JP2005145995A - ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 流動性、低温衝撃性、剛性、耐熱性、導電性および塗装性などに優れ、自動車外装部品などの製造に適したポリアミド樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 ポリアミド樹脂{成分(A)}50〜95重量部と、α,β−不飽和カルボン酸をグラフト変性したエチレン・α−オレフィン系共重合体{成分(B)}5〜50重量部とよりなる樹脂組成物100重量部に対して、DBP吸油率が、140cm/100g以上である導電性カーボンブラック{成分(C)}を1〜30重量部、無機充填剤{成分(D)}を5〜50重量部、および、成分(A)+成分(B)+成分(C)+成分(D)=100重量部に対して、エチレン−ビニルアルコール共重合体および/またはエチレン−酢酸ビニル共重合体の部分ケン化物{成分(E)}を0.5〜20重量部配合してなることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は溶融流動性(成形時流動性、または成形性に同義)に優れ、耐衝撃性、低温耐衝撃性、剛性、耐熱性などの機械的特性に優れ、導電性、塗装膜密着性にも優れ、自動車外装部品、屋外に配置されるハウジング・筐体などの製造用に適したポリアミド樹脂組成物に関するものである。
熱可塑性樹脂製成形品は、意匠性、耐候性、表面硬度などの緒機能を向上させる目的で、成形品表面塗料による塗装膜や、塗料以外の物質によるコーティング膜を形成することがある。これらの緒機能を向上させる手法の中で、自動車用外装部品などの大型成形品においては、静電塗装法によって塗装膜を形成する方法が広く採用されている。静電塗装法は、導電性を付与した被塗装部品に電気を流して表面に荷電させ、被塗装部品表面とは反対に荷電させた塗料を吹き付ける塗装方法であって、被塗装部品表面の電荷と塗料の電荷が互いに引き合う性質を利用し、塗料の付着率を向上させる塗装方法である。静電塗装法によって塗装する場合は、1×1010Ω・cmより低い体積抵抗率であることが望ましい。
熱可塑性樹脂組成物(またはこの樹脂組成物から得られる成形品)に導電性を付与する目的で、原料樹脂に導電性カーボンブラックを配合する手法が広く採用されている。しかし、原料樹脂に導電性カーボンブラックを配合すると樹脂組成物は流動性が低下し、この原料樹脂組成物から得られ成形品は、機械的強度特に耐衝撃性が低下するという欠点がある。
原料樹脂組成物の耐衝撃性を改良する手段として、基体樹脂がポリアミド樹脂の場合、導電性カーボンブラックが配合されたポリアミド樹脂組成物に、無水マレイン酸をグラフトさせて変性したエチレン・α−オレフィン共重合体をさらに配合する方法が、特開昭58−93756号公報(特許文献1)に記載されている。しかし、ここに記載の方法によるときは、成形品表面と塗装幕との密着性(以下、塗装膜密着性と略称する)が著しく悪化するため、塗料を塗装する前に予めプライマーを塗布することが必要であり、工程が増えるという欠点がある。
一方、静電塗装法によって塗装膜を形成する場合は、成形品表面への塗料の付着率を向上させ、同時に塗装膜密着性を向上させる必要がある。ポリアミド樹脂製成形品は、一般に塗装膜密着性が不十分であるため、原料樹脂にエポキシ化合物を配合し、その改善が図られる。しかし原料樹脂にエポキシ化合物を配合すると、溶融流動性が著しく悪化するという欠点がある。
最近、静電塗装性における、塗装膜密着性の改善策として、エチレン・アクリル酸共重合体およびエチレン・ビニルアルコール共重合体を代表としたオレフィン類と、不飽和基および極性基を併せ持つ化合物との共重合体との混合物に、導電性物質を配合する手法が記載されている(特開2003−64254号公報、特許文献2)。さらに、特許文献2の実施例9には、エチレン・アクリル酸共重合体と変性SEBS(ゴム成分)などの他の樹脂を併用することにより、アイゾット衝撃強度が改善されることが記載されている。しかし、本発明者らの実験によれば、特許文献2に記載の実施例9におけるように、ゴム成分を併用した樹脂組成物としても、この樹脂組成物は特に低温耐衝撃性が不十分で、更なる改善が必要であることが判明した。
特開昭58−93756 特開2003−64254
本発明は、上記の従来の諸欠点を解消したポリアミド樹脂組成物を提供することを目的として、鋭意検討した結果、本発明に到達したものである。すなわち、本発明で解決しようとする課題は、次のとおりである。
1.溶融流動性(成形品時流動性、または成形性と同義)が改善されたポリアミド樹脂組成物を提供すること。
2.低温耐衝撃性が改善されたポリアミド樹脂組成物を提供すること。
3.優れた塗装膜密着性を発揮する成形品が得られるポリアミド樹脂組成物を提供すること。
上記課題を解決するため、本発明では、ポリアミド樹脂{成分(A)}50〜95重量部と、α,β−不飽和カルボン酸をグラフト変性したエチレン・α−オレフィン系共重合体{成分(B)}5〜50重量部とよりなる樹脂組成物100重量部に対して、DBP吸油率が、140cm/100g以上である導電性カーボンブラック{成分(C)}を1〜30重量部、無機充填材{成分(D)}を5〜50重量部、および、成分(A)、成分(B)、成分(C)および成分(D)の合計量100重量部に対して、エチレン・ビニルアルコール共重合体および/またはエチレン・酢酸ビニル共重合体の部分ケン化物{成分(E)}を0.5〜20重量部配合してなる、ことを特徴とするポリアミド樹脂組成物を提供するものである。
本発明に係るポリアミド樹脂組成物は、次のような特別に有利な効果を奏し、その産業上の利用価値は極めて大である。
1.本発明に係るポリアミド樹脂組成物は、溶融流動性が優れている。
2.本発明に係るポリアミド樹脂組成物は、低温耐衝撃性が優れている。
3.本発明に係るポリアミド樹脂組成物から得られる成形品は、塗装膜密着性が優れている。
4.本発明に係るポリアミド樹脂組成物は、自動車外板、オートバイカウル、ホイールカバーなど工業製部品、各種電気電子部品、および、家電製品のハウジングの製造用原料として利用できる。
5.本発明に係るポリアミド樹脂組成物から得られるから得られる成形品は、塗装膜密着性が優れているので、塗装を施す工業製部品、各種電気電子部品、および、家電製品のハウジングなどの成形品として有用である。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明に係るポリアミド樹脂組成物を構成するポリアミド樹脂{以下、成分(A)、または単に(A)と記載することがある}は、3員環以上のラクタム、重合可能なω−アミノ酸、二塩基酸とジアミンなどの重縮合によって得られるポリアミドである。具体的には、ε−カプロラクタム、アミノカプロン酸、エナントラクタム、7−アミノヘプタン酸、11−アミノウンデカン酸、9−アミノノナン酸、α−ピロリドン、α−ピペリドンなどの重合体、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、メタキシリレンジアミンなどのジアミンと、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、セバチン酸、ドデカン二塩基酸、グルタール酸などのジカルボン酸とを重縮合させて得られる重合体、またはこれらの共重合体などが挙げられる。より具体的には、例えば、ポリアミド4、6、7、8、11、12、6・6、6・9、6・10、6・11、6・12、6T、6/6・6、6/12、6/6Tなどが挙げられる。
好ましいポリアミド樹脂{成分(A)}は、ポリアミド6であり、ポリアミド6・6との混合物であってもよい。また、ポリアミド6は、ISO−3071に定められた、96%濃硫酸中、0.5重量%濃度、23℃で測定した粘度数が70〜200の範囲のものが好ましく、さらに好ましいのは100〜150のポリアミドである。粘度数が90未満であると、最終的に得られるポリアミド樹脂組成物(以下、最終樹脂組成物と略称する)の機械的強度が不足し、200を越えると溶融流動性が劣るため、好ましくない。また、エチレン・ビニルアルコール共重合体とのゲル化反応を制御するために、既知の方法で末端基が封鎖されたポリアミドであってもよい。
本発明に係るポリアミド樹脂組成物を構成するα,β−不飽和カルボン酸をグラフト変性したエチレン・α−オレフィン共重合体成分{以下、成分(B)または単に(B)と記載することがある}の、エチレン・α−オレフィン共重合体(以下、単にオレフィン共重合体と記載することがある)としては、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・ブテン−1共重合体などが挙げられる。中でも、耐衝撃性改善効果などの観点から、エチレン・ブテン−1共重合体が好ましい。なお、オレフィン共重合体には、50重量%以下のポリエチレン、ポリプロピレンなどオレフィン系樹脂が混合されていてもよい。
本発明において、α,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体としては、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、マレイン酸、フマル酸またはこれらの酸の無水物などが挙げられる。これらの中では、無水マレイン酸または無水マレイン酸と他のα,β−不飽和カルボン酸との混合物が好ましい。エチレン・α−オレフィン共重合体成分に対するα,β−不飽和カルボン酸のグラフト率は、0.01〜1重量%の範囲が好ましい。グラフト率が0.01重量%より少ないとポリアミド樹脂{成分(A)}との反応性が悪く、最終樹脂組成物の耐衝撃性改善効果が少なく、他方、グラフト率が1重量%より多いと、成分(A)および成分(B)との反応性が高くなり、ゲル化が起こり易く、最終樹脂組成物の溶融流動性が著しく悪化する。グラフト率のより好ましい範囲は、0.1〜0.7重量%である。
上記成分(B)を調整するには、通常、上記のオレフィン共重合体とα,β−不飽和カルボン酸とを、有機過酸化物の存在下、溶融、混練することによって得られる。有機過酸化物としては、オレフィン共重合体に不飽和カルボン酸をグラフト重合させる際に通常添加される有機過酸化物であれば、特に制限はない。好適な有機過酸化物としては、1・1−ビス−第三級−ブチルパーオキシ−3・3・5−トリメチルシクロヘキサンなどのケトンパーオキシド類、ジクミルパーオキシドなどのジアルキルパーオキシド類、2・5−ジメチルヘキサン−2・5−ジハイドロパーオキシドなどのハイドロパーオキシド類、ベソゾイルパーオキシドなどのアシルパーオキシド類、2・5−ジメチル−2・5−ジベンゾイルパーオキシヘキサンなどのパーオキシエステル類があげられる。
本発明に係るポリアミド樹脂組成物において、前記成分(A)と上記成分(B)の配合比率は、両者の和を100重量部とするとき重量比で、成分(A)と成分(B)を、95対5〜50対50の範囲で選ぶものとする。成分(B)が5重量部より少ないと、最終樹脂組成物の耐衝撃性改善効果が小さく、成分(B)が50重量部より多いと、最終樹脂組成物の塗装膜密着性が低下する。特に好ましい成分(A)と成分(B)との重量比は、90対10〜55対45の範囲である。
本発明に係るポリアミド樹脂組成物に配合される導電性カーボンブラック{以下、成分(C)または単に(C)と記載することがある}は、ペイントなどの着色目的で加えられる顔料用カーボンブラックと違って、微細な粒子が連なった形態のものである。好ましい導電性カーボンブラックとしては、アセチレンガスを熱分解して得られるアセチレンカーボンブラック、原油を原料としてファーネス式不完全燃焼によって製造されるケッチェンブラックなどが挙げられる。
導電性カーボンブラック{成分(C)}は、DBP吸油率が、140cm/100g以上であることが必要である。本発明においてDBP吸油率とは、ASTM−D2414に準拠して測定されるカーボンブラックのジブチルフタレート吸油率を言う。導電性カーボンブラックは、一般的にDBP吸油率が高いほど高い導電性を示す。本発明で好ましい導電性カーボンブラックは、DBP吸油率が140ml/100g以上であり、さらに好ましくは吸油率が400ml/100g以上のケッチェンブラックである。
導電性カーボンブラック{成分(C)}の良否を決める指標は、DBP吸油率の他に、窒素ガス吸着法により測定されるBET比表面積もその一つである。BET比表面積が高いほど、カーボンブラックは導電性に優れる。好ましいBET比表面積は100m/g以上であり、より好ましいのは1000m/g以上である。
本発明に係るポリアミド樹脂組成物に配合される導電性カーボンブラック{成分(C)}の配合量は、成分(A)と成分(B)の和100重量部に対して、1〜30重量部の範囲で選ぶものとする。成分(C)の配合量が1重量部より少ないと、最終樹脂組成物の導電性改善効果が小さく、塗装膜密着性の改善効果が期待されない。一方、30重量部より多いと、最終樹脂組成物の機械的強度が低下し、溶融流動性を低下させる。成分(C)の好ましい配合量は、1.5〜20重量部であり、より好ましいのは2〜10重量部である。
本発明に係るポリアミド樹脂組成物に配合される無機充填剤成分{以下、成分(D)または単に(D)と記載することがある}は、通常、熱可塑性樹脂に配合される無機充填材をいう。具体的には、ガラス繊維、炭素繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、マイカ、タルク、カオリン、ワラストナイト、チタン酸カリウムウィスカーなどが挙げられる。これら成分(D)は、単独でも二種以上の混合物であってもよい。これら成分(D)の中では、溶融時の流動性を低下させない、最終樹脂組成物から得られる成形品の塗装外観を低下させないなどの観点から好ましい充填剤は、平均粒子径0.5〜6μmであるタルク、または平均繊維径が1〜6μmのワラストナイトである。
タルクは層状構造を持った板状粒子であり、化学組成は通常SiOを58〜66重量%、MgOを28〜35重量%、HOを約5重量%含んでいる。その他少量成分として、Fe、Al、CaO、KO、NaOなどを含有しており、不純物によりpHは8〜11と変化し、比重は約2.7である。不純物は少ない物の方が好ましい。タルクを原石から粉砕する際の製法は特に制限を受けないが、タルクを脱気、圧縮または造粒して、嵩密度を低くしたものが、ポリアミド樹脂組成物を調製する際に取り扱い易く、生産効率にも優れるので好ましい。
タルクの好ましい平均粒径は、0.8〜6μmである。平均粒径が0.8μmより小さいと、ポリアミド樹脂に対する分散性および流動性が低下し易く、一方平均粒径が6μmより大きいと、最終樹脂組成物の耐衝撃性が不十分になり易く、また、最終樹脂組成物から得られる成形品は外観が不良になり易い。平均粒径の特に好ましい範囲は、1〜3μmである。なお本発明において平均粒径とは、レーザー解析法により測定した粒径の50%積算値として算出した数平均粒子径を意味する。粒径分布は、シャープなものが好ましい。
ワラストナイトは、針状または棒状粒子であり、その主成分はメタケイ酸カルシュウムであり、通常、SiO2を40〜60重量%、CaOを40〜55重量%含有し、その他にFe23、Al23、MgO、Na2O、K2Oなどの成分を含有するものである。好ましいワラストナイトは、吸油量20〜50cm3/100g、嵩比重が0.1〜1.0、平均繊維径が1〜6μmおよび平均繊維長/平均繊維径の比が3以上のものである。平均繊維径および平均繊維長は、水分散後顕微鏡下で測定した繊維径および繊維長の数平均値により、算出することができる。
一般に、ポリアミド樹脂にタルクなどの無機充填剤{成分(D)}を配合する際に、最終樹脂組成物の耐衝撃性、剛性向上などを目的として、無機充填剤表面を、アミノシラン、エポキシシランなどのシラン系カップリング剤、またはチタン系カップリング剤などで処理する手法が知られている。しかし、本発明に係るポリアミド樹脂組成物においては、カップリング剤で表面処理した無機充填剤を用いると、剛性、耐衝撃性が低下し易い。その理由は、カップリング剤で処理した充填剤を用いると、無機充填材がポリアミド樹脂中に均一に分散せずに、ポリアミド樹脂{成分(A)}とポリオレフィン系重合体{成分(B)}の界面、または成分(B)中に分散する充填剤が増加するためと考えられる。したがって、カップリング剤で表面処理をしない充填剤を用いるのが好ましい。ただし、pHが7以下の中性、弱酸性、酸性を示すような表面処理剤であれば、上記のような問題が発生し難くい。例えば、ステアリン酸などの高級脂肪酸や、亜リン酸またはそれらの金属塩やエステル誘導体(化合物)などによる表面処理、またはこれら化合物を原料樹脂組成物に配合することができる。これら化合物による表面処理量、またはこれら化合物を原料樹脂組成物に配合する際の配合量は、無機充填剤100重量部に対して0.05〜5重量部の範囲で選ぶのが好ましい。
成分(D)の配合量は、成分(A)と成分(B)の和100重量部に対して、5〜50重量部の範囲とする。成分(D)の配合量が5重量部より少ないと、製造する成形品が大型の場合には要求される剛性が不足し、成形品表面に塗料を塗装する際の温度に対する耐熱性が不足し、変形する。成分(D)の配合量が50重量部より多いと、最終樹脂組成物の耐衝撃性が低下する。成分(D)の配合量の好ましい範囲は10〜45重量部であり、より好ましくは15〜40重量部である。
本発明に係るポリアミド樹脂樹脂組成物には、さらにエチレン・ビニルアルコール共重合体(E1)および/またはエチレン・酢酸ビニル共重合体の部分ケン化物(E2){以下両者を総称して、成分(E)、単に(E)またはEVOHと記載することがある}が配合される。エチレン・ビニルアルコール共重合体(E1)とは、エチレン・酢酸ビニル共重合体部分ケン化物であって、ケン化度97モル%以上のものを意味する。エチレン・ビニルアルコール共重合体(E1)のエチレン含有率は、10〜98モル%の範囲が好ましい。エチレン含有率が98モル%を超えると、最終樹脂組成物から得られる成形品の塗装膜密着性が低下し、エチレン含有率が10モル%未満では、最終樹脂組成物の熱安定性が不良になり、また柔軟性が悪くなる。E1中の好ましいエチレン含有率は、20〜70モル%である。
エチレン・酢酸ビニル共重合体(E2)における酢酸ビニル成分のケン化度は、40モル%以上が好ましい。ケン化度が40モル%より低いと、最終樹脂組成物の溶融時の熱安定性が悪くなる。(E2)のケン化度は、通常、80モル%以上のものが使用される。このような組成を有するEVOH(E2)は、JIS−K6730に準じて測定したMIが0.5〜300g/10分、好ましくは0.8〜250g/10分のものが、最終樹脂組成物の溶融流動性および強度の観点から好適である。
EVOHのエチレン・酢酸ビニル共重合体(E2)には、少量の共重合可能な単量体成分を含ませることができる。共重合可能な単量体成分としては、プロピレン、イソブテン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセンなどのα−オレフィン、不飽和カルボン酸またはその塩、部分アルキルエステル、完全アルキルエステル、アクリロニトリル、アクリルアミド、無水物、不飽和スルホン酸またはその塩などが挙げられる。
成分(E)の好ましい配合量は、成分(A)、成分(B)、成分(C)および成分(D)の合計量100重量部に対して0.5〜20重量部である。成分(E)の配合量が0.5重量部より少ないと、本発明に係るポリアミド樹脂組成物から得られる成形品の塗装装密着性の改善効果が少なく、20重量部より多いと、ポリアミド樹脂{成分(A)}、変性オレフィン共重合体{成分(E)}との反応が進み、最終樹脂組成物の溶融時流動性が低下する。成分(E)の好ましい配合量は1〜15重量部であり、より好ましいのは2〜10重量部である。
本発明に係るポリアミド樹脂組成物には、さらに必要に応じて、導電性助長剤(成分F)が配合される。導電性助長剤(成分F)としては、ニグロシン(F1)、半芳香族ポリアミド樹脂(F2)、ノボラックフェノール樹脂、ハロゲン化リチウムなどが挙げられる。ここで導電性助長剤(成分F)の一例のニグロシン(F1)とは、COLOR INDEXにC.I.SOLVENT BLACK5およびC.I.SOLVENT BLACK7として記載されているような、トリフェナジンオキサジン、フェナジンアジン系化合物の黒色アジン系縮合混合物である。市販はされているニグロシンの例としては、ヌビアンブラックEP−3、ヌビアンブラックPA−9800、ヌビアンブラックPA0800(いずれも、オリエント化学工業社製)が挙げられる。この中でもヌビアンブラックEP−3が、導電性改良効果がとりわけ大きいので好ましい。
導電性助長剤(成分F)としてのニグロシン(F1)の好ましい配合量は、成分(A)100重量部に対して0.05〜30重量部の範囲で選ぶのが好ましい。ニグロシン(F1)の配合量が0.05重量部より少ないと導電性改良効果が小さく、配合量が30重量部より多いと、最終樹脂組成物の熱安定性や耐熱性の低下、さらに溶融流動性の低下や離型性の低下などの原因となる。ニグロシン(F1)のより好ましい配合量は、0.1〜20重量部である。
また、導電性助長剤(成分F)としての半芳香族ポリアミド樹脂(F2)としては、脂肪族2塩基酸類と芳香族ジアミン類、または芳香族2塩基酸類と脂肪族ジアミン類を原料として、これらの重縮合によって得られるポリアミド樹脂をいう。具体的には、原料の脂肪族2塩基酸類としては、アジピン酸、グルタール酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジオン酸、ドデカジオン酸、ヘキサデカジオン酸、ヘキサデセンジオン酸、エイコサンジオン酸、エイコサジエンジオン酸、ジグリコール酸、2,2,4−トリメチルアジピン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられる。芳香族ジアミン類としては、メタキシレンジアミン、パラキシレンジアミンが挙げられる。芳香族2塩基酸類としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸が挙げられる。脂肪族ジアミン類としては、ヘキサメチレンジアミンテトラメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4(又は2,4,4)−トリメチルヘキサメチレンジアミン、ビス−(4,4’アミノシクロヘキシル)メタンが挙げられる。
これらの半芳香族ポリアミド樹脂のうち、テレフタル酸および/またはイソフタル酸とヘキサメチレンジアミンを主成分とするポリアミド樹脂、すなわち、ポリアミド6T、ポリアミド6I、または6I/6T共重合ポリアミドなど、またメタキシレンジアミンおよび/またはパラキシレンジアミンとアジピン酸を主成分とするポリアミド樹脂が、導電性助長効果に併せて成形品の外観改良効果も大きいことから特に好ましい。
導電性助長剤(成分F)としての半芳香族ポリアミド樹脂(F2)の好ましい配合量は、成分(A)100重量部に対して1〜50重量部の範囲で選ぶのが好ましい。半芳香族ポリアミド樹脂(F2)の配合量が1重量部より少ないと導電性改良効果が小さく、配合量が50重量部より多いと、最終樹脂組成物の耐熱性の低下、溶融流動性の低下、成形時の離型性低下などの原因となり易い。半芳香族ポリアミド樹脂(F2)のより好ましい配合量は、2〜30重量部である。
本発明に係るポリアミド樹脂樹脂組成物には、さらに必要に応じて、ペンタエリスリトール型のホスファイト{成分(G)}を配合することができる。成分(G)は、最終樹脂組成物の耐衝撃性、耐熱剛性、寸法安定性などを向上させることができる。成分(G)の具体例としては、ペンタエリスリトール系のホスファイトとしては、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラフェニルテトラ(トリデシル)ペンタエリスリトールテトラホスファイト、水添ビスフェノールAペンタエリスリトールホスファイトポリマー、ジノリルフェニルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−イソプロピルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−トリ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−オクチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイトなどを挙げることができる。中でもビス(2,6−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトが好ましい。上記成分(G)は、単独でも二種以上の混合物であってもよい。成分(G)の配合量は、成分(A)100重量部に対して好ましくは0.05〜5重量部であり、より好ましくは0.1〜3重量部である。
本発明に係るポリアミド樹脂組成物には、本発明の目的に損なわない範囲で、さらに着色剤、熱安定剤、耐候性改良剤、他の熱可塑性樹脂、離型剤などの既知の樹脂添加剤を配合することができる。他の熱可塑性樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂などが挙げられ、射出成形法で成形できる樹脂であれば特に制限はない。
成形時の離型性改良のため、離型剤の配合が不可欠な場合には、一般的に使用されるエステル系、アミド系、脂肪酸系、アルコール系、ポリエチレンワックス系などのものが特に塗装膜密着性を悪化させない量配合することができる。この中で最終樹脂組成物に対して0.5重量%以下で配合したグリセリンモノステアレートなどの6多価アルコール脂肪酸エステル類は、塗装密着性をあまり悪化させないので好ましい。
本発明に係るポリアミド樹脂組成物の調製は、既知の方法によることができ、例えば、(1)(A)、(B)、(C)、(D)および(E)の5成分を混合し、溶融・混練する方法、または、(2) 先ず(A)、(B)、(C)、(D)の4成分を混合、溶融・混練し、ついで得られた混練物に成分(E)を混合する方法、などを挙げることができる。特に上記(2)の他の成分に成分Eを溶融・混練する方法、すなわち他成分を溶融混練したペレットに、成分Eを成形直前に配合し、成形することが好ましい。
以下、本発明を実施例によって詳しく説明するが、本発明は以下に記載する例に限定されるものではない。なお、以下に記載の例において、使用した各成分の特性などの詳細は次のとおりである。また、以下に示す例における配合量は重量部を意味し、これら各成分を配合した樹脂組成物、得られた成形品についての評価試験は、以下に記載の方法で行った。
[使用した各成分の略号、物性など]
(A−1)1009J:ポリアミド6(三菱エンジニアリングプラスチクス社製、商品名:ノバミッド1009J)であって、粘度数が112、融点が223℃のものである。
(B−1)AP730T:無水マレイン酸をグラフト変成したエチレンブテン−1共重合体(三菱化学社製、商品名:MODIC−AP730T)であって、脆化温度が−70℃以上、表面硬度(JIS−K6301−type−Aに準拠して測定)が83、密度が0.89g/cm、MFR(ASTM−D1238、190℃に準拠して測定)が2g/10分のものである。
(C−1)ケッチェン600JD:カーボンブラック(ラオン社製、商品名:ケッチェンブラック600JD)であって、比表面積が1270m/g、DBP吸油量が495ml/100gのものである。
(D−1)HST0.5:タルク(珪酸マグネシウム、林化成社製、商品名:圧縮タルクHST0.5)であって、一次粒子平均径が2.75μm、蛍光X線分析法によって確認した化学組成(重量%)は、SiO:60.7%/MgO:30.9%/Fe:0.12%/Al:0.04%/CaO:0.41%/NaO:0.02%/KO:0%/TiO:0.001%/P:0.04%/SO:0%である。さらに、強熱減量が5.7%(殆どが水分)であり、PHが9.3、嵩密度が1g/cm、粒子形状が板状のものである。

(D−2)ナイグロス4:ワラストナイト(珪酸カルシウム){ナイコ社製、商品名:ナイグロス4(アミノシラン処理ワラストナイト)}であって、平均繊維径(D)が3.8μm、平均繊維長(L)40μm、L/Dが約10のものである。
(E−1)EVOH G156A:エチレン・ビニルアルコール樹脂(クラレ社製、商品名:エバールG156A、エチレンの共重合比率が47モル%)であって、密度が1.12、MI(JISK6730に準拠し、190℃×2160gの条件で測定) が6g/10分のものである。
(E−2)EVOH C109:エチレン・ビニルアルコール樹脂(クラレ社製、商品名:エバールC109、エチレンの共重合比率が35モル%)であって、密度が1.17g/cm、MI(上記条件で測定)が8g/10分のものである。
(E−3)EVOH H6960:エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物(東ソー社製、商品名:メルセンH6960)であって、密度が0.99g/cm、MI(上に同じ)が40g/10分、融点が113℃、酢酸ビニル含量が4.2重量%、ケン化度が90%のものである。
(E−4)EVOH 6822X:エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物(東ソー社製、商品名:メルセンH6822X)であって、密度が0.96g/cm、MI(上に同じ)が220g/10分、融点が100℃、酢酸ビニル含量が5.6%、ケン化度が80%のものである。
(F−1)ニグロシンEP−3:ニグロシン(黒色のアジン系染料、オリエント化学社製、商品名:ヌビアンブラックEP−3)である。
(F−2)X21F07:半芳香族ポリアミド樹脂(6I/6Tの共重合ポリアミド樹脂、三菱エンジニアリングプラスチックス社製、商品名:ノバミッドX21F07)である。
(G−1)PEP36:ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエスリトールジホスファイト(旭電化社製、商品名:PEP36、融点234〜240℃、揮発性10%、減量温度361℃)である。
(H−1)YD5013: ビスフェノール型エポキシ化合物(東都化成社製、商品名:エポトートYD5013)である。
(H−2)タフテックM1943:スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレンの水添共重合体の無水マレイン酸変成物(スチレン含有量が20重量%スチレン系エラストマー、旭化成社製、商品名:タフテックM1943)である。
(H−3)AC5120:エチレン・アクリル酸共重合体(ハネウェル社製、商品名:ACワックス5120、アクリル酸含量が9.2重量%)である。
[各種物性の測定方法]
(a)溶融粘度(Pa・sec):東洋精機社製キャピログラフ1Cを使用し、直径が1mmφ、長さが40mmのオリフィスを装着し、測定温度を280℃とし、剪断速度を912sec−1として測定した。
(b)高速面衝撃(J):大きさが100mm×100mmで、厚さが3mmの正方形の板状試験片の中央部を、高速面衝撃測定器(島津試験機社製、サーボパルサー)を使用し、受け台の径76.2mmφ、先端半径が12.7mmの金属製打ち抜きジグによって、1m/秒の速度で打ち抜き、破壊に要したエネルギーを、温度を23℃および−20℃の二条件下で測定した。
(c)曲げ弾性率(MPa):ASTM-D790に準拠し、温度23℃、絶乾状態の条件下で測定した。
(d)加重たわみ温度(℃):ASTM−D648に準拠して測定した。応力条件0.45Mpa、絶乾状態の条件下で測定した。
(e)導電性(Ω・cm):ASTM−D638に準拠した引張試験用の試験片の両端を剪定ハサミで切断し、標線範囲内から5cmの短冊を切り出し、切断した端面に銀ペーストを塗布して23℃で30分風乾した後、テスターによって両端面間の抵抗を測定し、体積抵抗を算出した。
(f)塗装膜密着性(%):大きさが100mm×100mmで、厚さが3mmの正方形の板状試験片を準備し、まず、試験片の表面にアクリル・ウレタン系塗料(オリジン電気社製、OP−Z―NY)を塗布し、80℃の温度で60分間焼き付けた。ついで、焼き付けた後の塗装膜面に、一辺が1mm幅で碁盤目状のスリットを100マス刻設した。塗装膜面にセロハンテープを張り付け、このセロハンテープを剥がした際に塗装膜面が共に剥がれるか否かを目視観察した。塗装膜面がセロハンテープによって剥がされず、試験片の表面に残ったマスの残存率(%)で表した。この値が大きいほど、塗装膜密着性に優れている。
[実施例1〜実施例8、比較例1〜比較例5]
<樹脂組成物の調整>
まず、(A)、(B)、(C)、(F)、(G)、(H−2)、(H−3)の各成分を、表―1に示した割合で秤量し、タンブラーミキサーによって混合して混合物を得た。得られた混合物を、二軸押出機(日本製鋼所社製、型式:TEX−30XCT、30mmφ)によって、シリンダー温度240℃、スクリュー回転数300rpm、吐出量20kg/hの条件下で溶融・混練してペレットを得た。得られたペレットに、さらに所定量秤量した(D)または(H−1)をタンブラーミキサーによって混合し、混合物を二軸押出機(上に同じ)によって、上と同じ条件で溶融・混練してペレット化した。成分(E)を配合した例では、得られたペレットにドライブレンドした。
<試験片の作成、評価試験>
上記のペレットまたはドライブレンド物を成形材料とし、成形前に120℃の温度で5時間熱風乾燥した後、射出成形機(日本製鋼所社製、型式:J75ED)を使用し、シリンダー温度250℃、射出時間15sec、冷却時間30sec、金型温度80℃の条件下で、試験片を作成した。前記樹脂組成物および上記試験片につき、前記方法で各種物性を評価した結果を、表―1および表―2に記載した。
Figure 2005145995
Figure 2005145995
上記表―1および表―2より、次のことが明らかとなる。
1.本発明の実施例に係るポリアミド樹脂組成物は、溶融流動性(成形時流動性、または成形性)が優れている(実施例1〜実施例8参照)。
2.本発明の実施例に係るポリアミド樹脂組成物は、低温衝撃性および曲げ弾性率(剛性)、耐熱性などが優れている(実施例1〜実施例8参照)。
3.本発明の実施例に係るポリアミド樹脂組成物から得られる成形品は、塗装膜密着性が優れ、従って静電塗装性優れている(実施例1〜8参照)。
4.これに対して、成分(E)を含まない比較例1、比較例3および4の樹脂組成物から得られる成形品は塗装膜密着性が劣る。
5.成分(E)の代わりに既知の塗装性改良剤のエポキシ化合物を配合した比較例4の樹脂組成物は、溶融流動性が著しく悪化し、かつ塗装膜密着性は改善されない。
6.成分(B)の代わりにスチレン系エラストマーを配合した比較例2の樹脂組成物は、溶融時流動性は良好であるが、低温耐衝撃性が劣り、塗装膜密着性は改善されない。
6.成分(B)の代わりにエチレン・アクリル酸共重合体を配合した比較例5の樹脂組成物は、溶融流動性が悪く、低温耐衝撃性も劣る。
本発明は係るポリアミド樹脂組成物は、溶融流動性(成形性)に優れているので、大型製品も製造可能である。また、本発明は係るポリアミド樹脂組成物は、剛性、耐衝撃性、低温耐衝撃性、耐熱性などの優れた機械的特性を有し、得られる製品(成形品)は塗装膜密着性に優れているので、表面に塗装を施す製品の製造用原料樹脂として、好適である。表面に塗装を施す製品としては、自動車用外板、オートバイカウル、ホイールカバーなどの車両用部品や、家電製品、電子製品、OA機器などの電気・電子用部品などの工業部品が挙げられる。また、表面に塗装を施した製品は、耐候性にも優れるので、屋外に配置されるハウジング・筐体などとして好適である。

Claims (8)

  1. ポリアミド樹脂{成分(A)}50〜95重量部と、α,β−不飽和カルボン酸をグラフト変性したエチレン・α−オレフィン系共重合体{成分(B)}5〜50重量部とよりなる樹脂組成物100重量部に対して、DBP吸油率が、140cm/100g以上である導電性カーボンブラック{成分(C)}を1〜30重量部、無機充填剤{成分(D)}を5〜50重量部、および、成分(A)、成分(B)、成分(C)および成分(D)の合計量100重量部に対して、エチレン・ビニルアルコール共重合体および/またはエチレン・酢酸ビニル共重合体の部分ケン化物{成分(E)}を0.5〜20重量部配合してなる、ことを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
  2. 成分(B)が、無水マレイン酸をグラフト変性した、エチレン・プロピレン共重合体、またはエチレン・ブテン−1共重合体である、請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
  3. 成分(D)が、平均粒子径が0.5〜6μmのタルク、または平均繊維径が1〜6μmのワラストナイトである、請求項1または請求項2に記載のポリアミド樹脂組成物。
  4. さらに成分(F1)としてニグロシンを、成分(A)100重量部に対して0.05〜30重量部配合してなる、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のポリアミド樹脂組成物。
  5. さらに成分(F2)として半芳香族ポリアミド樹脂を、
    成分(A)100重量部に対して1〜30重量部配合してなる、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のポリアミド樹脂組成物。
  6. さらに成分(G)として、ペンタエリスリトール型ホスファイトを、成分(A)100重量部に対して、0.05〜5重量部配合されてなる、請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のポリアミド樹脂組成物。
  7. 成分(A)が、粘度数70〜200のポリアミド6である、請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のポリアミド樹脂組成物。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載のポリアミド樹脂組成物から製造された成形品であって、その表面に塗装膜が形成されたものであることを特徴とする、ポリアミド樹脂組成物製成形品。
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