JP2020173390A - プラスチック光ファイバー及びその製造方法 - Google Patents

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Yoshihide Kawaguchi
佳秀 川口
啓功 大▲崎▼
Yoshinori Osaki
啓功 大▲崎▼
建次郎 竿本
Kenjiro Saomoto
建次郎 竿本
隆史 熊野
Takashi Kumano
隆史 熊野
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Abstract

【課題】屈折率分布を有するプラスチック光ファイバーにおいて、透明性及び可撓性に優れ、かつ長期間での使用及び/又は高温下での使用によっても通信速度の低下が生じにくい、プラスチック光ファイバーを提供する。【解決手段】本発明のプラスチック光ファイバー1は、コア部2と、コア部2の外周に配置されたクラッド部3と、を備える。コア部2が、トリクロロエチルメタクリレートを70質量%以上含むモノマーの重合体を主たる構成成分として含み、かつ屈折率調整剤をさらに含む。プラスチック光ファイバー1は、85℃で1000時間の加速試験の前のプラスチック光ファイバー1の伝送帯域に対する、加速試験の後のプラスチック光ファイバー1の伝送帯域の減少率が、10%以下である。ここで、伝送帯域は、長さ20mのプラスチック光ファイバー1について測定された、波長780nmの光における伝送帯域測定値である。【選択図】図1

Description

本発明は、プラスチック光ファイバー及びその製造方法に関する。
光ファイバーは、光を伝送する中心部分のコア部と、コア部の外周に配置されたクラッド部とを備えている。
従来から、ポリメチルメタクリレートなどのメタクリル系樹脂をコア部とした光ファイバーが知られている。このようなプラスチック製の光ファイバーは、良好な可撓性を有し、軽量で、加工性がよく、口径の大きいファイバーとして製造しやすく、低コストで製造可能であるという種々の長所を有する。一般に、近赤外〜赤外域(600〜1550nm)で光吸収を起こす炭素−水素結合が少ないハロゲン含有アルキル(メタ)アクリレート樹脂は、理論的には透明性に優れる。
例えば、波長650nmにおけるポリメタクリル酸メチルの炭素−水素結合による吸収損失は96dB/kmと見積もられているのに対し、ポリメチルα−クロロアクリレートの炭素−水素結合の吸収損失は62dB/kmと見積もられている。そして、コア部の重合体を構成する成分として、メチルα−クロロアクリレートを主成分とし、ハロゲン含有アルキル(メタ)アクリレートを一成分として含有し、コア部よりも屈折率が低い重合体をクラッド部とすることにより、耐熱性及び耐湿性等が良好なプラスチック光ファイバーを得ることが提案されている(例えば、特許文献1)。
また、ポリトリクロロエチルメタクリレートの炭素−水素結合の吸収損失は49dB/kmと見積もられている。例えば、特許文献2は、透明性に優れ、かつ可撓性に富むトリクロロエチルメタクリレートを含むモノマーの重合体をコア部の主たる構成成分とする、プラスチック光ファイバーを開示している。
特開昭62−147404号公報 特許第5419815号公報
光ファイバーは、通常、マルチモード光ファイバーと、シングルモード光ファイバーとに分類される。さらに、マルチモード光ファイバーは、ステップインデックス(SI)型と、屈折率分布を有するグレーデッドインデックス(GI)型とに分類される。ここで、屈折率分布とは、ファイバーの中心から半径方向に向かって屈折率が放物線に近い曲線で又は一定幅で段階的に変化することを意味する。
屈折率分布を有するプラスチック光ファイバーは、例えば、コア部を形成するプラスチック材料に屈折率調整剤を添加し、ファイバー化の過程でコア部中心からクラッド側へ屈折率調整剤を熱拡散させて屈折率の分布を制御することによって、作製され得る。なお、屈折率調整剤には、通常、コア部の材料よりも屈折率の高い低分子化合物が用いられる。
しかし、屈折率調整剤によって屈折率分布が形成されている従来のプラスチック光ファイバーは、長期間での使用及び/又は高温下での使用によって通信速度が低下するという課題を有していた。
そこで、本発明は、屈折率分布を有するプラスチック光ファイバーにおいて、透明性及び可撓性に優れ、かつ長期間での使用及び/又は高温下での使用によっても通信速度の低下が生じにくい、プラスチック光ファイバーを提供することを目的とする。さらに、本発明は、そのようなプラスチック光ファイバーを製造する方法を提供することも目的とする。
本発明の第1の態様は、
コア部と、
前記コア部の外周に配置されたクラッド部と、
を備えたプラスチック光ファイバーであって、
前記コア部が、トリクロロエチルメタクリレートを70質量%以上含むモノマーの重合体を主たる構成成分として含み、かつ屈折率調整剤をさらに含み、
85℃で1000時間の加速試験の前の前記プラスチック光ファイバーの伝送帯域に対する、前記加速試験の後の前記プラスチック光ファイバーの伝送帯域の減少率が、10%以下である、
プラスチック光ファイバーを提供する。
ここで、前記伝送帯域は、長さ20mの前記プラスチック光ファイバーについて測定された、波長780nmの光における伝送帯域測定値である。
本発明の第2の態様は、
コア部と、
前記コア部の外周に配置されたクラッド部と、
を備えたプラスチック光ファイバーであって、
前記コア部が、トリクロロエチルメタクリレートを70質量%以上含むモノマーの重合体を主たる構成成分として含み、かつ50℃以上90℃以下の融点を有する屈折率調整剤を10質量%以下の範囲でさらに含む、
プラスチック光ファイバーを提供する。
本発明の第3の態様は、
上記第1の態様又は上記第2の態様に係るプラスチック光ファイバーを製造する方法であって、
(I)トリクロロエチルメタクリレートを70質量%以上含むモノマーの重合体を主たる構成成分として含み、かつ屈折率調整剤をさらに含むコア部形成用材料を含むプリフォームを用意する工程と、
(II)前記プリフォームを溶融させてファイバー状に押出成形し、得られたファイバー状の成形体に対し所定の温度条件で熱処理を施して前記成形体中の前記屈折率調整剤を拡散させて、屈折率分布を有するコア部を形成する工程と、
を含む、プラスチック光ファイバーの製造方法を提供する。
本発明の第1の態様及び第2の態様によれば、屈折率分布を有するプラスチック光ファイバーにおいて、透明性及び可撓性に優れ、かつ長期間での使用及び/又は高温下での使用によっても通信速度の低下が生じにくい、プラスチック光ファイバーを提供することができる。さらに、本発明の第3の態様によれば、そのようなプラスチック光ファイバーを製造する方法を提供することができる。
本発明の実施形態1におけるプラスチック光ファイバーの一例の断面図である。 本発明の実施形態1におけるプラスチック光ファイバーの別の例の断面図である。 本発明のプラスチック光ファイバーの製造方法を実施するための装置の一例を説明するための図である。
「発明が解決しようとする課題」の欄で述べたとおり、本発明者らは、屈折率調整剤によって屈折率分布が形成されている従来のプラスチック光ファイバー(以下、「POF」と記載する)が、長期間での使用及び/又は高温下での使用によって通信速度が低下するという課題を有することを、新たに見出した。本発明者らは、この課題についてさらに検討を重ね、以下の知見を得た。
屈折率分布が形成されているPOFにおいては、コア部中心からクラッド部までの屈折率の傾斜が大きい方が、通信速度に有利である。そのため、従来のPOFにおいては、ファイバー化の過程でコア部中心からクラッド部側への屈折率調整剤の熱拡散性を上げるために、屈折率調整剤として、室温で液状、又は、融点の低い低分子化合物が使用されることが一般的であった。
しかし、そのように融点の低い化合物を屈折率調整剤として用いたPOFでは、長期間での使用及び/又は高温下での使用によって屈折率調整剤の拡散が進んで、コア部中心からクラッド部までの屈折率の傾斜が小さくなる、すなわち屈折率分布がフラットになる。その結果、POFの伝送帯域が減少して、通信速度が低下する。
例えば、特許文献2に記載されたPOFでは、室温で液状である融点の低い屈折率調整剤として、例えばジフェニルスルフィド(以下、「DPS」と記載する)が用いられている。DPSのような低融点の化合物は、拡散性に優れるので、所望の屈折率分布を実現しやすいという利点を有する。しかし、DPSのような低融点の化合物が屈折率調整剤として用いられているPOFは、高温下で使用されると屈折率調整剤が動き易く、その結果、屈折率分布がフラットになって伝送帯域が減少しやすい。
上記のような経時的な伝送帯域の減少を考慮して、あらかじめ大きい伝送帯域を有するPOFを実現するために、屈折率調整剤の含有量を増加させるという対応も考え得る。屈折率調整剤の含有量を増加させると、屈折率分布を形成しやすく、大きい伝送帯域を実現することができる。しかし、POFのコア部において屈折率調整剤の含有量を単に増加させると、コア部のガラス転移温度が低下し、かえって伝送帯域の経時的な減少が生じやすくなることが容易に予想される。また、高い融点を有する化合物を屈折率調整剤として用いて、伝送帯域の経時的な減少を抑制することも考えられる。しかし、屈折率調整剤に高い融点を有する化合物を用いると、屈折率調整剤が拡散しにくくなるので、屈折率分布の形成が困難になるという別の課題が生じる。
以上のような知見に基づき、本発明者らは、ファイバー化の過程では屈折率調整剤が拡散しやすく、長期間での使用及び/又は高温下での使用によっても通信速度が低下しにくい、本発明のPOFに到達した。以下、本発明のPOFの実施形態について説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1におけるPOFの一例の断面図を示す。図1に示すように、本実施形態のPOF1は、コア部2と、コア部2の外周に配置されたクラッド部3とを備える。コア部1が、トリクロロエチルメタクリレート(以下、「TCEMA」と記載する)を70質量%以上含むモノマーの重合体を主たる構成成分として含み、かつ屈折率調整剤をさらに含む。実施形態1におけるPOF1では、85℃で1000時間の加速試験の前のPOF1の伝送帯域に対する、当該加速試験の後のPOF1の伝送帯域の減少率(以下、「加速試験後の伝送帯域の減少率」と記載することがある)が、10%以下である。
本実施形態におけるPOF1は、加速試験後の伝送帯域の減少率が10%以下であるので、長期間での使用及び/又は高温下での使用によっても通信速度の低下が生じにくい。なお、POF1の伝送帯域とは、長さ20mのPOF1について測定された、波長780nmの光における伝送帯域測定値である。伝送帯域の測定は、具体的には、JIS C6824:2009に規定されたパルス法に準拠して行われる。また、加速試験は、POF1を85℃の環境下に1000時間置くことによって実施される。
また、本実施形態におけるPOF1のコア部2は、TCEMAを70質量%以上含むモノマーの重合体を主たる構成成分として含んでいるので、優れた透明性、可撓性及び耐熱性を有する。
以下、コア部2及びクラッド部3について、より詳しく説明する。
コア部2の主たる構成成分は、上述のとおり、TCEMAを70質量%以上含むモノマーの重合体である。なお、本明細書において、ある構成の「主たる構成成分」とは、その構成(ここでは、コア部2)に含まれる全成分において、最も含有割合が多い成分を意味する。したがって、コア部2は、主たる構成成分の他に、他の重合体、屈折率調整剤、及び添加剤等をさらに含んでいてもよい。
TCEMAを70質量%以上含むモノマーの重合体は、TCEMAのみがモノマーとして用いられた重合体であってもよいし、全モノマーにおいてTCEMAが95質量%以下で用いられた重合体であってもよい。特に、コア部におけるTCEMAは、全モノマーにおいて80〜95質量%、80〜100質量%、さらに100質量%で含有されることが好ましい。
TCEMAを70質量%以上含むモノマーの重合体は、任意成分として、メチルメタクリレート(以下、「MMA」と記載する)、メチルアクリレート(以下、「MA」と記載する)、Nシクロヘキシルマレイミド(以下、「N−cHMI」と記載する)、シクロヘキシルアクリレート(以下、「cHA」と記載する)、トリクロロエチルアクリレート(以下、「TCEA」と記載する)、イソボルニルアクリレート(以下、「iBoA」と記載する)、及びシクロヘキシルメタクリレート(以下、「cHMA」と記載する)からなる群より選ばれる少なくとも1種をモノマーとして含んでいてもよい。すなわち、コア部2の主たる構成成分である重合体は、TCEMAと、MMA、MA、N−cHMI、cHA、TCEA、iBoA、及びcHMAよりなる群より選ばれる少なくとも1種のモノマーと、を構成単位とする共重合体であってもよい。
重合体が、モノマーの任意成分としてMMAを含む場合、MMAは、全モノマーにおいて30質量%以下である。この範囲とする場合には、コア部2の屈折率を適度に調節することができ、透明性及び可撓性を維持しながら通信速度を向上させることができる。特に、コア部2におけるMMAは、全モノマーにおいて20質量%以下で含有されていることが好ましい。
重合体が、モノマーの任意成分としてMAを含む場合、MAは、全モノマーにおいて10質量%以下で含有されていることが好ましい。この範囲とする場合には、コア部2の屈折率を適度に調節することができるので、POF1について、透明性及び可撓性を維持しながら通信速度を向上させることができる。特に、コア部2におけるMAは、全モノマーにおいて8質量%以下で含有されていることがより好ましい。
重合体が、モノマーの任意成分としてN−cHMIを含む場合、N−cHMIは、全モノマーにおいて20質量%以下で含有されていることが好ましい。この範囲とする場合には、コア部2のガラス転移温度を上げることができるので、POF1について、透明性及び可撓性を維持しながら耐熱性を向上させることができる。特に、コア部2におけるN−cHMIは、全モノマーにおいて15質量%以下で含有されていることがより好ましい。
重合体が、モノマーの任意成分としてcHAを含む場合、cHAは、全モノマーにおいて10質量%以下で含有されていることが好ましい。この範囲とする場合には、POF1が、透明性及び可撓性に優れた光ファイバーとなり得る。特に、コア部2におけるcHAは、全モノマーにおいて8質量%以下で含有されていることが好ましい。
重合体が、モノマーの任意成分としてTCEAを含む場合、TCEAは、全モノマーにおいて10質量%以下で含有されていることが好ましい。この範囲とする場合には、POF1が、透明性及び可撓性に優れた光ファイバーとなり得る。特に、コア部2におけるTCEAは、全モノマーにおいて8質量%以下で含有されていることが好ましい。
重合体が、モノマーの任意成分としてiBoAを含む場合、iBoAは、全モノマーにおいて10質量%以下で含有されていることが好ましい。この範囲とする場合には、コア部2のガラス転移温度を上げることができ、POF1について、透明性及び可撓性を維持しながら耐熱性を向上させることができる。特に、コア部2におけるiBoAは、全モノマーにおいて8質量%以下で含有されていることが好ましい。
重合体が、モノマーの任意成分としてcHMAを含む場合、cHMAは、全モノマーにおいて10質量%以下で含有されていることが好ましい。この範囲とする場合には、POF1が、透明性及び可撓性に優れた光ファイバーとなり得る。特に、コア部2におけるcHMAは、全モノマーにおいて8質量%以下で含有されていることが好ましい。
MMA、MA、N−cHMI、cHA、TCEA、iBoA、及びcHMAから選択される少なくとも2種を含むモノマーが用いられる場合には、これらの総量が、全モノマーにおいて30質量%以下であり、20質量%以下であることが好ましい。
コア部2は、屈折率調整剤を含む。コア部2が屈折率調整剤を含むことにより、POF1におけるコア部2の屈折率を変化させ、屈折率分布をもたせることができる。なかでも、中心から半径方向に向かって屈折率が低下しているものが好ましい。このような屈折率分布をもたせることにより、POF1の通信速度を向上させることができる。特に、屈折率分布をもたせるために、コア部2において屈折率調整剤の濃度分布を調整することが有効である。なお、屈折率調整剤は、クラッド部3にも含有されていてもよい。
屈折率調整剤は、コア部2の主たる構成成分である重合体と相溶性があり、これら重合体の屈折率よりも高い又は低い屈折率をもつ化合物であることが適している。相溶性の良好な化合物を用いることにより、コア部2の濁りを生じさせず、散乱損失を極力抑え、通信できる距離を増大させることができる。
高い屈折率を有する化合物が屈折率調整剤として用いられる場合は、POF1の中心から半径方向に向かって屈折率調整剤の濃度が低下するように濃度分布を調整することにより、POF1に、中心から半径方向に向かって屈折率が低下する屈折率分布をもたせることができる。低い屈折率を有する化合物が屈折率調整剤として用いられる場合は、POF1の中心から半径方向に向かって屈折率調整剤の濃度が上昇するように濃度分布を調整することにより、POF1に、中心から半径方向に向かって屈折率が低下する屈折率分布をもたせることができる。
また、屈折率調整剤を配合する際に、二種類以上の屈折率の異なる化合物を配合してもよい。この二種類以上の化合物の中に、コア部2の主たる構成成分である重合体の屈折率と比較して、高屈折率の化合物及び低屈折率の化合物が含まれてもよい。このような高屈折率の化合物及び低屈折率の化合物を併用することにより、高屈折率の化合物のみ又は低屈折率の化合物のみを配合した場合と比較して、これと同じ屈折率差を得るために配合させる屈折率調整剤の添加量を相対的に少なくすることができる。このため、ガラス転移点が相対的に高くなり、これによって得られるPOF1の耐熱性を向上させることができる。
本実施形態におけるPOF1では、コア部2に含まれる屈折率調整剤が、50℃以上90℃以下の融点を有することが好ましい。屈折率調整剤の融点が50℃以上であることにより、長期間での使用及び/又は高温下での使用によっても屈折率調整剤の拡散が進みにくくなるので、コア部中心からクラッド部までの屈折率の傾斜を維持すること、すなわち屈折率分布を維持することができる。その結果、POF1の伝送帯域の減少が抑制されるので、通信速度が低下しにくい。屈折率調整剤の融点が90℃以下であることにより、屈折率調整剤が拡散しやすくなるので屈折率分布の形成が容易となり、例えば、少ない量の屈折率調整剤でも所望の屈折率分布を形成できる。このように、50℃以上90℃以下の融点を有する屈折率調整剤を用いることにより、長期間での使用及び/又は高温下での使用によってもPOF1の伝送帯域の減少を小さく抑えて通信速度の低下を抑制でき、かつPOF1の作製時に屈折率分布を形成しやすい、という効果が得られる。
50℃以上90℃以下の融点を有する屈折率調整剤として、例えば、69〜72℃の融点を有するジフェニルスルホキシド(以下、「DPSO」と記載する)及び58〜60℃の融点を有するジフェニルジスルフィド(以下、「DPDS」と記載する)が挙げられる。屈折率調整剤が、DPSOを主たる構成成分として含むことが好ましい。DPSOは、屈折率分布を形成しやすいためPOF1に大きい伝送帯域を実現しやすく、コア部2の重合体と高い相溶性を有するのでコア部2の高い透明性も実現でき、かつコア部2に優れた耐久性も付与し得る。
コア部2に含有させる屈折率調整剤の量は、コア部2を構成する重合体の組成、意図する屈折率、用いるクラッド部3を構成する重合体の屈折率、用いる屈折率調整剤の種類等によって適宜調整することができる。
例えば、50℃以上90℃以下の融点を有する屈折率調整剤が用いられる場合、コア部2における屈折率調整剤の含有割合は、10質量%以下が好ましく、8質量%以下がより好ましく、7質量%以下がより一層好ましい。50℃以上90℃以下の融点を有する屈折率調整剤が用いられる場合に屈折率調整剤の含有割合を上記範囲とすることにより、コア部2のガラス転移温度の低下が抑制されるので、POF1の耐熱性を向上させることができ、さらに伝送帯域の経時的な減少を小さく抑えることができる。
また、50℃以上90℃以下の融点を有する屈折率調整剤が用いられる場合、コア部2における屈折率調整剤の含有割合は、0質量%を超え、2質量%以上が好ましい。50℃以上90℃以下の融点を有する屈折率調整剤が用いられる場合に屈折率調整剤の含有割合を上記範囲とすることにより、屈折率分布を形成しやすく、大きい伝送帯域を実現することができる。
クラッド部3を形成する重合体は、MMAを含んで形成されていることが適している。特に、MMAと、任意成分としてTCEMA、MA、N−cHMI、cHA、TCEA、iBoA及びcHMAから選択される少なくとも1種のモノマーとを含んで形成されている共重合体が適しており、MMAとこれら任意成分とを由来とする共重合体を主たる構成成分とするものが好ましい。ここで、クラッド部3は、主たる構成成分の他に、他の重合体、後述する屈折率調整剤、及び添加剤等を含んでいてもよい。
クラッド部3は、MMAを、全モノマーにおいて20質量%以上用いた重合体によって形成されることが適している。クラッド部3は、MMAのみが用いられた重合体によって形成されていてもよいし、全モノマーにおいてMMAが95質量%以下で用いられた重合体によって形成されていてもよい。特に、クラッド部3におけるMMAは、全モノマーにおいて30〜95質量%、30〜100質量%で含有されることが好ましい。
MMAを20質量%以上の割合で用いた重合体を、主たる構成成分としてクラッド部3を形成する場合には、可撓性に優れ、コア部2よりも屈折率を適度に低減させることができ、曲げ損失を抑え、かつ通信速度を向上させることができる。
任意成分であるTCEMAを用いる場合には、TCEMAは80質量%以下で用いられることが適している。この範囲とする場合には、クラッド部3の屈折率を適度に調節することができると同時に、ガラス転移温度を上げることができ、透明性、可撓性を維持しながら高速通信性、耐熱性に優れた光ファイバーとして使用することができる。特に、クラッド部3におけるTCEMAは、全モノマーにおいて70質量%以下で含有されていることが好ましい。
任意成分であるMAを用いる場合には、MAは10質量%以下で用いられることが適している。この範囲とする場合には、クラッド部3の屈折率を適度に調節することができ、透明性、可撓性を維持しながら高速通信性に優れた光ファイバーとして使用することができる。特に、クラッド部3におけるMAは、全モノマーにおいて8質量%以下で含有されていることが好ましい。
任意成分であるN−cHMIを用いる場合には、N−cHMIは20質量%以下で用いられることが適している。この範囲とする場合には、クラッド部3の屈折率を適度に調節することができると同時に、クラッド部3のガラス転移温度を上げることができ、透明性、可撓性を維持しながら高速通信性、耐熱性に優れた光ファイバーとして使用することができる。特に、クラッド部3におけるN−cHMIは、全モノマーにおいて15質量%以下で含有されていることが好ましい。
任意成分であるcHAを用いる場合には、cHAは10質量%以下で用いられることが適している。この範囲とする場合には、クラッド部3の屈折率を適度に調節することができ、透明性、可撓性を維持しながら高速通信性に優れた光ファイバーとして使用することができる。特に、クラッド部3におけるcHAは、全モノマーにおいて8質量%以下で含有されていることが好ましい。
任意成分であるTCEAを用いる場合には、TCEAは10質量%以下で用いられることが適している。この範囲とする場合には、クラッド部3の屈折率を適度に調節することができ、透明性、可撓性を維持しながら高速通信性に優れた光ファイバーとして使用することができる。特に、クラッド部3におけるTCEAは、全モノマーにおいて8質量%以下で含有されていることが好ましい。
任意成分であるiBoAを用いる場合には、iBoAは10質量%以下で用いられることが適している。この範囲とする場合には、クラッド部3の屈折率を適度に調節することができると同時に、クラッド部3のガラス転移温度を上げることができ、透明性、可撓性を維持しながら高速通信性、耐熱性に優れた光ファイバーとして使用することができる。特に、クラッド部3におけるiBoAは、全モノマーにおいて8質量%以下で含有されていることが好ましい。
任意成分であるcHMAを用いる場合には、cHMAは10質量%以下で用いられることが適している。この範囲とする場合には、クラッド部3の屈折率を適度に調節することができ、透明性、可撓性を維持しながら高速通信性に優れた光ファイバーとして使用することができる。特に、クラッド部3におけるcHMAは、全モノマーにおいて8質量%以下で含有されていることが好ましい。
任意成分であるTCEMA、MA、N−cHMI、cHA、TCEA、iBoA、及びcHMAから選択される少なくとも2種を含むモノマーを用いる場合には、これらの総量が、全モノマーにおいて80質量%以下であることが好ましい。
クラッド部3は、重合体成分としては、MMAと、任意成分としてTCEMA、MA、N−cHMI、cHA、TCEA、iBoA、及びcHMAから選択される少なくとも1種のモノマーによって形成された重合体のみで形成されることが好ましい。
なお、コア部2を構成する重合体及びクラッド部3を構成する重合体は、同一組成、つまり、構成モノマー種及びその割合が同一であってもよいが、異なる組成であることが好ましい。
本実施形態におけるPOF1は、図2に示すように、クラッド部3の外周に配置され、かつクラッド部3を被覆する被覆層4をさらに含んでいてもよい。なお、ここでの「被覆層」とは、POFにおける「オーバークラッド部」に相当する。
被覆層4は、プラスチックで形成されていることが好ましい。被覆層4を形成するプラスチックは、機械強度特性に優れ、かつクラッド部3と十分な密着性が得られるものであれば特に限定されないが、ポリカーボネートが好ましい。ポリカーボネートを用いることにより、POF1は、透明性及び耐熱性を維持しながら、可撓性に優れた光ファイバーとして使用されることができる。被覆層4は、ポリカーボネートを主たる構成成分として含むプラスチックで構成されていることが好まし。ポリカーボネートを主たる構成成分とするプラスチックは、耐薬品性、流動性に優れる点で、ポリエステルと複合された変性ポリカーボネートであってもよい。被覆層4の厚みは、特に限定されないが、例えば50μm以上500μm以下とすることができる。この範囲とすることにより、POF1は、可撓性に優れ、かつ柔軟性等の光ファイバーに必要な物性を満足できる。
本実施形態のPOF1のコア部2及びクラッド部3を構成する重合体は、当該分野で公知の方法によって製造することができる。例えば、重合体を構成するモノマーの混合物を、溶液重合、塊状重合、乳化重合、又は懸濁重合等に付す方法などが挙げられる。なかでも、異物、不純物の混入を防ぐという観点から、塊状重合法が好ましい。
この際の重合温度は、特に限定されず、例えば、80〜150℃程度が適している。反応時間は、モノマーの量、種類、後述する重合開始剤、連鎖移動剤等の量、及び反応温度等に応じて適宜調整することができ、20〜60時間程度が適している。
これらの重合体は、コア部2及び/又はクラッド部3を成形する際に、同時に又は連続して製造してもよい。
コア部2及び/又はクラッド部3を構成する重合体は、上述したTCEMA、MMA、MA、N−cHMI、cHA、TCEA、iBoA、及びcHMA以外に、他のモノマー成分を用いないことが好ましい。しかし、コア部2及び/又はクラッド部3を構成する重合体は、得られるPOF1の特性を損なわない範囲で、さらに重合性モノマー等を含有していてもよい。
例えば、(メタ)アクリル酸エステル系化合物として、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸ペンタフルオロフェニル、メタクリル酸トリフルオロエチル、メタクリル酸ヘキサフルオロイソプロピル、フルオロアクリル酸ヘキサフルオロイソプロピル等;スチレン系化合物として、スチレン、α−メチルスチレン、フルオロスチレン、ペンタフルオロスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン等;ビニルエステル類として、ビニルアセテート、ビニルベンゾエート、ビニルフェニルアセテート、ビニルクロロアセテート等;マレイミド類として、マレイミド、N−メチルマレイミド、N―n−ブチルマレイミド、N―tert−ブチルマレイミド、N―イソプロピルマレイミド、N−フェニルマレイミド等;その他、フマル酸ジシクロヘキシル、アクリロニトリル、9−ビニルカルバゾール、メタクリル酸無水物等;及びこれらモノマーの重水素置換物等が例示される。
重合体を製造する際、重合開始剤及び/又は連鎖移動剤等の添加剤を使用することが好ましい。
重合開始剤としては、通常のラジカル開始剤が挙げられる。例えば、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、n−ブチル4,4,ビス(t−ブチルパーオキシ)バラレートなどのパーオキサイド系化合物;2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1'―アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2'−アゾビス(2−メチルプロパン)、2,2'−アゾビス(2−メチルブタン)、2,2'−アゾビス(2−メチルペンタン)、2,2'−アゾビス(2,3−ジメチルブタン)、2,2'−アゾビス(2−メチルヘキサン)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルペンタン)、2,2'−アゾビス(2,3,3−トリメチルブタン)、2,2'−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、3,3'−アゾビス(3−メチルペンタン)、3,3'−アゾビス(3−メチルヘキサン)、3,3'−アゾビス(3,4−ジメチルペンタン)、3,3'−アゾビス(3−エチルペンタン)、ジメチル−2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジエチル−2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジ−t−ブチル−2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などのアゾ系化合物等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
重合開始剤は、全モノマーに対して0.01〜2質量%程度で用いることが適している。
連鎖移動剤としては、特に限定されることなく、公知のものを用いることができる。例えば、アルキルメルカプタン類(n−ブチルメルカプタン、n−ペンチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ラウリルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン等)、チオフェノール類(チオフェノール、m−ブロモチオフェノール、p−ブロモチオフェノール、m−トルエンチオール、p−トルエンチオール等)等が挙げられる。なかでも、n−ブチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ラウリルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタンが好適に用いられる。また、C−H結合の水素原子が重水素原子又はフッ素原子で置換された連鎖移動剤を用いてもよい。これらは、単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
連鎖移動剤は、通常、成形上及び物性上、適当な分子量に調整するために用いられる。各モノマーに対する連鎖移動剤の連鎖移動定数は、例えば、ポリマーハンドブック第3版(J.BRANDRUP及びE.H.IMMERGUT編、JOHN WILEY&SON発行)「高分子合成の実験法」(大津隆行、木下雅悦共著、化学同人、昭和47年刊)等を参考にして、実験によって求めることができる。よって、連鎖移動定数を考慮して、モノマーの種類等に応じて、適宜、その種類及び添加量を調整することが好ましい。例えば、全モノマーに対して0.01〜4質量%程度が挙げられる。
コア部2及び/又はクラッド部3を構成する重合体は、重量平均分子量が5〜30万程度の範囲のものが適しており、15〜25万程度のものが好ましい。適当な強度、可撓性、及び透明性等を確保するためである。なお、コア部2とクラッド部3においては、例えば、粘度調整等のために、分子量が異なっていてもよい。重量平均分子量は、例えば、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定されたポリスチレン換算の値を指す。
本実施形態のPOF1を構成する重合体には、光ファイバーとしての透明性及び耐熱性等の性能を損なわない範囲で、必要に応じて、配合剤、例えば、熱安定化助剤、加工助剤、耐熱向上剤、酸化防止剤、光安定剤等の添加剤を配合してもよい。これらは、それぞれ、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
耐熱向上剤としては、例えば、α−メチルスチレン系、N−フェニルマレイミド系等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系抗酸化剤等が挙げられる。
光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系の光安定剤等が挙げられる。
これらの配合物とモノマー又は重合体とを混合する方法は、例えば、ホットブレンド法、コールドブレンド法、溶液混合法等が挙げられる。
本実施形態のPOF1を製造する方法としては、当該分野で公知の方法を利用することができる。
本実施形態のPOF1の製造方法としては、例えば、コア部2の外周にクラッド部3を形成するために、界面ゲル重合法、回転重合、溶融押出法、複合溶融紡糸、及びロッドインチューブ法等を利用することができる。
予めプリフォームを形成し、延伸、線引き等を行ってもよいし、直接ファイバーを形成してもよい。
本実施形態のPOF1の製造方法として、例えば、溶融押出法を利用してコア部2、クラッド部3、さらに必要に応じて被覆層4を備えたPOF1を成形し、さらに成形時に熱処理を施して屈折率調整剤を拡散させて屈折率分布を形成する方法が好適に用いられる。なお、このような方法は、屈折率調整剤をドーパントとして、「溶融押出ドーパント拡散法」と呼ばれる。
溶融押出ドーパント拡散法を利用する、本実施形態のPOF1を製造する方法の一例として、以下の工程(I)及び(II)を含む方法が挙げられる:
(I)TCEMAを70質量%以上含むモノマーの重合体を主たる構成成分として含み、かつ屈折率調整剤をさらに含むコア部形成用材料を含むプリフォームを用意する工程、
(II)前記プリフォームを溶融させてファイバー状に押出成形し、得られたファイバー状の成形体に対し所定の温度条件で熱処理を施して前記成形体中の前記屈折率調整剤を拡散させて、屈折率分布を有するコア部2を形成する工程。
上記方法では、工程(II)において、クラッド部3を構成する重合体等を含むクラッド部形成用材料を加熱溶融し、加熱溶融されたクラッド部形成用材料によって、コア部2となるファイバー状の成形体の側面を被覆して、クラッド部3を形成してもよい。さらに、被覆層4を形成する場合も、同様に、工程(II)において、被覆層4を構成するプラスチック等の被覆層形成用材料を加熱溶融し、加熱溶融された被覆層形成用材料によって、クラッド部3となる層の外周を被覆して、被覆層4を形成してもよい。
図3には、本実施形態のPOF1が上記方法によって製造される場合に用いられ得る装置の一例である、紡糸装置100の概略断面図が示されている。この装置100を用いた場合の本実施形態のPOF1の製造方法の具体例を、以下に説明する。
図3に示すように、紡糸装置100は、金属部材20、第1室30、及び第2室35を備えている。金属部材20は、第1室30に接続されている。第1室30は、配管を介して第2室35に接続されている。金属部材20、第1室30、及び第2室35は、例えば、鉛直方向下方に向かってこの順に並んでいる。
金属部材20は、上方の第1開口部21と下方の第2開口部23とにおいてその内部空間が外部と連通している筒状の部材である。金属部材20の内部空間には、コア部形成用材料を含むプリフォーム(コアプリフォーム)10が収容されている。金属部材20の底部、すなわち金属部材20の第2開口部23側を加熱することによって、コアプリフォーム10を溶融させることができる。金属部材20の上方の第1開口部21は、蓋27によって閉じられている。蓋27には、配管41が接続されている。配管41を通じて、金属部材20に不活性ガスを送ることができる。配管41には、ポンプ40が配置されている。ポンプ40によって、不活性ガスを昇圧することができる。金属部材20金属部材20に不活性ガスを送ると、金属部材20の内圧が上昇する。金属部材20の内圧が上昇すると、コアプリフォーム10の溶融物が金属部材20の第2開口部23から押し出され、ファイバー状の成形体2を得ることができる。図3に示す例では、成形体2は、POF1のコア部2に相当する。
次に、成形体2を第1室30に送る。第1室30には、第1樹脂供給部50が配置されている。第1樹脂供給部50を用いて、クラッド部3を形成するためのクラッド部形成用材料である樹脂を、第1室30内に供給できる。クラッド部形成用材料は、第1樹脂供給部50において、予め溶融されていてもよい。第1室30内において、成形体2をクラッド部形成用材料で被覆することによって、成形体2の外周を覆うクラッド部3を形成することができる。
次に、クラッド部3によって被覆された成形体2を第2室35に送る。第2室35には、第2樹脂供給部55が配置されている。第2樹脂供給部55を用いて、クラッド部3の外周に配置される被覆層4を形成するための被覆層形成用材料である樹脂を、第2室35内に供給できる。被覆層形成用材料は、第2樹脂供給部55において、予め溶融されていてもよい。第2室35内において、クラッド部3を被覆層形成用材料で被覆することによって、クラッド部3の外周を覆う被覆層4を形成することができる。
クラッド部3及び被覆層4によって被覆された成形体2について、加熱処理が行われる。この加熱処理によって、例えば、成形体2に含まれる屈折率調整剤をクラッド部3に向かう方向に拡散させることができる。紡糸装置100は、第2室35よりも下流側に、成形体2を加熱するためのヒーターが配置された配管(加熱経路)をさらに備えていてもよい。成形体2をこの配管内に送ることによって、成形体2について加熱処理を行うことができる。
以上の方法により、紡糸装置100を用いて本実施形態のPOF1を製造することができる。
(実施形態2)
本発明の実施形態2におけるPOFは、コア部と、コア部の外周に配置されたクラッド部と、クラッド部の外周に配置された被覆層とを備える。コア部が、TCEMAを70質量%以上含むモノマーの重合体を主たる構成成分として含み、かつ50℃以上90℃以下の融点を有する屈折率調整剤を10質量%以下の範囲でさらに含む。実施形態2におけるPOFは、図1及び2に示された実施形態1におけるPOF1と、同様の断面構造を有する。ただし、実施形態2におけるPOFは、コア部に含まれる屈折率調整剤が50℃以上90℃以下の融点を有し、かつコア部における屈折率調整剤の含有割合が10質量%以下であることが必須の構成である点において、実施形態1のPOF1と異なる。なお、実施形態2におけるPOFは、実施形態1のPOF1が備える必須の特性の「加速試験後の伝送帯域の減少率が10%以下」を備えることが好ましいが、備えていなくてもよい。
実施形態2におけるPOFでは、上述のとおり、コア部が50℃以上90℃以下の融点を有する屈折率調整剤を、10質量%以下の範囲で含む。屈折率調整剤の融点が50℃以上であることにより、長期間での使用及び/又は高温下での使用によっても屈折率調整剤の拡散が進みにくくなるので、コア部中心からクラッド部までの屈折率の傾斜を維持すること、すなわち屈折率分布を維持することができる。したがって、実施形態2におけるPOFでは、例えば、85℃で1000時間の加速試験の前のPOFの伝送帯域に対する、当該加速試験の後のPOFの伝送帯域の減少率を小さく(例えば、10%以下)抑えることができる。その結果、長期間での使用及び/又は高温下での使用による通信速度の低下を抑制できる。屈折率調整剤の融点が90℃以下であることにより、屈折率調整剤が拡散しやすくなるので屈折率分布の形成が容易となり、例えば、少ない量の屈折率調整剤でも所望の屈折率分布を形成できる。このように、50℃以上90℃以下の融点を有する屈折率調整剤を用いることにより、長期間での使用及び/又は高温下での使用によってもPOFの伝送帯域の減少を小さく抑えて通信速度の低下を抑制でき、かつPOFの作製時には屈折率分布を形成しやすいPOFを実現できる。
50℃以上90℃以下の融点を有する屈折率調整剤として、実施形態1で例示したように、例えば、DPSO及びDPDSが挙げられる。屈折率調整剤が、DPSOを主たる構成成分として含むことが好ましい。DPSOは、屈折率分布を形成しやすいためPOFに大きい伝送帯域を実現しやすく、コア部の重合体と高い相溶性を有するのでコア部の高い透明性も実現でき、かつコア部に優れた耐久性も付与し得る。
コア部における屈折率調整剤の含有割合は、10質量%以下であり、8質量%以下が好ましく、7質量%以下がより好ましい。50℃以上90℃以下の融点を有する屈折率調整剤が用いられる場合に屈折率調整剤の含有割合を上記範囲とすることにより、コア部のガラス転移温度の低下が抑制されるので、POFの耐熱性を向上させることができ、さらに伝送帯域の経時的な減少を小さく抑えることができる。
また、コア部における屈折率調整剤の含有割合は、0質量%を超え、2質量%以上が好ましい。50℃以上90℃以下の融点を有する屈折率調整剤が用いられる場合に屈折率調整剤の含有割合を上記範囲とすることにより、屈折率分布を形成しやすく、大きい伝送帯域を実現することができる。
実施形態2におけるPOFは、コア部に含まれる屈折率調整剤が上記のとおりである点と、「加速試験後の伝送帯域の減少率が10%以下」の特性が任意である点とにおいて、実施形態1のPOF1と異なるが、これらの点以外(例えば、コア部を構成する重合体、クラッド部の材料、任意の構成である被覆層、及びPOFの製造方法等)は、実施形態1と同じであるので、ここでは詳細な説明を省略する。
以下、実施例により、本発明をより詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施例に限定されない。
(実施例1)
<コアプリフォームの作製>
まず、500mLのテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)製の容器に、蒸留精製したTCEMA280g、N−cHMI8.7g、及び、屈折率調整剤としてDPSO12.05gを加え、攪拌し溶解させることによって溶液を得た。溶液に、重合開始剤としてジ−t−ブチルパーオキサイド115μL、及び、連鎖移動剤としてn−ラウリルメルカプタン520μLを添加した。得られた混合物について、細孔径0.2μmのメンブレンフィルタを用いて濾過を行った後に、さらに、細孔径0.1μmのメンブレンフィルタを用いて濾過を行った。
次に、円柱状のガラス製の容器に、濾液を加えた。次に、容器の上部にSUS製の蓋を配置した。蓋には、容器内に窒素を導入するための開口と真空ポンプで容器内を減圧するための開口とが形成されていた。次に、容器中の濾液について凍結脱気を3回行い、濾液中の溶存酸素を取り除いた。凍結脱気は、次の方法によって行った。まず、容器の底部を液体窒素に浸漬させて、濾液を凍結させた後に、容器内を約0.1kPaまで減圧した。その後、容器の底部をエタノールや水に浸漬させて濾液の温度を室温まで上昇させ、濾液を解凍した。
凍結脱気を行った後、容器内の雰囲気を窒素で置換した。次に、容器を乾燥機内に配置し、85℃〜130℃で30時間加熱することによって重合反応を行った。重合反応後、ガラス製の容器を割って、コア部形成用材料からなるコアプリフォームを得た。コアプリフォームは、直径38mm、長さ190mmの形状を有していた。表1に、コア部形成用材料における、重合体のモノマー及び屈折率調整剤の含有割合(質量%)が示される。また、表2は、コア部形成用材料における重合体の全モノマーに対する、各モノマー(TCEMA及びN−cHMI)の含有割合(質量%)を示す。
<POFの作製>
光ファイバーの作製には、図3に示した紡糸装置100と同様の構成を有する装置が用いられた。
本実施例で用いられた紡糸装置は、コアプリフォームを設置するための金属部材、クラッド部を形成するための樹脂を供給する第1樹脂供給部、及び、被覆層を形成するための樹脂を供給する第2樹脂供給部を備えていた。コアプリフォームを設置するための金属部材は、コアプリフォームの直径よりも約1mm大きい内径を有する筒状体であった。クラッド部を形成するための樹脂としては、ポリメチルメタクリレート(PMMA)(三菱ケミカル社製のアクリペット)を用いた。被覆層を形成するための樹脂としては、ポリエステル変性ポリカーボネート(PC)(SABIC Innovative Plastics社製のXYLEX X7200)を用いた。
次に、コアプリフォームが設置された金属部材の底部を150℃に加熱し、プリフォームを溶融させた。金属部材内に窒素を導入することによって、プリフォームを金属部材の底部から押し出した。これにより、ファイバー状の成形体を得た。次に、第1樹脂供給部からPMMAを供給し、成形体をPMMAからなるクラッド部で被覆した。さらに、第2樹脂供給部からPCを供給し、クラッド部をPCからなる被覆層で被覆した。次に、ヒーターが配置された配管に、コア部となるファイバー状の成形体、クラッド部、及び被覆層からなる同心円状の3層ファイバーを送り、加熱処理を行った。この加熱処理により、コア部に含まれた屈折率調整剤がクラッド部に向かう方向に拡散し、屈折率分布が形成された。これにより、コア部、クラッド部、及び被覆層を有し、かつ屈折率分布を有する、実施例1のPOFを得た。すなわち、実施例1のPOFは、GI型POFであった。実施例1のPOFのコア部の直径は、約100μmであった。クラッド部の外径は、約240μmであった。被覆層の外径は、約470μmであった。
<コア部のガラス転移温度(Tg)の測定>
実施例1のPOFのコア部のガラス転移温度が測定された。コア部のガラス転移温度は、次の方法によって測定された。TA Instruments製の示差走査熱量装置(DSC)Q−2000を用い、測定試料を約5mg採取して、これをアルミニウム製簡易密閉容器に入れて、DSC測定を行った。測定条件は以下のとおりであった。
温度プログラム:−80℃→200℃
測定速度:10℃/min
雰囲気ガス:N2(50ml/min)
測定されたコア部のガラス転移温度は、表1に示される。
<POFの評価>
実施例1のPOFについて、(1)波長780nmの光の伝送損失、(2)加速試験の前の波長780nmの光の伝送帯域(初期の伝送帯域)、(3)加速試験の後の波長780nmの光の伝送帯域、(4)コア部における重合体と屈折率調整剤との相溶性、及び(5)コア部の色味、を評価した。各評価項目の評価方法は以下のとおりであった。
(1)伝送損失
POFにおける波長780nmの光の伝送損失は、JIS C6823:2010に規定されたカットバック法に準拠して、以下の方法で測定された。
まず、長さ20mの被測定POFを準備した。このPOFの入射端に波長780nmの光を導入し、POFの出射端から放射された光のパワーP2を測定した。
次に、POFを長さ2mのカットバック長(すなわち、入射位置から2m)に切断した。長さ2mのPOFの入射端に波長780nmの光を導入し、このPOFの出射端から放射された光のパワーP1を測定した。すなわち、被測定POFのカットバック長からの出力光パワーP1が測定された。
測定結果に基づいて、以下の式(1)から伝送損失を算出した。なお、以下の式(1)において、Aは、POF1km当たりの伝送損失(dB/km)を意味する。Lは、切断後のPOFの長さ(km)(つまり0.018km)を意味する。
A=10×log(P1/P2)/L …(1)
ここで、本実施例では、POFに波長780nmの光を導入するための発光装置として、澤木工房社製FOLS−01を用いた。POFの出射端から放射された光のパワーは、エーディーシー社製8230を用いて測定された。伝送損失の測定結果は、表1に示される。
(2)加速試験の前の波長780nmの光の伝送帯域
作製されたPOFについて、加速試験の前に、波長780nmの光における伝送帯域を測定した。すなわち、POFの初期の伝送帯域が測定された。伝送帯域の測定は、具体的には、JIS C6824:2009に規定されたパルス法に準拠して行われた。POFにパルス光を導入するための発光装置としては、浜松ホトニクス社製のPLP−10レーザーダイオードヘッドを用い、光オシロスコープとしては、浜松ホトニクス社製のC8188−12を用いた。POFの長さは、20mであった。伝送帯域の測定は、コア径250μmの三菱ケミカル社製のステップインデックスPOFによる全モード励振にて行った。加速試験の前の伝送帯域の測定結果は、表1に示される。
(3)加速試験の後の波長780nmの光の伝送帯域
後述の加速試験が実施された後のPOFについて、波長780nmの光における伝送帯域を測定した。伝送帯域の具体的な測定方法は、上述の加速試験の前の波長780nmの光の伝送帯域の測定方法と同じであった。加速試験の後の伝送帯域の測定結果は、表1に示される。
(4)コア部における重合体と屈折率調整剤との相溶性
コア部における重合体と屈折率調整剤との相溶性は、コアプリファームの作製時に調製された溶液を目視で確認することによって評価された。相溶性の評価結果は、表1に示される。
(5)コア部の色味
コア部の色味は、コアプリファームの色味を目視で確認することによって評価された。色味の評価結果は、表1に示される。
<加速試験>
POFの加速試験は、ESPEC社製、型式LC−114の定温恒温器の中にPOFを入れて、POFを85℃の環境下に1000時間置くことによって実施された。加速試験前後の伝送帯域の測定結果を用いて、加速試験の前の伝送帯域に対する、加速試験の後の伝送帯域の減少率が、以下の式(2)により求められた。減少率の結果は、表1に示されている。
減少率(%)={[(加速試験前の伝送帯域)−(加速試験後の伝送帯域)]/(加速試験前の伝送帯域)}×100 …(2)
(実施例2〜9)
コアプリファームの作製において、コア部形成用材料における重合体のモノマー及び屈折率調整剤の含有割合が表1に示されたようになるように、N−cHMI又は屈折率調整剤の配合量が変更された。これ以外は、実施例1と同様の方法で、POFの作製及び評価が行われた。
(比較例1)
コアプリファームの作製において、屈折率調整剤としてDPSOの代わりにDPSが用いられた。これ以外は、実施例1と同様の方法で、比較例1のPOFの作製及び評価が行われた。
(比較例2)
コアプリファームの作製において、屈折率調整剤としてDPSOの代わりにDPSが用いられた。さらに、コア部形成用材料における重合体のモノマー及び屈折率調整剤の含有割合が表1に示されたようになるように、屈折率調整剤の配合量が変更された。これら以外は、実施例1と同様の方法で、比較例2のPOFの作製及び評価が行われた。
Figure 2020173390
Figure 2020173390
表1に示すとおり、実施例1〜9のPOFは、加速試験後の伝送帯域の減少率が10%以下であり、長期間での使用及び/又は高温下での使用によっても通信速度の低下が生じにくいPOFであった。なお、実施例1〜9のPOFには、加速試験後の伝送帯域の減少率がマイナスの値となっている、すなわち加速試験によって伝送帯域が増大したPOFが含まれているが、これは、加速試験後のPOFでは高次モードの光が抜けるため、伝送帯域が増大したためと考えられる。さらに、実施例1〜9のPOFは、伝送損失も小さく、相溶性及び色味の点でも優れていた。これに対し、屈折率調整剤として低融点のDPSが用いられた比較例1及び2のPOFは、加速試験後の伝送帯域の減少率が大きく(10%を超えており)、長期間での使用及び/又は高温下での使用によって通信速度が低下すると予測される。また、比較例2では、加速試験後の伝送帯域の減少を考慮して屈折率調整剤の含有割合を増加させたが、加速試験後の伝送帯域は狭く、さらに色味も黄色味がかっていた。
本発明のPOFは、高速通信の用途に適している。
1 POF
2 コア部
3 クラッド部
4 被覆層
10 コアプリフォーム

Claims (8)

  1. コア部と、
    前記コア部の外周に配置されたクラッド部と、
    を備えたプラスチック光ファイバーであって、
    前記コア部が、トリクロロエチルメタクリレートを70質量%以上含むモノマーの重合体を主たる構成成分として含み、かつ屈折率調整剤をさらに含み、
    85℃で1000時間の加速試験の前の前記プラスチック光ファイバーの伝送帯域に対する、前記加速試験の後の前記プラスチック光ファイバーの伝送帯域の減少率が、10%以下である、
    プラスチック光ファイバー。
    ここで、前記伝送帯域は、長さ20mの前記プラスチック光ファイバーについて測定された、波長780nmの光における伝送帯域測定値である。
  2. コア部と、
    前記コア部の外周に配置されたクラッド部と、
    を備えたプラスチック光ファイバーであって、
    前記コア部が、トリクロロエチルメタクリレートを70質量%以上含むモノマーの重合体を主たる構成成分として含み、かつ50℃以上90℃以下の融点を有する屈折率調整剤を10質量%以下の範囲でさらに含む、
    プラスチック光ファイバー。
  3. 前記屈折率調整剤が、ジフェニルスルホキシドを主たる構成成分として含む、
    請求項1又は2に記載のプラスチック光ファイバー。
  4. 前記重合体は、
    トリクロロエチルメタクリレートと、
    メチルメタクリレート、メチルアクリレート、Nシクロヘキシルマレイミド、シクロヘキシルアクリレート、トリクロロエチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、及びシクロヘキシルメタクリレートよりなる群より選ばれる少なくとも1種のモノマーと、
    を構成単位とする共重合体である、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のプラスチック光ファイバー。
  5. 前記クラッド部は、
    メチルメタクリレートと、
    トリクロロエチルメタクリレート、メチルアクリレート、Nシクロヘキシルマレイミド、シクロヘキシルアクリレート、トリクロロエチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、及びシクロヘキシルメタクリレートよりなる群より選ばれる少なくとも1種のモノマーと、
    を構成単位とする共重合体を主たる構成成分として含む、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載のプラスチック光ファイバー。
  6. 前記クラッド部の外周に配置され、かつ前記クラッド部を被覆する被覆層をさらに含み、
    前記被覆層は、ポリカーボネートを主たる構成成分として含むプラスチックで構成されている、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載のプラスチック光ファイバー。
  7. 前記コア部は、屈折率分布を有する、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載のプラスチック光ファイバー。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のプラスチック光ファイバーを製造する方法であって、
    (I)トリクロロエチルメタクリレートを70質量%以上含むモノマーの重合体を主たる構成成分として含み、かつ屈折率調整剤をさらに含むコア部形成用材料を含むプリフォームを用意する工程と、
    (II)前記プリフォームを溶融させてファイバー状に押出成形し、得られたファイバー状の成形体に対し所定の温度条件で熱処理を施して前記成形体中の前記屈折率調整剤を拡散させて、屈折率分布を有するコア部を形成する工程と、
    を含む、プラスチック光ファイバーの製造方法。
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