JP7243031B2 - 化粧材 - Google Patents

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Description

本発明は化粧材に関し、特に石目調の模様を具備する化粧材に関する。
化粧材における意匠表現は多岐に亘るが、その中で、例えば特許文献1のように、石材の表面を模して表現したいわゆる石目調の模様を具備する化粧材がある。
特開平8-52849号公報
近年における嗜好の多様化や、リアルな意匠表現が求められることもあり、従来の技術では石目を表現する化粧材として不十分である場合もあった。
そこで本発明は、特に石目の表現において、これまでとは異なる質感を得ることができる化粧材を提供することを課題とする。
以下、本発明について説明する。
本発明の1つの態様は、表面に凹凸模様が形成されてなる化粧材であって、基材、及び基材の一方の面に具備された凹凸を有する模様形成層を有し、模様形成層は、複数の凸線条が配置されてなり、少なくとも2つの凸線条が含まれた一辺が15mmの正方形で囲まれた領域を凸線条群領域とし、該凸線条群領域の面積に対する、平面視における凸線条が占める面積を凸線条比率としたとき、離隔した複数の凸線条群領域において、凸線条比率が異なる凸線条群領域があるように凸線条が配置される、化粧材である。
複数の凸線条は互いに平行に形成されないものを含むように構成されてもよい。
複数の凸線条は平面視で閉空間の縁に沿って配置される部位を含むように構成してもよい。
さらに絵柄層が積層されてなるように構成されてもよい。
絵柄層の絵柄模様が石目調であるように構成してもよく、その石目調が花崗岩板切断面調であるように構成してもよい。
本発明によれば、石目調の模様を具備する化粧材として従来とは異なる質感を提供することができる。
図1は、化粧材10の表面の一部を拡大して表した平面図である。 図2(a)は、図1の一部を拡大して表した図、図2(b)は図2(a)の一部を拡大して表した図である。 図3は、化粧材10の表面を説明するために模式的に表した化粧材10の斜視図である。 図4は、凸線条13の配置について他の態様を説明する図である。 図5(a)は化粧材10’を説明する図、図5(b)は化粧材10”を説明する図である。 図6は、レーザにより型に凹凸を形成する場面を説明する図である。 図7は、実施例を説明する図である。 図8は、図7の凸線条領域Fを拡大した図である。
以下、本発明を図面に示す形態に基づき説明する。ただし、本発明はこれら形態に限定されるものではない。なお、以下に示す図面では分かりやすさのため部材の大きさや比率を変更または誇張して記載することがある。また、見やすさのため説明上不要な部分の図示や繰り返しとなる符号は省略することがある。
図1は1つの形態にかかる化粧材10の一部を拡大し、模様形成層12側から平面視した図(平面図)である。図1には便宜のため、方向を表す矢印(x、y、z)、即ち座標系も併せて表記した。ここでxy方向は化粧材10における面内方向、z方向は厚さ方向である。従って図1は化粧材10を模様形成層12側の特にz方向から見た(平面視した)図と言うことになる。
図1からわかるように本形態の化粧材10は、全体として石目調をなす模様を有して形成され、石目を表現している。
図2(a)には図1にAで示した部位を抜き出して拡大した図、図2(b)には図2(a)にBで表した部位を抜き出して拡大した図をそれぞれ表した。また、図3には、化粧材10の構成をよりわかり易く説明するための化粧材10の一部を拡大して模式的に表した斜視図を示した。
図1~図3よりわかるように、化粧材10は、基材11及び該基材11の一方の面に具備された模様形成層12を有して構成されている。
以下、各構成についてさらに詳しく説明する。
基材11は、模様形成層12を保持するとともに化粧材10に強度を付与する機能を有するシート状の部材である。基材11の形態としてはフィルム、シート、或いは板の何れでも良い。一般的には、厚みが比較的薄いものから、順次、フィルム、シート、板と呼称されるが、本形態においては、これら基材の厚み形態による差異は本質的な事項では無く重要な事項でも無い。そのため、本明細書中においてはフィルム、シート、及び板の何れかの用語は適宜他の用語に読み換えても本発明の本質も特許請求の範囲の解釈も不変である。
基材11は従来公知の化粧材と同様の機能を有するものであればよいので、その材料は特に限定されない。例えば、基材の材料としては、通常、ポリエチレン、ポリプロピレン、オレフィン系熱可塑性エラストマー、アイオノマー等のポリオレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体)、スチレン樹脂等の熱可塑性樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、2液硬化型ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂、或いは、ラジカル重合型のアクリレート系やカチオン重合型のエポキシ系等の単量体やプレポリマーで電離放射線(紫外線、電子線等)で硬化する電離放射線硬化性樹脂等が用いられる。なお、基材の材料が樹脂の場合、公知の着色剤で着色しても良い。この他、紙、不織布、金属、木等もシート、板、立体物等の形状で、適宜上記樹脂材料と積層させて、使用することもできる。
基材の厚さには特に制限は無いが、シート状基材又はフィルム状基材の場合は、例えば、厚さ20μm以上1000μm以下程度、板状基材の場合は、例えば、1mm以上20mm以下程度のものが使用される。
模様形成層12は、基材11の一方の面に具備され、化粧材に模様を付与するする層であり、本形態では石目調の模様を付与する形態とされている。本形態で模様形成層12は次のような形態を備えている。
模様形成層12は、図1~図3よりわかるように、複数の有限長である凸線条13が設けられており、この凸線条が平面視において曲線部を有して石目調の模様をなしている。より具体的には、これら複数の凸線条13が皺状に配置されている。また、このような凸線条13を少なくとも2つ含む領域である凸線条群領域14が定義され、この凸線条群領域14が基材11の表面の面内方向(x-y面内方向)に複数配置される。図2(a)、及び図3には凸線条群領域14を点線で囲んで表している。
ここで、1つの凸線条群領域14はx方向に15mm、y方向に15mmからなる、平面視正方形で囲まれる領域である。模様形成層12における凸線条群領域14のxy面内位置は特に限定されることはなく、任意の位置に設定することができる。従って、模様形成層12の全てが凸線条群領域14で満たされている必要はない。また、全ての凸線条13がいずれかの凸線条群領域14に属している必要はなく、いずれの凸線条群領域14にも属していない凸線条13が存在してもよい。ただし、1つの凸線条群領域14には少なくとも2つの凸線条13が含まれるものとする。また、1つの模様形成層12に対して少なくとも2つの凸線条群領域14が設定される。
このように設定された複数の凸線条群領域14は次の関係を有している。
ある1つの凸線条群領域14を平面視したときに、当該凸線条群領域14の面積S(15mm×15mm=225mm)に対する凸線条13が占める面積Sの比率を凸線条比率ρ=S/Sとしたときに、設けられた複数の凸線条群領域14において、当該ρが同一とならず、少なくとも2つの異なるρが存在する。
このように凸線条13を構成することにより石目調の模様において従来とは質感が異なる化粧材となる。
なお、このような凸線条による凹凸模様は、エンボスロール(ロール状の型)で化粧材を作製した場合には、当該型の円周と幅が最大の繰り返しサイズであり、その範囲内で模様の繰り返しサイズが決められている。従って1つの繰り返しサイズ内の凸線条群領域14において、全てのρが異なることが好ましい。
ここで、面積Sは次のように求めることができる。
図3からもわかるように、凸線条13は化粧材の底部から頂部にいたるまでに断面積が変化する(頂部へ向かうほど断面積が小さくなるものが多い。)ため、断面積の一番大きくなる底部で計算する。より具体的には、まず、化粧材表面の凹凸を3Dスキャナで計測して高さに応じた8bitのグレー階調画像と取得する。そしてこの8bit、256階調のうち凹凸底部を示す階調を境として画像を2値化(白黒化)し、白黒の面積比を計算して面積Sを得る。
ただし、後の実施例で示す化粧材の彫刻時は2値化データである必要はなく256階調のままでよい。
凸線条13が具備する高さ、幅、延びる向き、延びる長さ、延びる形状は特に限定されない。凸線条13は、その延びる方向に一定の断面形状である必要はなく、途中で高くなったり、幅が広くなったりしてもよい。
また隣り合う凸線条13のピッチも特に限定されることはなく、隣り合う凸線条13が平行である必要もない。
ただし、石目調の模様を形成する観点から、隣り合う凸線条13では、高さ、太さ、延びる向き、延びる長さ、及び延びる形状の少なくとも1つが相違していることが好ましい。これにより自然の形態をより表現することができる。
凸線条13の高さ、幅の大きさは特に限定されることはないが、化粧材の模様を形成するという観点から微細なものであることが好ましい。好ましくは、いずれも1μm以上3000μm以下、より好ましくは3μm以上1000μm以下である。
以上のような模様形成層12により、石目を表現する化粧材として従来とは異なるもの、特に、より実際の石目に近い表現ができる化粧材を提供することができる。特にその視覚、触感において効果が顕著である。
複数の凸線条13は、さらに次のように配置される態様が含まれていてもよい。図4に模式的に平面図を示した。
図4からわかるように、この態様では凸線条13が平面視で閉空間IVの縁に沿って配置されている。実際の石目に近い表現ができる化粧材ではこのような態様で凸線条13が配置される部分が一部に含まれることがある。
閉空間の形状は図4のような円形に限らず、楕円形、四角形、及び多角形、並びに不定形等であってもよい。また、閉空間の大きさも特に限られることはない。
図5(a)、図5(b)には変形例の化粧材10’及び化粧材10”を示した。いずれの化粧材10’、10”にも、上記化粧材10に対して絵柄層15が積層されている。図5(a)の化粧材10’は絵柄層15が模様形成層12に積層された例、図5(b)の化粧材10”は絵柄層15が基材11のうち、模様形成層12とは反対側の面に積層された例である。
絵柄層15は、絵柄(デザイン)が施された層であり、本形態では石目調の模様であり、そのうちの花崗岩板切断面の絵柄とされている。ただし、これに限定されることなく他の態様の石目調の模様の絵柄であってもよい。この絵柄層15の絵柄は、模様形成層12の凹凸に合わせたパターンの絵柄であっても良いし、模様形成層12の凹凸とは異なるパターンの絵柄であってもよい。
このような絵柄層15のデザインは例えばグラビア印刷、シルクスクリーン印刷、インキジェット印刷等の印刷で形成したインキ層により形成することができる。
絵柄層15を構成するインキとしては、公知のものの中から絵柄の色調及び要求される物性に応じて適宜選択すれば良い。インキのバインダ樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等を1種単独で或いは2種以上混合して用いることができる。
着色剤(顔料、染料等)としては、例えば、チタン白、亜鉛華等の白色着色剤、カーボンブラック(墨)、鉄黒、アゾメチンアゾ系顔料等の黒色着色剤、黄鉛、チタン黄、ポリアゾ系イエロー、イソインドリノンイエロー、ニッケルアゾ錯体等の黄色着色剤、弁柄、カドミウム赤、ポリアゾ系レッド、キナクリドンレッド等の赤色着色剤、群青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー等の青色着色剤、アルミニウム、真鍮等の鱗片状箔片からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料等の着色剤を用いることができる。
その他、必要に応じて、可塑剤、界面活性剤、熱安定剤、紫外線吸收剤、光安定剤、滑剤等各種添加剤を適量添加することができる。
また汚染や傷から保護するために、絵柄層15に対して透明樹脂による保護層を積層してもよい。このような透明保護層は、透明樹脂、又は透明ガラスなどにより構成することができる。透明樹脂を用いる場合には、例えば、熱可塑性樹脂、硬化樹脂による層を挙げることができる。
なお、基材11、模様形成層12、及び絵柄層15のみでも目的の用途において十分な耐汚染性、耐擦傷性等の表面耐久性能が確保可能な場合には、保護層は省略することができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート等のアクリル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ弗化ビニル、ポリ弗化ビニリデン等の弗素樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン樹脂(ABS樹脂)、アクリロニトリル-スチレン-アクリル酸エステル樹脂等が挙げられる。なお、「(メタ)アクリル」は、アクリル又はメタクリルを意味する。
硬化樹脂による層は、硬化性樹脂組成物が硬化した層であり、硬化性樹脂組成物は、硬化性樹脂を含有する組成物である。硬化性樹脂組成物としては、例えば、熱硬化性樹脂を含有する熱硬化性樹脂組成物、電離放射線硬化性樹脂を含有する電離放射線硬化性樹脂組成物等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂(2液硬化型ポリウレタンも含む。)、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、メラミン-尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、熱硬化性樹脂の硬化反応に関与する成分、例えば、触媒、硬化剤(架橋剤、重合開始剤、重合促進剤等を含む)等を含有してもよい。
電離放射線硬化性樹脂は、電離放射線の照射により架橋重合反応を生じ、3次元の高分子構造に変化する樹脂である。電離放射線は、電磁波及び荷電粒子線のうち、分子を重合又は架橋し得るエネルギー量子を有するものであり、紫外線(UV)及び電子線(EB)の他、X線、γ線等の電磁波、α線、イオン線等の荷電粒子線も包含するが、通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が使用される。電離放射線硬化性樹脂の中でも、電子線硬化性樹脂は、無溶剤化が可能であり、光重合用開始剤を必要とせず、安定な硬化特性が得られる。
電離放射線硬化性樹脂としては、例えば、電離放射線の照射により架橋可能な(メタ)アクリロイル基等の重合性不飽和結合、エポキシ基等を分子中に有するモノマー、オリゴマー、或いはプレポリマー等の1種以上を含有する組成物を使用することができる。
保護層の厚さは特に限定されることはないが、0.1μm以上20μm以下が好ましい。薄いと曲げ等による耐久性は高いが耐擦傷性では弱く、厚いと耐擦傷、傷には強いが曲げ等の変形に弱く割れ等が発生するため、上記範囲の厚さとすることによりバランスのよい保護層とすることができる。より好ましくは1μm以上10μm以下である。
次に化粧材10を例に、化粧材の製造方法の例を説明する。ただし、化粧材を製造する方法がこれに限定されることはない。
以下に説明する製造方法には、原稿画像を作製する工程、版下画像を作製する工程、版を作製する工程、模様形成層を形成する工程を含んでいる。
原稿画像を作製する工程では、模様形成層12に表現すべき平面視における模様を取得してこれを原稿画像とする。原稿画像はデジタルデータであることが好ましいため、デジタルデータでない場合には写真やスキャナ等を用いることによりデジタルデータ化する。また、初めから模様をCAD等を用いてデジタルデータを利用して設計していた場合にはそのデジタルデータを用いることができる。
これで、デジタルデータとして原稿画像が得られる。
版下画像を作製する工程では、得られた原稿画像を、濃度-凹凸変換プログラムによって、模様の階調画像に対応して二値画像としての凸線条パターンを二次元仮想平面上に生成して配置し、デジタルデータとして版下画像を得る。
ここでは、凸線条の生成条件に従い、二値画像として図1の如き模様形成層の平面視画像を生成する。このようにして生成された凹凸形状は、その線分部分が、化粧材における凸線条に該当するこのようにして版下画像が得られる。
版を作製する工程では、版下画像に基づいて図1の如き平面視形状の模樣を表面に有するエンボス版(化粧材用成形型)の作製を行う。具体的には凹凸模様の製造工程は以下の手順(1)~(5)からなる。
〔(1)濃淡階調版下画像作成工程〕
アドビシステムズ社製のグラフィックデザイン描画ソフトウエア「Photoshot」を用い、TIFF形式で8bitの画像濃淡階調(256階調)で2540dpiの解像度の濃淡画像データを作成した。この濃淡画像データを凹凸模様画像データともいう。
〔(2)金属ロール準備工程〕
図6に示したようなエンボス版彫刻用の金属ロール20を準備した。金属ロール20は、軸方向両端部に回転駆動軸(shaft)21を有する中空の鉄製の円筒の表面に銅層をメッキ形成したものである。砥石で金属ロール20の表面を研磨して粗面化し、彫刻用レーザ光の鏡面反射による彫刻効率の低下を防止する処理をした。
〔(3)レーザ光彫刻工程〕
図6に模式的に示したように、レーザ光直接彫刻機を用い、工程(2)で用意した金属ロール20の表面を工程(1)で作成した凹凸模様画像データに基づき彫刻する。これによりその表面に図1のような化粧材表面の凹凸模様と同一平面視形状で且つ逆凹凸(化粧材の凸に対応する部分がエンボス版面上では凹となる関係)の凹凸形状を形成した。
従ってエンボス版における凹凸模様が備えるべき形状は、上記した化粧材における凹凸模様の凹凸関係が反転した態様であり、同様に考えることができる。
金属ロール20をその回転駆動軸21を介して電動機で駆動し、回転駆動軸21を中心軸として回転する。レーザーヘッド22から出射される発振波長1024nm、レーザスポット径10μm、出力360Wのファイバーレーザ光Pで金属ロール20の表面の全面を走査する。その際には工程(1)で作成した凹凸模様画像データの濃度値に応じてレーザ光をON-OFF切換(照射又は非照射の切換)を行い、照射位置には1回のレーザ光照射による金属の蒸発で深さ10μmの凹部を形成する。かかるレーザ光による金属ロール表面に対する走査を10回繰り返した。また、蒸発した金属が粉体となって金属ロール20の表面に残留又は付着することを防止するため、彫刻液吐出口23から彫刻液Tを金属ロール20の表面のレーザ光照射領域に吹き付けた状態でレーザ光照射を行った。
その際に、例えば、凹凸模様画像データ上で版深50μmに対応する画像濃度の位置座標においては、合計10回の走査のうち、最初の5回分のみレーザ光を照射(ON)し、残り5回分についてはレーザ光は非照射(OFF)となるよう制御する。
かかるレーザ光の走査を完了させ、金属ロール20の表面に所望の凹凸形状を形成した。
〔(4)電界研磨工程〕
彫刻液を洗浄した後、電解研磨を行い、金属ロール20の表面に付着した金属の残渣を除去した。
〔(5)クロムメッキ工程〕
工程(4)の後、該金属ロール表面にメッキにより厚さ10μmのクロム層を形成した。
以上により模様形成層12の表面に形成された凹凸模様の凹凸が反転した凹凸形状を表面に備える版(化粧材用成形型、本形態ではエンボス版)を得ることができる。
次に、模様形成層を形成する工程で、作製された版(エンボス版)を用いて、基材11にエンボス加工を行えば化粧材10が得られる。エンボス加工は、適宜な公知の方法によれば良く、特に制限はない。エンボス加工の代表的な方法は例えば次のようなものである。
基材としてポリオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂からなる樹脂シートを用いる。この基材を加熱軟化させ、その表面にエンボス版を押圧して該樹脂シート表面にエンボス版表面の凹凸模樣を賦形する。そして樹脂シートを冷却して固化させて樹脂シート上の凹凸模様を固定する。その後に凹凸模様が賦形された樹脂シートをエンボス版から離型する。
ここで、各種エンボス加工法について、さらに説明すると例えば次の(A)~(E)のような方法がある。
(A)基材となる樹脂シートを加熱軟化させ、エンボス版を押圧して、エンボス加工する。
(B)エンボス版を押圧する時の熱圧で表面シートとなる樹脂シート(基材)とベースシートとする樹脂シート(第2の基材)とを熱融着することにより、エンボス加工とラミネートとを同時に行うダブリングエンボス法によりエンボス加工する。
(C)表面シートとする樹脂シート(基材)を、Tダイから溶融押出しをし、冷却ローラを兼ねるシリンダ状のエンボス版上に接触させて表面シートの成膜と同時にエンボス加工する。このとき、さらに表面シートの裏面側に挿入したベースシートとする樹脂シート(第2の基材)を熱融着させてダブリングエンボスを成膜と同時に行う。
(D)特開昭57-87318号公報、特開平7-32476号公報等に開示の如く、シリンダ状のエンボス版の表面に電離放射線硬化性樹脂の未硬化液状物を塗工する。さらにその上に、樹脂シート等からなるベースシートを重ねた状態で電離放射線を照射して未硬化液状物を硬化させて硬化物とする。その際、該硬化物をベースシートと接着させた後、エンボス版から離型して、ベースシートと該ベースシート上の硬化物とからなる基材とすることで、基材にエンボス加工する。
(E)チタン紙等の紙にメラミン樹脂等の熱硬化性樹脂の未硬化物を含浸した含浸紙を、コア紙、木材合板上等の裏打材上に載置して、これら載置した複数層を熱プレス成形することによって各層を積層一体化して熱硬化性樹脂化粧材を作製する。そのとき、含浸紙表面側にエンボス版を挿入することによって、熱硬化性樹脂を含浸硬化させて化粧材とする際にその表面に熱プレスと同時にエンボス加工する。
なお、(A)~(C)のエンボス加工法で用いる基材の材料としては代表的には熱可塑性樹脂が使用され、(D)のエンボス加工法で用いる基材の材料としては代表的には電離放射線硬化性樹脂が使用され、(E)のエンボス加工法で用いる基材の材料としては代表的には熱硬化性樹脂が使用される。
以上のようにして化粧材10を得ることができる。
以上説明した化粧材の用途は特に制限は無いが、例えば、壁、床、天井等の建築物の内装材、建築物の外壁、屋根、門扉、塀、柵等の外裝材、扉、窓枠、扉、扉枠等の建具、廻り縁、幅木、手摺等の造作部材の表面材、テレビ受像機、冷蔵庫等の家電製品や複写機等の事務機器の筐体の表面材、箪笥等の家具の表面材、箱、樹脂瓶等の容器の表面材、車両等の内装材又は外裝材、船舶の内装材又は外裝材等である。
実施例では化粧材10に倣って化粧材を作製し、4つの凸線条群領域C~Fを設定し、凸線条比率を測定した。図7に説明のための図を示した。図7は図1と同じ視点による図である。また、図8には凸線条領域Cを拡大した図を表した。
凸線条群領域C~Fはいずれも15mm×15mmの領域であり、この部分における凸線条が占める面積の割合(凸線条比率)を測定した。凸線条群領域Dは凸線条群領域Cに対してx方向に15mm間隙を有するように設定され、凸線条群領域Eは凸線条群領域Dに対してx方向に15mm間隙を有するように設定され、凸線条群領域Fは凸線条群領域Dに対してy方向に15mm間隙を有するように設定されている。
ここで凸線条比率の求め方は上記の通りである。
その結果、各凸線条群領域C~Fの凸線条比率は表1のようになった。
Figure 0007243031000001
表1からわかるように、本例では全ての凸線条群領域C~Fで異なる凸線条比率を得た。そしてこの化粧材により、石目調の模様として従来とは異なる質感であり、より実際の石目に近い触感、視覚を得ることができた。
10、10’、10” 化粧材
11 基材
12 模様形成層
13 凸線条
14 凸線条群領域

Claims (5)

  1. 表面に凹凸模様が形成されてなる化粧材であって、
    基材、及び前記基材の一方の面に具備された凹凸を有する模様形成層を有し、
    前記模様形成層は、複数の凸線条が配置されて石目調をなし
    少なくとも2つの凸線条が含まれた一辺が15mmの正方形で囲まれた領域を凸線条群領域とし、該凸線条群領域の面積に対する、平面視における前記凸線条が占める面積を凸線条比率としたとき、前記化粧材の面内方向であるxy方向において互いにx方向、及び/又は、y方向に15mmの間隙を有して配置された4つの前記凸線条群領域でいずれも前記凸線条比率が異なるとともに、前記凸線条比率がいずれも0.24以下であり、繰返しの模様が表れるまでの1つの単位の模様の範囲内で、全ての前記凸線条比率が異なるように前記凸線条が配置される、化粧材。
  2. 前記複数の凸線条は互いに平行に形成されていないものを含む、請求項1に記載の化粧材。
  3. さらに絵柄層が積層されてなる、請求項1又は2に記載の化粧材。
  4. 前記絵柄層の絵柄模様が石目調である、請求項3に記載の化粧材。
  5. 前記石目調が花崗岩板切断面調である、請求項4に記載の化粧材。
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