JP2020519874A - 表面増感ラマン分光の活用方法、目的用途、及びそのための装置 - Google Patents

表面増感ラマン分光の活用方法、目的用途、及びそのための装置 Download PDF

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Abstract

表面増感ラマン分光法(SERS)を使用して分析体(3)を分析する方法であって、a)本質的に平らな又は位相構造化された、SERS活性金属製の金属表面(1)を提供する工程、b)前記平らな又は位相構造化された金属表面(1)上に、前記分析体(3)又は開孔マトリックス材料(5)を沈着させる工程、c)前記分析体(3)又は前記開孔マトリックス材料(5)の上に、SERS活性金属の複数のナノ液滴(2)をそれぞれ沈着させる工程、及び、d)前記平らな又は位相構造化された金属表面(1)と、前記複数のナノ液滴(2)との間に挟まれた前記分析体を、レーザー放射によるスキャン及びSERSの使用によって、分光学的に分析する工程を含み、前記ナノ液滴(2)の数平均直径が、5〜70nmの範囲内であり、隣接するナノ液滴(2)間の数平均距離が、前記ナノ液滴(2)の数平均直径より小さい数値であり、前記工程c)は、物理気相成長法(PVD)又はSERS活性金属のスパッタリングによって行われ、工程b)で前記平らな又は位相構造化された金属表面(1)上に、開孔マトリックス材料(5)を沈着させる場合、前記分析体(3)が工程d)の前に細孔の中に導入される、前記方法を公開する。【選択図】図2

Description

本発明は、表面増感ラマン分光法(SERS)によって特定の分析体を分析する方法、その方法の目的用途、またその方法に使われる多層構造物に関するものである。
我々が住む物理的な世界の化学的な構造を探究するのは安全や健康において極めて重要な研究である。化学分析技法として、ラマン分光法は多くの利点がある。ラマン分光法では、文字通りいかなる分子、ウイルス、細菌のスペクトルも断定できる普遍的な分光法である。その利用信号(スペクトル)が対象分析体に特異性が高いので、選択性が高い。また、高性能液体クロマトグラフ法(HPLC)、質量分析(MS)、核磁気共鳴(NMR)、及びマトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)等の他の分光技法と比べると、より簡単でコストも低い。しかし、低感度のため、包括的な分析ツールとしての本格的な利用が限られている。
ラマン分光法の感度の問題に対応するためには、表面増感ラマン分光法(SERS)は効果的な方法である。SERSでは、金属ナノ構造体を使用することによって、ラマン信号を桁のオーダーで増幅することができる。このような強力な機能拡張のため、過去40年にわたって大量の研究者がこの分野に集められた。しかし、この技術はまだ広範な商業化が実現できていない。最も重要な課題は、SERSで検出できる分析体の分野を広げることである。実際に、SERSは、分析体が金属表面に強い親和性がある場合に有効だと立証されている。つまり、SERSは感度を向上させることが可能だが、普遍性が低下するというその代価が大きい。
特許文献1は、貴金属粒子を使用して空中の分析体を捕捉し、その貴金属粒子と捕捉された分析体とを表面に沈着させる段階からなる方法を公開している。SERSによる空中有機化学物の迅速かつリアルタイムの検出のために、対象分析体が存在する空気に対して、コロイド状の銀及び/又は金のナノ粒子溶液をナノ/マイクロ液滴の形で噴きかける。
特許文献2は、タンパク質イムノブロット法又は酵素免疫測定法においてラマンスペクトルをスキャンするためのラマン分光スキャン装置を公開している。ウエスタンブロット法及びELISA法で使用される二次抗体を、表面増感ラマン散乱(SERS)ラベルに接合することによって、測定の感度を増強することができる。結果として得られるブロット又はウェルプレートをラマンシステムで分析し、サンプルのピクセルマップを作成する。より具体的には、このラマンシステムは、線形照明パターンを生成し、そしてこの線に垂直な方向でサンプルをスキャンすると同時に信号が検出器に蓄積される。そのため、各ピクセルは長方形の形をしており、この四角形は、照明の長さと、検出器での信号蓄積時間内のサンプルの移動距離によって定義される。ピクセルが順番に取得され、サンプルのマップが生成される。
特許文献3は、ラマン散乱の強度を安定に増強することができ、サイズが小さく、量が少ない物質のラマンスペクトルを取得することのできるラマン分光装置を公開している。このラマン分光装置では、分析体をその上に配置したサンプル基板に金属製フィルムを近接させて覆い、レーザー光を照射することによって、ラマン散乱光が安定に強化され、サイズが小さく、量が少ない物質のスペクトルが得られる。
特許文献4は、基板に付着し、位相パターン化された、少なくとも一つのSERS活性のナノ構造体を含み、基板に付着した少なくとも一つのSERS活性のナノ構造体の配置が、(i)少なくとも一つのSERS活性ナノ構造体の方位角、(ii)入射偏光の偏光、あるいは(iii)入射偏光の波長に応じて、調節できる強度を有する表面増強ラマン信号を提供できるように、適合されていることを特徴とする表面増強ラマン散乱(SERS)活性装置を公開している。SERS活性装置を含む識別タグ、その識別タグを使って対象物を識別する方法、及びそのSERS活性装置を製造する方法も公開されている。
特許文献5は、金属ナノプレート、金属ナノプレート上に固定した生体受容体、生体受容体に捕捉されたバイオマーカー、バイオマーカーをキャップするための金属ナノ粒子、及び捕捉されたバイオマーカーを分析するためのスペクトル検出ユニット、を含む生化学物質診断プラットフォームを公開している。具体的には、表面上に化学物質を捕捉する部分(ABなど)が堆積し、これらの捕捉された部分が分析体を捕捉し、その後、貴金属粒子が分析体に付着する。このプラットフォームはバイオマーカーを挟んで固定することによって生化学物質を高感度で検出できる。これにより、化学的に識別/選択ができることを特徴とする定量化ツールとなる。識別のプロセスは分光学的ではなく、捕捉の選択性によって行われる。
特許文献6は、“金属/分析体/金属”構成の“ホットスポット”によって表面増感ラマン分光法を促進する複合基板を利用する、特定のサンプル内で特定の分析体の有無を決定するための複数の分析方法、及び関連する組成を開示する。このために、ナノワイヤーのブラシの形の柱を含む、非常に特殊な位相構造を有する金属表面が提供され、分析体がそこに堆積する。これは、“金属/分析体/金属”構成の“ホットスポット”を含む基板、及び“金属/分析体/金属”構成の“ホットスポット”の形成を促進する基板を開示し、またこのような基板を作成する方法も開示している。
非特許文献1は、ポリスチレンナノ球体を使って柱状銀隆起を有する位相構造の表面を生成し、続けて銀が沈着し、そしてポリスチレンナノ球体を除去する方法を公開している。次の工程では、特定の一つの化学結合機能体を使って化学結合部分が柱状銀隆起に固定され、続けて、銀ナノ球体の表面をそれぞれ対応する銀ナノ球体分散液に浸漬することによって、銀ナノ球体がその他の化学結合機能体に固定される。特許文献7で同様の方法が公開されているが、ここでは、ナノ球体はその表面に突起を有することが特徴である。
米国特許第9036144号明細書 欧州特許出願公開第2433102号明細書 特開2010−181352号明細書 国際公開第2015/009239号 韓国公開特許第2016−0021488号公報 米国特許出願公開第2008/174775号明細書 国際公開第2015/160923号
HONGYUN GUOら、「Highly efficient construction of oriented sandwich structures for surface−enhanced Raman scattering; Highly efficient construction of oriented sandwich structures for surface enhanced Raman scattering」、NANOTECHNOLOGY、2013年1月8日、24巻4号、45608ページ
従って、本発明は、表面増感ラマン分光法を利用した分光分析法の改良方法を提供することを目的とする。提案される方法は、感度や特異性が非常に高いながら、普遍的に利用可能であり、また例えば、食品・飲料品の品質検査だけでなく、医薬品研究や医療診断において、迅速かつ安価で信頼性の高い分光分析を実現できる。
これらの方針に沿って、出願人は、SERSの普遍性を維持しながら感度を向上させる、新たなSERS方法論を開発した。本願では、いわゆる普遍的な表面増感ラマン分光法(U−SERS)が主要な技術として開示される。
機械学習アルゴリズムをU−SERSと組み合わせることが可能である。これによって、複雑な化学混合物の分析を行うための、感度や選択性が高く、普遍的で、迅速、安価で、かつ調整が容易なツールを導入することができる。
より具体的には、本発明は表面増感ラマン分光法(SERS)を使用して分析体を分析する方法に関するものである。
提案方法は最低限として次の手順からなる:
a)本質的に平らな又は位相構造化された、SERS活性金属製の金属表面を提供する工程、
b)前記平らな又は位相構造化された金属表面上に、前記分析体又は開孔マトリックス材料を沈着させる工程、
c)前記分析体(3)又は前記開孔マトリックス材料の上に、SERS活性金属の複数のナノ液滴をそれぞれ沈着させる工程、及び、
d)前記平らな又は位相構造化された金属表面と、前記複数のナノ液滴との間に挟まれた前記分析体を、レーザー放射によるスキャン及びSERSの使用によって、分光学的に分析する工程。
分析体の沈着は、分析体の組成の構造体として行うことが可能であり、例えば、可変組成に応じて時間の関数として分析体を投入することが可能である。例えば、分析ソースとしてクロマトグラフ分離装置の出口を利用して、そして時間の関数として上記のa)〜d)の工程を行うことが可能である。そのためには、分析体の液滴の列を対応する基板に沈着させ、そしてスポット沈着の時間経過を考慮してスポットの分析を行うことが可能である。例えば、当該分析装置を、分析体のソースとしての液体クロマトグラフ(LC)装置又は高性能液体クロマトグラフ法(HPLC)装置と連結することが可能である。レーザー放射によるスキャンとSERSを使用する分光学的分析はまた、XRF、LIBS等、他の分析技法と、順次的にも併用する形でも組み合わせることができ、同装置、同空間での組み合わせが好ましい:ラマン分光法は分子信号を生成し、これを有機又は無機不純物を検出するのに利用できる。金属不純物は、蛍光X線(XRF)等の元素分析技法、好ましくはマイクロXRF、又はレーザー支援絶縁破壊分光法(LIBS)で検出することができる。XRFは特に高分子量の不純物の検出に優れ、一方、LIBSは低分子量の不純物の検出に優れている。元素分析モジュール(XRF又はLIBS)を真空又は制御された不活性ガス条件の下で実施すると、空気の元素によるバックグラウンド信号を除去し、信号対ノイズ比を向上させることができる。
本質的に平らな又は位相構造化された、SERS活性金属製の金属表面については、信用性が高く製造しやすい平らな金属底面が比較的に好ましいが、次のような位相的な構造の金属表面を利用することもできる:
化学的粗面化したSERS活性金属表面;SERS活性金属で覆われた加工表面(例えば:KOHエッチングされたシリコン(シリコンピラミッド)、又は不安定な結晶表面のファセット);SERS活性金属で覆われたリソグラフィパターン化表面(リソグラフィとして:光リソグラフィ、電子ビームリソグラフィ、イオンビームリソグラフィ、自己組織化(ナノ粒子リソグラフィ、ブロックコポリマーリソグラフィ)、ナノインプリントリソグラフィ)、SERS活性金属で覆われた合成ナノワイヤー(ナノ構造体のボトムアップ合成、例えば:炭素ナノ構造体、金属酸化物ナノワイヤー)。
平らな金属表面は、20nm未満の、好ましくは10nm未満の範囲内である(評価されたプロファイルの算術平均偏差、例えば: EN ISO 4287:2000による)。それに加えて、又はそれに代えて、平らな金属表面は、平均値からの最大偏差が15nm未満、好ましくは10nm未満であることを特徴とする場合もある。
底面の材料については、本質的に平らな又は位相構造化された、SERS活性金属製の金属表面として、次の選択肢も採用可能である:
導電性金属酸化物:インジウムスズ酸化物(ITO)、アルミニウムドープ亜鉛酸化物(AZO)、ガリウムドープ亜鉛酸化物(GZO);及び
グラフェンも底面として利用することが可能である。
導電性金属酸化物又はグラフェンに比べて、金属底面の利点として以下のものが挙げられる:
1.より効果的なSERS増感
2.バックグラウンドSERS信号がない(グラフェン及び金属酸化物には、分析体のスペクトルと干渉を生じるSERSスペクトルがある)。
そのため、本質的に平らな又は位相構造化された、SERS活性金属製の金属表面については「SERS活性金属」という表現を用いる場合、これは最広義で上記の導電性金属酸化物又はグラフェンをも指す。
ベースのSERS活性金属表面は、細孔(例えば:分析体をのみ捕捉するフィルター又はメッシュの役目を果たすもの)を含んでもよく、SERS活性金属は特定の限られた部分ではなく、表面全体をカバーすることが好ましく、特に、ベースのSERS活性金属表面は、その間に金属被覆されていない層表面がある分離された個別のSERS活性金属の隆起で形成されていないことが好ましい。溶液サンプルにおいて再現可能な不純物の検出を実現するためには、分析体が不純物である場合だけでなく、他の場合もあるから、ベース表面上の全ての分析体に金属−分析体−金属ナノ液滴のようなサンドイッチ構造体を形成することが重要である。これを達成するためには、分析体が沈着するベース表面上のその領域は金属で完全にカバーされていることが好ましい。表面上には金属被覆のない固体部がない方が好ましい。このように、溶液サンプルが金属被覆表面で蒸発又は濾過される時に、表面に残る全ての不純物は被覆金属と接触した状態になる。ベース材料表面には、不純物が沈殿しえる金属被覆のない領域がないことが好ましい。
分析体については、原則として、いかなる種類の分析体を利用することが可能である。好ましくは、SERS活性金属ベースレイヤー及び/又はナノ液滴に化学結合で付着する化学リンカーシステムからなる、又はこれを含むシステムは除外される。
目的の感度、特異性、普遍性を達成するためには、ナノ液滴の数平均直径として、5〜70nmの範囲内の数値が選択され、また、隣接するナノ液滴間の距離として平均直径より小さい数値が選択される。
本発明におけるナノ液滴の数平均直径は、直径が平らな又は位相構造化された金属表面に対して垂直方向に沿って可視できるようにして測定される。
隣接するナノ液滴間の数平均距離は、まず隣接するナノ液滴間の最短距離を測定し、そしてその数平均を計算することによって算定される。
もちろん、上記については、開孔マトリックス材料が工程b)で平らな又は位相構造化された金属表面に沈着する場合、対象の分析体が、開孔マトリックス材料と一緒に導入されない場合は、工程d)の前で細孔の中に導入されることが前提である。
平らな又は位相構造化された金属表面、ナノ液滴、又は好ましくは両方のSERS活性金属は、一般的に、(元素)貴金属、好ましくは、銀、金、プラチナ、もしくは銅;アルミニウム;それらの混合物;又はそれらの金属を含む合金からなる群から選択される。好ましくは、銀又は銀合金である。
金属ナトリウムや金属カリウム(酸化物等の陽イオンとしてではなく、この場合も元素の形態)も非常に効果的なSERS増感につながる(Agの場合より効果的ですらある)。しかしこれらの金属は酸素の下で非常に不安定になる。ただし、SERSスキャン装置をNa又はKの蒸着装置の超低真空室内に配置する場合、これらの金属を利用することも可能になる。ラマンシステムを真空室内に入れることが非現実的に聞こえるかもしれないが、可能である。ラマンシステムはポケットサイズに仕上げることが可能である。
好適な実施形態では、工程b)は、分析体を固体又は溶液、懸濁液又は乳濁液としてキャリア液体に(例えば、液滴沈着、スピンコーティング、又は噴霧技術によって)投入する工程、及びキャリア液体を除去する工程を含む。キャリア液体が存在する場合、その除去は、蒸発、好ましくは温度上昇による蒸発(照射などによっても可能)、及び/又は圧力の低下、及び/又は濾過で行うことが好ましい。濾過を採用する場合では、平らな又は位相構造化された金属表面に細孔が施してあり、分析体粒子を平らな又は位相構造化された金属表面に維持しながらキャリア液体と不要な粒子を浸透させることができることが好ましい。この技法は、分析体の懸濁粒子のみを基板上に保持しながらキャリア液体内の分子を除去できるという利点があるが、キャリア液体を蒸発させる場合では必ずしもそうではない。その結果、特異性と感度が向上し、不要な信号の重複が低減する。
工程c)は、物理気相成長法(PVD)又はSERS活性金属のスパッタリングで行うことができ、任意で、その後又は同時にアニール処理を行うこともできる(例えば、40〜300℃、1秒〜5分間)。SERS活性金属のスパッタリングと同時に分析体のアニール処理を行うこともできる。この場合、スパッタリング装置にアニール処理用の小型ホットプレートを入れることが可能である。好ましくは、沈着プロセスは、レイヤーの厚さは50nm以下、好ましくは30nm以下になるまで行うことが好ましい。最も好ましい厚さは、15nm以下、9nm以下である。金属の厚さは一般的に、(i)蒸発装置の水晶モニター(QQM)、又は(ii)スパッタリング装置の厚さ/時間の校正カーブに応じて沈着時間を制御することで測定される。
実際のところ、上記のとおり沈着プロセスを調整することによって、数平均直径の偏差、及び隣接するナノ液滴間の数平均距離の偏差がほとんどない、高度に秩序化された液滴構造が自動的に生成される。その結果、分光プロセスで二次元スキャンを行う時点では、測定された信号の強度の差がわずかなので、より高い感度、特異性、及び普遍性が得られる。強度における差は一般的に20%未満、10%未満にさえなる。
底面を成す平らな又は位相構造化された金属層の準備:
平らな表面の場合:シリコンウエハー/ガラスウエハー/ガラススリップ/ポリマー基板の上では、アルミニウム/銅シートCr(又はTi)が付着レイヤー(厚さ3〜20nm)としてコーティングされている。その後、Ag(又はAu又は前述の他の金属)は、例えば厚さ10〜300nmでコーティングされる。
金属の総厚さは(i)隙間や細孔のない全面的な金属膜を産み出すことを保障するため、及び(ii)ラマンレーザーが下部の支持面に届く可能性を排除するため(下部支持面のラマンスペクトルの取得を防止するため)、20nm以上の方が好ましい。
次に、分析体はドロップキャスティング、スピンコーティング、噴霧、又は濾過で表面に沈着させることができる。分析体の沈着は真空条件で行うことが好ましい。ここでの真空とは、圧力が最大800ミリバール又は最大500ミリバールであることを意味し、通常は20ミリバール又は50ミリバールより高い必要がある。あるいは、環境として例えばN2やアルゴン等の不活性ガスを利用することが可能だが、この場合、N2又はアルゴン等の不活性ガスが純度99.9%以上の超高純度不活性ガス(N2又はアルゴン)タンクから供給されることが好ましい。蒸発が不活性ガス環境内で行われる場合、圧力は1atm(1013mbar)より高くなる場合がある。蒸発モジュールに過剰な圧力をかけることは、蒸発モジュールへの空気の流れを排除するため、相互汚染を制御するもう一つの方法である。これは、例えば、金属ベースレイヤーを、工程a)において真空条件下でスパッタリング又はPDVで生成し、そして工程b)、c)、及びd)も不活性ガスの条件下で行うような装置において、相互汚染を防止するために利用される。
ドロップキャスティング:分析体をアルコールに溶解できる場合、蒸気圧が最も高い溶剤(例えば、アセトン)が利用される。溶媒の高速蒸発が分析体のより均一な沈着につながり、そしてコーヒーリング効果の排除/最小化が可能になる。効果的な増感のために、分析体の厚さは1ミクロン未満でなければならないので、コーヒーリング効果を排除する必要がある。高速蒸発を促すために、基板の温度を50〜80℃に引き上げ、及び/又は圧力を引き下げることができる。
蒸発の後、沈着した分析体を30秒〜20分の間、50〜250℃でアニール処理することができる。これで類似の分析体の集積と分離が促進される可能性がある。最終的には、分析体のナノ/マイクロサイズの粒子が表面上に形成される。ドロップキャスティング法は低濃度と少サンプル量(数ミリリットル以下)の場合に最適である。この方法の利点は、(1)簡単であること、及び(2)全ての分析体が表面上に沈着する(分析体のロスなし)ことである。
スピンコーティング:分析体溶液は金属表面上にスピンコーティングできる。一般的には、500〜2000rpm/sのランプと500〜3000rpmの回転速度が利用される。この方法の利点は、溶液蒸発速度に関わらない分析体の均一なコーティングである(コーヒーリング効果なし)。この方法の欠点は、スピンコーティング中の分析体のロスである。収率(スピンコーティング中の分析体ロスに対する表面に留まる分析体の比率)は、(i)分析体の分子量、(ii)溶液における分析体の溶解度、及び(iii)金属表面と分析体の親和性による。溶液サンプルにおける分析体の沈着収率は異なる可能性がある。そのため、特定の溶液サンプルの測定を調整するにあたってこの効果を考慮する必要がある。この方法は不純物の分析(例えば、医薬品サンプルの不純物を分析するため)に理想的である。
噴霧:金属表面上に微小な液滴を形成する。個々の微少な液滴の溶液が蒸発すると、複数の小さなコーヒーリングが生じる可能性がある。複数の小さなコーヒーリングが生じ、その厚さが1ミクロン以下で、SERS信号の効果的な増感のために十分となる。しかし、噴霧は分析体のロスにつながる恐れがある。噴霧の代わりに、分析体のロスを防ぐために、マイクロディスペンサー(例えば、インクジェットプリンターなど)を利用することもできる。
濾過:この技法はナノ〜マイクロサイズの粒子(ポリマー粒子、病原体、細胞など)を検出するのに理想的である。細孔の大きさで分析体の排除が決定される。細孔より大きい分析体が表面に残る。
フィルターの補助手段として、高分子膜(ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ニトロセルロース、酢酸セルロース、セルロースエステル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニルなど)、セラミック膜(アルミナ、炭化ケイ素、ジルコニア、チタニアなど)、焼結金属膜、又は他の多孔性の補助手段を利用することが可能である。複数のフィルターは次のような利用方法ができる:より大きい細孔付きの補助レイヤーの上によく同定された(制御された)細孔径の高分子膜を敷くことができる。膜表面は付着レイヤーとしてのCr(又はTi)でコーティングされる(厚さ5〜50nm)。その後、Ag(又はAuもしくは前述の他の金属)は厚さ20〜500nmでコーティングされる。金属被覆は膜の細孔を縮小し、排除のサイズを決定する。
金属被覆膜では、溶液サンプルを継続的に投入するか、又はマイクロディスペンサーで液滴として分注することが可能である。溶液の流量は細孔の直径、細孔の長さ、及び膜の材料による。高速濾過を促すために、細孔直径としてより大きい直径を選定できる。細孔入口の直径は、金属被覆の厚さを制御することによって、微調整することが可能である。濾過中には、基板を回転させると、溶液の流速を上昇させることが可能である。
メタライゼーション:金属液滴を、(熱あるいは電子ビームによる)金属蒸発又はスパッタリングによって、沈着分析体に被覆することが可能である。
蒸発:実験は電子ビーム蒸発装置(Evatec提供のBAK501)で行うことが可能である。サンプルは両面テープで金属固定具に固定される。金属ソースと基板表面との間の距離は約600mmにすることが好ましい。チャンバーの圧力は5x10−7Torr未満にすることが好ましい。一般的な沈着率は0.5オングストローム/秒にすることが好ましい。実験では、金属の厚さを3nm〜50nmの間にすることが好ましい(通常は30nm未満)。
スパッタリング:スパッタリング実験は(Q150R回転励起型スパッタリング被覆器)を使用して行うことができる。Arプラズマからの損傷を排除するために、サンプルをチャンバーの底に配置することができる。チャンバーの圧力は通常3x10−2Torrにすることが好ましい。沈着時間は1〜6分にすることが好ましく、そうすると、厚さは好ましくは5〜30nmの厚さになる。
真空で損傷しえる細胞の場合には、大気圧でのスパッタリングによって被覆することができる。この場合には、真空バルブとアルゴン入口バルブを開いた状態にし、細胞を保護できるような高圧を維持しながら、空気をアルゴンで洗い流すことが好ましい。別の代替方法として、電極線を使って大気圧でスパッタリングを行うこともできる。
ラマンスキャン:実験では、Renishaw提供のinViaラマン顕微鏡が利用される。一般的に求められるパラメーターは次のとおりである:レーザー波長:785nm、レーザー出力:0.5mW、積分時間:1ms、対物レンズ:x50、NA=0.75。
ラマンスキャンはX−Yステージで実行できるが、ここでは、Ag/分析体/Agのサンプルは入射ラマンレーザーの下で移動する。別の代替方法として、ラマンレーザーはサンプルステージ移動に対する垂直方向に移動することが可能である。このようなX−Yスキャン技法では、金属/分析体/金属構造体は垂直形状に製造することが可能である。
より高速なスキャンアプローチとしては、並進運動が伴うサンプル回転がある。この場合では、サンプルあるいはラマンレーザーのいずれも並進運動を行うことが可能である。サンプルに当たる焦点領域を一定に維持するためには、回転速度を、サンプルのサンプルからの半径距離に応じて調整する必要がある。このような回転式スキャン技法では、金属/分析体/金属サンプルの理想的な形状は円形となる。
別の代替方法として、サンプルを単軸方向に並進させながら、振動する微小電気機械システム(MEMS)ミラーをレーザーの下に設置することが可能である。振動ミラーから反映されるレーザーは、サンプルがミラーの振動方向に対して垂直方向に並進しながら、対象領域をマッピングすることができる。この場合には、金属/分析体/金属サンプルは長い半円形のスリットとして製造することが可能であり、MEMSミラーからの反映ビームはサンプルの表面に常に同様の焦点領域を持つようになる。この戦略は、分子分離技法(例えば、キャピラリー電気泳動)と組み合わせると、タンパク質混合物を研究することができる。
いずれのスキャン技法にしても、二段工程のアプローチを採用することができる。まずは、高速スクリーニングのために、低倍率対物レンズ(例えば、x5、x10、x20)を使用してスキャンを行う。次には、より高い解像度の詳細なデータを得るために、関連する領域(スペクトルを与える領域)にのみ高倍率(例えば、x50又はx100)レンズを当てる。
スキャンの後、分析体の定量化には2つのパラメーターを利用できる:(1) 分析体のスペクトルを与えるピクセル数、及び(2)SERS信号の強度。高濃度では、ピクセル数のデータのみで分析体の定量化に十分である。低濃度では、SERS信号の強度も考慮する必要がある。
マイクロ粒子又は細胞の場合では、当該の粒子又は細胞に関する形態学的情報を得るために、関連するピクセルのカメラ画像を取ることも可能である。SERSスペクトルと細胞の形態学的情報と組み合わせると、腫瘍(がん)の診断において決定的になる場合がある。
スペクトルデータは、プロセッサによって事後で処理することができる。しかし、数十万のスペクトルを事後処理するにはかなりの時間と計算能力が必要になる可能性がある。取得中にスペクトルをリアルタイムで処理するのが理想的な戦略である。これは、検出方法(CMOS光センサー)に付属された論理カード(例えば、FPGAカード)をプログラミングすることによって行える。リアルタイム処理では、関連するスペクトルのみが最終的な事後処理のためにコンピュータに転送されることになる。
工程c)では本質的に半球形状のナノ液滴が生成される。
ナノ液滴の数平均直径は通常10〜60nmの範囲内、好ましくは15〜50nmの範囲内で、及び/又は隣接するナノ液滴間の数平均距離は1〜30nmの範囲内、好ましくは5〜50nmの範囲内である。
分析体層及び/又は平らな又は位相構造化された金属層とナノ液滴との間に挟まれた開孔マトリックス材料の厚さは、好ましくは1μm未満、好ましくは1〜900nmの範囲内、又は5〜100nmの範囲内である。
平らな又は位相構造化された金属表面としては、基板材料(例えば、二酸化ケイ素ウエハー)上の、厚さが5〜500nmの範囲内、好ましくは10〜100nmの範囲内の銀層及び/又は金層を利用することができ、好ましくは、その粗度は、厚さの50%未満、好ましくは25%未満、最も好ましくは10%未満であるか、又は100nm未満、好ましくは50nm未満、最も好ましくは20nm未満である。
分析体は、本質的に金属表面上に沈着でき、そしてナノ液滴で被覆できる、いかなる物質であってもよい。分析体としては、次のうち少なくとも1つを利用することができる:無機分子や粒子、有機分子(小分子を含む)、DNA分子、タンパク質、ペプチド、ビタミン、食品成分、細胞(細菌性細胞を含む)、ウイルス、原虫、ヒト細胞、血液細胞、がん細胞、循環腫瘍細胞。
工程d)では、600〜900nmの範囲内、好ましくは700〜800nmの範囲内、最も好ましくは750〜800nmの範囲内の照射周波数が利用されるが、さらに好ましくは二次元領域の分光検出のスキャンが実行される。
平らな又は位相構造化された金属表面は、その上に分析体のみ残すようなフィルターとして作用できるように、測定対象の分析体粒子より小さい直径の複数の細孔が施されている場合があるが、この場合には、細孔の直径は20〜200nmの範囲内であることが好ましく、50〜100nmの範囲内であることが最も好ましい。
工程b)は、好ましくは固定層や固定物質を追加することによって、又は架橋キャリア材料又は追加の固定物質によって、分析体を平らな又は位相構造化された金属表面に固定する工程を含んでもよく、これらは分析体とともに平らな又は位相構造化された金属表面に沈着させるか、あるいは平らな又は位相構造化された金属表面への分析体の沈着前後に沈着させることができる。
開孔マトリックス材料(例えば、膨張した高分子材料)が、工程b)において平らな又は位相構造化された金属表面に沈着した場合には、分析体は工程d)の前、好ましくは工程c)の後に孔の中に投入されるが、さらに好ましくは、分析体は気相で拡散によって、液相で、又は溶液として浸漬によって、細孔の中に投入される。
本発明はまた、食品及び飲料品の品質検査、医薬品の創薬、医療診断のための上記方法の使用に関するものである。特に好適な使用分野として、例えば、チップ製造分野における高純度水の水質検査が挙げられる。特に、二つの製造プロセスの間でシリコンウエハーをゆすぐプロセスで活用できる。ゆすぎ水として超純水が使われる。超純水(UPW)の不純物は、チップの表面上に付着すると欠陥が生じる。このような欠陥は製造量又はチップの信頼性にも有害である。チップの欠陥を最小限に抑えるためには、UPW内の不純物を最小限に抑える必要がある。このためには、UPWの不純物を監視するインライン不純物監視装置が必要となる。特定のタイプの不純物が、超純水の濾過と循環システムにおける特定の汚染源と関連付けられている。例えば、超純水内のシリカ含有量の上昇が見られることは、限外濾過膜の亀裂がある可能性を示している。ホウ素含有量の上昇の場合は、イオン交換樹脂が消耗した可能性を示している。二酸化炭素量の上昇は、水循環管におけるバイオフィルムの形成、Oリングの劣化、又は膜材料の劣化の可能性を示している。
また、本発明は、a)平らな又は位相構造化されたSERS活性金属表面を、好ましくは、対応するベース表面上に存在し得るあらゆる表面汚染物質を被覆する連続層の形態で、生成するための一つ以上のモジュール、
b)前記平らな又は位相構造化された金属表面上に、分析体又は開孔マトリックス材料を沈着させるための一つ以上のモジュール、
c)分析体又は開孔マトリックス材料それぞれの上にSERS活性金属の複数のナノ液滴を沈着させるための一つ以上のモジュール、
d)平らな又は位相構造化された金属表面と、複数のナノ液滴との間に挟まれた分析体を、レーザー放射によるスキャンとSERSを使用することによって分光学的に分析するための一つ以上のモジュールを有する分析装置であって、
上記のモジュールの機能を個別のユニット又は統合ユニットで行い、好ましくはa)とc)のためのモジュールが同一のユニットである分析装置に関係する。
また、本発明は、表面増感ラマン分光法(SERS)を使用して分析体を分析するための多層構造体であって、次の要素から構成されている多層構造体に関するものである:
a)本質的に平らな又は位相構造化された、SERS活性金属製の金属表面;
b)前記平らな又は位相構造化された金属表面上に分析体又は開孔マトリックス材料;及び
c)分析体又は開孔マトリックス材料それぞれの上に沈着したSERS活性金属の複数のナノ液滴であって、平らな又は位相構造化された金属表面と、複数のナノ液滴との間に挟まれた分析体を、レーザー放射によるスキャンとSERSを使用することによって分光学的に分析できるように調整されたナノ液滴であって、ナノ液滴の数平均直径が5〜70nmの範囲内の数値で、かつ、隣接するナノ液滴間の数平均距離が、その平均直径より小さい数値であることが特徴であるナノ液滴。
また、上記については、開孔マトリックス材料が工程b)で平らな又は位相構造化された金属表面に沈着する場合、分析体が工程b)の前に細孔の中に投入されることを前提とする。
このような多層構造体におけるナノ液滴の数平均直径は10〜60nmの範囲内、好ましくは15〜15nmの範囲内で、及び/又は隣接するナノ液滴間の数平均距離は1〜30nmの範囲内、好ましくは5〜50nmの範囲内である。
また、このような多層構造体の平らな又は位相構造化された金属表面としては、厚さが5〜500nmの範囲内、好ましくは10〜100nmの範囲内の基板材料上の銀層及び/又は金層であってよく、その粗度は、好ましくはその厚さの50%未満、好ましくは25%未満、最も好ましくは10%未満であるか、又は100nm未満、好ましくは50nm未満、最も好ましくは20nm未満である。
本発明のさらなる実施形態が従属請求項に説明されている。
本発明の好適な実施形態を、図面を参照しながら以下説明する。図面は本発明の好適な実施形態を説明するためのものであり、本発明の公的な実施形態を限定するものではない。
図1は、Ag/分析体/Agの構造体の断面を示す:U−SERSの中核技術であり、a)は、蒸発あるいは別の方法で沈着し、Ag要素の間に挟まれた分析体の状態の断面を示し、b)は、多孔質マトリックスがAg要素の間に挟まれている状態であって、同マトリックスの細孔が分析体の検出のために吸収できる状態を示し、c)は、このような構造体の上面図を示す。 図2は、U−SERS法の概略図を示す;分析対象の溶液が平らなAg表面上でドロップキャストされる;溶液の蒸発の後、数nmのAgが沈着し、図1のAg/分析体/Agの構造体が形成される;最後に、その表面を対象としたラマンスキャンによって検出が行われる。 図3は、(a)は、いくつかの農薬と微量汚染物質の独特なSERSスペクトル(下から上へ:BPE、アテノロール、エストラジオール、BTAH、イブプロフェン、パラクレシジン、2−ナフチルアミン、1,2−ジクロロベンゼン、4−アミノフェニルジスルフィド)を示し、(b)は、エストラジオール30μg、アテノロール10μg、イブプロフェン5μg、BTAH1μg、及びBPE0.1μgとの混合溶液1mlのマップを示す。 図4は、主成分による次元縮退の例を示す。SERSスペクトル(左)は主成分の線形和として表示できる(右側の三つのスペクトル)。従って、SERSスペクトルは、SERS強度とラマン波数に基づいた数千のパラメーターの代わりに、主成分の係数(α1、α2、及びα3)だけで定義できる。 図5は、化学混合物のリアルタイム分析のための主成分分析の主な工程の概略図を示す:(1)特定の溶液混合物の主成分の特定、(2)参照ライブラリーとしての分析体の分布関数の特定、(3)次元縮退(図4を参照)、(4)特定のピクセルレベルにおける、参照ライブラリーに対するスペクトルの類似性の定量化、(5)スペクトルカウントによる定量化。 図6は、U−SERS装置のハードウェアの概略図を示す。 図7は、(a)の篩のような形で細孔を備える銀基板を示し、細菌やウイルスなども含む粒子形状の分析体を、その分析体を含む液体を細孔に通して流し、分析体粒子を基盤上に保持させることで沈着させる方法を示す。 図8は、直接検出装置のその場で直接、SERS活性金属表面を生成することによって、交差汚染を防止する方法を示す。 図9は、提案する方法を実行する分析装置に設置可能なモジュールセットを示す。 図10は、分析対象の構造体(左側)とSEM画像(右側)の別の概略図を示す。 図11は、金属ナノ液滴が不純物(分析体)の位置で形成している状態が確認できる別のSEM画像を示す。 図12は、金属ナノ液滴の形成により、金属表面上に沈着した不純物が見えるようになった状態を示す。 図13は、ナノ液滴沈着後の超純水の不純物を対象としたラマンスキャンの例を示す。(a)は、金属ナノ液滴を被覆した金表面上における、300マイクロリットルの超純水内の不純物の顕微鏡画像を示す。(b)は、高速ラマンスキャンの領域を示し、ラマンスキャン用のパラメーターが図内に記載されている。(c)は、スキャンの平均ラマンスペクトルが与えられ、これは10000のラマンスペクトルの平均値である。 図14は、少数の不純物を検出するために信号対ノイズ比を改善するための信号処理の例を示す。 図15は、面積強度を示す。 図16は、面積強度と不純物の含有量の対比を示す。
U−SERSは、図1のAg/分析体/Ag(Ag:銀)サンドイッチ構造体7に基づいている。図1a)の構造体は、平らなAg薄膜1、分析体層3、及び間隔4で隔てられた複数のAgナノアイランド2を示し、これらは、強力な電場の補強を実現し、挟まれた分析体からのラマン信号を増強する。
図1b)は、挟まれたレイヤー5が分析体そのものではなく、必要に応じてバインダー材料と結合するが、挟まれたレイヤーは開孔材料レイヤーとして提供されている、対応するサンドイッチ構造体7を示す。この開孔材料レイヤーに、分析体3’’は拡散又は浸漬によって浸透する。
図1c)は、このような構造体の上面図を示し、個々のナノ液滴2は互いに非常に近く位置しており、その平均距離はナノ液滴2の直径より小さいことを示す。ナノ液滴は、製造プロセスによって一般的に半球形で、は30、40、又は50nmのほぼ均一な直径を有する。
Ag/分析体/Ag構造体を形成する方法として以下の例が挙げられる。図2に示されたとおり、溶液サンプルを平らなAg薄膜にドロップキャストする。乾燥の際に、溶媒が蒸発し、そして溶質(分析体)がAg表面上のランダムな位置で沈着する。蒸発を促すために熱を加えることが可能で、分析体のより均一な沈着を促進できる。その後、スパッタリング又は金属蒸発によって厚さ数ナノメートルのAgが沈着し、分析体層の上でナノアイランドが形成される。Agナノアイランドの形成により、色が濃い青に変わり、スペクトルの赤い部分での強い光の結合を示す。実際には、Ag/分析体/Ag構造体は、緑と青のレーザーと比べて、赤の励起レーザー(785nm)の方で比較的強いSERS増感を示す。サンプルの準備プロセスの後、ラマンのスキャンが行われる。Ag/分析体/Ag構造体の明瞭な青を参照してスキャン対象の領域を選定することができる。実験の詳細については、上記の説明を参照する。
図3は、U−SERSの概念の証明を示す。図3aは、代表的な農薬と微量汚染物質のスペクトルを示す。なお、これらの分析体の中で、BPEとBTAHのみが金属と親和性を有する。U−SERSは、金属表面に対する分子の親和性の効果を排除するため、揮発性が高くない限り、あらゆる分析体のSERSスペクトルを得ることが可能である。
U−SERSの重要な利点として、複数の分析体の同時検出が挙げられる。図3bは、複数の同時検出の例を示す。五つの分析体を含む溶液を、15分のスキャンで簡単に処理できる。スペクトルマップでは、各色は一つの分析体を表す。実験の詳細については、上記の説明を参照する。
マップ内の灰色の領域は混合物における分析体の相対量に関連付けられている。いくつかのピクセルにおいて、溶液内の少数の検体(BPE)も検出できる。マップのピクセル数を上げると、感度と定量化の精度が向上する。
U−SERSのサンプル準備プロセスは5分ほどかかる。一方、スキャン時間はピクセル数(又はスキャン領域)による。最新鋭のラマンスキャナーのスキャン速度は約100スペクトル/秒が限度である。ここでは、低強度のラマン信号はピクセルごとにより長い検出時間(積分時間)を要するため、100スペクトル/秒は通常のラマンスキャンにしてはかなり高速と言える。しかし、Ag/分析体/Ag構造体は信号を約5桁増幅するので、スキャン速度の改善の余地を示している。
U−SERSシステムは、液体処理モジュール、金属化モジュール、及びスキャンモジュールを含むべきである。
最先端のラマンシステムはデータ収集の完了の後、データの処理を行う。しかし、数百万のスペクトルを処理する必要がある場合には、事後処理は実用的な戦ではない。U−SERSのターゲット取得速度は10000スペクトル/秒となっている。このような高い速度がリアルタイムのデータ処理に影響する。実際に、リアルタイムパターン認識は、様々な活用分野のある十分に確立された分野となっている。一つの活用例として、監視カメラでの人間の顔のリアルタイム認識が挙げられる。本プロジェクトの出願人は、この技術を、SERSスペクトルのリアルタイムの処理に活用することを目的にしている。利用される特異的なアルゴリズムは主成分分析(PCA)である。PCAはスペクトルの主成分を利用してスペクトルの次元(サイズ)を縮退する概念に基づいている。次元縮退現象は仮説例を挙げて図4で説明されている。
PCAを適用するためには、まず主成分を特定する必要がある。U−SERS実験の場合では、このタスクは新しい溶液サンプルの調整プロセスの一部となる。溶液内の個々の分析体は、主成分の統計分布関数で定義する必要がある。二種分析体のためのシステム調整はU−SERS分子スキャナーを使用すれば、一時間以内で行うことができ、調整に数週間がかかる最先端の化学分析技法(例えばHPLCなど)より大幅に速くなる。分析体の調整ライブラリーを準備しておくと、PCAコードにより、リアルタイムでデータの処理を行うことができる。一般的なPCAアルゴリズムの工程は図5に示してある。
U−SERSは高性能かつ低価格の化学分析技術が不可欠になっているあらゆる分野で活用できる。
市場調査によると、三つの市場が対象市場として同定されている:(1)食品・飲料品の品質検査、(2)医薬品の創薬、及び(3)医療診断。
食品検査の場合ではサンプル精製の時間がボトルネックとなっている。普通のサンプルは、場合によって農薬を含む可能性があり、ビタミン、アミノ酸、及び脂肪など、他の分子も共存しうる。このような複雑な混合物はHPLCテストの前で精製する必要がある。精製プロセスは二日〜五日かかる場合がある。生鮮食品は、短い貯蔵寿命のため、テストの結果が出る前にすでにスーパーマーケットの棚に導入されている。テスト結果の遅延が、明らかに公衆衛生を脅かしている。U−SERSのマルチタスクの機能のおかげで、精製プロセスを最小化することができる。さらに、農薬汚染とともに食品内容に関する包括的な情報(ビタミンや脂肪の含有量など)も得られる。
U−SERSはまた、医薬品の創薬にも明確な可能性を有している。この分野では、新たなソリューションのための新たなHPLCプロトコルを開発する取り組みが相次いでいる。調整時間が非常に短いU−SERSでは医薬品の創薬プロセスを大幅に削減できる。U−SERSのもう一つの活用分野は医療診断である。血液内の細菌やウイルスの直接検出がU−SERSの活用例の一つである。また、U−SERSの多重機能により、複数のテストを単一のU−SERSテストに統合することによって、多種の異なる病原体の検出を容易にする他、血液に関する追加情報(例えば、インシュリンレベルなど)も同時に得ることができる。
図6に示されたとおり、ハードウェアは高速かつ低価格なCMOS式分光器に基づいている。SERS信号がAg/分析体/Ag構造体ですでに増感されているので、低効率CMOS光検出器を補正することが可能になる。U−SERS基板(Ag被覆CD)の回転と対物レンズの直線運動は電子表示板で制御される。
分析体の定量化は次の二つのパラメーターを使用して行われる:(i)分子のスペクトルで検出できるピクセル数、及び(ii)特定のSERSピークの平均強度。比較的高い濃度では、前者のパラメーターのみで十分に定量化ができる。
サンプル準備プロセスの時、溶媒の蒸発速度は十分ではない場合、コーヒーリング効果として知られる不均質な分析体の被覆がもたらされる可能性がある。この場合では、平らな基板の代わりに、先が微妙に細いウェルが使用される。このような構造体では、U−SERS測定に必要な数以上の数千ものコーヒーリングが形成される。
信号の増感がU−SERSにおいて一定であるとはいえ、分析体には本質的に比較的長いラマン断面を示す分析体もある。このようにラマン共鳴の分析体が他と共存する場合、前者の信号が統合スペクトルにおいてより強い支配的であることがある。機械学習アルゴリズムはこのような課題を考慮して構築されている。
図7は、分析対象の粒子を残すために基板上に適切なサイズの細孔8を施した状態を示す。対象の粒子は例えば細菌やウイルスであってよく、そして基板は、連続的なプロセスでも、篩の機能を果たす。
図8は、基板表面、すなわち金属を被覆する前の平らな又は位相構造化された表面上の、不純物による交差汚染を効率よく防止できる方法を示す。表面汚染11を含む可能性のあるベース基板10は、直接分析装置の上で清潔なベース金属膜1で被覆されている。空気からの交差汚染は、蒸発を、(i)圧力が約20mbar以上の真空状態、又は(ii)不活性ガス、例えばN又はアルゴン環境の下で行う場合、排除することが可能である。
ラマンスキャンの後、不純物の領域を特定することが可能である。また、不純物を対象としてマイクロXRFスキャンを実行して、不純物の“元素分析”を行うことができる。ラマン分光法は無機と有機不純物を検知するのに利用できる。マイクロXRFではまた、金属不純物を検出することも可能である。
実際の機械は、図9に示されたとおり、様々なモジュールで構成されている可能性がある:(1)スパッタリングモジュール(2)、水蒸発モジュール、(3)消耗品モジュール、(4)ラマンスキャンモジュール、(5)マイクロXRFモジュール、及び(6)複数のモジュール間で消耗品を供給するためのメインコンソール。交差汚染を最小限に抑えるために、全てのモジュールをN2又はアルゴン環境に置くことができる。
図10は、レイヤー1の金属スパッタリング(又は金属蒸発)の後、金属のナノ液滴2が不純物の位置(分析体2)でのみ形成する現象を示す。これは例えば、不純物の表面エネルギーが金属に比べて低いことを特徴とする水分析の場合である。不純物(分析体)のない箇所でナノ液滴を形成しない。なお、このプロセスは化学作用なしであることがポイントである(化学物質による交差汚染なし)。このようなナノ粒子を形成するのにコロイド状ナノ粒子を使用した場合、コロイド溶液に不純物の溶液を投入する。また、ナノ粒子は高密度であり、また不純物上に均一被覆されている。金属ナノ液滴の形成は、再現可能なプロセス(スパッタリング又は金属蒸発)に基づいているので、再現することが可能になっている。また、不純物とナノ液滴との化学結合の必要がないたとえばコロイド溶液に基づいたプロセスには沈着した不純物(分析体)とナノ液滴との間の化学結合が必要になる。図11はまた、金属ナノ液滴が不純物の所在箇所で形成している状態が確認できる他のSEM画像を示す。
図12は、金属ナノ液滴を不純物上に沈着させると、金属ナノ液滴/分析体/金属の構造体が光を吸収することを示す。これにより、不純物の位置の色が変わる。そして、分析体の位置が見えやすくなる。この光学的効果で、より効率的なラマンスキャンを行うことを促進する。
図13は、超純水の不純物を対象として、金属ナノ液滴の沈着後にラマンスキャンを行う例を示す。(a)は、金属ナノ液滴の被覆後、金表面上の300マイクロリットルの超純水の不純物の顕微鏡画像であり、6nmのAgが1オングストローム/秒の沈着速度で被覆されることが特徴である。(b)高速ラマンスキャンの領域。ラマンスキャン用のパラメーターが同図に規定されている。(c)スキャンの平均ラマンスペクトル。これは10000のラマンスペクトルの平均値である。この実験では、超純水中の全シリカ、全炭素、及び全ホウ素の濃度はそれぞれ3000ppt、1800ppt、及び13pptであった。平均スペクトルでは、シリカと炭素を定義するバンドをはっきりと確認できる(それぞれ、970cm−1と1600cm−1)。なお、814cm−1のホウ素(ホウ酸)のバンドのみを確認することもできる。
図14は、不純物のラマンバンドをより見えやすくするために信号処理方法を導入する方法を示す。この信号の処理は、少数検体(この実験でホウ酸である)の場合に特に有用である。図14のスペクトル(生データ)は、図12で説明されたスキャンマップの10000のスペクトルのサンプルスペクトルである。これら10000の各スペクトルに対して同様の信号処理を、ピーク位置(ラマンシフト)及びピーク強度を特定するために行う。この信号処理法の結果を次の図で紹介されるプロセスにおいて利用する。
図15は、前の図の信号処理の後で、総ラマン数と特定された各ラマンバンドの総占有面積との乗算である“面積強度”を算定できることを示す。図15aは、図13cで示されたものと同じ<<平均スペクトル>>である。図15bは、データ処理後の<<変換スペクトル>>である。図15aのy軸はラマン数を示す。図15bのy軸は面積強度を示す。面積強度は、総強度と、スキャンされた領域上の特定のラマンシフトの面積占有率との乗算結果である。図15cは、ホウ酸のピークを表す図15bのズームしたイメージである。ホウ酸の代表的なU−SERSバンドは814cm−1となっている。面積強度を計算する時に、不純物によるラマンバンドを増幅する。この増幅は少数不純物によるラマンバンドを特定するのに特に便利になる。この実験では、超純水中の全シリカ、全炭素、及び全ホウ素の総濃度はそれぞれ3000ppt、1800ppt、及び13pptであった。信号処理の後、信号対ノイズ比を大幅に改善することができたおかげで、ホウ素(ホウ酸)が簡単に特定できるようになった。なお、図15aには、ホウ酸の代表的なU−SERSバンド(814cm−1)が見えにくくなっている。
図16は、ホウ素(ホウ酸)の量が異なる様々なサンプルに対して実験を行うと、蒸発した超純水におけるホウ素の重量に対するホウ素の面積強度に関する量線を得ることができる事実を示す。
1 平らな銀基板(薄膜)
2 銀ナノ液滴
3 分析体
3’ 検出対象の沈着した分析体
3’’ 5の細孔中の分析体
4 2間の間隔
5 多孔質マトリックス
6 溶液混合物
7 Ag/分析体/Ag構造体
8 1の細孔
9 粒子、ウイルス/細菌
10 ベース基板
11 表面汚染

Claims (15)

  1. 表面増感ラマン分光法(SERS)を使用して分析体(3)を分析する方法であって、
    a)本質的に平らな又は位相構造化された、SERS活性金属製の金属表面(1)を提供する工程、
    b)前記平らな又は位相構造化された金属表面(1)上に、前記分析体(3)又は開孔マトリックス材料(5)を沈着させる工程、
    c)前記分析体(3)又は前記開孔マトリックス材料(5)の上に、SERS活性金属の複数のナノ液滴(2)をそれぞれ沈着させる工程、及び、
    d)前記平らな又は位相構造化された金属表面(1)と、前記複数のナノ液滴(2)との間に挟まれた前記分析体を、レーザー放射によるスキャン及びSERSの使用によって、分光学的に分析する工程を含み、
    前記ナノ液滴(2)の数平均直径が、5〜70nmの範囲内であり、隣接するナノ液滴(2)間の数平均距離が、前記ナノ液滴(2)の数平均直径より小さい数値であり、
    前記工程c)は、物理気相成長法(PVD)又はSERS活性金属のスパッタリングによって行われ、
    工程b)で前記平らな又は位相構造化された金属表面(1)上に、開孔マトリックス材料(5)を沈着させる場合、前記分析体(3)が工程d)の前に細孔の中に導入される、前記方法。
  2. 前記平らな又は位相構造化された金属表面(2)の前記SERS活性金属、前記ナノ液滴(2)の前記SERS活性金属、又は好ましくは両方ともが、好ましくは、銀、金、プラチナ、もしくは銅である貴金属、ナトリウム、カリウム、アルミニウム、それらの混合物、又はそれらの金属を含む合金からなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の方法であって、より好ましくは、前記方法が一つの分析装置で行われ、工程a)に係る前記平らな又は位相構造化されたSERS活性金属製の金属表面(1)の実際の形成、工程b)に係る前記分析体の沈着、工程c)に係る前記ナノ液滴の沈着、及び工程d)に係る分光学的分析が、同一の分析装置で行われることを特徴とする、前記方法。
  3. 前記工程b)が、前記分析体(3)を溶液、懸濁液、又は乳濁液としてキャリア液体に沈着させる工程、及び前記キャリア液体を除去する工程を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法であって、前記除去は、好ましくは温度の上昇及び/又は圧力の低下による、蒸発によることが好ましく、及び/又は、濾過によることが好ましく、後者の場合では、好ましくは、前記分析体の粒子を前記平らな又は位相構造化された金属表面(2)に保持しながら、キャリア液体と不要な粒子が浸透できる細孔(8)を有する、前記平らな又は位相構造化された金属表面(1)が提供されることを特徴とする、前記方法。
  4. 前記工程c)を、物理気相成長法(PVD)又はSERS活性金属のスパッタリングで行い、任意で、続けてアニール処理を行う、又は同時にアニール処理を行う、請求項1〜3のいずれか記載の方法であって、好ましくは、前記沈着工程を、層の厚さが50nm以下、好ましくは30nm以下、又は15nmもしくは9nm以下になるまで行うことを特徴とする、前記方法。
  5. 前記工程c)において、本質的に半球形状のナノ液滴(2)が生成されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか記載の方法。
  6. 前記ナノ液滴(2)の数平均直径が、10〜60nmの範囲内、好ましくは15〜50nmの範囲内であり、及び/又は、前記隣接するナノ液滴(2)間の数平均距離が、1〜30nmの範囲内、好ましくは5〜50nmの範囲内であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか記載の方法。
  7. 前記分析体の層の厚さ及び/又は前記平らなもしくは位相構造化された金属表面(1)と前記ナノ液滴(2)との間に挟まれた前記開孔マトリックス材料(5)の厚さが、1μm未満、好ましくは1〜900nmの範囲内、又は5〜100nmの範囲内であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか記載の方法。
  8. 前記平らな又は位相構造化された金属表面(1)が、5〜500nmの範囲内、好ましくは10〜100nmの範囲内の厚さの、基板材料(10)上の銀層及び/又は金層であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか記載の方法であって、好ましくは、前記平らな又は位相構造化された金属表面(1)の表面の粗度が、前記厚さの50%未満、好ましくは25%未満、最も好ましくは10%未満であるか、又は、前記粗度が、100nm未満、好ましくは50nm未満、より好ましくは20nm未満であることを特徴とする、前記方法。
  9. 前記分析体が、無機分子もしくは粒子、小分子を含む有機分子、DNA分子、タンパク質、ペプチド、ビタミン、食品成分、細菌性細胞を含む細胞、ウイルス、原虫、ヒト細胞、血液細胞、がん細胞、循環腫瘍細胞の少なくとも1つであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか記載の方法であって、細胞の場合は、好ましくは、前記工程d)のスキャンプロセスにおいて、形態学的情報を得ることを特徴とする、前記方法。
  10. 前記工程d)において、600〜900nmの範囲内、好ましくは700〜800nmの範囲内、最も好ましくは750〜800nmの範囲内の照射周波数が利用されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか記載の方法であって、さらに好ましくは、二次元領域の分光検出のためのスキャンが行われ、及び/又は、前記工程d)において、前記レーザー放射によるスキャン及びSERSの使用がスキャンによって行われ、前記レーザー及び/又は、前記平らな又は位相構造化された金属表面(1)と前記複数のナノ液滴(2)とに挟まれた前記分析体が互いに移動され、このスキャンは、
    前記レーザー及び/又は前記挟まれた分析体が、二つの方向、好ましくは直交方向に移動されることを特徴とするX−Yスキャン、
    前記挟まれた分析体の回転運動とレーザーの並進運動の組み合わせ、又は、
    サンプルの単軸方向の並進運動中に、ラマンレーザーの下に設置された振動ミラー、好ましくは微小電気機械(MEMS)ミラーによって可能であり、
    及び/又は、前記工程d)の前記スキャンにおいて、最初に、高速スクリーニングのために第一倍率対物レンズを使用してスキャンを行い、次に、好ましくはスペクトルが提供される領域に対してのみ、第二倍率対物レンズを使用してスキャンを行い、前記第二倍率は前記第一倍率より大きく、
    及び/又は、前記工程d)の前、その最中、又は後に、前記分析体が、好ましくは同一の装置で、最も好ましくは、同一のサンプル空間との手順で、XRF、LIBSを含む、又はこれらを組み合わせた別の分析技法で分析されることを特徴とする、前記方法。
  11. 前記平らな又は位相構造化された金属表面(1)が、測定対象の前記分析体粒子より小さい直径の複数の細孔(8)を含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれか記載の方法であって、好ましくは、前記細孔(8)の直径が、20〜200nmの範囲内、最も好ましくは50〜100nmの範囲内であることを特徴とする、前記方法。
  12. 前記工程b)が、前記分析体を、好ましくは、固定層を追加し、固定物質を追加し、又は架橋キャリア材料によって、前記平らな又は位相構造化された金属表面(1)に固定する工程を含む、請求項1〜11のいずれか記載の方法であって、前記固定層、固定物質、又は架橋キャリア材料は、前記分析体(3)とともに前記平らな又は位相構造化された金属表面(1)に沈着させるか、又は前記平らな又は位相構造化された金属表面(1)への前記分析体の沈着前もしくは後に沈着させることを特徴とし、
    及び/又は、前記工程b)において、開孔マトリックス材料(5)を前記平らな又は位相構造化された金属表面(1)に沈着した場合、前記分析体(3)が、前記工程d)の前、好ましくは前記工程c)の後で、細孔の中に導入されることを特徴とし、より好ましくは、前記分析体が、気相からの拡散によって、又は液相中で、又は溶液として浸漬によって、細孔の中に導入されることを特徴とする、前記方法。
  13. 特に、チップ製造の分野、食品・飲料品の品質検査、創薬、医療診断における、特に、水の品質検査、好ましくは高純度水の検査のための、請求項1〜12のいずれか記載の方法の使用であって、好ましくは、前記工程a)〜d)の全てが行われる一つの分析装置を使用し、
    及び/又は、前記分析装置は、前記工程a)において、本質的に平らな又は位相構造化されたSERS活性金属表面(1)を生成するための少なくとも1つのモジュール;
    前記工程b)において、前記平らな又は位相構造化された金属表面(1)上に、前記分析体(3)又は前記開孔マトリックス材料(5)を沈着させるための少なくとも1つのモジュール;
    前記工程c)において、前記分析体(3)又は前記開孔マトリックス材料(5)それぞれの上に、SERS活性金属の複数のナノ液滴(2)を沈着させるための少なくとも1つのモジュール;及び
    前記工程d)において、前記平らな又は位相構造化された金属表面(1)と、前記複数のナノ液滴(2)との間に挟まれた前記分析体を、レーザー放射によるスキャンとSERSの使用によって、分光学的に分析するための少なくとも1つのモジュールを有し、
    前記モジュールの機能を、個別のユニット又は統合ユニットで行うことができ、好ましくは、前記工程a)のためのモジュールと前記工程c)のためのモジュールが同一のユニットであり、さらに好ましくは、供給のためのインラインデバイスであり、かつ、完全に自動化できるデバイスである、前記使用。
  14. 表面増感ラマン分光法(SERS)を利用する、分析体(3)を分析するための多層構造体であって、
    a)SERS活性金属製の本質的に平らな又は位相構造化された金属表面(1);
    b)前記平らな又は位相構造化された金属表面(1)上の、前記分析体(3)又は開孔マトリックス材料(5);及び
    c)前記分析体(3)又は前記開孔マトリックス材料(5)それぞれの上に沈着したSERS活性金属の複数のナノ液滴(2)の要素を含み、
    前記平らな又は位相構造化された金属表面(1)と、前記複数のナノ液滴(2)との間に挟まれた前記分析体を、レーザー放射によるスキャンとSERSの使用によって分光学的に分析するように設計され、
    前記ナノ液滴(2)の数平均直径が5〜70nmの範囲内であり、前記隣接するナノ液滴(2)間の数平均距離が、前記ナノ液滴(2)の数平均直径より小さく、
    開孔マトリックス材料(5)が工程b)で前記平らな又は位相構造化された金属表面(1)に沈着する場合、前記分析体(3)が、工程d)の前に細孔の中に導入される、前記多層構造体。
  15. 請求項14に記載の多層構造体であって、前記ナノ液滴(2)の数平均直径が、10〜60nmの範囲内、好ましくは15〜15nmの範囲内であり、及び/又は、前記隣接するナノ液滴(2)間の数平均距離が、1〜30nmの範囲内、好ましくは5〜50nmの範囲内であり、及び/又は、前記平らな又は位相構造化された金属表面(1)が、厚さが5〜500nmの範囲内、好ましくは10〜100nmの範囲内の基板材料(10)上の銀及び/又は金層であり、好ましくは、前記平らな又は位相構造化された金属表面(1)の表面の粗度が、前記厚さの50%未満、好ましくは、25%未満、最も好ましくは、10%未満であるか、又は前記厚さもしくは粗度が100nm未満、好ましくは50nm未満、最も好ましくは20nm未満である、前記多層構造体。
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