JP2020163996A - 車両部材用樹脂成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】可塑剤を含む表皮層とポリウレタン発泡層の接着性が高いとともに、表皮層の耐熱老化性が良好である車両部材用樹脂成形品を提供する。
【解決手段】本発明は、表皮層2と芯材層5と、これらの層間にポリウレタン発泡層4を有する車両部材用樹脂成形品1であって、表皮層2は可塑剤を含み、表皮層2とポリウレタン発泡層4との間に、水酸基を含有するアクリル系樹脂で構成されている接着バリア層3が配置されており、前記水酸基を含有するアクリル系樹脂は、水酸基を有する(メタ)アクリレート由来の構成単位を20質量%以上60質量%以下、メチル(メタ)アクリレート由来の構成単位を40質量%以上80質量%以下含む車両部材用樹脂成形品に関する。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車内装材等の車両部材として好適に用いることができる車両部材用樹脂成形品に関する。
塩化ビニル系樹脂組成物等の樹脂組成物には、可塑剤を配合することで、該樹脂組成物を成形した成形体に柔軟性を持たせている。このような柔軟性を有する成形体を表皮層とし、芯材層、及び表皮層と芯材層の間に配置されたポリウレタン発泡層を有する樹脂成形品は、インストルメントパネル、ドアトリム等の自動車等の車両内装材として好適に用いられている。
しかしながら、表皮層に可塑剤を含む樹脂成形品の場合、熱や光等の影響により、可塑剤がポリウレタン発泡層に移行し、表皮層における可塑剤の含有量が低下することで、表皮層が硬化及び収縮するという問題があった。特許文献1には、塩化ビニル系樹脂成形品の表面にフッ素含有共重合体の硬化皮膜を形成することで、可塑剤のブリードアウトを防止することが提案されている。特許文献2には、可塑剤が発泡層に転移することを防止するコーティング剤によって発泡層のフォーム分子を取り囲むことが提案されている。
特開平5−163456号公報 特開2016−113141号公報
しかしながら、特許文献1では、表皮層とポリウレタン発泡層の接着性については検討されていない。特許文献2では、表皮層とポリウレタン発泡層の接着性を高めつつ、耐熱老化性をさらに向上する必要があった。
本発明は、可塑剤を含む表皮層とポリウレタン発泡層の接着性が高いとともに、耐熱老化性が良好である車両部材用樹脂成形品を提供する。
本発明は、表皮層と芯材層と、これらの層間にポリウレタン発泡層を有する車両部材用樹脂成形品であって、前記表皮層は可塑剤を含み、前記表皮層と前記ポリウレタン発泡層との間に、水酸基を含有するアクリル系樹脂で構成されている接着バリア層が配置されており、前記水酸基を含有するアクリル系樹脂は、水酸基を有する(メタ)アクリレート由来の構成単位を20質量%以上60質量%以下、メチル(メタ)アクリレート由来の構成単位を40質量%以上80質量%以下含むことを特徴とする車両部材用樹脂成形品に関する。
本発明の1以上の実施態様において、前記水酸基を有する(メタ)アクリレートは、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、及び4−ヒドロキシブチルアクリレートからなる群から選ばれる1種以上のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。
本発明の1以上の実施態様において、前記表皮層は、平均粒子径が50μm以上500μm以下の塩化ビニル系樹脂(A)100質量部に対して、可塑剤を110質量部以上180質量部以下、アクリル系重合体を4質量部以上23質量部以下含むことが好ましい。
本発明の1以上の実施態様において、前記アクリル系重合体は、(メタ)アクリル酸メチル由来の構成単位を40質量%以上95質量%以下と、炭素数が2以上の脂肪族アルコールの(メタ)アクリル酸エステル及び芳香族アルコールの(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも一種の(メタ)アクリル酸エステル由来の構成単位を5質量%以上60質量%以下含むことが好ましい。
本発明の1以上の実施態様において、塩化ビニル系樹脂(A)は、平均重合度が1350以上であることが好ましい。
本発明の1以上の実施態様において、前記芯材層が、ポリプロピレン系樹脂を含むことが好ましい。
本発明の1以上の実施態様において、前記車両部材用樹脂成形品は車両内装材であってもよい。
本発明によれば、可塑剤を含む表皮層とポリウレタン発泡層の接着性が高いとともに、表皮層の耐熱老化性が良好である車両部材用樹脂成形品を提供することができる。
図1は、本発明の1以上の実施形態に係る車両部材用樹脂成形品の模式的断面図である。
本発明の発明者らは、表皮層と芯材層と、これらの層間にポリウレタン発泡層を有する車両部材用樹脂成形品において、表皮層とポリウレタン発泡層の接着性を高めつつ、熱等により可塑剤が表皮層からポリウレタン発泡層へ移動することを抑制して耐熱老化性を向上することについて鋭意検討した。その結果、表皮層とポリウレタン発泡層との間に、水酸基を有する(メタ)アクリレート由来の構成単位を20質量%以上60質量%以下、及びメチル(メタ)アクリレート由来の構成単位を40質量%以上80質量%以下含む水酸基を含有するアクリル系樹脂で構成した接着バリア層を配置することで、可塑剤を含む表皮層とポリウレタン発泡層の接着性が高いとともに、可塑剤が表皮層からポリウレタン発泡層へ移動することを抑制されて表皮層の耐熱老化性が良好になることを見出した。
以下、図面等に基づいて、本発明の実施の形態を具体的に説明するが、本発明は以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
図1は本発明の1以上の実施形態に係る車両部材用樹脂成形品の模式的断面図である。該実施形態の車両部材用樹脂成形品1は、表皮層2、接着バリア層3、ポリウレタン発泡層4、芯材層5がこの順に積層された構造を有する。
表皮層2は、車両部材用樹脂成形品1の表面を構成するものであり、優れた耐薬品性や耐久性を有し、肌さわり感も良好である観点から、塩化ビニル系樹脂及び可塑剤を含む塩化ビニル系樹脂組成物で構成することが好ましく、塩化ビニル系樹脂組成物をパウダースラッシュ成形してなることがより好ましい。
塩化ビニル系樹脂組成物をパウダースラッシュ成形しやすい観点から、塩化ビニル系樹脂としては、平均粒子径が50μm以上500μm以下の塩化ビニル系樹脂(A)を用いることが好ましい。塩化ビニル系樹脂(A)の平均粒子径は、100μm以上であることがより好ましく、150μm以上であることがさらに好ましい。また、塩化ビニル系樹脂(A)の平均粒子径は、300μm以下であることがより好ましく、200μm以下であることがさらに好ましい。より具体的には、塩化ビニル系樹脂(A)の平均粒子径は、例えば、100μm以上300μm以下であることが好ましく、100μm以上200μm以下であることがより好ましく、150μm以上200μm以下であることがさらに好ましい。塩化ビニル系樹脂(A)の平均粒子径が上述した範囲内であると、塩化ビニル系樹脂組成物の粉体流動性が高まるとともに、塩化ビニル系樹脂組成物を成形した表皮層2とポリウレタン発泡層3との接着性が向上する。本発明において、塩化ビニル系樹脂(A)の平均粒子径は、JIS K 7369:2009に準じて測定する。
塩化ビニル系樹脂組成物の粉体化を容易にする観点から、塩化ビニル系樹脂(A)の平均重合度は1350以上であることが好ましく、平均重合度が1400以上であることがより好ましい。また、塩化ビニル系樹脂(A)の平均重合度の上限は特に限定されず、例えば、3800以下であればよく、塩化ビニル系樹脂組成物を成形した表皮層2の低温における柔軟性を高める観点から、平均重合度が3500以下であることが好ましく、3000以下であることがより好ましい。より具体的には、塩化ビニル系樹脂(A)の平均重合度は1700以上3800以下であることが好ましく、1700以上3500以下であることがより好ましく、2000以上3000以下であることがさらに好ましい。本発明において、塩化ビニル系樹脂(A)の平均重合度は、JIS K 6720−2:1999に準じて測定する。
塩化ビニル系樹脂(A)は、特に限定されないが、例えば、塩化ビニル単量体の単独重合体、塩化ビニル単量体と他の共重合可能な単量体との共重合体を用いることができる。他の共重合可能な単量体としては、特に限定されないが、例えば、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、塩化アリル、アリルグリシジルエーテル、アクリル酸エステル、ビニルエーテル等が挙げられる。塩化ビニル系樹脂(A)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
塩化ビニル系樹脂(A)は、例えば、懸濁重合法、塊状重合法等公知のいずれの重合法で製造してもよいが、コストが低く、熱安定性に優れる観点から、懸濁重合法にて製造することが好ましい。
前記塩化ビニル系樹脂組成物は、特に限定されないが、例えば、塩化ビニル系樹脂(A)を25質量%以上含んでもよく、30質量%以上含んでもよい。また、塩化ビニル系樹脂組成物は、例えば、塩化ビニル系樹脂(A)を60質量%以下含んでもよく、55質量%以下含んでもよく、50質量%以下含んでもよく、45質量%以下含んでもよい。より具体的に、前記塩化ビニル系樹脂組成物は、例えば、塩化ビニル系樹脂(A)を30質量%以上60質量%以下含んでもよく、35質量%以上55質量%以下含んでもよい。
前記塩化ビニル系樹脂組成物は、表皮層2の柔軟性及び耐熱老化性を高める観点から、塩化ビニル系樹脂(A)100質量部に対して、可塑剤を110質量部以上含むことが好ましく、115質量部以上含むことがより好ましく、120質量部以上含むことがさらに好ましい。また、塩化ビニル系樹脂組成物の粉体化を容易にする観点から、塩化ビニル系樹脂組成物は、塩化ビニル系樹脂(A)100質量部に対して、可塑剤を180質量部以下含むことが好ましく、170質量部以下含むことがより好ましく、160質量部以下含むことがさらに好ましい。より具体的には、塩化ビニル系樹脂組成物は、塩化ビニル系樹脂(A)100質量部に対して、可塑剤を110質量部以上180質量部以下含むことが好ましく、115質量部以上170質量部以下含むことがより好ましく、120質量部以上160質量部以下含むことがさらに好ましい。
前記可塑剤としては、塩化ビニル系樹脂の可塑剤として使用されるものであれば、特に限定されない。例えば、トリメリット酸系可塑剤、フタル酸系可塑剤、ピロメリット酸系可塑剤、エポキシ系可塑剤、ポリエステル系可塑剤等を用いることができる。可塑剤の移行性やブリードアウト性が少なく、耐熱老化性をより高める観点から、トリメリット酸系可塑剤を用いることが好ましい。低温における柔軟性を高める観点から、ポリエステル系可塑剤等を用いてもよい。汎用性の観点から、フタル酸系可塑剤を用いてもよい。
前記トリメリット酸系可塑剤としては、特に限定されないが、例えば、トリメリット酸トリ(2−エチルヘキシル)、トリメリット酸トリ(n−オクチル)、トリメリット酸トリイソオクチル、トリメリット酸トリイソデシル、トリメリット酸トリイソノニル、トリメリット酸ジ(n−オクチル)モノ(n−デシル)、トリメリット酸ジイソオクチルモノイソデシル等が挙げられる。
前記フタル酸系可塑剤としては、特に限定されないが、例えば、フタル酸ジ(n−ブチル)、フタル酸ジ(n−オクチル)、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸オクチルデシル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ブチルベンジル、イソフタル酸ジ(2−エチルヘキシル)等が挙げられる。
前記ピロメリット酸系可塑剤としては、特に限定されないが、例えば、ピロメリット酸テトラ(2−エチルヘキシル)、ピロメリット酸テトラ(n−オクチル)等が挙げられる。前記エポキシ系可塑剤としては、特に限定されないが、例えば、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化トール油脂肪酸(2−エチルヘキシル)等が挙げられる。
前記ポリエステル系可塑剤としては、特に限定されないが、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの重縮合反応により得られるポリエステル系可塑剤(末端処理されていてもよい)、エステル交換反応により得られるポリエステル系可塑剤等が挙げられる。多価カルボン酸としては、例えば、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の炭素数2〜10の脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸等のジカルボン酸等が挙げられる。多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール等のような炭素数2〜10のグリコールが挙げられる。前記ジカルボン酸としては、アジピン酸、セバチン酸等の脂肪族ジカルボン酸が好ましく、特に汎用性、価格、経時安定性の点でアジピン酸が望ましい。グリコールとしては、直鎖状又は側鎖状のいずれも使用でき必要に応じて適宜に選択される。前記グリコールは炭素数2〜6のものが好ましい。
アジピン酸ポリエステル系可塑剤としては、例えば、アジピン酸と1種類又は2種類以上の二価アルコールとの反応物が挙げられ、二価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1、6−ヘキサンジオール等が挙げられる。具体的には、ポリ(プロピレングリコール、アジピン酸)エステル、ポリ(ブタンジオール、アジピン酸)エステル、ポリ(エチレングリコール、アジピン酸)エステル、ポリ(1、6−ヘキサンジオール、ブタンジオール、アジピン酸)エステル、ポリ(ブタンジオール、エチレングリコール、アジピン酸)エステル、ポリ(エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、アジピン酸)エステル等が挙げられる。
上述した可塑剤は、1種を単独で用いても良く、2種以上を組合わせて使用してもよい。
表皮層2の動摩擦係数を低減して表面特性を高め、かつ熱老化による柔軟性の変化を抑制する観点から、前記塩化ビニル系樹脂組成物は、アクリル系重合体を含むことが好ましい。前記アクリル系重合体は、(メタ)アクリル酸メチル由来の構成単位を40質量%以上95質量%以下と、炭素数が2以上の脂肪族アルコールの(メタ)アクリル酸エステル及び芳香族アルコールの(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも一種の(メタ)アクリル酸エステル由来の構成単位を5質量%以上60質量%以下含むことが好ましい。このようなアクリル系重合体を用いることで、該塩化ビニル系樹脂組成物を成形してなる表皮層2の表面特性が良好になるとともに、熱老化後の柔軟性を高めることができる。また、アクリル系重合体と可塑剤の相溶性が高くなり、可塑剤がポリウレタン発泡層3へ移行することを抑制することができる。脂肪族アルコールの(メタ)アクリル酸エステルにおいて、前記脂肪族アルコールは、直鎖、分岐鎖及び環式のいずれであってもよい。本発明において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を意味する。また、「(メタ)アクリル酸エステル」とは、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルを意味する。
前記炭素数が2以上の脂肪族アルコールの(メタ)アクリル酸エステル、すなわち、アルキル基の炭素数が2以上の(メタ)アクリル酸エステルとしては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、及び(メタ)アクリル酸グリシジル等が挙げられる。前記芳香族アルコールの(メタ)アクリル酸エステルとしては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸フェニル、及び(メタ)アクリル酸ベンジル等が挙げられる。これらは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。前記アクリル系重合体は、特に限定されないが、良好な表面特性を有する成形体が得られやすい観点から、炭素数が2以上の脂肪族アルコールの(メタ)アクリル酸エステルを含むことが好ましい。
前記炭素数が2以上の脂肪族アルコールの(メタ)アクリル酸エステルにおいて、特に限定されないが、例えば、表皮層2の表面特性を良好にする観点から、炭素数は2以上24以下であることが好ましく、乳化重合又は微細懸濁重合しやすい観点から2以上12以下であることがより好ましく、2以上8以下であることがさらに好ましい。また、表皮層2の表面特性をより向上させる観点から、前記炭素数が2以上の脂肪族アルコールの(メタ)アクリル酸エステルは、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル及び(メタ)アクリル酸tert−ブチルからなる群から選ばれる少なくとも一種の炭素数が4の脂肪族アルコールの(メタ)アクリル酸エステルであることが好ましく、(メタ)アクリル酸n−ブチル及び(メタ)アクリル酸イソブチルからなる群から選ばれる少なくとも一種の炭素数が4の脂肪族アルコールの(メタ)アクリル酸エステルであることがより好ましい。また、表皮層2の表面特性をより向上させる観点から、前記炭素数が2以上の脂肪族アルコールの(メタ)アクリル酸エステルは、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルを含んでもよい。
前記アクリル系重合体は、例えば、表皮層2の表面特性をより良好にし、熱老化後の柔軟性を高める観点から、(メタ)アクリル酸メチル由来の構成単位を40質量%以上95質量%以下と、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル及び(メタ)アクリル酸tert−ブチルからなる群から選ばれる少なくとも一種の(メタ)アクリル酸エステル由来の構成単位を5質量%以上60質量%以下含むことが好ましく、(メタ)アクリル酸メチル由来の構成単位を50質量%以上95質量%以下と、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル及び(メタ)アクリル酸tert−ブチルからなる群から選ばれる少なくとも一種の(メタ)アクリル酸エステル由来の構成単位を5質量%以上50質量%以下含むことがより好ましく、(メタ)アクリル酸メチル由来の構成単位を60質量%以上95質量%以下と、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル及び(メタ)アクリル酸tert−ブチルからなる群から選ばれる少なくとも一種の(メタ)アクリル酸エステル由来の構成単位を5質量%以上40質量%以下含むことがさらに好ましい。
前記アクリル系重合体は、(メタ)アクリル酸メチル由来の構成単位及び上述した(メタ)アクリル酸エステル由来の構成単位に加えて、他のモノマー由来の構成単位を含んでもよい。他のモノマーとしては、例えば、カルボキシル基含有モノマー、スルホン酸基含有モノマー、カルボニル基含有(メタ)アクリレート類、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート類、エポキシ基含有(メタ)アクリレート類、及びアミノ基含有(メタ)アクリレート類等が挙げられる。カルボキシル基含有モノマーとしては、例えば、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、メタクリル酸2−サクシノロイルオキシエチル、メタクリル酸2−マレイノイルオキシエチル、メタクリル酸2−フタロイルオキシエチル、及びメタクリル酸2−ヘキサヒドロフタロイルオキシエチル等が挙げられる。スルホン酸基含有モノマーとしては、例えば、アリルスルホン酸等が挙げられる。カルボニル基含有(メタ)アクリレート類としては、例えば、アセトアセトキエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート類としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2ーヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。エポキシ基含有(メタ)アクリレート類としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。前記アミノ基含有(メタ)アクリレート類としては、例えば、N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。中でも、コストが安く、(メタ)アクリル酸エステルとの重合性に優れる観点から、メタクリル酸やアクリル酸が好適に用いられる。前記アクリル系重合体において、他のモノマー成分由来の構成単位の含有量は、5質量%以下であることが好ましい。
前記アクリル系重合体は、特に限定されないが、平均粒子径が0.01μm以上10μm以下であることが好ましい。また、前記アクリル系重合体は、例えば、平均粒子径が0.1μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であることがより好ましい。また、前記アクリル系重合体の平均粒子径は、例えば、5μm以下であることが好ましく、2μm以下であることがより好ましい。より具体的に、前記アクリル系重合体の平均粒子径は、例えば、0.1μm以上5μm以下であることが好ましく、0.5μm以上2μm以下であることがより好ましい。前記アクリル系重合体の平均粒子径が上述した範囲内であると、塩化ビニル系樹脂組成物の粉体流動性が高まる。本発明において、前記アクリル系重合体の平均粒子径は、動的光散乱法粒度分布測定器にて測定する。
前記アクリル系重合体は、特に限定されないが、例えば、質量平均分子量が5万以上250万以下であってもよく、熱老化後の柔軟性を高める観点から、質量平均分子量は15万以上であることが好ましく、30万以上であることがより好ましく、35万以上であることがさらに好ましい。また、熱老化後の柔軟性を高める観点から、質量平均分子量は135万以下であることが好ましく、130万以下であることがより好ましく、120万以下であることがさらに好ましい。より具体的に、前記アクリル系重合体は、質量平均分子量が15万以上135万以下であることが好ましく、30万以上130万以下であることがより好ましく、35万以上120万以下であることがさらに好ましい。本発明において、アクリル系重合体の質量平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)にて測定する。
表皮層2の柔軟性及び熱老化後の柔軟性を高める観点から、塩化ビニル系樹脂(A)100質量部に対して、アクリル系重合体の配合量は4質量部以上23質量部以下であることが好ましく、5質量部以上22質量部以下であることがより好ましく、7質量部以上20質量部以下であることがさらに好ましい。
前記アクリル系重合体は、例えば、乳化重合法、シード乳化重合法、微細懸濁重合法、シード微細懸濁重合法等の公知のいずれの重合法で製造してもよいが、分子量、粒子構造、粒子径の制御が容易であり、工業的生産に適している観点から、乳化重合法又は微細懸濁重合法を用いることが好ましい。前記重合法の場合、重合開始剤、界面活性剤(乳化剤及び/又は分散剤として機能する)、連鎖移動剤等を適宜に用いることができる。
前記重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等を用いることができる。
前記界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、脂肪酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルザルコシン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩等のカチオン性界面活性剤を適宜用いることができる。
前記連鎖移動剤としては、特に限定されないが、例えば、主鎖の炭素数が2〜12のアルキルメルカプタン、メルカプトアルコール等を好適に例示できる。主鎖の炭素数が2〜12のアルキルメルカプタンとしては、n−オクチルメルカプタン(1−オクタンチオールとも称される。)、t−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、2−エチルヘキシルチオグリコール等が例示され、メルカプトアルコールとしては、2−メルカプトエタノール等が挙げられる。
前記アクリル系重合体は、均一構造粒子であってもよく、コアシェル構造を有するコアシェル粒子であってもよい。前記アクリル系重合体がコアシェル粒子の場合、特に限定されないが、例えば、コア部分とシェル部分の質量比は、10:90から90:10の範囲であってもよい。
前記アクリル系重合体が均一構造粒子の場合、モノマー混合物を重合して得られた重合体のラテックスを噴霧乾燥することでアクリル系重合体を作製することができる(一段重合とも記す。)。前記アクリル系重合体がコアシェル粒子の場合、モノマー混合物を重合して得られた重合体(コア部分)のラテックスに、さらにモノマー混合物を添加して重合を続けて重合体(コアシェル構造を有する)のラテックスを得た後、噴霧乾燥することでアクリル系重合体を作製することができる(二段重合とも記す。)。なお、コア部分及び/又はシェル部分を二段以上で重合してもよい。
表皮層2の柔軟性をより高める観点から、前記塩化ビニル系樹脂組成物は、さらに、平均粒子径が0.01μm以上50μm未満の塩化ビニル系樹脂(B)を含んでもよい。塩化ビニル系樹脂(B)の平均粒子径は、特に限定されないが、例えば、0.1μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であることがより好ましい。また、塩化ビニル系樹脂(B)の平均粒子径は、例えば、20μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましい。より具体的に、塩化ビニル系樹脂(B)の平均粒子径は、例えば、0.1μm以上20μm以下であることが好ましく、0.5μm以上10μm以下であることがより好ましい。塩化ビニル系樹脂(B)の平均粒子径が上述した範囲内であると、塩化ビニル系樹脂組成物の粉体流動性が高まる。本発明において、前記塩化ビニル系樹脂(B)の平均粒子径は、レーザー回折・散乱式の粒度分布測定装置、例えば、粒度分布測定装置(日機装株式会社製MICROTRAC/HRA(9320−X100))にて測定する。
塩化ビニル系樹脂(B)は、平均重合度が特に限られず、例えば、500以上であってもよく、800以上であってもよい。また、塩化ビニル系樹脂(B)の平均重合度の上限は特に限られないが、例えば、2000以下であってもよく、1500以下であってもよい。より具体的には、塩化ビニル系樹脂(B)の平均重合度は、例えば、500以上2000以下であってもよく、800以上1500以下であってもよい。塩化ビニル系樹脂(B)の平均重合度が上述した範囲内であると、塩化ビニル系樹脂組成物の粉体流動性が高まるとともに、表皮層2の成形加工性が良好になる。本明細書において、塩化ビニル系樹脂(B)の平均重合度は、JIS K 6720−2:1999に準じて測定される。
塩化ビニル系樹脂(B)は、特に限定されないが、例えば、塩化ビニル単量体の単独重合体、及び/又は、塩化ビニル単量体と他の共重合可能な単量体との共重合体を用いることができる。他の共重合可能な単量体としては、特に限定されないが、例えば、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、塩化アリル、アリルグリシジルエーテル、アクリル酸エステル、ビニルエーテル等が挙げられる。
塩化ビニル系樹脂(B)は、例えば、乳化重合法、シード乳化重合法、微細懸濁重合法、シード微細懸濁重合法等の公知のいずれの重合法で製造してもよいが、微粒子が得られやすい観点から、微細懸濁重合法より製造することが好ましい。
前記塩化ビニル系樹脂組成物において、塩化ビニル系樹脂(A)100質量部に対して、塩化ビニル系樹脂(B)の配合量は36質量部以下であることが好ましく、動摩擦係数を低くする観点から、30質量部以下であることがより好ましく、20質量部以下であることがさらに好ましい。また、塩化ビニル系樹脂(B)の配合量の下限は、溶融性を高める観点から、3質量部以上であってもよく、5質量部以上であってもよい。また、塩化ビニル系樹脂(A)に対する塩化ビニル系樹脂(B)の配合量が上述した範囲内であると、塩化ビニル系樹脂組成物の粉体流動性が高まる。
前記塩化ビニル系樹脂組成物において、表皮層2の動摩擦係数を低減し、熱老化後の柔軟性を高める観点から、塩化ビニル系樹脂(A)100質量部に対して、アクリル系重合体及び塩化ビニル系樹脂(B)の合計配合量は、15質量部以上40質量部以下であることが好ましく、15質量部以上35質量部以下であることがより好ましく、15質量部以上30質量部以下であることがさらに好ましい。
表皮層2の動摩擦係数をさらに低減させ、表面特性を向上させる観点から、前記塩化ビニル系樹脂組成物は、アクリル変性ポリオルガノシロキサンを含んでもよく、例えば、塩化ビニル系樹脂(A)100質量部に対して、アクリル変性ポリオルガノシロキサンの配合量は0.5質量部以上であってもよく、1質量部以上であってもよい。表皮層2の熱老化後の柔軟性を高める観点から、塩化ビニル系樹脂(A)100質量部に対して、アクリル変性ポリオルガノシロキサンの配合量は5質量部以下であることが好ましく、4質量部以下であることがより好ましい。より具体的に、塩化ビニル系樹脂(A)100質量部に対して、アクリル変性ポリオルガノシロキサンの配合量は0.5質量部以上5質量部以下であってもよく、1質量部以上5質量部以下であってもよく、1質量部以上4質量部以下であってもよい。
上記アクリル変性ポリオルガノシロキサンは、シリコーン(ポリオルガノシロキサン)の含有量が60質量%以上であることが好ましい。前記アクリル変性ポリオルガノシロキサンは、滑剤としての機能も有する。
前記アクリル変性ポリオルガノシロキサンとしては、例えば、ポリオルガノシロキサンと(メタ)アクリル酸エステルを乳化グラフト共重合して得られたアクリル変性ポリオルガノシロキサンを用いてもよい。前記アクリル変性ポリオルガノシロキサンとしては、例えば、日信化学工業株式会社製のシリコーン・アクリル系ハイブリット樹脂(シャリーヌ(登録商標))等の市販品を用いることができる。
表皮層2、すなわち前記塩化ビニル系樹脂組成物は、さらに、安定剤、着色剤、酸化防止剤、充填剤、紫外線吸収剤等の樹脂配合剤を適宜含んでもよい。また、アクリル変性ポリオルガノシロキサンの以外の滑剤を適宜含んでもよい。
前記安定剤としては、例えば、エポキシ系安定剤、バリウム系安定剤、カルシウム系安定剤、スズ系安定剤、亜鉛系安定剤、ヒンダードアミン系光安定剤、カルシウム−亜鉛系(Ca−Zn系)及びバリウム−亜鉛系(Ba−Zn系)等の複合安定剤も使用することができる。前記安定剤は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。前記安定剤は、塩化ビニル系樹脂(A)100質量部に対して、0.01質量部以上8質量部以下配合することが好ましい。
前記着色剤としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック等を挙げることができる。また、前記着色剤としては、青顔料、赤顔料等の市販の顔料を用いてもよい。前記着色剤は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
前記塩化ビニル系樹脂組成物は、塩化ビニル系樹脂(A)、可塑剤、必要に応じて、アクリル系重合体、塩化ビニル系樹脂(B)、アクリル変性ポリオルガノシロキサン、及びその他の樹脂配合剤を適宜混合することで、製造することができる。混合方法は、特に限定されないが、例えば、ドライブレンド法が好ましい。混合機としては、特に限定されないが、例えば、スーパーミキサー等を用いることができる。
前記塩化ビニル系樹脂組成物をパウダースラッシュ成形することで表皮層2を得ることができる。そのため、表皮層2は、塩化ビニル系樹脂組成物と同様の組成を有することになる。パウダースラッシュ成形の方法は特に限定されないが、例えば、パウダーボックスとスラッシュ成形用金型(以下において、単に「金型」とも記す。)とを備えたスラッシュ成形機において、パウダーボックスに前記塩化ビニル系樹脂組成物を投入するとともに、金型を所定の温度(例えば、230℃以上280℃以下)に加熱し、次いで、スラッシュ成形機を反転させて、所定の温度に加熱された金型の表面に前記塩化ビニル系樹脂組成物を接触させて所定時間(例えば、3秒以上15秒以下)保持し、その後、スラッシュ成形機を再び反転させて金型を冷却(例えば、10℃以上60℃以下)し、冷却された金型から成形体を剥離する方法を用いることができる。
表皮層2の形状は、車両部材用樹脂成形品1の用途や目的等に応じて適宜決めればよく、特に限られない。表皮層2の厚さは、特に限定されないが、例えば、0.5mm以上3.0mm以下であってもよく、0.6mm以上2.0mm以下であってもよく、0.8mm以上1.6mm以下であってもよい。
接着バリア層3は、表皮層2とポリウレタン発泡層4の間に配置されており、後述する、水酸基を含有するアクリル系樹脂で構成されていることにより、表皮層2とポリウレタン発泡層4の接着性を高め、かつ、可塑剤が熱等により表皮層2がポリウレタン発泡層4へ移動することを抑制する役割を果たす。
前記水酸基を含有するアクリル系樹脂は、水酸基を有する(メタ)アクリレート由来の構成単位を20質量%以上60質量%以下、メチル(メタ)アクリレート由来の構成単位を40質量%以上80質量%以下含む。好ましくは、水酸基を有する(メタ)アクリレート由来の構成単位を20質量%以上50質量%以下、メチル(メタ)アクリレート由来の構成単位を50質量%以上80質量%以下含む。ここで、(メタ)アクリレートは、メタクリレート及び/又はアクリレートを意味する。
前記水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、接着性の観点から、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが好ましい。前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートにおいて、アルキル基としては直鎖、又は分岐を有する炭素数1〜10のアルキル基が挙げられる。
前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとして、具体的には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−メチル−3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,3−ジメチル−3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2,2,4−トリメチル−3−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−3−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、及びポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。中でも、表皮層2とポリウレタン発泡層3の間の接着性、及び表皮層2の耐熱老化性をより高める観点から、前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、及び4−ヒドロキシブチルアクリレートからなる群から選ばれる1種以上であることが好ましい。
前記メチル(メタ)アクリレートは、メチルメタクリレートであってもよく、メチルアクリレートであってもよく、これらの混合物であってもよい。汎用性の観点から、前記メチル(メタ)アクリレートは、メチルメタクリレートであることが好ましい。
前記水酸基含有アクリル系樹脂は、水酸基を有する(メタ)アクリレート由来の構成単位、及びメチル(メタ)アクリレート由来の構成単位に加えて、他のモノマー由来の構成単位を含んでもよい。他のモノマーとしては、例えば、上述した炭素数が2以上の脂肪族アルコールの(メタ)アクリル酸エステル、カルボキシル基含有モノマー、スルホン酸基含有モノマー、カルボニル基含有(メタ)アクリレート類、エポキシ基含有(メタ)アクリレート類、及びアミノ基含有(メタ)アクリレート類等が挙げられる。これらの他のモノマーを一種含んでもよく、二種含んでもよい。前記水酸基含有アクリル系樹脂において、他のモノマー成分由来の構成単位の含有量は、接着性及び可塑剤移行抑制の観点から20質量%以下であることが好ましく、より好ましくは10質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以下である。
前記水酸基含有アクリル系樹脂は、特に限定されないが、例えば、良好な接着性とバリア性を得る観点から、数平均分子量が4000以上であることが好ましく、6000以上であることがより好ましく、さらに好ましくは8000以上である。また、前記水酸基含有アクリル系樹脂は、特に限定されないが、例えば、生産性の観点から、数平均分子量が60万以下であることが好ましく、50万以下であることがより好ましく、40万以下であることがさらに好ましい。本発明において、水酸基含有アクリル系樹脂の数平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)にて測定する。
前記水酸基含有アクリル系樹脂は、特に限定されないが、例えば、良好な接着性を得る観点から、水酸基価が40mgKOH/g以上300mgKOH/g以下であることが好ましく、60mgKOH/g以上280mgKOH/g以下であることがより好ましく、75mgKOH/g以上260mgKOH/g以下であることがさらに好ましい。
前記水酸基含有アクリル系樹脂は、溶液重合、塊状重合、懸濁重合、乳化重合等の従来の公知の重合方法で重合すればよく、特に限定されないが、重合反応を制御しやすく、接着バリア層を形成しやすい観点から、溶液重合が好ましい。溶液重合は、重合開始剤の存在下、溶媒中で従来公知の条件で行うことができる。
重合開始剤としては、特に限定されず、例えば、ラジカル重合開始剤を用いることができる。ラジカル重合開始剤として、例えば、アゾ化合物及び有機過酸化物のうちのいずれか1種以上を使用できる。アゾ化合物としては、例えばアゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)等が挙げられる。有機過酸化物としては、例えば過酸化水素、ジターシャリブチルパーオキサイド、過酸化ベンゾイル等を挙げられる。
溶媒としては、重合に用いる単量体成分を溶解し得るものであればよく、特に限定されない。例えば、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒;n−ブチルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、エチルセロソルブ等のアルコール系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート等のエステル系溶媒;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
溶液重合の際には、各単量体を全量一括仕込みで行っても良いし、一部を反応容器に仕込み、残りを滴下して行っても良い。
溶液重合で得られた水酸基含有アクリル系樹脂の溶液は、ハンドリング性の観点から、水酸基含有アクリル系樹脂の濃度が70質量%以下であることが好ましく、より好ましくは60質量%以下であり、さらに好ましくは50質量%以下である。溶液重合で得られた水酸基含有アクリル系樹脂の溶液は、生産性の観点から、水酸基含有アクリル系樹脂の濃度が5質量%以上であることが好ましく、より好ましくは10質量%以上であり、さらに好ましくは15質量%以上である。
溶液重合で得られた水酸基含有アクリル系樹脂の溶液は、そのまま用いてもよく、乾燥して粉末状にしてもよいが、生産性の観点から、水酸基含有アクリル系樹脂の溶液をそのまま用いることが好ましい。水酸基含有アクリル系樹脂が溶液状の場合、そのまま、表皮層の裏面上に塗布して乾燥することで、接着バリア層3を形成することができる。乾燥温度は、特に限定されず、水酸基含有アクリル系樹脂の溶液中の溶媒を除去できる温度であればよい。水酸基含有アクリル系樹脂が、粉末状の場合は、パウダースラッシュ成形法によって、表皮層の裏面上に付着させてもよい。
接着バリア層3は、特に限定されないが、例えば、可塑剤が表皮層からポリウレタン発泡層に移動することをより効果的に抑制する観点から、厚さが5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましく、15μm以上であることがさらに好ましい。また、接着バリア層3は、特に限定されないが、例えば、生産性の観点から、厚さが80μm以下であることが好ましく、60μm以下であることがより好ましく、40μm以下であることがさらに好ましい。
ポリウレタン発泡層4は、車両部材用樹脂成形品1にクッション性を付与する。表皮層2と接着バリア層3との積層体接着バリア層3上にポリウレタン発泡層4を積層する。積層方法としては、特に限定されず、例えば、上述したように表皮層2と接着バリア層3との積層体を作製し、別途ポリウレタン発泡層4となるポリウレタン発泡成形体を作製した後に、熱融着又は熱接着により貼り合わせる方法;表皮層2と接着バリア層3との積層体上にて、発泡ポリウレタン成形体の原料となるイソシアネート類とポリオール類等を反応させて重合を行うとともに、公知の方法によりポリウレタンの発泡を行うことにより積層する方法等が挙げられる。後者の方が、工程が簡素であり、かつ、種々の形状の積層体を得る場合においても、表皮層2と接着バリア層3の積層体と、発泡ポリウレタン成形体の接着を確実に行うことができるので好適である。
ポリウレタン発泡層4の厚さは、特に限定されず、車両部材用樹脂成形品1の用途や目的等に等に応じて適宜決めればよいが、例えば、3mm以上30mm以下であってもよく、5mm以上20mm以下であってもよい。
芯材層5は、熱可塑性樹脂で形成することができる。芯材層5は、汎用性の観点から、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂等で構成することができる。ポリオレフィン系樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン系樹脂が挙げられ、ポリプロピレン系樹脂は、プロピレン単独重合体であってもよく、プロピレンと、エチレン及びブチレン等の他のα-オレフィンの共重合体であってもよい。
芯材層5は、射出成形等で成形することができる。表皮層2と接着バリア層3の積層体と、芯材層5の間で、ポリウレタンの発泡成形を行うことにより、車両部材用樹脂成形品を製造することができる。
芯材層5の厚さは、特に限定されず、車両部材用樹脂成形品1の用途や目的等に等に応じて適宜決めればよいが、例えば、1.0mm以上5.0mm以下であってもよく、1.5mm以上3.0mm以下であってもよい。
車両部材用樹脂成形品1は、特に限定されないが、例えば、自動車等の車両のインストルメントパネル、ドアトリム、トランクトリム、座席シート、ピラーカバー、天井材、リアトレイ、コンソールボックス、エアバッグカバー、アームレスト、ヘッドレスト、メーターカバー、クラッシュパッド等の車両内装材に好適に用いることができる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
まず、実施例及び比較例で用いた測定・評価方法を説明する。
(1)平均粒子径
アクリル系重合体の平均粒子径を動的光散乱式粒度分布測定装置(マイクロトラック・ベル社製「Nanotrac Wave−EX150」)を用いて測定した。
(2)質量平均分子量
アクリル系重合体の質量平均分子量(Mw)を高速GPC装置(東ソー(株)製「HLC−8220」、カラム:東ソー(株)製「TSKguardcolumnHZ−H」及び「TSKgelSuperHZM−H」、GPC溶媒:THF)にて測定した。
(3)数平均分子量
水酸基を含有するアクリル系樹脂の数平均分子量(Mn)を高速GPC装置(東ソー(株)製「HLC−8320」、カラム:東ソー(株)製「TSKgelsuperMultiporeHZ―M」3本、GPC溶媒:THF)にて測定した。
(4)接着性
車両部材用樹脂成形品から表皮層となるPVCシートを剥がし、ポリウレタン発泡層が材料破壊したものを接着性良好とし、PVCシートとポリウレタン発泡層間で界面剥離したものを接着性不良とした。
(5)耐熱老化性
車両部材用樹脂成形品を縦19cm、横25cmに裁断した積層体試料をオーブンに入れ、120℃で168時間加熱することにより、当該積層体試料を熱老化させた。その後、積層体試料から表皮層2となるPVCシートを剥がし、PVCシートの縦と横の寸法を計測した。熱老化前の積層体試料におけるPVCシートの縦寸法をLa、横寸法をSaとし、熱老化後の積層体試料から剥がしたPVCシートの縦寸法をLb、横寸法をSbとし、次下記数式1により、表皮層の熱老化後の収縮率を算出し、表皮層の耐熱老化性を評価した。熱老化後の収縮率が0.5%以下を耐熱老化性が良好であると判断した。
熱老化後の収縮率(%)={1−(Lb/La+Sb/Sa)/2}×100 (1)
(アクリル系重合体の製造例1)
撹拌機、還流冷却器、温度計、窒素ガス導入管及びフィードポンプを備えた2L重合装置に、脱イオン水380gを入れ、窒素雰囲気下で撹拌しながら昇温し、内温が80℃に到達した時点で2%の過硫酸ナトリウム23.5gを添加した。次に、メタクリル酸メチル(MMA)420.0g、メタクリル酸イソブチル(iBMA)280.0g、ジ−(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム2.5g、1−オクタンチオール0.05g、及び脱イオン水230.0gを混合攪拌して作製したモノマー乳化液を2時間かけて滴下し、滴下後も80℃にて2時間攪拌を継続してラテックスを得た。得られたラテックスを室温まで冷却し、スプレードライヤー(大川原化工機株式会社L−12−LS型)を用いて、入口温度130℃、出口温度60℃、アトマイザーディスク回転速度20000rpmにて噴霧乾燥し、アクリル系重合体を製造した。得られたアクリル系重合体は、平均粒子径が0.80μmであり、質量平均分子量(Mw)が52万であった。
(水酸基を含有するアクリル系樹脂の製造例1〜9)
攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管及び滴下ロ−トを備えた反応器に下記表1に記載の(イ)成分を仕込み、窒素ガスを導入しつつ110℃に昇温した後、表1に記載の(ア)成分の混合物を滴下ロ−トから4時間かけて等速滴下した。次に、下記表1に記載の(ウ)成分の混合溶液を1時間かけて等速滴下した。その後、引き続き、110℃で2時間攪拌した後に、室温まで冷却し、水酸基を含有するアクリル系樹脂の溶液Z1〜Z9を合成した。得られた水酸基を含有するアクリル系樹脂の溶液Z1〜Z9(以下において、単にアクリル系樹脂溶液Z1〜Z9とも記す。)のアクリル系樹脂の濃度、GPCで測定したアクリル系樹脂の数平均分子量を下記表1に示した。
Figure 2020163996
(実施例1)
<塩化ビニル系樹脂組成物の製造>
100Lのスーパーミキサー(株式会社カワタ製)に、塩化ビニル系樹脂(A)(塩化ビニル単独重合体、平均重合度1700、平均粒子径152μm、株式会社カネカ製「KS-1700」)100質量部、可塑剤(トリメリット酸トリ(n−オクチル)、株式会社ADEKA製「C−8L」)120質量部、安定剤としてステアリン酸亜鉛5質量部、過塩素酸ナトリウム1.5質量部、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)0.3質量部及びエポキシ化大豆油5質量部、並びに顔料(黒)3質量部を添加し、70℃で混合し、昇温して混合物をドライアップした後、50℃以下に冷却した。得られた混合物に、製造例1で得られたアクリル系重合体を10質量部と塩化ビニル系樹脂(B)(塩化ビニル単独重合体、平均重合度1300、平均粒子径10μm、株式会社カネカ製「PSM−31」)を10質量部添加して混合し、塩化ビニル系樹脂組成物(粉末状)を作製した。
<表皮層2の製造>
上記で得られた塩化ビニル系樹脂組成物を用い、シボ付平板(縦22cm×横31cm)を有するスラッシュ成形用金型とパウダーボックス(縦22cm×横31cm×深さ16cm)とを備えた箱型スラッシュ成形機を使用して、パウダースラッシュ成形を行った。具体的に、まず、パウダーボックスに塩化ビニル系樹脂組成物2kgを投入するとともに、280℃に加熱したスラッシュ成形用金型をスラッシュ成形機にセットした。次いで、金型が260℃となった時点で、スラッシュ成形機を反転させ、塩化ビニル系樹脂シート(PVCシートとも記す。)の厚さが1.2mmとなるように、粉体成形用塩化ビニル系樹脂組成物を当該金型内に約10〜12秒間保持した後、スラッシュ成形機を反転させた。60秒間経過した時点で金型を冷却水で50℃になるまで冷却した。次に、PVCシートを金型から剥がし、表皮層2として用いる塩化ビニル系樹脂成形体を得た。
<接着バリア層3の形成>
上記で得られたPVCシートのシボ面と反対側の面に上記で得られたアクリル系樹脂溶液Z1を、ガラス棒を用いて乾燥後の膜厚が約30μmとなるように塗布した後、120℃で10分間乾燥させ、表皮層2と接着バリア層3の積層体を作製した。
<ポリウレタン発泡層4の形成>
上記で得られた表皮層2と接着バリア層3の積層体を、発泡成形用金型(縦190mm×横240mm×深さ11mm)底面に、表皮層2が発泡成形用金型の底面に接するように敷いた。次に、前記積層体の接着バリア層3上に、4,4´−ジフェニルメタンージイソシアネートを含むA液36gと、ポリエーテルポリオールを含むB液(トリエチレンジアミン1.0質量%、水1.6質量%含有)78gとを混合して調製された原料液を注ぎ、金型を密閉した。所定の時間後、表皮層2(厚さ約1mm)、接着バリア層3(厚さ約30μm)、ポリウレタン発泡層4(厚さ約8mm)がこの順で積層されてなる積層体を金型から回収した。
(実施例2〜4)
アクリル系樹脂溶液Z1に代えて、それぞれ、アクリル系樹脂溶液Z2〜Z4を用いて接着バリア層3を形成した以外は、実施例1と同様にして積層体を作製した。
(比較例1)
接着バリア層を形成せず、表皮層上にポリウレタン発泡層を形成した以外は、実施例1と同様にして積層体を作製した。
(比較例2〜6)
アクリル系樹脂溶液Z1に代えて、それぞれ、アクリル系樹脂溶液Z5〜Z9を用いて接着バリア層3を形成した以外は、実施例1と同様にして車両部材用樹脂成形品を作製した。
実施例及び比較例の車両部材用樹脂成形品において、表皮層とポリウレタン発泡層間の接着性、並び表皮層の耐熱老化性を上記のとおりに評価した。これらの結果を下記表2及び表3に示した。
Figure 2020163996
Figure 2020163996
上記表2の結果から分かるように、実施例1〜4の車両部材用樹脂成形品では、表皮層とポリウレタン発泡層との間に、水酸基を有する(メタ)アクリレート由来の構成単位を20質量%以上60質量%以下、メチル(メタ)アクリレート由来の構成単位を40質量%以上80質量%以下含む水酸基を含有するアクリル系樹脂で構成されている接着バリア層が配置されていることにより、表皮層とポリウレタン発泡層の接着性が良好であるとともに、表皮層の熱老化後の収縮率が0.5%以下であり、耐熱老化性も良好であった。耐熱老化性が良好であることは、熱老化による表皮層からポリウレタン発泡層への可塑剤の移行が効果的に抑制されていることを意味する。
一方、表3の結果から分かるように、接着バリア層を有しない比較例1、接着バリア層を構成する水酸基を含有するアクリル系樹脂における水酸基を有する(メタ)アクリレート由来の構成単位の含有量が20質量%未満である比較例2及び3、接着バリア層を構成する水酸基を含有するアクリル系樹脂におけるメチル(メタ)アクリレート由来の構成単位の含有量が40質量%未満である比較例4〜6では、表皮層の熱老化後の収縮率が1.3%以上であり、耐熱老化性が悪かった。また、メチル(メタ)アクリレート由来の構成単位の含有量が10質量%以下である比較例4は、表皮層とポリウレタン発泡層の接着性も悪かった。
1 車両部材用樹脂成形品
2 表皮層
3 接着バリア層
4 ポリウレタン発泡層
5 芯材層

Claims (7)

  1. 表皮層と芯材層と、これらの層間にポリウレタン発泡層を有する車両部材用樹脂成形品であって、
    前記表皮層は可塑剤を含み、
    前記表皮層と前記ポリウレタン発泡層との間に、水酸基を含有するアクリル系樹脂で構成されている接着バリア層が配置されており、
    前記水酸基を含有するアクリル系樹脂は、水酸基を有する(メタ)アクリレート由来の構成単位を20質量%以上60質量%以下、及びメチル(メタ)アクリレート由来の構成単位を40質量%以上80質量%以下含むことを特徴とする、車両部材用樹脂成形品。
  2. 前記水酸基を有する(メタ)アクリレートは、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、及び4−ヒドロキシブチルアクリレートからなる群から選ばれる1種以上のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを含む請求項1に記載の車両部材用樹脂成形品。
  3. 前記表皮層は、平均粒子径が50μm以上500μm以下の塩化ビニル系樹脂(A)100質量部に対して、可塑剤を110質量部以上180質量部以下、アクリル系重合体を4質量部以上23質量部以下含む請求項1又は2に記載の車両部材用樹脂成形品。
  4. 前記アクリル系重合体は、(メタ)アクリル酸メチル由来の構成単位を40質量%以上95質量%以下と、炭素数が2以上の脂肪族アルコールの(メタ)アクリル酸エステル及び芳香族アルコールの(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも一種の(メタ)アクリル酸エステル由来の構成単位を5質量%以上60質量%以下含む請求項3に記載の車両部材用樹脂成形品。
  5. 塩化ビニル系樹脂(A)は、平均重合度が1350以上である請求項1〜4のいずれかに記載の車両部材用樹脂成形品。
  6. 前記芯材層が、ポリプロピレン系樹脂を含む請求項1〜5のいずれかに記載の車両部材用樹脂成形品。
  7. 車両内装材である請求項1〜6のいずれかに記載の車両部材用樹脂成形品。
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