JP2020163573A - 化粧材 - Google Patents
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Description
なお、図1及び以降に示す図には必要に応じて便宜のため、方向を表す矢印(x、y、z)、即ち座標系も併せて表記した。ここでxy方向は化粧材10における面内方向、z方向は厚さ方向である。従って図1は化粧材10を模様形成層12側の特にz方向から見た(平面視した)図ということになる。
図1からわかるように本形態の化粧材10は、全体として炭素繊維織物調をなす模様を有して形成されている。
また、図3(a)には、化粧材10の構成をよりわかり易く説明するため、化粧材10の一部を拡大して模式的に表した斜視図を示した。図3(b)には、図3(a)を平面視して一部を拡大して表した。
図4には、図3(b)にIV−IVで示した線に沿った切断面を示した。
図1乃至図4よりわかるように、化粧材10は、基材11及び該基材11の一方の面に具備された模様形成層12を有して構成されている。
尚、模様形成層12は、基材11との関係において、以下の2形態(2層積層体、単層体)がある。何れの形態を採用するかは、本発明において本質的な差異では無いため、図3、図4、及び図6においては、図示の簡素化の為、単層体(下記(2))の形態で図示する。
(1)模様形成層12を基材11と別個の層から構成し、これを基材11の一方の面上に積層して基材11と模様形成層12とからなる2層積層体を構成する形態。
(2)模様形成層12を基材11と一層で兼用とした単層体の形態。
また、図1乃至図4よりわかるように、本形態で模様形成層12は次のような形態を備えている。
その他、第一領域13、第二領域14が隣り合う領域と段差がある場合には、その段差により境界が形成され、これが第一領域13、第二領域14の輪郭を形成してもよい。また、第一領域13及び第二領域14の境界を構成するためにこれら領域を囲繞する凸線条又は凹線条が設けられてこれが第一領域13、第二領域14の輪郭を形成してもよい。即ち、図3(a)、図3(b)に点線で表した包絡線の部分を所定の幅と高さとを有する土手状又は溝状の輪郭線領域として、これによって隣接領域間の境界とすることもできる。または、以上のような境界の形態が複数組み合わされて輪郭を形成するように構成されてもよい。
一方、第二領域14は、長方形の長辺がx方向を向き、短辺がy方向を向くように配置されている。そして、間に隙間無く隣り合う第二領域14は、x方向に長辺の半分のピッチ且つy方向に1ピッチずれるようにしつつy方向に並ぶように配列されている。
以上のような第一領域13及び第二領域14の配列により、炭素繊維織物調の形態を模擬することができる。
すなわち、第一領域、第二領域はそれぞれ一方向に長い領域であり、第一領域の一方向と第二領域の一方向とが向きが異なるように配置されている。第一領域及び第二領域が長方形であればその長辺の方向が一方向を意味し、第一領域及び第二領域が菱型であれば長い対角線の方向が一方向を意味する。
ただし、これに限定されることはなく、凸線条13bが延びる方向や配列される向き等は適宜設定することができる。
ただし凸線条14bの曲線の形状は特に限定されることはなく、平面視形状が楕円、放物線、双曲線、楕円関数曲線、サイクロイド、Bessel関数曲線等の定型、不定型な曲線の形態をとることができる。これによってもこれまでとは異なる外観の炭素繊維織物調の化粧材とすることができる。
凸線条の幅(凸線条が延びる方向に直交する方向の大きさ)は、その凸線条のもっと幅広の部分において10μm以上150μm以下であることが好ましい。
凸線条の高さ(z方向の大きさ)は、その凸線条の最も高い部分において5μm以上80μm以下であることが好ましい。
凸線条の長さ(凸線条が延びる方向の大きさ)は領域の大きさにより決まる。
隣り合う凸線条の間隙は特に限定されることはないが、化粧材において炭素繊維織物調の模様を形成するという観点から微細なものであることが好ましい。かかる観点から、より密な炭素繊維織物調を表現する際には隣り合う凸線条の間に隙間がない(間隙が0である)配列も可能である他、これよりも疎である炭素繊維織物調を表現する場合には凸線条間に間隙を設けることができる。当該間隙としては、凸線条の幅より若干小さいことが好ましく、20μm以上140μm以下としてもよい。
本形態では、模様形成層112の第一領域113も第二領域14と同様の曲線状に延びる凸線条14bが形成された凸線条113bを備えている。すなわち、本形態では第一領域113及び第二領域14ともに曲線状に延びる凸線条を有する凸線条群による化粧材である。
ここで、凸線条が延びる形態、配列される態様、凸線条の太さ、高さ等の凸線条の形状は、第一領域113と第二領域14とは同じであってもよいし、異なるものであってもよい。
以下に説明する製造方法には、濃淡画像を作製する工程、版下画像を作製する工程、版を作製する工程、模様形成層を形成する工程を含んでいる。
その際、光学濃度の最小値(例えば、0)を凹凸データの最小値(例えば、0μm)に対応させ、又、光学濃度の最大値(例えば、255)を版深データの最小値(例えば、250μm)に対応させることにより、2次元平面上の各座標(X、Y)に於ける光学濃度P(X、Y)の分布からなる濃淡画像データを同座標における版深D(X、Y)の分布から」なるエンボス版の版深データH(X、Y)に変換する。
ここで、化粧材10の表面の高さ分布D(X、Y)の凹凸模様と版深分布H(X、Y)のエンボス版の表面凹凸模様とが「同平面視形状且つ逆凹凸」となるという意味は、エンボス版面上の凹凸形状が完全に忠実に化粧材表面に賦形された場合において次の関係が成り立つことを意味する。
D(X、Y)=−H(X、Y)
具体的には凹凸模様の製造工程は以下の手順(1)乃至(4)からなる。
図7に示したようなエンボス版彫刻用の金属ロール20を準備した。金属ロール20は、軸方向両端部に回転駆動軸(shaft)21を有する中空の鉄製の円筒の表面に銅層をメッキ形成したものである。砥石で金属ロール20の表面を研磨して粗面化し、彫刻用レーザー光の鏡面反射による彫刻効率の低下を防止する処理をした。
図7に模式的に示したように、レーザー光直接彫刻機を用い、工程(1)で用意した金属ロール20の表面を版下画像作成工程で作成した版深データに基づき彫刻する。これによりその表面に図1のような化粧材表面の凹凸模様と同一平面視形状で且つ逆凹凸(化粧材の凸線条に対応する部分がエンボス版面上では凹線条となる関係)の凹凸形状を形成した。
従ってエンボス版における凹凸模様が備えるべき形状は、上記した化粧材における凸線条による凹凸模様の凹凸関係が反転した態様であり、同様に考えることができる。
その際に、例えば、凹凸模様画像データ上で版深50μmに対応する画像濃度の位置座標においては、合計25回の走査のうち、最初の5回分のみレーザー光を照射(ON)し、残り25回分についてはレーザー光は非照射(OFF)となるよう制御して所望の深さを得る。
かかるレーザー光の走査を完了させ、金属ロール20の表面に所望の凹凸形状を形成した。
彫刻液を洗浄した後、電解研磨を行い、金属ロール20の表面に付着した金属の残渣を除去した。
工程(3)の後、金属ロール表面にメッキにより厚さ10μmのクロム層を形成した。
基材としてポリオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂からなる樹脂シートを用いる。この基材を加熱軟化させ、その表面にエンボス版を押圧して該樹脂シート表面にエンボス版表面の凹凸模様を賦形する。そして樹脂シートを冷却して固化させて樹脂シート上の凹凸模様を固定する。その後に凹凸模様が賦形された樹脂シートをエンボス版から離型する。
ここで、各種エンボス加工法について、さらに説明すると例えば次の(A)乃至(E)のような方法がある。
(B)エンボス版を押圧する時の熱圧で表面シートとなる樹脂シート(基材)とベースシートとする樹脂シート(第2の基材)とを熱融着することにより、エンボス加工とラミネートとを同時に行うダブリングエンボス法によりエンボス加工する。
(C)表面シートとする樹脂シート(基材)を、Tダイから溶融押出しをし、冷却ローラを兼ねるシリンダ状のエンボス版上に接触させて表面シートの成膜と同時にエンボス加工する。このとき、さらに表面シートの裏面側に挿入したベースシートとする樹脂シート(第2の基材)を熱融着させてダブリングエンボスを成膜と同時に行う。
(D)特開昭57−87318号公報、特開平7−32476号公報等に開示の如く、シリンダ状のエンボス版の表面に電離放射線硬化性樹脂の未硬化液状物を塗工する。さらにその上に、樹脂シート等からなるベースシートを重ねた状態で電離放射線を照射して未硬化液状物を硬化させて硬化物とする。その際、該硬化物をベースシートと接着させた後、エンボス版から離型して、ベースシートと該ベースシート上の硬化物とからなる基材とすることで、基材にエンボス加工する。
(E)チタン紙等の紙にメラミン樹脂等の熱硬化性樹脂の未硬化物を含浸した含浸紙を、コア紙、木材合板上等の裏打材上に載置して、これら載置した複数層を熱プレス成形することによって各層を積層一体化して熱硬化性樹脂化粧材を作製する。そのとき、含浸紙表面側にエンボス版を挿入することによって、熱硬化性樹脂を含浸硬化させて化粧材とする際にその表面に熱プレスと同時にエンボス加工する。
11 基材
12 模様形成層
13 第一領域
13a 凸線条群
13b 凸線条
14 第二領域
14a 凸線条群
14b 凸線条
Claims (4)
- 表面に凹凸模様が形成されてなる化粧材であって、
基材、及び、前記基材の一方の面に具備された凹凸を有した模様形成層を備え、
前記模様形成層は、前記化粧材の平面視で一方向が長い領域である第一領域と、前記化粧材の平面視で一方向が長い領域である第二領域と、を有し、
前記第一領域の前記一方向と前記第二領域の前記一方向とは向きが異なるように配置されるとともに、前記第一領域及び前記第二領域はそれぞれ複数設けられて配列されており、
前記第一領域の内側、及び、前記第二領域の内側のそれぞれには、複数の凸線条が配列されているとともに、前記第一領域の前記凸線条、及び、前記第二領域の前記凸線条のうち少なくとも一方は、前記化粧材の平面視で曲線状に延びるように構成されている、化粧材。 - 表面に凹凸模様が形成されてなる化粧材であって、
基材、及び、前記基材の一方の面に具備された凹凸を有した模様形成層を備え、
前記模様形成層は、前記化粧材の平面視で長方形である第一領域と、前記化粧材の平面視で長方形である第二領域と、を有し、
前記第一領域の前記長方形の長辺が延びる方向と前記第二領域の前記長方形の長辺が延びる方向とは異なるように配置されるとともに、前記第一領域及び前記第二領域はそれぞれ複数設けられて配列されており、
前記第一領域の内側、及び、前記第二領域の内側のそれぞれには、複数の凸線条が配列されているとともに、前記第一領域の前記凸線条、及び、前記第二領域の前記凸線条のうち少なくとも一方は、前記化粧材の平面視で曲線状に延びるように構成されている、化粧材。 - 前記第一領域の前記凸線条、及び、前記第二領域の前記凸線条のいずれもが前記化粧材の平面視で曲線状に延びるように構成されている請求項1又は2に記載の化粧材。
- 前記第一領域と前記第二領域との境界に段差が形成されている請求項1乃至3のいずれかに記載の化粧材。
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