JP2020198270A - 全固体リチウムイオン二次電池用固体電解質層およびこれを用いた全固体リチウムイオン二次電池 - Google Patents
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Abstract
Description
集電体は、正極活物質層と接する一方の面から、負極活物質層と接する他方の面へと電子の移動を媒介する機能を有する。集電体を構成する材料に特に制限はない。集電体の構成材料としては、例えば、金属や、導電性を有する樹脂が採用されうる。
負極活物質層は、リチウムイオンを吸蔵放出可能な負極活物質を含む。負極活物質の種類としては、特に制限されないが、炭素材料、金属酸化物および金属活物質が挙げられる。炭素材料としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、高配向性グラファイト(HOPG)、ハードカーボン、ソフトカーボン等が挙げられる。また、金属酸化物としては、例えば、Nb2O5、Li4Ti5O12、SiO等が挙げられる。さらに、金属活物質としては、例えば、In、Al、SiおよびSn等の金属単体や、TiSi、La3Ni2Sn7等の合金が挙げられる。また、負極活物質として、Liを含有する金属を用いてもよい。このような負極活物質は、Liを含有する活物質であれば特に限定されず、Li金属のほか、Li含有合金が挙げられる。Li含有合金としては、例えば、Liと、In、Al、SiおよびSnの少なくとも1種との合金が挙げられる。
正極活物質層は、リチウムイオンを吸蔵放出可能な正極活物質を含む。なかでも、硫黄を含む正極活物質を含むことが好ましい。硫黄を含む正極活物質の種類としては、特に制限されないが、硫黄単体(S)のほか、有機硫黄化合物または無機硫黄化合物の粒子または薄膜が挙げられ、硫黄の酸化還元反応を利用して、充電時にリチウムイオンを放出し、放電時にリチウムイオンを吸蔵することができる物質であればよい。有機硫黄化合物としては、ジスルフィド化合物、国際公開第2010/044437号パンフレットに記載の化合物に代表される硫黄変性ポリアクリロニトリル、硫黄変性ポリイソプレン、ルベアン酸(ジチオオキサミド)、ポリ硫化カーボン等が挙げられる。なかでも、ジスルフィド化合物および硫黄変性ポリアクリロニトリル、およびルベアン酸が好ましく、特に好ましくは硫黄変性ポリアクリロニトリルである。ジスルフィド化合物としては、ジチオビウレア誘導体、チオウレア基、チオイソシアネート、またはチオアミド基を有するものがより好ましい。ここで、硫黄変性ポリアクリロニトリルとは、硫黄粉末とポリアクリロニトリルとを混合し、不活性ガス下もしくは減圧下で加熱することによって得られる、硫黄原子を含む変性されたポリアクリロニトリルである。その推定構造は、例えばChem. Mater. 2011,23,5024−5028に示されているように、ポリアクリロニトリルが閉環して多環状になるとともに、Sの少なくとも一部はCと結合している構造である。この文献に記載されている化合物はラマンスペクトルにおいて、1330cm−1と1560cm−1付近に強いピークシグナルがあり、さらに、307cm−1、379cm−1、472cm−1、929cm−1付近にピークが存在する。一方、無機硫黄化合物は安定性に優れることから好ましく、具体的には、硫黄単体(S)、S−カーボンコンポジット、TiS2およびFeS2がより好ましく、硫黄単体(S)が特に好ましい。ここで、S−カーボンコンポジットとは、硫黄粉末と炭素材料とを含み、これらを加熱処理または機械的混合に供することによって複合化した状態のものである。より詳細には、炭素材料の表面や細孔内に硫黄が分布している状態、硫黄と炭素材料がナノレベルで均一に分散し、それらが凝集して粒子となっている状態、細かな硫黄粉末の表面や内部に炭素材料が分布している状態、または、これらの状態が複数組み合わさった状態のものである。
本形態に係る双極型二次電池の固体電解質層は、固体電解質を(通常は主成分として)含有し、上述した正極活物質層と負極活物質層との間に介在する層である。本形態において、固体電解質層に含有される固体電解質(以下、「本形態に係る固体電解質」とも称する)は、リチウム塩と、リチウム含有硫化物固体電解質と、損失弾性率(G”)[GPa]に対する貯蔵弾性率(G’)[GPa]の比の値(G’/G”)が温度の上昇に伴って1未満まで低下する性質を備えた有機電解質とを含有する点に特徴を有するものである。以下、本形態に係る固体電解質の構成成分について、詳細に説明する。
本形態に係る固体電解質は、リチウム塩およびリチウム含有硫化物固体電解質に加えて、所定の有機電解質をさらに含有する。ここで、当該有機電解質は、損失弾性率(G”)[GPa]に対する貯蔵弾性率(G’)[GPa]の比の値(G’/G”)が温度の上昇に伴って1未満まで低下する性質を備えたものである。ここで、「貯蔵弾性率(G’)」および「損失弾性率(G”)」はまとめて動的弾性率とも称され、物質の動的な粘弾性特性を、粘弾性物質の応力−ひずみ特性の位相遅れに着目して複素弾性率の偏角として表現したものである。そして、これらのうち複素弾性率の実数部にあたるものが「貯蔵弾性率(G’)」であって物質の硬さの指標となり、虚数部にあたるものが「損失弾性率(G”)」であって物質の粘度の指標となる。また、貯蔵弾性率(G’)が損失弾性率(G”)よりも大きいことはその物質が固体に類する挙動を示すことを意味し、逆に損失弾性率(G”)が貯蔵弾性率(G’)よりも大きいことはその物質が液体に類する挙動を示すことを意味する。したがって、本形態に係る有機電解質が「損失弾性率(G”)[GPa]に対する貯蔵弾性率(G’)[GPa]の比の値(G’/G”)が温度の上昇に伴って1未満まで低下する性質」を有するとは、温度の上昇に伴って当該有機電解質が固体としての挙動から液体としての挙動を示す傾向を有するようになることを意味しているともいえる。なお、ある有機電解質が上記の性質を有しているか否かは、後述する実施例の欄に記載されているような動的粘弾性測定装置を用いた正弦波振動法により、測定温度を変化させながら測定された貯蔵弾性率(G’)および損失弾性率(G”)の値から判定することができる。ここで、図2に、後述する実施例の欄において用いた本発明に係る有機電解質のG’/G”の値の温度依存性のグラフを示す。図2に示すように、右側の縦軸で示されるG’/G”の値が、測定温度の上昇に伴って低下し、約85℃の測定温度で1未満の値となっていることがわかる。なお、図2に示す有機電解質では、G’/G”の値が100℃で0.55まで低下している。ここで、温度の上昇に伴って1未満となる性質を有するものであればよいが、イオン伝導度の向上効果の観点から、好ましくは0.8以下となる性質を有するものであり、より好ましくは0.6以下となる性質を有するものであり、特に好ましくは0.55以下となる性質を有するものである。また、別の規定で表現すれば、本形態に係る有機電解質は、その貯蔵弾性率(G’)[GPa]の値が、25℃における値を100%としたときに、温度の上昇に伴って90%以下まで低下する性質を備えたものであることが好ましく、70%以下まで低下する性質を備えたものであることがより好ましく、40%以下まで低下する性質を備えたものであることがさらに好ましく、10%以下まで低下する性質を備えたものであることが特に好ましい。
本形態に係る固体電解質は、リチウム塩を含む。リチウム塩としては、Li(FSO2)2N(リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド;LiFSI)、Li(CF3SO2)2N(リチウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド;LiTFSI)、Li(C2F5SO2)2N、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiTaF6、LiClO4、LiCF3SO3等が挙げられる。なかでも、LiFSIまたはLiTFSIの少なくとも一方が好ましい。これらのリチウム塩は、1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
本形態に係る固体電解質は、リチウム含有硫化物固体電解質を含む。硫化物固体電解質は、バルクでのイオン伝導度が高いうえに、機械特性にも優れるため負極から金属リチウムのデンドライトが成長しても内部短絡が生じにくいという利点がある。リチウム含有硫化物固体電解質としては、例えば、Li2S−P2S5、Li7P3S11、Li3.2P0.96S、Li2S−SiS2、Li2S−B2S3、Li2S−GeS2、Li3.25Ge0.25P0.75S4、Li10GeP2S12、またはLi6PS5X(ここで、XはCl、BrもしくはIである)等が挙げられる。なお、「Li2S−P2S5」の記載は、Li2SおよびP2S5を含む原料組成物を用いてなる硫化物固体電解質を意味し、他の記載についても同様である。
集電板(25、27)を構成する材料は、特に制限されず、二次電池用の集電板として従来用いられている公知の高導電性材料が用いられうる。集電板の構成材料としては、例えば、アルミニウム、カーボン被覆アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金等の金属材料が好ましい。軽量、耐食性、高導電性の観点から、より好ましくはアルミニウム、銅であり、特に好ましくはアルミニウムである。なお、正極集電板27と負極集電板25とでは、同一の材料が用いられてもよいし、異なる材料が用いられてもよい。
また、図示は省略するが、集電体11と集電板(25、27)との間を正極リードや負極リードを介して電気的に接続してもよい。正極および負極リードの構成材料としては、公知のリチウムイオン二次電池において用いられる材料が同様に採用されうる。なお、外装から取り出された部分は、周辺機器や配線などに接触して漏電したりして製品(例えば、自動車部品、特に電子機器等)に影響を与えないように、耐熱絶縁性の熱収縮チューブなどにより被覆することが好ましい。
電池外装体としては、公知の金属缶ケースを用いることができるほか、図1に示すように発電要素を覆うことができる、アルミニウムを含むラミネートフィルム29を用いた袋状のケースが用いられうる。該ラミネートフィルムには、例えば、PP、アルミニウム、ナイロンをこの順に積層してなる3層構造のラミネートフィルム等を用いることができるが、これらに何ら制限されるものではない。高出力化や冷却性能に優れ、EV、HEV用の大型機器用電池に好適に利用することができるという観点から、ラミネートフィルムが望ましい。また、外部から掛かる発電要素への群圧を容易に調整することができることから、外装体はアルミニウムを含むラミネートフィルムがより好ましい。
組電池は、電池を複数個接続して構成した物である。詳しくは少なくとも2つ以上用いて、直列化あるいは並列化あるいはその両方で構成されるものである。直列、並列化することで容量および電圧を自由に調節することが可能になる。
本形態に係る双極型二次電池は、長期使用しても放電容量が維持され、サイクル特性が良好である。さらに、体積エネルギー密度が高い。電気自動車やハイブリッド電気自動車や燃料電池車やハイブリッド燃料電池自動車などの車両用途においては、電気・携帯電子機器用途と比較して、高容量、大型化が求められるとともに、長寿命化が必要となる。したがって、上記双極型二次電池は、車両用の電源として、例えば、車両駆動用電源や補助電源に好適に利用することができる。
購入したN−エチルピロリジン(Aldrich:9.74g、98.3mmol)をそのまま量りとり、アセトニトリル溶媒(200mL)に室温で溶解させた。ここへ、ヨードエタン(富士フイルム和光純薬株式会社製:17.0g、109mmol)をそのまま量りとり、N−エチルピロリジンが溶解しているアセトニトリル溶液中に加えた。混合後、室温で24時間混合撹拌した後、エーテルを用いて生成物の洗浄を行うことで、目的とするN,N−ジエチルピロリジニウムのヨウ化物(「P22I」とも称する)を得た。続いて、所定量(11.6g、51.1mmol)を量り取ったP22Iを蒸留水(25mL)に溶解させて、室温にて5分撹拌することで水溶液を調製した。同様にKFSI(三菱マテリアル電子化成株式会社製)(13.4g、61.3mmol)をそのまま量りとり、蒸留水(25mL)に加えて、室温にて30分撹拌することで水溶液を調製した。P22I水溶液を室温で撹拌したまま、KFSI水溶液をゆっくりと滴下した。全量滴下後、室温で24時間撹拌を行った。24時間後、水溶液中で沈殿している粘稠物をデカンテーションして固液分離を行った。次いで、得られた粘稠物について、ジクロロメタンと蒸留水との混合物(ジクロロメタン:水=10:1(体積比))を用いて洗浄を繰り返し3回行った。その後、ジクロロメタン相を分離して減圧下で一晩乾燥させ、無色透明な結晶性固体物として、目的とするイオン性柔粘性結晶であるP22FSI(11.0g、収率91%)を得た。なお、P22FSIを構成するジエチルピロリジニウムイオン(P22 +)とフルオロスルホニルイオン(FSI−)とのモル比は1:1であった。
続いて、上記で得られた有機電解質について、動的粘弾性測定装置(Anton Paar製(型番MCR302))を用いた正弦波振動法により、せん断歪み0.0001に固定した条件下で測定温度を変化させたときの貯蔵弾性率(G’)[GPa]および損失弾性率(G”)[GPa]の値を測定した。結果を下記の表1および図2(○印のグラフ)に示す。なお、表1における「相対値」の値は、実施例1の値を100%としたときのものである。
上記で得られたリチウムイオン伝導性固体電解質(有機電解質)の粉末の所定量を秤量し、そこに溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)の適量を添加して撹拌することにより溶解させた。次いで、リチウム含有硫化物固体電解質であるLi7P3S11(25℃におけるバルクでのイオン伝導度:約3.2×10−3[S/cm])の粉末(平均粒子径(D50):8μm)を添加し、自転・公転ミキサー(大気圧タイプ)(あわとり練太郎AR−100、シンキー株式会社製)を用いて2000rpmの回転数で4分間撹拌することにより各成分を均一に分散させた。その後、80℃1時間の減圧処理によって溶媒を除去して、固体電解質の粉末を得た。なお、Li7P3S11の添加量は、Li7P3S11と上記有機電解質との質量割合が90:10(Li7P3S11:有機電解質)となる量とした。
Li7P3S11の添加量を、Li7P3S11と上記有機電解質との質量割合が99:1(Li7P3S11:有機電解質)となる量としたこと以外は、上述した実施例6(処理温度:80℃)と同様の手法により、実施例9に係るリチウムイオン伝導性固体電解質膜を作製した。
有機電解質を混合することなくLi7P3S11のみを用いて固体電解質膜を作製したこと以外は、上述した実施例1(処理温度:25℃)、実施例4(処理温度:60℃)、実施例6(処理温度:80℃)および実施例8(処理温度:100℃)のそれぞれと同様の手法により、比較例1〜比較例4に係るリチウムイオン伝導性固体電解質膜を作製した。
続いて、上記で作製した各実施例および各比較例に係る固体電解質膜のいくつかについて、異なる拘束圧条件下におけるイオン伝導度を測定した。
10、50 双極型二次電池、
11 集電体、
11a 正極側の最外層集電体、
11b 負極側の最外層集電体、
13 正極活物質層、
15 負極活物質層、
17 電解質層、
19 単電池層、
21、57 発電要素、
23 双極型電極、
25 正極集電板(正極タブ)、
27 負極集電板(負極タブ)、
29、52 ラミネートフィルム、
58 正極タブ、
59 負極タブ。
Claims (15)
- リチウムイオンを吸蔵放出可能な正極活物質を含有する正極活物質層が正極集電体の表面に配置されてなる正極と、
リチウムイオンを吸蔵放出可能な負極活物質を含有する負極活物質層が負極集電体の表面に配置されてなる負極と、
前記正極活物質層と前記負極活物質層との間に介在し、固体電解質を含有する固体電解質層と、
を有する発電要素を備え、
前記固体電解質が、リチウム塩と、リチウム含有硫化物固体電解質と、損失弾性率(G”)[GPa]に対する貯蔵弾性率(G’)[GPa]の比の値(G’/G”)が温度の上昇に伴って1未満まで低下する性質を備えた有機電解質と、を含有する、全固体リチウムイオン二次電池。 - 前記リチウム含有硫化物固体電解質のイオン伝導度が、前記有機電解質のイオン伝導度よりも高い、請求項1に記載の全固体リチウムイオン二次電池。
- 前記リチウム含有硫化物固体電解質の25℃におけるバルクでのイオン伝導度が、1×10−3[S/cm]よりも高い、請求項1または2に記載の全固体リチウムイオン二次電池。
- 前記リチウム含有硫化物固体電解質が、Li2S−P2S5、Li7P3S11、Li3.2P0.96S、Li2S−SiS2、Li2S−B2S3、Li2S−GeS2、Li3.25Ge0.25P0.75S4、Li10GeP2S12、Li6PS5X(ここで、XはCl、BrもしくはIである)、Li7P3S11、またはLi(4−x)Ge(1−x)PxS4(xは、0<x<1を満たす)を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の全固体リチウムイオン二次電池。
- 前記有機電解質が、イオン性柔粘性結晶を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の全固体リチウムイオン二次電池。
- 前記イオン性柔粘性結晶が、ピロリジニウムイオンと、ビス(フルオロスルホニル)イミド(FSI)アニオンおよびビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(TFSI)アニオンからなる群から選択されるアニオンと、を含む、請求項5に記載の全固体リチウムイオン二次電池。
- 前記イオン性柔粘性結晶が、N,N−ジメチルピロリジニウムイオン(P11)、N−エチル−N−メチルピロリジニウムイオン(P12)またはN,N−ジエチルピロリジニウムイオン(P22)と、ビス(フルオロスルホニル)イミド(FSI)アニオンと、を含む、請求項6に記載の全固体リチウムイオン二次電池。
- 前記有機電解質は、その貯蔵弾性率(G’)[GPa]の値が、25℃における値を100%としたときに、温度の上昇に伴って90%以下まで低下する性質を備えたものである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の全固体リチウムイオン二次電池。
- リチウム塩と、リチウム含有硫化物固体電解質と、損失弾性率(G”)[GPa]に対する貯蔵弾性率(G’)[GPa]の比の値(G’/G”)が温度の上昇に伴って1未満まで低下する性質を備えた有機電解質と、を含有する固体電解質材料を圧粉成形して、シート状である固体電解質層前駆体を作製することと、
前記固体電解質層前駆体を加熱することと、
を含む、全固体リチウムイオン二次電池用固体電解質層の製造方法。 - 前記有機電解質が、イオン性柔粘性結晶を含む、請求項9に記載の全固体リチウムイオン二次電池用固体電解質層の製造方法。
- 前記イオン性柔粘性結晶が、N,N−ジメチルピロリジニウムイオン(P11)、N−エチル−N−メチルピロリジニウムイオン(P12)またはN,N−ジエチルピロリジニウムイオン(P22)と、ビス(フルオロスルホニル)イミド(FSI)アニオンと、を含む、請求項10に記載の全固体リチウムイオン二次電池用固体電解質層の製造方法。
- 前記有機電解質の損失弾性率(G”)[GPa]に対する貯蔵弾性率(G’)[GPa]の比の値(G’/G”)が2.7以下となる条件で前記固体電解質層前駆体を加熱することを含む、請求項9〜11のいずれか1項に記載の全固体リチウムイオン二次電池用固体電解質層の製造方法。
- 前記有機電解質の損失弾性率(G”)[GPa]に対する貯蔵弾性率(G’)[GPa]の比の値(G’/G”)が1.4以下となる条件で前記固体電解質層前駆体を加熱することを含む、請求項12に記載の全固体リチウムイオン二次電池用固体電解質層の製造方法。
- リチウムイオンを吸蔵放出可能な正極活物質を含有する正極活物質層が正極集電体の表面に配置されてなる正極と、
リチウムイオンを吸蔵放出可能な負極活物質を含有する負極活物質層が負極集電体の表面に配置されてなる負極と、
前記正極活物質層と前記負極活物質層との間に介在し、固体電解質を含有する固体電解質層と、
を有する発電要素を備える全固体リチウムイオン二次電池の製造方法であって、
請求項9〜13のいずれか1項に記載の製造方法によって前記固体電解質層を製造することを含む、全固体リチウムイオン二次電池の製造方法。 - 請求項1〜8のいずれか1項に記載の全固体リチウムイオン二次電池の運転方法であって、前記発電要素をその積層方向に4[MPa]以下の拘束圧で拘束しながら電池を運転することを含む、全固体リチウムイオン二次電池の運転方法。
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