JP2020175460A - 複合基板の加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】金属板側にバリが生じず、チップの品質の低下が防止される複合基板の加工方法を提供する。【解決手段】複合基板の加工方法は、非金属板4の上面4aに形成された分割予定ライン8の端部を切削ブレード22で切削して金属板6の外周端に分割予定ライン8に対応する切り欠き28を形成する切り欠き形成工程と、切り欠き形成工程において金属板6側に形成された切り欠き28に切削ブレード22を位置づけて金属板6を切削する切削工程と、を少なくとも含み、複合基板2を個々のチップ32に分割する。【選択図】図4
Description
本発明は、非金属板の下面と金属板の上面とが接合された複合基板の加工方法に関する。
IC、LSI、LED等の複数のデバイスが分割予定ラインによって区画され表面に形成されたウエーハは、切削ブレードを回転可能に備えたダイシング装置、レーザー光線を照射して加工を施すレーザー加工装置によって個々のデバイスチップに分割され、分割された各デバイスチップは携帯電話、パソコン、テレビ等の電気機器に利用される。
また、LED等の発熱体の冷却に使用されるヒートシンクは、窒化アルミニウム等のセラミックス板と銅等の金属板との複合基板で構成される場合がある(たとえば特許文献1参照)。そして、比較的大判で構成された複合基板を個々のヒートシンクチップに分割する際は、ダイシング装置が使用される。
しかし、セラミックス板側に形成された分割予定ラインに切削ブレードを位置づけて複合基板を切断すると金属板側にバリが生じて品質の低下を招くという問題がある。
上記事実に鑑みてなされた本発明の課題は、金属板側にバリが生じず、チップの品質の低下が防止される複合基板の加工方法を提供することである。
上記課題を解決するために本発明が提供するのは以下の複合基板の加工方法である。すなわち、非金属板の下面と金属板の上面とが接合された複合基板の加工方法であって、非金属板の上面に形成された分割予定ラインの端部を切削ブレードで切削して金属板の外周端に分割予定ラインに対応する切り欠きを形成する切り欠き形成工程と、該切り欠き形成工程において金属板側に形成された切り欠きに切削ブレードを位置づけて金属板を切削する切削工程と、を少なくとも含み、複合基板を個々のチップに分割する複合基板の加工方法である。
好ましくは、該切削工程において、金属板側から非金属板の上面に至る深さに切削ブレードを位置づけて金属板と共に非金属板を切削して複合基板を個々のチップに分割する。該切り欠き形成工程の前または後に非金属板の上面に形成された分割予定ラインを切削ブレードで切削して非金属板に切削溝を形成する切削溝形成工程を含み、該切削工程において、金属板側から該切削溝に至る深さに切削ブレードを位置づけて金属板を切削し複合基板を個々のチップに分割するのが好適である。該切削工程において、金属板を切削ブレードで切削して金属板に切削溝を形成し、その後非金属板側から該切削溝に至る深さに切削ブレードを位置づけて非金属板を切削し複合基板を個々のチップに分割するのが好都合である。金属板を切削する切削ブレードの種類と、非金属板を切削する切削ブレードの種類とが異なるのが好ましい。非金属板はセラミックス板であり、金属板は銅板であり、複合基板はヒートシンク基板であり、チップはヒートシンクチップであるのが好適である。
本発明が提供する複合基板の加工方法は、非金属板の上面に形成された分割予定ラインの端部を切削ブレードで切削して金属板の外周端に分割予定ラインに対応する切り欠きを形成する切り欠き形成工程と、該切り欠き形成工程において金属板側に形成された切り欠きに切削ブレードを位置づけて金属板を切削する切削工程と、を少なくとも含み、複合基板を個々のチップに分割するように構成されているので、金属板側にバリが生じず、チップの品質の低下が防止される。
以下、本発明の複合基板の加工方法の第一の実施形態について図1ないし図4を参照しつつ説明する。
図1には、本発明の加工方法によって加工が施される複合基板2が示されている。複合基板2においては、矩形状非金属板4の下面4bと、非金属板4の形状に対応した矩形状金属板6の上面6aとが接合されている。非金属板4の上面4aには、格子状の分割予定ライン8が形成されている。
複合基板2の例としては、窒化アルミニウム等のセラミックス板からなる非金属板と、銅板等からなる金属板とが接合されたヒートシンク基板が挙げられる。分割予定ライン8に沿ってヒートシンク基板が分割された個々のヒートシンクチップは、LED等の発熱体の冷却に使用される。また、複合基板2の他の例としては、発光層としての窒化ガリウム等からなる非金属板と、銅板等からなる金属板とが接合されたLED基板が挙げられる。
なお、本明細書では、非金属板4の上面4aおよび金属板6の上面6aについては、上を向いている場合だけでなく下を向いている場合にも、それぞれ上面4aおよび上面6aとして説明する。また、非金属板4の下面4bおよび金属板6の下面6bについても、下を向いている場合だけでなく上を向いている場合にも、それぞれ下面4bおよび下面6bとして説明する。
図示の実施形態では、まず、図1に示すとおり、周縁が環状フレーム10に固定された粘着テープ12に金属板6の下面6bを貼り付けることによって、粘着テープ12を介して環状フレーム10で複合基板2を支持する支持工程を実施する。
支持工程を実施した後、非金属板4の上面4aに形成された分割予定ライン8の端部を切削ブレードで切削して金属板6の外周端に分割予定ライン8に対応する切り欠きを形成する切り欠き形成工程を実施する。切り欠き形成工程は、たとえば図2に一部を示すダイシング装置14を用いて実施することができる。
ダイシング装置14は、被加工物を保持するチャックテーブル(図示していない。)と、チャックテーブルに保持された被加工物を切削する切削手段16と、チャックテーブルに保持された被加工物を撮像する撮像手段(図示していない。)とを備える。上面において被加工物を吸引保持するチャックテーブルは、回転自在に構成されていると共に、図2に矢印Xで示すX軸方向に移動自在に構成されている。
切削手段16は、図2に矢印Yで示すY軸方向(X軸方向に直交する方向)および図2に矢印Zで示すZ軸方向(X軸方向およびY軸方向に直交する方向)に移動自在に構成されたスピンドルハウジング18と、Y軸方向を軸心として回転自在にスピンドルハウジング18に支持されたスピンドル20と、スピンドル20の先端に固定された環状の切削ブレード22と、スピンドル20と共に切削ブレード22を回転させるモータ(図示していない。)とを含む。なお、X軸方向およびY軸方向が規定する平面は実質上水平である。
図2に示すとおり、スピンドルハウジング18の先端には、切削ブレード22を覆うブレードカバー24が装着されている。ブレードカバー24には、切削水供給源(図示していない。)に接続された切削水供給ノズル26が付設されている。そして、チャックテーブルに保持された被加工物に切削ブレード22で切削加工を施す際は、切削水供給源から切削水供給ノズル26に切削水が供給され、次いで切削水供給ノズル26から切削ブレード22および被加工物に向かって切削水が噴射されるようになっている。
このようなダイシング装置14を用いて切り欠き形成工程を実施する際は、まず、非金属板4の上面4aを上に向けて、チャックテーブルの上面で複合基板2を吸引保持する。次いで、撮像手段で複合基板2を上方から撮像し、撮像手段で撮像した複合基板2の画像に基づいて、分割予定ライン8をX軸方向に整合させると共に、X軸方向に整合させた分割予定ライン8の片側端部の上方に図2に矢印Aで示す方向に回転する切削ブレード22を位置づける。
次いで、切削水供給ノズル26から切削水を供給しつつスピンドルハウジング18を下降させ、図2(b)に示すとおり、非金属板4の上面4aから金属板6の下面6bに至るまで、所定の切り込み送り速度で切削ブレード22の刃先を分割予定ライン8の片側端部に切り込ませる。これによって、分割予定ライン8の片側端部を切削ブレード22で切削して非金属板4および金属板6の端部に切り欠き28(図2(b)にハッチングで示す部分)を形成することができる。
次いで、スピンドルハウジング18を上昇させて切削ブレード22を複合基板2から離間させる。そして、分割予定ライン8のY軸方向間隔の分だけ、チャックテーブルに対してスピンドルハウジング18を相対的にY軸方向にインデックス送りしながら、X軸方向に整合させた全ての分割予定ライン8の片側端部を切削ブレード22で切削して、非金属板4および金属板6の端部に複数の切り欠き28を形成する。
次いで、チャックテーブルをX軸方向に移動させ、X軸方向に整合させた分割予定ライン8の他側端部を切削ブレード22の下方に位置づける。そして、スピンドルハウジング18をY軸方向にインデックス送りしながら、X軸方向に整合させた全ての分割予定ライン8の他側端部を切削ブレード22で切削して、非金属板4および金属板6の端部に複数の切り欠き28を形成する。
次いで、チャックテーブルを90度回転させて、先に切削した分割予定ライン8と直交する分割予定ライン8をX軸方向に整合させた上で、X軸方向に整合させた全ての分割予定ライン8の両側端部を切削ブレード22で切削して、非金属板4および金属板6の端部に切り欠き28を形成する。このようにして、非金属板4の上面4aに形成された全ての分割予定ライン8の両側端部を切削ブレード22で切削することにより、図2(c)および図3に示すとおり、金属板6の外周端に分割予定ライン8に対応する複数の切り欠き28を形成することができる。なお、金属板6の下面6bにおける切り欠き28の長さについては、金属板6の下面6b側から複合基板2を撮像した際に切り欠き28を認識することができる程度の長さであればよく、たとえば1〜2mm程度でよい。
切り欠き形成工程を実施した後、切り欠き形成工程において金属板6側に形成された切り欠き28に切削ブレード22を位置づけて金属板6を切削する切削工程を実施する。第一の実施形態の切削工程では、金属板6側から非金属板4の上面4aに至る深さに切削ブレード22を位置づけて金属板6と共に非金属板4を切削して複合基板2を個々のチップに分割する。なお、切削工程も上記ダイシング装置14を用いて実施することができる。
切削工程では、まず、チャックテーブルによる複合基板2の吸引保持を解除すると共に複合基板2を粘着テープ12から剥離する。次いで、図3に示すとおり、複合基板2を反転させて金属板6の下面6bを上に向け、非金属板4の上面4aを粘着テープ12に貼り付けることによって、粘着テープ12を介して環状フレーム10に複合基板2を支持させる。
次いで、金属板6の下面6bを上に向け、チャックテーブルの上面で複合基板2を吸引保持する。次いで、撮像手段で複合基板2を上方から撮像し、撮像手段で撮像した複合基板2の画像に基づいて、金属板6の四辺のうち一組の向かい合う辺(対辺)を選定し、選定した対辺に形成されている切り欠き28同士を結ぶ線分(選定した対辺に垂直な線分)をX軸方向に整合させる。これによって、分割予定ライン8がX軸方向に整合することになる。また、選定した対辺に形成されている切り欠き28の上方に切削ブレード22を位置づける。
次いで、切削水供給ノズル26から切削水を供給しつつスピンドルハウジング18を下降させ、図4に示すとおり、金属板6側から非金属板4の上面4aに至る深さに、A方向に回転させた切削ブレード22の下端を位置づけると共に、スピンドルハウジング18に対してチャックテーブルを相対的に所定の加工送り速度でX軸方向に加工送りして、金属板6と共に非金属板4を切削する切削加工を施す。切削加工を施すことによって、分割予定ライン8に沿って複合基板2を切断することができる。金属板6が切断された部分(切断ライン)を図4に符号30で示す。
次いで、分割予定ライン8のY軸方向間隔の分だけ、チャックテーブルに対してスピンドルハウジング18を相対的にY軸方向にインデックス送りしながら、金属板6側に形成された切り欠き28に切削ブレード22を位置づけて切削加工を繰り返し、X軸方向に整合させた分割予定ライン8の全てに沿って複合基板2を切断する。
次いで、チャックテーブルを90度回転させて、金属板6の四辺のうち他の対辺に形成されている切り欠き28同士を結ぶ線分(他の対辺に垂直な線分)をX軸方向に整合させる。これによって、先に切断した分割予定ライン8と直交する分割予定ライン8がX軸方向に整合することになる。また、他の対辺に形成されている切り欠き28の上方に切削ブレード22を位置づける。そして、切削加工とインデックス送りとを交互に繰り返し、先に切断した分割予定ライン8と直交する分割予定ライン8の全てに沿って複合基板2を切断する。これによって、格子状の分割予定ライン8に沿って複合基板2を切断して、図4(c)に示すとおり、複合基板2を個々のチップ32に分割することができる。
上述したとおりの切り欠き形成工程および切削工程は、たとえば以下の加工条件で実施することができる。
<複合基板>
非金属板 :セラミックス板(厚み0.3mm)
金属板 :銅板(厚み1mm)
複合基板のサイズ :50mm×50mm
<切り欠き形成工程>
切削ブレード :レジンボンド砥石(外径54mm、厚み0.15mm)
切削ブレードの回転速度 :20,000rpm
加工モード :上下移動(チョッパーカット)
切り込み送り速度 :0.1mm/s
インデックス量 :4.8mm
切削水の供給量 :2.0L/min
<切削工程>
切削ブレード :レジンボンド砥石(外径54mm、厚み0.2mm)
切削ブレードの回転速度 :20,000rpm
加工モード :切削ブレードの回転方向に対してX軸方向に順送り
(図4(b)参照)
加工送り速度 :3mm/s
インデックス量 :4.8mm
切削水の供給量 :2.0L/min
<複合基板>
非金属板 :セラミックス板(厚み0.3mm)
金属板 :銅板(厚み1mm)
複合基板のサイズ :50mm×50mm
<切り欠き形成工程>
切削ブレード :レジンボンド砥石(外径54mm、厚み0.15mm)
切削ブレードの回転速度 :20,000rpm
加工モード :上下移動(チョッパーカット)
切り込み送り速度 :0.1mm/s
インデックス量 :4.8mm
切削水の供給量 :2.0L/min
<切削工程>
切削ブレード :レジンボンド砥石(外径54mm、厚み0.2mm)
切削ブレードの回転速度 :20,000rpm
加工モード :切削ブレードの回転方向に対してX軸方向に順送り
(図4(b)参照)
加工送り速度 :3mm/s
インデックス量 :4.8mm
切削水の供給量 :2.0L/min
以上のとおりであり、第一の実施形態では、非金属板4の上面4aに形成された分割予定ライン8の端部を切削ブレード22で切削して金属板6の外周端に分割予定ライン8に対応する切り欠き28を形成する切り欠き形成工程と、切り欠き形成工程において金属板6側に形成された切り欠き28に切削ブレード22を位置づけて金属板6を切削する切削工程と、を少なくとも含み、切削工程において、金属板6側から非金属板4の上面4aに至る深さに切削ブレード22を位置づけて金属板6と共に非金属板4を切削して複合基板2を個々のチップ32に分割するように構成されているので、金属板6側にバリが生じず、チップ32の品質の低下が防止される。
次に、本発明の複合基板の加工方法の第二の実施形態について図5ないし図7を参照しつつ説明する。
第二の実施形態では、支持工程を実施した後かつ切り欠き形成工程を実施する前に、または支持工程および切り欠き形成工程を実施した後に、非金属板4の上面4aに形成された分割予定ライン8を切削ブレード22で切削して非金属板4に切削溝を形成する切削溝形成工程を実施する。なお、切削溝形成工程も上記ダイシング装置14を用いて実施することができる。
図示の実施形態では、支持工程および切り欠き形成工程を実施した後に切削溝形成工程を実施する例について説明する。切削溝形成工程では、まず、非金属板4の上面4aを上に向けて、チャックテーブルの上面で複合基板2を吸引保持した状態において、撮像手段で撮像した複合基板2の画像に基づいて、分割予定ライン8をX軸方向に整合させると共に、X軸方向に整合させた分割予定ライン8に形成されている切り欠き28の上方に切削ブレード22を位置づける。
次いで、切削水供給ノズル26から切削水を供給しつつスピンドルハウジング18を下降させ、図5(b)に示すとおり、非金属板4の上面4aから非金属板4の厚みに相当する深さに、A方向に回転させた切削ブレード22の下端を位置づけると共に、スピンドルハウジング18に対してチャックテーブルを相対的に所定の加工送り速度でX軸方向に加工送りする。これによって、非金属板4の上面4aに形成された分割予定ライン8を切削ブレード22で切削して、非金属板4の厚みに相当する深さの切削溝34を非金属板4に形成する切削溝形成加工を施すことができる。
次いで、分割予定ライン8のY軸方向間隔の分だけ、チャックテーブルに対してスピンドルハウジング18を相対的にY軸方向にインデックス送りしながら、非金属板4側に形成された切り欠き28に切削ブレード22を位置づけて切削溝形成加工を繰り返し、X軸方向に整合させた分割予定ライン8の全てに沿って非金属板4に切削溝34を形成する。
次いで、チャックテーブルを90度回転させて、先に切削溝34を形成した分割予定ライン8と直交する分割予定ライン8をX軸方向に整合させる。次いで、X軸方向に整合させた分割予定ライン8に形成されている切り欠き28の上方に切削ブレード22を位置づける。そして、切削溝形成加工とインデックス送りとを交互に繰り返し、先に切削溝34を形成した分割予定ライン8と直交する分割予定ライン8の全てに沿って非金属板4に切削溝34を形成する。これによって、図5(c)に示すとおり、格子状の分割予定ライン8に沿って格子状の切削溝34を非金属板4に形成することができる。
上述したとおりの切削溝形成工程は、たとえば以下の加工条件で実施することができる。
<複合基板>
非金属板 :セラミックス板(厚み0.3mm)
金属板 :銅板(厚み1mm)
複合基板のサイズ :50mm×50mm
<切削溝形成工程>
切削ブレード :ビトリファイドボンド砥石
(外径54mm、厚み0.2mm)
切削ブレードの回転速度 :20,000rpm
加工モード :切削ブレードの回転方向に対してX軸方向に順送り
(図5(b)参照)
加工送り速度 :3mm/s
インデックス量 :4.8mm
切削水の供給量 :2.0L/min
<複合基板>
非金属板 :セラミックス板(厚み0.3mm)
金属板 :銅板(厚み1mm)
複合基板のサイズ :50mm×50mm
<切削溝形成工程>
切削ブレード :ビトリファイドボンド砥石
(外径54mm、厚み0.2mm)
切削ブレードの回転速度 :20,000rpm
加工モード :切削ブレードの回転方向に対してX軸方向に順送り
(図5(b)参照)
加工送り速度 :3mm/s
インデックス量 :4.8mm
切削水の供給量 :2.0L/min
切削溝形成工程を実施した後、切り欠き形成工程において金属板6側に形成された切り欠き28に切削ブレード22を位置づけて金属板6を切削する切削工程を実施する。第二の実施形態の切削工程では、金属板6側から切削溝34に至る深さに切削ブレード22を位置づけて金属板6を切削し複合基板2を個々のチップ32に分割する。なお、第二の実施形態の切削工程も上記ダイシング装置14を用いて実施することができる。
図6に示すとおり、第二の実施形態の切削工程では、第一の実施形態の切削工程と同様に、まず、複合基板2を反転させて金属板6の下面6bを上に向け、非金属板4の上面4aを粘着テープ12に貼り付けることによって、粘着テープ12を介して環状フレーム10に複合基板2を支持させる。
次いで、金属板6の下面6bを上に向け、チャックテーブルの上面で複合基板2を吸引保持する。次いで、撮像手段で複合基板2を上方から撮像し、撮像手段で撮像した複合基板2の画像に基づいて、金属板6の四辺のうち一組の向かい合う辺(対辺)を選定し、選定した対辺に形成されている切り欠き28同士を結ぶ線分(選定した対辺に垂直な線分)をX軸方向に整合させる。これによって、分割予定ライン8がX軸方向に整合することになる。また、選定した対辺に形成されている金属板6側の切り欠き28の上方に切削ブレード22を位置づける。
次いで、切削水供給ノズル26から切削水を供給しつつスピンドルハウジング18を下降させ、図7に示すとおり、金属板6側から切削溝34に至る深さに、A方向に回転させた切削ブレード22の下端を位置づけると共に、スピンドルハウジング18に対してチャックテーブルを相対的に所定の加工送り速度でX軸方向に加工送りして、金属板6を切削する金属板切削加工を施す。金属板切削加工を施すことによって、分割予定ライン8に沿って複合基板2を切断することができる。複合基板2が切断された部分を図7に符号36で示す。
次いで、分割予定ライン8のY軸方向間隔の分だけ、チャックテーブルに対してスピンドルハウジング18を相対的にY軸方向にインデックス送りしながら、金属板6側に形成された切り欠き28に切削ブレード22を位置づけて金属板切削加工を繰り返し、X軸方向に整合させた分割予定ライン8の全てに沿って複合基板2を切断する。
次いで、チャックテーブルを90度回転させて、金属板6の四辺のうち他の対辺に形成されている切り欠き28同士を結ぶ線分(他の対辺に垂直な線分)をX軸方向に整合させる。これによって、先に切断した分割予定ライン8と直交する分割予定ライン8がX軸方向に整合することになる。また、他の対辺に形成されている金属板6側の切り欠き28の上方に切削ブレード22を位置づける。そして、金属板切削加工とインデックス送りとを交互に繰り返し、先に切断した分割予定ライン8と直交する分割予定ライン8の全てに沿って複合基板2を切断する。これによって、格子状の分割予定ライン8に沿って複合基板2を切断して、複合基板2を個々のチップ32に分割することができる。
以上のとおりであり、第二の実施形態では、非金属板4の上面4aに形成された分割予定ライン8の端部を切削ブレード22で切削して金属板6の外周端に分割予定ライン8に対応する切り欠き28を形成する切り欠き形成工程と、非金属板4の上面4aに形成された分割予定ライン8を切削ブレード22で切削して非金属板4に切削溝34を形成する切削溝形成工程と、切り欠き形成工程において金属板6側に形成された切り欠き28に切削ブレード22を位置づけて金属板6を切削する切削工程と、を少なくとも含み、切削工程において、金属板6側から切削溝34に至る深さに切削ブレード22を位置づけて金属板6を切削し複合基板2を個々のチップ32に分割するよう構成されているので、金属板6側にバリが生じず、チップ32の品質の低下が防止される。
次に、本発明の複合基板の加工方法の第三の実施形態について図8を参照しつつ説明する。
第三の実施形態では、支持工程および切り欠き形成工程を実施した後、切り欠き形成工程において金属板6側に形成された切り欠き28に切削ブレード22を位置づけて金属板6を切削する切削工程を実施する。第三の実施形態の切削工程では、金属板6を切削ブレード22で切削して金属板6に切削溝を形成し、その後非金属板4側から切削溝に至る深さに切削ブレード22を位置づけて非金属板4を切削し複合基板2を個々のチップ32に分割する。なお、第三の実施形態の切削工程も上記ダイシング装置14を用いて実施することができる。
第三の実施形態の切削工程では、第一・第二の実施形態の切削工程と同様に、まず、複合基板2を反転させて金属板6の下面6bを上に向け、非金属板4の上面4aを粘着テープ12に貼り付けることによって、粘着テープ12を介して環状フレーム10に複合基板2を支持させる。
次いで、第二の実施形態の切削工程と同様に、金属板6の下面6bを上に向け、チャックテーブルの上面で複合基板2を吸引保持する。次いで、撮像手段で複合基板2を上方から撮像し、撮像手段で撮像した複合基板2の画像に基づいて、金属板6の四辺のうち一組の向かい合う辺(対辺)を選定し、選定した対辺に形成されている切り欠き28同士を結ぶ線分(選定した対辺に垂直な線分)をX軸方向に整合させる。これによって、分割予定ライン8がX軸方向に整合することになる。また、選定した対辺に形成されている金属板6側の切り欠き28の上方に切削ブレード22を位置づける。
次いで、切削水供給ノズル26から切削水を供給しつつスピンドルハウジング18を下降させ、図8(a)に示すとおり、金属板6の下面6bから金属板6の厚みに相当する深さに、A方向に回転させた切削ブレード22の下端を位置づけると共に、スピンドルハウジング18に対してチャックテーブルを相対的に所定の加工送り速度でX軸方向に加工送りする。これによって、X軸方向に整合させた分割予定ライン8に対応して金属板6を切削ブレード22で切削し、金属板6の厚みに相当する深さの切削溝38を金属板6に形成することができる。
次いで、分割予定ライン8のY軸方向間隔の分だけ、チャックテーブルに対してスピンドルハウジング18を相対的にY軸方向にインデックス送りしながら、金属板6側に形成された切り欠き28に切削ブレード22を位置づけて、X軸方向に整合させた分割予定ライン8の全てに対応して金属板6を切削し、金属板6の厚みに相当する深さの複数の切削溝38を形成する。
次いで、チャックテーブルを90度回転させて、金属板6の四辺のうち他の対辺に形成されている切り欠き28同士を結ぶ線分(他の対辺に垂直な線分)をX軸方向に整合させる。また、他の対辺に形成されている金属板6側の切り欠き28の上方に切削ブレード22を位置づける。そして、インデックス送りしながら、X軸方向に整合させた分割予定ライン8の全てに対応して金属板6を切削し、金属板6の厚みに相当する深さの複数の切削溝38を形成する。これによって、格子状の分割予定ライン8に対応して金属板6に格子状の切削溝38を形成することができる。
次いで、チャックテーブルによる複合基板2の吸引保持を解除すると共に複合基板2を粘着テープ12から剥離する。次いで、複合基板2を反転させて非金属板4の上面4aを上に向け、金属板6の下面6bを粘着テープ12に貼り付けることによって、粘着テープ12を介して環状フレーム10に複合基板2を支持させる。
次いで、非金属板4の上面4aを上に向け、チャックテーブルの上面で複合基板2を吸引保持する。次いで、撮像手段で複合基板2を上方から撮像し、撮像手段で撮像した複合基板2の画像に基づいて、分割予定ライン8をX軸方向に整合させると共に、X軸方向に整合させた分割予定ライン8に形成されている切り欠き28の上方に切削ブレード22を位置づける。
次いで、切削水供給ノズル26から切削水を供給しつつスピンドルハウジング18を下降させ、図8(b)に示すとおり、非金属板4側から切削溝38に至る深さに、A方向に回転させた切削ブレード22の下端を位置づけると共に、スピンドルハウジング18に対してチャックテーブルを相対的に所定の加工送り速度でX軸方向に加工送りして、非金属板4を切削する非金属板切削加工を施す。非金属板切削加工を施すことによって、分割予定ライン8に沿って複合基板2を切断することができる。複合基板2が切断された部分を図8(b)に符号40で示す。
次いで、分割予定ライン8のY軸方向間隔の分だけ、チャックテーブルに対してスピンドルハウジング18を相対的にY軸方向にインデックス送りしながら、非金属板4側に形成された切り欠き28に切削ブレード22を位置づけて非金属板切削加工を繰り返し、X軸方向に整合させた分割予定ライン8の全てに沿って複合基板2を切断する。
次いで、チャックテーブルを90度回転させて、先に切削した分割予定ライン8と直交する分割予定ライン8をX軸方向に整合させると共に、X軸方向に整合させた分割予定ライン8に形成されている切り欠き28の上方に切削ブレード22を位置づける。そして、非金属板切削加工とインデックス送りとを交互に繰り返し、先に切断した分割予定ライン8と直交する分割予定ライン8の全てに沿って複合基板2を切断する。これによって、格子状の分割予定ライン8に沿って複合基板2を切断して、複合基板2を個々のチップ32に分割することができる。
以上のとおりであり、第三の実施形態では、非金属板4の上面4aに形成された分割予定ライン8の端部を切削ブレード22で切削して金属板6の外周端に分割予定ライン8に対応する切り欠き28を形成する切り欠き形成工程と、切り欠き形成工程において金属板6側に形成された切り欠き28に切削ブレード22を位置づけて金属板6を切削する切削工程と、を少なくとも含み、切削工程において、金属板6を切削ブレード22で切削して金属板6に切削溝38を形成し、その後非金属板4側から切削溝38に至る深さに切削ブレード22を位置づけて非金属板4を切削し複合基板2を個々のチップ32に分割するよう構成されているので、金属板6側にバリが生じず、チップ32の品質の低下が防止される。
なお、第二の実施形態の切削溝形成工程および切削工程ならびに第三の実施形態の切削工程において、金属板6を切削する切削ブレードの種類と、非金属板4を切削する切削ブレードの種類とは異なるのが好ましい。たとえば、金属板6を切削する切削ブレードとしてレジンボンド砥石から形成された切削ブレード(たとえば外径54mm、厚み0.2mm)を用いることができ、非金属板4を切削する切削ブレードとしてビトリファイドボンド砥石から形成された切削ブレード(たとえば外径54mm、厚み0.2mm)を用いることができる。
2:複合基板
4:非金属板
4a:非金属板の上面
4b:非金属板の下面
6:金属板
6a:金属板の上面
6b:金属板の下面
8:分割予定ライン
22:切削ブレード
28:切り欠き
32:チップ
34:第二の実施形態において非金属板に形成された切削溝
38:第三の実施形態において金属板に形成された切削溝
4:非金属板
4a:非金属板の上面
4b:非金属板の下面
6:金属板
6a:金属板の上面
6b:金属板の下面
8:分割予定ライン
22:切削ブレード
28:切り欠き
32:チップ
34:第二の実施形態において非金属板に形成された切削溝
38:第三の実施形態において金属板に形成された切削溝
Claims (6)
- 非金属板の下面と金属板の上面とが接合された複合基板の加工方法であって、
非金属板の上面に形成された分割予定ラインの端部を切削ブレードで切削して金属板の外周端に分割予定ラインに対応する切り欠きを形成する切り欠き形成工程と、
該切り欠き形成工程において金属板側に形成された切り欠きに切削ブレードを位置づけて金属板を切削する切削工程と、
を少なくとも含み、
複合基板を個々のチップに分割する複合基板の加工方法。 - 該切削工程において、金属板側から非金属板の上面に至る深さに切削ブレードを位置づけて金属板と共に非金属板を切削して複合基板を個々のチップに分割する請求項1記載の複合基板の加工方法。
- 該切り欠き形成工程の前または後に非金属板の上面に形成された分割予定ラインを切削ブレードで切削して非金属板に切削溝を形成する切削溝形成工程を含み、
該切削工程において、金属板側から該切削溝に至る深さに切削ブレードを位置づけて金属板を切削し複合基板を個々のチップに分割する請求項1記載の複合基板の加工方法。 - 該切削工程において、金属板を切削ブレードで切削して金属板に切削溝を形成し、その後非金属板側から該切削溝に至る深さに切削ブレードを位置づけて非金属板を切削し複合基板を個々のチップに分割する請求項1記載の複合基板の加工方法。
- 金属板を切削する切削ブレードの種類と、非金属板を切削する切削ブレードの種類とが異なる請求項3または4記載の複合基板の加工方法。
- 非金属板はセラミックス板であり、金属板は銅板であり、複合基板はヒートシンク基板であり、チップはヒートシンクチップである請求項1記載の複合基板の加工方法。
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2019
- 2019-04-17 JP JP2019078269A patent/JP2020175460A/ja active Pending
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