JP2020189402A - 印刷装置 - Google Patents

Abstract

【課題】印刷面を適切に保護しつつ、印刷物の管理や内容を確認できるように保管する。【解決手段】シート状の印刷媒体Ｍに印刷を行う印刷部１１と、印刷媒体Ｍを所定の搬送方向に搬送する媒体繰出し部３及び媒体巻取り部４と、印刷部１１、媒体繰出し部３及び媒体巻取り部４の制御を行う制御装置２と、印刷された印刷媒体Ｍを巻き取るシャフト４１と、を備え、制御装置２は、搬送方向における第１印刷面Ｍ１０の画像Ｐの端部Ｐａから、所定長さ上流で印刷媒体Ｍを幅方向に裁断して切り離す為の裁断位置Ｍａを決定する裁断位置決定部２０を有しており、裁断位置決定部２０は、シャフト４１に巻き取られた印刷媒体Ｍの円周長Ｃの増加に伴って端部Ｐａより上流で裁断するように裁断位置Ｍａを決定する。【選択図】図３

Description

本発明は、印刷装置に関する。

保管中の印刷物の管理や内容を確認するために、印刷媒体の余白部分（「ヘッダー」、「フッター」）に、例えば顧客名や納期、製造番号などの情報を付加することが知られている。
シート状の媒体に印刷された印刷物は、ロール状に巻き取られた状態で保管される。特許文献１には、「繰り返し印刷」がなされたシート状の印刷媒体について、印刷物の端部を折り返して、一番端に位置する印刷面を表面に露出させることが開示されている。これにより、表面に露出した印刷面により保管中も印刷物の管理や内容を確認できることが開示されている。

特開２００７−２１７１４９号公報

特許文献１に記載の発明のように、印刷面を露出させた状態で保管すると、印刷面は劣化する。また、一つの大きな印刷面をもつ印刷物を巻き取って保管する場合、当該印刷物の端部を折り返しても、印刷物の一部しか表面に露出しないため、印刷物の管理や内容の確認には適していない。印刷物の管理や内容を確認するためには、ロール状に巻き取られた状態を解く必要があるため煩わしい。

そこで、印刷面を適切に保護しつつ、印刷物の管理や内容を確認できるように保管できるようにすることが求められている。

本発明は、
シート状の媒体に印刷を行う印刷部と、
前記媒体を所定の搬送方向に搬送する媒体搬送部と、
前記印刷部と前記媒体搬送部の制御を行う制御部と、
印刷された媒体を巻き取る巻き取りローラと、を備える印刷装置であって、
前記制御部は、前記搬送方向における所定の印刷が施された部分の端部から所定長さ上流で前記媒体を幅方向に裁断して切り離す為の裁断位置を決定する裁断位置決定部を有しており、
前記裁断位置決定部は、前記巻き取りローラに巻き取られた媒体の円周長の増加に伴って前記端部より上流で裁断するように前記裁断位置を決定する構成の印刷装置とした。

本発明によれば、所定の印刷が施された部分の大きさに応じて裁断位置を決定できる（カスタマイズできる）。これにより、所定の印刷が施された部分の端部から裁断位置までの領域を用いて、印刷面を覆ったり管理情報を印刷したりすることができる。よって、印刷面を適切に保護しつつ、印刷物の管理や内容を確認できるように保管することができる。

本発明の一態様にかかる印刷装置において、
前記印刷部は、前記端部と前記裁断位置との間の前記所定の印刷が施されていない領域に管理情報を印刷する。

本発明によれば、ロール状に巻き取られた状態を解くことなく、管理情報から印刷物の内容を確認したり、管理情報に基づいて印刷物を管理したりすることができる。

本発明の一態様にかかる印刷装置において、
前記端部と前記裁断位置との間は、前記所定の印刷がされた部分の媒体を保護するように巻き回され、且つ、表面に印刷された前記管理情報が露出するように巻き回されている。

本発明によれば、印刷面を適切に保護しつつ、印刷物の管理や内容を確認できるように保管できる。

本発明の一態様にかかる印刷装置において、
前記裁断位置決定部は、前記巻き取りローラに巻き取られた前記媒体の外周を少なくとも一周するだけの長さになるように前記裁断位置を決定する。

本発明によれば、前記端部と前記裁断位置との間の領域が、所定の印刷がされた部分の媒体の外周面を全周に亘って覆うので、印刷面を確実に保護することができる。

本発明の一態様にかかる印刷装置において、
前記裁断位置決定部は、Ｒを前記所定の印刷が施された部分の巻き取り径、Ｌ１０を前記所定の印刷が施された部分の全長、ｒを前記所定の印刷が施された部分が巻き取られた際の一番内側の曲げ半径、Ｔを媒体の厚み、πを円周率としたときに、式（１）、式（２）、式（３）に基づいて前記所定の印刷が施された部分の円周長Ｃを算出して、前記端部から前記裁断位置までの間の長さを算出する。
Ｃ＝πＲ ・・・（１）
Ｒ＝２（ｒ＋ｎＴ） ・・・（２）
Ｌ１０＝２πｒｎ＋πＴｎ（ｎ＋１） ・・・（３）

本発明によれば、所定のパラメータを入力するだけで、裁断位置を決めることができる。

本発明の一態様にかかる印刷装置において、
前記媒体搬送部は、
前記搬送方向における前記印刷部の上流に設けられて、前記媒体の繰り出しを行う媒体繰出し部と、
前記搬送方向における前記印刷部の下流に設けられて、前記媒体の巻き取りを行う媒体巻取り部と、から構成されており、
前記媒体繰出し部は、前記媒体の繰り出し速度を検出する繰出し速度検出部を有しており、
前記媒体巻取り部は、前記媒体の巻き取り速度を検出する巻取り速度検出部を有しており、
前記裁断位置決定部は、前記繰出し速度検出部と前記巻取り速度検出部の検出結果に基づいて、巻き取られて円筒形状となった前記所定の印刷が施された部分の円周長を算出して、前記端部と前記裁断位置との間の長さを算出し、
前記制御部は、前記裁断位置決定部の演算結果に基づいて、前記印刷部と前記媒体巻取り部と前記媒体巻取り部の制御を行う。

本発明によれば、自動で裁断位置を決定することができる。

本発明の一態様にかかる印刷装置において、
前記管理情報は、前記所定の印刷が施された印刷対象のサムネイル画像である。

本発明によれば、管理情報を文字情報とするよりも内容の把握が容易である。

本発明の一態様にかかる印刷装置において、
前記サムネイル画像は、前記裁断位置側に印刷されている。

本発明によれば、確実にサムネイル画像を表面に露出させることができるので、印刷物の管理や内容を視認し易くなっている。

本発明の一態様にかかる印刷装置において、
前記印刷部は、前記端部に、境界線を印刷する。

本発明によれば、印刷面を内側にして巻き取られた媒体について、管理情報の印刷された部分を外側に露出させるために折り返す際の目印となる。

本発明の一態様にかかる印刷装置において、
前記端部に沿って断続的な切込みを形成する媒体加工部を備える。

本発明によれば、印刷終了後に管理情報が印刷された部分を容易に切り離すことができる。

本発明の一態様にかかる印刷装置の制御方法において、
シート状の媒体に印刷を行う印刷手段と、
前記媒体を所定の搬送方向に搬送する媒体搬送手段と、
制御装置で前記印刷手段と前記媒体搬送手段の制御を行う制御手段と、を有する印刷装置の制御方法であって、
前記制御手段は、裁断位置決定手段によって、所定の印刷が施された端部から所定長さ上流で裁断する為の裁断位置を決定し、
前記裁断位置決定手段は、所定の印刷が施された媒体の長さの増加に伴って前記端部から、より上流で裁断するように前記裁断位置を決定し、
前記印刷手段は、前記端部と前記裁断位置との間に管理情報を印刷し、
前記端部と前記裁断位置との間は、前記所定の印刷がされた媒体を保護するように巻き回され、且つ、表面に印刷された前記管理情報が露出するように巻き回されて、
前記裁断位置決定手段は、前記媒体を搬送方向における下流側から上流側に向かって巻き取った状態において、前記所定の印刷が施された部分の外周を全周に亘って囲むように、前記端部と前記裁断位置との間の長さを算出する。

本発明によれば、印刷時において、管理情報の印刷された部分を表面に露出するように制御することができる。

本発明の一態様にかかる印刷装置の制御方法において、
前記媒体搬出手段は、
前記搬送方向における前記印刷手段の上流に設けられて、前記媒体の繰り出しを行う媒体繰出し手段と、
前記搬送方向における前記印刷手段の下流に設けられて、前記媒体の巻き取りを行う媒体巻取り手段と、を有し、
前記媒体繰出し手段は、繰出し速度検出部によって前記媒体の繰り出し速度を検出し、
前記媒体巻取り手段は、巻取り速度検出部によって前記媒体の巻き取り速度を検出し、
前記裁断位置決定手段は、前記繰出し速度検出部と前記巻取り速度検出部の検出結果に基づいて、巻き取られて円筒形状となった前記所定の印刷が施された部分の円周長を算出して前記端部と前記裁断位置との間の長さを算出し、
前記制御手段は、前記裁断位置決定手段の演算結果に基づいて、前記印刷手段と前記媒体巻取り手段と前記媒体巻取り手段の制御を行う。

本発明によれば、自動で裁断位置を決定することができる。

本実施形態にかかるプリンタを説明する図である。 プリンタを説明するブロック図である。 本実施形態にかかる印刷媒体を説明する図である。 本実施形態にかかる印刷媒体を説明する図である。

以下、本発明の印刷装置が、プリンタ１である場合を例に挙げて説明する。
本実施形態にかかるプリンタ１は、布（帛布）や樹脂シート（例えば、塩化ビニル、ポリエステル等からなる）等の帯状の印刷媒体Ｍの印刷面に対してインクを吐出することにより文字や図形等の印刷を行う。

図１は、本実施形態にかかるプリンタ１を説明する図である。（ａ）は、プリンタ１の概略構成図である。（ｂ）は、（ａ）のＡ−Ａ矢視図であり、制御装置２の操作パネル２１を説明する図である。なお、（ａ）では、シャフト３１、４１、張力付与手段３２、４２、ガイド手段３３、４３をそれぞれ支持する支持部材は省略してある。
図面中、上下方向とは、据付けられたプリンタ１に対して、鉛直方向における上、下を意味するものとして説明する。図面中、前後方向とは、据付けられたプリンタ１に対して、プリンタ１を正面から見て前、後を意味するものとして説明する。図面中、左右方向とは、据付けられたプリンタ１に対して、プリンタ１を正面からみて左、右を意味するものとして説明する。

図１の（ａ）、（ｂ）に示すように、本実施形態にかかるプリンタ１は、本体部１０と、印刷媒体Ｍを本体部１０に繰り出す媒体繰出し部３と、印刷媒体Ｍを本体部１０から取り出して巻き取る媒体巻取り部４と、これら本体部１０、媒体繰出し部３及び媒体巻取り部４の制御を行う制御装置２と、を備えている。

本体部１０は、印刷媒体Ｍに印刷を行う印刷部１１と、当該印刷部１１を収容する筐体１２と、当該筐体１２から下側に延びる支持部１３と、から構成される。
印刷部１１は、インクを吐出するプリンタヘッド１１１と、当該プリンタヘッド１１１を左右方向に移動させるキャリッジ１１２と、印刷媒体Ｍを前後方向に送る送り機構１１３を備えている。

プリンタ１の前後方向における支持部１３を挟んだ後側（背面側）には、媒体繰出し部３が設けられている。プリンタ１の前後方向における支持部１３を挟んだ前側（正面側）には、媒体巻取り部４が設けられている。

帯状の印刷媒体Ｍは、プリンタ１にセットされた状態において、長手方向で本体部１０を横切って、媒体繰出し部３と媒体巻取り部４とに架け渡されている。この状態において、長手方向における印刷媒体Ｍの一端側と他端側（図３の（ａ）参照）は、媒体繰出し部３と媒体巻取り部４で、それぞれ芯材３０、４０に巻き付けられてロール状に保持されている。芯材３０、４０は円筒形状を成している。芯材３０、４０の中心軸Ｘ１、Ｘ２は、プリンタ１の左右方向に平行である。

［媒体繰出し部３］
媒体繰出し部３には、未印刷の印刷媒体Ｍがロール状に保持されている。媒体繰出し部３は、ロール状の印刷媒体Ｍ（芯材３０）を中心軸Ｘ１方向に貫通するシャフト３１と、印刷媒体Ｍにテンション（張力）を付与する張力付与手段３２と、印刷媒体Ｍを本体部１０にガイドするガイド手段３３と、ロール状の印刷媒体Ｍの中心軸Ｘ１回りの回転速度を検知する繰出し速度検出部３５と、を備えている。
シャフト３１の中心線は、芯材３０の中心軸Ｘ１と同軸に設けられている。張力付与手段３２とガイド手段３３は公知のものを用いることができるので説明は省略する。

媒体繰出し部３は、シャフト３１を介して印刷媒体Ｍを中心軸Ｘ１回りに回転させながら最外周に位置する部分を順番に本体部１０へ繰り出す（搬送する）。印刷媒体Ｍは前後方向に搬送される（図中、矢印Ｂ参照）。張力付与手段３２とガイド手段３３は、印刷媒体Ｍの本体部１０への搬送の際に、印刷媒体Ｍに撓みや弛みが生じることを防止している。

シャフト３１の中心軸Ｘ１は、印刷媒体Ｍの搬送方向（図中、左右方向）に直交する。媒体繰出し部３は、本体部１０より搬送方向上流側に位置している。
なお、シャフト３１は図示しないステッピングモータの駆動力によって回転する。繰出し速度検出部３５は、例えば公知の光学センサなど非接触式のセンサを用いることができる。繰出し速度検出部３５が検出した情報は、制御装置２に送られる（図２参照）。

［媒体巻取り部４］
媒体巻取り部４には、印刷後の印刷媒体Ｍがロール状に保持されている。媒体巻取り部４は、ロール状の印刷媒体Ｍ（芯材４０）を中心軸Ｘ２方向に貫通するシャフト４１と、印刷媒体Ｍにテンション（張力）を付与する張力付与手段４２と、印刷媒体Ｍを本体部１０からシャフト４１にガイドするガイド手段４３と、ロール状の印刷媒体Ｍの中心軸Ｘ２回りの回転速度を検知する巻取り速度検出部４５と、を備えている。
シャフト４１の中心線は、芯材４０の中心軸Ｘ２と同軸に設けられている。張力付与手段４２とガイド手段４３は公知のものを用いることができるので説明は省略する。

媒体巻取り部４は、シャフト４１を介して印刷媒体Ｍを中心軸Ｘ２回りに回転させながら本体部１０から搬送される部分を順番に巻き取る（搬送する）。印刷媒体Ｍは前後方向に搬送される（図中、矢印Ｃ参照）。張力付与手段４２とガイド手段４３は、シャフト４１による印刷媒体Ｍの巻き取りの際に、印刷媒体Ｍに撓みや弛みが生じることを防止している。

シャフト４１の中心軸Ｘ２は、印刷媒体Ｍの搬送方向（図中、左右方向）に直交する。媒体巻取り部４は、本体部１０より搬送方向下流側に位置している。
なお、シャフト４１は図示しないステッピングモータの駆動力によって回転する。巻取り速度検出部４５は、例えば公知の光学センサなど非接触式のセンサを用いることができる。巻取り速度検出部４５が検出した情報は、制御装置２に送られる（図２参照）。

図１の（ｂ）に示すように、本体部１０には、制御装置２の操作パネル２１が設けられている。操作パネル２１には、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ２２や、各種パラメータなどを入力するテンキー２３が設けられている。

［制御装置２］
図２は、プリンタ１を説明するブロック図である。
図２に示すように、制御装置２は、操作パネル２１とディスプレイ２２と、テンキー２３と、後記する裁断位置決定部２０と、を備えている。裁断位置決定部２０は、制御装置２に入力される情報を演算する演算機能を有している。

制御装置２は、印刷部１１、媒体繰出し部３及び媒体巻取り部４と電気的に接続されている。制御装置２は、裁断位置決定部２０の演算結果に基づいて、これら印刷部１１、媒体繰出し部３及び媒体巻取り部４を制御する。

［印刷媒体Ｍ］
図３は、実施の形態にかかる印刷媒体Ｍを説明する図である。（ａ）は、所定の印刷がなされた印刷媒体Ｍを示す図である。（ｂ）は、芯材４０に巻きつけられた印刷媒体Ｍを示す斜視図であり、一部展開した状態を示している。（ｃ）は、（ｂ）の印刷媒体Ｍを面Ａで切断した切断面の模式図である。図３では、印刷媒体Ｍの厚みを誇張してある。図３では印刷面を外側に向けた状態で巻き取った状態を示している。
図４は、実施の形態にかかる印刷媒体Ｍを説明する図であり、裁断位置Ｍａで裁断後、印刷媒体Ｍの印刷面を内側にして巻き取った状態を示している。

印刷媒体Ｍは帯状の１枚のシート材である（図３の（ａ）参照）。印刷前の印刷媒体Ｍは、長手方向に沿う直線Ｌｍ方向で芯材３０に巻きつけられてロール状に保管されている。印刷時に印刷媒体Ｍは、直線Ｌｍ方向を搬送方向に一致させた状態でプリンタ１にセットされる（図１の（ａ）参照）。印刷後の印刷媒体Ｍは、直線Ｌｍ方向で芯材４０に巻きつけられてロール状に保管される（図３の（ｂ）参照）。

印刷媒体Ｍは、直線Ｌｍ方向で媒体繰出し部３から本体部１０（印刷部１１）を通って、媒体巻取り部４に搬送される（図１の（ａ）における矢印Ｂ、Ｃ参照）。プリンタ１では、媒体繰出し部３と媒体巻取り部４とで印刷媒体Ｍを搬送しつつ、印刷部１１で印刷媒体Ｍの印刷面に印刷を行う。よって、媒体繰出し部３が搬送方向で印刷部１１の上流に位置し、媒体巻取り部４が搬送方向で印刷部１１の下流に位置している。

図３の（ａ）に示すように、印刷媒体Ｍは、所定の画像Ｐ（図３の（ａ）におけるハッチング部分）が印刷される第１印刷面Ｍ１０と、画像Ｐのサムネイル画像Ｐｓ（図３の（ａ）におけるハッチング部分）が印刷される第２印刷面Ｍ２０とを有している。
なお、第２印刷面Ｍ２０に印刷されるものはサムネイル画像Ｐｓに限定されない。例えば、製造番号や顧客名などの文字情報でも良い。

本実施形態では、印刷媒体Ｍには、第１印刷面Ｍ１０と第２印刷面Ｍ２０とを区画する境界線Ｋが印刷される（図３の（ａ）における点線参照）。境界線Ｋは、後記する画像Ｐの端部Ｐａに沿って印刷される。

第１印刷面Ｍ１０と第２印刷面Ｍ２０は、直線Ｌｍ方向で隣接している。第１印刷面Ｍ１０と第２印刷面Ｍ２０は、直線Ｌｍ方向にそれぞれ長さＬ１０、Ｌ２０を有している。
第１印刷面Ｍ１０の長さＬ１０は、直線Ｌｍ方向における所定の画像Ｐの長さと略整合する長さである。第２印刷面Ｍ２０の長さＬ２０は、直線Ｌｍ方向における所定の画像Ｐの端部Ｐａから後記する裁断位置Ｍａ（図３の（ａ）における破線参照）までの長さである。サムネイル画像Ｐｓは、端部Ｐａと裁断位置Ｍａの間に印刷されている。

本実施形態では、印刷終了後に印刷媒体Ｍをロール状に巻き取った際、第２印刷面Ｍ２０（サムネイル画像Ｐｓ）を最外周に位置させるために、第１印刷面Ｍ１０側から先に印刷し、第２印刷面Ｍ２０側を後で印刷する。従って、印刷媒体Ｍの搬送方向において、第１印刷面Ｍ１０が下流側となり、第２印刷面Ｍ２０が上流側となる（図３の（ａ）参照）。
なお、サムネイル画像Ｐｓは、第２印刷面Ｍ２０のうち、直線Ｌｍ方向における第１印刷面Ｍ１０から離れた位置に印刷することが好ましい。印刷媒体Ｍを巻き取った際に確実にサムネイル画像Ｐｓが表面に露出されることになるからである。

ここで、シート状の印刷媒体Ｍは、直線Ｌｍ方向における第１印刷面Ｍ１０の長さＬ１０と、第２印刷面Ｍ２０の長さＬ２０とを合わせた長さ（Ｌ１０＋Ｌ２０）よりも長い全長を有している。印刷終了後は、第１印刷面Ｍ１０及び第２印刷面Ｍ２０を構成する部分を印刷媒体Ｍから裁断して取り出す。裁断は、直線Ｌｍに直交する方向（印刷媒体Ｍの幅方向）に沿って行われる。本実施形態では、搬送方向におけるサムネイル画像Ｐｓ（第２印刷面Ｍ２０）の上流側を裁断位置Ｍａに設定し、当該裁断位置Ｍａで印刷媒体Ｍを幅方向に裁断する。

前記した通り、第２印刷面Ｍ２０にはサムネイル画像Ｐｓが印刷される。サムネイル画像Ｐｓの大きさは任意である。第２印刷面Ｍ２０はサムネイル画像Ｐｓを表示できれば良いので、第２印刷面Ｍ２０の長さＬ２０は、変動させても良い。
よって、本実施形態における裁断位置Ｍａは、第２印刷面Ｍ２０の長さＬ２０を算出することによって決まる。

第２印刷面Ｍ２０の長さＬ２０の算出方法について説明する。
第２印刷面Ｍ２０の長さＬ２０は、後記するロール状になった第１印刷面Ｍ１０の円周長Ｃに応じて算出される。
図３の（ｃ）に示すように、印刷媒体Ｍは、一定の厚みＴを有している。従って、巻取り回数が増えるほど、ロール状に巻き取られた印刷媒体Ｍの円周長は長くなる。
本実施形態では、所定の画像Ｐが大きいほど、第１印刷面Ｍ１０の長さＬ１０が長くなる。そうすると、第１印刷面Ｍ１０の巻き取り回数が増えるので、ロール状の第１印刷面Ｍ１０の円周長Ｃも長くなる。
第２印刷面Ｍ２０は、ロール状の第１印刷面Ｍ１０の外周面を全周に亘って覆う必要がある。そのためには、第２印刷面Ｍ２０の長さＬ２０を、第１印刷面Ｍ１０における最外周の円周長Ｃ以上で確保する必要がある（Ｌ２０≧Ｃ）。

本実施形態にかかるプリンタ１では、第２印刷面Ｍ２０の長さＬ２０を算出するために、以下の２通りの方法によって、円周長Ｃを算出している。
（ｉ）媒体繰出し部３の繰出し速度検出部３５と、媒体巻取り部４の巻取り速度検出部４５で検出した印刷媒体Ｍの回転速度に基づいて、円周長Ｃを算出する方法。
（ｉｉ）オペレータが所定のパラメータを手動で入力して、パラメータから円周長Ｃを算出する方法。

上記（ｉ）の方法では、まず、繰出し速度検出部３５と、巻取り速度検出部４５で検出した印刷媒体Ｍの回転速度から、制御装置２の裁断位置決定部２０が、第１印刷面Ｍ１０の直径Ｒを算出する。次に、裁断位置決定部２０は、以下の式（１）に基づいて、円周長Ｃを算出する。
Ｃ＝πＲ ・・・（１）

円周長Ｃが算出されると、当該円周長Ｃ以上の長さを確保するように、裁断位置決定部２０は、第２印刷面Ｍ２０の長さＬ２０を算出し、裁断位置Ｍａを決める。これに基づいて制御装置２は、印刷部１１や媒体繰出し部３、媒体巻取り部４を制御する。

上記（ｉｉ）の方法では、制御装置２の操作パネル２１（テンキー２３）からオペレータが所定のパラメータを入力する。パラメータは、印刷媒体Ｍの厚みＴ及び材質、第１印刷面の長さＬ１０、第１印刷面Ｍ１０が巻き取られた際の一番内側（芯材４０側）の曲げ半径ｒである（図３の（ａ）、（ｃ）参照）。これらのパラメータは、数値を直接入力するものであっても良いし、予めデータとして登録されているものを選択したりするものであっても良い。第１印刷面の長さＬ１０は、画像Ｐのデータから自動で算出されるものであっても良い。

裁断位置決定部２０は、入力（選択）されたパラメータから以下の式（３）、（４）に基づいて、第１印刷面Ｍ１０の直径Ｒを算出する。次に、裁断位置決定部２０は、以下の式（２）に基づいて、円周長Ｃを算出する。
Ｃ＝πＲ ・・・（２）
Ｒ＝２（ｒ＋ｎＴ） ・・・（３）
Ｌ１０＝２πｒｎ＋πＴｎ（ｎ＋１） ・・・（４）

円周長Ｃが算出されると、当該円周長Ｃ以上の長さを確保するように、裁断位置決定部２０は、第２印刷面Ｍ２０の長さＬ２０を算出し、裁断位置Ｍａを決める。これに基づいて制御装置２は、印刷部１１や媒体繰出し部３、媒体巻取り部４を制御する。

ここで、媒体巻取り部４による印刷媒体Ｍの巻取り態様は、シャフト４１の回転方向によって、以下の２通りになる。
（Ａ）中心軸Ｘ２方向から見て、シャフト４１が反時計回り（図１の（ａ）における矢印Ｄ方向）に回転する態様。
この態様では、印刷媒体Ｍは、印刷面（第１印刷面Ｍ１０、第２印刷面Ｍ２０）を外側にして芯材４０に巻きつけられる（図１の（ａ）における実線参照）。
（Ｂ）中心軸Ｘ２方向から見て、シャフト４１が時計回り（図１の（ａ）における破線矢印Ｅ方向）に回転する態様。
この態様では、印刷媒体Ｍは、印刷面（第１印刷面Ｍ１０、第２印刷面Ｍ２０）を内側にして芯材４０に巻きつけられる（図１の（ａ）における破線参照）。

上記（Ａ）の場合、第２印刷面Ｍ２０（サムネイル画像Ｐｓ）は、ロール状の印刷媒体Ｍにおける最外周面で外部に露出する。よって、媒体巻取り部４で巻き取られたときの状態のまま、印刷済みの印刷媒体Ｍの管理や内容の確認を容易にすることができる。

上記（Ｂ）の場合、印刷媒体Ｍの印刷面と反対側の面（裏面）が表面に露出する。よって、媒体巻取り部４で巻き取られたときの状態のままでは、サムネイル画像Ｐｓは隠れており、印刷済みの印刷媒体Ｍの管理や内容の確認ができない。

印刷媒体Ｍには、前記した境界線Ｋが印刷されている。印刷媒体Ｍの第２印刷面Ｍ２０側を境界線Ｋで外側に折り返して（図４における矢印方向）、サムネイル画像Ｐｓを表面に露出させることで、印刷済みの印刷媒体Ｍの管理や内容の確認を容易にすることができる。

上記（Ａ）、（Ｂ）のいずれの場合においても、第２印刷面Ｍ２０は、第１印刷面Ｍ１０の外周を全周に亘って覆った状態となる。従って、画像Ｐは適切に保護される。

本実施形態にかかるプリンタ１は、以下の構成を有している。
（１）シート状の印刷媒体Ｍに印刷を行う印刷部１１と、
印刷媒体Ｍを所定の搬送方向に搬送する媒体繰出し部３及び媒体巻取り部４（媒体搬送部）と、
印刷部１１、媒体繰出し部３及び媒体巻取り部４の制御を行う制御装置２（制御部）と、
印刷された印刷媒体Ｍを巻き取るシャフト４１（巻き取りローラ）と、を備える。
制御装置２は、搬送方向における第１印刷面Ｍ１０の画像Ｐ（所定の印刷が施された部分）の端部Ｐａから、所定長さ上流で印刷媒体Ｍを幅方向に裁断して切り離す為の裁断位置Ｍａを決定（第２印刷面Ｍ２０の長さＬ２０を決定）する裁断位置決定部２０を有している。
裁断位置決定部２０は、シャフト４１に巻き取られた印刷媒体Ｍの円周長Ｃの増加に伴って端部Ｐａより上流で裁断するように裁断位置Ｍａを決定する。

このように構成すると、画像Ｐの大きさに応じて裁断位置Ｍａを決定できる（カスタマイズできる）。これにより、第２印刷面Ｍ２０（画像Ｐの端部Ｐａから裁断位置Ｍａまでの領域）を用いて、第１印刷面Ｍ１０（画像Ｐ）を覆ったり、管理情報を印刷したりすることができる。よって、画像Ｐを適切に保護しつつ、印刷済みの印刷媒体Ｍ（印刷物）の管理や内容を確認できるように保管することができる。

本実施形態にかかるプリンタ１は、以下の構成を有している。
（２）印刷部１１は、端部Ｐａと裁断位置Ｍａとの間の第２印刷面Ｍ２０（所定の印刷が施されていない領域）にサムネイル画像Ｐｓ（管理情報）を印刷する。

このように構成すると、ロール状に巻き取られた状態を解くことなく、サムネイル画像Ｐｓから、印刷済みの印刷媒体Ｍの内容を確認したり、管理をしたりすることができる。

本実施形態にかかるプリンタ１は、以下の構成を有している。
（３）第２印刷面Ｍ２０を構成する端部Ｐａと裁断位置Ｍａとの間の領域は、画像Ｐが印刷された第１印刷面Ｍ１０（所定の印刷がされた部分の媒体）を保護するように巻き回され、且つ、表面に印刷されたサムネイル画像Ｐｓが露出するように巻き回されている。

このように構成すると、画像Ｐを適切に保護しつつ、印刷済みの印刷媒体Ｍの管理や内容を確認できるように保管できる。

（４）裁断位置決定部２０は、シャフト４１に巻き取られた印刷媒体Ｍの外周を少なくとも一周するだけの円周長Ｃになるように裁断位置Ｍａを決定する。

このように構成すると、第２印刷面Ｍ２０が第１印刷面Ｍ１０の外周面を全周に亘って覆うので、画像Ｐが確実に保護される。

本実施形態にかかるプリンタ１は、以下の構成を有している。
（５）裁断位置決定部２０は、Ｒを第１印刷面Ｍ１０の巻き取り径、Ｌ１０を第１印刷面の全長、ｒを第１印刷面Ｍ１０が巻き取られた際の一番内側の曲げ半径、Ｔを印刷媒体Ｍの厚み、πを円周率としたときに、式（１）、式（２）、式（３）に基づいて第１印刷面Ｍ１０の円周長Ｃを算出して、第２印刷面Ｍ２０の全長Ｌ２０を算出する。
Ｃ＝πＲ ・・・（１）
Ｒ＝２（ｒ＋ｎＴ） ・・・（２）
Ｌ１０＝２πｒｎ＋πＴｎ（ｎ＋１） ・・・（３）

このように構成すると、オペレータが手動で制御装置２にパラメータを入力することで第２印刷面Ｍ２０の全長Ｌ２０を算出し、裁断位置Ｍａを決定することができる。

本実施形態にかかるプリンタ１は、以下の構成を有している。
（６）媒体繰出し部３は、印刷媒体Ｍの搬送方向における印刷部１１の上流に設けられている。媒体繰出し部３は、印刷媒体Ｍの繰り出し速度を検出する繰出し速度検出部３５を有している。
媒体巻取り部４は、印刷媒体Ｍの搬送方向における印刷部１１の下流に設けられている。媒体巻取り部４は、印刷媒体Ｍの巻き取り速度を検出する巻取り速度検出部４５を有している。
裁断位置決定部２０は、繰出し速度検出部３５と、巻取り速度検出部４５の検出結果に基づいて、巻き取られて円筒形状となった第１印刷面Ｍ１０の円周長Ｃを算出して、第２印刷面Ｍ２０の全長Ｌ２０を算出する。
制御装置２は、裁断位置決定部２０の演算結果に基づいて印刷部１１、媒体繰出し部３及び媒体巻取り部４を制御する。

このように構成すると、自動で第２印刷面Ｍ２０の全長Ｌ２０を算出し、裁断位置Ｍａを決定することができる。

本実施形態にかかるプリンタ１は、以下の構成を有している。
（７）サムネイル画像Ｐｓは、第２印刷面Ｍ２０における第１印刷面Ｍ１０から離れた位置（裁断位置Ｍａ側）に印刷されている。

例えば、第２印刷面Ｍ２０の長さＬ２０を円周長Ｃの２倍の長さとした場合、第２印刷面Ｍ２０は、第１印刷面Ｍ１０周りを略二周する。そうすると、境界線Ｋ付近にサムネイル画像Ｐｓが印刷されている場合、サムネイル画像Ｐｓは、一周分内側に位置するため、表面に露出しない。
そこで、上記のように構成すると、確実にサムネイル画像Ｐｓを表面に露出させることができる。

本実施形態にかかるプリンタ１は、以下の構成を有している。
（８）印刷部１１は、端部Ｐａに、第２印刷部Ｍ２０との境界線Ｋを印刷する。

このように構成すると、印刷面を内側にして巻き取られた印刷媒体Ｍについて、第２印刷面Ｍ２０側を外側に折り返す際に目印となる。

さらに、本願発明は、プリンタ１の制御方法としても特定可能である。
具体的には、
（９）印刷部１１でシート状の印刷媒体Ｍにインクを吐出して印刷を行う印刷手段と、
媒体繰出し部３及び媒体巻取り部４で印刷媒体Ｍを所定の搬送方向に搬送する媒体搬送手段と、
制御装置２で印刷手段と媒体搬送手段の制御を行う制御手段と、を有する。
制御装置手段は、搬送方向における第１印刷面Ｍ１０の画像Ｐの端部Ｐａから所定長さ上流で裁断する為の裁断位置Ｍａを決定する裁断位置決定手段を有している。
裁断位置決定手段は、第１印刷面Ｍ１０の長さＬ１０の増加に伴って端部Ｐａから、より上流で裁断するように裁断位置Ｍａを決定する。
印刷手段は、第２印刷面Ｍ２０にサムネイル画像Ｐｓを印刷する。
第２印刷面Ｍ２０は、第１印刷面Ｍ１０を保護するように巻き回され、且つ、表面に印刷されたサムネイル画像Ｐｓが露出するように巻き回されている。
裁断位置決定手段は、印刷媒体Ｍを搬送方向における下流側から上流側に向かって巻き取った状態において、第１印刷面Ｍ１０の外周を全周に亘って囲むように、第２印刷面Ｍ２０の全長Ｌ２０を算出する。

このように構成すると、サムネイル画像Ｐｓの印刷された第２印刷面Ｍ１０が表面に露出するように制御することができる。

さらに、プリンタ１の制御方法は、以下の構成を有している。
（１０）搬送方向における印刷部１１の上流に設けられて、媒体繰出し部３によって印刷媒体Ｍの繰り出しを行う媒体繰出し手段と、搬送方向における印刷部１１の下流に設けられて、媒体巻取り部４によって印刷媒体Ｍの巻き取りを行う媒体巻取り手段と、を有する。
媒体繰出し手段では、繰出し速度検出部３５によって印刷媒体Ｍの繰り出し速度を検出する。
媒体巻取り手段では、巻取り速度検出部４５によって印刷媒体Ｍの巻き取り速度を検出する。
裁断位置決定手段は、繰出し速度検出部３５と巻取り速度検出部４５の検出結果に基づいて、巻き取られて円筒形状となった第１印刷面Ｍ１０の円周長Ｃを算出して第２印刷面Ｍ２０の全長Ｌ２０を算出する。
制御手段は、裁断位置決定手段の演算結果に基づいて、印刷手段と媒体繰出し手段と媒体巻取り手段の制御を行う。

このように構成すると、自動で第２印刷面Ｍ２０の全長Ｌ２０を決定することができる。

［変形例］
なお、本実施形態では、境界線Ｋを印刷によって表すことを例示したが、これに限定されない。例えば媒体加工部（図示せず）を備えたプリンタ１Ａとしても良い。媒体加工部が、境界線Ｋの印刷に替えてまたは境界線Ｋの印刷に重畳して、印刷媒体Ｍに断続的な切込み（例えばミシン目）を形成しても良い。

これにより、印刷終了後に第２印刷面Ｍ２０を第１印刷面Ｍ１０から切り離すことができる。例えば印刷面を内側にした状態で巻き取られた印刷媒体Ｍにおいて、第２印刷面Ｍ２０を切り離して、第１印刷面Ｍ１０の外周を覆うことで、サムネイル画像Ｐｓを表面に露出させて、印刷済みの印刷媒体Ｍの管理や内容の確認を容易にすることができる。

変形例にかかるプリンタ１Ａは、以下の構成を有している。
（１１）端部Ｐａに沿って、断続的な切込みを形成する媒体加工部を備える。

このように構成すると、印刷終了後に第２印刷面Ｍ２０を第１印刷面Ｍ１０から切り離すことができる。

本実施形態では、巻き取られた第１印刷面Ｍ１０の円周長Ｃの算出するパラメータとして、印刷媒体Ｍの厚みＴや第１印刷面Ｍ１０の巻き取り径Ｒなどを挙げたが、これに限定されない。例えば、印刷媒体Ｍの重量や印刷時間、印刷データなどをパラメータとしてもよい。

また、本実施形態にかかる印刷媒体Ｍの巻取り量は、繰出し速度検出部３５と巻取り速度検出部４５によって、印刷媒体Ｍの回転速度を検出することで求める方法を例示した。しかしながらこれに限定されるものではない。例えば、巻き取られた印刷媒体Ｍの外径を検出して巻取り量を求めても良い。印刷媒体Ｍの外径の検出には、例えば公知の光学センサなど非接触式のセンサを用いることができる。

また、プリンタ１は、両面印刷が可能なものであってもよく、第１印刷面Ｍ１０の裏面に第２印刷面Ｍ２０を設けても良い。この場合、第１印刷面Ｍ１０側を内側にして巻き取ることで、第２印刷面Ｍ２０が外部に露出するので、折り返しは不要である。
印刷後の印刷媒体Ｍを手動で巻き取って保管する場合は、第２印刷面Ｍ２０を第１印刷面Ｍ１０の上流に設けても良い。
また、第２印刷面Ｍ２０を第１印刷面Ｍ１０の上流と下流の両方に設けても良い。上流側と下流側のどちらから巻き取っても第２印刷面Ｍ２０を外周面に露出させることができる点でメリットがある。

１、１Ａ プリンタ
２ 制御装置
３ 媒体繰出し部
４ 媒体巻取り部
１０ 本体部
１１ 印刷部
１２ 筐体
１３ 支持部
２０ 裁断位置決定部
２１ 操作パネル
２２ ディスプレイ
２３ テンキー
３０ 芯材
３１ シャフト
３２ 張力付与手段
３３ ガイド手段
３５ 繰出し速度検出部
４０ 芯材
４１ シャフト
４２ 張力付与手段
４３ ガイド手段
４５ 巻取り速度検出部
１１１ プリンタヘッド
１１２ キャリッジ
１１３ 送り機構
Ｃ 円周長
Ｋ 境界線
Ｌｍ 直線
Ｍ 印刷媒体
Ｍａ 裁断位置
Ｍ１０ 第１印刷面
Ｍ２０ 第２印刷面
Ｐ 画像
Ｐａ 端部
Ｐｓ サムネイル画像
Ｒ 直径
Ｔ 厚み
Ｘ１ 中心軸
Ｘ２ 中心軸

Claims (4)

1. シート状の媒体に印刷を行う印刷部と、
   前記媒体を所定の搬送方向に搬送する媒体搬送部と、
   前記印刷部と前記媒体搬送部の制御を行う制御部と、
   印刷された前記媒体を巻き取る巻き取りローラと、を備える印刷装置であって、
   前記制御部は、前記搬送方向における所定の印刷が施された部分の端部から所定長さ上流で前記媒体を幅方向に裁断して切り離す為の裁断位置を決定する裁断位置決定部を有しており、
   前記裁断位置決定部は、前記巻き取りローラに巻き取られた媒体の円周長の増加に伴って前記端部より上流で裁断するように前記裁断位置を決定することを特徴とする印刷装置。
2. 前記印刷部は、前記端部と前記裁断位置との間の前記所定の印刷が施されていない領域に管理情報を印刷することを特徴とする請求項１に記載の印刷装置。
3. 前記端部と前記裁断位置との間は、前記所定の印刷がされた部分の媒体を保護するように巻き回され、且つ、表面に印刷された前記管理情報が露出するように巻き回されていることを特徴とする請求項２に記載の印刷装置。
4. 前記裁断位置決定部は、前記巻き取りローラに巻き取られた媒体の外周を少なくとも一周するだけの長さになるように前記裁断位置を決定することを特徴とする請求項１から請求項３のいずれか一項に記載の印刷装置。