JP2020186314A - 樹脂用充填材および熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、熱可塑性樹脂との接着性が高く、熱可塑性樹脂組成物の機械的強度及び耐金型汚染性を高めることができる樹脂用充填材と、これを含む熱可塑性樹脂組成物とを提供することを目的とする。【解決手段】本発明の樹脂用充填材は、(a)粒子状無機充填材に対し、(b)シラン系カップリング剤、並びに、(c)分子内にカルボン酸基、酸無水物基、エポキシ基及びオキサゾリニル基からなる群より選ばれる官能基を有する高分子化合物、が表面に付着していることを特徴とする。また、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂と、上記の樹脂用充填材とを含むことを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂用充填材および熱可塑性樹脂組成物に関する。
従来、熱可塑性樹脂の充填材は、熱可塑性樹脂との接着性を向上させるために、充填材の表面を各種の処理剤によって処理したものが用いられている。この場合の処理剤としては、例えば、シラン系カップリング剤、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などが一般的に使用されており、その組成は熱可塑性樹脂との接着性や加工時の熱安定性などを考慮して選定されている(例えば、特許文献1〜2参照)。
特開2007−284502号公報 特開2015−117260号公報
しかしながら、従来の処理剤で表面処理された充填材では、熱可塑性樹脂と充填材との接着性が十分でなく、充填材を添加した熱可塑性樹脂の衝撃強さ、曲げ強さなどの機械的特性がなお満足するまでには至っていない。さらに、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂は優れた充填材収束効果をもたらすが、樹脂組成物として成形したとき金型付着物として金型汚染の原因となる。
本発明の課題は、熱可塑性樹脂との接着性が高く、熱可塑性樹脂組成物の機械的強度及び耐金型汚染性を高めることができる樹脂用充填材と、これを含む熱可塑性樹脂組成物とを提供することにある。
上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、樹脂用充填材として用いる粒子状無機充填材を、シラン系カップリング剤並びに分子内にカルボン酸基、酸無水物基、エポキシ基及びオキサゾリニル基からなる群より選ばれる官能基を有する高分子化合物で、当該粒子状無機充填材の表面処理することで、樹脂用充填材の熱可塑性樹脂との接着性を高めることができ、かかる処理剤で表面処理された樹脂用充填材を用いることで、機械特性に優れ、かつ金型汚染が低減された熱可塑性樹脂組成物を得ることができることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は下記の通りである。
〔1〕(a)粒子状無機充填材に対し、(b)シラン系カップリング剤、並びに、(c)分子内にカルボン酸基、酸無水物基、エポキシ基及びオキサゾリニル基からなる群より選ばれる官能基を有する高分子化合物、が表面に付着していることを特徴とする、樹脂用充填材。
〔2〕前記(a)粒子状無機充填材91.0〜99.84質量%に対し、前記(b)シラン系カップリング剤0.08〜3.0質量%、並びに、前記(c)分子内にカルボン酸基、酸無水物基、エポキシ基及びオキサゾリニル基からなる群より選ばれる官能基を有する高分子化合物0.08〜6.0質量%、が表面に付着している、上記〔1〕に記載の樹脂用充填材。
〔3〕前記(b)シラン系カップリング剤が、アミノ基またはエポキシ基を有する、上記〔1〕又は〔2〕に記載の樹脂用充填材。
〔4〕前記(c)分子内にカルボン酸基、酸無水物基、エポキシ基及びオキサゾリニル基からなる群より選ばれる官能基を有する高分子化合物が、ポリフェニレンエーテル、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体及びその水素添加物のいずれかと、カルボン酸基、酸無水物基、エポキシ基及びオキサゾリニル基からなる群より選ばれる官能基を有する化合物と、を構造単位として有する、上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の樹脂用充填材。
〔5〕前記(c)分子内にカルボン酸基、酸無水物基、エポキシ基及びオキサゾリニル基からなる群より選ばれる官能基を有する高分子化合物中の、分子内にカルボン酸基、酸無水物基、エポキシ基及びオキサゾリニル基からなる群より選ばれる官能基を少なくとも有する化合物の含有量が、0.1〜20.0質量%である、上記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の樹脂用充填材。
〔6〕前記(a)粒子状無機充填材が、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、ガラスフレーク、マイカ及びガラスビーズのいずれかである、上記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の樹脂用充填材。
〔7〕熱可塑性樹脂と、上記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の樹脂用充填材とを含むことを特徴とする、熱可塑性樹脂組成物。
〔8〕前記熱可塑性樹脂がポリスチレン系樹脂を含む、上記〔7〕に記載の熱可塑性樹脂組成物。
〔9〕前記熱可塑性樹脂がポリフェニレンエーテル系樹脂を含む、上記〔7〕又は〔8〕に記載の熱可塑性樹脂組成物。
本発明の樹脂用充填材は、熱可塑性樹脂との接着性が高く、機械的強度と耐金型汚染性に優れる熱可塑性樹脂組成物を提供することができる。
実施例21の熱可塑性樹脂組成物からなる成形体の断面の走査型電子顕微鏡写真である。 比較例6の熱可塑性樹脂組成物からなる成形体の断面の走査型電子顕微鏡写真である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について、詳細に説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
〔樹脂用充填材〕
本実施形態の樹脂用充填材は、(a)粒子状無機充填材に対し、(b)シラン系カップリング剤、並びに、(c)分子内にカルボン酸基、酸無水物基、エポキシ基及びオキサゾリニル基からなる群より選ばれる官能基を有する高分子化合物、が表面に付着したものである。
(a)粒子状無機充填材
本実施形態に用いられる(a)粒子状無機充填材について説明する。
(a)粒子状無機充填材としては、特に限定されず、例えば、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、ガラスフレーク、マイカ、ガラスビーズ、ガラスマイクロバルーン、シリカ、酸化チタン、酸化マグネシウム、フライアッシュ等の粉状、薄片状、球状のものが挙げられる。
中でも、樹脂と溶融混合し樹脂組成物としたときの機械物性の面から、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、ガラスフレーク、マイカ、ガラスビーズが好ましい。
これら(a)粒子状無機充填材は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いることもできる。
本実施形態において、(a)粒子状無機充填材とは、板状、棒状、球状などの形状を持った長径と短径の比率であるアスペクト比が1〜10であり、平均粒子径が0.1〜100μmの無機充填材である。
好ましいアスペクト比は1〜10であり、より好ましくは1〜7であり、さらに好ましくは1〜5である。アスペクト比が10以下であることで、成形品の外観及び機械物性の異方性を小さくすることができ、好ましい。
アスペクト比は、走査型電子顕微鏡を用いて任意の100個以上の粒子を観察し、適宜拡大し撮影した粒子群の画像から粒子の短径と長径を測定し、平均の短径と長径を求め、その比を以ってアスペクト比とする。ここで、板状の形状で言う短径と長径とは、板状の平面における短径と長径を指し、板厚を指すものではない。棒状や球状の、方形でない形状で言う短径および長径は、形状における最短部と最長部を示すものとする。
粒子状無機充填材の平均粒子径は、特に限定されるものではないが、好ましくは0.1〜100μmである。
平均粒子径が100μm以下であることで、樹脂組成物としたときの機械物性(衝撃強さ)、表面外観をより優れたものとすることができ、0.1μm以上であることで、機械物性(曲げ弾性率)をより高くすることができる。当該観点から、(a)粒子状無機充填材の平均粒子径は、0.1〜100μmであることが好ましく、0.1〜90μmであることがより好ましく、0.1〜85μmであることがさらに好ましい。
粒子状無機充填材の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布計(例えば、島津製作所社製、商品名:SALD−2000)を用い、水中に粒子状無機充填材を分散させ測定解析することが出来る。水への粒子状無機充填材の分散方法は、超音波拡散機および/または、攪拌機を備えた攪拌槽へ水及び粒子状無機充填材を加えることで可能である。この分散液を、ポンプを介してレーザー回折粒度分布計の測定セルへ送液し、レーザー回折により粒子径を測定する。測定によって得られる、粒子径と粒子数の頻度分布より数平均粒子径として計算することが出来る。
樹脂用充填材中の(a)粒子状無機充填材の含有量は、機械強度や金型汚染性の観点から、樹脂用充填材100質量%に対して91.0〜99.84質量%であることが好ましく、92.5〜99.6質量%であることがより好ましく、95.0〜99.0質量%であることがさらに好ましく、96.5〜98.4質量%であることが特に好ましい。
(b)シラン系カップリング剤
本実施形態に用いられる(b)シラン系カップリング剤としては、特に限定されず、例えば、一般にガラス繊維処理剤で知られる有機シラン系カップリング剤を用いることができ、中でもアミノシラン系カップリング剤またはエポキシシラン系カップリング剤が好適に用いられる。
これらシラン系カップリング剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いることもできる。
上記(b)シラン系カップリング剤は、有機基と反応する官能基として、少なくともアミノ基またはエポキシ基を有することが好ましく、特に限定されるものではないが、アミノシラン系カップリング剤としては、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン等、エポキシシラン系カップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等を例示することができる。
(c)分子内にカルボン酸基、酸無水物基、エポキシ基及びオキサゾリニル基からなる群より選ばれる官能基を有する高分子化合物
本実施形態に用いられる(c)分子内にカルボン酸基、酸無水物基、エポキシ基及びオキサゾリニル基からなる群より選ばれる官能基を有する高分子化合物(以下、単に(c)高分子化合物とも称す)は、ポリマー構造中に分子内にカルボン酸基、酸無水物基、エポキシ基及びオキサゾリニル基からなる群より選ばれる官能基を有する高分子化合物である。
(c)高分子化合物としては、高分子の重合時にカルボン酸基、酸無水物基、エポキシ基及びオキサゾリニル基からなる群より選ばれる官能基を有するモノマーを添加して重合したもの(共重合化合物)、ベースポリマーとなるポリマーを重合した後、ベースポリマーに過酸化物の存在下または非存在下でカルボン酸基、酸無水物基、エポキシ基、オキサゾリニル基含有化合物を添加し、加熱加工してグラフト反応させたもの(グラフト重合化合物)のいずれでも用いることができる。グラフト重合化合物については、後述の実施例に記載の方法により製造することができる。上記過酸化物としては、例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)−3ヘキシン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等が挙げられる。
上記ベースポリマーとしては、特に限定されるものではないが、ポリスチレン、ポリアクリロニトリルスチレン、ポリフェニレンエーテル、スチレン−ブタジエン共重合体及びその水素添加物等が挙げられる。これらは、高分子化合物自身の分解性、混合する(b)シラン系カップリング剤、熱可塑性樹脂との反応性、混和性を考慮して選択でき、1種単独でも2種以上の混合物でも使用できる。
上記の中でも、ポリフェニレンエーテル、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体及びその水素添加物が、多くの熱可塑性樹脂との親和性に優れるため、好ましい。
具体的には、カルボン酸基、酸無水物基、エポキシ基、オキサゾリニル基を有する不飽和モノマーとポリフェニレンエーテル、スチレン−ブタジエン共重合体及びその水素添加物とのグラフト重合化合物、カルボン酸基、酸無水物基、エポキシ基、オキサゾリニル基を有する不飽和モノマーとスチレンモノマーの共重合体、エポキシ基、オキサゾリニル基を有する不飽和モノマーとスチレン/アクリロニトリルの共重合体が挙げられる。
上記のカルボン酸基、酸無水物基含有不飽和モノマーとしては、例えばマレイン酸、フマル酸、クロロマレイン酸、シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸及びこれらの酸無水物などが挙げられる。特にフマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸が良好で、フマル酸、無水マレイン酸が特に好ましい。また、これら不飽和ジカルボン酸の2個のカルボキシル基のうちの1個または2個がエステルになっているものも使用可能である
エポキシ基含有不飽和モノマーとしては、グリシジルメタアクリレート、グリシジルアクリレート、ビニルグリシジルエーテル、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのグリシジルエーテル、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートのグリシジルエーテル、グリシジルイタコネート等が挙げられ、中でもグリシジルメタアクリレートが好ましい。また、オキサゾリル基含有不飽和モノマーとしては、ビニルオキサゾリン化合物があり、その中でも2−イソプロペニル−2−オキサゾリンが工業的に入手でき好ましく使用できる。
(c)高分子化合物の例として、例えば、グリシジルメタクリレートグラフト−ポリフェニレンエーテル、無水マレイン酸グラフト−ポリフェニレンエーテル、グリシジルメタクリレートグラフト−スチレン−ブタジエン共重合体、グリシジルメタクリレートグラフト−スチレン−水素添加ブタジエン共重合体、無水マレイン酸グラフト−スチレン−ブタジエン共重合体、無水マレイン酸グラフト−スチレン−水素添加ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、スチレン−グリシジルメタクリレート−メチルメタクリレート共重合体、スチレン−グリシジルメタクリレート−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルオキサゾリン共重合体、スチレン−ビニルオキサゾリン−アクリロニトリル共重合体等が挙げられ、中でもポリフェニレンエーテル−グラフト−無水マレイン酸重合体、スチレン−ブタジエン共重合体の水素添加物−グラフト−グリシジルメタクリレート重合体、スチレン−ブタジエン共重合体の水素添加物−グラフト−無水マレイン酸重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−グリシジルメタクリレート共重合体が特に好ましい。
(c)高分子化合物中の官能基を有する化合物の含有量は、(c)高分子化合物100質量%に対して0.1〜22.5量%であることが好ましく、0.1〜15.0質量%であることがより好ましく、0.3〜15.0質量%であることがさらに好ましい。
(c)高分子化合物中の官能基を有する化合物の含有量が0.1質量%以上であることで、(b)シラン系カップリング剤への付着のばらつきを抑制し、添加しようとする熱可塑性樹脂と樹脂用充填材との接着性をより良くすることができ、より機械的特性に優れた熱可塑性樹脂組成物とすることができる。また、20.0質量%以下であることで、付加量の増加に見合う効果を十分に得ることができる。また処理を行う際に、処理剤の濃度を上げる、もしくは処理を2回施すなどの操作が不要であり生産性に優れる。
なお、カルボン酸基、酸無水物基、エポキシ基及びオキサゾリニル基からなる群より選ばれる官能基を有する化合物の含有量は、IR(赤外分光光度計)により各成分の吸収ピーク比を測定することや、中和滴定法などで測定することが出来る。
また、(a)粒子状無機充填材に対する処理剤の成分として、上記(b)シラン系カップリング剤および(c)分子内にカルボン酸基、酸無水物基、エポキシ基、オキサゾリニル基から選ばれる官能基を有する高分子化合物のほかに、繊維収束剤、潤滑剤、帯電防止剤等のその他の添加剤を、本実施形態の目的を逸脱せずその効果を妨げない範囲で配合することができる。
樹脂用充填材の上記その他の添加剤の含有量は、樹脂用充填材100質量%に対して10質量%以下としてよい。
次に、本実施形態における樹脂用充填材の処理方法と、(a)粒子状無機充填材に付着した処理剤の付着量について述べる。
まず、処理方法としては、前記処理剤をエマルジョン状態または有機溶液状態とした処理液を、常法により粒子状無機充填材に含浸させる方法、または前記処理剤を溶融状態にして粒子状無機充填材にコーティングする方法等を採用することができるが、特にこれらの方法に限定されるものではない。
また、上記処理方法において、処理剤としては、1液タイプ、2液タイプのどちらを採用してもよい。即ち、(b)シラン系カップリング剤と(c)高分子化合物との両者を含有する処理剤にて1回の処理で表面処理する方法、または、まず(c)高分子化合物を含有する処理剤にて表面処理した後、更に(b)シラン系カップリング剤を含有する処理剤にて表面処理する方法、もしくは、まず(b)シラン系カップリング剤を含有する処理剤にて表面処理した後、更に(c)高分子化合物を含有する処理剤にて表面処理する方法、のいずれを採用してもよい。さらに、処理剤は、3液タイプまたは4液以上のタイプとすることもできる。
樹脂用充填材における処理剤の付着量は、樹脂用充填材の全質量100質量%に対して、(b)シラン系カップリング剤は0.08〜3.0質量%であることが好ましく、0.2〜2.25質量%であることがより好ましく、0.5〜2.0質量%であることがさらに好ましく、0.8〜1.5質量%であることが特に好ましい。(c)高分子化合物は0.08〜6.0質量%であることが好ましく、0.2〜5.25質量%であることがより好ましく、0.5〜3.0質量%であることがさらに好ましく、0.8〜2.0質量%であることが特に好ましい。
(b)シラン系カップリング剤の付着量が0.08質量%以上であることで、(b)シラン系カップリング剤の付着のばらつきを抑制し、強化しようとする熱可塑性樹脂と樹脂用充填材との接着性をより良くすることができ、より機械的特性に優れた熱可塑性樹脂組成物とすることができる。また、3.0質量%以下であることで、付着量の増加に見合う効果を十分に得ることができる。また処理を行う際に、(b)シラン系カップリング剤の濃度を上げる、もしくは処理を2回施すなどの操作が不要であり、生産性に優れる。
一方、(c)高分子化合物の含有量が0.08質量%以上であることで、熱可塑性樹脂と樹脂用充填材との接着性をより良くすることができ、より機械的特性に優れた熱可塑性樹脂組成物とすることができる。また、6.0質量%以下であることで、付着量の増加に見合う効果を十分に得ることができる。
〔熱可塑性樹脂組成物〕
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、上述の本実施形態の樹脂用充填材と熱可塑性樹脂とを含む。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂等が挙げられる。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、樹脂用充填材及び熱可塑性樹脂の合計含有量100質量%に対して、樹脂用充填材の含有量が3〜70質量%、熱可塑性樹脂の含有量が30〜97質量%であることが好ましい。より好ましくは、樹脂用充填材の含有量が5〜70質量%、熱可塑性樹脂の含有量が30〜95質量%、さらに好ましくは、樹脂用充填材の含有量が5〜60質量%、熱可塑性樹脂の含有量が40〜95質量%である。上記構成により、本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、耐衝撃性及び耐熱性において一層優れた物性バランスを発揮することができる。
以下、本実施形態の熱可塑性樹脂の具体例について説明する。
(1.ポリフェニレンエーテル系樹脂)
本実施形態の熱可塑性樹脂として、ポリフェニレンエーテル(PPE)系樹脂を用いることが出来る。
上記ポリフェニレンエーテル系樹脂は、特に限定されることなく、例えば、ポリフェニレンエーテルのみからなる樹脂、ポリフェニレンエーテルとポリスチレン系樹脂とからなる混合樹脂(変性ポリフェニレンエーテル樹脂)であってもよい。
上記ポリフェニレンエーテルとしては、特に限定されることなく、例えば、下記式(1)で表される繰り返し単位構造からなるホモ重合体、下記式(1)で表される繰り返し単位構造を有する共重合体が挙げられる。
上記PPEは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記式(1)中、R1、R2、R3、及びR4は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜7の第1級アルキル基、炭素数1〜7の第2級アルキル基、フェニル基、ハロアルキル基、アミノアルキル基、炭化水素オキシ基、及び少なくとも2個の炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを隔てているハロ炭化水素オキシ基からなる群から選択される一価の基である。
ポリフェニレンエーテル系樹脂に含まれるポリスチレン系樹脂としては、アタクチックポリスチレン、ゴム補強されたポリスチレン(ハイインパクトポリスチレン、HIPS)、スチレン含有量が50重量%以上のスチレン−アクリロニトリル共重合体(AS)、及び該スチレン−アクリロニトリル共重合体がゴム補強されたAS樹脂等が挙げられ、アタクチックポリスチレン及び/又はハイインパクトポリスチレンが好ましい。
上記ポリスチレン系樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(2.ポリスチレン系樹脂)
本実施形態の熱可塑性樹脂として、ポリスチレン(PS)系樹脂を用いることが出来る。
上記ポリスチレン系樹脂としては、スチレン系化合物を含む単量体成分を重合して得られる重合体が挙げられる。上記単量体成分には、スチレン系化合物と共重合可能な化合物が含まれていてもよい。
上記ポリスチレン系樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記ポリスチレン系樹脂としては、スチレン樹脂100質量%に対してスチレン系化合物に由来する構成単位を60質量%超含むものが好ましく、70質量%以上含むことがより好ましい。
上記スチレン系化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、モノクロロスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、エチルスチレン等が挙げられる。特に原材料の実用性の観点から、スチレンが好ましく使用される。
また、スチレン系化合物と共重合可能な化合物としては、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類、無水マレイン酸等の酸無水物等が挙げられる。
スチレン系化合物と共重合可能な化合物の使用量は、スチレン系化合物とスチレン系化合物と共重合可能な化合物との合計量に対して、95質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましい。
上記ポリスチレン系樹脂としては、アタクチックポリスチレン、ゴム補強されたポリスチレン(ハイインパクトポリスチレン、HIPS)等が挙げられ、アタクチックポリスチレン及び/又はハイインパクトポリスチレンが好ましい。
(3.アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂)
本実施形態の熱可塑性樹脂として、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂を用いることが出来る。
上記アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂としては、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂(AS樹脂)、ゴム補強されたアクリロニトリル−スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)等が挙げられ、ABS樹脂及び/又はAS樹脂が好ましい。
上記アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂としては、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂100質量%に対してスチレン系化合物に由来する構成単位を50質量%超含むものが好ましく、55質量%以上含むことがより好ましい。
上記アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂は、例えば、シアン化ビニル系単量体および芳香族ビニル単量体を重合して得られる。
前記シアン化ビニル系単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル、α−エチルアクリロニトリルなどを挙げることができ、中でもアクリロニトリルを用いることが好ましいが、2種以上を混合して用いることもできる。
前記芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、3、5−ジメチルスチレン、4−メトキシスチレン、2−ヒドロキシスチレン等の置換基を有するアルキル置換基スチレン、α−ブロムスチレン、2、4−ジクロロスチレン等のハロゲン化スチレン、1−ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン等が挙げられ、中でもスチレンを用いることが好ましいが、2種以上を混合して用いることもできる。
(4.ポリアミド系樹脂)
本実施形態の熱可塑性樹脂として、ポリアミド(PA)系樹脂を用いることが出来る。 ポリアミド系樹脂としては、ポリマー主鎖の繰り返し単位中にアミド結合{−NH−C(=O)−}を有するものであれば、いずれも使用することができる。
上記ポリアミド系樹脂は、例えば、アミノ酸、ラクタム、あるいはジアミンとジカルボン酸を主たる原料とする重合体または共重合体である。
ポリアミド系樹脂の原料の代表例としては、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸などのアミノ酸、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタム、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミンなどの芳香族ジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジンなどの脂環族ジアミン、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸などが挙げられる。
本実施形態においては、これらの原料から誘導されるポリアミドホモポリマーまたはコポリマーを2種以上配合してもよい。
ポリアミド系樹脂の具体的な例としては、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド46、ポリアミド410、ポリアミド56、ポリアミド510、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド106、ポリアミド1010、ポリアミド1012、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド4T、ポリアミド5T、ポリアミド6I、ポリアミド6T、ポリアミド9T、ポリアミド10I、ポリアミド10T、MXD6、MXD10、PXD6、PXD10ならびにこれらのうち少なくとも2種類の異なるポリアミド成分を含むポリアミド共重合体あるいはこれらの混合物などが挙げられる。
(5.ポリオレフィン系樹脂)
本実施形態の熱可塑性樹脂として、ポリオレフィン系樹脂を用いることが出来る。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン系樹脂、プロピレン(PP)系樹脂等が挙げられ、特にプロピレン系樹脂が好ましい。
上記ポリプロピレン系樹脂としては、例えば、プロピレンホモポリマー、プロピレンと他のモノマーとの共重合体、これらの変性物等が挙げられる。
ポリプロピレン系樹脂は、結晶性であることが好ましく、結晶性プロピレンホモポリマー又は結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体であることがより好ましい。また、ポリプロピレン樹脂は、結晶性プロピレンホモポリマーと結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体との混合物であってもよい。
ポリプロピレン系樹脂は、一種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
プロピレンと共重合可能な他のモノマーとしては、例えば、ブテン−1、ヘキセン−1等のα−オレフィン等が挙げられる。その重合形態は、特に限定されず、ランダム共重合体、ブロック共重合体等であってもよい。
(6.ポリフェニレンスルフィド樹脂)
ポリフェニレンスルフィド(以下、PPSと略記する。)は、下記一般式(式1)で示されるアリーレンスルフィドの繰返し単位を含む。該繰り返し単位の含有量は、好ましくは50モル%、より好ましくは70モル%、更に好ましくは90モル%以上である。
[−Ar−S−] (式2)
(ここで、Arはアリーレン基を示す)
アリーレン基として、例えばp−フェニレン基、m−フェニレン基、置換フェニレン基(置換基としては炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基が好ましい。)、p,p’−ジフェニレンスルホン基、p,p’−ビフェニレン基、p,p’−ジフェニレンカルボニル基、ナフチレン基等が挙げられる。
PPSはアリーレン基が1種であるホモポリマーであってもよい。加工性や耐熱性の観点から、2種以上の異なるアリーレン基を有するコポリマーであってもよい。該アリーレン基としてp−フェニレン基を有するリニア型ポリフェニレンスルフィドが、加工性、耐熱性に優れ、かつ、工業的に入手が容易なことから好ましい。
このPPSの製造方法としては、以下の方法が挙げられる。
(1)ハロゲン置換芳香族化合物、例えばp−ジクロルベンゼンを硫黄と炭酸ソーダの存在下で重合させる方法;
(2)極性溶媒中で硫化ナトリウム、硫化水素ナトリウム、硫化水素のいずれかと水酸化ナトリウム、または硫化水素とナトリウムアミノアルカノエートの存在下で重合させる方法;
(3)硫化ナトリウムとp−ジクロルベンゼンの縮合やp−クロルチオフェノールの自己縮合;等。
中でもN−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒やスルホラン等のスルホン系溶媒中で硫化ナトリウムとp−ジクロルベンゼンを反応させる方法が適当である。これらの製造方法は公知である。例えば、米国特許第2513188号明細書、特公昭44−27671号公報、特公昭45−3368号公報、特公昭52−12240号公報、特開昭61−225217号および米国特許第3274165号明細書、さらに特公昭46−27255号公報、ベルギー特許第29437号明細書、特開平5−222196号公報、等に記載された方法やこれら特許等に例示された先行技術の方法でPPSを得ることが出来る。
上記の方法で重合したPPSを酸素の存在下、PPSの融点以下の温度で加熱処理し酸化架橋させてもよい。この方法では、ポリマー分子量、粘度が適度に高められた架橋型PPSが得られる。この架橋型PPSも本発明で好適に使用できる。
任意の割合でリニア型PPSと架橋型PPSを併用してもよい。
(その他の成分)
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、上述した成分の他に、熱可塑性樹脂組成物の熱伝導性、電気抵抗値、流動性、低揮発成分、耐熱性及び難燃性を損なわない範囲で、必要に応じてその他の成分を含有してもよい。
上記その他の成分としては、以下に限定されるものではないが、例えば、熱可塑性エラストマー(ポリオレフィン系エラストマー等)、熱安定剤、酸化防止剤、金属不活性化剤、結晶核剤、難燃剤(有機リン酸エステル系化合物、ポリリン酸アンモニウム系化合物、シリコーン系難燃剤、フォスファゼン系難燃剤等)、可塑剤(低分子量ポリエチレン、エポキシ化大豆油、ポリエチレングリコール、脂肪酸エステル類等)、耐候(光)性改良剤、スリップ剤、無機又は有機の充填材や強化材(ガラス繊維、炭素繊維、ポリアクリロニトリル繊維、アラミド繊維等)、各種着色剤、離型剤等が挙げられる。
熱可塑性樹脂組成物中の上記その他の成分の含有量は、熱可塑性樹脂組成物100質量%に対して30質量%以下としてよい。
〔熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性〕
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物のシャルピー衝撃強さは、2kJ/m以上であることが好ましく、より好ましくは3kJ/m以上である。
なお、シャルピー衝撃強さは、JIS K7111−1に準拠して測定することができ、具体的には、実施例に記載の方法で測定することができる。
〔熱可塑性樹脂組成物の製造方法〕
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、上述の樹脂用充填材および熱可塑性樹脂、さらに必要に応じてその他の成分を溶融混練することにより製造することができる。
溶融混練を行う溶融混練機としては、以下に限定されないが、例えば、単軸押出機、二軸押出機を含む多軸押出機、ロール、ニーダー、ブラベンダープラストグラフ、バンバリーミキサー等による加熱溶融混練機が挙げられるが、特に、混練性の観点から、二軸押出機が好ましい。具体的には、コペリオン社製のZSKシリーズ、東芝機械(株)製のTEMシリーズ、日本製鋼所(株)製のTEXシリーズ等が挙げられる。
押出機を用いた好ましい製造方法を以下に述べる。
押出機のL/D(バレル有効長/バレル内径)は、20以上60以下であることが好ましく、より好ましくは30以上50以下である。
押出機の構成については、特に限定されないが、例えば、原料の流れ方向に対し、上流側に第1原料供給口、該第1原料供給口より下流に第1真空ベント、該第1真空ベントの下流に第2原料供給口を設け(必要に応じて、第2原料供給口の下流に、さらに第3、第4原料供給口を設けてもよい)、さらに該第2原料供給口の下流に第2真空ベントを設けたものが好ましい。特に、第1真空ベントの上流にニーディングセクションを設け、第1真空ベントと第2原料供給口との間にニーディングセクションを設け、第2〜第4原料供給口と第2真空ベントとの間にニーディングセクションを設けたものがより好ましい。
上記第2〜第4原料供給口への原材料供給方法は、特に限定されるものではないが、押出機第2〜第4原料供給口の開放口よりの単なる添加供給よりも、押出機サイド開放口から強制サイドフィーダーを用いて供給する方法がより安定して供給できる傾向にあるため好ましい。
特に、原料に粉体が含まれ、樹脂の熱履歴による架橋物や炭化物の発生を低減したい場合は、押出機サイドから供給する強制サイドフィーダーを用いた方法がより好ましく、強制サイドフィーダーを第2〜第4原料供給口に設け、これら原料の粉体を分割して供給する方法がさらに好ましい。
また、液状の原材料を添加する場合は、プランジャーポンプ、ギアポンプ等を用いて押出機中に添加する方法が好ましい。
そして、押出機第2〜第4原料供給口の上部開放口は、同搬する空気を抜くための開放口として使用することもできる。
熱可塑性樹脂組成物の溶融混練工程における溶融混練温度、スクリュー回転数に関しては、特に限定されないが、結晶性樹脂においてはその結晶性樹脂の融点温度以上、非結晶性樹脂においてはそのガラス転移温度以上で加熱溶融して無理なく加工できる温度を選ぶことができ、通常200〜370℃の中から任意に選び、スクリュー回転数を100〜1200rpmとする。
二軸押出機を用いた、本実施形態の熱可塑性樹脂組成物の具体的な製法態様の一つとして、例えば、熱可塑性樹脂を二軸押出機の第1原料供給口に供給し、加熱溶融ゾーンを樹脂の溶融温度に設定し、スクリュー回転数100〜1200rpm、好ましくは200〜500rpmにて溶融混練し、さらに第2原料供給口から樹脂用充填材を溶融状態の樹脂に添加し溶融混練する方法が挙げられる。また、熱可塑性樹脂を二軸押出機に供給する位置は、上記したように第2原料供給口、第3原料供給口を設けてそれぞれの成分を分割して供給してもよく、全成分一括して押出機の第1原料供給口から供給しても構わない。
さらに、樹脂の酸素存在下における熱履歴による架橋物や炭化物の発生を低減化させる場合、各原材料の押出機への添加経路における個々の工程ラインの酸素濃度を1.0体積%未満に保持することが好ましい。上記添加経路としては、特に限定されないが、具体例としては、ストックタンクから順に、配管、リフィルタンクを保有した重量式フィーダー、配管、供給ホッパー、二軸押出機、といった構成を挙げることができる。上記のような低い酸素濃度を維持するための方法としては、特に限定されないが、気密性を高めた個々の工程ラインに不活性ガスを導入する方法が有効である。通常、窒素ガスを導入して酸素
濃度1.0体積%未満に維持することが好ましい。
上述した熱可塑性樹脂組成物の製造方法は、熱可塑性樹脂がパウダー状(体積平均粒径が10μm未満)の成分を含む場合、本実施形態の熱可塑性樹脂組成物を二軸押出機を用いて製造する際に、二軸押出機のスクリューにおける残留物をより低減する効果をもたらし、さらには上述した製造方法で得られた熱可塑性樹脂組成物において、黒点異物や炭化物等の発生を低減化する効果をもたらす。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物の具体的な製造方法としては、各原料供給口の酸素濃度を1.0体積%未満に制御した押出機を用い、かつ下記1〜4のいずれかの方法を実施することが好ましい。
1.本実施形態の熱可塑性樹脂組成物に含まれる熱可塑性樹脂の一部を溶融混練し(第一混練工程)、第一混練工程で得られた溶融状態の混練物に対し、熱可塑性樹脂の残量及び樹脂用充填材を供給し、続けて溶融混練を行う(第二混練工程)、製造方法。
2.本実施形態の熱可塑性樹脂組成物に含まれる熱可塑性樹脂を溶融混練し(第一混練工程)、第一混練工程で得られた溶融状態の混練物に対し、樹脂用充填材を供給し、続けて溶融混練を行う(第二混練工程)、製造方法。
3.本実施形態の熱可塑性樹脂組成物に含まれる熱可塑性樹脂の一部を溶融混練し(第一混練工程)、第一混練工程で得られた溶融状態の混練物に対し、熱可塑性樹脂の残量を供給して続けて溶融混練を行い(第二混練工程)、さらに樹脂用充填材を供給し、続けて溶融混練を行う(第三混練工程)、製造方法。
4.本実施形態の熱可塑性樹脂組成物に含まれる熱可塑性樹脂、樹脂用充填材の全量を溶融混練する方法。
以上から、上記1〜3の製造方法で得られる熱可塑性樹脂組成物は、4の製造方法で得られる熱可塑性樹脂組成物と比較して、各成分の混合性に優れ、熱劣化による分解、架橋物や炭化物の発生を低減化させることができ、樹脂の時間当たりの生産量を上げることができ、生産性、品質が優れた熱可塑性樹脂組成物が得られるため、より好ましい。
〔成形品〕
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物を含む成形品は、光学機器機構部品、光源ランプ周り部品、金属フィルム積層基板用シート又はフィルム、ハードディスク内部部品、光ファイバー用コネクタフェルール、プリンター部品、コピー機部品、水周りポンプ・配管部材、自動車ラジエタータンク部品等の自動車エンジンルーム内部品や自動車ランプ部品等の成形品として広く使用することができる。
以下、本実施形態について、具体的な実施例及び比較例を挙げて説明するが、本実施形態はこれらに限定されるものではない。
実施例及び比較例に用いた原材料を以下に示す。
[樹脂用充填材]
<(a)成分:粒子状無機充填材>
(a1)タルク:アスペクト比1.6、平均粒子径3μmのタルク(竹原化学工業株式会社製:ハイトロンA)。
(a2)カオリン:アスペクト比1.8、平均粒子径0.4μmのカオリンクレー(竹原化学工業株式会社製:RC−1)。
(a3)焼成カオリン:アスペクト比2.6、平均粒子径1.4μmの焼成カオリン(竹原化学工業株式会社製:Satintone W)。
(a4)炭酸カルシウム:アスペクト比1.3、平均粒子径1.3μmの炭酸カルシウム(竹原化学工業株式会社製:SL−2200)。
(a5)ガラスフレーク:アスペクト比1.7、平均粒子径80μmのガラスフレーク。
(a6)マイカ:アスペクト比1.5、平均粒子径が5μmのマイカ(Beijing Houxin Trading Co.,Ltd製:FN1500)。
(a7)ガラスビーズ:アスペクト比1.1、平均粒子径18μmのガラスビーズ(Potters−Ballotini Co.,Ltd製:EGB210)。
<(b)成分:シラン系カップリング剤>
(b1)3−アミノプロピルトリエトキシシラン(アミノ基含有シラン系カップリング剤)(信越化学工業株式会社製:KBE−903)
(b2)3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(エポキシ基含有シラン系カップリング剤)(信越化学工業株式会社製:KBE−403)
<(c)成分:分子内にカルボン酸基、酸無水物基、エポキシ基及びオキサゾリニル基からなる群より選ばれる官能基を有する高分子化合物>
(c1):無水マレイン酸グラフト−ポリフェニレンエーテル
2,6−キシレノールを酸化重合して得たポリフェニレンエーテル(濃度0.5g/dLのクロロホルム溶液で30℃で測定した還元粘度:0.42dL/g)97.0質量%および無水マレイン酸3.0質量%をドライブレンドし、押出温度250〜320℃、スクリュー回転数300rpm、吐出量100kg/時間の条件にて二軸押出機ZSK−40(コペリオン社製)を用いて溶融混練し、無水マレイン酸グラフト−ポリフェニレンエーテルを作製した。このときの無水マレイン酸付加量は0.62質量%であった。
(c2):無水マレイン酸グラフト−ポリフェニレンエーテル
2,6−キシレノールを酸化重合して得たポリフェニレンエーテル(濃度0.5g/dLのクロロホルム溶液で30℃で測定した還元粘度:0.42dL/g)99.8質量%および無水マレイン酸0.2質量%をドライブレンドし、押出温度250〜320℃、スクリュー回転数300rpm、吐出量100kg/時間の条件にて二軸押出機ZSK−40(コペリオン社製)を用いて溶融混練し、無水マレイン酸グラフト−ポリフェニレンエーテルを作製した。このときの無水マレイン酸付加量は0.08質量%であった。
(c3):無水マレイン酸グラフト−水添ブロック共重合体
Kraton(商標)G1650(クレイトンポリマー株式会社製)98質量%、無水マレイン酸1.2質量%およびパーヘキサ(商標)25B−40 0.8質量%(日油株式会社製)をドライブレンドし、押出温度220〜260℃、スクリュー回転数300rpm、吐出量80kg/時間の条件にて二軸押出機ZSK−40(コペリオン社製)を用いて溶融混練し、無水マレイン酸グラフト−水添ブロック共重合体を作製した。このときの無水マレイン酸付加量は0.51質量%であった。
(c4):無水マレイン酸グラフト−水添ブロック共重合体
Kraton(商標)G1650(クレイトンポリマー株式会社製)99.5質量%、無水マレイン酸0.3質量%およびパーヘキサ(商標)25B−40 0.2質量%(日油株式会社製)をドライブレンドし、押出温度220〜260℃、スクリュー回転数300rpm、吐出量80kg/時間の条件にて二軸押出機ZSK−40(コペリオン社製)を用いて溶融混練し、無水マレイン酸グラフト−水添ブロック共重合体を作製した。このときの無水マレイン酸付加量は0.07質量%であった。
なお、無水マレイン酸付加量は、特開2008−134087号公報記載の方法(ナトリウムメチラート滴定法)により求めた。
(c5):グリシジルメタクリレートを20質量%含有するスチレン−グリシジルメタクリレート共重合体。(重量平均分子量110,000)
(c6):グリシジルメタクリレートを25質量%含有するスチレン−グリシジルメタクリレート共重合体。(重量平均分子量100,000)
(c7):無水マレイン酸含有量15質量%のスチレン−無水マレイン酸共重合体(POLYSCOPE POLYMERS BV株式会社製:XIRAN(商標)SZ15170)
(c8):無水マレイン酸含有量25質量%のスチレン−無水マレイン酸共重合体。
<(d)成分:その他成分>
(d1):ウレタン樹脂
撹拌装置及び温度制御装置付きの反応容器に、ポリオキシエチレングリコールPEG−1000(三洋化成工業(株)製)100質量部を投入し、窒素置換した。乾燥窒素雰囲気下80℃まで昇温し、トルエンジイソシアネート コロネートT−80(日本ポリウレタン工業(株)製)15.6質量部を投入した後、80℃で5時間熟成し、ポリウレタン樹脂を作製した。
[熱可塑性樹脂組成物]
<樹脂用充填材>
実施例1〜20、比較例1〜5にて作製したものを用いた。
<熱可塑性樹脂>
(e1):変性PPE:ザイロン(登録商標)200H(旭化成株式会社製)。
(e2):PS:PSJ−ポリスチレン(登録商標)680(PSジャパン株式会社製)。
(e3):AS:スタイラック(登録商標)767(旭化成株式会社製)。
(e4):PA6:UBEナイロン(登録商標)1013B(宇部興産株式会社製)。
(e5):PA66:レオナ(登録商標)1300(旭化成株式会社製)。
(e6):PP:POLIMAXXポリプロピレンホモポリマー 1100NK(IRPC株式会社製)。
(e7):PPS:溶融粘度(フローテスターを用いて、300℃、荷重196N、L/D=10/1で6分間保持した後測定した値。)が50Pa・sのリニア型PPS。
(e8):水添ブロック共重合体 Kraton(商標)G1650(クレイトンポリマー株式会社製)。
実施例及び比較例に用いた物性の測定方法を以下に示す。
(強熱減量)
実施例及び比較例で得られた樹脂用充填材の強熱減量(質量%)をJIS R3420に従い測定した。
<実施例1〜20、比較例1〜5>
(b)成分/精製水=30/70質量%および(c)成分/トルエン=10/90質量%の処理液を調整した。次に、(a)成分を80℃・3時間真空乾燥して付着水を除去した。
この付着水を除去した(a)成分に(b)成分を含む処理液を噴霧し、80℃・3時間真空乾燥した。次に(c)成分を含む処理液を噴霧し80℃・3時間真空乾燥した。噴霧量を変えることで、各成分の付着量を変えた。表−1に記載の(b)成分および(c)成分量はそれぞれ単独の添加量であり、精製水およびトルエンは含まれない。上記方法により、表1に示す樹脂用充填材を作製した。
得られた樹化用充填材の強熱減量の測定結果を表1に示す。
実施例及び比較例の熱可塑性樹脂組成物に用いた物性の測定方法を以下に示す。
((1)無機充填材密着性)
電界放射走査型電子顕微鏡(FE−SEM/EDX)(日本電子株式会社製 JSM−6700F)を用い、倍率5000倍にて、下記(2)のシャルピー衝撃強さ測定後の試験片の破断面を観察した。密着性は、下記評価基準にて評価した。
評価基準:
○(密着良好):無機充填材に樹脂が多く付着している(図1参照)。
△(密着中間):無機充填材に樹脂が○と×の中間程度付着している。
×(密着不良):無機充填材に樹脂がほとんど、または全く付着していない(図2参照)。
((2)耐衝撃性)
実施例及び比較例で得られた熱可塑性樹脂組成物のペレットを用いて、シリンダー温度220〜300℃、金型40〜130℃に設定したスクリューインライン型射出成形機に供給し、ISO 10724−1に従い試験片タイプAを成形した。この試験片を用いてJIS K7111−1に準拠し、シャルピー衝撃強さ(KJ/m)を測定した。
((3)振動疲労特性)
実施例及び比較例で得られた熱可塑性樹脂組成物のペレットを用いて、シリンダー温度220〜300℃に設定したスクリューインライン型射出成形機に供給し、金型温度40〜130℃の条件でASTM−D671 TYPE1金型を用いて振動疲労試験片を成形した。得られた試験片について、JIS K7119に準じて振動疲労試験機(株式会社東洋精機製作所製B−70)を用い、23℃の雰囲気下、周波数30Hzで荷重(3Kg)を負荷し、破断もしくは振動幅が±8mmに達した振動回数を求めた。
この破断までの振動回数が多い方が耐振動疲労特性に優れていると判断した。
((4)金型汚染性)
実施例及び比較例で得られた熱可塑性樹脂組成物のペレットを用いてシリンダー温度220〜300℃に設定したスクリューインライン型射出成形機に供給し、金型温度40〜130℃の条件で、特にガス抜け部を設けていないウェルド金型(縦38mm、横79mm、厚み5mmの板状で横中央にウェルド部を有し、そのウェルド部より左右8mmの位置にゲート部を有する)を用いて連続成形を行った。高光沢グロスチェッカ IG−410((株)堀場製作所製)(レンジ1,000モード)を用いて金型のウェルド部分の光沢を測定し、成形後の光沢から成形前の光沢を引いた差が100になるまでの成形ショット数を求め、金型汚染の評価とした。
成形ショット数が多いものほど金型汚染が少ない熱可塑性樹脂組成物であると判断した。
〔実施例21〜48〕、〔比較例6〜17〕
二軸押出機ZSK−40(コペリオン社製)を用いて熱可塑性樹脂組成物の製造を行った。この二軸押出機において、原料の流れ方向に対して上流側に第1原料供給口を設け、これより下流に第1真空ベント、第2原料供給口を設け、その下流に第二真空ベントを設けた。
上記のように設定した押出機を用い、表2、3に示した組成および製造方法で熱可塑性樹脂、樹脂用充填材を添加し、押出温度240〜300℃、スクリュー回転数300rpm、吐出量100kg/時間の条件にて溶融混練し、熱可塑性樹脂組成物ペレットを製造した。
得られた熱可塑性樹脂組成物ペレットを用いて、上述の各物性を測定した。これらの評価結果を併せて表2〜3に示す。
表2〜3に示すように、実施例21〜48の熱可塑性樹脂組成物は、無機充填材に対する樹脂の密着性が改善されるため、耐衝撃性、振動疲労特性に優れ、さらに金型汚染性も優れていることが分かった。
比較例6〜17の熱可塑性樹脂組成物は、実施例と比較して、無機充填材密着性、耐衝撃性、振動疲労特性、及び金型汚染性のいずれかが劣る結果となっていた。
また、実施例21及び比較例6の無機充填材密着性の評価について、それぞれの熱可塑性樹脂組成物より得た測定用試験片を観察した写真(図1、2)よりわかるように、実施例21(図1)では、樹脂が樹脂用充填材に付着しているため、充填剤(板状)の存在がわかりにくくなっているのに対して、比較例6(図2)では、樹脂が樹脂用充填材に十分に付着していないため、充填剤(板状)が樹脂中に分散して存在していることが視認できる状態となっている。
本実施形態の樹脂用充填材を含む熱可塑性樹脂組成物は、成形時、金型汚染が低減できるため、生産性を向上できる。さらにその成形品は、高い耐衝撃性、振動疲労特性を有することから、樹脂成形品の設計の自由度を上げることができる。このため、電気・電子機器、自動車機器、化学機器、光学機器における各種部品として利用でき、例えば、デジタルバーサタイルディスク等のシャーシーやキャビネット、光ピックアップスライドベース等の光学機器機構部品、光源ランプ周り部品、金属フィルム積層基板用シート又はフィルム、ハードディスク内部部品、光ファイバー用コネクタフェルール、レーザービームプリンター内部部品(トナーカートリッジなど)、インクジェットプリンター内部部品、コピー機内部部品、水周りポンプ・配管部材、自動車ラジエタータンク部品等の自動車エンジンルーム内部品、自動車ランプ部品等として、産業上の利用可能性を有している。

Claims (9)

  1. (a)粒子状無機充填材に対し、(b)シラン系カップリング剤、並びに、(c)分子内にカルボン酸基、酸無水物基、エポキシ基及びオキサゾリニル基からなる群より選ばれる官能基を有する高分子化合物、が表面に付着していることを特徴とする、樹脂用充填材。
  2. 前記(a)粒子状無機充填材91.0〜99.84質量%に対し、前記(b)シラン系カップリング剤0.08〜3.0質量%、並びに、前記(c)分子内にカルボン酸基、酸無水物基、エポキシ基及びオキサゾリニル基からなる群より選ばれる官能基を有する高分子化合物0.08〜6.0質量%、が表面に付着している、請求項1に記載の樹脂用充填材。
  3. 前記(b)シラン系カップリング剤が、アミノ基またはエポキシ基を有する、請求項1又は2に記載の樹脂用充填材。
  4. 前記(c)分子内にカルボン酸基、酸無水物基、エポキシ基及びオキサゾリニル基からなる群より選ばれる官能基を有する高分子化合物が、ポリフェニレンエーテル、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体及びその水素添加物のいずれかと、カルボン酸基、酸無水物基、エポキシ基及びオキサゾリニル基からなる群より選ばれる官能基を有する化合物と、を構造単位として有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂用充填材。
  5. 前記(c)分子内にカルボン酸基、酸無水物基、エポキシ基及びオキサゾリニル基からなる群より選ばれる官能基を有する高分子化合物中の、分子内にカルボン酸基、酸無水物基、エポキシ基及びオキサゾリニル基からなる群より選ばれる官能基を少なくとも有する化合物の含有量が、0.1〜20.0質量%である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂用充填材。
  6. 前記(a)粒子状無機充填材が、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、ガラスフレーク、マイカ及びガラスビーズのいずれかである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の樹脂用充填材。
  7. 熱可塑性樹脂と、請求項1〜6のいずれか一項に記載の樹脂用充填材とを含むことを特徴とする、熱可塑性樹脂組成物。
  8. 前記熱可塑性樹脂がポリスチレン系樹脂を含む、請求項7に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  9. 前記熱可塑性樹脂がポリフェニレンエーテル系樹脂を含む、請求項7または8に記載の熱可塑性樹脂組成物。
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