が存在する。
(3)バッテリー充電中の定電圧充電段階の持続時間が予め設定された時間以上である。
(4)充電過程及び放電過程のバッテリーの容量変更情報に基づいて、充電容量と放電容量の差が予め設定された容量範囲内にないと判断する。
(5)バッテリーが完全に充電された後の電圧低下率がプリセットレート(preset rate)以上である。
従って、上述した5つの条件の中のいずれか2つを満たす場合、バッテリーの安全上の危険条件をトリガーしたと判断する。
本発明の一実施形態によれば、以下の条件の中のいずれか1つを満たす場合、バッテリーの充電過程で、安全監視モジュール130は、バッテリーの充電電流と充電電圧を制限し、且つ端末装置を制御してバッテリーが異常であるというリマインダーメッセージを送信するようにする。
(1)端末装置のバッテリーコネクタがメインボードから切断されたときに生成される停電情報に基づいて、バッテリーコネクタとメインボードとの間の切断が勝手に分解して引き起こされた切断であると判断する。
(2)バッテリーに急激な電圧変化が発生し且つバッテリー表面に温度異常領域が存在する。
(3)バッテリー充電中の定電圧充電段階の持続時間が予め設定された時間以上である。
(4)充電過程及び放電過程のバッテリーの容量変更情報に基づいて、充電容量と放電容量の差が予め設定された容量範囲内にないと判断する。
(5)バッテリーが完全に充電された後の電圧低下率がプリセットレート以上である。
即ち、バッテリーの状態情報を監視する場合、上記した条件のいずれか1つを満たす場合、バッテリーが異常であると判断し、バッテリーの充電過程でバッテリーの充電電流と充電電圧を制限することにより、効果的にリスクを回避し、安全性を向上させ、端末装置を制御してバッテリーが異常であるというリマインダーメッセージを送信するようにする。
例えば、バッテリーが異常であると検出された場合、ユーザーに通知する必要がある。1つの例示として、図9に示されるように、「バッテリーの安全性メッセージ:お客様、現在バッテリーは損傷のため異常な状態にあります。安全に使用するために、***のカスタマーサービスアウトレット(customer service outlet)に行って検査修理してください、ありがとうございます!」というリマインダーメッセージでユーザーにリマインドできる。別の例示として、図9に示されたリマインダーメッセージでユーザーにリマインドするとき、さらに移動端末の指示ランプの点滅によってユーザーにリマインドでき、例えば、指示ランプを制御して赤色光を発出し且つ高い頻度で点滅するようにする。さらに別の例示として、端末装置の音声機能を介してユーザーにリマインドできる。
一般的に、ユーザーは、上記のリマインダーメッセージを受信すると、すぐカスタマーサービスアウトレットに行って検査修理する。ただし、一部のユーザーは、上記のリマインダーメッセージを受信しても、問題の深刻さを認識できない場合がある。従って、リマインダーメッセージを無視し、端末装置を正常に使用し続ける可能性がある。この場合、ユーザーに何度も通知することができる。例えば、ユーザーに少なくとも三回通知することができる。何度も通知したが、ユーザーは依然として問題を処理しない場合、端末装置の一部の機能を制限することができ、例えば、バッテリーの充電過程の充電電流と充電電圧を制限する。
本発明の一実施形態によれば、端末装置のバッテリー安全性監視システムは、端末装置のバッテリーコネクタがメインボードから切断されたとき、停電状態ビット情報を生成し、且つ停電状態ビット情報を停電情報とするために用いられる生成モジュールをさらに備える。判断モジュール120は、さらに停電状態ビット情報がリセットされていなく、又はマークされていない場合、バッテリーコネクタとメインボードとの間の切断が勝手に分解して引き起こされた切断であると判断するために用いられる。
バッテリーコネクターとメインボードとの間の切断は、アフターセール切断(after‐sale disconnection)であることができ、例えば、許可された実体が専門修理又は検出するためにバッテリーを分解して引き起こすこと、又は勝手に分解して引き起こされた切断であることもでき、例えば、端末装置のユーザー又は無許可の実体がバッテリーを勝手に分解して引き起こすことである。
許可された実体がバッテリーを分解するとき、いくつかの操作によって現在の分解動作を正常動作としてマークし、例えば、停電状態ビット情報をリセットするか又はマークすることができる。
ただし、端末装置のユーザー又は無許可の実体は非標準的な方法で分解又は組み立てる可能性があるので、勝手に分解して引き起こされた切断は、通常、バッテリーの損傷を招く、例えば、バッテリーは耐えられる範囲を超える外部衝撃を受けるか、バッテリーコネクタをメインボードに再接続した後接触不良が発生することなどであり、従ってバッテリーの安全性の危険をもたらす。バッテリーコネクタとメインボードとの間の切断は勝手に分解して引き起こされた切断である場合、勝手に分解して引き起こされた切断に関する情報を記録して、勝手に分解する動作をマークすることができる。
本発明の一実施形態によれば、バッテリーの電圧が瞬間的に降下し且つバッテリー表面のいずれか1つの領域の温度が他の領域の温度より大きい場合、判断モジュール120は、さらにバッテリーに急激な電圧変化が発生し且つバッテリー表面に温度異常領域が存在すると判断し、その中において、バッテリー表面は複数の領域に分割される。
その中において、熱抵抗又は熱電対の温度検出技術でバッテリー表面の各領域の温度を検出することができる。熱抵抗又は熱電対の温度検出技術を採用すると、統合が容易になるので、小型装置又はポータブルデバイスの温度検出が容易になる。
具体的には、バッテリー表面を複数の領域に分割し、各領域に温度検出プローブを配置し、温度検出プローブを介して各領域の温度をリアルタイムで検出する。即ち、本発明の一実施形態において、各領域に対応して配置された温度感知プローブで各領域の温度を獲得する。
本発明の一実施形態では、図4に示されたように、複数の領域がアレイ状に配置され、例えば、領域1〜領域9は、3×3のアレイ状である。
本発明の別の実施形態では、温度検出方案の複雑さを低減するために、温度検出プローブは損傷し易いバッテリー領域のみに配置される。具体的には、図5に示されたように、温度検出プローブはバッテリーのコーナー領域、ヘッド領域及びテール領域に配置される。換言すると、複数の領域は、バッテリーコーナー領域、ヘッド領域、及びテール領域を含むことができる。
さらに、複数の領域において、温度が他の領域の温度よりも高い領域があるか否かを判断することにより、バッテリー表面に温度異常領域が存在するか否かを判断することができ、又は複数の領域において、温度が予め設定された温度閾値より高い領域があるか否かを判断することにより、バッテリー表面に温度異常領域が存在するか否かを判断することができる。例えば、ある領域の温度が他の領域の温度よりも高いことが検出された場合、その領域は異常温度領域であるとみなすことができ、バッテリー表面に異常温度領域が存在することを示す。
本発明の一実施形態によれば、獲得モジュール110は充電容量と放電容量の差を獲得する時、バッテリーが第一SOC値から第二SOC値に充電されるときの充電容量を獲得し、且つバッテリーが第二SOC値から第一SOC値に放電されるときの放電容量を獲得してから、充電容量と放電容量に応じて充電容量と放電容量の差を獲得するか、又はバッテリーが第一電圧から第二電圧に充電されるときの充電容量を獲得し、バッテリーが第二電圧から第一電圧に放電されるときの放電容量を獲得してから、充電容量と放電容量に応じて充電容量と放電容量の差を獲得する。
本発明の実施形態において、安全性監視モジュール130は、バッテリ管理機能を有するバッテリマネージャであることができ、バッテリ保護機能を有するバッテリ保護システムであることもでき、又はバッテリ管理機能、バッテリ保護機能及び端末装置制御機能を統合する端末装置制御システムであることもできる。本発明はこれに対して具体的に限定しない。
本発明の実施形態に係わる端末装置のバッテリー安全性監視システムによれば、獲得モジュールによって端末装置のバッテリー状態情報を獲得し、判断モジュールは、端末装置のバッテリー状態情報に基づいて、端末装置が予め設定されたバッテリーの安全上の危険条件を満たしているか否かを判断し、安全監視モジュールは、端末装置が予め設定されたバッテリーの安全上の危険条件を満たしていると、端末装置が電源オフ状態になるように制御するか、又はバッテリー電源回路を切断する。従ってバッテリーの寿命周期全体でバッテリーの安全上の危険条件をトリガーしたか否かを監視し、バッテリーの安全上の危険条件をトリガーした場合、安全保護が効果的に実行され、バッテリーの安全上の危険に起因する安全事故を回避し、端末装置の使用安全性が大幅に向上する。
図11に示されたように、本発明の実施形態は、上述した端末装置のバッテリー安全性監視システム100を備える端末装置10を提供する。
さらに別の実施形態は、図12に示されたように、端末装置20を提供される。端末装置20は、バッテリー22と、バッテリー22に接続されたコントローラ24と、を備える。コントローラ24は、上述したバッテリー安全性監視方法を実行するように構成される。端末装置20は、電源アダプタ、ポータブルバッテリー、コンピュータなどの充電装置に接続されることができる。端末装置が充電装置に接続されると、電源回路26を介してバッテリー22を充電することができる。端末装置20は、さらに図6に示された差動増幅回路を備えることができる。
本発明の実施形態に係わる端末装置によれば、上述した端末装置のバッテリー安全性監視システムによって、バッテリーの寿命周期全体でバッテリーの安全上の危険条件をトリガーしたか否かを監視し、バッテリーの安全上の危険条件をトリガーした場合、安全保護が効果的に実行され、バッテリーの安全上の危険に起因する安全事故を回避し、使用安全性が大幅に向上する。
本発明の説明において、「中央」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「縦」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「半径方向」、「円周方向」などの用語が示す方向関係又は位置関係は、添付図面に基づく方向関係又は位置関係であり、本発明を便利に説明し、簡略化するためのものであり、装置又は構成要素が必ず特定の方向を持っているか、特定の方向に構成され且つ操作されることを明示又は暗示するものではなく、従って本発明を限定するものであると解釈するべきではない。
さらに、「第一」、「第二」などの用語は、ただ説明するために用いられ、相対的な重要性を明示又は暗示するか、又はここで言及される技術的特徴の数を暗示するものであると理解するべきではない。従って、「第一」、「第二」などの用語によって制限される特徴は、少なくとも1つの該特徴を含むことを明示又は暗示する。本発明の説明において、特に明記しない限り、「複数」は、2つ、3つなどの「少なくとも2つ」を指す。
本発明において、明確な規定及び限定がない限り、「設置する」、「結合する」、「接続する」、「固定する」などの用語は、より広い意味で理解されるべきである。例えば、明確な規定がない限り、固定接続されてもよく、着脱可能に接続されてもよく、又は一体になってもよく、機械的に接続されてもよく、電気的に接続されてもよく、直接に接続されてもよく、媒体を介した間接的に接続されてもよく、2つの構成素子間の連通であることができ、又は2つの構成要素間の相互作用関係であることもできる。当業者にとって、特定の状況に応じて、本発明における上記の用語の具体的な意味を理解され得る。
本発明において、明確な規定及び限定がない限り、第一特徴は第二特徴の「上」又は「下」にあるということは、第一特徴と第二特徴は直接に接触するか、又は第一特徴と第二特徴は媒体を介して間接的に接触することを意味する。第一特徴は第二特徴の「上」、「上方」、「上面」にあることは、第一特徴は第二特徴の真上又は斜め上にあるか、又はただ第一特徴の水平高さが第二特徴の水平高さより高いことを意味する。第一特徴は第二特徴の「下」、「下方」、「下面」にあることは、第一特徴は第二特徴の真下又は斜め下にあるか、又はただ第一特徴の水平高さが第二特徴の水平高さより低いことを意味する。
本明細書で言及される参照用語「1つの実施形態」、「いくつかの実施形態」、「例示」、「具体的な例示」、又は「いくつかの例示」などは、該実施形態又は例示を結合して説明する具体的な特徴、構造、材料、又は特性が本発明の少なくとも1つの実施形態又は例示に含まれることを意味する。本明細書において、上述した用語の例示的な記載は、必ず同じ実施形態又は例示を指すことに限定されない。記載された特定の特徴、構造、材料、又は特性は、任意の1つ又は複数の実施形態又は例示で適切に組み合わせることができる。さらに、矛盾がない限り、当業者は本明細書に記載された異なる実施形態又は例示、及び異なる実施形態又は例示の特徴を組み合わせることができる。
本願に開示された実施形態に基づいて記載される各例示のユニット及びアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、又はコンピュータープログラムと電子ハードウェアとの組み合わせにより実現され得ることは、当業者とって明らかである。これらの機能は、ハードウェアにより実行されるか又はソフトウェアにより実行されるかについて、技術方案の特定の応用場合や設計の制限条件などによって決められる。専門技術者は、特定応用ごとに異なる方法を使用して記載される機能を実現できるが、これらの実現は、本発明の範囲を超えると見なされるべきではない。
また、当業者であれば理解できるように、説明の便利および簡潔のために、上記システム、装置、及びユニットの詳細な動作プロセスについては、上記方法実施形態の対応するプロセスを参照することができるため、再度説明しない。
本願によって提供される幾つかの実施形態において、開示されるシステム、装置及び方法は、他の形態により実現され得ると理解されるべきである。例えば、上記に説明された装置の実施形態は、例示するためのものに過ぎない。例えば、ユニットの分割は、ロジック機能の分割に過ぎず、実際に実現するときに別の分割形態を有してもよい。例えば、複数のユニット又は部品を組み合わせ、又は別のシステムに集積し、又は若干の特徴を無視し、又は実行しなくてもよい。さらに、図示又は検討する相互間の結合や直接結合や通信接続は、いくつかのインタフェース、装置、又はユニットの間接結合や通信接続であってもよく、電気、機械や他の形態であってもよい。
分離部品として記載されたユニットは、物理的に分離してもよいし、分離しなくてもよい。ユニットとして表示される部品は、物理的なユニットであってもよいし、物理的なユニットではなくておもよい。即ち、一つの箇所に設置してもよいし、複数のネットワークユニットに設置してもよい。実際の要求に応じて一部又は全部のユニットを選択して本実施形態の技術方案の目的を実現することができる。
また、本発明に係る各実施形態の各機能ユニットは、1つの処理ユニットに集積されてもよいし、物理的に分離された複数のユニットとして存在してもよいし、2つ以上のユニットは1つのユニットに集積してもよい。
上記機能がソフトウェア機能ユニットで実現され、独立した製品として販売または使用される場合、このソフトウェアはコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。このような理解に基づいて、本発明の技術手段の要旨、あるいは従来技術に寄与する部分、あるいは技術手段的一部は、ソフトウェア製品で実現されてもよい。このコンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に記憶され、本発明の様々な実施形態に係る方法のステップの全部または一部をコンピュータ(パーソナルコンピュータ、サーバ、またはネットワークデバイスなど)に実行させるための若干のインストラクションを含んでもよい。上記記憶媒体は、USBメモリ、リムーバブルハードディスク、読み出し専用メモリ(ROM、Read−Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)、磁気ディスク、または光ディスクなどの、プログラムコードを記憶することができる任意の媒体を含んでもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述した実施形態は例示的であり、本発明を限定するものであると理解されるべきではなく、当業者であれば、本発明の範囲内で、上述した実施形態を変更、修正、置換及び変形することができる。